JP2001072656A - メチオニン結晶粉体物性の制御方法 - Google Patents

メチオニン結晶粉体物性の制御方法

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JP2001072656A
JP2001072656A JP2000197694A JP2000197694A JP2001072656A JP 2001072656 A JP2001072656 A JP 2001072656A JP 2000197694 A JP2000197694 A JP 2000197694A JP 2000197694 A JP2000197694 A JP 2000197694A JP 2001072656 A JP2001072656 A JP 2001072656A
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methionine
crystal
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continuously
crystals
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JP2000197694A
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Hiroyuki Ishii
裕之 石井
Tadashi Umezawa
忠 梅澤
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Nippon Soda Co Ltd
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】メチオニンの晶析操作において、過剰な凝集に
より変動する結晶の粉体物性、結晶粒径を安定化・制御
する方法を提供する。 【解決手段】メチオニンの製造工程中、メチオニン含有
の過飽和などの水溶液からメチオニンを晶析させ固液分
離する連続又は半連続工程において、グルテンなど媒晶
剤共存下、種晶を連続/半連続的に添加し結晶を析出さ
せた後、連続/半連続的に結晶を抜き出し固液分離する
メチオニンの結晶粉体物性の制御方法。またメチオニン
を含む溶液の晶析が多段階連続工程であるメチオニンの
平均粒径100〜600μmの結晶粒径制御方法および
メチオニンの金属塩を酸性ガスにより中和しながら析出
させる反応晶析であるメチオニン結晶粉体物性の制御方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチオニンの結晶
の晶析方法に関し、さらに詳しくはメチオニンの結晶粒
径を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメチオニンを結晶として精製
し、取り出す方法は、メチオニン金属塩を含有する水溶
液を中和後、濃縮晶析、反応晶析、溶媒添加法、再結晶
法など種々の晶析方法により溶解度差を利用して結晶化
し、固液分離、洗浄を経て、乾燥する工程を含む。
【0003】通常の晶析方法で取得されるメチオニンの
晶癖は薄板状の凝集晶である。薄板状のメチオニンは撹
拌などの物理的な動力により容易に破砕されて微粉を生
じ、また沈降速度、ろ過速度が小さいため、固液分離性
が悪いなどの問題点を有していた。
【0004】またメチオニンは一般に主用途として大豆
かす、トウモロコシなどで構成される家禽用、家畜用な
どの飼料添加物として使用されるが、その用途に応じて
粒径ならびに粒径分布を制御しなければならない。粒径
が過大であると固体飼料中に偏散するため、結晶を細粒
化したり、溶解し液状として飼料に混合するなどの操作
を要し、また過小な粒径の結晶を含む場合、微粉の粉立
ちが発生するためハンドリング性が悪いという問題もあ
った。
【0005】上述した製造上、使用上の問題に対しメチ
オニンの物性を改良するため、メチオニンの結晶化にお
いて添加剤を用いる種々の方法が報告されている。例え
ば、特公昭43−22285号公報には、メチオニンを
可溶性繊維素誘導体の共存下に晶出させる方法が、特公
昭43−24890号公報には、メチオニンをアルコー
ル類、フェノール類及びケトン類の共存下に晶出させる
方法が、特公昭46−19610号公報には、アニオン
性またはノニオン性界面活性剤を添加した溶液からメチ
オニンを晶出させる結晶化方法が、特開平4−1695
70号公報には、メチオニンをカリウム塩水溶液を炭酸
ガスを吸収させて中和する時点に、ポリビニルアルコー
ルを共存させてメチオニンを晶出させる方法が、特開平
4−244056号公報には、メチオニンのカリウム塩
水溶液を炭酸ガスを吸収させて中和する時点に、カゼイ
ン又半合成セルロース系水溶性高分子を共存させてメチ
オニンを晶出させる方法が、また特開平10−3060
71号公報には、メチオニンのカリウム塩水溶液を炭酸
ガスを吸収させて中和する時点に、グルテンを共存させ
てメチオニンを晶出させる方法がそれぞれ記載されてい
る。
【0006】また特公昭53-43931号公報には、
晶析において添加剤によりメチオニンの微粉を抑制し、
結晶の浮遊によるスラリーの発泡を抑制し、沈降性を改
良する方法が記載されている。
【0007】一方、連続晶析方法は、精製糖工業、製塩
工業、有機、無機薬品工業等の種々の化学工業において
多く取り入れられてきている。例えば、特開平5−27
700号公報には、晶析装置2基を連設し、第一晶析装
置による1次晶析と第2晶析装置による2次晶析を連続
的に行い、第1次晶析装置の白下温度を第2晶析装置の
白下温度より低温度に保持し、第2晶析装置の晶析に伴
う蒸気圧を圧縮して第1晶析装置の加熱蒸気として使用
することにより、高品質の蔗糖結晶を経済的に有利に得
る方法が記載されている。
【0008】特開平4−40201号公報には、晶析温
度を順次低くした晶析槽を2基以上設け、第1の晶析槽
のスラリーを第2の晶析槽に供給し硫酸アルミニウム結
晶を晶析させるにあたり、第2の晶析槽のスラリーの一
部を第1の晶析槽に循環させることによって六角板状の
硫酸アルミニウム結晶を連続的に製造する方法が記載さ
れている。
【0009】特開平4−169570号公報、又は特開
平4−244056号公報には、メチオニンカリウム塩
水溶液とポリビニルアルコール又はカゼイン等を連続的
に反応槽に供給し、炭酸ガスによる中和と晶析を同時に
行い、生成したスラリーを供給と連動して抜き取ること
で嵩比重の小さい結晶を製造できることが記載されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の添加剤
により晶析操作を改良する方法は、撹拌翼や槽形状など
の装置条件や撹拌動力、流動状態、液組成などの操作条
件によって、メチオニンの物性に対し予期せぬ問題を生
ずることがある。
【0011】例えば晶癖を改良するために添加剤を加え
ながら晶析する場合、添加剤が過少であると晶癖などの
物性を改良する効果も低下するため、必要に応じ添加量
を制御せねばならないが、一方で凝集効果が高すぎると
母液を閉じ込めたまま肥大化した構造の結晶が形成さ
れ、見掛け上所望の粒径を逸脱し、低純度の結晶を取得
することがある。このような肥大化した凝集晶から内部
に包含した不純物を含む母液を遠心分離により固液分離
ならびに洗浄しても不純物を排斥しずらく、精製効果が
期待できない。
【0012】さらに過剰な凝集は純度、粒径などの物性
に悪影響を与えるだけでなく、結晶を肥大化し、単位体
積当たりの表面積が低下するにつれて、二次核発生が支
配的となり、過飽和を推進力とする個々の結晶の成長が
促進されず、系内には微細な結晶が大量に発生する場合
がある。晶析槽内の結晶個数が急激に増加すると、もは
や低密度で薄板状の結晶が取得されるだけであり、撹拌
などの物理的な動力により薄板状の結晶がさらに粉砕さ
れやすい状態となるため、晶析操作を継続することは困
難となる。このため安定的に所望の物性を有するメチオ
ニンを取得するには、これら副次的な現象を抑制するこ
とが重要な課題である。
【0013】更に、従来知られている連続晶析方法の多
くをメチオニンの晶析に使用されている例はほとんどな
く、数少ない報告例である特開平4−169570号公
報においても、その粒径、嵩比重等はある程度制御可能
なものの、その粒度分布は満足のいくものではなかっ
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
凝集による副次的な現象を抑制し、所望の粒径及び粒度
分布の結晶を取得する方法についてメチオニンの粉体物
性を制御する観点から、鋭意検討を行った結果、晶析操
作において媒晶剤と共に種晶を添加しながら槽内の結晶
個数を連続工程を用いて調整すれば、凝集による結晶の
肥大化を抑制し、しいては二次核の急激な発生を減速す
ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0015】即ち、本発明は,メチオニンの製造工程
中、メチオニンを含む溶液から晶析させ固液分離する連
続又は半連続工程において、媒晶剤共存下、種晶を連続
的又は半連続的に添加し結晶を析出させた後、連続的又
は半連続的に結晶を抜き出し固液分離することを特徴と
するメチオニン結晶粉体物性の制御方法に関する。
【0016】また、メチオニンを含む溶液から晶析させ
る工程が多段階連続又は半連続工程であること、種晶
が、メチオニンを含む溶液の一部を晶析させたスラリー
であること、または媒晶剤がグルテンであることを特徴
とするメチオニン結晶粉体物性の制御方法に関する。
【0017】更に、メチオニンの結晶平均粒径が100
〜600μmの範囲であることを、種晶を連続的又は半
連続的に添加し結晶を析出させる工程の温度が、5℃〜
30℃の範囲であることを、更に好ましくは10℃〜2
0℃の範囲であること、種晶を連続的又は半連続的に添
加し結晶を析出させる工程のpHが7.0〜9.0の範
囲であることを、更に好ましくはpHが7.5〜8.5
の範囲であることを特徴とするメチオニン結晶粉体物性
の制御方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で使用するメチオニンを含
む溶液は濃度、pH、温度などの液物性によるが、メチ
オニンを含む水溶液、有機溶媒溶液又は水と有機溶媒の
混合溶液でもよく、無機塩、有機塩が共存する溶液でも
よい。具体的には、工業的に取得される無機酸塩、有機
酸塩が共存するメチオニンとメチオニン金属塩を含む溶
液であり、例えばBucherer法のような製法により工業的
にヒダントインアナログを有するメチオニンの前駆体を
加水分解することにより得られるメチオニンのアルカリ
塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩などのメチオニン
を含む溶液等を例示することができる。
【0019】好ましくはメチオニンとして2から40重
量%含む、pH5〜12の溶液であり、また一般的な製
造方法で得られるメチオニンを含む半製品でもよいが、
既に取り出された固体のメチオニンを再溶解し、調製し
た溶液であってもよい。
【0020】種晶は、溶解度差によりメチオニンを結晶
化する濃縮晶析、溶媒添加晶析、反応晶析など通常知ら
れている方法で確保すればよく、特に限定されるもので
はない。具体的には、固液分離操作で取得されるメチオ
ニンの微結晶、メチオニンの粉砕物等を例示することが
できる。
【0021】メチオニンを含む溶液からメチオニンを結
晶化させる工程は、ドラフトチューブ付き撹拌槽におい
て核化と成長を同一槽内で行う形式でもよいが、核化し
た結晶の滞留時間が長いと凝集により見掛け上の粒径が
増加し、二次核が急激に発生するなどの副次的な現象を
誘発するため、種晶として有効な粒径に抑制するように
操作せねばならず、例えば、温度を徐々に下げたり、系
内に常に結晶化できる有効面積分の種晶を添加する等の
方法を例示することができる。
【0022】また、種晶は、メチオニンを含む溶媒のス
ラリーとして調製してもよい。具体的な種晶を含むスラ
リーを得る方法としては、メチオニンを含む溶液を中
和、冷却により温度、pHなどを制御しながら、種晶を
反応晶析させ、スラリーとして取得する方法等を例示す
ることができる。また、晶析系を多段化し、予備的な中
和によって準安定領域にあるメチオニンの過飽和溶液を
調製し、冷却により熱交換器等を備えた晶析管中で溶解
度差を推進力に核化を促進し、スラリーを得る方法等を
例示することができる。特に、種晶としてメチオニンを
含む溶液のスラリーを用いた場合、種晶とメチオニンを
含む溶液の供給が同時に行うことができ、晶析槽を多段
階設けた系では、各晶析槽で生成したスラリーを順次送
り込む操作のみ行えばよい。
【0023】用いられるメチオニンの過飽和溶液は例え
ば、メチオニン金属塩を含む溶液に気液接触型の撹拌槽
形式や吸収塔形式の反応槽を用いて炭酸ガス又は塩酸ガ
ス等の酸性ガスを吹き込むことで調製することができ
る。反応槽は、晶析の制御性を考慮して選択することが
可能である。また種晶を含むスラリーのスラリー率又は
スラリー中の種晶の粒径は、溶解度、過溶解度、pH、
温度などの液物性を操作することで制御することができ
る。例えば、メチオニンを5〜20重量%、炭酸カリウ
ムを5〜20重量%含む溶液に炭酸ガスを吹き込み、温
度10〜20℃でpHを8〜10に保つことで、過飽和
状態を維持することをでき、この溶液を温度差5℃以上
に急冷するこで種晶として良好な粒径1〜50μmの結
晶のスラリーを得ることができる。また、スラリー率は
通常2〜15%の範囲が好ましい。
【0024】用いる媒晶剤は、結晶の凝集作用があれば
特に制限されず、具体的にはポリビニルアルコール、カ
ゼイン、半合成セルロース系水溶性高分子、アニオン性
もしくはノニオン性界面活性剤等を例示することができ
るが、粒度分布範囲の狭いメチオニンを得るためには特
にグルテンが好ましい。媒晶剤は、メチオニンの溶液に
そのまま添加してもよいが適当な溶媒に溶解したり、分
散した状態で添加してもよい。
【0025】添加される媒晶剤の量は、メチオニンが含
まれる溶液に含まれる合計のメチオニンの重量(金属塩
として存在する場合も中和換算して含める)に対して、
0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重
量%である。媒晶剤は基本的に不純物であることから、
添加量は少ない方が好ましいが、0.05重量%より少
ないと析出するメチオニン結晶の晶癖を変える効果が不
十分となり板状又はうろこ状の結晶となり、0.5重量
%以上では、不純物除去の問題があり、また、粒径が大
きくなりすぎる問題を生じる。
【0026】媒晶剤はを添加する時期については特に制
限がないが、中和工程を含む場合は、中和前、又は中和
時に添加するのが好ましい。中和工程後に加える場合、
一度に結晶化が促進する可能性があるので、温度及びp
Hを制御しながら、少量ずつ添加するのが好ましい。ま
た。晶析槽を複数設ける場合において、種晶を含むスラ
リーを順次各槽に送る場合、少なくとも最初の晶析槽に
含まれていればよいが、各晶析槽に加える方が、メチオ
ニンの粒径及び粒度分布を制御する上でも好ましい。
【0027】晶析化は、pH、及び、温度を制御した、
飽和もしくは過飽和のメチオニンを含む溶液に、種晶を
連続的に添加し、結晶化させると共に一定量の結晶を反
応槽から抜き出す方法で行われる。本発明中、半連続と
は、種晶をある一定間隔で加え、同様に一定間隔で造粒
した結晶を抜き取る場合をいう。但し、一定間隔とは、
一連の操作に全体を通して連続であるといえる範囲の時
間をいう。
【0028】例えば種晶として、メチオニンの結晶を用
いた場合、晶析化の工程は、メチオニンを含む溶液を供
給するライン、pHを調節するガス導入管、温度調節機
能、攪拌装置、及び分級できる粉体供給装置を備えた反
応槽に、メチオニンを含む溶液を供給し、媒晶剤を添加
し、温度、及びpHを調節したのち、攪拌しながら、一
定間隔で種晶となるメチオニンを一定量加え、結晶をあ
る程度成長させた後、種晶及びメチオニンを含む溶液を
供給するのに対応して結晶をスラリーとして反応槽から
抜き取る工程からなる。
【0029】また、本発明では、晶析化の工程を多段階
にして行うことができる。即ち、晶析槽を幾つか連続的
に直結し、連続的に晶析化を行い、粒径及び粒度分布を
調整することができる。具体的には、予備槽及び晶析層
の2層を設け、予備槽中でメチオニン含む過飽和溶液を
調整し、メチオニンを一部結晶化させスラリー調整し、
そのスラリーを晶析槽に移送、添加し、種晶としてメチ
オニンを晶析し、得られたスラリーを抜き取る工程等を
例示することができる。必要に応じて、抜き取ったスラ
リーを更に別の晶析槽に添加することもできる。
【0030】種晶としてのスラリーの添加する作業に連
動して晶析槽中で生成したスラリーを抜き取る作業を行
うことで、晶析槽内のメチオニンの結晶数を一定に保つ
ことで、粒径及び粒度分布を調整することができる。
【0031】本発明の連続工程は、微細な結晶を含むメ
チオニンを再溶解し、粒径の揃ったメチオニンの結晶を
得る場合にも用いることができるが、通常一般的な工業
的製造方法によって得られたメチオニンを含む溶液の精
製工程として用いられる。従って、晶析工程において
は、メチオニンの金属塩を酸性ガスにより中和しながら
晶析させる反応晶析の工程を含むことになる。溶解度の
差によって晶析させる通常の晶析工程に比較して、反応
晶析方法で晶析させた場合、粒径のばらつきが少ないと
いう利点がある。
【0032】晶析させる温度としては、0℃〜30℃の
範囲で、特に5℃〜30℃の範囲が好ましく、更に10
〜20℃の範囲が好ましい。低温で晶析を行った方が、
粒径を小さく制御することができる。晶析を多段階で行
った場合、微小な粒径の結晶を再溶解するために各晶析
槽で異なる温度制御が必要な場合もあるが、熱効率、及
び結晶粒径の制御の観点からも、各晶析槽の温度をそろ
えるか、又は前槽よりも低くする方が好ましい。
【0033】メチオニンの溶解度及び析出する結晶の粒
径は、pHによって大きく影響を受ける。通常、pH
7.0〜9.0の範囲で、好ましくは7.5〜8.5の
範囲で行う。pHの調整は、例えば酸アルカリ溶液を添
加する方法、又はメチオニンのアルカリ溶液に酸性ガス
を通じる方法等を例示することができる。この場合、用
いる酸性ガスとしては、具体的には炭酸ガス、塩酸ガス
等を例示することができる。炭酸ガスを用いた場合晶析
槽内を常圧〜30kg/cm2の範囲に調節するのが好
ましい。
【0034】本発明の方法を用いて得られてくるメチオ
ニンの結晶は、粒状でその粒径は100〜600μmで
あり、反応槽は微小結晶による泡立ちも観測されなかっ
た。更に、固液分離における濾過性も良好であり、一度
の振り切りで含水率を30%前後まで低下させることが
できた。また、粒度分布を測定したところ、粒度分布曲
線の幾何標準偏差値が2以下の単分散の結晶を得ること
ができた。
【0035】
【実施例】本発明を、実施例および比較例により、さら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0036】実施例1 メチオニン12重量%、炭酸カリウムおよび炭酸水素カ
リウムを含むpH11の水溶液と添加剤を含む水溶液お
よび炭酸ガスを円筒型撹拌槽(第1槽)に同時に連続的
にチャージし、滞留しながら、通気系で気液撹拌し、炭
酸ガスの反応吸収を行い、温度、pHが一定(15℃、
pH9)のメチオニンの過飽和溶液を調製し、槽内液体
積を一定に(50L)保持するよう槽底部より排出し
た。さらに連続的に排出される過飽和溶液をプレート式
熱交換器に通液し、15℃から10℃まで冷却し、核化
を誘起して、メチオニンの微結晶を含むスラリーを生成
しながら加圧式円筒型撹拌槽(第2槽)に連続的にチャ
ージした。第2槽を加圧下、に維持しながら、炭酸ガス
を連続的にチャージし、滞留させながら温度、pH一定
(10℃、pH8)に保ち、結晶化を促進して、メチオ
ニンを含むスラリーとした。第2槽のスラリーを固液体
積一定に(50L)保持するように排出して、遠心分離
機で母液を脱液し、蒸留水で洗浄、脱液後、乾燥してメ
チオニンの結晶を取得した。結晶の平均粒径はほぼ一定
に推移し、110-125μmで凝集を抑制することによ
り厚みのある板状の晶癖で、含水率13-15%で残存
カリウム濃度は0.07-0.15%であった。
【0037】比較例1 熱交換器で冷却をせず、核化を促進しない以外、実施例
1と同様に操作を繰返し、メチオニンの過飽和溶液を冷
却せずに第2槽へチャージした。取得された結晶は凝集
により重量基準で500μmまで増加し、脱液性が悪
く、含水率25-27%、残存カリウム濃度は0.4-0.
6%で低純度の結晶であった。
【0038】実施例2 メチオニン12重量%と炭酸カリウムと炭酸水素カリウ
ムを含むpH11の水溶液と、添加剤を含むの水溶液を連
続的に、また炭酸ガスを半回分的に円筒型撹拌槽(第1
槽)にチャージし、滞留しながら、通気系で撹拌し、炭
酸ガスの反応吸収を行い、槽内液体積を一定に(50
L)保持するよう槽底部より排出し、加圧式円筒型撹拌
槽(第2槽)に連続的にチャージした。第1槽への炭酸
ガスのチャージは断続的に行い、メチオニンの結晶化が
開始するまでチャージを続け、pH低下に伴いシードと
なるメチオニンが析出した時点で炭酸ガスのチャージを
停止した。炭酸ガスのチャージ停止後もメチオニンの結
晶化は暫時続行したが、pHは増加に転じた。結晶化が進
行している間、第1槽からメチオニンの微結晶を含むス
ラリーを生成しながら第2槽へはメチオニンの結晶を含
むスラリーがチャージされ、シードとしての役割を果た
した。炭酸ガスのチャージを停止している間、結晶の析
出と溶解が同時併行で起き、pHの上昇に伴い結晶が溶
解した後、炭酸ガスの供給を再開した。このような操作
を繰返し、半回分的にシードを生成しながら、第2槽へ
シードを含むスラリーをチャージした。第2槽を加圧下
で10℃に保持するよう炭酸ガスを添加し、滞留させな
がらpH8を一定に保ち、結晶化を促進して、メチオニ
ンを含むスラリーとしたスラリーを固液体積一定に(5
0L)保持するように排出して、小型遠心分離機により
固液分離し、結晶を5℃の水で洗浄後、乾燥して、メチ
オニンの結晶を取得した。滞留時間の10倍以降で結晶
は150から200μmで安定的に推移し、含水率16-
19%、残存カリウム濃度は0.04-0.08%であっ
た。
【0039】比較例2 実施例2において、第1槽で核化しない条件に保持する
ように炭酸ガスを断続的に添加し、15℃に保持しなが
ら、第1槽の液を連続的に槽底部より抜出し、第2槽へ
送液した。第2槽を加圧下pH8、10℃になるよう炭
酸ガスを連続的にチャージし、結晶化を進め、スラリー
を連続的に槽底部より抜出した。小型遠心分離機により
固液分離し、結晶を5℃の水で洗浄後、乾燥して、メチ
オニンの結晶を取得した。滞留時間の10倍以降で取得
された結晶は凝集により1500μmまで肥大化し、ま
た一部微粉を含む分布を有し、脱液性が悪く、含水率2
7-30%、残存カリウム濃度は0.5-0.9%で低純度
の結晶であった。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように反応晶析を多段化
し、種晶を調製、添加しながら、晶析槽内の結晶個数を
調整することにより、メチオニンの凝集を抑制し、安定
的に粒径及び粒度分布を制御することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 608 B01D 9/02 608A 609 609A 611 611Z 612 612 615 615A 618 618A 620 620 625 625A 625E C07C 319/28 C07C 319/28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチオニンの製造工程中、メチオニン含む
    水溶液からメチオニンを晶析させ固液分離する連続又は
    半連続工程において、媒晶剤共存下、種晶を連続的又は
    半連続的に添加し結晶を析出させた後、連続的又は半連
    続的に結晶を抜き出し固液分離することを特徴とするメ
    チオニンの結晶粉体物性の制御方法。
  2. 【請求項2】メチオニンを含む溶液を晶析させる工程が
    多段階連続工程であることを特徴とする請求項1記載の
    メチオニンの結晶粒径制御方法。
  3. 【請求項3】メチオニンを含む溶液からメチオニンを晶
    析させる工程が、メチオニンの金属塩を酸性ガスにより
    中和しながら析出させる反応晶析であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のメチオニン結晶粉体物
    性の制御方法。
  4. 【請求項4】メチオニンを含む溶液がメチオニンの過飽
    和溶液であることを特徴とする請求項1〜請求項3いず
    れかに記載のメチオニン結晶粉体物性の制御方法。
  5. 【請求項5】媒晶剤がグルテンであることを特徴とする
    請求項1〜請求項4いずれかに記載のメチオニン結晶粉
    体物性の制御方法。
  6. 【請求項6】グルテンの量がメチオニン金属塩含有水溶
    液に含まれるメチオニンの重量に対して0.05〜0.
    5重量%であることを特徴とする請求項5記載のメチオ
    ニン結晶粉体物性の制御方法。
  7. 【請求項7】メチオニンの結晶平均粒径が100〜60
    0μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項
    5いずれかに記載のメチオニン結晶粉体物性の制御方
    法。
  8. 【請求項8】種晶を連続的又は半連続的に添加し結晶を
    析出させる工程の温度が、5℃〜30℃の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項5及び請求項7いずれ
    かに記載のメチオニン結晶粉体物性の制御方法。
  9. 【請求項9】種晶を連続的又は半連続に添加し結晶を析
    出させる工程の温度が、10℃〜20℃の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項8記載のメチオニン結晶粉体物性
    の制御方法。
  10. 【請求項10】種晶を連続的に添加し結晶を析出させる
    工程のpHが7.0〜9.0の範囲であることを特徴と
    する請求項1〜請求項5及び請求項7〜請求項8いずれ
    かに記載のメチオニン結晶粉体物性の制御方法。
  11. 【請求項11】種晶を連続的に添加し結晶を析出させる
    工程のpHが7.5〜8.5の範囲であることを特徴と
    する請求項10に記載のメチオニン結晶粉体物性の制御
    方法。
  12. 【請求項12】メチオニン結晶の粒度分布曲線におい
    て、幾何標準偏差値が2以下であることを特徴とする請
    求項1〜請求項5、請求項7〜請求項8及び請求項10
    いずれかに記載のメチオニン結晶粉体物性の制御方法。
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