JPH09324109A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH09324109A
JPH09324109A JP8144093A JP14409396A JPH09324109A JP H09324109 A JPH09324109 A JP H09324109A JP 8144093 A JP8144093 A JP 8144093A JP 14409396 A JP14409396 A JP 14409396A JP H09324109 A JPH09324109 A JP H09324109A
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JP
Japan
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component
coating film
resin composition
fluoroolefin
vinyl
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JP8144093A
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English (en)
Inventor
Sadaichi Tonomura
貞一 外村
Hiroki Hayashi
宏樹 林
Ryuichi Aoki
隆一 青木
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Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐酸性に優れた塗膜を得ることがで
き、さらに硬化性と貯蔵安定性の両立が可能な熱硬化性
樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】水酸基を有するフルオロオレフィン系共重
合体、分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
及び熱潜在性カチオン重合開始剤を含有する熱硬化性樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物
に関し、さらに詳細には、硬化性、貯蔵安定性に優れて
おり、また耐候性、耐酸性に優れた塗膜を提供すること
のできる熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性樹脂組成物として、メラ
ミン樹脂やポリイソシアネートを架橋剤とする系が多く
使用されてきた。しかし、前者は耐酸性に乏しい点、後
者はポリイソシアネートの毒性の点などで問題があっ
た。これらの他に、シラン架橋反応、活性エステルによ
るエステル交換反応、マイケル付加反応、エポキシ基の
カチオン重合反応などを利用した熱硬化性樹脂組成物が
知られているが、何れも塗膜の耐久性と塗料の貯蔵安定
性の両立は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な諸問題を解決するものであり、耐候性、耐酸性に優れ
た塗膜を得ることができ、さらに硬化性と貯蔵安定性の
両立を可能にした熱硬化性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂組
成物の一成分としてフルオロオレフィン系共重合体を使
用することにより耐候性、耐酸性に優れた塗膜を得るこ
とができ、さらに熱硬化性樹脂組成物の一成分として熱
潜在性カチオン重合開始剤の使用により硬化性と貯蔵安
定性の両立が可能になることを見出し、本発明に到達し
た。
【0005】即ち、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、
(A)水酸基を有するフルオロオレフィン系共重合体、
(B)分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
及び(C)熱潜在性カチオン重合開始剤を含有すること
を特徴とする。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて(A)成分として用いる「水酸基を有するフルオ
ロオレフィン系共重合体」は、水酸基又は水酸基に変換
され得る基を有し且つフルオロオレフィンと共重合可能
な二重結合を併せ有する単量体とフルオロオレフィン単
量体とを共重合させて得ることができる。
【0007】上記の水酸基を有し且つフルオロオレフィ
ンと共重合可能な二重結合を併せ有する単量体として
は、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロ
ピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシ
シクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキル
ビニルエーテル類、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシ
プロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキ
シイソ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキ
シシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のヒドロキシアル
キルカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類、ヒ
ドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルア
リルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒド
ロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシシクロヘ
キシルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエ
ーテル類、ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキ
シプロピルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエ
ステル、ヒドロキシイソブチルアリルエステル、ヒドロ
キシシクロヘキシルアリルエステル等のヒドロキシアル
キルアリルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類等
や、これらの部分的にフッ素置換された化合物等を挙げ
ることができ、これらの一種又は二種以上を適宜選択し
て使用することができる。また、フルオロオレフィンと
の共重合性の観点から、ビニル系或いはアリル系化合物
を使用することが好ましい。
【0008】上記のフルオロオレフィン単量体として
は、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキ
サフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等を
挙げることができ、これらの一種又は二種以上を適宜選
択して使用することができる。また、塗膜に要求される
性状、併用するコモノマーの種類、又は併用するエポキ
シ化合物の種類に応じ適宜選択することができる。
【0009】また、本発明で用いる「水酸基を有するフ
ルオロオレフィン系共重合体」は、上記の各単量体の他
に、該フルオロオレフィン系共重合体の融点又はガラス
転移点を下げたり、塗装作業性をさらに向上させたり、
塗膜に適当な硬度、可撓性、光沢等の物性を付与したり
するなどの目的に応じて、上記成分と共重合可能なその
他の所望のコモノマーをも共重合させたものであっても
よい。
【0010】かかるコモノマーとしては、フルオロオレ
フィンと共重合可能な程度に活性な不飽和基を有し、塗
膜の耐候性を著しく損なわないものが採用される。好ま
しくは、フルオロオレフィンとの共重合性に優れるビニ
ル系、アクリル系化合物又はアルケン類が採用される。
またビニル系、アクリル系のアルキルエステル或いはア
ルキルエーテルを採用する場合、アルキル基は炭素数2
〜10程度の直鎖状、分岐状又は脂環状のアルキル基で
あることが好ましい。
【0011】かかるコモノマーとしては、一般的にはエ
チレン性不飽和化合物、例えば、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸
ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のアルキル
カルボン酸とビニルアルコールとのエステル類、エチル
アリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリ
ルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシ
ルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類、エチ
ルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルア
リルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキ
シルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類、エ
チレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアル
ケン類、(メタ)アクリル酸、又はエチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸のエステル類など、またこれらの部分的にフ
ッ素置換された化合物等を挙げることができ、所望によ
りこれらの一種又は二種以上を適宜選択して使用するこ
とができる。
【0012】また、市販品の水酸基を有するフルオロオ
レフィン系共重合体として、ルミフロンLF−100,
200,210,216,300,400,502,5
04,550,552,554,700,800,91
6,9010(旭硝子社製)、フルオネートK−70
0,701,702,703,704,705,706
(大日本インキ化学工業社製)、ザフロンFC−11
0,220,222,250,310,351(東亞合
成化学工業社製)、セフラルコートAS−300,50
0(セントラル硝子社製)、ゼッフルGK−510,L
C−920,950(ダイキン工業社製)等を用いても
良い。
【0013】本発明で用いる「水酸基を有するフルオロ
オレフィン系共重合体」は、フッ素含有量が5重量%以
上であることが好ましい。通常は、このフッ素含有量は
フルオロオレフィン系共重合体中のフルオロオレフィン
単位の組成割合に依存するが、しかし一旦該共重合体を
製造してからポリマー反応によりこのフッ素含有量を増
減させることもできる。フッ素含有量が5重量%未満の
場合には、塗膜の耐候性が不十分となる傾向があるので
好ましくない。塗膜の耐候性及び塗装作業性などの総合
的性能バランスから見て、フルオロオレフィン系共重合
体のフッ素含有量が15〜70重量%であることが特に
好ましい。
【0014】また、本発明で用いる「水酸基を有するフ
ルオロオレフィン系共重合体」は、フッ素含有量が5重
量%であって、その上にフルオロオレフィン単位を30
〜70モル%の範囲で含有するものであることが特に好
ましい。フルオロオレフィン単位をこの範囲で含有する
ものを用いることで耐候性がさらに顕著に向上し、ま
た、フルオロオレフィン系共重合体が非結晶質になりや
すく、すなわちフルオロオレフィン系共重合体が結晶質
になりにくいため、密着性が良く、均一で平滑な表面を
有する塗膜を形成しやすくなる。
【0015】本発明で用いる「水酸基を有するフルオロ
オレフィン系共重合体」は従来公知の方法により合成す
ることができる。触媒の存在下或いは非存在下で、所定
割合のモノマー混合物に重合開始剤を作用せしめて重合
させることにより得ることができる。また溶液重合、乳
化重合、懸濁重合の何れの方法によっても製造すること
ができる。
【0016】本発明で用いる「水酸基を有するフルオロ
オレフィン系共重合体」の水酸基価は10〜200であ
ることが好ましく、特に好ましくは50〜100であ
る。水酸基価が10未満の場合には得られる塗膜の外
観、耐候性の悪化を招き、また水酸基価が200を越え
ると耐水性が悪化するので好ましくない。
【0017】本発明で(B)成分として用いる「分子中
に2個以上のエポキシ基を有する化合物」としては、例
えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル
類、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリ
シジルエステル、水添フタル酸ジグリシジルエステル、
トリメリット酸トリグリシジルエステル等のグリシジル
エステル類、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビ
ス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の脂環式エポ
キシ化合物類等が挙げられる。さらに市販品のERL−
4221,4299(UCC社製)、セロキサイド−2
021,3000(ダイセル化学工業社製)等を用いて
も良い。
【0018】本発明で用いる「分子中に2個以上のエポ
キシ基を有する化合物」は、エポキシ基を有し且つ共重
合可能な二重結合を併せ有する単量体を共重合させるこ
とによっても得ることができ、また必要に応じてその他
の共重合可能なコモノマーと共重合させることもでき
る。エポキシ基を有し且つ共重合可能な二重結合を併せ
有する単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグルシジル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル等
が挙げられる。
【0019】また、上記のコモノマーとしては、上記の
エポキシ基を有し且つ共重合可能な二重結合を併せ有す
る単量体と共重合可能な程度に活性な不飽和基を有し、
塗膜の耐候性を著しく損なわないものが採用され、一般
的にはエチレン性不飽和化合物、例えば、前記で「フル
オロオレフィンと共重合可能な程度に活性な不飽和基を
有し、塗膜の耐候性を著しく損なわないもの」として例
示したコモノマーと同じものが使用できる。
【0020】本発明で用いる「分子中に2個以上のエポ
キシ基を有する化合物」のエポキシ価は25〜500で
あることが好ましく、特に好ましくは50〜200であ
る。エポキシ価が25未満では硬化が不十分で、得られ
る塗膜の外観、耐候性、耐溶剤性、耐擦り傷性等の悪化
を招く傾向があるので好ましくない。逆に500より大
きいと、得られる塗膜の外観、可撓性、付着性等が劣る
傾向があるので好ましくない。
【0021】本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、
(A)成分と(B)成分の固形分比率が(A)成分/
(B)成分=10/100〜100/10であることが
好ましく、この範囲内であることで、樹脂組成物の貯蔵
安定性及び塗装作業性、また得られる塗膜の外観、耐候
性、耐酸性等のバランスが良好となる。
【0022】本発明で(C)成分として用いる「熱潜在
性カチオン重合開始剤」は、熱的に開裂してカルボカチ
オンを発生するカチオン重合開始剤であり、常温では不
活性であるが加熱して臨界温度に達すると開裂してカチ
オンを発生し、カチオン重合を開始させる化合物であ
る。このような熱潜在性カチオン重合開始剤としては、
例えば、1−(4−メトキシベンジル)−4−シアノピ
リジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(4−
メチルベンジル)−4−シアノピリジニウムヘキサフル
オロアンチモネート、1−(4−t−ブチルベンジル)
−4−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、1−(4−t−ブチルベンジル)−4−シアノピリ
ジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(4−t−
ブチルベンジル)−4−シアノピリジニウムテトラフル
オロボレート、1−(4−クロロベンジル)−4−シア
ノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−
(4−ニトロベンジル)−4−シアノピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、1−(4−メトキシベンジ
ル)−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、1−(4−メチルベンジル)−2−クロロピリ
ジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(2,4
−ジメチルベンジル)−2−アセチルピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−クロロ
ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジ
ル−2−クロロピリジニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート等のベンジルピリジニウム塩化合物、ベンジルテト
ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
ベンジルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロア
ルセネート、ベンジルテトラメチレンスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、p−メトキシベンジルテト
ラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、p−メトキシベンジルテトラメチレンスルホニウム
ヘキサフルオロアルセネート、ベンジルジメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、プレニルテトラ
メチレンスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、プ
レニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート、クロチルテトラメチレンスルホニウムヘキ
サフルオロアルセネート、クロチルテトラメチレンスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルプレ
ニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、t−ブ
チルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアルセ
ネート、トリプレニルスルホニウムヘキサフルオロアル
セネート等のスルホニウム塩型化合物等が挙げられ、こ
れらの一種あるいは二種以上を混合して使用することも
可能である。
【0023】本発明で用いる「熱潜在性カチオン重合開
始剤」の配合量は、(A)成分及び(B)成分の固形分
の総計の0.05〜5重量%であることが好ましく、特
に好ましくは0.1〜1重量%である。0.05重量%
未満では硬化が不十分で、得られる塗膜の外観、耐候
性、耐溶剤性、耐擦り傷性等の悪化を招く傾向があるの
で好ましくない。逆に配合量が5重量%を越えると組成
物の貯蔵安定性が悪化する場合があるので好ましくな
い。
【0024】
【実施例】以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実
施例に限定されるものではない。なお、合成例、実施例
及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り
重量基準である。
【0025】合成例1 ステンレス製攪拌機付耐圧反応器にt−ブタノール15
7部、シクロヘキシルビニルエーテル17部、エチルビ
ニルエーテル10部、4−ヒドロキシ−n−ブチルビニ
ルエーテル21部、炭酸カリウム1部及びアゾビスイソ
ブチロニトリル0.07部を仕込み、液体窒素を用いて
固化脱気法により溶存空気を除去した。その後、クロロ
トリフルオロエチレン52部を導入し、徐々に昇温させ
た。そして温度を65℃に維持して攪拌下で反応を続
け、10時間後に反応器を水冷して反応を停止させた。
室温まで冷却した後、未反応モノマーを抜き出し、反応
器を開放した。得られた共重合体の組成はモノマー組成
にほぼ一致していた。この重合反応液から分散媒を除去
した後、キシレンに溶解して固形分60%、数平均分子
量6800、水酸基価100の樹脂溶液とした。(以
下、樹脂Aという)
【0026】合成例2 シクロヘキシルビニルエーテル17部、エチルビニルエ
ーテル17部、4−ヒドロキシ−n−ブチルビニルエー
テル12部、クロロトリフルオロエチレン54部からな
るモノマーを使用し、合成例1と同様の方法で固形分6
0%、数平均分子量6800、水酸基価60の樹脂溶液
を得た。(以下、樹脂Bという)
【0027】合成例3 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、ブタノール10
部及びソルベッソ#100(エッソ社製芳香族炭化水
素)55部を仕込み90℃に保った。この溶液中にブチ
ルメタクリレート27.6部、イソブチルメタクリレー
ト23.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート2
4.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート21.
8部及びアゾビスイソブチロニトリル2部の混合液を3
時間に渡り等速で滴下し、滴下終了後2時間保温した。
反応終了後室温まで冷却し、固形分60%、数平均分子
量5700、水酸基価94の樹脂溶液を得た。(以下、
樹脂Cという)
【0028】合成例4 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、キシレン15部
及びソルベッソ#100(エッソ社製芳香族炭化水素)
50部を仕込み100℃に保った。この溶液中にブチル
メタクリレート18.4部、イソブチルメタクリレート
16.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート16.
5部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリ
レート49部及びアゾビスイソブチロニトリル3部の混
合液を3時間に渡り等速で滴下し、滴下終了後2時間保
温した。反応終了後室温まで冷却し、固形分60%、数
平均分子量3000、エポキシ価140の樹脂溶液を得
た。(以下、樹脂Dという)
【0029】実施例1〜8 合成例1〜4で得られた各樹脂溶液、市販の水酸基含有
フッ素系樹脂、市販のエポキシ化合物、熱潜在性カチオ
ン重合開始剤等を表1に示す配合量(部)で用いて塗料
組成物を個別に調製し、キシレン/ソルベッソ#100
/ブタノール=40/40/20(重量比)なる混合溶
液を用い、フォードカップ#4にて13秒になるように
希釈した。
【0030】比較例1〜8 合成例1〜4で得られた各樹脂溶液、市販の水酸基含有
フッ素系樹脂、市販のエポキシ化合物、熱潜在性カチオ
ン重合開始剤、カチオン重合開始剤等を表2に示す配合
量(部)で用いて塗料組成物を個別に調製し、キシレン
/ソルベッソ#100/ブタノール=40/40/20
(重量比)なる混合溶液を用い、フォードカップ#4に
て13秒になるように希釈した。
【0031】
【0032】
【0033】なお、表1及び表2中の「ルミフロンLF
−200」は、旭硝子社製水酸基含有フッ素系樹脂(数
平均分子量9700、水酸基価60)であり、「ERL
−4221」は、UCC社製エポキシ化合物
【化1】 であり、「開始剤A」は、p−メチルベンジルテトラメ
チレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートであ
り、「FC−520」は、スリーエム社製カチオン重合
開始剤 ジエチルアンモニウムトリフルオロメチルスル
ホネートであり、「チヌビン−900」は、チバガイギ
ー社製紫外線吸収剤であり、「L−7604」は、日本
ユニカー社製表面調製剤である。
【0034】試験板の作成 実施例1〜8及び比較例1〜8で調製した塗料組成物
を、メタリック系ベースコート「アクローゼ#920
0」(大日本塗料社製)を塗装した鋼板の上にウェット
オンウェットでスプレー塗装し、140℃で20分間加
熱硬化させ、乾燥膜厚で35〜40μmのクリヤー塗膜
を得た。得られた塗膜について下記の塗膜性能試験を実
施した。
【0035】耐酸性試験 10重量%硫酸水溶液0.3mlを塗面にスポットし、
70℃で15分間焼付後水洗し、スポット部の塗面を観
察した。 ○・・・全く痕跡無し △・・・僅かな痕跡あり ×・・・痕跡あり
【0036】耐溶剤性試験 キシレンをしみこませたガーゼで塗面を100往復擦っ
た後に、観察した。 ○・・・擦り傷、艶ぼけ無し △・・・僅かな痕跡あり ×・・・擦り傷、艶ぼけあり
【0037】耐擦り傷性試験 クレンザーをしみこませたネルを500g荷重で30往
復させ、塗面を観察した。 ○・・・僅かな痕跡あり △・・・少数の痕跡あり ×・・・多数の痕跡あり
【0038】耐候性試験 サンシャインウェザーオーメーターで4000時間暴露
した。 ○・・・塗膜外観に変化はない、光沢保持率95%以上 △・・・塗膜外観の変化が軽微にある、光沢保持率95
%以上 ×・・・塗膜外観の変化が著しい、光沢保持率95%未
【0039】貯蔵安定性試験 50℃高温槽に10日間保管した。 ○・・・粘度上昇率20%未満 △・・・粘度上昇率20%以上 ×・・・ゲル化
【0040】これら塗膜性能試験の結果を表3及び表4
に示す。
【0041】
【0042】
【0043】水酸基を有するフルオロオレフィン系共重
合体を使用している実施例1〜3の場合のデータと、水
酸基を有するがフルオロオレフィンを含まない系の共重
合体を使用している比較例1〜3の場合のデータとを比
較すれば明らかなように、本発明においては耐候性に優
れた塗膜を得ることができる。また、熱潜在性カチオン
重合開始剤を使用している実施例1〜8の場合のデータ
と、熱潜在性ではないカチオン重合開始剤を使用してい
る比較例4〜8の場合のデータとを比較すれば明らかな
ように、本発明においては硬化性と貯蔵安定性の両方に
優れている。
【0044】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物において
は、熱硬化性樹脂組成物の一成分としてフルオロオレフ
ィン系共重合体を使用することにより耐候性、耐酸性に
優れた塗膜を得ることができ、さらに熱硬化性樹脂組成
物の一成分として熱潜在性カチオン重合開始剤を使用す
ることにより硬化性と貯蔵安定性の両立が可能になる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水酸基を有するフルオロオレフィン
    系共重合体、 (B)分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
    及び(C)熱潜在性カチオン重合開始剤を含有すること
    を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の水酸基価が10〜200であ
    り、(B)成分のエポキシ価が25〜500であり、
    (A)成分と(B)成分の固形分比率が(A)成分/
    (B)成分=10/100〜100/10であり、組成
    物中の(C)成分の量は(A)成分及び(B)成分の固
    形分の総計の0.05〜5重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084033A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Arakawa Chem Ind Co Ltd 耐指紋性向上剤、これを用いた活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、これらを用いて得られる硬化膜および硬化膜を有する物品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010084033A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Arakawa Chem Ind Co Ltd 耐指紋性向上剤、これを用いた活性エネルギー線硬化型ハードコート剤、これらを用いて得られる硬化膜および硬化膜を有する物品

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