JPH09324280A - 加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents
加工後耐食性に優れた表面処理鋼板Info
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- JPH09324280A JPH09324280A JP14450596A JP14450596A JPH09324280A JP H09324280 A JPH09324280 A JP H09324280A JP 14450596 A JP14450596 A JP 14450596A JP 14450596 A JP14450596 A JP 14450596A JP H09324280 A JPH09324280 A JP H09324280A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アルコール含有量燃料に対する加工後の耐燃料
腐食性を、溶接性を損なわずに増大できる材料を開発す
る。 【解決手段】 Zn −X合金電気めっき鋼板 (X=Ni、C
o、Mn、Crのうち1種又は2種以上)にZn系薄めっきを
7g/m2以下施し、その上に、10〜200 mg/m2 のクロメー
ト皮膜を形成し、Zn−X合金めっき皮膜の表面のクラッ
クの密度が1000〜150000個/mm2、クラックの最大幅のう
ち、0.5 μm以下のものが90%以上、クラックの深さは
めっきの厚みの80%以上のものが、80%以上であり、Zn
系薄めっき皮膜にもクラックを設けてもよい。
腐食性を、溶接性を損なわずに増大できる材料を開発す
る。 【解決手段】 Zn −X合金電気めっき鋼板 (X=Ni、C
o、Mn、Crのうち1種又は2種以上)にZn系薄めっきを
7g/m2以下施し、その上に、10〜200 mg/m2 のクロメー
ト皮膜を形成し、Zn−X合金めっき皮膜の表面のクラッ
クの密度が1000〜150000個/mm2、クラックの最大幅のう
ち、0.5 μm以下のものが90%以上、クラックの深さは
めっきの厚みの80%以上のものが、80%以上であり、Zn
系薄めっき皮膜にもクラックを設けてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工後耐食性に優
れた表面処理鋼板、特にガソリン、ガソホールなどの燃
料に対して高い耐食性を示す、自動車や二輪車の燃料タ
ンク、さらにはストーブ、ボイラー等の灯油タンク、厳
しい加工性と加工後の高耐食性が要求されるオイルフィ
ルター等の用途に適した表面処理鋼板に関する。
れた表面処理鋼板、特にガソリン、ガソホールなどの燃
料に対して高い耐食性を示す、自動車や二輪車の燃料タ
ンク、さらにはストーブ、ボイラー等の灯油タンク、厳
しい加工性と加工後の高耐食性が要求されるオイルフィ
ルター等の用途に適した表面処理鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や二輪車などの燃料タンク用材料
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性 (以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。これらを総称し
て耐食性、または加工後耐食性という。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn−Pb合金め
っき鋼板)が広く使用されてきた。しかし、めっき皮
膜中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を
使用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解さ
れ易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、
めっき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優
先的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分にな
る、といった問題点があり、代替材料が求められてき
た。
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性 (以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。これらを総称し
て耐食性、または加工後耐食性という。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn−Pb合金め
っき鋼板)が広く使用されてきた。しかし、めっき皮
膜中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を
使用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解さ
れ易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、
めっき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優
先的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分にな
る、といった問題点があり、代替材料が求められてき
た。
【0003】特に、近年は環境問題を配慮した排ガス規
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料(約15%のメタノールを含有するM15 、約85重
量%のメタノールを含有するM85 などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のような
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料(約15%のメタノールを含有するM15 、約85重
量%のメタノールを含有するM85 などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のような
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
【0004】この観点から、加工後の耐食性とコストを
考慮して、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適
用することが従来より検討されてきた。従来技術として
は次の公報を挙げることができる。
考慮して、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適
用することが従来より検討されてきた。従来技術として
は次の公報を挙げることができる。
【0005】特開昭58−45396 号公報には、Ni含有量5
〜50wt%、厚さ0.5 〜20μmのZn−Ni合金電気めっきの
上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼
板が示されている。
〜50wt%、厚さ0.5 〜20μmのZn−Ni合金電気めっきの
上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼
板が示されている。
【0006】特開平5−106058号公報には、Ni含有量8
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60g/m2の付着量で設
けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処
理鋼板が示されている。
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60g/m2の付着量で設
けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処
理鋼板が示されている。
【0007】これらの表面処理鋼板は、外面耐食性は非
常に良好であるが、耐燃料腐食性、特に加工後の耐燃料
腐食性はまだ十分とは言えず、例えばアルコール含有燃
料に塩水が混入した場合などの非常に厳しい環境下では
腐食が起こり易かった。また、これを改善するため、ク
ロメート皮膜またはめっき皮膜を厚くすると、燃料タン
ク用材料として重要な性能である溶接性が劣化するとい
う問題があった。
常に良好であるが、耐燃料腐食性、特に加工後の耐燃料
腐食性はまだ十分とは言えず、例えばアルコール含有燃
料に塩水が混入した場合などの非常に厳しい環境下では
腐食が起こり易かった。また、これを改善するため、ク
ロメート皮膜またはめっき皮膜を厚くすると、燃料タン
ク用材料として重要な性能である溶接性が劣化するとい
う問題があった。
【0008】序いでながら、めっき層にクラックを設け
る技術は特開平5−25679 号公報、および特開平4−33
7099号公報に開示されているが、これらはクラックを設
けた下地めっき層のうえにさらにめっき層を設けそのア
ンカー効果により上層めっき層の密着性を改善しようと
するものである。これは自動車の外板に用いたときの耐
衝撃密着性を改善しようとするものである。
る技術は特開平5−25679 号公報、および特開平4−33
7099号公報に開示されているが、これらはクラックを設
けた下地めっき層のうえにさらにめっき層を設けそのア
ンカー効果により上層めっき層の密着性を改善しようと
するものである。これは自動車の外板に用いたときの耐
衝撃密着性を改善しようとするものである。
【0009】さらに特開昭62−297490号公報にはNi合金
めっき層にクラックを設けることが開示されているが、
これにより表面に微細凹凸模様を形成し黒色化を実現す
るためのものである。
めっき層にクラックを設けることが開示されているが、
これにより表面に微細凹凸模様を形成し黒色化を実現す
るためのものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する加工後の耐燃料腐食性を、溶
接性を損なわずに改善できる技術を開発することであ
る。
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する加工後の耐燃料腐食性を、溶
接性を損なわずに改善できる技術を開発することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X(X=Ni、Co、Mn、Crのうち1種又は2種以
上。以下Xという)合金電気めっき工程の最終段階で通
電を停止し、めっき液中に短時間の浸漬を行いクラック
を作成し、その上に、Zn系の薄めっきを施し、クロメー
ト処理するか、クラックを形成させたZn−X合金めっき
皮膜上に、Zn系の薄めっきを施し、さらにこの表面にも
クラックを施し、次いでクロメート処理することで、加
工後の耐食性、特に耐燃料腐食性が著しく改善されるこ
とに気付いた。その原因を究明した結果、この酸性めっ
き液中での浸漬により、Zn−X合金めっき皮膜にクラッ
クが発生し、こうして発生しためっき表面のクラック密
度、クラックの最大幅および深さが特定の範囲内にある
時に、加工後の耐燃料腐食性が向上することを見出し、
本発明を完成した。
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X(X=Ni、Co、Mn、Crのうち1種又は2種以
上。以下Xという)合金電気めっき工程の最終段階で通
電を停止し、めっき液中に短時間の浸漬を行いクラック
を作成し、その上に、Zn系の薄めっきを施し、クロメー
ト処理するか、クラックを形成させたZn−X合金めっき
皮膜上に、Zn系の薄めっきを施し、さらにこの表面にも
クラックを施し、次いでクロメート処理することで、加
工後の耐食性、特に耐燃料腐食性が著しく改善されるこ
とに気付いた。その原因を究明した結果、この酸性めっ
き液中での浸漬により、Zn−X合金めっき皮膜にクラッ
クが発生し、こうして発生しためっき表面のクラック密
度、クラックの最大幅および深さが特定の範囲内にある
時に、加工後の耐燃料腐食性が向上することを見出し、
本発明を完成した。
【0012】ここに、本発明は、鋼板上に、片面付着量
が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設け、その
合金組成は、Xが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt
%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群から選
んだ少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっき皮膜
の上にZn系めっきを7g/m2以下施し、さらにその上に、
金属Cr換算付着量が10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を
設けた表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき皮膜が
クラックを有し、このクラックの密度がめっき表面の1m
m ×1mm の視野中でのクラックに囲まれた領域の個数で
表して1000〜150000個の範囲であり、かつこのクラック
の最大幅0.5 μm以下のものが90%以上存在し、クラッ
クの深さがめっき皮膜厚さの80%以上のものが80%以上
存在していることを特徴とする、加工後耐食性に優れた
表面処理鋼板である。
が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設け、その
合金組成は、Xが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt
%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群から選
んだ少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっき皮膜
の上にZn系めっきを7g/m2以下施し、さらにその上に、
金属Cr換算付着量が10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を
設けた表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき皮膜が
クラックを有し、このクラックの密度がめっき表面の1m
m ×1mm の視野中でのクラックに囲まれた領域の個数で
表して1000〜150000個の範囲であり、かつこのクラック
の最大幅0.5 μm以下のものが90%以上存在し、クラッ
クの深さがめっき皮膜厚さの80%以上のものが80%以上
存在していることを特徴とする、加工後耐食性に優れた
表面処理鋼板である。
【0013】別の面からは、本発明は、鋼板上に、片面
付着量が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設
け、その合金組成は、Xが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02
〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群
から選んだ少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっ
き皮膜の上にZn系めっきを7g/m2以下施し、さらにその
上に、金属Cr換算付着量が10〜200 mg/m2 のクロメート
皮膜を設けた表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき
皮膜がクラックを有し、このクラックの密度がめっき表
面の1mm ×1mm の視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表して1000〜150000個の範囲であり、
かつこのクラックの最大幅0.5 μm以下のものが90%以
上存在し、クラックの深さがめっき皮膜厚さの80%以上
のものが80%以上存在し、さらにZn系めっき皮膜の表面
にもクラックを施したことを特徴とする、加工後耐食性
に優れた表面処理鋼板である。
付着量が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設
け、その合金組成は、Xが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02
〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群
から選んだ少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっ
き皮膜の上にZn系めっきを7g/m2以下施し、さらにその
上に、金属Cr換算付着量が10〜200 mg/m2 のクロメート
皮膜を設けた表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき
皮膜がクラックを有し、このクラックの密度がめっき表
面の1mm ×1mm の視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表して1000〜150000個の範囲であり、
かつこのクラックの最大幅0.5 μm以下のものが90%以
上存在し、クラックの深さがめっき皮膜厚さの80%以上
のものが80%以上存在し、さらにZn系めっき皮膜の表面
にもクラックを施したことを特徴とする、加工後耐食性
に優れた表面処理鋼板である。
【0014】
【発明の実施の形態】添付図面の図1は、本発明にかか
る表面処理鋼板のめっき皮膜の断面構成を示す模式的説
明図であり、図中、鋼板1の上にはZn−X合金めっき皮
膜2が、そしてその上にはZn系めっき皮膜5を介してク
ロメート皮膜3が設けられており、めっき皮膜2にはク
ラック4が設けられ、また、所望によりZn系めっき皮膜
5にもクラック6が設けられてもよい。
る表面処理鋼板のめっき皮膜の断面構成を示す模式的説
明図であり、図中、鋼板1の上にはZn−X合金めっき皮
膜2が、そしてその上にはZn系めっき皮膜5を介してク
ロメート皮膜3が設けられており、めっき皮膜2にはク
ラック4が設けられ、また、所望によりZn系めっき皮膜
5にもクラック6が設けられてもよい。
【0015】本発明において使用するめっき鋼板のZn−
X合金めっき皮膜の合金組成は、Xは、Ni:3〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt
%から成る群から選んだ少なくとも1種を含む。ただ
し、Xが2種以上の合金元素を包含する場合、好ましく
は、2番目以降の元素は、1番目の元素と同様に、Ni:
3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:
8〜20wt%から成る群から選んでもよく、あるいは2番
目以降の元素をNi、Co、Mn、Crの中から選んでその合計
量を5%以下に制限してもよい。このめっき皮膜のX含
有量とは、Zn−X合金電気めっき直後のX含有量ではな
く、めっき皮膜のクラック発生後のX含有量の平均値を
意味する。本明細書ではこれを単にX含有量という。
X合金めっき皮膜の合金組成は、Xは、Ni:3〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt
%から成る群から選んだ少なくとも1種を含む。ただ
し、Xが2種以上の合金元素を包含する場合、好ましく
は、2番目以降の元素は、1番目の元素と同様に、Ni:
3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:
8〜20wt%から成る群から選んでもよく、あるいは2番
目以降の元素をNi、Co、Mn、Crの中から選んでその合計
量を5%以下に制限してもよい。このめっき皮膜のX含
有量とは、Zn−X合金電気めっき直後のX含有量ではな
く、めっき皮膜のクラック発生後のX含有量の平均値を
意味する。本明細書ではこれを単にX含有量という。
【0016】このめっき全体のX含有量は、Xが単独添
加される場合、それぞれについて上述の範囲より低すぎ
ると、加工後の耐食性および耐燃料腐食性とも十分でな
く、一方X含有量は、Xが2種以上添加される場合も含
めて、それぞれ上述の範囲より高すぎると、加工性また
は外面耐食性が不十分となる。特に合計5%以下加えら
れる2番目以降の元素は外面耐食性のさらなる改良のた
めに添加され、その合計量が5%を越えると加工性の劣
化がわずかにみられる。
加される場合、それぞれについて上述の範囲より低すぎ
ると、加工後の耐食性および耐燃料腐食性とも十分でな
く、一方X含有量は、Xが2種以上添加される場合も含
めて、それぞれ上述の範囲より高すぎると、加工性また
は外面耐食性が不十分となる。特に合計5%以下加えら
れる2番目以降の元素は外面耐食性のさらなる改良のた
めに添加され、その合計量が5%を越えると加工性の劣
化がわずかにみられる。
【0017】Ni単独の場合、その含有量は、好ましくは
3〜14%または9〜18%、より好ましくは10〜14%、さ
らに好ましくは11〜13%である。また、めっき付着量
(片面当たりの量、以下同じ) が5g/m2より少ないと、
加工後の耐食性が不十分であり、一方50g/m2より多い
と、実現される性能が飽和して不経済である上、溶接性
が劣化する。めっき付着量は好ましくは7〜30g/m2、よ
り好ましくは10〜25g/m2である。
3〜14%または9〜18%、より好ましくは10〜14%、さ
らに好ましくは11〜13%である。また、めっき付着量
(片面当たりの量、以下同じ) が5g/m2より少ないと、
加工後の耐食性が不十分であり、一方50g/m2より多い
と、実現される性能が飽和して不経済である上、溶接性
が劣化する。めっき付着量は好ましくは7〜30g/m2、よ
り好ましくは10〜25g/m2である。
【0018】本発明によれば、Zn−X合金めっき皮膜に
前述のように1000〜150,000 個/mm2 の範囲の密度でク
ラックを発生させ、その上にクロメート処理を施すと、
加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に向上する。その理由は
必ずしも明らかではないが、このようなクラック中にク
ロメートが入り込むことにより、クロメート皮膜が強固
に固定されるアンカー効果と、クラックを耐食性に優れ
たクロメート皮膜が覆う表面積が大きくなること、また
非クラック型のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時
にめっき皮膜にクラックが発生し、下地の鋼板が露出す
ることにより耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に
予めクラックを発生させ、そのクラックをクロメート皮
膜で覆うことにより、プレス加工時に新たに発生するク
ラックが少なく、全体として加工後耐食性が向上するこ
と、などが考えられる。
前述のように1000〜150,000 個/mm2 の範囲の密度でク
ラックを発生させ、その上にクロメート処理を施すと、
加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に向上する。その理由は
必ずしも明らかではないが、このようなクラック中にク
ロメートが入り込むことにより、クロメート皮膜が強固
に固定されるアンカー効果と、クラックを耐食性に優れ
たクロメート皮膜が覆う表面積が大きくなること、また
非クラック型のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時
にめっき皮膜にクラックが発生し、下地の鋼板が露出す
ることにより耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に
予めクラックを発生させ、そのクラックをクロメート皮
膜で覆うことにより、プレス加工時に新たに発生するク
ラックが少なく、全体として加工後耐食性が向上するこ
と、などが考えられる。
【0019】本発明では、クラックの密度は、Zn−X合
金めっき皮膜については上層薄めっきを施す前の原板で
測定し、めっき皮膜表面の1mm×1mmの視野中でのクラ
ックに囲まれた領域の個数で表す。このクラック密度の
測定は、サンプルのめっき皮膜表面の倍率1000倍のSEM
(走査式電子顕微鏡) 写真をランダムに30枚撮影し、各
写真についてランダムに設定した0.1 mm×0.1 mmの視野
中にあるクラックに囲まれた領域の個数 (クラック個
数) を画像解析により計数することにより行う。1枚の
写真について1個の視野を計測する。30枚の写真で求め
たこのクラック個数の平均値を算出し、100 倍した値を
クラック密度とする。「クラックに囲まれた領域」と
は、図2に模式的に示すように、SEM 写真において見ら
れる、クラックにより島状に区画された領域のことであ
る。
金めっき皮膜については上層薄めっきを施す前の原板で
測定し、めっき皮膜表面の1mm×1mmの視野中でのクラ
ックに囲まれた領域の個数で表す。このクラック密度の
測定は、サンプルのめっき皮膜表面の倍率1000倍のSEM
(走査式電子顕微鏡) 写真をランダムに30枚撮影し、各
写真についてランダムに設定した0.1 mm×0.1 mmの視野
中にあるクラックに囲まれた領域の個数 (クラック個
数) を画像解析により計数することにより行う。1枚の
写真について1個の視野を計測する。30枚の写真で求め
たこのクラック個数の平均値を算出し、100 倍した値を
クラック密度とする。「クラックに囲まれた領域」と
は、図2に模式的に示すように、SEM 写真において見ら
れる、クラックにより島状に区画された領域のことであ
る。
【0020】本発明によれば、このようにして求めたク
ラック密度が1000個以上、150,000個以下となるようにZ
n−X合金めっき皮膜にクラックを発生させることによ
り、例えば、ガソリンやガソホールによる腐食に対する
耐食性、つまり加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に改善さ
れる。このクラック密度が150,000 個より大きくなる
と、クラックが多すぎ、めっきの被覆率が小さくなりす
ぎて加工後の耐燃料腐食性が劣化する。また、このクラ
ック密度が1000個より少ないと、加工後の耐燃料腐食性
の改善効果が十分でなくなる。好ましくは、クラック密
度が1000〜50,000個である。
ラック密度が1000個以上、150,000個以下となるようにZ
n−X合金めっき皮膜にクラックを発生させることによ
り、例えば、ガソリンやガソホールによる腐食に対する
耐食性、つまり加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に改善さ
れる。このクラック密度が150,000 個より大きくなる
と、クラックが多すぎ、めっきの被覆率が小さくなりす
ぎて加工後の耐燃料腐食性が劣化する。また、このクラ
ック密度が1000個より少ないと、加工後の耐燃料腐食性
の改善効果が十分でなくなる。好ましくは、クラック密
度が1000〜50,000個である。
【0021】また、クラックの最大幅は0.5 μm以下の
ものが90%以上存在することとする。クラックの最大幅
は、上記の30枚のSEM 写真の0.1 mm×0.1 mmの視野中に
存在するクラックの中で最大のクラック幅を測定するこ
とにより求めた値である。すなわち、各写真について1
個ずつの視野を選び各視野の最大幅をもってその領域の
最大幅とし、これが0.5 μm以下のものの割合を決定す
るのである。このクラック最大幅が0.5 μm以下のもの
が90%以上という範囲を外れると、めっき皮膜の環境遮
断効果が阻害され、加工後の外面耐食性および燃料腐食
性がともに劣化する。好ましくはクラックの最大幅0.4
μm以下のものが、90%以上存在することである。
ものが90%以上存在することとする。クラックの最大幅
は、上記の30枚のSEM 写真の0.1 mm×0.1 mmの視野中に
存在するクラックの中で最大のクラック幅を測定するこ
とにより求めた値である。すなわち、各写真について1
個ずつの視野を選び各視野の最大幅をもってその領域の
最大幅とし、これが0.5 μm以下のものの割合を決定す
るのである。このクラック最大幅が0.5 μm以下のもの
が90%以上という範囲を外れると、めっき皮膜の環境遮
断効果が阻害され、加工後の外面耐食性および燃料腐食
性がともに劣化する。好ましくはクラックの最大幅0.4
μm以下のものが、90%以上存在することである。
【0022】クラックの深さは、長さ1mmの範囲で断面
の倍率2000倍のSEM 写真を撮影し、この範囲のクラック
の深さを測定し、これとめっき厚さとを比較したもので
ある。めっき厚みの80%以上の深さのクラックの数が、
この視野の総クラック数の80%以上存在する場合、加工
後の外面耐食性および耐燃料腐食性が優れている。クラ
ックの深さがめっき厚みの80%未満というように浅かっ
たり、めっき厚みの80%以上のクラックの割合が80%未
満と少ないと、加工した際に、新たにクラックが生じ、
加工後の外面耐食性および耐燃料腐食性が損なわれる。
の倍率2000倍のSEM 写真を撮影し、この範囲のクラック
の深さを測定し、これとめっき厚さとを比較したもので
ある。めっき厚みの80%以上の深さのクラックの数が、
この視野の総クラック数の80%以上存在する場合、加工
後の外面耐食性および耐燃料腐食性が優れている。クラ
ックの深さがめっき厚みの80%未満というように浅かっ
たり、めっき厚みの80%以上のクラックの割合が80%未
満と少ないと、加工した際に、新たにクラックが生じ、
加工後の外面耐食性および耐燃料腐食性が損なわれる。
【0023】好ましくは、クラック密度が1000〜50,000
個であり、クラックの最大幅0.4 μm以下のものが、90
%以上存在し、めっき厚みの80%以上のものが、95%以
上存在していることである。
個であり、クラックの最大幅0.4 μm以下のものが、90
%以上存在し、めっき厚みの80%以上のものが、95%以
上存在していることである。
【0024】Zn−X合金めっき皮膜の表面に上記のクラ
ックを発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後
に曲げ戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械
的な方法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によ
りエッチングすることによる化学的処理の方がクラック
密度の制御やクラックの均一性の面で優れているので好
ましい。クラック密度等を上述のような範囲に制御する
には例えば、浸漬条件、特に時間を調整すればよい。
ックを発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後
に曲げ戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械
的な方法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によ
りエッチングすることによる化学的処理の方がクラック
密度の制御やクラックの均一性の面で優れているので好
ましい。クラック密度等を上述のような範囲に制御する
には例えば、浸漬条件、特に時間を調整すればよい。
【0025】Zn−X合金電気めっきを酸性浴 (例、硫酸
塩浴) で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。すなわち、酸性浴中で鋼
板に通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理に
おいて、先に説明したように、めっきの最終段階で通電
を停止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬すること
によりめっき表面をエッチングし、クラックを発生させ
ることができる。これにより、エッチング用に用意した
別の処理槽や酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来
のめっき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後
のエッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発
生させることができ、コストを抑え、工程数を増大させ
ずに効率よく、本発明の表面処理鋼板が製造される。も
ちろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴とは別に付設
した浸漬槽で実施することもできる。
塩浴) で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。すなわち、酸性浴中で鋼
板に通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理に
おいて、先に説明したように、めっきの最終段階で通電
を停止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬すること
によりめっき表面をエッチングし、クラックを発生させ
ることができる。これにより、エッチング用に用意した
別の処理槽や酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来
のめっき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後
のエッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発
生させることができ、コストを抑え、工程数を増大させ
ずに効率よく、本発明の表面処理鋼板が製造される。も
ちろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴とは別に付設
した浸漬槽で実施することもできる。
【0026】本発明にかかるZn−X合金電気めっき鋼板
を例えば、燃料タンクの材料として使用する場合、タン
ク内面側に相当するめっき皮膜は、好ましくは上記のよ
うに酸性めっき液中に浸漬することにより本発明に規定
するようにクラックを発生させるが、タンク外面側のめ
っき皮膜も同様に処理して、内面側と同様にクラックを
発生させることが好ましい。それにより、タンク内面の
耐燃料腐食性の向上に加えて、タンク外面の腐食性も著
しく向上する。また、実際問題として、酸性めっき液な
どへの浸漬によるエッチング処理をめっき鋼板の片面の
みに行うには、シールなどの工程が必要となり操作が煩
雑となるので、両面に等しくエッチングを行う方が工程
上からも有利である。
を例えば、燃料タンクの材料として使用する場合、タン
ク内面側に相当するめっき皮膜は、好ましくは上記のよ
うに酸性めっき液中に浸漬することにより本発明に規定
するようにクラックを発生させるが、タンク外面側のめ
っき皮膜も同様に処理して、内面側と同様にクラックを
発生させることが好ましい。それにより、タンク内面の
耐燃料腐食性の向上に加えて、タンク外面の腐食性も著
しく向上する。また、実際問題として、酸性めっき液な
どへの浸漬によるエッチング処理をめっき鋼板の片面の
みに行うには、シールなどの工程が必要となり操作が煩
雑となるので、両面に等しくエッチングを行う方が工程
上からも有利である。
【0027】本発明にあっては、このZn−X合金電気め
っき皮膜の上にさらにZn系めっき (Zn系薄めっきともい
う) 皮膜を設けるが、このZn系薄めっきは、下地のZn−
X合金めっきと異なった合金組成でもかまわないが、同
一組成の方が、工程上有利である。別種のZn系めっきと
しては、純Znめっき、Zn−Feめっき等が例示される。付
着量はコスト上5g/m2以下が望ましい。このようなZn系
薄めっき皮膜を設けてめっきを2層にすることにより加
工の際にクラックが入る場合でも、発生したクラックが
上層めっきと下層めっき間で分断されるため、めっき全
厚にわたるクラックの発生が抑制され、鉄地の露出が防
がれる。このために優れた外面耐食性、耐燃料腐食性を
示す。
っき皮膜の上にさらにZn系めっき (Zn系薄めっきともい
う) 皮膜を設けるが、このZn系薄めっきは、下地のZn−
X合金めっきと異なった合金組成でもかまわないが、同
一組成の方が、工程上有利である。別種のZn系めっきと
しては、純Znめっき、Zn−Feめっき等が例示される。付
着量はコスト上5g/m2以下が望ましい。このようなZn系
薄めっき皮膜を設けてめっきを2層にすることにより加
工の際にクラックが入る場合でも、発生したクラックが
上層めっきと下層めっき間で分断されるため、めっき全
厚にわたるクラックの発生が抑制され、鉄地の露出が防
がれる。このために優れた外面耐食性、耐燃料腐食性を
示す。
【0028】本発明の別の態様では、このZn系めっき皮
膜にもクラックを設けるが、このようなZn系薄めっきへ
のクラックの生成方法は特に制限されるものではなく、
下地のZn−Xめっき皮膜へのクラック生成方法と同様
に、めっき液中でのエッチングが望ましい。このときの
クラックの密度、幅は特に限定しないが、上述の場合と
同様の基準で、1000〜150000個、最大幅0.5 μm以下の
ものが、90%以上存在することが望ましい。クラック深
さも、好ましくは、めっき厚みの80%以上のものが80%
以上存在するのがよい。
膜にもクラックを設けるが、このようなZn系薄めっきへ
のクラックの生成方法は特に制限されるものではなく、
下地のZn−Xめっき皮膜へのクラック生成方法と同様
に、めっき液中でのエッチングが望ましい。このときの
クラックの密度、幅は特に限定しないが、上述の場合と
同様の基準で、1000〜150000個、最大幅0.5 μm以下の
ものが、90%以上存在することが望ましい。クラック深
さも、好ましくは、めっき厚みの80%以上のものが80%
以上存在するのがよい。
【0029】本発明において規定するこのような各めっ
き皮膜を形成した後、少なくとも未塗装で使用される加
工後の耐食性が必要な面にはクロメート処理を施し、め
っき皮膜の上にクロメート皮膜を形成し、めっき皮膜の
クラックをクロメート皮膜で被覆する。塗装用途の場合
でも、めっき皮膜のクラックをクロメート皮膜で被覆
し、その上を塗装皮膜で被覆すれば、外面耐食性も飛躍
的に向上するので、外面側にもクロメート処理を施して
もよい。
き皮膜を形成した後、少なくとも未塗装で使用される加
工後の耐食性が必要な面にはクロメート処理を施し、め
っき皮膜の上にクロメート皮膜を形成し、めっき皮膜の
クラックをクロメート皮膜で被覆する。塗装用途の場合
でも、めっき皮膜のクラックをクロメート皮膜で被覆
し、その上を塗装皮膜で被覆すれば、外面耐食性も飛躍
的に向上するので、外面側にもクロメート処理を施して
もよい。
【0030】本発明におけるクロメート皮膜は、金属Cr
換算の付着量が10〜200mg/m2となるように形成する。こ
の付着量が10mg/m2 未満では、加工後の耐食性が十分に
発揮されず、一方200mg/m2を越えるとシーム溶接性など
の溶接性が劣化する。クロメート皮膜の好ましい付着量
は金属Cr換算で50〜180mg/m2である。
換算の付着量が10〜200mg/m2となるように形成する。こ
の付着量が10mg/m2 未満では、加工後の耐食性が十分に
発揮されず、一方200mg/m2を越えるとシーム溶接性など
の溶接性が劣化する。クロメート皮膜の好ましい付着量
は金属Cr換算で50〜180mg/m2である。
【0031】このクロメート皮膜は塗布型、電解型、反
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中にCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中にCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
【0032】本発明の別の好適態様にあっては、クロメ
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr 重量比で1.0 〜10.0となるように含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を越えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr 重量比は1.5 〜9.5 である。
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr 重量比で1.0 〜10.0となるように含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を越えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr 重量比は1.5 〜9.5 である。
【0033】本発明において使用するシリカ種に関して
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、クロメート皮膜の金属
Cr換算の付着量は上記と同様でよい。
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、クロメート皮膜の金属
Cr換算の付着量は上記と同様でよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0035】(実施例1、2)表面処理鋼板サンプルの作成 板厚0.8 mmのJIS SPCE相当の冷延鋼板に、下記条件にて
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
にクラックを導入した。クラック密度、クラック最大
幅、およびクラックの深さは、めっき液への浸漬時間を
変化させることにより調整した。また、低クラック密度
でクラック最大幅の大きなZn−X合金めっき皮膜が必要
な場合には、エッチング後にめっき鋼板の二軸引張りを
実施した。エッチング処理しためっき皮膜のクラック密
度とクラックの最大幅、クラック深さは、上述したよう
にSEM 写真から求めた。
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
にクラックを導入した。クラック密度、クラック最大
幅、およびクラックの深さは、めっき液への浸漬時間を
変化させることにより調整した。また、低クラック密度
でクラック最大幅の大きなZn−X合金めっき皮膜が必要
な場合には、エッチング後にめっき鋼板の二軸引張りを
実施した。エッチング処理しためっき皮膜のクラック密
度とクラックの最大幅、クラック深さは、上述したよう
にSEM 写真から求めた。
【0036】 [Zn−X合金電気めっき条件] めっき浴組成 (下地、薄めっきとも) : X( 硫酸塩)0.02 〜1.1 mol/L Zn (ZnSO4) 0.4 〜0.8 mol/L Na (Na2SO4) 1 mol/L pH 1.5〜2.0(硫酸にて調整) めっき条件 :浴温 45 〜50℃ 電流密度 50 〜100 A/dm2 液流速 0.06 〜1.40 m/s 両面ともエッチング処理してめっき皮膜にクラックを発
生させ、Zn系の薄めっきとしてZn−Y( Y=Ni、Co、M
n、Cr) 系合金電気めっきを同様の操作で行った(実施例
1) 。
生させ、Zn系の薄めっきとしてZn−Y( Y=Ni、Co、M
n、Cr) 系合金電気めっきを同様の操作で行った(実施例
1) 。
【0037】実施例2ではこのZn−Y系合金の薄めっき
を設け、通電停止後同じめっき液に浸漬することでクラ
ックを設けた。このようにしてZn−X系合金電気めっき
皮膜およびZn−Y系合金電気めっき皮膜を設けた鋼板の
めっき表面に、下記組成の塗布型クロメート液をロール
コーターで塗布し、150 〜300 ℃で焼付けてクロメート
皮膜を形成し、本発明の表面処理鋼板のサンプルを作製
した。
を設け、通電停止後同じめっき液に浸漬することでクラ
ックを設けた。このようにしてZn−X系合金電気めっき
皮膜およびZn−Y系合金電気めっき皮膜を設けた鋼板の
めっき表面に、下記組成の塗布型クロメート液をロール
コーターで塗布し、150 〜300 ℃で焼付けてクロメート
皮膜を形成し、本発明の表面処理鋼板のサンプルを作製
した。
【0038】シリカとしては、平均一次粒子径が7nmの
乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。一部の
試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ (商品名
スノーテックスO) も使用した。
乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。一部の
試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ (商品名
スノーテックスO) も使用した。
【0039】[クロメート処理液の組成] Cr3+ : 30 g/L Cr6+ : 2 g/L SiO2 : 70 g/L こうして作製した表面処理鋼板のガソリンおよびアルコ
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は表1、表
2にまとめて示す。
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は表1、表
2にまとめて示す。
【0040】耐燃料腐食性に関しては、従来技術との比
較を図3にグラフで示す。図中、本発明例としては表1
のNo.1を用い、このときクラックを設けなかった比較例
をクラックなしとして示すが、クラックの有無によって
ほぼ3倍以上の耐燃料腐食性の改善が見られる。なお、
ターンシート(Sn/Pb:0.10、付着量45g/m2) はポンチ肩
から壁部の腐食が大きく、加工を受けめっきが損傷を受
けた部分は特に腐食が進み易かった。
較を図3にグラフで示す。図中、本発明例としては表1
のNo.1を用い、このときクラックを設けなかった比較例
をクラックなしとして示すが、クラックの有無によって
ほぼ3倍以上の耐燃料腐食性の改善が見られる。なお、
ターンシート(Sn/Pb:0.10、付着量45g/m2) はポンチ肩
から壁部の腐食が大きく、加工を受けめっきが損傷を受
けた部分は特に腐食が進み易かった。
【0041】試験法 [耐燃料腐食性]表面処理鋼板のブランク (プレス打ち抜
き試験片) を下記条件で円筒絞り成形してカップを作製
し、このカップの中に下記組成のガソリン( ガソホー
ル)30mlを封入し、容器を密閉して180 日目の内面の最
大侵食深さ(Pm)により耐燃料腐食性を次の基準にて評価
した (n=2) 。
き試験片) を下記条件で円筒絞り成形してカップを作製
し、このカップの中に下記組成のガソリン( ガソホー
ル)30mlを封入し、容器を密閉して180 日目の内面の最
大侵食深さ(Pm)により耐燃料腐食性を次の基準にて評価
した (n=2) 。
【0042】 ◎:Pm <0.1 mm ○:0.1 mm≦Pm <0.2 mm △:0.2 mm≦Pm <0.5 mm ×:0.5 mm≦Pm 円筒絞り成形条件 ブランク径 : 100mm( 直径) ボンチ径 : 50mm( 直径、肩r =5mm) ダイス径 : 51mm( 直径、肩r =5mm) ブランクホルダー圧: 10KN 絞り高さ : 30mm 面粗さ : #1200 毎回研磨 潤滑剤なしで成形( 成形前に脱脂) 脱脂条件 2%リドソール浸漬( 液温度53℃) 3分間→純水浸漬(
常温)1.5分間→乾燥(165℃) 8分間→常温放置20分間→
乾燥(165℃)15 分間 (注) アグレッシブメタノール (aggressive methanol)
は、無水メタノール95%と、0.1 %NaCl+0.08%Na2SO4
+10%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
常温)1.5分間→乾燥(165℃) 8分間→常温放置20分間→
乾燥(165℃)15 分間 (注) アグレッシブメタノール (aggressive methanol)
は、無水メタノール95%と、0.1 %NaCl+0.08%Na2SO4
+10%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
【0043】[外面耐食性]表面処理鋼板のブランクを、
絞り高さを25mmに変更した以外は上記の耐燃料腐食性試
験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ部をシー
ルして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSST(塩水噴霧
試験) を2000時間行った。加工後の外面耐食性はSST 20
00時間後の最大侵食深さ(Pm)により評価した。
絞り高さを25mmに変更した以外は上記の耐燃料腐食性試
験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ部をシー
ルして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSST(塩水噴霧
試験) を2000時間行った。加工後の外面耐食性はSST 20
00時間後の最大侵食深さ(Pm)により評価した。
【0044】 ◎:Pm <0.1 mm ○:0.1 mm≦Pm <0.4 mm △:0.4 mm≦Pm <0.8 mm ×:0.8 mm≦Pm [溶接性]下記条件で連続シーム溶接試験を100 m行った
後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下記基準で評価し
た。
後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下記基準で評価し
た。
【0045】シーム溶接条件 加圧力 : 300 kgf 通電時間: 3 cycles 休止時間: 2 cycles 電流 : 13,000A 速度 : 2.5 m/min 溶接性評価基準 ○:溶着良好 ×:ブローホール存在
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明にかかる表面処理鋼板は、燃料タ
ンクの製造に用いた場合には、ガソリンのみならず、ガ
ソホールなどのアルコール含有燃料にたいしても高い耐
燃料腐食性を示し、従来のZn−X合金電気めっき装置を
そのまま使用して効率よく安価に製造でき、かつ人体に
有害なPbを含有しないため安全性にも優れている。
ンクの製造に用いた場合には、ガソリンのみならず、ガ
ソホールなどのアルコール含有燃料にたいしても高い耐
燃料腐食性を示し、従来のZn−X合金電気めっき装置を
そのまま使用して効率よく安価に製造でき、かつ人体に
有害なPbを含有しないため安全性にも優れている。
【図1】本発明にかかる表面処理鋼板のめっき皮膜の断
面構成の模式的説明図である。
面構成の模式的説明図である。
【図2】めっき皮膜の表面クラックの模式図である。
【図3】本発明にかかる表面処理鋼板と従来の表面処理
鋼板との加工後の耐燃料腐食性に関する実施例の結果を
示すグラフである。
鋼板との加工後の耐燃料腐食性に関する実施例の結果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶山 栄二 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 川西 義博 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板上に、片面付着量が5〜50g/m2のZn
−X合金電気めっき皮膜を設け、その合金組成は、X
が、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt
%、Cr:8〜20wt%から成る群から選んだ少なくとも1
種を含み、このZn−X合金めっき皮膜の上にZn系めっき
を7g/m2以下施し、さらにその上に、金属Cr換算付着量
が10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を設けた表面処理鋼
板からなり、Zn−X合金めっき皮膜がクラックを有し、
このクラックの密度がめっき表面の1mm ×1mm の視野中
でのクラックに囲まれた領域の個数で表して1000〜1500
00個の範囲であり、かつこのクラックの最大幅0.5 μm
以下のものが90%以上存在し、クラックの深さがめっき
皮膜厚さの80%以上のものが80%以上存在していること
を特徴とする、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板。 - 【請求項2】 鋼板上に、片面付着量が5〜50g/m2のZn
−X合金電気めっき皮膜を設け、その合金組成は、X
が、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt
%、Cr:8〜20wt%から成る群から選んだ少なくとも1
種を含み、このZn−X合金めっき皮膜の上にZn系めっき
を7g/m2以下施し、さらにその上に、金属Cr換算付着量
が10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を設けた表面処理鋼
板からなり、Zn−X合金めっき皮膜がクラックを有し、
このクラックの密度がめっき表面の1mm ×1mm の視野中
でのクラックに囲まれた領域の個数で表して1000〜1500
00個の範囲であり、かつこのクラックの最大幅0.5 μm
以下のものが90%以上存在し、クラックの深さがめっき
皮膜厚さの80%以上のものが80%以上存在し、さらにZn
系めっき皮膜の表面にもクラックを施したことを特徴と
する、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8144505A JP2985768B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8144505A JP2985768B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324280A true JPH09324280A (ja) | 1997-12-16 |
JP2985768B2 JP2985768B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=15363929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8144505A Expired - Fee Related JP2985768B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2985768B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016117595A1 (ja) * | 2015-01-21 | 2016-07-28 | 新日鐵住金株式会社 | 燃料タンク用表面処理鋼板 |
WO2016125740A1 (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-11 | 新日鐵住金株式会社 | 燃料タンク用鋼板 |
JP2021066919A (ja) * | 2019-10-21 | 2021-04-30 | 日本製鉄株式会社 | 熱間プレス成形用めっき鋼板 |
-
1996
- 1996-06-06 JP JP8144505A patent/JP2985768B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP6066020B2 (ja) * | 2015-01-21 | 2017-01-25 | 新日鐵住金株式会社 | 燃料タンク用表面処理鋼板 |
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