JP3852489B2 - L−アスパラギン酸結晶及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なL−アスパラギン酸結晶に関する。L−アスパラギン酸は食品添加物、医薬用原料として有用である。L−アスパラギン酸結晶は通常、反応により得られたL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を硫酸により晶析することにより得られる。ここで得られる結晶は柱状のしっかりとしたものであるが、硫酸による晶析の場合は、産業的価値の低い硫酸アンモニウムを多量に副生することとなる。
【0002】
【従来の技術】
そこで、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液にL−アスパラギン酸アンモニウムの原料となるマレイン酸を添加し、L−アスパラギン酸を晶析、回収する方法(EP127940)が提案されている。この方法は副生するマレイン酸アンモニウムを原料として有効に利用することができるので望ましい方法である。しかし、この晶析においては、得られるL−アスパラギン酸の結晶は板状のもので柱状のしっかりしたものは得られなかった。従って、後に続く固液分離、リンスで充分な洗浄効果が得られず、粒子に母液が付着残留し、最終的に得られるL−アスパラギン酸の純度は不充分なものしか得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液にマレイン酸を添加し、L−アスパラギン酸を晶析、回収する方法において、晶析の後工程である固液分離時の液切れおよびリンス時の洗浄効果が良好である、新規な結晶のL−アスパラギン酸を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、不純物として0.01〜3重量%のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を含有し、且つ光学顕微鏡写真を画像処理して求めた絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SLP値)の平均値が1.4以上である柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶に存する。
本発明の他の要旨は、晶析槽内にL−アスパラギン酸スラリーを保持しつつ、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液及びマレイン酸または無水マレイン酸を供給し、かつ晶析槽から供給したL−アスパラギン酸アンモニウムから晶出したL−アスパラギン酸を含むスラリーを抜出す連続晶析法によりアスパラギン酸スラリーを生成させ、抜出したスラリーからL−アスパラギン酸を回収することを特徴とする柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶の製造方法に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の方法を詳述する。
本発明のL−アスパラギン酸結晶は、任意の合成法により得られたL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液をマレイン酸または無水マレイン酸により晶析して回収されるものを対象とする。本発明で特定する結晶は構造的に柱状結晶であり、晶析工程及び洗浄工程などにおける固液分離性に優れたものである。
本発明の結晶におけるサイズは、通常、幅が20〜200μm、好ましくは30〜100μm、長さが30〜300μm、好ましくは50〜200μmであり、また、幅が2〜30μmである。更に本発明では、絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SLP値)の平均値[光学顕微鏡写真を画像処理して求めた値]が1.4以上、好ましくは1.5〜3.0であることが必要である。要するに、この値を満足する柱状結晶の場合に、固液分離性の優れた結晶となり得るのである。
【0006】
なお、本発明の結晶は、マレイン酸または無水マレイン酸によって晶析されているため、結晶混合物中に不純物として若干のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸が含有されることとなるが、これは晶析後の洗浄により相当程度低下させることができる。しかし、通常、結晶混合物中に0.01〜3重量%のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を不純物として含有することを許容するものである。
【0007】
本発明で特定するL−アスパラギン酸結晶を得るための方法としては、例えば、マレイン酸または無水マレイン酸による晶析方法及び晶析条件を調節することにより得られるが、代表的には、連続晶析法によって特定温度で晶析することにより得ることができる。この晶析方法につき以下、説明する。
【0008】
[L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液]
L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液としては、フマル酸アンモニウム水溶液から酵素反応により得られたものでも、マレイン酸アンモニウム水溶液から酵素反応により得られたものでも良い。
フマル酸アンモニウム水溶液からL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵素反応により得る方法としては、アスパルターゼあるいはアスパルターゼを産生する微生物で酵素処理する方法が広く知られているが、種々の処理方法のうち特に限定されるものではない。
【0009】
一方、マレイン酸アンモニウム水溶液からL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液を酵素反応により得る方法としては、二種類の酵素すなわちマレイン酸イソメラーゼとアスパルターゼもしくはそれらを産生する微生物で逐次又は同時に酵素処理する方法があるが、処理方法は特に限定されるものではない。
また、マレイン酸アンモニウム水溶液としては、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液からマレイン酸を添加することによりL−アスパラギン酸を晶析回収する際副生するマレイン酸アンモニウム水溶液を用いることも、合成により得られたものを用いることもできる。
【0010】
L−アスパラギン酸アンモニウム濃度は、溶媒である水に対して、50〜800g/l、好ましくは100〜500g/lである。濃度が低すぎるとL−アスパラギン酸回収率が低く、また逆に高すぎると晶析時のスラリー濃度が上がり操作に支障をきたす。また、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液は、主にL−アスパラギン酸モノアンモニウムからなるが、一部アスパラギン酸ジアンモニウム、アスパラギン酸を含み、そのpHは6〜10である。
【0011】
[マレイン酸]
加えるマレイン酸は、粉末でも、水溶液でも、スラリーでもよい。水溶液で用いるときの濃度は、飽和溶解度以下であれば良いが、通常80重量%以下、例えば好ましくは60〜10重量%である。なお、無水マレイン酸を加えても晶析系内でマレイン酸となるので、両者は同様なものとして扱うことができる。
【0012】
[L−アスパラギン酸連続晶析]
晶析は、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸を連続的に供給して行う。この方法は重要な操作法であり、回分式の晶析法では本発明で規定する結晶は得られ難い。
晶析槽は、ドラフトチューブをもつたて型円筒の循環槽型の晶析槽が望ましい。晶析槽の深さ(L)と内径(D)の比L/D、及びドラフトチューブサイズは、スラリーが循環する範囲であれば特に限定されないが、一般に晶析槽のL/Dは1〜3、ドラフトチューブサイズは、晶析槽内径に対し0.4〜0.8、L/Dは0.5〜4程度である。またスラリーの循環をよくするため、ドラフトチューブと共に、邪魔板を用いても良い。邪魔板は晶析槽の外壁に垂直方向に設置し、スラリーの上下循環を助けるもので、サイズ、枚数等は特に限定されるものではない。
【0013】
晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸を連続的に添加するとともに、生成したL−アスパラギン酸スラリーは連続的または間欠的に抜き出す。通常は、生成したL−アスパラギン酸スラリーの抜き出しは、晶析槽における平均滞留時間が通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間になるよう行うことが望ましい。滞留時間が短すぎると晶析槽内でL−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸アンモニウム、マレイン酸、マレイン酸アンモニウムが平衡濃度に到達せず、L−アスパラギン酸回収率が充分でない。逆に滞留時間を長くしすぎてもL−アスパラギン酸回収率、粒子性状、サイズには大差がなく、無意味に晶析槽が大きくなるだけである。
【0014】
添加するマレイン酸の量はL−アスパラギン酸アンモニウムに対し通常0.5〜1.1モル倍望ましくは0.6〜1.0モル倍である。本発明における晶析槽内のpHは通常3〜5の範囲にコントロールするのが好ましい。
晶析は10〜90℃、好ましくは20〜80℃で行う。低温下でL−アスパラギン酸の晶析を行うと、小粒径のL−アスパラギン酸しか得られないために、後に続く固液分離、リンスで充分なリンス効果が得られず、母液が粒子に付着残留し、純度の低下を招く。一方90℃以上の高温下で晶析を行っても、得られるL−アスパラギン酸粒子形状、サイズに大差がなく意味が無い。
【0015】
必要に応じてL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸から得られたL−アスパラギン酸スラリーをさらに冷却することによりL−アスパラギン酸回収率を上げることもできる。この際の冷却温度は0〜60℃、好ましくは10〜50℃である。
上記晶析法において、回分晶析とは明らかに形状の異なる柱状のL−アスパラギン酸結晶が得られる理由については今のところ明確ではないが、おそらくL−アスパラギン酸結晶の各面における結晶成長速度が過飽和度により異なるためと考えられる。すなわち予めL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液が仕込まれ、L−アスパラギン酸結晶の存在しない晶析槽にマレイン酸を添加し、L−アスパラギン酸を晶析する回分晶析法では、過飽和度が大きい晶析操作となるのに対し、既にL−アスパラギン酸結晶が存在する晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液およびマレイン酸を連続的に添加し、さらにL−アスパラギン酸を晶析する連続晶析では、過飽和度の小さい晶析操作が可能となる。従って回分晶析と連続晶析とでは過飽和度の異なる晶析操作となり、得られるL−アスパラギン酸結晶の各面における結晶成長速度に差が生じこの様な形状の差になるものと考えられる。
【0016】
[固液分離]
晶析で得られたスラリーは、固液分離してL−アスパラギン酸ウェットケーキおよび濾液を回収する。分離操作は、ヌッチェ、遠心分離等の常法により行う。操作は通常、0〜60℃、好ましくは10〜50℃で行う。温度が高すぎると母液中に溶解して残存するアスパラギン酸量が多くなり好ましくない。
本法で得られたスラリーは、従来の回分晶析で得られたスラリーに比べ固液分離性がよく、濾液のL−アスパラギン酸ウェットケーキへの随伴が少なく、乾燥後、高純度のL−アスパラギン酸製品を得ることができる。
【0017】
さらに高純度のL−アスパラギン酸を得るには水でリンスしても良い。リンスに用いる水の量は、特に限定するものではないが、ウェットケーキに対して0.05〜20重量倍以下、通常0.1〜10重量倍以下、好ましくは0.2〜5重量倍以下である。リンス量が少ないと洗浄効果が充分でなく、逆に多すぎても洗浄効果に差が見られないばかりか、L−アスパラギン酸ロスにつながる。
【0018】
本発明のL−アスパラギン酸結晶と、回分晶析で得られるL−アスパラギン酸結晶の光学顕微鏡写真を比較すると、本発明のは明らかに後者よりも縦、横比が大きい柱状粒子である。さらに光学顕微鏡写真の任意の部分の約100個の粒子を画像解析することにより得られる絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SLP)は1.4〜3(平均値)である。この様に回分法と連続法で得られる結晶形状が変化するのは意外なことである。
【0019】
[乾燥]
固液分離で得られたL−アスパラギン酸ウェットケーキは、乾燥し、L−アスパラギン酸製品を得る。乾燥方法は、特に限定されるものではなく、温風乾燥、流動層乾燥等の常法により行う。また乾燥は常圧で行っても、減圧で行っても良く、その温度は、通常20〜150℃で行う。得られたL−アスパラギン酸組成は、晶析条件、固液分離条件およびリンス条件により異なるが、晶析濾液由来のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を含有し、その量は通常0.01〜10重量%である。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
尚、L−アスパラギン酸およびマレイン酸、フマル酸の分析は、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。粒子中のアンモニアについてはイオンクロマトグラフィーによって定量した。粒子形状を規定するパラメータであるSLP値は、結晶約100個からなる粒子群を光学顕微鏡(80倍)で何枚かに分け撮影し、それらを日本アビオニクス(株)社製高速カラー画像解析装置SPICCAにより、解析、統計処理した。また粒度分布の測定は篩い分級により行った。
【0021】
[実施例1]
濃度225g/lのアスパラギン酸アンモニウム水溶液を、攪拌機、邪魔板およびドラフトチューブを持つ5lジャケット付セパラブルフラスコ(フラスコ1)に3l仕込み、ジャケットに温水を流し80℃で保温した。液がフラスコ1内を循環するように攪拌しながら、濃度225g/lアスパラギン酸アンモニウム水溶液を2500ml/hrで、また40重量%マレイン酸水溶液を979g/hrで連続的に添加すると共に、フラスコ1内液量が3l一定となるよう、フラスコ1からスラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだした。
【0022】
抜きだしたスラリーは、予め3lの水を仕込み、30℃で保温された邪魔板を持つ5lジャケット付セパラブルフラスコ(フラスコ2)に連続添加した。フラスコ2は、冷水を流すことにより30℃で保温し、また内液量が3l一定となるよう、スラリーポンプを用い連続的にスラリーを抜きだした。
約7時間連続運転を続け、その後フラスコ2から抜きだしたスラリーを10分間サンプリングした(サンプリング量は500mlであった)。引き続きサンプリングを同様に1回行った。
【0023】
一方のスラリーはバスケット径が100mmφであるバスケット型遠心分離器(SANYO RIKAGAKUKIKI SEISAKUSYO Centrifugal Filter SYK−3800−SA)およびパイレンS−26よりなる濾布を用い、3000rpm(500G)にて、5分間振り切った。得られたウェットケーキ重量は81gであった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、縦、横比の大きい柱状結晶であった。
【0024】
ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥したところ、72gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水率は、11重量%であった。
得られた固体は、マレイン酸アンモニウムを2.1重量%含有するL−アスパラギン酸であった。また形状を表すSLP値は1.8(平均長196μm、平均幅111μm)であった。
【0025】
[参考例1]
実施例1でサンプリングしたスラリーを、実施例1と同様にしてウェットケーキを得た。次に、このケーキに均一に純水40ccをかけリンスを行い、さらに5分間遠心分離を行い水を振り切った。ここで得られたウェットケーキ重量は80gであった。
【0026】
ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥したところ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水率は、11重量%であった。
得られた固体は、マレイン酸アンモニウムを0.6重量%含有するL−アスパラギン酸であった。また、結晶サイズは実施例1とほぼ同じであった。
【0027】
[比較例1]
予め濃度225g/lのアスパラギン酸アンモニウム水溶液2500mlを、5lジャケット付きセパラブルフラスコに仕込み、該フラスコの外部でジャケットに温水を流すことで80℃に保温し、攪拌下40重量%マレイン酸水溶液979gを約3時間かけ一定速度で添加した。マレイン酸水溶液を添加後、攪拌を続けながら約1時間80℃で保温した後、3時間かけ、30℃まで冷却し、さらに1時間保温した。
【0028】
得られたスラリーのうち500mlを実施例1と同様にしてウェットケーキを得た。得られたウェットケーキ重量は87gであった。ウェットケーキの一部を顕微鏡で観察すると、縦、横比の小さい板状粒子であった。
ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥したところ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水率は、18重量%であった。
得られた固体は、マレイン酸アンモニウムを3.4重量%含有するL−アスパラギン酸であった。また形状を表すSLP値は1.3、平均径は140μmであった。
【0029】
[比較参考例1]
比較例1で得られたスラリーのうち500mlを実施例1と同様にしてウェットケーキを得た。次にこのケーキに均一に純水40ccをかけリンスを行い、さらに5分間遠心分離を行い水を振り切った。ここで得られたウェットケーキ重量は86gであった。
【0030】
ウェットケーキを減圧下、60℃で乾燥したところ、71gの白色固体を得た。ウェットケーキ含水率は、17重量%であった。
得られた固体は、マレイン酸アンモニウムを1.0重量%含有するL−アスパラギン酸であった。また、結晶サイズは破損により比較例1よりも小さいものとなった。
上記実施例1、参考例1及び比較例1、比較参考例1の結果を下記第1表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
上記、第1表の結果から、本願発明の新規な形状の柱状のアスパラギン酸結晶は、晶析後の固液分離性が良いためマレイン酸アンモニウム含量が低くなり、更に、リンス後のアスパラギン酸に含まれるマレイン酸アンモニウム含量も低くなり、得られるアスパラギン酸の純度が高いものである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液から、柱状のL−アスパラギン酸結晶が得られ、これにより、晶析後の固液分離及びリンスの効果が改善でき、高純度のアスパラギン酸の製造を可能とすることができる。
Claims (8)
- 不純物として0.01〜3重量%のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を含有し、且つ光学顕微鏡写真を画像処理して求めた絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SLP値)の平均値が1.4以上である柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶。
- L−アスパラギン酸アンモニウム水溶液からマレイン酸または無水マレイン酸によって晶析することにより得られたL−アスパラギン酸結晶であって、不純物として0.01〜3重量%のマレイン酸アンモニウムおよび/またはマレイン酸を含有し、且つ光学顕微鏡写真を画像処理して求めた絶対最大長(ML)と幅(MW)の比(SLP値)の平均値が1.4以上である柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶。
- 結晶幅が20〜200μm、結晶長さが30〜300μm及び結晶厚さが2〜30μmである柱状結晶からなる請求項1又は2記載のL−アスパラギン酸結晶。
- SLP値の平均値が1.5〜3.0である柱状結晶からなる請求項1ないし3のいずれかに記載のL−アスパラギン酸結晶。
- 晶析槽内にL−アスパラギン酸スラリーを保持しつつ、晶析槽にL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液及びマレイン酸または無水マレイン酸を供給し、かつ晶析槽から供給したL−アスパラギン酸アンモニウムから晶出したL−アスパラギン酸を含むスラリーを抜出す連続晶析法によりアスパラギン酸スラリーを生成させ、抜出したスラリーからL−アスパラギン酸を回収することを特徴とする柱状結晶からなるL−アスパラギン酸結晶の製造方法。
- 晶析槽における滞留時間が0.5〜5時間となるように晶析槽にL−アスパラギン酸水溶液およびマレイン酸または無水マレイン酸を供給することを特徴とする請求項5記載のL−アスパラギン酸結晶の製造方法。
- 晶析槽内のpHを3〜5に維持することを特徴とする請求項5又は6に
記載のL−アスパラギン酸結晶の製造方法。 - 晶析槽内の温度を10〜90℃に維持することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のL−アスパラギン酸結晶の製造方法。
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