JPH09318627A - 腎不全またはバセドウ病における骨組織の代謝異常をスクリーニングする方法 - Google Patents

腎不全またはバセドウ病における骨組織の代謝異常をスクリーニングする方法

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JPH09318627A
JPH09318627A JP15491496A JP15491496A JPH09318627A JP H09318627 A JPH09318627 A JP H09318627A JP 15491496 A JP15491496 A JP 15491496A JP 15491496 A JP15491496 A JP 15491496A JP H09318627 A JPH09318627 A JP H09318627A
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pyridinoline
deoxypyridinoline
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Chikashi Abiko
史 安孫子
Tokuo Osada
篤雄 長田
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Yamasa Shoyu KK
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Yamasa Shoyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腎不全またはバセドウ病における骨組織
の代謝異常をスクリーニングするための特異的なマーカ
ーを見いだすとともに、該マーカーの特異的な測定法を
提供する。 【解決手段】 腎不全またはバセドウ病の患者から得ら
れた生体試料中のピリジニウム架橋成分(ピリジノリン
および/またはデオキシピリジノリン)を測定し、得ら
れた測定値を健常人の測定値と比較することを特徴とす
る、腎不全またはバセドウ病における骨組織の代謝異常
をスクリーニングする方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腎不全またはバセ
ドウ病における骨組織の代謝異常をスクリーニングする
方法および血中に存在する遊離のピリジノリンおよび/
またはデオキシピリジノリンをイムノアッセイにより測
定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体は常に、骨を作ったり(骨形成)、
壊したりしており(骨吸収)、そのバランスを保持して
いる。しかしながら、何らかの原因でそのバランスが崩
れたとき、骨代謝が異常を来し種々の骨疾患を生じるこ
とになる。しかし、このような骨組織の代謝異常を早期
に発見することは必ずしも容易なことではない。ピリジ
ニウム架橋は、骨、軟骨、椎間板、腱、ぞうげ質および
他の様々な軟骨組織を含む多様な組織において、主要な
構成成分であるコラーゲンの成熟架橋であり、骨吸収に
よって切断されたコラーゲンから遊離の状態もしくはペ
プチド断片に結合した状態で血中に放出され、尿を経て
対外に排泄される。
【0003】ピリジノリン、デオキシピリジノリンなど
のピリジニウム架橋成分の測定法としては、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)法やピリジニウム架橋成
分に特異的な抗体を用いるイムノアッセイ(特表平4−
501002号、特開平6−201695号、特表平7
−509780号、特公平8−7212号)が知られて
いる。また最近、ピリジノリンまたはデオキシピリジノ
リンが骨組織の代謝異常の診断、特に骨吸収を反映する
特異的マーカとして有用であることが判明し、たとえば
骨粗鬆症、上皮小体亢進症、慢性関節リューマチ、変形
性関節症またはパジェット病における骨組織の異常代謝
の存在のスクリーニングに使用できることが報告されて
いる(特公平8−7212号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、腎不全
またはバセドウ病における骨組織の代謝異常をスクリー
ニングするためのマーカーにピリジノリンまたはデオキ
シピリジノリンを利用できるか否かに関しては何等報告
されていない。したがって、本発明は、腎不全またはバ
セドウ病における骨組織の代謝異常をスクリーニングす
るための特異的なマーカーを見いだすとともに、該マー
カーの特異的な測定法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、腎不全またはバセ
ドウ病の患者から採取した生体試料中の遊離のピリジノ
リンおよび/またはデオキシピリジノリンが当該疾患に
おける骨組織の代謝異常をスクリーニングするためのマ
ーカーとして利用できることを見いだした。次に、本発
明者らは、生体試料中、特に腎不全患者からは尿試料を
採取することができないため、血液試料中の遊離のピリ
ジノリンおよび/またはデオキシピリジノリンのイムノ
アッセイによる測定法を検討した結果、血液試料をイム
ノアッセイに供する前に加熱処理または有機溶媒処理を
施すことで測定値のばらつきを抑え、遊離のピリジノリ
ンおよび/またはデオキシピリジノリンを特異的かつ安
定的に測定できることを見いだし、本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明は、腎不全またはバセド
ウ病の患者から得られた生体試料中のピリジノリンおよ
び/またはデオキシピリジノリンを測定し、得られた測
定値と健常人の測定値を比較することを特徴とする、腎
不全またはバセドウ病における骨組織の代謝異常をスク
リーニングする方法に関するものである。また、本発明
は、加熱処理または有機溶媒処理を施した血液試料を使
用することを特徴とする、血液試料中のピリジノリンお
よび/またはデオキシピリジノリンのイムノアッセイに
よる測定法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のスクリーニングに使用す
る生体試料としては、腎不全またはバセドウ病の患者か
ら採取した生体試料(たとえば、血液、血清、尿など)
であれば特に制限されない。しかし、腎不全患者の場
合、尿試料を採取することができないため、使用できる
生体試料としては血液試料を挙げることができる。ま
た、バセドウ病の場合には尿試料、血液試料の両方を採
取することができるものの、他の検査の主体が血液試料
で行われていることから、骨組織の代謝異常のスクリー
ニングも血液試料で行うことができれば検査効率上有用
である。
【0008】生体試料として血液試料を使用する場合、
血液中に含まれる成分(アルブミンなどのタンパク質成
分と思われる)が測定、特にイムノアッセイにおいて悪
影響を及ぼし、安定した測定値を得られないことが多々
ある。このような場合には、血液試料に加熱処理または
有機溶媒処理を施すことにより測定に悪影響を及ぼす成
分が取り除かれ、安定した測定値を得ることができる。
たとえば、加熱処理は、pH5.0〜7.0に調整した
緩衝液を血液試料に添加し、70〜120℃、好ましく
は90〜100℃で1分〜1時間程度インキュベーショ
ンすることにより実施できる。加熱処理後、血液試料を
遠心分離に供して上清を採取し、この上清を測定用試料
として使用する。また、有機溶媒処理は、アセトニトリ
ル、アセトン、エタノールなどの揮発性の有機溶媒を血
液試料に添加、混合することで実施できる。有機溶媒処
理後、血液試料を遠心分離に供して上清を採取し、上清
中に含まれる有機溶媒を留去後、得られた残渣を緩衝液
に溶解し、この溶解液を測定用試料として使用する。
【0009】本発明において、試料中の遊離のピリジノ
リンおよび/または遊離のデオキシピリジノリンを測定
するための方法としては、HPLC法、イムノアッセイ
など従来それらの測定に採用されていた方法であれば特
に制限されないが、操作の簡便性などの点からイムノア
ッセイを利用するのが好ましい。イムノアッセイに使用
する抗体としては、遊離のピリジノリンおよび/または
遊離のデオキシピリジノリンに結合し、それらを特異的
に測定できるものであれば特に限定されない。そのよう
な抗体(モノクローナル抗体を含む)は常法により取得
することが可能であり、その取得法も多数報告されてい
る(特表平4−501002号、特開平6−20169
5号、特表平7−509780号、特公平8−7212
号、Biochem.J., 207,617-620(1982)、Annals of the R
heumatic Diseases, 45, 969-973(1986))。
【0010】使用する抗体は、抗体そのものでもよい
が、活性フラグメントを使用することもできる。活性フ
ラグメントとしては、F(ab’)2、Fab’、Fa
bなどの各種フラグメントで、測定上の機能が失われて
いないものであればよい。これら活性フラグメントの調
製は、精製抗体に対してパパイン、ペプシン、トリプシ
ン処理などの公知の方法を適用することで行うことがで
きる(例えば、「免疫生化学研究法(続生化学実験講座
5)」、日本生化学会編、89頁(1986年)参
照)。
【0011】このようにして調製された抗体またはその
活性フラグメントは、必要により選択した測定方法に適
した形態に修飾し、本発明のスクリーニングに使用す
る。抗体の修飾は、それぞれ常法に従って行うことがで
きる。例えば、固相化抗体を調製する場合、使用できる
担体の材質としては、抗体との結合性の高いものであれ
ば特に制限されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ナイロン、ポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、
ポリプロピレンなどの合成有機高分子化合物、デキスト
ラン誘導体(セファデックスなど)、アガロースゲル
(セファロース、バイオゲルなど)、セルロース(ペー
パーディスク、濾紙など)などの多糖類、ガラス、シリ
カゲル、シリコーンなどの無機高分子化合物が挙げら
れ、これらはアミノ基、アミノアルキル基、カルボキシ
ル基、アシル基、水酸基などの官能基を導入したもので
あってもかまわない。
【0012】担体の形状としては、マイクロタイタープ
レート、ディスクなどの平板状、ビーズなどの粒子状、
試験管、チューブなどの管状、その他繊維状、膜状など
が例示され、測定法に応じて適宜選択することができ
る。固相担体への抗体の固定化は、物理的吸着法、イオ
ン結合法、共有結合法、包括法など公知の方法(例えば
「固定化酵素」千畑一郎編、昭和50年3月20日、
(株)講談社発行参照)を用いて行えばよい。このよう
にして得られた固相試薬は、非特異的結合を抑制するた
めに、BSA、糖、スキムミルクなどの通常のブロッキ
ング剤を用いてブロッキング処理を施してもよい。
【0013】また、標識化抗体または標識化抗原を調製
する場合、使用する標識体としては、放射性同位体(32
P、3H、14C、125Iなど)、酵素(β−ガラクトシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼな
ど)、補酵素・補欠分子族(FAD、FMN、ATP、
ビオチン、ヘムなど)、蛍光色素(フルオレセイン誘導
体、ローダミン誘導体など)、金属粒子(金、銀、白金
など)などを使用することができる。抗体または抗原の
標識化は、選択した標識剤に適した公知の方法(例えば
「続生化学実験講座5免疫生化学研究法」(株)東京化
学同人、(1986年発行)第102〜112頁参照)
に従って行えばよい。また、アビジンービオチン等を介
して抗体または抗原を標識することもできる。
【0014】イムノアッセイで採用する測定手順として
は、競合法、サンドイッチ法、凝集法、プロットオーバ
レイ法など公知の手順のいずれであってもよい。採用し
た測定手順の具体的な操作法に関しては、たとえば下記
の文献を参照することができる。 (a)入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」((株)講
談社、昭和54年5月1日発行) (b)石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)
((株)医学書院、1982年12月15日発行) (c)臨床病理 臨時増刊 特集第53号「臨床検査のた
めのイムノアッセイ−技術と応用−」(臨床病理刊行
会、1983年発行) (d)「バイオテクノロジー事典」((株)シーエムシ
ー、1986年10月9日発行)
【0015】(e)特公平6−43998号公報、特開昭
55−15100号公報、特開昭52−148620号
公報及び特開昭54−91296号公報 (f)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.70」(Immunochemica
l techniques (Part A)) (g)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.73」(Immunochemica
l techniques (Part B)) (h)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.74」(Immunochemica
l techniques (Part C)) (i)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.84」(Immunochemica
l techniques (Part D:Selected Immunoassay)) (j)「Methods in ENZYMOLOGY Vol.92」(Immunochemica
l techniques (Part E:Monoclonal Antibodies and Gen
eral Immunoassay Methods)) [(f)〜(j)はアカデミックプレス社発行]
【0016】このような公知の測定手順の中から競合法
を例に挙げて具体的に説明すれば、固相化抗ピリジノリ
ン抗体および/または固相化抗デオキシピリジノリン抗
体に対し、試料中の遊離のピリジノリンおよび/または
遊離のデオキシピリジノリンと一定濃度の標識化ピリジ
ノリンおよび/または標識化デオキシピリジノリンとを
競合反応させ、固相と液相を分離(BF分離)後、いず
れか一方の相の標識量を測定することで、試料中の遊離
のピリジノリンおよび/または遊離のデオキシピリジノ
リンを検出または定量することができる。
【0017】上記競合法を実施するためのキットの構成
試薬としては、たとえば次のものが例示される。 固相化抗ピリジノリン抗体および/または固相化抗デ
オキシピリジノリン抗体 標識化ピリジノリンおよび/または標識化デオキシピ
リジノリン この構成試薬において、標識として酵素を用いる場合に
は、たとえば次の構成をとり得る。 固相化抗ピリジノリン抗体および/または固相化抗デ
オキシピリジノリン抗体 ビオチン化ピリジノリンおよび/またはビオチン化デ
オキシピリジノリン アビジン化酵素 また、抗ピリジノリン抗体および/または抗デオキシピ
リジノリン抗体を固相担体に直接固定化しない場合に
は、次の構成をとり得る。 固相化抗イムノグロブリン抗体 抗ピリジノリン抗体および/または抗デオキシピリジ
ノリン抗体 ビオチン化ピリジノリンおよび/またはビオチン化デ
オキシピリジノリン アビジン化酵素 さらに、上記試薬の他に、必要により、発色試薬、反応
停止用試薬、標準抗原試薬、サンプル前処理試薬などの
各試薬から状況に応じた適当な試薬を適宜選択し、測定
のための構成試薬とすることもできる。
【0018】
【発明の効果】生体試料中の遊離のピリジノリンおよび
/または遊離のデオキシピリジノリンを測定することで
腎不全またはバセドウ病の患者の骨組織の代謝異常をス
クリーニングできることは、本発明者ら初めて見いだし
たことである。すなわち、後述実施例に示すように、腎
不全またはバセドウ病の患者の骨組織の代謝異常によ
り、遊離のピリジノリンおよび/または遊離のデオキシ
ピリジノリンの存在量が健常人のそれよりも有意に上昇
するため、これらを測定することにより腎不全またはバ
セドウ病の患者の骨代謝の状態をモニタリングすること
が初めて可能となったのである。また、血液試料中の遊
離のピリジノリンおよび/または遊離のデオキシピリジ
ノリンをイムノアッセイにより測定する際、血液試料を
イムノアッセイに供する前に加熱処理または有機溶媒処
理を施すことで測定値のばらつきを抑え、遊離のピリジ
ノリンおよび/または遊離のデオキシピリジノリンを特
異的かつ安定的に測定できることも本発明者らが初めて
見いだしたことであり、測定値の信頼性を飛躍的に向上
させるものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明はこれらによって何等限定されるもので
はない。 実施例1 <方法> (1)ピリジノリンおよびデオキシピリジノリンの調製 ピリジノリン(Pyd)およびデオキシピリジノリン
(Dpd)は、ウシの脱灰骨またはアキレス腱のコラー
ゲンを用いて常法により精製した。すなわち、これらを
6N HClにて100℃、24時間加水分解した後乾
涸し、水に再溶解してSP−セファデックス C−25
カラムに供し、塩酸でグラジェント溶出し、溶出画分を
集め再度乾涸した。得られたPydとDpdの混合物
を、必要により逆相HPLCで分離し、以下の実験に供
した。
【0020】(2)抗Pyd抗体または抗Dpd抗体の
調製 PydまたはDpdをBSAにコンジュゲートしたもの
を免疫原として使用し、常法によりマウスに免疫した。
2週間おきに4〜6回追加免疫を行い、摘出したマウス
の脾細胞とミエローマ細胞P3X63Ag8.653
(ATCC CRL−1580)を細胞融合し、得られ
たハイブリドーマよりPydまたはDpdを特異的に認
識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
選出した。得られたハイブリドーマから常法によりモノ
クローナル抗体HP15を産生させ、各種クロマトグラ
フィー法で精製し、以下の実験に供した。 (3)ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体の調製 ヤギ抗マウスIgG血清は、リン酸緩衝液で平衡化した
HP15−セファロース4Bカラム(溶出緩衝液:0.
1M グリシン−塩酸緩衝液(pH3.0))を用いて
精製し、以下の実験に供した。
【0021】(4)被検体の有機溶媒処理 Pyd標準溶液および腎不全またはバセドウ病の患者か
ら採取した血清試料に等量のアセトニトリルを添加し、
よく混合した後、4℃で15分遠心し、上清を分取し
た。これを遠心乾涸した後、分取量の半量のリン酸緩衝
液(pH6.0)を加え、残渣を溶解し、測定用サンプ
ルとした。 (5)被検体の加熱処理 腎不全またはバセドウ病の患者から採取した血清試料1
容に対し、3容のリン酸緩衝液(pH6.0)を加え、
90〜100℃で15分間インキュベーションした。イ
ンキュベート後4℃で15分遠心し、上清を分取して測
定用サンプルとした。有機溶媒処理と異なり、Pyd標
準溶液では上記加熱処理を行わない。
【0022】(6)抗体の固相化とブロッキング ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体溶液(1μg/m
l:リン酸緩衝液(pH7.4)で調製)を96穴プレート(NU
NC Immuno module C8 Maxisorp)に100μl/ウエル
分注し、4℃で一晩反応させた。抗体液を吸引除去後、
0.05%Tween20含有リン酸緩衝液(pH7.
4)で洗浄し、ブロッキング溶液(5%シュクロース−
0.5%スキムミルク(Difco))を300μl/
ウエル分注し、室温で1時間インキュベート後、ブロッ
キング溶液を除去し、乾燥させて以下の実験に供した。
【0023】(7)測定手順 上記(6)で調製した抗体固相化プレートに、Pyd標
準溶液、Dpd標準溶液あるいは測定用サンプルを50
μl/ウエル分注する。次に常法により調製したビオチ
ン化Pyd溶液またはビオチン化Dpd溶液を25μl
/ウエル分注して軽く攪拌後、さらに抗Pyd抗体溶液
または抗Dpd抗体溶液25μl/ウエル分注して再び
攪拌した後、室温で1.5時間反応させる。反応後0.
05%Tween20含有リン酸緩衝液にてウエルを洗
浄し、アビジン化西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液を1
00μl/ウエル加え、室温で15分間反応させた後、
0.05%Tween20含有リン酸緩衝液にて洗浄
し、TMBZ(3,3',5,5',-Tetramethyl-benzidine)溶
液100μl/ウエル分注して発色させる。最後に、1
N硫酸を100μl/ウエル分注して反応を停止させ、
450nmの吸光度を測定する。
【0024】<結果> (1)標準曲線 上記測定手順に従い、Pyd標準液を用いて標準曲線を
作成した。その結果を図1に示す。図1に示すように安
定した標準曲線が得られ、標準液それぞれの同時再現性
はCV4.3%以下(n=5)であった。 (2)加熱処理または有機溶媒処理の効果 15例の健常者血清を用いて、加熱処理および有機溶媒
処理の測定値への影響を調べた。その結果、図2に示よ
うに、未処理のサンプルの測定値と比較して加熱処理で
は約1/7、有機溶媒処理では約1/5に測定値が減少
し、測定値のばらつきを抑え、安定した測定値が得られ
ることが確認された。
【0025】(3)希釈試験 上記(2)で高値を示した血清検体について加熱処理、
有機溶媒処理、未処理の3条件の希釈試験を行ったとこ
ろ、加熱処理(図3)および有機溶媒処理(図4)を施
した検体では、希釈倍率に反比例して測定値が減少し、
希釈直線性が確認された。一方、未処理血清検体(図
5)では原血清が異常高値を示し測定できなかったが、
希釈によって著しく低値化し、正確な定量性が得られな
かった。
【0026】(4)添加回収試験 任意の健常者血清を使用して添加回収試験を行った。す
なわち、予め血清にPydを添加し、この血清について
加熱処理、有機溶媒処理および未処理の3条件を設定し
た。 試験1;原血清1容に対し、ピリジノリン標準液を1容
添加し、その回収率の結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、未処理血清では添加回収率が200〜30
0%と異常高値を示したが、加熱処理および有機溶媒処
理の血清では80〜130%の回収率を示し、回収率の
点でも両処理が有効であることが確認された。 試験2;原血清9容に対し、ピリジノリン標準液を1容
添加し、その回収率の結果を表2に示す。表2から明ら
かなように、未処理血清では回収率が300〜650%
と異常高値を示したが、加熱処理および有機溶媒処理を
行うことにより回収率は65〜110%に改善された。
【0027】
【表1】
【表2】
【0028】(5)腎不全患者血清の測定 健常者15例と透析腎不全患者10例の血中の遊離のピ
リジニウム架橋濃度を有機溶媒処理および加熱処理の条
件下で測定した。測定結果を図6に示す。図6から明ら
かなように、透析を行っている腎不全患者の血清中のピ
リジノリン濃度は健常人の値より有意に高く、透析を続
けることにより骨代謝異常が徐々に進行していることが
示唆された。 (6)バセドウ病患者血清の測定 健常者15例とバセドウ病患者24例の血中の遊離のピ
リジニウム架橋濃度を加熱処理の条件下で検討した。測
定結果を図7に示す。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、標準曲線を示したものである。
【図2】図2は、加熱処理または有機溶媒処理の測定値
への影響を示したものである。
【図3】図3は、加熱処理サンプルを用いた希釈試験の
結果を示したものである。
【図4】図4は、有機溶媒処理サンプルを用いた希釈試
験の結果を示したものである。
【図5】図5は、未処理サンプルを用いた希釈試験の結
果を示したものである。
【図6】図6は、腎不全患者血清サンプル中のピリジノ
リン濃度の測定結果を示したものである。
【図7】図7は、バセドウ病患者血清サンプル中のピリ
ジノリン濃度の測定結果を示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腎不全またはバセドウ病の患者から得ら
    れた生体試料中のピリジノリンおよび/またはデオキシ
    ピリジノリンを測定し、得られた測定値を健常人の測定
    値と比較することを特徴とする、腎不全またはバセドウ
    病における骨組織の代謝異常をスクリーニングする方
    法。
  2. 【請求項2】 生体試料が血液またはその画分である、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 測定方法が抗ピリジノリン抗体および/
    または抗デオキシピリジノリン抗体を利用したイムノア
    ッセイである、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 生体試料中のピリジノリンおよび/また
    はデオキシピリジノリンを抗ピリジノリン抗体および/
    または抗デオキシピリジノリン抗体を利用したイムノア
    ッセイにより測定する方法であって、生体試料として加
    熱処理した血液試料を使用することを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 生体試料中のピリジノリンおよび/また
    はデオキシピリジノリンを抗ピリジノリン抗体および/
    または抗デオキシピリジノリン抗体を利用したイムノア
    ッセイにより測定する方法であって、生体試料として有
    機溶媒処理した血液試料を使用することを特徴とする方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009541759A (ja) * 2006-07-03 2009-11-26 ゼボ ゲゼルシャフト ミット ベシユレンクテル ハフツング 分析物測定用生物流体加工方法および装置

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