JPH08208574A - アスパラギン酸の晶析方法 - Google Patents
アスパラギン酸の晶析方法Info
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- JPH08208574A JPH08208574A JP6621195A JP6621195A JPH08208574A JP H08208574 A JPH08208574 A JP H08208574A JP 6621195 A JP6621195 A JP 6621195A JP 6621195 A JP6621195 A JP 6621195A JP H08208574 A JPH08208574 A JP H08208574A
- Authority
- JP
- Japan
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- aspartic acid
- ammonium
- aqueous solution
- aspartate
- crystallization
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Abstract
(57)【要約】
【目的】
【構成】 L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液とマ
レイン酸を混合してL−アスパラギン酸を晶析する方法
において、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水
溶液およびマレイン酸を連続的に供給し、L−アスパラ
ギン酸を10〜90℃の温度で析出させ、スラリーを連
続的に抜き出すことを特徴とする方法。 【効果】 本発明の方法によれば柱状で結晶径の大きな
L−アスパラギン酸結晶を析出させることができる。こ
れにより固液分離、リンスの効果が高くなり、高純度の
L−アスパラギン酸結晶を得ることができる。
レイン酸を混合してL−アスパラギン酸を晶析する方法
において、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水
溶液およびマレイン酸を連続的に供給し、L−アスパラ
ギン酸を10〜90℃の温度で析出させ、スラリーを連
続的に抜き出すことを特徴とする方法。 【効果】 本発明の方法によれば柱状で結晶径の大きな
L−アスパラギン酸結晶を析出させることができる。こ
れにより固液分離、リンスの効果が高くなり、高純度の
L−アスパラギン酸結晶を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−アスパラギン酸ア
ンモニウム水溶液からL−アスパラギン酸の柱状結晶を
得るための方法に関する。L−アスパラギン酸は甘味料
の原料として有用である。
ンモニウム水溶液からL−アスパラギン酸の柱状結晶を
得るための方法に関する。L−アスパラギン酸は甘味料
の原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、アスパラギン酸アンモニウム水溶
液からアスパラギン酸を晶析、単離させる方法として
は、硫酸、塩酸、硝酸など無機の強酸をアンモニウムイ
オンに対して当量加えて晶析、単離させる方法、アスパ
ラギン酸アンモニウムの原料となるフマル酸またはマレ
イン酸を添加し、晶析、単離させる方法(特開平06−
234713、EP0127940)がある。
液からアスパラギン酸を晶析、単離させる方法として
は、硫酸、塩酸、硝酸など無機の強酸をアンモニウムイ
オンに対して当量加えて晶析、単離させる方法、アスパ
ラギン酸アンモニウムの原料となるフマル酸またはマレ
イン酸を添加し、晶析、単離させる方法(特開平06−
234713、EP0127940)がある。
【0003】しかしこれらいずれの方法も通常の条件で
は回分晶析を行うと、得られるアスパラギン酸結晶は板
状で細かく、後に続く固液分離、リンスで充分なリンス
効果が得られず、結晶に母液が付着残留し、最終的に得
られるアスパラギン酸の純度は低かった。
は回分晶析を行うと、得られるアスパラギン酸結晶は板
状で細かく、後に続く固液分離、リンスで充分なリンス
効果が得られず、結晶に母液が付着残留し、最終的に得
られるアスパラギン酸の純度は低かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、L−アスパ
ラギン酸アンモニウム水溶液から柱状でかつ大きなL−
アスパラギン酸結晶を晶析させることにより、後に続く
固液分離、リンスの効果を改善し、高純度のL−アスパ
ラギン酸結晶を得ることができるL−アスパラギン酸の
製造方法を提供しようとするものである。
ラギン酸アンモニウム水溶液から柱状でかつ大きなL−
アスパラギン酸結晶を晶析させることにより、後に続く
固液分離、リンスの効果を改善し、高純度のL−アスパ
ラギン酸結晶を得ることができるL−アスパラギン酸の
製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨はL
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液とマレイン酸を混
合してL−アスパラギン酸を晶析する方法において、晶
析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマ
レイン酸を連続的に供給し、L−アスパラギン酸を10
〜90℃の温度で析出させ、スラリーを連続的に抜き出
すことによりL−アスパラギン酸の柱状結晶を得ること
を特徴とする晶析方法に存するものである。本発明の方
法によれば、大きな柱状のL−アスパラギン酸結晶を得
ることができるので、固液分離時の残液率が低く、リン
ス効果も大きく高純度の結晶を得ることができる。
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液とマレイン酸を混
合してL−アスパラギン酸を晶析する方法において、晶
析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマ
レイン酸を連続的に供給し、L−アスパラギン酸を10
〜90℃の温度で析出させ、スラリーを連続的に抜き出
すことによりL−アスパラギン酸の柱状結晶を得ること
を特徴とする晶析方法に存するものである。本発明の方
法によれば、大きな柱状のL−アスパラギン酸結晶を得
ることができるので、固液分離時の残液率が低く、リン
ス効果も大きく高純度の結晶を得ることができる。
【0006】[L−アスパラギン酸アンモニウム水溶
液]L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液としては、
通常フマル酸アンモニウム水溶液から酵素反応により得
られたものでも、マレイン酸アンモニウム水溶液から酵
素反応により得られたものでも良い。フマル酸アンモニ
ウム水溶液からL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
を酵素反応により得る方法としては、アスパルターゼあ
るいはアスパルターゼを産生する微生物で酵素処理する
方法が広く知られているが、種々の処理方法のうち特に
限定されるものではない。
液]L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液としては、
通常フマル酸アンモニウム水溶液から酵素反応により得
られたものでも、マレイン酸アンモニウム水溶液から酵
素反応により得られたものでも良い。フマル酸アンモニ
ウム水溶液からL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
を酵素反応により得る方法としては、アスパルターゼあ
るいはアスパルターゼを産生する微生物で酵素処理する
方法が広く知られているが、種々の処理方法のうち特に
限定されるものではない。
【0007】一方マレイン酸アンモニウム水溶液からL
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵素反応により
得る方法としては、二種類の酵素すなわちマレイン酸イ
ソメラーゼとアスパルターゼもしくはそれらを産生する
微生物で酵素処理する方法があるが、種々の処理方法の
うち特に限定されるものではない。またマレイン酸アン
モニウム水溶液は、L−アスパラギン酸アンモニウム水
溶液からマレイン酸を添加することによりL−アスパラ
ギン酸を晶析回収する際副生するマレイン酸アンモニウ
ム水溶液を用いることも、合成により得られたものを用
いることもできる。L−アスパラギン酸アンモニウム濃
度は、50〜800g/l、好ましくは100〜500
g/lである。濃度が低すぎるとL−アスパラギン酸回
収率が低く、また逆に高すぎると晶析時のスラリー濃度
が上がり操作に支障をきたす。
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵素反応により
得る方法としては、二種類の酵素すなわちマレイン酸イ
ソメラーゼとアスパルターゼもしくはそれらを産生する
微生物で酵素処理する方法があるが、種々の処理方法の
うち特に限定されるものではない。またマレイン酸アン
モニウム水溶液は、L−アスパラギン酸アンモニウム水
溶液からマレイン酸を添加することによりL−アスパラ
ギン酸を晶析回収する際副生するマレイン酸アンモニウ
ム水溶液を用いることも、合成により得られたものを用
いることもできる。L−アスパラギン酸アンモニウム濃
度は、50〜800g/l、好ましくは100〜500
g/lである。濃度が低すぎるとL−アスパラギン酸回
収率が低く、また逆に高すぎると晶析時のスラリー濃度
が上がり操作に支障をきたす。
【0008】[マレイン酸]加えるマレイン酸は、粉末
でも、水溶液でもよい。水溶液で用いる時の濃度は、飽
和濃度以下であればよいが、通常80重量%以下、例え
ば60〜10重量%である。
でも、水溶液でもよい。水溶液で用いる時の濃度は、飽
和濃度以下であればよいが、通常80重量%以下、例え
ば60〜10重量%である。
【0009】[L−アスパラギン酸連続晶析]晶析は晶
析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマ
レイン酸を連続的に供給して行う。晶析槽にL−アスパ
ラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸を連続的
に添加するとともに、生成したL−アスパラギン酸スラ
リーは連続的または間歇的に抜き出す。通常は、生成し
たL−アスパラギン酸スラリーは連続的に抜き出し晶析
槽液レベルを一定に制御する方法が望ましい。 L−ア
スパラギン酸スラリーの抜き出しは、晶析槽における平
均滞留時間が通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間になるよう行うことが望ましい。滞留時間が短すぎる
と晶析槽内でL−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸
アンモニウム、マレイン酸、マレイン酸アンモニウムが
平衡濃度に到達せず、L−アスパラギン酸回収率が充分
でない。逆に滞留時間を長くしすぎてもL−アスパラギ
ン酸回収率、結晶性状、サイズには大差がなく、無意味
に晶析槽が大きくなるだけである。
析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマ
レイン酸を連続的に供給して行う。晶析槽にL−アスパ
ラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸を連続的
に添加するとともに、生成したL−アスパラギン酸スラ
リーは連続的または間歇的に抜き出す。通常は、生成し
たL−アスパラギン酸スラリーは連続的に抜き出し晶析
槽液レベルを一定に制御する方法が望ましい。 L−ア
スパラギン酸スラリーの抜き出しは、晶析槽における平
均滞留時間が通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間になるよう行うことが望ましい。滞留時間が短すぎる
と晶析槽内でL−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸
アンモニウム、マレイン酸、マレイン酸アンモニウムが
平衡濃度に到達せず、L−アスパラギン酸回収率が充分
でない。逆に滞留時間を長くしすぎてもL−アスパラギ
ン酸回収率、結晶性状、サイズには大差がなく、無意味
に晶析槽が大きくなるだけである。
【0010】添加するマレイン酸の量はL−アスパラギ
ン酸アンモニウムに対し通常0.5〜1.0モル倍望ま
しくは0.7〜0.9モル倍である。本発明における晶
析系内のpHは通常3〜5の範囲にコントロ¬ルするの
が好ましい 晶析は10〜90℃、好ましくは20〜80℃で行う。
低温下でL−アスパラギン酸の晶析を行うと、小粒径の
L−アスパラギン酸しか得られないために、後に続く固
液分離、リンスで充分なリンス効果が得られず、母液が
固体に付着残留し、純度の低下を招く。一方あまり高温
下で晶析を行っても、得られるL−アスパラギン酸結晶
形状、サイズに大差がなく意味が無い。必要に応じてL
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸
から得られたL−アスパラギン酸スラリーをさらに冷却
することによりL−アスパラギン酸回収率を上げること
もできる。この際の冷却温度は0〜60℃、好ましくは
10〜50℃である。本発明の晶析では柱状結晶のL−
アスパラギン酸を得るが、このサイズは、例えば、厚さ
が20〜100μmで長さが50〜300μmであり、
しかも厚さに対する長さの比率が3以下のものである。
ン酸アンモニウムに対し通常0.5〜1.0モル倍望ま
しくは0.7〜0.9モル倍である。本発明における晶
析系内のpHは通常3〜5の範囲にコントロ¬ルするの
が好ましい 晶析は10〜90℃、好ましくは20〜80℃で行う。
低温下でL−アスパラギン酸の晶析を行うと、小粒径の
L−アスパラギン酸しか得られないために、後に続く固
液分離、リンスで充分なリンス効果が得られず、母液が
固体に付着残留し、純度の低下を招く。一方あまり高温
下で晶析を行っても、得られるL−アスパラギン酸結晶
形状、サイズに大差がなく意味が無い。必要に応じてL
−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸
から得られたL−アスパラギン酸スラリーをさらに冷却
することによりL−アスパラギン酸回収率を上げること
もできる。この際の冷却温度は0〜60℃、好ましくは
10〜50℃である。本発明の晶析では柱状結晶のL−
アスパラギン酸を得るが、このサイズは、例えば、厚さ
が20〜100μmで長さが50〜300μmであり、
しかも厚さに対する長さの比率が3以下のものである。
【0011】[固液分離操作]晶析で得られたスラリー
は、固液分離してL−アスパラギン酸を回収する。固液
分離した後の濾液は主にマレイン酸アンモニウム水溶液
であり、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液の原料
としてリサイクルすることができる。また得られたL−
アスパラギン酸は必要に応じて、水でリンスしてもよ
い。
は、固液分離してL−アスパラギン酸を回収する。固液
分離した後の濾液は主にマレイン酸アンモニウム水溶液
であり、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液の原料
としてリサイクルすることができる。また得られたL−
アスパラギン酸は必要に応じて、水でリンスしてもよ
い。
【0012】スラリーの固液分離は通常、0〜60℃、
好ましくは10〜50℃で行う。温度が高すぎると母液
中に溶解して残存するL−アスパラギン酸量が多くなり
好ましくない。分離操作は、ヌッチェ、遠心分離等の常
法により行う。リンスに用いる水の量は、ウェットケー
キに対して通常5重量倍以下、好ましくは3重量倍以下
である。リンス量が少なすぎるとリンス効果が充分でな
く、多すぎるとL−アスパラギン酸のロスにつながる。
本発明では上述のような連続晶析を行うことにより、L
−アスパラギン酸の柱状結晶を回収することができる
が、L−アスパラギン酸を回分法により晶析した場合に
は、鱗片状結晶しか得られない。このように回分法と連
続法とで得られる結晶の晶癖が変化することは意外なこ
とである。
好ましくは10〜50℃で行う。温度が高すぎると母液
中に溶解して残存するL−アスパラギン酸量が多くなり
好ましくない。分離操作は、ヌッチェ、遠心分離等の常
法により行う。リンスに用いる水の量は、ウェットケー
キに対して通常5重量倍以下、好ましくは3重量倍以下
である。リンス量が少なすぎるとリンス効果が充分でな
く、多すぎるとL−アスパラギン酸のロスにつながる。
本発明では上述のような連続晶析を行うことにより、L
−アスパラギン酸の柱状結晶を回収することができる
が、L−アスパラギン酸を回分法により晶析した場合に
は、鱗片状結晶しか得られない。このように回分法と連
続法とで得られる結晶の晶癖が変化することは意外なこ
とである。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。尚、L−アスパラギン酸およびマレイン酸、フ
マル酸の分析は、高速液体クロマトグラフィーにより行
った。結晶中のアンモニアについてはイオンクロマトグ
ラフィーによって定量した。また粒度分布の測定は篩い
分級により行った。
明する。尚、L−アスパラギン酸およびマレイン酸、フ
マル酸の分析は、高速液体クロマトグラフィーにより行
った。結晶中のアンモニアについてはイオンクロマトグ
ラフィーによって定量した。また粒度分布の測定は篩い
分級により行った。
【0014】[実施例1]濃度225g/lのL−アス
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコ(フラスコ1)に3l仕込み、ジャケットに温
水を流し80℃で保温した。液がフラスコ1内を循環す
るように攪拌しながら、濃度225g/lL−アスパラ
ギン酸アンモニウム水溶液を3000ml/hrで、ま
た粉末マレイン酸を470g/hrで連続的に添加する
と共に、フラスコ1内液量が3l一定となるよう、フラ
スコ1からスラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜
きだした。
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコ(フラスコ1)に3l仕込み、ジャケットに温
水を流し80℃で保温した。液がフラスコ1内を循環す
るように攪拌しながら、濃度225g/lL−アスパラ
ギン酸アンモニウム水溶液を3000ml/hrで、ま
た粉末マレイン酸を470g/hrで連続的に添加する
と共に、フラスコ1内液量が3l一定となるよう、フラ
スコ1からスラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜
きだした。
【0015】抜きだしたスラリーは、予め3lの水を仕
込み、30℃で保温された邪魔板およびドラフトチュー
ブを持つ5lジャケット付セパラブルフラスコ(フラス
コ2)に連続添加した。フラスコ2は、冷水を流すこと
により30℃で保温し、また内液量が3l一定となるよ
う、スラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだし
た。
込み、30℃で保温された邪魔板およびドラフトチュー
ブを持つ5lジャケット付セパラブルフラスコ(フラス
コ2)に連続添加した。フラスコ2は、冷水を流すこと
により30℃で保温し、また内液量が3l一定となるよ
う、スラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだし
た。
【0016】約7時間連続運転を続け、その後フラスコ
2から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。
スラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400ml
でリンスした。得られたウェットケーキ重量は143g
であった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察する
と、非常に大きな柱状結晶であった。ウェットケーキを
減圧下、60℃で乾燥したところ、127gの白色固体
を得た。ウェットケーキ含水率は、11重量%であっ
た。得られた固体は、99.8重量%がL−アスパラギ
ン酸であり、マレイン酸アンモニウム0.2重量%を含
んでいた。また得られた結晶のメジアン径は150μm
であった。
2から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。
スラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400ml
でリンスした。得られたウェットケーキ重量は143g
であった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察する
と、非常に大きな柱状結晶であった。ウェットケーキを
減圧下、60℃で乾燥したところ、127gの白色固体
を得た。ウェットケーキ含水率は、11重量%であっ
た。得られた固体は、99.8重量%がL−アスパラギ
ン酸であり、マレイン酸アンモニウム0.2重量%を含
んでいた。また得られた結晶のメジアン径は150μm
であった。
【0017】[実施例2]濃度225g/lのL−アス
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコに3l仕込み、ジャケットに温水を流し30℃
で保温した。液がフラスコ内を循環するように攪拌しな
がら、濃度225g/lのL−アスパラギン酸アンモニ
ウム水溶液を3000ml/hrで、また粉末マレイン
酸を470g/hrで連続的に添加すると共に、フラス
コ1内液量が3l一定となるよう、フラスコ1からスラ
リーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだした。
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコに3l仕込み、ジャケットに温水を流し30℃
で保温した。液がフラスコ内を循環するように攪拌しな
がら、濃度225g/lのL−アスパラギン酸アンモニ
ウム水溶液を3000ml/hrで、また粉末マレイン
酸を470g/hrで連続的に添加すると共に、フラス
コ1内液量が3l一定となるよう、フラスコ1からスラ
リーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだした。
【0018】約7時間連続運転を続け、その後フラスコ
から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。ス
ラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400mlで
リンスした。得られたウェットケーキ重量は156gで
あった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、
柱状結晶であった。ウェットケーキを減圧下、60℃で
乾燥したところ、125gの白色固体を得た。ウェット
ケーキ含水率は、20重量%であった。得られた固体
は、99.6重量%L−アスパラギン酸で、マレイン酸
アンモニウム0.4重量%含んでいた。また得られた結
晶のメジアン径は120μmであった。
から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。ス
ラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400mlで
リンスした。得られたウェットケーキ重量は156gで
あった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、
柱状結晶であった。ウェットケーキを減圧下、60℃で
乾燥したところ、125gの白色固体を得た。ウェット
ケーキ含水率は、20重量%であった。得られた固体
は、99.6重量%L−アスパラギン酸で、マレイン酸
アンモニウム0.4重量%含んでいた。また得られた結
晶のメジアン径は120μmであった。
【0019】[比較例1]濃度225g/lのL−アス
パラギン酸アンモニウム水溶液200mlを、300m
lジャケット付きセパラブルフラスコ内でジャケットに
温水を流すことで80℃に保温し、攪拌下マレイン酸3
1.3gを添加した。マレイン酸を添加後、攪拌を続け
ながら30分間80℃で保温した後、1時間かけ、30
℃まで冷却し、さらに30分間保温した。
パラギン酸アンモニウム水溶液200mlを、300m
lジャケット付きセパラブルフラスコ内でジャケットに
温水を流すことで80℃に保温し、攪拌下マレイン酸3
1.3gを添加した。マレイン酸を添加後、攪拌を続け
ながら30分間80℃で保温した後、1時間かけ、30
℃まで冷却し、さらに30分間保温した。
【0020】得られたスラリーは、ヌッチェで固液分離
し、さらに水100gでリンスした。得られたウェット
ケーキ重量は46.9gであった。ウェットケーキの一
部を顕微鏡で観察すると、細かい燐片状結晶であった。
ウェットケーキを、減圧下、約60℃で乾燥したとこ
ろ、33.8gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水
率は、28重量%であった。得られた固体は、99.1
重量%L−アスパラギン酸で、マレイン酸アンモニウム
0.9重量%を含んでいた。また得られた結晶のメジア
ン径は70μmであった。
し、さらに水100gでリンスした。得られたウェット
ケーキ重量は46.9gであった。ウェットケーキの一
部を顕微鏡で観察すると、細かい燐片状結晶であった。
ウェットケーキを、減圧下、約60℃で乾燥したとこ
ろ、33.8gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水
率は、28重量%であった。得られた固体は、99.1
重量%L−アスパラギン酸で、マレイン酸アンモニウム
0.9重量%を含んでいた。また得られた結晶のメジア
ン径は70μmであった。
【0021】[比較例2]濃度225g/lのL−アス
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコに3l仕込み、ジャケットに冷水を流し5℃で
保温した。液がフラスコ内を循環するように攪拌しなが
ら、濃度225g/lアスパラギン酸アンモニウム水溶
液を3000ml/hrで、また粉末マレイン酸を47
0g/hrで連続的に添加すると共に、フラスコ内液量
が3l一定となるよう、フラスコからスラリーポンプを
用い連続的にスラリーを抜きだした。
パラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およ
びドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブル
フラスコに3l仕込み、ジャケットに冷水を流し5℃で
保温した。液がフラスコ内を循環するように攪拌しなが
ら、濃度225g/lアスパラギン酸アンモニウム水溶
液を3000ml/hrで、また粉末マレイン酸を47
0g/hrで連続的に添加すると共に、フラスコ内液量
が3l一定となるよう、フラスコからスラリーポンプを
用い連続的にスラリーを抜きだした。
【0022】約7時間連続運転を続け、その後フラスコ
から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。ス
ラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400mlで
リンスした。得られたウェットケーキ重量は203gで
あった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、
細かい柱状結晶であった。ウェットケーキを減圧下、6
0℃で乾燥したところ、140gの白色固体を得た。ウ
ェットケーキ含水率は、31重量%であった。得られた
固体は、98.9重量%L−アスパラギン酸で、マレイ
ン酸アンモニウム1.1重量%含んでいた。また得られ
た結晶のメジアン径は50μmであった。上記実施例及
び比較例の結果を下記第1表に示す。
から抜きだしたスラリーを約15分サンプリングした。ス
ラリーはヌッチェで固液分離し、さらに水400mlで
リンスした。得られたウェットケーキ重量は203gで
あった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、
細かい柱状結晶であった。ウェットケーキを減圧下、6
0℃で乾燥したところ、140gの白色固体を得た。ウ
ェットケーキ含水率は、31重量%であった。得られた
固体は、98.9重量%L−アスパラギン酸で、マレイ
ン酸アンモニウム1.1重量%含んでいた。また得られ
た結晶のメジアン径は50μmであった。上記実施例及
び比較例の結果を下記第1表に示す。
【0023】
【表1】 第1表 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 晶析方法 連続 連続 回分 連続 MA供給温度(℃) 80 30 80 5 冷却温度(℃) 30 − 30 − 結晶形状 柱状 柱状 鱗片状 柱状 平均径(μm) 150 120 70 50 WET率(WT%) 11 20 28 81ASP純度(WT%) 99.8 99.6 99.1 98.9 ASP:L−アスハ゜ラキ゛ン酸、MA:マレイン酸、wet率:水分/wetケーキ(w/w)、平均径:メシ゛アン径
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、L−アスパラギン酸ア
ンモニウム水溶液から柱状でかつ大きなL−アスパラギ
ン酸結晶を晶析させることにより、後に続く固液分離、
リンスの効果を改善し、高純度のL−アスパラギン酸結
晶を得ることができる。本発明の連続晶析法において柱
状結晶を有するL−アスパラギン酸が得られる理由は不
明であるが、回分法の晶析においては鱗片状の結晶しか
得られないのに、これが単に大きくなるのではなく、柱
状の結晶となることは予想外のことである。
ンモニウム水溶液から柱状でかつ大きなL−アスパラギ
ン酸結晶を晶析させることにより、後に続く固液分離、
リンスの効果を改善し、高純度のL−アスパラギン酸結
晶を得ることができる。本発明の連続晶析法において柱
状結晶を有するL−アスパラギン酸が得られる理由は不
明であるが、回分法の晶析においては鱗片状の結晶しか
得られないのに、これが単に大きくなるのではなく、柱
状の結晶となることは予想外のことである。
Claims (2)
- 【請求項1】 L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
とマレイン酸を混合してL−アスパラギン酸を晶析する
方法において、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウ
ム水溶液およびマレイン酸を連続的に供給し、L−アス
パラギン酸を10〜90℃の温度で析出させ、スラリー
を連続的に抜き出すことによりL−アスパラギン酸の柱
状結晶を得ることを特徴とするL−アスパラギン酸の晶
析方法。 - 【請求項2】 晶析槽の平均滞留時間が0.5〜5時間
である請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6621195A JPH08208574A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-24 | アスパラギン酸の晶析方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-302259 | 1994-12-06 | ||
JP30225994 | 1994-12-06 | ||
JP6621195A JPH08208574A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-24 | アスパラギン酸の晶析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208574A true JPH08208574A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=26407386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6621195A Pending JPH08208574A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-24 | アスパラギン酸の晶析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08208574A (ja) |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP6621195A patent/JPH08208574A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050823 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060110 |