JPH09324027A - ウレタン系硬化性組成物 - Google Patents
ウレタン系硬化性組成物Info
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- JPH09324027A JPH09324027A JP8163748A JP16374896A JPH09324027A JP H09324027 A JPH09324027 A JP H09324027A JP 8163748 A JP8163748 A JP 8163748A JP 16374896 A JP16374896 A JP 16374896A JP H09324027 A JPH09324027 A JP H09324027A
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Abstract
リエステルポリオールをポリオール成分として用いるこ
とにより、ポリウレタンとしての基本的特性を有してい
ることはもとより、耐熱性が顕著にすぐれかつ耐湿熱性
で評価される耐加水分解性も良好なポリウレタンを与え
ることのできる主として電気絶縁性封止剤用の硬化性組
成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリオール成分とポリイソシアネート成
分とからなる主として電気絶縁性封止剤用の組成物であ
る。典型的には、ポリオール成分は脂肪酸単位(A) と多
価アルコール単位(B) とで構成されたヨウ素価50以下
の常温で液状のポリエステルポリオール(AB)からなり、
そのポリエステルポリオール(AB)の脂肪酸単位(A) はオ
キシ脂肪酸オリゴマー単位(a) 、多価アルコール単位
(B) は3価以上の多価アルコール単位(b) からなる。
Description
よび耐加水分解性を有するポリウレタンを与えることの
できる主として電気絶縁性封止剤用のウレタン系硬化性
組成物に関するものである。
質である可撓性、耐摩耗性、低温硬化性、電気特性を生
かして、電気・電子関係、自動車関係、土木・建築関係
をはじめとする広範囲の分野に、電気絶縁性封止剤、コ
ーティング剤(塗料を含む)、接着剤などとして使用さ
れている。
子部品やプリント基板全体を樹脂で封止する使い方をす
るとき、従来使用されているエポキシ樹脂やシリコーン
樹脂に代替して用いられるようになってきている。とい
うのは、エポキシ樹脂は耐熱性がすぐれかつ電気特性も
すぐれているが、可撓性が不足するため硬化時の内部応
力や熱収縮により電子部品を破壊するおそれがあり、ま
たシリコーン樹脂は耐熱性、可撓性、低温特性がすぐれ
ているが、透湿性があるため湿度の影響を受けるからで
ある。
ノール酸の誘導体をウレタンポリオールとして用いるこ
とについても種々の出願がなされている。たとえば、特
開昭56−57818号公報(ヒマシ油または水添硬化
ヒマシ油を用いた硬化性重合体組成物)、特開平1−3
19522号公報(ヒマシ油系ポリオールを用いた電気
絶縁封止用ポリウレタン組成物)、特開平4−1423
25号公報(2官能のヒマシ油エステル交換反応物を用
いたウレタン樹脂組成物)、特開平6−295620号
公報(ヒマシ油と低分子量多価アルコールとの混合物を
用いた電気絶縁用ポリウレタン組成物)、ひまし油また
はひまし油誘導体を用いた注型用ウレタン樹脂組成
物)、特開平6−145596号公報(ヒマシ油交換エ
ステル等を用いた光硬化型防湿絶縁塗料)、特開平7−
102033号公報(ヒマシ油誘導体を用いた耐熱性樹
脂組成物)、特開平7−165866号公報(ひまし油
誘導体を用いた無溶剤二液型ウレタン樹脂組成物)など
を参照。
リイソシアネートと活性水素含有組成物を混合し、密閉
された型の中で反応させることにより(すなわちRIM
法により)弾性エラストマー成形品(代表例は自動車車
体の外部部品)を製造するに際し、12−ヒドロキシス
テアリン酸3〜15モルと多価アルコール(実施例では
1,6−ジヒドロキシヘキサンやポリエチレングリコー
ル)またはポリアミン1モルとから製造される酸価5以
下のエステル基含有縮合物(OH価は実施例では32.2、
33.0)からなる内部離型剤を活性水素含有組成物に含ま
せることが示されている。内部離型剤の割合は、反応混
合物全量100重量部に対し 0.5〜30重量部(実施例
では 4.6重量%、 3.1重量%)である。
ポリイソシアネート、特定の連鎖延長剤をポリヒドロキ
シル化合物に溶かした溶液、および内部離型材を含む反
応混合物を、密閉された型の中で反応させることにより
(すなわちRIM法により)0.8〜1.4g/cm3の平均密度
を有するポリウレタンエラストマーを製造するに際し、
上記の内部離型剤として、3〜15モルのリシノール酸
と1モルの1価または多価アルコール(殊に1,6−ジ
ヒドロキシヘキサン)から生成される平均分子量90〜
4500、酸価5以下、OH価12.5〜125のエステル
を用いることが開示されている。内部離型剤の割合は、
反応混合物全量100重量に対し 0.5〜30重量部であ
る。
が、オキシ脂肪酸オリゴマーとアルコールとのエステル
については、特開平6−9913号公報(縮合ヒドロキ
シ脂肪酸と多価アルコールとのエステルからなる分散剤
を用いたインク組成物)、特開平5−78673号公報
(縮合12−ヒドロキシステアリン酸と多価アルコール
とのエステルからなる燃料油用流動性改良剤)、特開昭
57−93932号公報(オキシ脂肪酸の分子間オリゴ
エステルと脂肪族1価アルコールとのエステルを含む化
粧料)、特開平8−27473号公報(OH基を有する
脂肪酸同士またはOH基を有する脂肪酸とOH基を有し
ない脂肪酸とが縮合した2量体以上のオキシ脂肪酸オリ
ゴマーであるエストリドと、ヒンダードアルコールとの
エステルを必須成分とする潤滑剤などの出願がなされて
おり、また食品分野や化粧品分野においては縮合ヒマシ
油脂肪酸ポリグリセリンエステルにつき多数の出願がな
されている。
タンは電子部品をはじめとする種々の分野に使われてい
るが、従来のポリウレタンは、上述のヒマシ油またはそ
の構成脂肪酸であるリシノール酸の誘導体をウレタンポ
リオールとして用いたポリウレタンを含め、可撓性、耐
摩耗性、低温硬化性、電気特性などの基本的特性は有し
ていても、耐熱性および耐加水分解性が不足する傾向が
あり、またあるものは粘度が大きすぎることがあり、そ
の適用可能な場が限られていた。
エラストマーは、RIM法によるポリウレタン成形品
(殊に自動車のバンパー等の成形品)という限られた用
途を前提としているため、RIM成形時の金型からの離
型性に目が向けられており、RIM成形品とは別の物性
や特性が要求される電気絶縁性封止剤としての用途につ
いては想定されていない。たとえこの弾性エラストマー
を電気絶縁性封止剤の用途に使用しようとしても、密着
性が不足するのでこの用途には向いていない。
型剤は、3〜15モルのリシノール酸(つまりヒマシ油
脂肪酸)と1モルの1価または多価アルコールとのエス
テルを用いるものであるが、内部離型剤という特殊な使
い方にかかるものである上、ヨウ素価が高いため耐熱性
が劣るという問題点がある。
キシ脂肪酸オリゴマー単位を含む特定のポリエステルポ
リオールをポリオール成分として用いることにより、ポ
リウレタンとしての基本的特性を有していることはもと
より、耐熱性が顕著にすぐれかつ耐湿熱性で評価される
耐加水分解性も良好なポリウレタンを与えることのでき
る主として電気絶縁性封止剤用の硬化性組成物を提供す
ることを目的とするものである。
性組成物は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分
とからなる組成物であって、そのポリオール成分の少な
くとも一部が、脂肪酸単位(A) と多価アルコール単位
(B) とで構成されたヨウ素価50以下の常温で液状のポ
リエステルポリオール(AB)からなると共に、そのポリエ
ステルポリオール(AB)の脂肪酸単位(A) の少なくとも一
部が、OH基を有する脂肪酸同士またはOH基を有する
脂肪酸とOH基を有しない脂肪酸とが縮合した2量体以
上のオキシ脂肪酸オリゴマー単位(a) からなり、またそ
のポリエステルポリオール(AB)の多価アルコール単位
(B) の少なくとも一部が3価以上の多価アルコール単位
(b) からなり、かつポリオール成分とポリイソシアネー
ト成分との合計量に占める上記ポリエステルポリオール
(AB)の割合が40重量%以上であること、を特徴とする
ものである。
おけるポリエステルポリオール(AB)は、脂肪酸単位(A)
と多価アルコール単位(B) とで構成されたものである。
基を有する脂肪酸同士またはOH基を有する脂肪酸とO
H基を有しない脂肪酸とが縮合した2量体以上のオキシ
脂肪酸オリゴマー単位(a) からなる。
OH基を有する脂肪酸としては、好適には、主成分が1
2−ヒドロキシステアリン酸である水添ヒマシ油脂肪酸
が用いられ、これと共に主成分がリシノール酸であるヒ
マシ油脂肪酸を併用することもできる。水添ヒマシ油脂
肪酸は、実質的に不飽和基を有しないので(つまりヨウ
素価が実質的にゼロであるので)、耐熱性の点で最適で
ある。不飽和基を持つヒマシ油脂肪酸の併用は粘度を下
げるのに有利である。ヒマシ油脂肪酸を併用するとき
は、水添ヒマシ油脂肪酸1モルに対しヒマシ油脂肪酸を
通常は 1.1モル以下、好ましくは 0.5モル以下、さらに
好ましくは 0.3モル以下用いることが望ましい。OH基
を有する脂肪酸としては、ジヒドロキシステアリン酸、
リンゴ酸、乳酸なども、少量割合であれば併用すること
ができる。
OH基を有しない脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸などがあげられ、これらの成分
を含むヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、オリーブ油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂肪酸などの脂肪酸や、これ
らの成分を含む合成脂肪酸も用いることができる。ま
た、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、カプリン酸などの低級ないし中級の脂肪酸も用いる
ことができる。
H基を有する脂肪酸とOH基を有しない脂肪酸とを、不
活性ガス雰囲気下において180〜240℃程度の温度
条件下(特に還流条件下)に加熱して縮合反応させれ
ば、オキシ脂肪酸オリゴマーが得られる。この場合、系
にキシレン等を共存させ、副生する水を共沸により系外
に除去することが好ましい。触媒は通常必要ではない
が、パラトルエンスルホン酸、硫酸などの触媒を存在さ
せても差し支えない。
ら7量体まで(殊に3〜5量体)が適当であり、さらに
多量体とすることもできる。なお1量体が混在していて
も差し支えないが、この場合でも全体を平均した場合に
は 1.5量体以上、殊に 1.8量体以上、さらには 2.0量体
以上となるように留意する。2量体以上のものの割合が
余りに少ないときは、得られるポリエステルポリオール
(AB)が常温で液状とならないことがあり、またそのポリ
エステルポリオール(AB)をポリオール成分として用いて
製造したポリウレタンの耐熱性および耐加水分解性が不
充分となる。
リゴマー単位(a) のほか、35重量%程度以下であれ
ば、オリゴマーでない脂肪酸単位を含んでいてもよい。
このときのオリゴマーでない脂肪酸としては、先に述べ
たようなOH基を有しまたは有しない脂肪酸を用いるこ
とができる。
も一部(好ましくは50重量%以上、殊に70重量%以
上)が3価以上の多価アルコール単位(b) からなる。ジ
オールのみまたはジオールリッチでは、たとえば電気絶
縁性封止剤として用いたときに密着性が不足し、得られ
るポリエステルポリオール(AB)の官能基数(OH基の
数)も過少になる。3価以上の多価アルコールの例は、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリメチロールエタン、グリセリ
ン、ポリグリセリン、ソルビトール、これらのアルキレ
ンオキサイド付加物などである。ジオールの例は、各種
のグリコール、ポリエーテルポリオール、これらのアル
キレンオキサイド付加物などである。多価アルコールと
しては、含窒素ポリオールも用いることができる。耐加
水分解性の点からは、ヒンダードアルコールを用いるこ
とが好ましい。
ル単位(B) とで構成されるポリエステルポリオール(AB)
は、典型的には、上述のオキシ脂肪酸オリゴマー(また
はこれとオリゴマーでない脂肪酸)と上述の多価アルコ
ールとを、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン
酸、ナトリウムメチラート、塩化亜鉛などの触媒の存在
下に、不活性ガス雰囲気中で温度170〜220℃程度
の温度条件下に加熱反応させてエステル化させることに
より得られる。
はこれとオリゴマーでない脂肪酸)と多価アルコールと
の使用割合は、得られるポリエステルポリオール(AB)の
OH基の数が平均で 1.5以上、殊に 1.8以上となるよう
にすることが望ましい。OH基の数の上限は10程度ま
でである。
テルポリオールを得、これにアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸などの二塩基酸を反応させて目標OH基
数に調節してもよい。この場合、二塩基酸をまず多価ア
ルコールと反応させてからオキシ脂肪酸オリゴマー(ま
たはこれとオリゴマーでない脂肪酸)と反応させたり、
二塩基酸、多価アルコール、およびオキシ脂肪酸オリゴ
マー(またはこれとオリゴマーでない脂肪酸)を同時に
反応させたりすることもできる。
た方法のほか、水添ヒマシ油またはこれとヒマシ油など
のトリグリセライドまたはその部分加水分解物から出発
し、これにOH基を有する脂肪酸またはこれとOH基を
有しない脂肪酸をエステル化反応させることによっても
得ることができる。また、OH基を有する脂肪酸または
これとOH基を有しない脂肪酸とを、多価アルコールと
直接エステル化反応させることによっても得ることがで
きる。いずれにせよ基本的には、オキシ脂肪酸オリゴマ
ー単位(a) を多く含むような反応系とすることが望まし
い。
オール(AB)は、ヨウ素価が50以下で、常温で液状であ
ることが要求される。ヨウ素価が50未満では耐熱性が
不足する。ヨウ素価の好ましい範囲は40以下、さらに
好ましい範囲は30以下である。常温で液状であること
の条件は、ポリエステルポリオール(AB)がオキシ脂肪酸
オリゴマー単位(a) を有するので、容易に達成できる。
電気絶縁性封止剤の用途を考えると、OH価が50〜3
00(好ましくは60〜250、さらに好ましくは70
〜200)で、平均官能基数が 1.7以上(好ましくは2
〜4、さらに好ましくは2〜3)であることが望まし
い。
は、上述のポリエステルポリオール(AB)を必須成分とし
て用いる。この場合、このポリエステルポリオール(AB)
と共に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、炭化水素系ポリオール、ダイマーポリオールなど
他のポリオールを適当量併用してもよい。ただし、ポリ
オール成分とポリイソシアネート成分との合計量に占め
る上記ポリエステルポリオール(AB)の割合は、本発明の
硬化性組成物の用途が主として電気絶縁性封止剤にある
ことから、40重量%以上(好ましくは45重量%以
上、さらに好ましくは50重量%以上)であることが要
求される。
ネート成分としては、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ポリメライズドジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フ
ェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタンジイソシアネートをはじめとす
る種々のポリイソシアネート、あるいはこれらのポリイ
ソシアネートのウレタン変性体、二量体、三量体、カル
ボジイミド体、アロハネート変性体、ウレア変性体、ビ
ウレット変性体、プレポリマーなどが用いられる。耐侯
性が要求されるときは、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどの無黄変ポリイソ
シアネートを選択使用することが望ましい。
タン系硬化性組成物は、上述のポリオール成分とポリイ
ソシアネート成分とからなる。両成分の配合割合は、N
CO/OHの当量比が 0.8〜1.4となるようにするの
が、充分な硬化が図られるので好ましい。
じ、鎖延長剤、フィラー、顔料、充填剤、有機溶剤、可
塑剤、触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを配合する
ことができる。
B)は、常温で液状であるので取り扱いやすく、低刺激性
・低毒性でもあり、耐加水分解性もすぐれている。また
ヨウ素価が小さいので、ポリウレタンとしたときの耐熱
性および耐加水分解性も良好であって硬度等の物性変化
が小さい。そしてポリエステルポリオール(AB)の脂肪酸
単位(A) の必須単位であるオキシ脂肪酸オリゴマー単位
(a) は、その縮合度を自在に調節できるので、ユーザー
の目的としている用途に合った特性が得られるように設
計することができる。
物は、ポリウレタンとしての基本的特性を有しているこ
とはもとより、耐熱性が顕著にすぐれかつ耐湿熱性で評
価される耐加水分解性もすぐれている。よって、電気絶
縁性封止剤用の硬化性組成物として特に有用である。
る。
サを備えた反応器に、酸価178の水添ヒマシ油脂肪酸
610g(2モル)と、酸価179のヒマシ油脂肪酸6
00g(2モル)と、還流補助のためのキシレン60ml
とを仕込み、窒素気流下200〜220℃で6時間反応
させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸によ
り系外に留去させた。これにより、酸価46のオキシ脂
肪酸オリゴマーが得られた。このオキシ脂肪酸オリゴマ
ーは、上記脂肪酸混合物の4量体に相当するものであ
る。
してヒンダードアルコールであるトリメチロールプロパ
ン134g(1モル)および触媒としてのパラトルエン
スルホン酸 1.0gを加えて180〜200℃で7時間反
応させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸に
より系外に留去させた。反応終了後、触媒およびキシレ
ンを除去した。これにより、常温で液状で、酸価 3.0、
OH価103、ヨウ素価45.6、OH基の数(官能基数)
2.4 のポリエステルポリオール(AB)が得られた。
サを備えた反応器に、酸価178の水添ヒマシ油脂肪酸
1220g(4モル)と還流補助のためのキシレン60
mlとを仕込み、窒素気流下200〜220℃で6時間反
応させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸に
より系外に留去させた。これにより、酸価46のオキシ
脂肪酸オリゴマーが得られた。このオキシ脂肪酸オリゴ
マーは、上記脂肪酸混合物の4量体に相当するものであ
る。
してヒンダードアルコールであるトリメチロールプロパ
ン134g(1モル)および触媒としてのパラトルエン
スルホン酸 1.0gを加えて180〜200℃で7時間反
応させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸に
より系外に留去させた。さらに反応器にアジピン酸14
6g( 1.0モル)を加えて、180〜200℃で7時間
反応させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸
により系外に留去させた。反応終了後、触媒およびキシ
レンを除去した。これにより、常温で液状で、酸価 4.
0、OH価59、ヨウ素価 1.3、OH基の数(官能基
数)2.8 のポリエステルポリオール(AB)が得られた。
サを備えた反応器に、水添ヒマシ油930g(1モ
ル)、ヒマシ油928g(1モル)、酸価178の水添
ヒマシ油脂肪酸1220g(4モル)、還流補助のため
のキシレン100ml、および触媒としてのパラトルエン
スルホン酸 1.5gを加えて、200〜220℃で7時間
反応させた。この間、縮合反応により生成する水は共沸
により系外に留去させた。反応終了後、触媒およびキシ
レンを除去した。これにより、常温で液状で、OH価7
1、ヨウ素価27.0のポリエステルポリオール(AB)が得ら
れた。
ゴマーを得、ついで得られたオキシ脂肪酸オリゴマーに
種々の多価アルコールを反応させたほかは、合成例1〜
3に準じてポリエステルポリオール(AB)を得た。
と特性値〉実施例1〜11および比較例1〜3における
ポリエステルポリオール(AB)の合成条件と特性値を表1
に示す。表1中、( ) 内の数値は仕込みモル数である。
表1には参考例も示した。HCOFA は水添ヒマシ油脂肪
酸、COFAはヒマシ油脂肪酸、Cap はカプリル酸、Adi は
アジピン酸である。TMP はトリメチロールプロパン、Gl
y はグリセリン、SorPO はソルビトールのプロピレンオ
キサイド付加物、GlyPO はグリセリンのプロピレンオキ
サイド付加物である。COはヒマシ油、HCO は水添ヒマシ
油である。OHV はOH価、IVはヨウ素価、OH数は平均
官能基数、Vis.は粘度 (cps/25℃) である。
その1〉上記のポリエステルポリオール(AB)をポリオー
ル成分として用い、液状ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(日本ポリウレタン工業株式会社製の「ミリオネー
トMTL」)およびイソシアヌレート変性ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製
の「コロネートHX」)をポリイソシアネート成分とし
て用いて、NCO/OH当量比が1となるように配合
し、型に注いでから、60℃で、16時間(硬度試験
用)または48時間(その他の試験用)の条件で硬化を
行った。これにより、直径50mm、厚み10mmの大きさ
のサンプル片が得られたので、耐熱性および耐加水分解
性の評価に供した。
は、サンプル片を温度150℃の炉に入れ、経時的に硬
度(ショアAまたはD)を測定することにより求めた。
硬度変化率は、1日後のものを100%として計算し
た。結果を表2に示す。
1で得られたポリエステルポリオール(AB)をポリオール
成分として用いたときは、150℃での耐熱性試験前後
の硬度変化が小さい。一方、比較例1〜2で得られた得
られたポリエステルポリオールをポリオール成分として
用いたときは、耐熱性試験前後の硬度変化が大きい。
加水分解性は次の2点で判断した。すなわち、サンプル
片を温度120℃、2気圧のスチーム圧の湿熱促進試験
条件下におき(現実に想定される条件よりもはるかに過
酷なものである)、経時的に硬度および体積抵抗率ρV
を測定した。硬度については、100時間後の硬度が当
初の硬度の1/3以上を保っているときを○、100時
間後の硬度が1/3は切っているもののなお必要な硬度
を有しているときを□、100時間後には加水分解が余
りに進行して溶解してしまい、形自体をとどめない場合
を×と判定した。体積抵抗率ρV については、60時間
後、100時間後の体積抵抗率ρV が1013Ω・cm以上
ある場合を○と判定した。「−」は測定を行っていな
い。結果を表3に示す。参考例1はポリオール成分とし
てヒマシ油(OHV:161、IV:89、官能基数:
2.7)を用いた場合、参考例2はポリオール成分として
水添ヒマシ油(OHV:159、IV: 2.4、官能基
数: 2.7)を用いた場合である。
テルポリオール(AB)をポリオール成分として用いたとき
は、ポリウレタンとしたときの耐加水分解性が良好であ
ることがわかる。なお、ポリオール成分としてヒマシ油
や水添ヒマシ油を用いた参考例にあっては、加水分解の
進行が速く、100時間に至る前に溶解してしまい、形
自体をとどめなかった。
例1、2、4、6〜10および比較例1のポリエステル
ポリオール(AB)を用いて製造したポリウレタンのサンプ
ル片につき、室温7日後、沸騰水浸漬後(100℃×1
時間)、および先に述べた150℃×20日の耐熱性試
験後の体積抵抗率ρV を測定した。結果を表4に示す。
いずれの場合も、必要な電気的特性を有することがわか
る。
その2〉合成例1、合成例4、比較例1のポリエステル
ポリオール(AB)をポリオール成分として用い、無黄変タ
イプのポリイソシアネートであるヘキサメチレンジイソ
シアネートをポリイソシアネート成分として用いて、N
CO/OH当量比が1となるように配合し、型に注いで
から、60℃で、16時間(硬度試験用)または48時
間(その他の試験用)の条件で硬化を行った。これによ
り、直径50mm、厚み10mmの大きさのサンプル片が得
られたので、耐熱性および耐加水分解性の評価に供し
た。
価〉耐熱性は、サンプル片を温度150℃の炉に入れ、
経時的に硬度(ショアAまたはD)を測定することによ
り求めた。硬度変化率は、1日後のものを100%とし
て計算した。また、150℃×20日の耐熱性試験後の
サンプル片につき、体積抵抗率ρV を測定した。結果を
表5に示す。
たポリエステルポリオール(AB)をポリオール成分として
用いたときは、150℃での耐熱性試験前後の硬度変化
が小さく、また必要な電気的特性を有する。一方、比較
例1で得られたポリエステルポリオールをポリオール成
分として用いたときは、耐熱性試験前後の硬度変化が大
きい。
レタン系硬化性組成物は、ポリウレタンとしての基本的
特性を有していることはもとより、耐熱性が顕著にすぐ
れかつ耐湿熱性で評価される耐加水分解性もすぐれてい
る。よって、電気絶縁性封止剤用の硬化性組成物として
特に有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】ポリオール成分とポリイソシアネート成分
とからなる組成物であって、そのポリオール成分の少な
くとも一部が、 脂肪酸単位(A) と多価アルコール単位(B) とで構成され
たヨウ素価50以下の常温で液状のポリエステルポリオ
ール(AB)からなると共に、そのポリエステルポリオール
(AB)の脂肪酸単位(A) の少なくとも一部が、OH基を有
する脂肪酸同士またはOH基を有する脂肪酸とOH基を
有しない脂肪酸とが縮合した2量体以上のオキシ脂肪酸
オリゴマー単位(a) からなり、またそのポリエステルポ
リオール(AB)の多価アルコール単位(B) の少なくとも一
部が3価以上の多価アルコール単位(b) からなり、 かつポリオール成分とポリイソシアネート成分との合計
量に占める上記ポリエステルポリオール(AB)の割合が4
0重量%以上であること、を特徴とするウレタン系硬化
性組成物。 - 【請求項2】オキシ脂肪酸オリゴマー単位(a) における
OH基を有する脂肪酸が、水添ヒマシ油脂肪酸またはこ
れとヒマシ油脂肪酸である請求項1記載のウレタン系硬
化性組成物。 - 【請求項3】電気絶縁性封止剤用の組成物である請求項
1記載のウレタン系硬化性組成物。
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