JP2514398B2 - 磁気光学素子用単結晶の育成方法 - Google Patents
磁気光学素子用単結晶の育成方法Info
- Publication number
- JP2514398B2 JP2514398B2 JP63047591A JP4759188A JP2514398B2 JP 2514398 B2 JP2514398 B2 JP 2514398B2 JP 63047591 A JP63047591 A JP 63047591A JP 4759188 A JP4759188 A JP 4759188A JP 2514398 B2 JP2514398 B2 JP 2514398B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- growing
- oxygen concentration
- magneto
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光アイソレータ、光スイッチ、光サーキュ
レータ等の磁気光学材料に使用される液相エピタキシャ
ル法によるBi置換型希土類鉄ガーネット単結晶の育成方
法に関する。
レータ等の磁気光学材料に使用される液相エピタキシャ
ル法によるBi置換型希土類鉄ガーネット単結晶の育成方
法に関する。
[従来の技術] 従来、半導体レーザを光源としている、光通信、光デ
ィスク、光磁気メモリー等の問題点とし、半導体レーザ
より発振した光が、各種部品より反射して再びレーザ光
源へ戻り発振を不安定とさせる現象がある。この様な現
象を防止する為に、光アイソレータが実用化されてい
る。光アイソレータは、ファラデー回転子(光アイソレ
ータ素子)と呼ばれる磁気光学素子によって、直線偏向
の光を磁化の向きに依存して45°回転することを特徴と
するものである。このファラデー回転子として、一般に
鉄ガーネット単結晶が用いられている。このような鉄ガ
ーネット単結晶の育成方法の一つとして、液相エピタキ
シャル法がある。
ィスク、光磁気メモリー等の問題点とし、半導体レーザ
より発振した光が、各種部品より反射して再びレーザ光
源へ戻り発振を不安定とさせる現象がある。この様な現
象を防止する為に、光アイソレータが実用化されてい
る。光アイソレータは、ファラデー回転子(光アイソレ
ータ素子)と呼ばれる磁気光学素子によって、直線偏向
の光を磁化の向きに依存して45°回転することを特徴と
するものである。このファラデー回転子として、一般に
鉄ガーネット単結晶が用いられている。このような鉄ガ
ーネット単結晶の育成方法の一つとして、液相エピタキ
シャル法がある。
この液相エピタキシャル法は、第2図に示されるよう
に、縦型炉(LPE炉本体)の中心孔部に、融液1のはい
った白金るつぼ2が置かれており、白金治具3とアルミ
ナ棒4で保持された非磁性ガーネット基板5を白金るつ
ぼ2の上方から挿入し、融液1に基板5の表面を浸しな
がら回転することにより、この基板5の表面に結晶成長
する方法である。
に、縦型炉(LPE炉本体)の中心孔部に、融液1のはい
った白金るつぼ2が置かれており、白金治具3とアルミ
ナ棒4で保持された非磁性ガーネット基板5を白金るつ
ぼ2の上方から挿入し、融液1に基板5の表面を浸しな
がら回転することにより、この基板5の表面に結晶成長
する方法である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,従来はLPE法によるBi置換型鉄ガーネ
ット単結晶を育成する際,フラックスとして用いられる
酸化鉛,酸化ビスマス,及び酸化硼素は,第3図に示す
ように,るつぼの白金(Pt)が原料溶液中に多量に取り
込み,Bi置換ガーネット単結晶中に不純物として取り込
まれる。(J.Magn.Soc.Jpn.vol.11.Supplement,No.S1
(1985),第355頁,Fig.4,参照)。
ット単結晶を育成する際,フラックスとして用いられる
酸化鉛,酸化ビスマス,及び酸化硼素は,第3図に示す
ように,るつぼの白金(Pt)が原料溶液中に多量に取り
込み,Bi置換ガーネット単結晶中に不純物として取り込
まれる。(J.Magn.Soc.Jpn.vol.11.Supplement,No.S1
(1985),第355頁,Fig.4,参照)。
これにより,Bi置換鉄ガーネット単結晶の光吸収が増
大し,ファラデー回転子の性能指数,即ち,挿入損失1d
Bあたりのファラデー回転角が低下するという問題があ
った。特に,光アイソレータ用ガーネット単結晶は,波
長1.55μmにおいて約500μmの厚さを必要とすること
から,Bi置換ガーネット単結晶の光吸収の増大は,性能
指数の向上に大きな障害となっている。
大し,ファラデー回転子の性能指数,即ち,挿入損失1d
Bあたりのファラデー回転角が低下するという問題があ
った。特に,光アイソレータ用ガーネット単結晶は,波
長1.55μmにおいて約500μmの厚さを必要とすること
から,Bi置換ガーネット単結晶の光吸収の増大は,性能
指数の向上に大きな障害となっている。
そこで,本発明の技術的課題は,液相エピタキシャル
法により,非磁性ガーネット基板上に育成されるBi置換
鉄ガーネット単結晶の育成方法において,フラックスと
して酸化鉛,酸化ビスマス,及び酸化硼素を含むものを
用いかつ酸素濃度21%未満において結晶成長を行い性能
指数の向上した磁気光学素子用単結晶の育成方法を提供
することにある。
法により,非磁性ガーネット基板上に育成されるBi置換
鉄ガーネット単結晶の育成方法において,フラックスと
して酸化鉛,酸化ビスマス,及び酸化硼素を含むものを
用いかつ酸素濃度21%未満において結晶成長を行い性能
指数の向上した磁気光学素子用単結晶の育成方法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,白金るつぼを用い,液相エピタキシ
ャル法によって非磁性ガーネット基板上にBi置換鉄ガー
ネット単結晶の育成する方法において,フラックスとし
て酸化鉛−酸化ビスマス−酸化硼素系を用いかつ酸素濃
度21%未満において結晶成長させることを特徴とする磁
気光学素子用単結晶の育成方法が得られる。本発明にお
いて,育成雰囲気の酸素濃度と光吸収損失とは,比例関
係にあり,酸素濃度が低いほど、光吸収損失が少なく、
従って結晶育成中の酸素濃度を減少させることにより光
吸収の小さいBi置換型希土類鉄ガーネット単結晶を得る
ことができ、その実用的な濃度即ち大気と同じ酸素濃度
21vol%から低い程良い。
ャル法によって非磁性ガーネット基板上にBi置換鉄ガー
ネット単結晶の育成する方法において,フラックスとし
て酸化鉛−酸化ビスマス−酸化硼素系を用いかつ酸素濃
度21%未満において結晶成長させることを特徴とする磁
気光学素子用単結晶の育成方法が得られる。本発明にお
いて,育成雰囲気の酸素濃度と光吸収損失とは,比例関
係にあり,酸素濃度が低いほど、光吸収損失が少なく、
従って結晶育成中の酸素濃度を減少させることにより光
吸収の小さいBi置換型希土類鉄ガーネット単結晶を得る
ことができ、その実用的な濃度即ち大気と同じ酸素濃度
21vol%から低い程良い。
[実施例] 本発明の実施例にを図面を参照して説明する。
実施例1. 本発明の実施例1に係る磁性ガーネットの単結晶板を
次のように製造した。LPE法で,PbO−Bi2O3−B2O3系フラ
ックスを用いて,結晶原料として,Gd2O3,Bi2O3,Fe2O
3を用いて,Gd3-xBixFe5O12(但し,X=0.5〜1.0をGd3(G
aSc)5O12基板{111}上に育成した。育成雰囲気の酸素
濃度は17%とし、酸素と窒素を混合させ、育成炉中に流
入した。この鉄ガーネット単結晶膜の光吸収損失は、波
長1310nmにおいて、0.5dBであり酸素濃度21%の大気中
と比較すると、0.4dB小さいことが判明した。
次のように製造した。LPE法で,PbO−Bi2O3−B2O3系フラ
ックスを用いて,結晶原料として,Gd2O3,Bi2O3,Fe2O
3を用いて,Gd3-xBixFe5O12(但し,X=0.5〜1.0をGd3(G
aSc)5O12基板{111}上に育成した。育成雰囲気の酸素
濃度は17%とし、酸素と窒素を混合させ、育成炉中に流
入した。この鉄ガーネット単結晶膜の光吸収損失は、波
長1310nmにおいて、0.5dBであり酸素濃度21%の大気中
と比較すると、0.4dB小さいことが判明した。
実施例2. 本発明の実施例2について説明する。
第1図は波長1310nmにおける(YBi)3(FeGaAl)5O12
結晶の光吸収損失と育成雰囲気の酸素濃度との関係を示
す図である。この図において、縦軸は光吸収損失(d
B)、横軸は酸素濃度(vol%)を表す。酸素濃度14vol
%における光吸収損失が0.15dBを示し、酸素濃度21%vo
lと比較すると、0.65dB光吸収損失が低下した。第1図
の測定は次のように行われた。Sm3Ga5O12′(GdCa)
3(GaMg)5O12基板上にPb−Bi2O3−B2O3系フラックスを
用い,また,結晶原料としてY2O3,Bi2O3,Fe2O3,Al2O
3,Ga2O3を用い,(YBi)3(FeGaAl)5O12を育成した。
酸素濃度による効果を調べる為、育成中の酸素濃度を21
〜14vol%まで変化させて測定した。尚、酸素濃度が14v
ol%より低い範囲においても、光吸収損失が低減するこ
とが認められた。
結晶の光吸収損失と育成雰囲気の酸素濃度との関係を示
す図である。この図において、縦軸は光吸収損失(d
B)、横軸は酸素濃度(vol%)を表す。酸素濃度14vol
%における光吸収損失が0.15dBを示し、酸素濃度21%vo
lと比較すると、0.65dB光吸収損失が低下した。第1図
の測定は次のように行われた。Sm3Ga5O12′(GdCa)
3(GaMg)5O12基板上にPb−Bi2O3−B2O3系フラックスを
用い,また,結晶原料としてY2O3,Bi2O3,Fe2O3,Al2O
3,Ga2O3を用い,(YBi)3(FeGaAl)5O12を育成した。
酸素濃度による効果を調べる為、育成中の酸素濃度を21
〜14vol%まで変化させて測定した。尚、酸素濃度が14v
ol%より低い範囲においても、光吸収損失が低減するこ
とが認められた。
[発明の効果] 以上,説明したように,本発明によれば,白金るつぼ
を用い,液相エピタキシャル法により非磁性ガーネット
基板上にBi置換鉄ガーネット単結晶を育成する方法にお
いて,フラックスとして酸化鉛−酸化ビスマス−酸化硼
素を用い,かつ酸素濃度21%未満において結晶成長を行
うことにより,光吸収が小さく,即ち,性能指数の高い
Bi置換鉄ガーネット単結晶の育成方法を提供することが
できる。
を用い,液相エピタキシャル法により非磁性ガーネット
基板上にBi置換鉄ガーネット単結晶を育成する方法にお
いて,フラックスとして酸化鉛−酸化ビスマス−酸化硼
素を用い,かつ酸素濃度21%未満において結晶成長を行
うことにより,光吸収が小さく,即ち,性能指数の高い
Bi置換鉄ガーネット単結晶の育成方法を提供することが
できる。
第1図は本発明の実施例に係わる(YBi)3(FeGaAl)5O
12結晶の光吸収損失と育成雰囲気の酸素濃度との関係を
示す図、第2図は従来の液相エピタキシャルの単結晶の
育成装置の構成の一例を示す図である。第3図は従来例
に係るBi置換鉄ガーネットの成長速度と,Pb及びPt成分
の濃度との関係を示す図である。 図中1は融液、2はるつぼ、3は白金治具、4はアルミ
ナ棒、5は非磁性ガーネット板、6はヒータ、7はLPE
炉本体である。
12結晶の光吸収損失と育成雰囲気の酸素濃度との関係を
示す図、第2図は従来の液相エピタキシャルの単結晶の
育成装置の構成の一例を示す図である。第3図は従来例
に係るBi置換鉄ガーネットの成長速度と,Pb及びPt成分
の濃度との関係を示す図である。 図中1は融液、2はるつぼ、3は白金治具、4はアルミ
ナ棒、5は非磁性ガーネット板、6はヒータ、7はLPE
炉本体である。
Claims (1)
- 【請求項1】白金るつぼを用い,液相エピタキシャル法
によって非磁性ガーネット基板上にBi置換鉄ガーネット
単結晶を育成する方法において,フラックスとして酸化
鉛−酸化ビスマス−酸化硼素を用いかつ酸素濃度21%未
満において結晶成長させることを特徴とする磁気光学素
子用単結晶の育成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63047591A JP2514398B2 (ja) | 1988-03-02 | 1988-03-02 | 磁気光学素子用単結晶の育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63047591A JP2514398B2 (ja) | 1988-03-02 | 1988-03-02 | 磁気光学素子用単結晶の育成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01224300A JPH01224300A (ja) | 1989-09-07 |
JP2514398B2 true JP2514398B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=12779495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63047591A Expired - Lifetime JP2514398B2 (ja) | 1988-03-02 | 1988-03-02 | 磁気光学素子用単結晶の育成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2514398B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006273594A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Nec Tokin Corp | 磁気光学ガーネット厚膜単結晶及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2453667A1 (fr) * | 1979-04-10 | 1980-11-07 | Bourguignonne Mec Smb | Filtre pour le depoussierage d'un fluide gazeux |
JPS6158885A (ja) * | 1984-08-29 | 1986-03-26 | Nec Corp | 単結晶成長方法 |
-
1988
- 1988-03-02 JP JP63047591A patent/JP2514398B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01224300A (ja) | 1989-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5898516A (en) | Faraday rotator having a rectangular shaped hysteresis | |
US4932760A (en) | Magneto-optic garnet | |
US20030072870A1 (en) | Process for fabricating an article comprising a magneto-optic garnet material | |
JP2514398B2 (ja) | 磁気光学素子用単結晶の育成方法 | |
JP3458865B2 (ja) | 低飽和磁界ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶、および、その用途 | |
US6673146B2 (en) | Method of manufacturing a magnet-free faraday rotator | |
US3654162A (en) | Ferrimagnetic iron garnet having large faraday effect | |
JPH09202697A (ja) | Bi置換型ガーネットの製造方法 | |
JPH08290998A (ja) | ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶 | |
JP3217721B2 (ja) | ファラデー素子及びファラデー素子の製造方法 | |
JP2874319B2 (ja) | 磁気光学材料、その製造法およびそれを用いた光素子 | |
JP3917859B2 (ja) | ファラデー回転子 | |
JPH11100300A (ja) | ビスマス置換型ガーネット材料及びその製造方法 | |
JP2867736B2 (ja) | 磁気光学材料、その製造法およびそれを用いた光素子 | |
KR0146002B1 (ko) | 자기광학용 조성물 | |
JPS62200323A (ja) | 磁気光学デバイス用薄膜結晶素子 | |
JPS6369718A (ja) | 磁気光学結晶 | |
JP3089742B2 (ja) | 静磁波デバイス用材料 | |
JP3089741B2 (ja) | 静磁波デバイス用材料 | |
JPS63233098A (ja) | ビスマスガ−ネツト結晶の育成方法 | |
JPS62195619A (ja) | 光アイソレ−タ | |
JPH0666216B2 (ja) | ビスマス置換磁性ガーネットの製法 | |
Huahui et al. | Epitaxial growth of highly Bi-substituted garnet films with narrow FMR linewidth and low optical absorption loss | |
JP2843433B2 (ja) | Bi置換磁性ガーネット及び磁気光学素子 | |
JPS62186505A (ja) | ビスマス含有磁性ガ−ネツトの製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |