JPH08157537A - カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08157537A
JPH08157537A JP30772094A JP30772094A JPH08157537A JP H08157537 A JPH08157537 A JP H08157537A JP 30772094 A JP30772094 A JP 30772094A JP 30772094 A JP30772094 A JP 30772094A JP H08157537 A JPH08157537 A JP H08157537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
vinyl ether
vinyl
unit based
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30772094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Washida
弘 鷲田
Etsuko Sakai
悦子 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP30772094A priority Critical patent/JPH08157537A/ja
Publication of JPH08157537A publication Critical patent/JPH08157537A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】フルオロオレフィン類(a)に基づく重合単
位、ビニルエステル類(b)に基づく重合単位、水酸基
含有ビニルエーテル類(c)に基づく重合単位、水酸基
を含有しないビニルエーテル類(d)に基づく重合単位
およびエステル構造およびビニルエーテル構造を有さな
い不飽和カルボン酸類(e)に基づく重合単位を含むカ
ルボキシル基含有含フッ素共重合体。 【効果】本発明の含フッ素共重合体から調整した塗料
は、塗料中に残存する未反応モノマーが少なく均一で耐
候性に優れる塗膜が得られ、長期保存後の塗料によって
も良好な塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルボキシル基含有含フ
ッ素共重合体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基含有含フッ素共重合体の
製造方法としては(A)水酸基含有含フッ素共重合体に
有機媒体中で2塩基酸無水物を反応させ、水酸基の少な
くとも一部をカルボキシル含有エステル基に変換せしめ
る方法が提案されている。
【0003】また(B)特開平2−58555号公報に
はカルボキシル基を有するビニルエーテルをフルオロオ
レフィンと共重合することにより、カルボキシル基含有
含フッ素共重合体を製造する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(A)の方法は、生成
する構造にエステル構造を有し、加水分解の懸念がある
ことおよび2塩基性酸無水物の種類が限られることなど
の問題点を有していた。また、(B)の方法では、カル
ボキシル基を有するビニルエーテルを共重合せしめると
ビニルエーテルの分解が起こるなどの含フッ素共重合体
製造時に副反応が起こるという問題点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、フルオロオレフィン類
(a)に基づく重合単位、ビニルエステル類(b)に基
づく重合単位、水酸基含有ビニルエーテル類(c)に基
づく重合単位、水酸基を含有しないビニルエーテル類
(d)に基づく重合単位および不飽和カルボン酸類
(e)に基づく重合単位を含むカルボキシル基含有含フ
ッ素共重合体、およびフルオロオレフィン類(a)、ビ
ニルエステル類(b)、水酸基含有ビニルエーテル類
(c)、水酸基を含有しないビニルエーテル類(d)お
よびエステル構造およびビニルエーテル構造を有さない
不飽和カルボン酸類(e)を共重合させることを特徴と
するカルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法で
ある。
【0006】本発明のカルボキシル基含有含フッ素共重
合は、フルオロオレフィン類(a)に基づく重合単位、
ビニルエステル類(b)に基づく重合単位、水酸基含有
ビニルエーテル類(c)に基づく重合単位、水酸基を含
有しないビニルエーテル類(d)に基づく重合単位およ
び不飽和カルボン酸類(e)に基づく重合単位を含むも
のである。
【0007】(a)、(b)、(c)、(d)および
(e)に基づく重合単位のカルボキシル基含有含フッ素
共重合中の含有割合は、(a)に基づく重合単位100
モルに対して、(b)に基づく重合単位25〜70モ
ル、(c)に基づく重合単位6〜100モル、(d)に
基づく重合単位1〜60モルおよび(e)に基づく重合
単位3〜100モルが好ましい。更に好ましくは、
(a)に基づく重合単位100モルに対して、(b)に
基づく重合単位40〜55モル、(c)に基づく重合単
位10〜80モル、(d)に基づく重合単位5〜40モ
ルおよび(e)に基づく重合単位10〜80モルであ
る。(b)に基づく重合単位の割合は重要であり、少な
過ぎると(e)成分の転化率を上げる効果が充分でな
く、多過ぎると得られる含フッ素共重合体を塗料のベー
ス樹脂として用いた場合の塗膜の耐候性が著しく低下す
るため好ましくない。
【0008】フルオロオレフィン類(a)としては、C
2 =CR12 (R1 :H、FまたはCl、R2
H、F、Clまたは炭素数1〜3のフルオロアルキル
基)で示されるものが好適である。これらのフルオロオ
レフィン類は、単独で用いてもよく、複数種が併用され
てもよい。具体的には以下の化合物が挙げられる。
【0009】CClF=CF2 、CHCl=CF2 、C
Cl2 =CF2 、CClF=CClF、CHF=CCl
2 、CH2 =CClF、CCl2 =CClF、CF2
CF2 またはCF2 =CH2 などのフルオロエチレン
類。
【0010】CF2 ClCF=CF2 、CF2 CCl=
CF2 、CF2 CF=CFCl、CF2 ClCCl=C
2 、CF2 ClCF=CFCl、CFCl2 CF=C
2、CF3 CCl=CClF、CF3 CCl=CCl2
、CClF2 CF=CCl2 、CCl3 CF=CF
2 、CF2 ClCCl=CCl2 、CFCl2 CCl=
CCl2 、CF3 CF=CHCl、CClF2 CF=C
HCl、CH3 CCl=CHCl、CHF2 CCl=C
Cl2 、CF2 ClCH=CCl2 、CF2 ClCCl
=CHCl、CCl3 CF=CHCl、CCl3 CF=
CHClまたはCHBrCF=CCl2 などのフルオロ
プロペン類。
【0011】CF3 CCl=CFCF3 、CF2 =CF
CF2 CClF2 またはCF3 CF2 CF=CCl2
どの炭素子数4以上のフルオロオレフィン類。
【0012】特に好ましいフルオロオレフィン類は、C
2 =CF2 やCClF=CF2 などの、オレフィン類
の水素がすべてハロゲンに置換されたパーハロオレフィ
ン類である。
【0013】ビニルエステル類(b)としては、CH2
=CHOCOR3 (R3 :置換基を有してもよい炭素数
1〜20の脂肪族、脂環族または芳香族の1価の炭化水
素基)で示されるものが好適である。これらのビニルエ
ステル類(b)は単独で用いてもよく、複数種が併用さ
れてもよい。1価の炭化水素基R3 の置換基としては水
酸基、ハロゲン原子などが挙げられるが水酸基でないこ
とが好ましい。
【0014】より好ましいビニルエステル類(b)は、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪
酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプ
リル酸ビニル、カプリック酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、ベオバー9(昭和シェル化学社製炭素数9の分岐し
た脂肪族カルボン酸のビニルエステル)またはベオバー
10(昭和シェル化学社製炭素数10の分岐した脂肪族
カルボン酸のビニルエステル)などの脂肪酸ビニルエス
テル類、安息香酸ビニルまたはp−t−ブチル安息香酸
ビニルなどの芳香族カルボン酸ビニルエステル類であ
る。
【0015】水酸基含有ビニルエーテル類(c)として
は、HOR4 OCH=CH2 (R4:置換基を有しても
よい炭素数2〜20の脂肪族または脂環族の2価の炭化
水素基)で示されるものが好適である。これらの水酸基
含有ビニルエーテル類は単独で用いてもよく、複数種が
併用されてもよい。2価の炭化水素基R4 の置換基はハ
ロゲン原子、加水分解性シリル基などが挙げられる。
【0016】具体的には2−ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニ
ルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロ
キシメチルシクロヘキサンまたは3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキ
ルビニルエーテル類が好ましい。
【0017】水酸基を含有しないビニルエーテル類
(d)としては、R5 OCH=CH2 (R5 :置換基を
有してもよい炭素数1〜20の脂肪族、脂環族または芳
香族の1価の炭化水素基)で示されるものが好適であ
る。これらの水酸基を含有しないビニルエーテル類は単
独で用いてもよく、複数種が併用されてもよい。2価の
炭化水素基R4 の置換基は水酸基以外の置換基であり、
ハロゲン原子、加水分解性シリル基などが挙げられる。
【0018】具体的にはメチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ネオペンチ
ルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテルまたは
α、α′−ジメチルプロピルビニルエーテルなどの脂肪
族アルキルビニルエーテル類、シクロヘキシルビニルエ
ーテルなどの脂環式アルキルビニルエーテル類、フェニ
ルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルまたはナフ
チルビニルエーテルなどの芳香族ビニルエーテル類が好
ましい。
【0019】本発明における不飽和カルボン酸類(e)
は、加水分解の懸念があるエステル構造や分解しやすい
ビニルエーテル構造を持たないものである。具体的には
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、
クロトン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキ
セン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテ
ン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン
酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8
−ノネン酸、9−デセン酸または10−ウンデセン酸な
どの不飽和カルボン酸類が挙げられる。
【0020】好ましくは炭素数5以上の不飽和カルボン
酸類または炭素数5以上の不飽和カルボン酸類で化合物
末端に不飽和基を有するものである。これらの不飽和カ
ルボン酸類は単独で用いてもよく、複数種が併用されて
もよい。
【0021】(a)、(b)、(c)、(d)および
(e)の共重合割合は、(a)100モルに対して、
(b)25〜70モル、(c)6〜100モル、(d)
1〜60モルおよび(e)3〜100モルが好ましい。
さらに好ましくは、(a)100モルに対して、(b)
40〜55モル、(c)10〜80モル、(d)10〜
80モルおよび(e)10〜80モルである。
【0022】本発明においては(b)および(e)成分
が併用されるために、(e)成分が充分に含フッ素共重
合体に導入され、樹脂中に(e)成分の未反応物が残留
するという欠点が解消される。
【0023】また前記共単量体(a)、(b)、
(c)、(d)および(e)の他に含フッ素共重合体の
特徴が失われない範囲で共重合可能な他の単量体の少な
くとも1種を共重合させることができる。以下の単量体
が例示可能である。
【0024】エチレン、プロピレン、イソブチレンなど
のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロオレフィン類、蟻酸アリル、酪酸アリル、安息香酸ア
リル、シクロヘキサンカルボン酸アリルなどのカルボン
酸アリル類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエ
ーテルなどのアリルエーテル類、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル
類、メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペ
ニルエーテル、プロピルイソプロペニルエーテルまたは
シクロヘキシルイソプロペニルエーテルなどのイソプロ
ペニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルイソプロペニ
ルエーテル、3−ヒドロキシプロピルイソプロペニルエ
ーテル、4−ヒドロキシブチルイソプロペニルエーテ
ル、9−ヒドロキシノニルイソプロペニルエーテル、1
−ヒドロキシメチル−4−イソプロペノキシメチルシク
ロヘキサンまたは3−ヒドロキシ−2−クロロプロピル
イソプロペニルエーテルなどのヒドロキシアルキルイソ
プロペニルエーテル類などが挙げられる。
【0025】本発明の共重合体は、所定割合の単量体混
合物に重合触媒の共存下、あるいは非共存下に、重合開
始剤あるいは電離性放射線などの重合開始源を作用せし
めて共重合反応を行わしめることによって製造可能であ
る。また、共重合反応系をアルカリ側に保つために塩基
性化合物の存在下に重合させることが重要である。
【0026】ここで、重合開始剤としては、重合形式あ
るいは重合媒体に応じて、水溶性のものあるいは油溶性
のものが適宜使用可能である。
【0027】具体的には、水溶性開始剤としては、過硫
酸塩(過硫酸カリウムなど)、過酸化水素、レドックス
開始剤(亜硫酸水素ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウ
ムのごとき還元剤と過硫酸塩または過酸化水素とからな
るものなど)、さらにはこれらに少量の鉄、第一鉄塩、
硝酸銀などを共存させた系などの無機系開始剤またはジ
コハク酸パーオキシド、ジグルタール酸パーオキシド、
モノコハク酸パーオキシドのごとき二塩基酸酸化物、ア
ゾビスイソブチルアミジン二塩基酸塩などの有機系開始
剤が例示される。また、油溶性開始剤としてはt−ブチ
ルパーオキシアセテートのごときパーオキシエステル型
過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートの
ごときジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイ
ルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどが例
示される。
【0028】塩基性化合物としては、有機塩基性化合
物、無機塩基性化合物の中から広範囲に選択可能であ
る。有機塩基性化合物では、トリエチルアミンなどのア
ルキルアミン類、トリエチルホスフィンなどのアルキル
ホスフィン類などが好ましい。無機塩基性化合物では、
炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸
化マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の炭酸塩、水酸化物または酸化物などが好ましい。
【0029】重合開始剤の使用量は、種類、共重合反応
条件に応じて適宜変更可能であるが、通常は共重合され
るべき単量体全量に対して、0.05〜0.5重量%程
度が採用される。塩基性化合物の使用量は、共重合され
るべき単量体全量に対して0.01〜20重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%程度が採用される。
【0030】上記共重合反応に際して、反応形式として
は特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶
液重合などが採用しうるが、重合操作の安定性、生成共
重合体の分離の容易性等から、水性媒体中での乳化重合
あるいはt−ブタノールなどのアルコール類、エステル
類、1個以上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水
素類、キシレンなどの芳香族炭化水素などを溶媒とする
溶液重合が好ましい。
【0031】反応温度は10℃〜90℃程度が採用さ
れ、また、反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常
は、0〜100kg/cm2 ・G、特に、1〜50kg
/cm2・G程度を採用するのが望ましい。生成共重合
体の固有粘度は、0.05〜2.0dl/gであること
が好ましい。
【0032】また、生成共重合体の固有粘度を前記範囲
に抑えるために、連鎖移動定数の比較的大きい反応媒体
を使用したり、適宜連鎖移動剤の共存下に共重合反応を
行わしめることが好ましい。
【0033】本発明の含フッ素共重合体は、各種用途に
用いられるが特に塗料のベース樹脂として好適である。
塗料のベース樹脂として用いる場合、含フッ素共重合体
の数平均分子量は2,000〜100,000、好まし
くは、6,000〜30,000で、かつ分子量分布が
4.0以下、好ましくは3.0以下のものが好適であ
る。分子量が小さ過ぎると耐候性、耐薬品性が劣り、分
子量が大き過ぎると塗料粘度が高く、水への分散性に難
点がある。分子量分布の数が大き過ぎると同様に塗料の
長期安定性に難点が現れる。
【0034】本発明の含フッ素共重合体を電着塗料用の
ベース樹脂として用いる場合、含フッ素共重合体のカル
ボキシル基の少なくとも一部を、1級ないし3級のアル
キルアミン、アルカノールアミンなどの塩基性化合物で
中和し、水に分散可能な形態とした後、脱イオン水など
を加えて適当な樹脂固形分濃度に希釈調整して用いられ
る。
【0035】
【実施例】以下、例1〜2は実施例、例3〜6は比較
例、例7〜8と例13〜14は参考例、例9〜12と例
15〜17は比較参考例である。また、実施例中の部数
は、特にことわりのない限り重量部を示すものである。
【0036】「例1」内容積200ccのステンレス製
撹拌機付オートクレーブ(耐圧50kg/cm2 ・G)
にクロロトリフルオロエチレン(CTFE)31部、ピ
バリン酸ビニル(VPv)12部、ベオバー9(昭和シ
ェル化学社製炭素数9の分岐した脂肪族カルボン酸のビ
ニルエステル:V−9)8部、ω−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル(HBVE)8部、エチルビニルエーテル
(EVE)1部、10−ウンデセン酸(UdA)10
部、イソプロピルアルコール(IPA)27部、アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)0.5部、無水炭酸
カリウム2.5部を仕込み、液体窒素にて冷却して固化
脱気により溶存空気を除去した後に、65℃で16時間
反応を行い、カルボキシル基含有含フッ素重合体を得
た。
【0037】得られたカルボキシル基含有含フッ素重合
体の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレ
ン換算の数平均でMn=1.4×104 であり、酸価は
41mgKOH/g−樹脂固形分であった。
【0038】「例2」表1の例2に示す組成で実施例1
と同様な方法で重合を行った。得られた含フッ素重合体
物性を表1に示した。
【0039】「例3〜6」表1の例3〜6に示す組成で
例1と同様にして重合を行った。得られた結果を表1に
示した。表中、CHVEはシクロヘキシルビニルエーテ
ルの略であり、EGMAEはエチレングリコールモノア
リルエーテルの略であり、HHEはヘキサヒドロフタル
酸とヒドロキシブチルビニルエーテルのモノエステルの
略である。
【0040】「例7」例1で得られたカルボキシル基含
有含フッ素重合体樹脂Aの約60重量%イソプロパノー
ル(IPA)溶液とし、次いでOH価の80%をトリエ
チルアミン(TEA)で中和して、電着塗料の原液を作
成した。
【0041】この電着塗料の原液に、樹脂A/メラミン
樹脂サイメル303(三井サイアナミッド社製)=7:
3となる割合でメラミン樹脂を添加し、さらにイオン交
換水を添加して水性分散型電着塗料を調整した。この水
性塗料の固形分濃度を測定したところ、10重量%であ
った。
【0042】この塗料を40℃のオーブンに14日間貯
蔵し、水性塗料のpHと電気電導度と酸価を測定した。
その結果を表3に示した。また、この水性塗料をアルマ
イト処理を施したアルミニウム板(陽極)に180Vで
3分の通電により塗装した。得られたアルミニウム板は
イオン交換水で水洗後、200℃、30分硬化反応を行
い、以下に示すように塗膜の状態を観察した。その結果
を表2に示した。
【0043】「例8」例2で得られたカルボキシル基含
有含フッ素重合体樹脂Bを実施例1と同様にして固形分
10重量%の水性分散型電着塗料を調整し、40℃のオ
ーブンに14日間貯蔵し、水性塗料のpHと電気電導度
と酸価を測定した。その結果を表3に示した。また、同
様にアルミニウム板に塗装した塗膜の状態を観察した。
その結果を表2に示した。
【0044】「例9、10、12」例3、4および6で
得られたカルボキシル基含有含フッ素重合体樹脂C、D
およびFを参考例1と同様にして固形分10重量%の水
性分散型電着塗料を調整し、40℃のオーブンに14日
間貯蔵し、水性塗料のpHと電気電導度と酸価を測定し
た。その結果を表3に示した。また、同様にアルミニウ
ム板に塗装した塗膜の状態を観察した。その結果を表2
に示した。
【0045】「例11」例5で得られた樹脂Eを約60
重量%キシレン溶液に調整し、90℃に加熱し、重合体
100部に対して3.6部の無水コハク酸を加え、さら
に0.2部のトリエチルアミンを添加して、2時間反応
させた。
【0046】反応液の赤外スペクトルを測定すると、反
応前に観測された無水酸の特性吸収(1850cm-1
1780cm-1)が、反応後では消失しており、カルボ
ン酸(1710cm-1)およびエステル(1735cm
-1)の吸収が観測された。かくしてカルボキシル基を導
入された含フッ素重合体の酸価は20mgKOH/g−
resin、水酸基価は100mgKOH/g−res
inであった。
【0047】なお、得られた含フッ素重合体は、一旦溶
剤を蒸発させ、重合体固形分を単離した後、新たにIP
Aで溶解し、約60重量%のIPA溶液とし電着塗料の
原液を作成した。この電着塗料の原液にイオン交換水を
添加して水性分散型電着塗料を調整した。この水性塗料
の固形分濃度を測定したところ、約10重量%であっ
た。
【0048】この塗料を40℃のオーブンに14日間貯
蔵し、水性塗料のpHと電気電導度と酸価を測定した。
その結果を表3に示した。また、この水性塗料をアルマ
イト処理を施したアルミニウム板(陽極)に180Vで
3分の通電により塗装した。得られたアルミニウム板は
イオン交換水で水洗後、200℃30分硬化反応を行
い、以下に示すように塗膜の状態を観察した。その結果
を表2に示した。
【0049】[参考例13〜14]さらに、上記の例7
〜8の塗膜をサンシャインウエザーメーターに3000
時間かけたときの外観と光沢保持率を測定した。その結
果を表3に示した。
【0050】[例15〜16]上記の例10と12の塗
膜をサンシャインウエザーメーターに3000時間かけ
たときの外観と光沢保持率を測定した。その結果を表3
に示した。
【0051】[例17]市販のアクリル−メラミン系電
着塗料クリアー原液(商品名エレクトロンAG100、
関西ペイント社製、樹脂固形分30重量%:樹脂名Gと
略す)にイオン交換水を100部添加し樹脂固形分10
重量%、中和当量0.8、有機溶剤5重量%の水性分散
型電着塗料を調整した。
【0052】この水性塗料をアルマイト処理を施したア
ルミニウム板(陽極)に180Vで3分間の通電により
塗装した。得られたアルミニウム板はイオン交換水で水
洗後、200℃30分硬化反応を行い、塗膜とした。こ
の塗膜をサンシャインウエザーメーターに3000時間
かけたときの外観と光沢保持率を測定した。その結果を
表3に示した。
【0053】外観は塗膜を目視により観察し、異常の有
無に応じて以下の基準により評価した(○:異常無し、
△:肌あれ有り、×:塗膜の損傷有り)。
【0054】表4より、本発明の含フッ素重合体から調
整した水性塗料は、長期保存後塗装を行っても塗膜の耐
候性は、衰えないことがわかる。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体から調整した
塗料は、塗料中に残存する未反応モノマーの相対量が少
なく、均一な塗膜が得られる。また、この塗料は、長期
保存に安定であり、貯蔵後の塗料から塗装した塗膜も均
一で耐候性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 222/02 // C09D 127/12 PFG

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン類(a)に基づく重合
    単位、ビニルエステル類(b)に基づく重合単位、水酸
    基含有ビニルエーテル類(c)に基づく重合単位、水酸
    基を含有しないビニルエーテル類(d)に基づく重合単
    位およびエステル構造およびビニルエーテル構造を有さ
    ない不飽和カルボン酸類(e)に基づく重合単位を含む
    カルボキシル基含有含フッ素共重合体。
  2. 【請求項2】(a)に基づく重合単位100モルに対し
    て、(b)に基づく重合単位25〜70モル、(c)に
    基づく重合単位6〜100モル、(d)に基づく重合単
    位1〜60モルおよび(e)に基づく重合単位3〜10
    0モルである割合で(a)、(b)、(c)、(d)お
    よび(e)に基づく重合単位を含む請求項1の含フッ素
    共重合体。
  3. 【請求項3】フルオロオレフィン類(a)、ビニルエス
    テル類(b)、水酸基含有ビニルエーテル類(c)、水
    酸基を含有しないビニルエーテル類(d)およびエステ
    ル構造およびビニルエーテル構造を有さない不飽和カル
    ボン酸類(e)を共重合させることを特徴とするカルボ
    キシル基含有含フッ素共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】(a)、(b)、(c)、(d)および
    (e)を、(a)100モルに対して、(b)25〜7
    0モル、(c)6〜100モル、(d)1〜60モルお
    よび(e)3〜100モルの割合で共重合させる請求項
    3の製造方法。
  5. 【請求項5】共重合を塩基性化合物の存在下に行う請求
    項3または4の製造方法。
JP30772094A 1994-12-12 1994-12-12 カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法 Pending JPH08157537A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30772094A JPH08157537A (ja) 1994-12-12 1994-12-12 カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30772094A JPH08157537A (ja) 1994-12-12 1994-12-12 カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08157537A true JPH08157537A (ja) 1996-06-18

Family

ID=17972442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30772094A Pending JPH08157537A (ja) 1994-12-12 1994-12-12 カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08157537A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7022760B2 (en) * 2002-03-21 2006-04-04 Bayer Aktiengesellschaft Crosslinkable binder dispersions
WO2017110634A1 (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 丸善石油化学株式会社 側鎖に水酸基を有するビニルエーテルポリマーの製造方法及び温度応答性ポリマー混合物
JP2017165958A (ja) * 2016-03-10 2017-09-21 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
WO2018131655A1 (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 旭硝子株式会社 粉体塗料、塗膜付き基材の製造方法、塗装物品および含フッ素重合体
EP3438218A4 (en) * 2016-03-31 2019-03-20 LIXIL Corporation FLUORIN-RESISTANT ELECTRO-PAINT COATING MATERIAL

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7022760B2 (en) * 2002-03-21 2006-04-04 Bayer Aktiengesellschaft Crosslinkable binder dispersions
US7408001B2 (en) * 2002-03-21 2008-08-05 Bayer Aktiengesellschaft Aqueous coating of hydroxy- and acid-functional copolymer and crosslinker
WO2017110634A1 (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 丸善石油化学株式会社 側鎖に水酸基を有するビニルエーテルポリマーの製造方法及び温度応答性ポリマー混合物
US10711079B2 (en) 2015-12-21 2020-07-14 Maruzen Petrochemical Co., Ltd. Method for producing vinyl ether polymer having hydroxyl group on side chain and temperature-responsive polymer mixture
JP2017165958A (ja) * 2016-03-10 2017-09-21 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
JP2017190461A (ja) * 2016-03-10 2017-10-19 ダイキン工業株式会社 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール
EP3438218A4 (en) * 2016-03-31 2019-03-20 LIXIL Corporation FLUORIN-RESISTANT ELECTRO-PAINT COATING MATERIAL
WO2018131655A1 (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 旭硝子株式会社 粉体塗料、塗膜付き基材の製造方法、塗装物品および含フッ素重合体
JPWO2018131655A1 (ja) * 2017-01-12 2019-11-21 Agc株式会社 粉体塗料、塗膜付き基材の製造方法、塗装物品および含フッ素重合体
US11130870B2 (en) 2017-01-12 2021-09-28 AGC Inc. Powder coating material, method for producing substrate provided with coating film, coated article and fluorinated polymer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7074862B2 (en) Emulsifier free aqueous emulsion polymerization process for making fluoropolymers
US20070142513A1 (en) Surfactant, method of producing a fluoropolymer, fluoropolymer aqueous dispersion
US7754796B2 (en) Method for producing fluorine-containing polymer, aqueous dispersion of fluorine-containing polymer, 2-acyloxycarboxylic acid derivative, and surface active agent.
JP3172983B2 (ja) ビニリデンフルオライド系重合体の水性分散液およびその製法
US8198480B2 (en) Fluoroalkyl carboxylic acid derivative, method for producing fluorine-containing polymer, and aqueous dispersion of fluorine-containing polymer
US4151340A (en) Process for producing fluorocopolymer
JP2004526048A (ja) 硬化性耐塩基性フルオロエラストマー
JPH08157537A (ja) カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法
JP2570827B2 (ja) 水性分散液の製造方法および水性塗料組成物
JP3131985B2 (ja) 含フッ素共重合体および該重合体を含む塗料用組成物
JP3436774B2 (ja) 塩基に対して高い耐性を有するフルオロエラストマー共重合体およびフルオロプラストマー共重合体
JPH0725850B2 (ja) 含フツ素共重合体の製造方法
JP2921173B2 (ja) 水性樹脂分散体
JP3255334B2 (ja) 含フッ素樹脂水性分散液の製造方法
JP3097093B2 (ja) 含フッ素共重合体およびそれを用いた硬化用組成物
JPH07238116A (ja) カルボキシル基含有含フッ素共重合体およびその製造方法
JP2954600B2 (ja) 水性塗料用組成物
JP2884819B2 (ja) 含フッ素共重合体の製造方法
JPH05117480A (ja) 水性分散液
JP3645678B2 (ja) 含フッ素共重合体
JPH09255731A (ja) カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法
JP2594713B2 (ja) 塗料用含フッ素共重合体
JPH0753646A (ja) 含フッ素水性分散液
JPH10279634A (ja) 含フッ素共重合体の製造方法
JPH07216020A (ja) カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法