JPH09323961A - L−アスパラギン酸結晶 - Google Patents

L−アスパラギン酸結晶

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JPH09323961A JP14008896A JP14008896A JPH09323961A JP H09323961 A JPH09323961 A JP H09323961A JP 14008896 A JP14008896 A JP 14008896A JP 14008896 A JP14008896 A JP 14008896A JP H09323961 A JPH09323961 A JP H09323961A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液にマ
レイン酸または無水マレイン酸を添加し、L−アスパラ
ギンを晶析、回収する方法において、晶析の後工程であ
る固液分離時の液切れおよびリンス時の洗浄効果が良好
である結晶のL−アスパラギン酸を得る。 【解決手段】 L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
をマレイン酸または無水マレイン酸によって晶析するこ
とにより、光学顕微鏡写真を画像処理して求めた絶対最
大長(ML)と幅(MW)の比(SLP値)の平均値が
1.4以上の柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なL−アスパ
ラギン酸結晶に関する。L−アスパラギン酸は食品添加
物、医薬用原料として有用である。L−アスパラギン酸
結晶は通常、反応により得られたL−アスパラギン酸ア
ンモニウム水溶液を硫酸により晶析することにより得ら
れる。ここで得られる結晶は柱状のしっかりとしたもの
であるが、硫酸による晶析の場合は、産業的価値の低い
硫酸アンモニウムを多量に副生することとなる。
【0002】
【従来の技術】そこで、L−アスパラギン酸アンモニウ
ム水溶液にL−アスパラギン酸アンモニウムの原料とな
るマレイン酸を添加し、L−アスパラギン酸を晶析、回
収する方法(EP127940)が提案されている。こ
の方法は副生するマレイン酸アンモニウムを原料として
有効に利用することができるので望ましい方法である。
しかし、この晶析においては、得られるL−アスパラギ
ン酸の結晶は板状のもので柱状のしっかりしたものは得
られなかった。従って、後に続く固液分離、リンスで充
分な洗浄効果が得られず、粒子に母液が付着残留し、最
終的に得られるL−アスパラギン酸の純度は不充分なも
のしか得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、L−アスパ
ラギン酸アンモニウム水溶液にマレイン酸を添加し、L
−アスパラギン酸を晶析、回収する方法において、晶析
の後工程である固液分離時の液切れおよびリンス時の洗
浄効果が良好である、新規な結晶のL−アスパラギン酸
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、L−ア
スパラギン酸アンモニウム水溶液をマレイン酸または無
水マレイン酸によって晶析することにより得られたL−
アスパラギン酸結晶であって、光学顕微鏡写真を画像処
理して求めた絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(S
LP値)の平均値が1.4以上である柱状結晶からなる
L−アスパラギン酸結晶に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法を詳述する。
本発明のL−アスパラギン酸結晶は、任意の合成法によ
り得られたL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液をマ
レイン酸または無水マレイン酸により晶析して回収され
るものを対象とする。本発明で特定する結晶は構造的に
柱状結晶であり、晶析工程及び洗浄工程などにおける固
液分離性に優れたものである。本発明の結晶におけるサ
イズは、通常、幅が20〜200μm、好ましくは30
〜100μm、長さが30〜300μm、好ましくは5
0〜200μmであり、また、幅が2〜30μmであ
る。更に本発明では、絶対最大長(ML)と幅(MW)
の比(SLP値)の平均値[光学顕微鏡写真を画像処理
して求めた値]が1.4以上、好ましくは1.5〜3.
0であることが必要である。要するに、この値を満足す
る柱状結晶の場合に、固液分離性の優れた結晶となり得
るのである。
【0006】なお、本発明の結晶は、マレイン酸または
無水マレイン酸によって晶析されているため、結晶混合
物中に不純物として若干のマレイン酸アンモニウムおよ
び/またはマレイン酸が含有されることとなるが、これ
は晶析後の洗浄により相当程度低下させることができ
る。しかし、通常、結晶混合物中に0.01〜3重量%
のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を
不純物として含有することを許容するものである。
【0007】本発明で特定するL−アスパラギン酸結晶
を得るための方法としては、例えば、マレイン酸または
無水マレイン酸による晶析方法及び晶析条件を調節する
ことにより得られるが、代表的には、連続晶析法によっ
て特定温度で晶析することにより得ることができる。こ
の晶析方法につき以下、説明する。
【0008】[L−アスパラギン酸アンモニウム水溶
液]L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液としては、
フマル酸アンモニウム水溶液から酵素反応により得られ
たものでも、マレイン酸アンモニウム水溶液から酵素反
応により得られたものでも良い。フマル酸アンモニウム
水溶液からL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵
素反応により得る方法としては、アスパルターゼあるい
はアスパルターゼを産生する微生物で酵素処理する方法
が広く知られているが、種々の処理方法のうち特に限定
されるものではない。
【0009】一方、マレイン酸アンモニウム水溶液から
L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵素反応によ
り得る方法としては、二種類の酵素すなわちマレイン酸
イソメラーゼとアスパルターゼもしくはそれらを産生す
る微生物で逐次又は同時に酵素処理する方法があるが、
処理方法は特に限定されるものではない。また、マレイ
ン酸アンモニウム水溶液としては、L−アスパラギン酸
アンモニウム水溶液からマレイン酸を添加することによ
りL−アスパラギン酸を晶析回収する際副生するマレイ
ン酸アンモニウム水溶液を用いることも、合成により得
られたものを用いることもできる。
【0010】L−アスパラギン酸アンモニウム濃度は、
溶媒である水に対して、50〜800g/l、好ましく
は100〜500g/lである。濃度が低すぎるとL−
アスパラギン酸回収率が低く、また逆に高すぎると晶析
時のスラリー濃度が上がり操作に支障をきたす。また、
L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液は、主にL−ア
スパラギン酸モノアンモニウムからなるが、一部アスパ
ラギン酸ジアンモニウム、アスパラギン酸を含み、その
pHは6〜10である。
【0011】[マレイン酸]加えるマレイン酸は、粉末
でも、水溶液でも、スラリーでもよい。水溶液で用いる
ときの濃度は、飽和溶解度以下であれば良いが、通常8
0重量%以下、例えば好ましくは60〜10重量%であ
る。なお、無水マレイン酸を加えても晶析系内でマレイ
ン酸となるので、両者は同様なものとして扱うことがで
きる。
【0012】[L−アスパラギン酸連続晶析]晶析は、
晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液および
マレイン酸を連続的に供給して行う。この方法は重要な
操作法であり、回分式の晶析法では本発明で規定する結
晶は得られ難い。晶析槽は、ドラフトチューブをもつた
て型円筒の循環槽型の晶析槽が望ましい。晶析槽の深さ
(L)と内径(D)の比L/D、及びドラフトチューブ
サイズは、スラリーが循環する範囲であれば特に限定さ
れないが、一般に晶析槽のL/Dは1〜3、ドラフトチ
ューブサイズは、晶析槽内径に対し0.4〜0.8、L
/Dは0.5〜4程度である。またスラリーの循環をよ
くするため、ドラフトチューブと共に、邪魔板を用いて
も良い。邪魔板は晶析槽の外壁に垂直方向に設置し、ス
ラリーの上下循環を助けるもので、サイズ、枚数等は特
に限定されるものではない。
【0013】晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム
水溶液およびマレイン酸を連続的に添加するとともに、
生成したL−アスパラギン酸スラリーは連続的または間
欠的に抜き出す。通常は、生成したL−アスパラギン酸
スラリーの抜き出しは、晶析槽における平均滞留時間が
通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間になるよう
行うことが望ましい。滞留時間が短すぎると晶析槽内で
L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸アンモニウ
ム、マレイン酸、マレイン酸アンモニウムが平衡濃度に
到達せず、L−アスパラギン酸回収率が充分でない。逆
に滞留時間を長くしすぎてもL−アスパラギン酸回収
率、粒子性状、サイズには大差がなく、無意味に晶析槽
が大きくなるだけである。
【0014】添加するマレイン酸の量はL−アスパラギ
ン酸アンモニウムに対し通常0.5〜1.1モル倍望ま
しくは0.6〜1.0モル倍である。本発明における晶
析槽内のpHは通常3〜5の範囲にコントロールするの
が好ましい。晶析は10〜90℃、好ましくは20〜8
0℃で行う。低温下でL−アスパラギン酸の晶析を行う
と、小粒径のL−アスパラギン酸しか得られないため
に、後に続く固液分離、リンスで充分なリンス効果が得
られず、母液が粒子に付着残留し、純度の低下を招く。
一方90℃以上の高温下で晶析を行っても、得られるL
−アスパラギン酸粒子形状、サイズに大差がなく意味が
無い。
【0015】必要に応じてL−アスパラギン酸アンモニ
ウム水溶液およびマレイン酸から得られたL−アスパラ
ギン酸スラリーをさらに冷却することによりL−アスパ
ラギン酸回収率を上げることもできる。この際の冷却温
度は0〜60℃、好ましくは10〜50℃である。上記
晶析法において、回分晶析とは明らかに形状の異なる柱
状のL−アスパラギン酸結晶が得られる理由については
今のところ明確ではないが、おそらくL−アスパラギン
酸結晶の各面における結晶成長速度が過飽和度により異
なるためと考えられる。すなわち予めL−アスパラギン
酸アンモニウム水溶液が仕込まれ、L−アスパラギン酸
結晶の存在しない晶析槽にマレイン酸を添加し、L−ア
スパラギン酸を晶析する回分晶析法では、過飽和度が大
きい晶析操作となるのに対し、既にL−アスパラギン酸
結晶が存在する晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウ
ム水溶液およびマレイン酸を連続的に添加し、さらにL
−アスパラギン酸を晶析する連続晶析では、過飽和度の
小さい晶析操作が可能となる。従って回分晶析と連続晶
析とでは過飽和度の異なる晶析操作となり、得られるL
−アスパラギン酸結晶の各面における結晶成長速度に差
が生じこの様な形状の差になるものと考えられる。
【0016】[固液分離]晶析で得られたスラリーは、
固液分離してL−アスパラギン酸ウェットケーキおよび
濾液を回収する。分離操作は、ヌッチェ、遠心分離等の
常法により行う。操作は通常、0〜60℃、好ましくは
10〜50℃で行う。温度が高すぎると母液中に溶解し
て残存するアスパラギン酸量が多くなり好ましくない。
本法で得られたスラリーは、従来の回分晶析で得られた
スラリーに比べ固液分離性がよく、濾液のL−アスパラ
ギン酸ウェットケーキへの随伴が少なく、乾燥後、高純
度のL−アスパラギン酸製品を得ることができる。
【0017】さらに高純度のL−アスパラギン酸を得る
には水でリンスしても良い。リンスに用いる水の量は、
特に限定するものではないが、ウェットケーキに対して
0.05〜20重量倍以下、通常0.1〜10重量倍以
下、好ましくは0.2〜5重量倍以下である。リンス量
が少ないと洗浄効果が充分でなく、逆に多すぎても洗浄
効果に差が見られないばかりか、L−アスパラギン酸ロ
スにつながる。
【0018】本発明のL−アスパラギン酸結晶と、回分
晶析で得られるL−アスパラギン酸結晶の光学顕微鏡写
真を比較すると、本発明のは明らかに後者よりも縦、横
比が大きい柱状粒子である。さらに光学顕微鏡写真の任
意の部分の約100個の粒子を画像解析することにより
得られる絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SL
P)は1.4〜3(平均値)である。この様に回分法と
連続法で得られる結晶形状が変化するのは意外なことで
ある。
【0019】[乾燥]固液分離で得られたL−アスパラ
ギン酸ウェットケーキは、乾燥し、L−アスパラギン酸
製品を得る。乾燥方法は、特に限定されるものではな
く、温風乾燥、流動層乾燥等の常法により行う。また乾
燥は常圧で行っても、減圧で行っても良く、その温度
は、通常20〜150℃で行う。得られたL−アスパラ
ギン酸組成は、晶析条件、固液分離条件およびリンス条
件により異なるが、晶析濾液由来のマレイン酸アンモニ
ウムおよび/またはマレイン酸を含有し、その量は通常
0.01〜10重量%である。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。尚、L−アスパラギン酸およびマレイン酸、フ
マル酸の分析は、高速液体クロマトグラフィーにより分
析した。粒子中のアンモニアについてはイオンクロマト
グラフィーによって定量した。粒子形状を規定するパラ
メータであるSLP値は、結晶約100個からなる粒子
群を光学顕微鏡(80倍)で何枚かに分け撮影し、それ
らを日本アビオニクス(株)社製高速カラー画像解析装
置SPICCAにより、解析、統計処理した。また粒度
分布の測定は篩い分級により行った。
【0021】[実施例1]濃度225g/lのアスパラ
ギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およびド
ラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブルフラ
スコ(フラスコ1)に3l仕込み、ジャケットに温水を
流し80℃で保温した。液がフラスコ1内を循環するよ
うに攪拌しながら、濃度225g/lアスパラギン酸ア
ンモニウム水溶液を2500ml/hrで、また40重
量%マレイン酸水溶液を979g/hrで連続的に添加
すると共に、フラスコ1内液量が3l一定となるよう、
フラスコ1からスラリーポンプを用い連続的にスラリー
を抜きだした。
【0022】抜きだしたスラリーは、予め3lの水を仕
込み、30℃で保温された邪魔板を持つ5lジャケット
付セパラブルフラスコ(フラスコ2)に連続添加した。
フラスコ2は、冷水を流すことにより30℃で保温し、
また内液量が3l一定となるよう、スラリーポンプを用
い連続的にスラリーを抜きだした。約7時間連続運転を
続け、その後フラスコ2から抜きだしたスラリーを10
分間サンプリングした(サンプリング量は500mlで
あった)。引き続きサンプリングを同様に1回行った。
【0023】一方のスラリーはバスケット径が100m
mφであるバスケット型遠心分離器(SANYO RI
KAGAKUKIKI SEISAKUSYO Cen
trifugal Filter SYK−3800−
SA)およびパイレンS−26よりなる濾布を用い、3
000rpm(500G)にて、5分間振り切った。得
られたウェットケーキ重量は81gであった。ウェット
ケーキの一部を顕微鏡で観察すると、縦、横比の大きい
柱状結晶であった。
【0024】ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥し
たところ、72gの白色固体を得た。ウェットケーキ含
水率は、11重量%であった。得られた固体は、マレイ
ン酸アンモニウムを2.1重量%含有するL−アスパラ
ギン酸であった。また形状を表すSLP値は1.8(平
均長196μm、平均幅111μm)であった。
【0025】[参考例1]実施例1でサンプリングした
スラリーを、実施例1と同様にしてウェットケーキを得
た。次に、このケーキに均一に純水40ccをかけリン
スを行い、さらに5分間遠心分離を行い水を振り切っ
た。ここで得られたウェットケーキ重量は80gであっ
た。
【0026】ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥し
たところ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含
水率は、11重量%であった。得られた固体は、マレイ
ン酸アンモニウムを0.6重量%含有するL−アスパラ
ギン酸であった。また、結晶サイズは実施例1とほぼ同
じであった。
【0027】[比較例1]予め濃度225g/lのアス
パラギン酸アンモニウム水溶液2500mlを、5lジ
ャケット付きセパラブルフラスコに仕込み、該フラスコ
の外部でジャケットに温水を流すことで80℃に保温
し、攪拌下40重量%マレイン酸水溶液979gを約3
時間かけ一定速度で添加した。マレイン酸水溶液を添加
後、攪拌を続けながら約1時間80℃で保温した後、3
時間かけ、30℃まで冷却し、さらに1時間保温した。
【0028】得られたスラリーのうち500mlを実施
例1と同様にしてウェットケーキを得た。得られたウェ
ットケーキ重量は87gであった。ウェットケーキの一
部を顕微鏡で観察すると、縦、横比の小さい板状粒子で
あった。ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥したと
ころ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水率
は、18重量%であった。得られた固体は、マレイン酸
アンモニウムを3.4重量%含有するL−アスパラギン
酸であった。また形状を表すSLP値は1.3、平均径
は140μmであった。
【0029】[比較参考例1]比較例1で得られたスラ
リーのうち500mlを実施例1と同様にしてウェット
ケーキを得た。次にこのケーキに均一に純水40ccを
かけリンスを行い、さらに5分間遠心分離を行い水を振
り切った。ここで得られたウェットケーキ重量は86g
であった。
【0030】ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥し
たところ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含
水率は、17重量%であった。得られた固体は、マレイ
ン酸アンモニウムを1.0重量%含有するL−アスパラ
ギン酸であった。また、結晶サイズは破損により比較例
1よりも小さいものとなった。上記実施例1、参考例1
及び比較例1、比較参考例1の結果を下記第1表に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】上記、第1表の結果から、本願発明の新規
な形状の柱状のアスパラギン酸結晶は、晶析後の固液分
離性が良いためマレイン酸アンモニウム含量が低くな
り、更に、リンス後のアスパラギン酸に含まれるマレイ
ン酸アンモニウム含量も低くなり、得られるアスパラギ
ン酸の純度が高いものである。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、L−アスパラギン酸ア
ンモニウム水溶液から、柱状のL−アスパラギン酸結晶
が得られ、これにより、晶析後の固液分離及びリンスの
効果が改善でき、高純度のアスパラギン酸の製造を可能
とすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
    をマレイン酸または無水マレイン酸によって晶析するこ
    とにより得られたL−アスパラギン酸結晶であって、光
    学顕微鏡写真を画像処理して求めた絶対最大長(ML)
    と幅(MW)の比(SLP値)の平均値が1.4以上で
    ある柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶。
  2. 【請求項2】 結晶幅が20〜200μm、結晶長さが
    30〜300μm及び結晶厚さが2〜30μmである請
    求項1記載のL−アスパラギン酸結晶。
  3. 【請求項3】 結晶混合物中に不純物として0.01〜
    3重量%のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレ
    イン酸を含有する請求項1記載のL−アスパラギン酸結
    晶。
  4. 【請求項4】 晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウ
    ム水溶液およびマレイン酸を連続的に供給し、L−アス
    パラギン酸を10〜90℃の温度で析出させ、スラリー
    を連続的又は間欠的に抜き出すことにより得られる請求
    項1記載のL−アスパラギン酸結晶。
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