JPH09255731A - カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法

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JPH09255731A
JPH09255731A JP6657796A JP6657796A JPH09255731A JP H09255731 A JPH09255731 A JP H09255731A JP 6657796 A JP6657796 A JP 6657796A JP 6657796 A JP6657796 A JP 6657796A JP H09255731 A JPH09255731 A JP H09255731A
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JP
Japan
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borate
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acid
copolymer
fluorocopolymer
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JP6657796A
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Akihiko Asakawa
昭彦 浅川
Hiroshi Washida
弘 鷲田
Shunichi Kodama
俊一 児玉
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】着色の問題がなく、水性塗料に使用した場合、
耐候性、安定性に優れるカルボキシル基含有含フッ素共
重合体を得る。 【解決手段】ホウ酸塩の存在下、フルオロオレフィン、
不飽和カルボン酸および左記以外の単量体を重合させて
カルボキシル基含有含フッ素共重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカルボキシル基含有
含フッ素共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基含有含フッ素共重合体の
製造方法として、以下の方法が提案されている。
【0003】(A)有機媒体中で水酸基含有含フッ素共
重合体に二塩基酸無水物を反応させ、水酸基の少なくと
も一部をカルボキシル基含有エステル基に変換する方
法。 (B)カルボキシル基を有する単量体をフルオロオレフ
ィンと共重合することにより、カルボキシル基含有含フ
ッ素共重合体を製造する方法(特開平2−5855
5)。 (C)フルオロオレフィン、ビニルエーテルおよび不飽
和カルボン酸を共重合することにより、カルボキシル基
含有含フッ素共重合体を製造する方法(特開平7−23
8116)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(A)法は、生成する
構造にエステル構造を有し、水性塗料として水中に分散
させて使用する場合に加水分解の懸念があること、およ
び二塩基性酸無水物の種類が限られるなどの問題があ
る。(B)法は、含フッ素共重合体製造時にビニルエー
テルが分解するなどの副反応が起こる問題がある。
(C)法は、ビニルエーテルの副反応を抑制するため
に、塩基性化合物の存在下共重合させることを要する
が、この塩基性化合物の影響によりポリマーが着色する
問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決したものであり、以下の単量体(a)、(b)および
(c)を、ホウ酸塩の存在下で共重合させることを特徴
とするカルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法
である。 (a)フルオロオレフィン。 (b)不飽和カルボン酸。 (c)前記(a)および(b)以外の単量体。
【0006】前記(C)法で例示されている塩基性化合
物、例えば、アルカリ(土類)金属の炭酸塩、水酸化物
または酸化物を用いると、これらの塩基性化合物が不飽
和カルボン酸のカルボキシル基と塩を形成するため、カ
ルボキシル基含有含フッ素共重合体が着色する問題があ
る。さらに塩基性化合物として、アルカリ金属の炭酸塩
の存在下、不飽和カルボン酸を共重合させると、カルボ
キシル基がアルカリ金属と塩を形成するために、得られ
たカルボキシル基含有含フッ素共重合体中に金属が好ま
しくないイオンとして含まれることにより、塗膜の外観
および耐候性などの物性が低下する問題がある。
【0007】これに対し本発明におけるホウ酸塩は、そ
れが塩基性化合物の場合にもカルボキシル基との塩を形
成しがたいため、カルボキシル基含有含フッ素共重合体
(以下、単に含フッ素共重合体という)の着色が著しく
改善される。本発明で得られる含フッ素共重合体を水性
塗料、特にクリヤーの電着塗料として使用した場合に、
その外観および耐候性などの塗膜物性が改良される。
【0008】本発明におけるホウ酸塩とは、一般式xM
2 O・yB23 ・zH2 O(1≦x≦10、1≦y≦
10、0≦z≦10、Mは金属)で表されるものを意味
する。このうち、y/x=1/3、1/2、1、2、5
/2および4に相当する、オルトホウ酸塩、二ホウ酸
塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩および八ホ
ウ酸塩などが具体例として挙げられる。ホウ酸塩は水和
物でも無水物でもよい。
【0009】ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムなどの
アルカリ金属のホウ酸塩、またはホウ酸カルシウム、ホ
ウ酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属のホウ酸塩が
好ましく用いられ、ホウ酸ナトリウムが特に好ましい。
ホウ酸ナトリウムの好ましいものは、Na2 O・2B2
3 で表される無水ホウ酸ナトリウムである。
【0010】ホウ酸塩の使用量は、共重合させるために
供給される後述の単量体(a)、(b)および(c)合
計重量100重量部に対して、好ましくは0.1〜10
重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。
【0011】本発明におけるフルオロオレフィンとは、
オレフィンの水素の一部または全部がフッ素で置換され
たもの、およびオレフィンの水素の一部または全部がフ
ッ素および塩素で置換されたものを意味する。好ましい
フルオロオレフィンは、上記オレフィンがエチレン、プ
ロピレンまたはブテンの場合である。
【0012】好ましい具体例として、テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、ペンタフルオロプロピレンなどが挙げられる。
【0013】これらのフルオロオレフィンのうち、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンがよ
り好ましい。さらに好ましいのは、含フッ素共重合体の
着色を低減するためにテトラフルオロエチレンである。
またこれらのフルオロオレフィンは1種単独でもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0014】含フッ素共重合体を形成するフルオロオレ
フィンの供給割合は、20〜70モル%が好ましい。こ
の割合が20モル%未満では、充分な耐候性が発揮され
ず好ましくない。この割合が70モル%超では、水性塗
料として使用する場合に、塗料中での分散性が低下する
ため好ましくない。この割合が30〜60モル%である
ものが特に好ましい。
【0015】含フッ素共重合体を水性塗料として使用す
る場合は、含フッ素共重合体を水中に均一に分散させな
ければならない。そのために含フッ素共重合体は、カル
ボキシル基を必須成分として含有し、水性塗料として使
用する際には、このカルボキシル基をアミン類などの塩
基性化合物で中和し、水中に分散させる。
【0016】共重合体中にカルボキシル基を導入する方
法として、水酸基含有共重合体に有機媒体中で二塩基酸
無水物を反応させ、水酸基の少なくとも一部をカルボキ
シル基含有エステル基に変換せしめる方法が提案されて
いるが、この方法では生成する構造にエステル構造を有
するため、水性塗料として水中に分散して用いる場合に
は、エステル構造の加水分解が起こり、経時的に共重合
体中のカルボキシル基が減少してしまう懸念がある。
【0017】そのため本発明における含フッ素共重合体
は、単量体(b)すなわち不飽和カルボン酸に基づく重
合単位を必須成分として含有する。不飽和カルボン酸の
具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、3−ヘキセン酸、
4−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、5−ヘプテン酸、6
−ヘプテン酸、6−オクテン酸、7−オクテン酸、7−
ノネン酸、8−ノネン酸、8−デセン酸、9−デセン
酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、11−ト
リデセン酸、12−トリデセン酸などが挙げられる。
【0018】これら不飽和カルボン酸のうち、炭素数4
未満のものは酸性度が高く、フルオロオレフィンや単量
体(c)との共重合性が低いため、炭素数4以上のもの
が好ましい。さらに炭素数5以上の不飽和カルボン酸
は、酸性度がさらに低く、塩基性化合物との塩をさらに
形成しにくいため、より好ましい。炭素数の上限は特に
限定されないが、入手の容易性などを考慮して15以下
が好ましい。
【0019】含フッ素共重合体を形成する不飽和カルボ
ン酸の供給割合は、1〜30モル%が好ましい。この割
合が1モル%未満では、水性塗料として使用する場合
に、塗料中の含フッ素共重合体の分散が充分でなく、好
ましくない。またこの割合が30モル%超では、共重合
体の合成が困難であるために好ましくない。この割合
は、3〜20モル%が特に好ましい。
【0020】また本発明における含フッ素共重合体は、
上記単量体(a)および単量体(b)以外に、単量体
(c)を共重合させて得られる。単量体(c)は、単量
体(a)および(b)以外の共重合可能な単量体を適宜
使用できる。
【0021】具体的には、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどのハロオレフィン類、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、メチル
イソプロペニルエーテル、プロピルイソプロペニルエー
テルなどのイソプロペニルエーテル類、酢酸ビニル、酪
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど
のカルボン酸ビニルエステル類、アリルエチルエーテ
ル、アリルフェニルエーテルなどのアリルエーテル類、
ギ酸アリル、酪酸アリル、安息香酸アリルなどのカルボ
ン酸アリルエステル類、アクリル酸エチルなどのアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチルなどのメタクリル
酸エステル類、クロトン酸ブチルなどのクロトン酸エス
テル類等が例示される。
【0022】これらの単量体(c)に基づく重合単位が
適量含まれることにより、耐候性を損なうことなく、重
合体の溶媒への溶解性、水性塗料として使用する際の水
中への分散性、重合体の温度特性、コスト低減が図れる
などの利点が生ずる。
【0023】これら単量体(c)のうち、ビニルエーテ
ル類、カルボン酸ビニルエステル類、アリルエーテル
類、カルボン酸アリルエステル類を用いると、フルオロ
オレフィンと交互共重合する確率が高く、耐候性の面で
好ましい。特に好ましくはビニルエーテル類である。
【0024】ビニルエーテル類の上記以外の例として
は、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
t−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテ
ル類、シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアル
キルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、ベン
ジルビニルエーテル、ナフチルビニルエーテルなどの芳
香族ビニルエーテル類が挙げられる。
【0025】さらに本発明における含フッ素共重合体
は、水性塗料として使用できるが、水性塗料として使用
した場合その塗膜物性を向上させる点から、他の硬化剤
と反応せしめ硬化させることを目的とした、硬化性部位
を有することが好ましい。
【0026】このような硬化性部位としては、水酸基、
アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート
基、加水分解性シリル基などが挙げられ、水性塗料とし
て使用した場合の水中での安定性、製造の容易さ、塗膜
にした時の耐候性、機械的特性の点から、硬化性部位が
水酸基であることが好ましい。
【0027】含フッ素共重合体への水酸基導入方法に
は、単量体(c)として水酸基含有単量体を用いる方
法、含フッ素共重合体のカルボキシル基の1部を多価の
アルコールにより水酸基含有エステル基に変換せしめる
方法がある。前者の方法は、後者の方法に比べ、加水分
解の懸念があるエステル構造を有しないため好ましい。
【0028】水酸基含有単量体として、フルオロオレフ
ィンと共重合可能な単量体を適宜使用できるが、具体的
には、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキ
シアルキルイソプロペニルエーテル類、ヒドロキシアル
キルアリルエーテル類などが例示される。
【0029】特に、フルオロオレフィンと交互共重合す
る確率が高く、耐候性の面で優れることから、2−ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピル
ビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどのヒドロ
キシアルキルビニルエーテル類、1−ヒドロキシメチル
−4−ビニロキシメチルシクロヘキサンなどのヒドロキ
シアルキルビニルエーテルのヒドロキシアルキル部分に
シクロアルキレン基を有する単量体類、2−ヒドロキシ
エチルイソプロペニルエーテル、3−ヒドロキシプロピ
ルイソプロペニルエーテル、4−ヒドロキシブチルイソ
プロペニルエーテル、9−ヒドロキシノニルイソプロペ
ニルエーテル、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピルイ
ソプロペニルエーテルなどのヒドロキシアルキルイソプ
ロペニルエーテル類、1−ヒドロキシメチル−4−イソ
プロペニルオキシメチルシクロヘキサンなどのヒドロキ
シシクロアルキルイソプロペニルエーテル類、ヒドロキ
シエチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリ
ルエーテル類が好ましく、特にヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル類が好ましく用いられる。
【0030】水酸基含有単量体を単量体(c)として用
いる場合その供給割合は、1〜50モル%が好ましく、
より好ましくは5〜20モル%である。また、水酸基含
有単量体以外の単量体(c)を含フッ素共重合体を形成
する単量体として用いる場合その供給割合は、1〜50
モル%が好ましく、より好ましくは5〜20モル%であ
る。含フッ素共重合体を形成する単量体(c)の供給割
合の合計は、1〜50モル%が好ましく、より好ましく
は5〜20モル%である。
【0031】本発明で得られる含フッ素共重合体の数平
均分子量は、好ましくは2,000〜100,000、
より好ましくは6,000〜30,000である。ま
た、含フッ素共重合体の分子量分布(分子量分布=重量
平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは1〜5、よ
り好ましくは1〜4である。分子量が2,000未満で
は耐候性、耐薬品性が劣り、100,000超では塗料
粘度が高く、水への分散性に難点があり、好ましくな
い。分子量分布が4を超えると同様に塗料の長期安定性
に難点が現われるため好ましくない。
【0032】本発明で得られる含フッ素共重合体は、所
定割合の単量体混合物に重合触媒の共存下または非共存
下に、重合開始剤または電離性放射線などの重合開始源
を作用せしめて共重合反応を行わせることによって製造
できる。
【0033】ここで、重合開始剤としては、重合形式ま
たは重合媒体に応じて、水溶性のものまたは油溶性のも
のが適宜使用できる。重合開始剤の使用量は、種類、共
重合反応条件に応じて適宜変更でき、通常は共重合され
るべき単量体全量に対して、0.05〜5重量%程度が
採用される。
【0034】水溶性開始剤には、過硫酸塩、過酸化水
素、レドックス開始剤などの無機系開始剤、ジペルオキ
シコハク酸、ジペルオキシグルタル酸、モノペルオキシ
コハク酸などの二塩基酸の過酸類、アゾビスイソブチル
アミジン二塩基酸塩などの有機系開始剤が、油溶性開始
剤には、t−ブチルペルオキシアセテート、ジイソプロ
ピルペルオキシジカーボネート、ベンゾイルペルオキシ
ド、アゾビスイソブチロニトリルなどがある。
【0035】上記共重合反応に際して、反応形式として
は特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶
液重合などを採用できる。重合操作の安定性、生成共重
合体の分離の容易性などから、水性媒体中での乳化重
合、または、エタノール、イソプロピルアルコール、t
−ブタノールなどのアルコール類、エステル類、1個以
上のフッ素原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類などを溶媒とする溶液重合
が好ましい。重合温度は、10〜90℃が採用されう
る。反応圧力は、適宜選定できるが、通常は、1〜10
0kg/cm2 ・G、特に、2〜50kg/cm2 ・G
を採用するのが望ましい。
【0036】本発明で得られる含フッ素共重合体の固有
粘度は、0.05〜2.0dl/gが好ましく、固有粘
度を前記範囲に抑えるために、連鎖移動定数の比較的大
きい反応媒体を使用したり、適宜連鎖移動剤の共存下に
共重合反応を行わせることが好ましい。また、含フッ素
共重合体の酸価は1〜50mgKOH/gが好ましい。
含フッ素共重合体が硬化性部位として水酸基を有する場
合、含フッ素共重合体の水酸基価は10〜100mgK
OH/gが好ましい。
【0037】本発明で得られる含フッ素共重合体は、各
種のフッ素系塗料用樹脂として有用である。含フッ素共
重合体をイオン交換水に分散した場合に経時安定性に優
れ、水性塗料として特に有用であり、得られる塗膜は、
外観、耐候性ともに優れる。
【0038】
【実施例】
(例1)内容積200mlのステンレス製撹拌機付オー
トクレーブ(耐圧50kg/cm2 G)にクロロトリフ
ルオロエチレン58部(重量部、以下同じ)、エチルビ
ニルエーテル7部、シクロヘキシルビニルエーテル20
部、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル12部、ウン
デセン酸30部、イソプロパノール50部、t−ブチル
ペルオキシピバレート(t−BPP)0.5部および無
水ホウ酸ナトリウム(Na2 O・2B23 )3部を仕
込み、液体窒素にて冷却して固化脱気により溶存空気を
除去した後に、65℃で20時間反応を行い、カルボキ
シル基含有含フッ素重合体(以下、共重合体Aという)
を得た。
【0039】共重合体Aの数平均分子量、酸価(mgK
OH/g樹脂、以下同じ)および水酸基価(mgKOH
/g樹脂、以下同じ)はそれぞれ13,000、69お
よび44であった。
【0040】(例2)クロロトリフルオロエチレン58
部の代わりにテトラフルオロエチレン50部を用いる以
外、例1と同様にしてカルボキシル基含有含フッ素重合
体(以下、共重合体Bという)を得た。共重合体Bの数
平均分子量、酸価および水酸基価はそれぞれ11,00
0、69および45であった。
【0041】(例3(比較例))Na2 O・2B23
3部の代わりに、炭酸カリウム(K2 CO3 )1部を用
いる以外、例1と同様に反応させて、カルボキシル基含
有含フッ素重合体(以下、共重合体Cという)を得た。
共重合体Cの数平均分子量、酸価および水酸基価はそれ
ぞれ13,000、59および43であった。
【0042】(例4(比較例))Na2 O・2B23
を用いない以外、例1と同様に反応させたが、共重合体
は得られなかった。
【0043】(評価例)共重合体A、BおよびCについ
て、初期のイエローインデックス(YI−1)および6
0℃オーブンに7日間貯蔵後のイエローインデックス
(YI−2)を測定した結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明で得られる含フッ素共重合体は、
水性塗料、特にカルボキシル基の少なくとも一部を塩基
性化合物で中和し、水中に分散せしめてなる電着塗料と
して用いる場合、含フッ素共重合体の着色問題が改善さ
れているため、電着塗装がなされた塗板が下地と異なっ
た色調になることもない。
【0046】また、ホウ酸塩は含フッ素共重合体のカル
ボキシル基と塩を形成することがなく、金属イオンが塗
料中に好ましくないイオンとして含有されることがない
ため、塗膜の外観および耐候性などの物性が低下する問
題がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/12 KJF C08L 27/12 KJF

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の単量体(a)、(b)および(c)
    を、ホウ酸塩の存在下で共重合させることを特徴とする
    カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法。 (a)フルオロオレフィン。 (b)不飽和カルボン酸。 (c)前記(a)および(b)以外の単量体。
  2. 【請求項2】ホウ酸塩が、アルカリ金属のホウ酸塩また
    はアルカリ土類金属のホウ酸塩である請求項1の製造方
    法。
  3. 【請求項3】単量体(a)、(b)および(c)の供給
    割合が、(a)20〜70モル%、(b)1〜30モル
    %および(c)1〜50モル%である請求項1または2
    の製造方法。
  4. 【請求項4】ホウ酸塩の存在量が、(a)、(b)およ
    び(c)の合計100重量部に対し0.1〜10重量部
    である請求項1、2または3の製造方法。
JP6657796A 1996-03-22 1996-03-22 カルボキシル基含有含フッ素共重合体の製造方法 Pending JPH09255731A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014088495A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Dic Corp 水性フッ素樹脂組成物、水性フッ素塗料及び該塗料で塗装された物品

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JP2014088495A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Dic Corp 水性フッ素樹脂組成物、水性フッ素塗料及び該塗料で塗装された物品

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