JP2714461B2 - ラセミ体混合物からl―異性体の単離方法 - Google Patents

ラセミ体混合物からl―異性体の単離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) アミノ酸はヒトの食物および動物試料の双方で重要な
添加物であり、これらの製造および精製は多くの食品産
業に対し絶対に必要となった。多数のアミノ酸は化学的
に、又はブロスから所望アミノ酸の分離および単離を必
要とする醗酵方法を通して製造される。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 多数のアミノ酸は2つの光学的活性の光学的対掌体、
L−およびD−異性体として存在する。化学的加工中製
造されるこれらのラセミ体混合物からこの2つを分離す
ることはしばしば多くの適用で選択される。例えばL−
フェニルアラニンは一般的にはジペプチド甘味料アスパ
ルテーム、当業界で公知のアルファ−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステル(APM)の成分
である。ジペプチドはアスパラギン酸およびフェニルア
ラニンの2つのL−異性体から成る場合甘味を有する
が、これらのD−L、L−D、D−D光学的対掌体は甘
味を有しなことも知られている。さらに、D−フェニル
アラニンを含有する任意の光学的対掌体は甘味料として
価値がない。
アスパルテームはいくつかの生化学的方法のうち任意
の1方法により合成できるが、これらは一般にカップリ
ング反応を含み、それによってアスパラギン酸はフェニ
ルアラニン又はそのメチルエステルと結合する。従っ
て、最終生成物はその光学的対掌体および、未反応フェ
ニルアラニンおよびアスパラギン酸から分離しなければ
ならない。非−甘味エステルを加水分解し、フェニルア
ラニンを回収することによりL−フェニルアラニンを保
全することは経済的に有利である。しかし、APMを製造
し、残存フェニルアラニンを回収するために使用する各
種化学処理工程中いくらかのL−フェニルアラニンはラ
セミ化する。従って、このフェニルアラニンを回収する
場合、これはいくらかのD−異性体を含有する。D−異
性体はジペプチド甘味料の製造に利用できないので、ラ
セミ混合物からできるだけ経済的いL−フェニルアラニ
ン異性体を分離できることは有用である。
ラセミ体がL−異性体をD−異性体より多く含む場
合、ラセミ体混合物からアミノ酸の純粋L−異性体を結
晶化し、単離することは本発明の目的である。特に、L
−およびD−形の双方から成るラセミ混合物から純粋L
−フェニルアラニンを得ることが本発明の目的である。
L−およびD−異性体の各種分離方法が既知であり、
総称的には分割を意味する。D,L−混合物を分割するも
っとも通常的方法は、分割剤として既知の光学的活性化
合物とこれらを併せ、次いで溶液中の化合物(ジアステ
レオマー)の形成混合物を分別結晶化することを含む。
実際的分割では、ジアステレオマー間に明白な溶解度の
差を有する良好な結晶化挙動を与える分割剤および溶媒
の組み合せを見出すことが必要である。アミノ酸の分割
に適用するこの技術の例はエムミック,アール.,の米国
特許第2,556,907号およびロジャース,エー.,の米国特
許第2,657,230号明細書にある。これらの特許はD,L−リ
ジンを分割する方法を論じ、光学的に活性のグルタミン
酸を分割剤として使用する。
さらに最近になって、フェニルアラニンはそのジアス
テレオマーの酵素加水分解により分割された。酵素キモ
トリプシンは選択的にL−フェニルアラニンエステルを
加水分解する。従ってL−フェニルアラニンはD,L−フ
ェニルアラニンエステルの混合物から回収される。この
方法の例はエムピー,エム.,のヨーロッパ特許出願第EP
174,862号(8/17/84)明細書である。
しかし、上記先行技術方法は、フェニルアラニン誘導
体を形成して所望の異性体を単離するために化学的又は
酵素的反応又はこれらのいくつかの組み合せにおいて分
割剤の使用を含む付加的工程を醗酵工程の他に必要とす
る。本発明はラセミ体混合物からL−異性体を分離し、
同じ工程で、分割剤、当該アミノ酸の誘導体を次に形成
する必要なしに、そして酵素反応を使用せずに他のアミ
ノ酸塩などから精製することができる。
(課題を解決するための手段) アミノ酸異性体のD,L混合物からL−異性体の選択的
結晶化方法を記載する。特に、L−フェニルアラニンの
選択的結晶化方法を示す。さらにラセミ体の異性体を結
晶化し、分離することによりL−フェニルアラニンの豊
富な母液を製造し、次にこの液からL−フェニルアラニ
ンを選択的に結晶化する方法を記載する。純粋L−フェ
ニルアラニンは真空下に約5.0〜65℃の温度でラセミ体
から結晶化でき、その場合結晶化後溶液に残存するD−
フェニルアラニンはフェニルアラニン全量の約7.0%以
下である。約50%D−および50%L−フェニルアラニン
から成るラセミ体結晶は上記温度でラセミ体から結晶化
でき、その場合結晶化後溶液中に残存するD−フェニル
アラニンンはフェニルアラニン全量の約7.0%以上であ
る。結晶化条件は純粋L−フェニルアラニン又は50%ラ
セミ体結晶の所望組成を保証するためにゆっくりした結
晶成長および結晶の熟成を含まねばならない。D−異性
体対全フェニルアラニン比が約7.0%以上である場合、
D−フェニルアラニンによる汚染が7.0%未満のL−フ
ェニルアラニンをさらに沈澱させるには、溶液に純粋L
−フェニルアラニンを播種し、次いで熟成時間を置き、
次にゆっくり結晶化させる場合、約5.0〜55.0℃で可能
である。
本発明はフェニルアラニンのD−およびL−異性体が
2つの異性体のいずれかが単独で存在するのと同様に半
分のみが溶解するフェニルアラニンのラセミ結晶を形成
するために組み合せる。過剰のL−フェニルアラニンの
存在はD,L−フェニルアラニン複合体の溶解度を減少す
る。驚くべきことにこの効果に限界がある。この限界は
溶液のある温度範囲又は全体のフェニルアラニンの溶液
濃度下でD−フェニルアラニン対全フェニルアラニン
(D/T)のほとんど同じ相対比で起こる。この現象は
「限界比」、又は「等飽和点」として引用する。この限
界で、溶液の物理的状態はL−フェニルアラニンおよび
D,L−フェニルアラニン複合体により飽和していると記
載できる。
驚くべきことに、限界比以下の比較的近いD−フェニ
ルアラニンレベルで、純粋のL−フェニルアラニン結晶
は蒸発による結晶化により沈澱する。この沈澱はD−フ
ェニルアラニンの相対的溶液濃度が溶液中に全フェニル
アラニンの約7.0%(D/全体≧7.0%)に達するまで継続
する。純粋L−フェニルアラニンは、結晶化前にD/Tは
7.0%より小さく、結晶後D/Tは溶液中に約7.0%になる
ように、真空下で約5.0〜65℃の温度でラセミ体から結
晶化できる。
ラセミ体混合物中の一層高いD−フェニルアラニンの
相対的濃度で、すなわちD/T>7.0%である場合、ラセミ
体D,L結晶はD−フェニルアラニンの相対的濃度が約7.0
%に減少するまで蒸発結晶化により沈澱する。約50%D
−および50%L−フェニルアラニンから成るラセミ体結
晶は、結晶化前にD/Tが7.0%以上で、結晶化後D/Tが溶
液中に約7.0%より大きいか又は等しい場合、約5.0〜10
0℃でラセミ体混合物から結晶化できる。純粋L−フェ
ニルアラニン結晶又は50%ラセミ体結晶の所望組成を保
証するために、結晶化および結晶の熟成はゆっくりした
割合で行なうべきである。
第1図はラセミ体の沈澱による溶液相のL−フェニル
アラニンの豊富化を説明する。各種重量のフェニルアラ
ニンを水に添加し、水の容量は試料の溶解度1にし
た。溶液は約50℃に冷却し、次いで濾過した。フェニル
アラニン試験バッチは17.35%D−フェニルアラニン
(すなわち、D−異性体高濃度)であった。x軸は溶液
から沈澱したフェニルアラニン%である、y軸は形成溶
液相のフェニルアラニンの比旋光度である。フェニルア
ラニンの形成溶液濃度はすべての場合はほとんど等し
く、約45g/であった。これは等飽和点又は溶液のD/T
の限界比の存在を支持する。何故なら溶液中のフェニル
アラニンの比旋光度はフェニルアラニンの沈澱が多くな
る程上昇するが、しかしある点までしか上昇しないから
である。
第2図では、出発溶液は等飽和点であった。固定相の
フェニルアラニンの比旋光度(S.R.)は溶液相のものと
比較できる。低蒸発比では、フエニルアラニンの比旋光
度はいずれの相でも同じである。液体および固体相の組
成は等飽和点における溶液に関しては従って等しいまま
である。ラセミ化がそれ以上の濃度で起こることは予測
できないことであった。さらに、ラセミ化の度合いは蒸
発度に比例する。溶液相のS.R.は蒸発度により変化しな
い。この事実は等飽和点又はD/Tの限界比の存在を支持
する。
D/Tが約7.0%である場合、溶液からフェニルアラニン
のそれ以上の沈澱は異性体の相対的溶液濃度を維持す
る。従って、L−フェニルアラニンの過剰の光学的対掌
体を有するラセミ体溶液は、純粋なL−フェニルアラニ
ンか、50%D−および50%L−フェニルアラニンから成
るラセミ体か、又は2つの結晶組成物の混合物のいずれ
かを生成する。
しかし、結晶相の組成は動力学因子により達成でき
る。結晶化方法を確立できるラセミ体結晶がほとんどな
いか又は全くなく、しかし過剰のL−フェニルアラニン
結晶が存在する場合、L−フェニルアラニンを結晶化さ
せ、溶液中のD−フェニルアラニンの相対的濃度を増加
させる。純粋L−フェニルアラニンの存在下の熟成はL
−フェニルアラニンの結晶化および溶液中のD−フェニ
ルアラニンの相対的濃度の上昇に有である。D−対全フ
ェニルアラニンの比が約7.0%である場合、L−フェニ
ルアラニンのそれ以上の沈澱は7.0%より少ないD−フ
ェニルアラニンについて約5.0〜55℃で可能である。そ
の場合、溶液は純粋L−フェニルアラニンを播種し、次
いで熟成し、次にゆっくり結晶化させる。
(1)純粋L−フェニルアラニンの沈澱、(2)50%
D−および50%L−フェニルアラニンから成るラセミ体
の沈澱および(3)選択的結晶化の方法を組み合せるこ
とにより、50%より少ないラセミ体から過剰のL−フェ
ニルアラニンを分離することができる。分離結果は一方
ではほとんど50%のラセミ体および他方ではほとんど純
粋のL−フェニルアラニンである。従って、D−フェニ
ルアラニンの少ない任意のレベルでラセミ体を作ること
ができる。
出発物質中のD−フェニルアラニン対結晶生成物中の
D−フェニルアラニンおよび対母液中のD−フェニルア
ラニンの関係のモデルは次の方程式に存在する。出発物
質が非常に低いD/Tを有する場合、この方程式はさらに
沈澱を進行させることによりD−フェニルアラニンが許
容しえない程多くなる前にどの位L−フェニルアラニン
を沈澱させうるかを予測するために使用できる。非常に
高いD/Tでは、母液のL−フェニルアラニンを最高に豊
富化するためにどの位ラセミ体を沈澱させうるかを予測
できる。
%Dt=%Dp(%P)−0.07(%S) 式中、 %Dt=出発物質のD−フェニルアラニンの相対%、 %Dp=生成物のD−フェニルアラニンの相対%、 %P=生成物中の出発物質の%、 %S=溶液に残留する出発物質の%、および 0.07=等飽和点におけるD−フェニルアラニンの相対
%の見積り。
例えば、出発物質が3%のD−フェニルアラニンを含
有し、1.5%のD−フェニルアラニンが生成物に許容さ
れる場合、生成物として出発物質の約73%を溶解し、再
沈澱できる。別の態様では、出発物質が30%のD−フェ
ニルアラニンを有し、ラセミ体は47%のD−フェニルア
ラニンを含有することが予期される場合、L−フェニル
アラニン豊富化溶液の回収はラセミ体生成物として出発
物質の約57.5%を溶解し、沈澱させることにより7.0%
で最高化できる。
本発明の別の態様は選択的結晶化によりラセミ体混合
物からL−フェニルアラニン豊富化画分の回収である。
ラセミ体混合物は上記節第2例におけるように創造でき
るL−フェニルアラニン豊富化母液である。この方法は
L−フェニルアラニン種子の添加および種子結晶の熟成
時間を含む。この方法は沈澱中のL−フェニルアラニン
の豊富化に有利であり、2つの結晶の生長の相対的割合
に影響する。
第3図は上記方法論を商業的方法に如何に組み合せる
かを示す一般図である。出発物質はアスパルテーム(AP
M)母液から回収したD,L−フェニルアラニンである。D,
L−フェニルアラニンは溶解タンクに入れ、任意の再循
環母液と組み合せる。L−フェニルアラニンの大部分を
溶液に確実に溶解するために、溶液は約60〜100℃、好
ましくは95〜100℃の上限に加熱する。次にラセミ体を
すべて溶解せずに別な仕方で約50%D−フェニルアラニ
ンラセミ体からL−フェニルアラニンを溶解することが
できる。溶液を冷却し、ラセミ体を除去すると、L−フ
ェニルアラニン豊富化母液が残る。ラセミ体を除去する
温度は熟成中の結晶槽の温度と略々同じであるべきであ
る。ダルコ炭素を任意には添加し、溶解タンクの溶液と
混合できる。炭素はラセミ体と一緒に除去でき、二者は
当業者に既知のダルコプレスのような任意の標準濾過装
置により除去できる。母液の炭素処理は結晶化を妨害
し、L−フェニルアラニン生成物の品質を低下できる不
純物を除去する。
溶解タンクに組み入れるフェニルアラニン量は出発物
質および再循環母液双方のD−フェニルアラニン濃度を
考慮して計算しなければならない。これら組み合せに起
源のD/Tは次の方程式の%Dである。L−フェニルアラ
ニン豊富化母液を製造するために除去するラセミ体は方
程式のDL−ロスである。この%は溶解タンクに組み入れ
ねばならない結晶槽中の所望の溶液濃度を得るために必
要な上記フェニルアラニン量である。この方程式は母液
が7.0%D−フェニルアラニンを含有すると概算される
場合およびラセミ体が47%D−フェニルアラニンを含有
すると概算される場合上記方程式から誘導される。
DL−ロス%=[(%D×100)−700]/40 例えば、出発物質が30%D−フェニルアラニンおよび
ラセミ体を有する場合、この物質の57.5%はラセミ体と
して沈澱する。これは熟成温度が50℃である場合の上記
例の場合であり、この場合所望の溶液濃度は約45g/で
ある。従って溶解タンクに組み入れる濃度は106g/あ
る。
L−フェニルアラニン豊富化母液を結晶槽に移す前に
結晶槽及び移送ラインは熟成温度より僅かに高い温度に
加熱すべきである。何故ならラセミ体溶液のいずれかの
部分の突然の冷却は誤った結晶タイプの形成を生じうる
からである。
母液の結晶槽に移すと、次に溶液から純粋L−フェニ
ルアラニンの沈澱を開始させるために純粋L−フェニル
アラニンの豊富な用量を播種する。次いでツイーン界面
活性剤を添加し、熟成させる。熟成温度は約45.0〜65.0
℃が好ましいが、約20.0〜65.0℃の範囲でより。熟成は
その後溶液から晶出するL−フェニルアラニンの純度を
改良する。ツイーンはいくらかの隙間の水を除去する。
結晶は溶液をゆっくり冷却することにより形成させる。
こうして形成したL−フェニルアラニン結晶は遠心分
離し、約15.0〜25.0℃、好ましくは20.0℃に冷却した母
液から取り出す。結晶はこれらが沈澱する時に取り出
す。この方法で結晶の取り出しに失敗すると手に余る濃
厚スラリーを形成する。結晶化中母液は遠心分離機から
結晶槽に再循環して結晶の回収を最高にする。結晶化が
完了し、それ以上の結晶を回収できない場合、母液は次
のバッチに対し溶液タンクに再循環する。方法を反復す
る前に結晶槽、遠心分離機および処理ラインを洗滌して
残留結晶を除くことが重要である。洗液は廃棄できる。
何らかの残留結晶が存在すると次に選択的結晶化を妨害
することができる。
本発明の他の態様はラセミ体からL−フェニルアラニ
ンおよび醗酵ブロスからL−フェニルアラニンを同時回
収することである。L−フェニルアラニンは蒸発結晶化
し、次に再溶解し、炭素により溶解フェニルアラニンを
処理して不純物を除去し、再結晶化することにより回収
する。各結晶化で母液が残り、その全部又は一部は廃棄
する廃棄母液はD−フェニルアラニンのブリードとして
使用できる。必要な最高ブリードは回収中生成し、回収
流に添加されるすべてのD−フェニルアラニンが廃棄液
と一緒に残留するようなものである。廃棄液のD−フェ
ニルアラニンがこの流の全体のフェニルアラニンの7.0
%より多くない(すなわち、D/T≦7.0%)場合、これは
達成できる。いくつかの条件下では、母液のD/Tは高く
なりうる。
純粋L−フェニルアラニンはラセミ体として存在する
フェニルアラニンをその塩に転換することにより母液か
ら回収することもできる。これを行なうことにより、50
%D−フェニルアラニンラセミ体の溶解度は増大する。
例えばラセミ体の溶解度は次の各条件下で増大する: (1)NaOHを使用して50%ラセミ体溶液のpHを上げる場
合、 (2)NaHCO3を添加し、加熱して50%ラセミ体のナトリ
ウム塩を形成する場合、 (3)酢酸を使用して50%ラセミ体溶液のpHを下げる場
合。
ナトリウム塩として、ラセミ体は同一条件下で純粋L−
フェニルアラニンの2倍溶解する。高濃度の塩はラセミ
体の溶解度を明白に増加させることができる。
しかし、選択的結晶化を行なわずに、上記条件下で沈
澱する過剰のL−フェニルアラニンは純粋ではなく、通
例結晶化前の溶液のD/Tと比較してごく僅かに低いD/Tを
有する。
選択的結晶化の原理を使用することにより、過剰のL
−フェニルアラニンは純粋L−フェニルアラニンとして
沈澱させることができ、廃棄流のD/Tは7.0%を超すこと
ができる。従って、高濃度の硫酸アンモニウムの存在
で、低D/Tラセミ体の蒸発結晶化中、母液の平均D/Tは塩
濃度の増加につれて増加し、純粋L−フェニルアラニン
を回収できる。しかし、母液のフェニルアラニンの全体
の溶解度も減少する。母液の高D/Tの不利は、これらの
溶液はD/Tの増加につれて安定性が低下することで、従
って50%ラセミ体を突然沈澱させて別な仕方で純粋L−
フェニルアラニンを汚染できる。従って、選択的結晶化
による場合でさえ、母液のD/Tは7.0%を高く超えない
(すなわち、D/T≦15.0%)場合最善である。
次例は本発明の好ましい態様を一層良く実証するため
に示す。これらは例示目的のみのもので、特許請求の範
囲に挙げた本発明の精神および範囲を限定するためのも
のではない。
例1 30%のD−異性体を含有するラセミ体混合物を80℃の
温度および約4.5のpHで30g/の濃度に15の水に溶解
した。このpHで、L−フェニルアラニン異性体の非−水
和形が主体を占める。溶液を結晶槽に供給し、溶液5
毎に真空下で55℃で、3.750の水を蒸発除去した。次
に濃縮液は50℃に冷却し、濾過してL−フェニルアラニ
ン豊富な母液を得た。この方法で製造した3つのバッチ
からの母液を併せ、1の水をこの母液に添加した。次
に第2蒸発結晶化は2.75の水を除去するまで真空下で
80℃で行なった。蒸発により付加的2.4の水を除去し
て1gのL−フェニルアラニンを結晶化に対する種子とし
て添加した。この最終濃縮液は濾過し、溶液から沈澱し
た結晶を取り出した。
溶液から濾別した結晶の最初のバッチの重量は273.85
gで、−13.5の比旋光度を有した。これらは予期したよ
うにD,L異性体から成ることが分った。溶液から沈澱し
た結晶の第2バッチの重量は46.17gで、−32.3の比旋光
度を有することが分った。これは99.7%純度のL−フェ
ニルアラニンから成ることが分った。
例2 いくつかのL−フェニルアラニン精製試験を第3図に
概説した回収処理に従って行なった。D,Lラセミ体は3
つの別のロット試験に対し下記するD−フェニルアラニ
ンの相対的濃度で溶解タンクに加えた。次に各ロットは
本発明に従って4サイクルにより処理した。リストの数
字はgである。出発物質のD−フェニルアラニンの相対
的濃度はかっこで示す。
実質的に純粋のL−フェニルアラニンの回収は本発明
方法により予期できることは上記データから明らかであ
る。極端に過剰のL−フェニルアラニン光学的対掌体を
含有する出発物質では、溶液にD−フェニルアラニンを
残し、一方実質的に純粋のL−フェニルアラニンを沈澱
させる等飽和点の原理を適用することができる。出発物
質がL−フェニルアラニンを一層低い相対的濃度で含有
する場合、等飽和点を使用して溶液からD,Lラセミ体結
晶を沈澱させ、L−フェニルアラニンにより豊富化した
母液を残すことができる。次に所望のL−異性体は選択
的結晶化により母液から単離し、精製できる。この方法
は他のアミノ酸の結晶化および精製に、方法に僅かに変
更を加えることにより実用することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は溶液相のL−フェニルアラニンの豊富化を示
す。 第2図はD−フェニルアラニン溶液の蒸発結晶化を示
す。 第3図はラセミ体からL−フェニルアラニンの回収を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−57560(JP,A) 特開 昭63−83056(JP,A) 特開 昭57−70859(JP,A) 特開 昭57−26648(JP,A) 特開 昭50−111033(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】D,Lラセミ体混合物からフェニルアラニン
    の実質的に純粋なL−異性体を単離する方法において、 (a) ラセミ体を溶液状に溶解し、 (b) 溶解しているD−異性体の相対濃度が約7.0%
    になるまで、結晶をゆっくり沈澱させるのに十分な時間
    ラセミ体溶液を蒸発し、 (c) この溶液に十分量のL−異性体結晶をゆっくり
    接種してさらに結晶の沈澱を生じさせることによりフェ
    ニルアラニンのL−異性体を選択的に結晶化させ、 (d) L−異性体結晶を再溶解するのに十分な温度で
    混合物を加熱し、 (e) この混合物を冷却してL−異性体結晶を再沈澱
    させ、そして (f) 溶液からL−異性体結晶を取り出すことを特徴
    とする、 L−異性体の単離方法。
  2. 【請求項2】高L/D異性体比を有するフェニルアラニン
    のラセミ体混合物から実質的に純粋のL−フェニルアラ
    ニン画分を単離する方法において、 (a) ラセミ体を溶液状に溶解し、 (b) 溶液中のD−フェニルアラニンの相対濃度が約
    7.0%に達するまで実質的に純粋のL−フェニルアラニ
    ンをゆっくり沈澱させるための十分な時間溶液を蒸発
    し、 (c) L−異性体結晶をさらに沈澱させるため、この
    溶液に十分量のL−フェニルアラニン結晶をゆっくり接
    種することによりL−フェニルアラニンを選択的に結晶
    化させ、 (d) L−異性体結晶をゆっくり再溶解するのに十分
    な温度で混合物を加熱し、 (e) 混合物を冷却して実質的に純粋のL−フェニル
    アラニン結晶を沈澱させ、そして (f) 溶液から結晶を取り出すことを特徴とする、 L−フェニルアラニンの単離方法。
  3. 【請求項3】低L/D異性体比を有するフェニルアラニン
    のラセミ体混合物から実質的に純粋のL−フェニルアラ
    ニン画分を単離する方法において、 (a) ラセミ体を溶液に溶解し、 (b) 溶液中のD−フェニルアラニンの相対濃度が約
    7.0%に達するまでD,L−フェニルアラニンラセミ体結晶
    を沈澱させるため、十分な時間溶液を蒸発し、 (c) 溶液から沈澱を除去し、 (d) 沈澱を生じさせるために十分量のL−フェニル
    アラニン結晶を溶液にゆっくり接種することにより溶液
    に残留するL−フェニルアラニンを選択的に結晶化さ
    せ、 (e) L−フェニルアラニン結晶をゆっくり再溶解さ
    せるのに十分な温度で溶液を加熱し、 (f) 溶液を冷却して実質的に純粋のL−フェニルア
    ラニン結晶を再沈澱させ、そして、 (g) 溶液から結晶を取り出すことを特徴とする、 L−フェニルアラニンの単離方法。
  4. 【請求項4】次の工程: (a) ラセミ体を溶液状に溶解し、 (b) 溶液中のD−フェニルアラニンの相対濃度が約
    7.0%に達するまで結晶を沈澱させ、 (c) さらにL−異性体結晶の沈澱を生じさせるため
    に十分量のL−フェニルアラニン結晶を溶液にゆっくり
    接種することによりL−フェニルアラニンを選択的に結
    晶させ、 (d) L−異性体結晶をゆっくり再溶解するのに十分
    な温度で混合物を加熱し、 (e) 混合物を冷却して実質的に純粋のL−フェニル
    アラニン結晶を再沈澱させ、そして (f) 溶液から結晶を取り出すことを特徴とする、 フェニルアラニンのラセミ体混合物から実質的に純粋の
    L−フェニルアラニン画分を単離する方法。
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