JPH10279634A - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体の製造方法

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JPH10279634A
JPH10279634A JP9976697A JP9976697A JPH10279634A JP H10279634 A JPH10279634 A JP H10279634A JP 9976697 A JP9976697 A JP 9976697A JP 9976697 A JP9976697 A JP 9976697A JP H10279634 A JPH10279634 A JP H10279634A
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JP
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alcohol
copolymer
acrylate
alkyl
vinyl
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JP9976697A
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Koshin Maruyama
康臣 丸山
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に有利な方法で、かつ収率よくフルオロ
オレフィンの含有量の多い含フッ素共重合体を得る製造
方法を提供する。 【解決手段】(a)フルオロオレフィン、(b)(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルおよび(c)カルボン
酸ビニルエステルを必須成分とした含フッ素共重合体の
製造方法において、一般式:R3 (R4 )CHOH(R
3 およびR4 は水素原子または炭素数1〜20のアルキ
ル基もしくはシクロアルキル基を示す)で表されるアル
コールの存在下に、パーオキサイド系開始剤を用いて前
記(a)〜(c)の単量体を共重合反応させることを特
徴とする含フッ素共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルオロオレフィ
ン、(メタ)アクリル酸エステルおよびカルボン酸ビニ
ルエステルからなる含フッ素共重合体の製造方法に関
し、特にフルオロオレフィンの含有量が多い共重合体の
製造に有利な方法に関するものである。該製造方法で得
られる含フッ素共重合体は、例えば、高耐候性シーリン
グ材として有用である。
【0002】
【従来の技術】含フッ素共重合体は、耐熱性、耐薬品
性、耐候性、撥水性、潤滑性および電気特性に優れてい
ることから、高耐候性の塗料およびオーバーレイフィル
ムなど建築外装分野に広く使用されている。一方、アク
リル系重合体も耐候性に優れおよび低コストであるため
種々の用途に用いられている。さらに、この含フッ素共
重合体およびアクリル系重合体の両方の特徴を活かした
高耐候性シーリング材として、フルオロオレフィン、ア
クリル酸エステルおよびカルボン酸ビニルエステルの共
重合体が提案されている(特開平8−127765号公
報)。しかしながら、この共重合体の製造方法において
は、フルオロオレフィンの重合性が悪く、そのためフル
オロオレフィンの含有量の多い共重合体を得るには、大
過剰のフルオロオレフィンを用いたりあるいは重合時間
を長くする必要があり、そのため重合の際圧力が高く、
かつ重合時間が長くなるなど工業的に有利な方法ではな
かった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工
業的に有利な方法で、かつ収率よくフルオロオレフィン
の含有量の多い含フッ素共重合体を得る製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、フルオロオレフィ
ン、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボ
ン酸ビニルエステルからなる含フッ素共重合体の製造方
法において、特定のアルコールの存在下に、開始剤とし
てパーオキサイド系化合物を用いることにより、フルオ
ロオレフィンの重合性が著しく改善できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(a)フルオロオレフィン、(b)一般式:CH2 =C
XCOOR(Rは炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基またはハロゲン含有アルキル基を示し、Xは
水素原子またはメチル基を示す)で表される(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルおよび(c)一般式:CH2
=CHOCOR2(R2 は炭素数2〜20のアルキル
基、シクロアルキル基または置換基を有しても良い芳香
族基を示す)で表されるカルボン酸ビニルエステルを必
須成分とした含フッ素共重合体の製造方法において、一
般式:R3 (R4 )CHOH(R3 およびR4 は水素原
子または炭素数1〜20のアルキル基もしくはシクロア
ルキル基を示し、R3 とR4 は同じでも異なっていても
よい)で表されるアルコールの存在下に、パーオキサイ
ド系開始剤を用いて前記(a)〜(c)の単量体を共重
合反応させることを特徴とする含フッ素共重合体の製造
方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(a)フルオロオ
レフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ジク
ロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、フッ化ビニルおよびパーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)などが例示されるが、これらの中
でも、重合性の面よりテトラフルオロエチレン、クロロ
トリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレン
が好ましく、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリ
フルオロエチレンがより好ましい。
【0006】本発明における(b)(メタ)アクリル酸
アルキルエステルは、一般式:CH2 =CXCOORで
表される化合物であり、式中のRで示されるエステル鎖
としては炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル
基およびハロゲン含有アルキル基であるが、物性を損な
わない範囲で、これらのエステル鎖中に酸素、窒素およ
び硫黄などの原子を含んでも良い。前記(b)(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを具体的に例示すると、ア
クリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、
アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステ
ル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸ターシ
ャリブチルエステル、アクリル酸ネオペンチルエステ
ル、アクリル酸エチルヘキシルエステル、アクリル酸イ
ソデシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アク
リル酸トリデシルエステル、アクリル酸ステアリルエス
テル、アクリル酸シクロヘキシルエステル、アクリル酸
イソボルニルエステル、アクリル酸トリシクロデシニル
エステル、アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステ
ル、アクリル酸メトキシエチルエステル、アクリル酸ジ
メチルアミノエチルエステル、アクリル酸クロロエチル
エステル、アクリル酸トリフルオロエチルエステル、ア
クリル酸ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸ヒドロ
キシブチルエステル、アクリル酸ヒドロキシエチルエス
テルのε−カプロラクトン付加物およびアクリル酸トリ
メトキシシリルプロピル等のアクリル酸アルキルエステ
ル類;メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチ
ルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリ
ル酸ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステ
ル、メタクリル酸ターシャリブチルエステル、メタクリ
ル酸ネオペンチルエステル、メタクリル酸エチルヘキシ
ルエステル、メタクリル酸イソデシルエステル、メタク
リル酸ラウリルエステル、メタクリル酸トリデシルエス
テル、メタクリル酸ステアリルエステル、メタクリル酸
シクロヘキシルエステル、メタクリル酸イソボルニルエ
ステル、メタクリル酸トリシクロデシニルエステル、メ
タクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリ
ル酸メトキシエチルエステル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチルエステル、メタクリル酸クロロエチルエステ
ル、メタクリル酸トリフルオロエチルエステル、メタク
リル酸ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸ヒドロ
キシブチルエステル、メタクリル酸ヒドロキシエチルエ
ステルのε−カプロラクトン付加物、メタクリル酸トリ
メトキシシリルプロピルおよびメタクリル酸トリエトキ
シシリルプロピルなどのメタクリル酸アルキルエステル
類が挙げられ、これらを単独または数種類混合して使用
することができる。これらの中でも、フルオロオレフィ
ンとの共重合性の面からアクリル酸アルキルエステル類
が好ましい。
【0007】本発明における(c)カルボン酸ビニルエ
ステルは、一般式:CH2 =CHOCOR2 で表される
化合物であり、式中のR2 は炭素数2〜20のアルキル
基、シクロアルキル基または置換基を有していてもよい
芳香族基を示す。化合物を具体的に例示すると、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ル酸ビニル、カプリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パル
ミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸
ビニル、クロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニルおよびパラ
ターシャリブチル安息香酸ビニルなどが挙げられ、これ
らの中でも、好ましくはR2 が炭素数が3〜18のアル
キル基またはシクロアルキル基であるビニルエステルで
ある。
【0008】本発明において製造される含フッ素共重合
中の各構成単量体の比率は、重合性の面より、上記
(a)〜(c)の各成分の組成比率が、全単量体を10
0モル%とした場合、(a):35〜80モル%、
(b):15〜64モル%および(c):1〜40モル
%であることが好ましい。
【0009】さらに、本発明における含フッ素共重合体
には、物性を損なわない範囲でその他の単量体を共重合
しても良い。かかる共重合体としては、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレンなどのα−オレフィン類、塩化ビ
ニルおよび塩化ビニリデンなどのクロロエチレン類、エ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルおよびヒド
ロキシブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエー
テル類、トリメトキシビニルシランおよびトリエトキシ
ビニルシランなどのビニルシラン類が例示されるが、こ
れらに限定されない。また、その他の単量体の割合は、
全単量体を100モル%とした場合、0〜30モル%で
あることが好ましい。
【0010】前記含フッ素共重合体は、ガラス転移温度
が0℃以下であることが好ましく、また、分子量はゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による
数平均分子量(ポリスチレン換算)で1,000〜1
3,000であることが好ましい。ガラス転移温度が0
℃より高い含フッ素共重合体の場合は、例えばシーリン
グ材として用いる場合に常温における作業性が悪くなる
恐れがある。また、分子量が1,000未満であると耐
候性が悪くなり、一方、13,000を越えると取り扱
い難くなる恐れがある。
【0011】本発明の製造方法は、アルコールの存在下
に、パーオキサイド系開始剤を用いて上記各単量体をラ
ジカル共重合させるものである。前記アルコールは一般
式:R3 (R4 )CHOH(R3 およびR4 は前記のと
おり)で表される化合物であり、具体的には、メチルア
ルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコ
ール、イソプロプルアルコール、ノルマルブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、
ノルマルペンチルアルコール、ネオペンチルアルコー
ル、ノルマルヘキシルアルコール、ノルマルオクチルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコールおよびノルマ
ルデカニルアルコールなどが挙げられ、これらの中で
も、入手の容易さの面より、メチルアルコール、エチル
アルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコールおよびノルマルブチルアルコールが好まし
い。アルコールの使用量は、全単量体100重量部に対
して、1〜200重量部であることが好ましく、さらに
好ましくは2〜100重量部である。本発明におけるア
ルコールの作用については定かではないが、アルコール
が単に反応溶媒として作用するだけでなく、連鎖移動剤
としての役割を果たしていると考えている。
【0012】また、後記アルコール以外の有機溶剤を反
応溶媒として併用することも可能であり、併用できる有
機溶剤として有機炭化水素系化合物およびフッ素系有機
溶剤等が挙げられる。具体的にはテトラヒドロフランお
よびジオキサン等の環状エーテル類;ベンゼン、トルエ
ンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチ
ルおよび酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチル
エチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエ
チレン等のフロン類等を挙げることができるが、これら
に限定されない。前記有機溶剤は1種または2種以上を
用いることができる。
【0013】前記パーオキサイド系開始剤としては、ケ
トンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイド
ロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジ
アシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類
およびパーオキシエステル類等が挙げられる。これらの
中でもパーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド
類、パーオキシジカーボネート類およびパーオキシエス
テル類が挙げられ、これらの中でも、重合収率の面よ
り、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド
類、パーオキシジカーボネート類およびパーオキシエス
テル類が好ましい。パーオキシケタール類としては、
1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサンおよび1,1−ビス(ターシャリーヘキシルパ
ーオキシ)シクロヘキサン等、ジアシルパーオキサイド
類としては、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイドおよびラウロイルパーオキサイド等、パ
ーオキシジカーボネート類としては、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパー
オキシジカーボネートおよびジ−2−エチルヘキシルパ
ーオキシジカーボネート等、パーオキシエステル類とし
ては、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエー
ト、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシ
ャリーブチルパーオキシイソブチレートおよびターシャ
リーブチルパーオキシラウレート等が挙げられるが、こ
れらに限定されない。パーオキサイド系開始剤の使用量
は、全単量体に対して0.0001〜10モル%である
ことが好ましい。
【0014】本発明の製造方法は、アルコールの存在下
に、パーオキサイド系開始剤を用いて単量体を共重合反
応させるところに特徴があり、この反応に用いるアルコ
ールとパーオキサイド系開始剤の相乗効果によってはじ
めて、フルオロオレフィンの重合収率が向上するという
本発明における効果が達成されるのである。
【0015】本発明の製造方法における重合条件として
は、耐圧性オートクレーブを用い、重合温度:30〜1
00℃、圧力:1〜200kg/cm2および反応時間:3〜
30時間が好適である。単量体は初期に全部バッチ仕込
みしてもよいし、重合の進行と共に一部の単量体を逐次
添加または連続添加してもよい。フルオロオレフィンを
効率よく反応させるために、(メタ)アクリル酸アクリ
ルエステルは逐次添加または連続添加することが好まし
い。また、必要によりPH調整剤として、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、ハイドロタルサイトおよび陰
イオン交換樹脂等を加えてもよい。以下、実施例を挙げ
て、具体的に説明する。
【0016】
【実施例】
(実施例1)攪拌機を備えた2リットルのオートクレー
ブに酢酸ブチル135g、エチルアルコール75g、ア
クリル酸ブチルエステル(以下、「BA」という)5.
5g、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル(以下、
「HA」という)7.9g、ラウリン酸ビニル(以下、
「VLu」という)12.3g、ヒドロキシエチルアク
リレート(以下、「HEA」という)1.1g、重合開
始剤として、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカー
ボネート(以下、「EEP」という)3.8gを仕込ん
だ。次に、脱気と窒素置換を3回繰り返した後脱気し、
クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とい
う)510gを仕込んだ。50℃まで昇温して重合を開
始させ、7時間に渡り、BA49.9g、HA71.8
gおよびVLu36.7gよりなる混合液を一定速度で
ポンプを用いてオートクレーブ中に送り込んだ。重合開
始7時間経過後、60℃まで昇温し重合を計9時間行
い、冷却した。未反応のCTFEをパージした後、ほう
酸ソーダ12gを添加し、40℃に昇温後、2時間攪拌
を行った。冷却後、オートクレーブを開放して共重合体
溶液を得た。得られた溶液を濾過しほう酸ソーダを除い
た後乾燥し、330gの共重合体を得た。得られた共重
合体のGPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子
量は4,100であり、ガラス転移温度(以下、「T
g」という)は−35℃であった。この共重合体のフッ
素分析の結果は23.0重量%であり、 1H−NMRお
よび13C−NMRより、共重合体の組成は、CTFE/
BA/HA/VLu/HEA=55.8/16.3/1
6.2/8.1/3.6(モル%)であることを確認し
た。
【0017】(実施例2)エチルアルコールをメチルア
ルコールとした以外、実施例1と同様の方法で重合を行
い、乾燥後に共重合体を325g得た。得られた共重合
体のGPCによる数平均分子量は7,800であり、T
gは−37℃であった。この共重合体のフッ素分析の結
果は21.9重量%であり、 1H−NMRおよび13C−
NMRより、共重合体の組成は、CTFE/BA/HA
/VLu/HEA=53.6/17.1/17.1/
8.5/3.7(モル%)であることを確認した。
【0018】(実施例3)開始剤としてターシャリーブ
チルパーオキシピバレートを用い、初期添加量を1.3
gとし、重合温度・7時間後の昇温温度をそれぞれ62
℃・75℃にした以外は、実施例1と同様な方法で重合
を行い、乾燥後に共重合体を317g得た。得られた共
重合体のGPCによる数平均分子量は3,900であ
り、Tgは−34℃であった。この共重合体のフッ素分
析の結果は22.4重量%であり、 1H−NMRおよび
13C−NMRより、共重合体の組成はCTFE/BA/
HA/VLu/HEA=54.5/16.8/16.7
/8.3/3.7(モル%)であることを確認した。
【0019】(実施例4)CTFEの仕込量を260g
とした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、乾
燥後に共重合体を270g得た。得られた共重合体のG
PCによる数平均分子量は3,800であり、Tgは−
40℃であった。この共重合体のフッ素分析の結果は1
7.8重量%であり、 1H−NMRおよび13C−NMR
より、共重合体の組成はCTFE/BA/HA/VLu
/HEA=43.5/20.9/20.8/10.2/
4.6(モル%)であることを確認した。
【0020】(実施例5)VLuの初期添加量を4.1
g、連続添加の混合液中のVLu量を12.2gとした
以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、乾燥後に
共重合体を283g得た。得られた共重合体のGPCに
よる数平均分子量は3,900であり、Tgは−39℃
であった。この共重合体のフッ素分析の結果は20.1
重量%であり、 1H−NMRおよび13C−NMRより、
共重合体の組成はCTFE/BA/HA/VLu/HE
A=48.5/21.6/21.6/3.6/4.7
(モル%)であることを確認した。
【0021】(比較例1)溶剤として酢酸ブチル210
gを用い、エチルアルコールを用いなかった以外は、実
施例1と同様な方法で重合を行い、乾燥後に共重合体を
269g得た。得られた共重合体のGPCによる数平均
分子量は13,200であり、Tgは−43℃であっ
た。この共重合体のフッ素分析の結果は15.9重量%
であり、 1H−NMRおよび13C−NMRより、共重合
体の組成は、CTFE/BA/HA/VLu/HEA=
36.6/23.9/23.4/10.8/5.2(モ
ル%)であることを確認した。
【0022】(比較例2)溶剤としてキシレン210g
を用い、エチルアルコールを用いなかった以外は、実施
例1と同様な方法で重合を行い、乾燥後に共重合体を2
57g得た。得られた共重合体のGPCによる数平均分
子量は4,200であり、Tgは−42℃であった。こ
の共重合体のフッ素分析の結果は13.8重量%であ
り。 1H−NMRおよび13C−NMRより、共重合体の
組成はCTFE/BA/HA/VLu/HEA=33.
1/25.4/24.7/11.2/5.6(モル%)
であることを確認した。
【0023】(比較例3)開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリルを用い、添加量を2.3g、重合温度・7
時間後の昇温温度をそれぞれ60℃・70℃とした以外
は、実施例3と同様な方法で重合を行い、乾燥後に共重
合体を255g得た。得られた共重合体のGPCによる
数平均分子量は5,600であった。この共重合体のフ
ッ素分析の結果は11.7重量%であり、 1H−NMR
および13C−NMRより、共重合体の組成はCTFE/
BA/HA/VLu/HEA=30.9/25.6/2
5.5/12.4/5.6(モル%)であることを確認
した。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、大過剰のフ
ルオロオレフィンを用いる必要がないので反応時の圧力
が高くならず、かつ反応時間も短いため効率的に、フル
オロオレフィンの含有量の多い含フッ素共重合体を得る
ことができる。本発明の製造方法によりフルオロオレフ
ィンの含有量の多い含フッ素共重合体から、耐候性およ
び耐溶剤性に優れたシーリング材が得られるため、本発
明の製造方法は工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220/10 C08F 220/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)フルオロオレフィン、(b)一般
    式:CH2 =CXCOOR(Rは炭素数1〜20のアル
    キル基、シクロアルキル基またはハロゲン含有アルキル
    基を示し、Xは水素原子またはメチル基を示す)で表さ
    れる(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび(c)
    一般式:CH2 =CHOCOR2 (R2 は炭素数2〜2
    0のアルキル基、シクロアルキル基または置換基を有し
    ても良い芳香族基を示す)で表されるカルボン酸ビニル
    エステルを必須成分とした含フッ素共重合体の製造方法
    において、一般式:R3 (R4 )CHOH(R3 および
    4 は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基もし
    くはシクロアルキル基を示し、R3 とR4 は同じでも異
    なっていてもよい)で表されるアルコールの存在下に、
    パーオキサイド系開始剤を用いて前記(a)〜(c)の
    単量体を共重合反応させることを特徴とする含フッ素共
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】アルコールがメチルアルコール、エチルア
    ルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピル
    アルコールおよびノルマルブチルアルコールの中から選
    ばれる1種以上であり、かつパーオキサイド系開始剤が
    パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パ
    ーオキシジカーボネート類またはパーオキシエステル類
    である請求項1記載の含フッ素共重合体の製造方法。
JP9976697A 1997-04-02 1997-04-02 含フッ素共重合体の製造方法 Pending JPH10279634A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519261A (ja) * 1999-12-29 2003-06-17 ハイドロ−ケベック 低いTgを有し、ヘキサフルオロプロペンを主成分とし、テトラフルオロエチレンも、シロキサン基も含まない、フルオロスルホン化エラストマー
JP2003519259A (ja) * 1999-12-29 2003-06-17 ハイドロ−ケベック 低いTgを有し、ビニリデンフルオライドを主成分とし、かつテトラフルオロエチレンもヘキサフルオロプロペンもシロキサン基も含まない、フルオロスルホン化エラストマー
JP2011518247A (ja) * 2008-04-16 2011-06-23 ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド フッ素化ポリマーをベースとする医療埋込み物被覆組成物
JP5541276B2 (ja) * 2009-02-23 2014-07-09 旭硝子株式会社 フルオロオレフィン共重合体溶液の製造方法および塗料組成物の製造方法

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