JP3379883B2 - フッ化ビニリデン系樹脂の製造方法 - Google Patents

フッ化ビニリデン系樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ化ビニリデン
系樹脂の製造方法に関し、詳しくは撥水性に優れ、かつ
分子量の調整された該樹脂を容易に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデンは、耐候性、耐蝕
性、電気的特性、加工性等に優れるため、種々の分野で
使用されている。しかし、このポリフッ化ビニリデン
は、フッ素系樹脂に比べて撥水性がやや劣るという欠点
を有する。そこで、撥水性を高めるために、フッ化ビニ
リデンと、へキサフルオロプロピレン、テトラフルオロ
エチレン等の高フッ素含有量の単量体とのブロック共重
合体とすることが必要となる。例えば、リビングポリマ
ーの製造に採用されている逐次生長法、2種以上のポリ
マーをカップリングさせる方法、末端官能基を重付加も
しくは重縮合する方法、またはラジカル重合法が知られ
ている。しかし、これらの方法では、高フッ素含有単量
体の重合速度がフッ化ビニリデン単量体のそれより小さ
いため、フッ化ビニリデン単量体の方が優先的に重合し
てしまい、高フッ素含有単量体が分子の末端部位に集中
して導入されるという問題がある。さらに、ホモポリマ
ーが副生しやすい、樹脂の分子量の調整が難しい等の問
題もある。特に、共重合体の分子量が大きくなり過ぎる
と(例えば平均分子量500,000以上)、溶融粘度が高くな
って、フィルム等への加工性が悪化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、上記の欠点を解決し、撥水性に優れるとともに、フ
ィルム等への加工性に適した分子量範囲に調整されたフ
ッ化ビニリデン系樹脂を容易に製造する方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、下記の製造方法により上記の課題を解決でき
ることを見出した。本発明は、フッ化ビニリデン、また
はフッ化ビニリデンと共重合し得るビニル系単量体とフ
ッ化ビニリデンとの混合物を重合させる際に、一般式
(1): X−Rf−X (1) 〔式中、Rfは二価のフルオロアルキルエーテル基を少
なくとも2個含有する二価の有機基であり、Xは独立に
ヨウ素原子またはフッ素原子であり、Xの少なくとも1
個はヨウ素原子である〕で示されるアイオダイド化合物
(以下、単に「アイオダイド化合物」という)を添加し
て重合を開始し、さらに該アイオダイド化合物を重合中
に分割添加することを特徴とする、フッ化ビニリデン系
樹脂の製造方法を提供するものである。以下に、本発明
のフッ化ビニリデン系樹脂の製造方法を詳述する。
【0005】
【発明の実施の形態】原料 本発明の製造方法では、フッ化ビニリデンおよび一般式
(1)のアイオダイド化合物を必須の原料とし、場合に
より必要に応じてフッ化ビニリデンと共重合し得るビニ
ル系単量体を併用してもよい。
【0006】上記ビニル系単量体としては、へキサフル
オロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフ
ルオロエチレン等のパーフルオロアルキレン化合物が、
撥水性が優れる樹脂を得る点で好ましい。該ビニル系単
量体の使用量は、フッ化ビニリデン100重量部に対し
て、通常、0〜10重量部でよく、該ビニル単量体のホモ
ポリマーの生成を抑える点で0〜5重量部が好ましい。
【0007】本発明の製造方法で使用されるアイオダイ
ド化合物は、一般式(1): X−Rf−X (1) 〔式中、Rfは、二価のフルオロアルキルエーテル基を
少なくとも2個含有する二価の有機基であり、Xは独立
にヨウ素原子またはフッ素原子であり、Xの少なくとも
1個はヨウ素原子である〕で示されるものである。この
アイオダイド化合物は、連鎖移動剤として働きながら、
樹脂中に導入される。すなわち、例えばフッ化ビニリデ
ン単量体に、一般式(1)のアイオダイド化合物が添加
されると、一旦、下記式(2): X−(CH2CF2p−Rf−(CH2CF2p−X (2) 〔式中、pは独立に1以上の整数であり、RfおよびX
は前記と同じ意味である〕で示されるプレポリマーが得
られる。このプレポリマーは分子鎖末端が重合活性を有
するので、さらにリビング的に重合して、最終的に下記
式: [−(CH2CF2p−Rf−] 〔式中、pおよびRfは、前記と同じ意味である〕で示
される構造単位を有する高分子量のブロック共重合体が
得られる。このブロック共重合体は、アイオダイド化合
物により導入されたRf基が有する少なくとも2個のフ
ルオロアルキルエーテル基のために、撥水性にも優れる
上、柔軟性を示す可能性の持てる樹脂となる。
【0008】Rfで示される二価の有機基としては、例
えば一般式(3)〜(4):
【0009】
【化1】
【0010】〔式中、mおよびnは、m+n≧2、好ま
しくは2≦m+n≦10を満たす0または正の整数であ
り、R1およびR2は、独立に−CF3または−CF2CF3であ
る〕、
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、Lは2以上の整数であり、好まし
くは2≦L≦10を満たす整数であり、R1およびR2は、独
立に−CF3または−CF2CF3である〕で示される化合物が
挙げられる。
【0013】アイオダイド化合物の具体例を以下に示
す。
【0014】
【化3】
【0015】アイオダイド化合物の中でも、特に一般式
(3)で示される基の両末端に、X基としてヨウ素原子
が結合したものが、撥水性に優れ、かつ分子量の調整さ
れた樹脂を容易に製造できる点で好ましい。
【0016】アイオダイド化合物の全重合反応における
使用量は、フッ化ビニリデン100重量部に対して、通
常、3〜20重量部でよく、好ましくは5〜15重量部であ
る。アイオダイド化合物の量が少なすぎると、撥水性に
優れるフッ化ビニリデン系樹脂が得られず、また、フッ
化ビニリデンホモポリマーが副生するおそれがある。逆
に多すぎると、得られる樹脂の平均分子量が極端に低下
して、フィルム形成性の良好な樹脂が得られなくなる。
【0017】重合 フッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンと共重合し
得るビニル系単量体とフッ化ビニリデンとの混合物(特
にこれらの原料を、「仕込みモノマー」という)を、アイ
オダイド化合物とともに重合させる方法は、該アイオダ
イド化合物の一部を重合前に仕込みモノマーに添加し、
さらにその残部を重合中に分割添加すること以外は、従
来公知の重合方法を特に制限なく使用できる。具体的に
は、前記仕込みモノマーを、通常、水性媒体中で、重合
開始剤の存在下、懸濁重合または乳化重合させる方法が
採られる。また、懸濁重合を用いるのが好ましい。
【0018】アイオダイド化合物は、前記のとおり、重
合前に添加されることが必須であり、さらに重合中にも
分割添加されるが、重合中の添加の回数は、好ましくは
3回以上、特に好ましくは4回以上である。この回数が
3回より少ないと、高分子量(例えば150,000以上)の樹
脂が得られず、その結果、該樹脂を加工して得られるフ
ィルムの機械的強度が低下する場合がある。
【0019】アイオダイド化合物の重合前の添加量、お
よび重合中の一回あたりの添加量は、前記仕込みモノマ
ー100重量部に対して、通常、0.5〜3重量部、好ましく
は0.5〜2重量部である。
【0020】重合中におけるアイオダイド化合物の添加
の時期は、前回のアイオダイド化合物の添加により、重
合中の未反応モノマー(すなわち、仕込みモノマーの未
反応分)の10〜25重量%が重合転化した時が好ましく、
特に好ましくは12〜22重量%が転化した時である。した
がって、重合中の一回目の添加の時期は、仕込みモノマ
ー全量の10〜25重量%が転化した時であり、重合中二回
目の添加の時期は、一回目の添加時に残存していた未反
応の仕込みモノマーの10〜25重量%が転化した時であ
る。重合転化率が10重量%未満の時に添加すると、得ら
れる樹脂の平均分子量の低下を招き、また、25重量%を
超えた時に添加すると、フッ化ビニリデンのホモポリマ
ーが副生するおそれがある。なお、アイオダイド化合物
を反応系へ添加する手段としては、通常、定量ポンプ等
が用いられる。
【0021】重合開始剤としては、有機過酸化物、例え
ばイソプロピルパーオキシジカーボネート、n-プロピル
パーオキシジカーボネート等の低級アルキルパーオキシ
ジカーボネート類;t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト等のパーエステル類;ならびにヘプタフルオロブチリ
ルパーオキシド等のパーフルオロオキシド類が挙げられ
る。これらは、1種単独で用いてもよく、また、2種以
上組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の使用量は、
フッ化ビニリデン単量体100重量部に対して、通常、0.0
5〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部である。
【0022】懸濁重合時に使用される分散剤は、一般に
水溶性高分子化合物であり、例えばメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、および水溶性または油溶性の部分ケン
化ポリビニルアルコールが挙げられる。分散剤の使用量
は、フッ化ビニリデン単量体100重量部に対して、通
常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2.0重量部であ
る。
【0023】前記分散剤とともに、1,2-ジクロロテトラ
フルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の
疎水性ハロゲン化炭化水素系溶剤を使用することも任意
である。該溶剤の使用量は、フッ化ビニリデン単量体10
0重量部に対して、好ましくは1〜20重量部である。
【0024】水性媒体中で重合する際の重合温度は、通
常、10〜25℃であり、重合圧力は、通常、10〜50kgf/cm
2である。
【0025】得られるフッ化ビニリデン系樹脂の平均分
子量は、通常、150,000〜350,000である。この範囲にあ
るフッ化ビニリデン系樹脂は、フィルム等への加工性に
優れ、かつ得られるフィルム等が機械的強度等の物性に
優れる。また、該樹脂は、水に対する接触角がテフロン
板の接触角(すなわち、110度)と同等となり、良好な
撥水性を示す。上記特性を有する本発明のフッ化ビニリ
デン系樹脂は、フィルム等への加工性、機械的強度、耐
薬品性、離型性、撥水性等を必要とする用途、例えば離
型用フィルム、パッキン、ガスケット、塗料およびエラ
ストマーに好適である。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。なお、以下の記載において、部は重量
部を意味する。 (実施例1)2Lの耐圧ステンレス製反応器中に、水300
部およびメチルセルロース0.1部を収容した後、系内を
真空にした。次いで、フッ化ビニリデン単量体100部を
仕込み、次いで、n-プロピルパーオキシジカーボネート
0.5部、ジクロロペンタフルオロプロパン20部、および
下記式(5):
【0027】
【化4】
【0028】で示されるアイオダイド化合物1.0部を、
定量ポンプを用いて添加した。次いで、系を25℃に昇温
した後、同温度に保持して、450rpmで攪拌しながら重合
を開始した。重合開始後、表1に示す重合転化率の時期
に、さらに式(5)のアイオダイド化合物を表1に示す
量添加した。重合開始から15時間後、内圧が27kg/cm2
低下したところで、系内のガスおよび未反応のフッ化ビ
ニリデン単量体を回収し、次いで、脱水、乾燥して、フ
ッ化ビニリデン系樹脂を得た(収率62%)。このフッ化
ビニリデン系樹脂の分子量を、以下のようにして測定し
たところ、平均分子量は300,000であった。
【0029】<分子量の測定方法>上記のフッ化ビニリ
デン系樹脂の0.1g、0.2gおよび0.3gを、それぞれ、50m
Lのメスフラスコに精秤し、ジメチルホルムアミド(以
下、「DMF」という)50mLに溶かして溶液を調製した。次
いで、ウベローデ粘度計を用いて、該溶液の30℃におけ
る比粘度を測定した。得られた比粘度と溶液の濃度の値
から極限粘度を求め、さらに下記換算式: 平均分子量=〔極限粘度/(3.8×10-3)〕1.25 に代入して、平均分子量を求めた。なお、この換算式は
フッ化ビニリデンのホモポリマーに適用される式である
ため、平均分子量は、フッ化ビニリデン系樹脂をフッ化
ビニリデンホモポリマーと仮定することにより得られる
近似値である。
【0030】また、得られた樹脂の加工性の評価、およ
び接触角の測定を以下のようにして行った。それらの結
果を表4に示す。 <加工性の評価方法>フッ化ビニリデン系樹脂の加工性
を、フィルム形成性で評価した。すなわち、上記のフッ
化ビニリデン系樹脂1gを、ステンレス板の上に直径8c
mの円状に置き、その上を別のステンレス板で覆った。
これらのステンレス板を東邦マシナリー(株)製出力37t
油圧成形機に挟み、180℃の温度で2分間予熱した後、
同温度で150kgf/cm2の圧力を掛けた。こうしてステンレ
ス板の上に形成されたフィルムを、30℃に冷却した後、
以下の基準に従って評価した。 A:フィルムの表面に、クラックが生じていない。 B:フィルムの表面に、1〜2個のクラックが生じてい
る。 C:フィルムの表面に、3個以上のクラック、または気
泡が生じている。
【0031】<接触角の測定方法>前記フッ化ビニリデ
ン系樹脂をDMFに溶かして5重量%溶液を調製した。次
いで、0.3mm×25mm×100mmのステンレス製テストピース
をこの溶液にディッピングすることにより、樹脂をテス
トピースに塗布した後、塗布されたテストピースを30分
間風乾し、さらに150℃の温度で30分間加熱してDMF
を完全に除去した。得られたフィルムの水に対する接触
角を、QI光学鏡式接触角計CA-A型〔協和界面科学(株)
製〕を用いて測定した。
【0032】
【表1】 1)未反応モノマーに対する重合転化率:前回のアイオ
ダイド化合物の添加時に存在していた未反応の仕込みモ
ノマーに対する重合転化率
【0033】(実施例2)2Lの耐圧ステンレス製反応器
中に、水250部およびメチルセルロース0.1部を収容し、
系内を真空にした。次いで、フッ化ビニリデン単量体10
0部を仕込んだ後、イソプロピルパーオキシジカーボネ
ート1.0部、ジクロロペンタフルオロプロパン20部、お
よび式(5)で示されるアイオダイド化合物2.0部を、
定量ポンプを用いて添加した。次いで、系を25℃に昇温
した後、同温度に保持して、550rpmで攪拌しながら重合
を開始した。重合開始後、表2に示す重合転化率の時期
に、式(5)のアイオダイド化合物を表2に示す量添加
した。重合開始から15時間後、内圧が20kg/cm2に低下し
たところで、系内のガスおよび未反応のフッ化ビニリデ
ン単量体を回収した後、脱水、乾燥してフッ化ビニリデ
ン系樹脂を得た(収率68%)。得られた樹脂の平均分子
量の測定、加工性の評価および接触角の測定を、実施例
1と同様にして行った。それらの結果を表4に示す。
【0034】
【表2】 1)未反応モノマーに対する重合転化率:前回のアイオ
ダイド化合物の添加時に存在していた未反応の仕込みモ
ノマーに対する重合転化率
【0035】(実施例3)5Lの耐圧ステンレス製反応器
中に、水300部およびメチルセルロース0.1部を収容し、
系内を真空にした。次いで、フッ化ビニリデン単量体10
0部を仕込んだ後、n-プロピルパーオキシジカーボネー
ト1.5部、ジクロロペンタフルオロプロパン20部、およ
び式(5)で示されるアイオダイド化合物2.0部を、定
量ポンプを用いて添加した。次いで、系を25℃に昇温し
た後、同温度に保持して、450rpmで攪拌しながら重合を
開始した。重合開始後、表3に示す重合転化率の時期
に、式(5)のアイオダイド化合物を表3に示す量添加
した。重合開始から15時間後、内圧が16kg/cm2に低下し
たところで、系内のガスおよび未反応のフッ化ビニリデ
ン単量体を回収した後、脱水、乾燥してフッ化ビニリデ
ン系樹脂を得た(収率72%)。得られた樹脂の分子量の
測定、加工性の評価および接触角の測定を、実施例1と
同様にして行った。それらの結果を表4に示す。
【0036】
【表3】 1)未反応モノマーに対する重合転化率:前回のアイオ
ダイド化合物の添加時に存在していた未反応の仕込みモ
ノマーに対する重合転化率
【0037】(比較例1)2Lの耐圧ステンレス製反応器
中に、水300部およびメチルセルロース0.1部を収容し、
系内を真空にした。次いで、フッ化ビニリデン単量体10
0部を仕込んだ後、n-プロピルパーオキシジカーボネー
ト1.5部、ジクロロペンタフルオロプロパン10部、およ
びイソプロピルアルコール1.5部を、定量ポンプを用い
て添加した。次いで、系を25℃に昇温した後、同温度に
保持して、450rpmで攪拌しながら重合を開始した。重合
開始から15時間後、内圧が20kg/cm2に低下したところ
で、系内のガスおよび未反応のフッ化ビニリデン単量体
を回収した後、脱水、乾燥してポリフッ化ビニリデンを
得た(収率70%)。得られたポリフッ化ビニリデンの平
均分子量の測定、加工性の評価および接触角の測定を実
施例1と同様にして行った。それらの結果を表4に示
す。
【0038】(比較例2)2Lの耐圧ステンレス製反応器
中に、水300部およびメチルセルロース0.1部を収容し、
系内を真空にした。次いで、フッ化ビニリデン単量体10
0部を仕込んだ後、n-プロピルパーオキシジカーボネー
ト1.5部、ジクロロペンタフルオロプロパン10部、およ
び式(5)で示されるアイオダイド化合物5.0部を、定
量ポンプを用いて添加した。次いで、系を25℃に昇温し
た後、同温度に保持して、450rpmで攪拌ながら重合を開
始した。重合開始から15時間後、内圧が27kg/cm2に低下
したところで、系内のガスおよび未反応のフッ化ビニリ
デン単量体を回収した後、脱水、乾燥してフッ化ビニリ
デン系樹脂を得た(収率57%)。得られた樹脂の分子量
の測定、加工性の評価および接触角の測定を、実施例1
と同様にして行った。それらの結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高分子量
(平均分子量150,000以上)で、かつ撥水性に優れるフッ
化ビニリデン系樹脂を容易に得ることができる。この樹
脂は、機械的強度、離型性、フィルム等への加工性に優
れるので、塗料、エラストマー等の用途が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−157539(JP,A) 特開 平7−118349(JP,A) 特開 平7−316234(JP,A) 特開 平8−157538(JP,A) 特開 平4−288305(JP,A) 特開 昭47−12345(JP,A) 特表 平8−501821(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 14/22 C08F 2/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデ
    ンと共重合し得るビニル系単量体とフッ化ビニリデンと
    の混合物を重合させる際に、一般式(1): X−Rf−X (1) 〔式中、Rfは二価のフルオロアルキルエーテル基を少
    なくとも2個含有する二価の有機基であり、Xは独立に
    ヨウ素原子またはフッ素原子であり、Xの少なくとも1
    個はヨウ素原子である〕で示されるアイオダイド化合物
    を添加して重合を開始し、さらに該アイオダイド化合物
    を重合中に分割添加することを特徴とする、フッ化ビニ
    リデン系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(1)のアイオダイド化合物の重合
    中における添加は、少なくとも3回以上に分割して行わ
    れ、かつ、各回の添加時期は、重合中の未反応モノマー
    の10〜25重量%が重合転化した時であることを特徴とす
    る、請求項1に記載のフッ化ビニリデン系樹脂の製造方
    法。
  3. 【請求項3】一般式(1)のアイオダイド化合物の重合
    前の添加量および重合中の一回あたりの添加量は、フッ
    化ビニリデンまたは前記混合物100重量部に対して0.5〜
    3重量部であることを特徴とする、請求項1または2に
    記載のフッ化ビニリデン系樹脂の製造方法。
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