JPH0931756A - 高耐熱セラミックス繊維及びその製造方法 - Google Patents

高耐熱セラミックス繊維及びその製造方法

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JPH0931756A
JPH0931756A JP18179495A JP18179495A JPH0931756A JP H0931756 A JPH0931756 A JP H0931756A JP 18179495 A JP18179495 A JP 18179495A JP 18179495 A JP18179495 A JP 18179495A JP H0931756 A JPH0931756 A JP H0931756A
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義勝 原田
Yoshiyuki Inoue
良幸 井上
Yasuhiko Kamitoku
泰彦 神徳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】破壊エネルギ−が大きく、優れた耐熱性及び耐
酸化性を持つセラミックマトリックス複合材料を付与す
ることのできるセラミックス繊維を提供する。 【構成】このセラミックス繊維は、β−SiC、TiC
及びB6-x C(0≦x<6)からなる中心層と、β−S
iC、TiC及びBNからなる表面層から構成され、表
面層内において最表面に向けてBN濃度が傾斜組成を以
て増大している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は破壊エネルギ−が大き
く、かつ高い耐熱性及び優れた耐酸化性を有するセラミ
ックマトリックスコンポジット(CMC)を付与するこ
とができる、BN成分を主体とする表面層を有する炭化
ケイ素系のセラミックス繊維、並びにその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】単体セラミックスの破壊靱性を改善する
目的で、Si−C−O繊維(日本カ−ボン製、ニカロン
(登録商標))及びSi−Ti−C−O繊維(宇部興産
製、チラノ繊維(登録商標))のようなセラミックス長
繊維あるいは炭素繊維によって強化されたCMCの開発
研究が積極的に行われている。これらCMCの開発研究
では、強化繊維とマトリックスとの界面で亀裂の直線的
な進展を妨げようとすることが共通の概念になってい
る。
【0003】一般に、強化繊維とマトリックスとの界面
結合力が弱い場合、破壊エネルギ−の高い複合材料特有
の破壊強度を示す。他方、上記の界面結合力が強い場合
には、亀裂が直線的に進行し、単体セラミックスと同様
にブリトルな破壊パタ−ンを示す。従って、破壊靱性の
高い複合材料を得るためには、強化繊維とマトリックス
との間の結合力を厳密に制御することが重要となる。前
記のCMCにおいても、破壊靱性の高い複合材料を得る
目的で、界面結合力を適度に弱める工夫が凝らされてい
る。
【0004】ところで、マトリックスと適度に弱い結合
力を発現し得る界面層を設ける目的で、化学気相蒸着法
(CVD法)により繊維表面に炭素層やBN層を生成さ
せることは公知である。これらの繊維表面層は、例えば
ジャ−ナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサイア
ティ−、77[9]、2381〜94(1994)に開
示されているように、いずれも破壊に対する滑り層とし
て働き、その存在によりマトリックス相から強化繊維材
への亀裂の伝播が抑制され、高い破壊エネルギ−が得ら
れる。
【0005】しかし、CVD法で、上記の炭素層あるい
はBN層を生成させる場合、可燃性ガス又はハロゲンガ
スを1000℃を超える高温下で取り扱う必要があるこ
とから危険性を伴い、また生成速度がきわめて遅く生産
性が悪いことや、繊維表面に薄い層を均一に生成させる
ことが困難であることがなどが大量生産への障壁となっ
ている。
【0006】特開平6−184828号公報には、Si
−Ti−C−Bからなり、Bの割合が0.1重量%以上
であり、結晶化度が75%以上であり、かつ密度が2.
9g/cm2 以上である、耐熱性の炭化ケイ素系繊維が
開示されている。そして、この公報には、上記繊維が例
えば1400℃以上の高温においても分解することなく
安定であると記載されている。
【0007】上記公報に記載の繊維は高温において安定
であるが、CMCの強化繊維として使用する場合には、
その表面には亀裂の伝播を阻止する滑り層が存在してお
らず、実用的に満足のいくものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、公知の炭化
ケイ素系繊維が有している優れた耐熱性及び力学的特性
を有し、さらにセラミックスをマトリックスとする複合
材料の強化繊維として用いた場合、きわめて高い破壊エ
ネルギ−を有するCMCを付与することができるBN成
分を主体とするきわめて薄い均一な表面層を有するセラ
ミックス繊維を提供する。また、本発明は、上記セラミ
ックス繊維をきわめて簡単な方法で製造する方法を提供
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、中心層
及び表面層からなり、中心層は、β−SiC、TiC及
びB6-x C(xは0≦x<6を満足する数である。)か
ら主としてなり、表面層は、β−SiC、TiC及びB
Nから主としてなり、表面層内において、最表面に向け
てBN濃度が傾斜組成を持って増大していることを特徴
とする高耐熱セラミックス繊維が提供される。
【0010】また、本発明によれば、ホウ素を含有する
ポリチタノカルボシランを紡糸して紡糸繊維を調製する
第1工程、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中で、不融化繊維
の酸素含有量が9〜13重量%になるまで不融化して不
融化繊維を調製する第2工程、不融化繊維を不活性ガス
中で1200〜1400℃の範囲の温度に加熱して無機
化繊維を調製する第3工程、及び無機化繊維を5〜30
体積%のCOガス及び0.5〜30体積%の窒素ガスを
含有するアルゴンガス中で1400〜2100℃の範囲
の温度に加熱してセラミックス繊維を調製する第4工程
からなることを特徴とする高耐熱セラミックス繊維の製
造方法が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、β−SiC、T
iC及びB6-x C(xは0≦x<6を満足する数であ
る。)から主としてなる結晶性炭化ケイ素繊維を、窒素
ガス雰囲気中1400〜2100℃の範囲の温度に加熱
することを特徴とする高耐熱性セラミックス繊維の製造
方法が提供される。
【0012】本発明のセラミックス繊維を最初に説明す
る。以下の記載において特別の言及がない限り、「部」
及び「%」は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」を
意味する。
【0013】本発明のセラミックス繊維は、β−Si
C、TiC及びB6-x C(xは0≦x<6を満足する数
である。)から主としてなる中心層、β−SiC、Ti
C及びBNから主としてなる表面層から構成され、繊維
径は通常5〜20μmである。
【0014】中心層を構成する元素の割合は、一般に
は、Si:35〜70%、C:20〜40%、Ti:
0.2〜35%、B:0.06〜10%である。また、
表面層を構成する元素の割合は、一般には、平均でS
i:5〜40%、C:3〜30%、Ti:0〜17%、
B:21〜44%、N:28〜57%である。
【0015】中心層を構成するβ−SiC、TiC及び
6-x Cは一般には結晶として存在し、それらの粒径は
通常50nm以下である。この中心層には、上記に加え
て、Si及び/又はTiの酸化物並びにC及びTiB2
が存在することがある。また、表面層を構成するβ−S
iC、TiC及びBNは通常結晶として存在し、それら
の粒径は通常50nm以下である。条件によっては、B
Nは繊維の回りに配向した層状の形態を有する場合もあ
り、これはCMCを作成した際の界面層として極めて効
果的に機能する。さらに、表面層には炭素からなる相が
存在する場合もあるが、これもCMCの界面層としてB
Nを同様に機能する。
【0016】β−SiC結晶の結晶粒径はX線回折部に
おけるβ−SiC結晶の(111)回折線の半価幅から
Sherrerの式に基づいて算出した値である。B
6-x C結晶、BN結晶及びTiC結晶の結晶粒径は高分
解能透過型電子顕微鏡及びエネルギ−分散X線分析装置
による測定結果から求めた値である。
【0017】本発明のセラミックス繊維の表面層の厚さ
は通常400nm以下、好ましくは300nm以下、さ
らに好ましくは200nm以下である。表面層の厚さは
前述したセラミックス繊維の繊維径である5〜20μm
に比べて極めて薄いので、このセラミックス繊維は中心
層である炭化ケイ素系繊維の力学的特性を実質的に保持
することができる。
【0018】表面層内においては、例えば図1で示され
るように、BNの濃度が最表面に向けて傾斜組成を持っ
て増大している。図1は後述する実施例1で得られたセ
ラミックス繊維の繊維表面からの深さ(nm)と構成元
素の割合(%)との関係を示しており、BN濃度が繊維
表面から約200nmの地点から繊維表面に向けて増大
していることが理解される。
【0019】本発明のセラミックス繊維は、例えば、つ
ぎに示す第1工程〜第4工程からなる方法に従って製造
することができる。
【0020】第1工程 第1工程においては、ホウ素を含有するポリチタノカル
ボシランを紡糸して紡糸繊維を得る。このポリチタノカ
ルボシランは、カルボシラン構造及びシロキサン構造か
らなり、ホウ素をホウ素原子換算で0.05〜0.3重
量%含む有機ケイ素重合体をチタンアルコキシドと反応
させることによって、調製することができる。
【0021】上記の有機ケイ素重合体は、ポリシランと
フェニル基含有ポリボロシロキサンとの反応によって得
ることができる。ポリシランは、例えば「有機ケイ素化
合物の化学」化学同人社(1972年)に記載の方法に
従って、1種以上のジクロロシランをナトリウムによっ
て脱塩素反応させることによって得られる、鎖状又は環
状の重合体であり、その数平均分子量は通常300〜1
000である。本発明におけるポリシランはこの鎖状又
は環状のポリシランを400〜600℃の範囲の温度に
加熱して得られる、一部にカルボシラン結合を有するポ
リシランを包含する。
【0022】フェニル基含有ポリボロシロキサンは、特
開昭53−42330号公報及び同53−50299号
公報に記載の方法に従って調製することができ、例え
ば、ホウ酸と1種以上のジオルガノクロロシランとの脱
塩酸縮合反応によって調製することができ、その数平均
分子量は一般には500〜10000である。
【0023】上記のポリシラン100部とフェニル基含
有ポリボロシロキサン5〜15部とを、好ましくは25
0℃以上、さらに好ましくは300〜500℃の範囲の
温度で、通常3〜10時間反応させることによって、カ
ルボシラン構造及びシロキサン構造からなり、ホウ素を
ホウ素原子換算で0.05〜0.3%、好ましくは0.
1〜0.25%含有する有機ケイ素重合体が調製され
る。得られる有機ケイ素重合体における(Si−C
2 )単位に全数に対する(Si−O)単位の全数の比
は、通常、100:0.4〜100:1.5である。
【0024】有機ケイ素重合体との反応に供されるチタ
ンアルコキシドのアルコキシド基におけるアルキル基の
炭素数は通常1〜20である。チタンアルコキシドの具
体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシ
チタン、テトラブトキシチタン、テトラヘキソキシチタ
ン、テトラオクトキシチタン、テトラドデコキシチタン
が挙げられる。チタンアルコキシドの使用割合は、一般
には、有機ケイ素重合体の(Si−CH2 )単位及び
(Si−O)単位の全数に対するチタンアルコキシドの
(Ti−O)単位の全数に比率が2:1〜200:1に
なるような割合である。
【0025】反応によって得られるポリチタノカルボシ
ランは、通常、200〜10,000の数平均分子量を
有し、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族有
機溶媒に可溶である。
【0026】ホウ素を含有するポリチタノカルボシラン
はそれ自体公知の紡糸方法によって紡糸することができ
る。例えば、上記のポリチタノカルボシランを溶融紡糸
する方法、ポリチタノカルボシランをを上記の有機溶媒
に溶解させて紡糸原液を調製、必要に応じてマクロゲル
あるいは不純物のような紡糸に際して有害な物質を除去
した後、乾式紡糸する方法を採用することができる。
【0027】紡糸の際に、必要であれば、紡糸装置に紡
糸筒を取り付け、その筒内の雰囲気を前記溶媒の少なく
とも一種以上の溶媒の飽和蒸気雰囲気と、空気及び/又
は不活性ガスとの混合雰囲気とするか、あるいは、空
気、不活性ガス、スチ−ム、アンモニアガス、炭化水素
ガス、有機ケイ素化合物ガスの雰囲気とすることによっ
て、紡糸筒中の紡糸繊維の固化を抑制することもでき
る。
【0028】第2工程 第2工程においては、第1工程で得られる紡糸繊維を不
融化して不融化繊維を調製する。この工程において、後
続する第5工程において繊維中のケイ素原子に対する非
化学量論的組成の余剰炭素を酸素と共に除去するため
に、不融化繊維の酸素含有量が9〜13%、好ましくは
10〜12%になるように制御することが必要である。
換言すると、不融化繊維に取り込まれる9〜13%の酸
素は、上記の余剰炭素を繊維外に排除するように機能す
る。
【0029】不融化方法の一例としては、紡糸繊維を酸
素含有雰囲気中、好ましくは空気雰囲気中で140〜1
70℃の範囲の温度で加熱処理した後、さらに窒素ガス
中で250〜350℃の範囲の温度で加熱硬化させる方
法が挙げられる。上記の140〜170℃の範囲の温度
での加熱処理は、得られる繊維のゲル分率が20〜50
%の範囲内になるように行うことが好ましい。ここでゲ
ル分率とは、加熱処理繊維をテトラヒドロフランに室温
で浸漬したときの不溶分の重量%を意味する。
【0030】別の不融化方法としては、紡糸繊維を酸素
含有雰囲気中、好ましくは空気雰囲気中で、γ線又は電
子線で処理する方法を挙げることができる。
【0031】第3工程 第3工程においては、不融化繊維を、窒素ガス、アルゴ
ンガスのような不活性ガス中で1200〜1400℃の
範囲の温度で焼成して、無機化させて無機化繊維を調製
する。
【0032】第4工程 第4工程においては、無機化繊維を特定濃度の窒素ガス
を含有するアルゴンガス中で1400〜2100℃の範
囲の温度に加熱する。この加熱により、無機化繊維に含
有されている余剰炭素を酸素と共に、COあるいはCO
2 として脱離させると同時に、繊維表面近傍に存在する
炭化ホウ素中の炭素の一部を窒素に置換し、結果とし
て、中心層がβ−SiC、TiC及びB6-x Cから主と
してなり、表面層がβ−SiC、TiC及びBNから主
としてなり、表面層内において、最表面に向けてBN濃
度が傾斜組成を持って増大する高耐熱セラミックス繊維
が得られる。
【0033】窒素ガス源としては、工業的には一般に窒
素ガス自体が使用されるが、窒素ガスに代えてアンモニ
ア及びアミン類のような窒素含有化合物を使用すること
もできる。
【0034】この工程においては、BNの生成を繊維表
面近傍のみにとどめるために、雰囲気中の窒素の含有割
合を0.5〜30体積%に制御することが必要である。
また、β−SiC結晶の異常粒成長を防止しつつ、無機
化繊維中の余剰炭素を酸素と共に効率的に脱離させるた
めに、雰囲気中のCO濃度を5〜30体積%に制御する
ことが必要である。
【0035】また、この工程においては、温度の制御及
び雰囲気の制御が独立して行える複数のゾ−ンからなる
連続加熱炉を用いることが望ましい。その際、1400
〜1700℃の温度域では、COガスを5〜30体積%
含み、かつ窒素ガスを0.5〜10体積%含むアルゴン
ガス雰囲気中で処理し、1700〜2100℃の温度域
では、COガスを5〜10体積%含み、かつ窒素ガスを
10〜30体積%含むアルゴンガス雰囲気中で処理する
ことが好ましい。
【0036】なお、必要に応じて、上記の第4工程で得
られる繊維をさらに窒素含有雰囲気中で1400〜21
00℃の範囲の温度で加熱して、表面層の厚さあるいは
表面層におけるBN組成の傾斜状態を変化させることも
できる。
【0037】本発明のセラミックス繊維は、上記の製造
方法に加えて、β−SiC、TiC及びB6-x C(xは
0≦x<6を満足する数である。)から主としてなる結
晶質炭化ケイ素繊維を、窒素ガス雰囲気中1400〜2
100℃の範囲の温度に加熱することによっても、調製
することができる。
【0038】上記の結晶質炭化ケイ素繊維を製造する方
法の一例としては、前述した製造方法における第3工程
で得られる不融化繊維を、不活性ガス中で1200〜1
400℃の範囲の温度に加熱して無機化して無機化繊維
を調製し、無機化繊維をCOガスを5〜30体積%含有
する不活性ガス中1400〜1700℃の範囲の温度で
加熱して繊維中の非化学量論的組成の余剰炭素を酸素と
共に脱離させ、ついで得られる繊維をアルゴン中170
0〜2100℃の範囲の温度で加熱処理する方法を挙げ
ることができる。
【0039】結晶質炭化ケイ素繊維の別の製法の例とし
ては、Si−Ti−C−0繊維(宇部興産製、チラノ繊
維:登録商標)を、ホウ素含有雰囲気中で1400〜2
100℃の範囲の温度に加熱する方法を挙げることがで
きる。
【0040】本発明のよりよい理解のために以下に実施
例及び比較例を示す。
【0041】実施例1 カルボシラン単位とシロキサン単位との比が100:
0.93であり、ホウ素原子換算で0.173%のホウ
素を含有する有機ケイ素重合体100部を溶解したキシ
レン溶液にチタンテトラブトキシド10.5部を加え、
窒素ガス気流下に320℃で架橋反応させることによっ
て、カルボシラン単位とチタノキサン単位との比が1
0:1であるポリチタノカルボシラン196部を得た。
【0042】このポリチタノカルボシランを200℃で
溶融紡糸した後、空気中150℃で1時間加熱処理し
た。得られた処理繊維のゲル分率は25.5%であっ
た。得られた繊維をさらに窒素中300℃で5時間加熱
して、酸素含有量が11.1%の不融化繊維を得た。
【0043】この不融化繊維を窒素ガス中1300℃で
1時間加熱処理することによって、無機化繊維を得た。
【0044】この無機化繊維を、1400〜1700℃
までの段階的な温度勾配を有し、かつ10体積%のCO
ガス及び0.8体積%の窒素ガスを含むアルゴンによっ
て雰囲気が制御された第1炉を5時間かけて通過させ、
ついで、1900℃の温度に制御されており、かつ6体
積%のCOガス及び20体積%の窒素ガスを含むアルゴ
ンによって雰囲気が制御された第2炉中を1時間かけて
通過させて、中心層及び表面層からなるセラミックス繊
維を得た。このセラミックス繊維の繊維径は9.5μm
であった。
【0045】このセラミックス繊維の表面から繊維軸方
向の組成分布を、日本電子製の走査型オ−ジェ電子分光
装置JAMP−30を用いて分析した。分析結果を示す
図1からわかるように、セラミックス繊維は中心層と繊
維表面から約200nmの地点から形成される表面層と
から構成されていた。中心層はβ−SiC、TiC及び
4 Cの結晶から構成されており、各結晶の結晶粒径は
50nm以下であり、表面層はβ−SiC、TiC及び
BNの結晶から構成されていた。中心層を構成する元素
の割合は、Si:67.3%、C:29.54%、T
i:2.6%及びB:0.26%であった。また表面層
を構成する元素の割合は平均で、Si:36.2%、
C:24.5%、Ti:3.04%、B:17.3%及
びN:19%であった。
【0046】表面層においては、上記の繊維表面から約
200nmの地点から繊維表面に向けてBNの濃度が増
加している一方で、Si及びCの濃度が漸減していた。
このセラミックス繊維の引張強度及び弾性率は、それぞ
れ、3.4GPa及び400GPaであった。
【0047】一方向に引き揃えられた上記セラミックス
繊維及び窒化ケイ素粉末を、繊維含有率が42%になる
ように交互に積層し、積層物を1700℃で1時間ホッ
トプレスして、窒化ケイ素マトリックス複合材料を調製
した。この複合材料のシェブロンノッチ試験片を用いた
準静的3点曲げ試験(繊維と直角方向)により求めた全
破壊エネルギ−から算出した破壊靱性値は35MPam
1/2 であり、本発明のセラミックス繊維を強化繊維とし
て用いることにより極めて優れたCMCを創出し得るこ
とが明らかとなった。
【0048】比較例1 実施例1におけると同様にして得られた無機化繊維を、
10体積%のCOガスを含有するアルゴンガス中で16
00℃まで昇温して同温度に10分間保持した。つい
で、得られた無機繊維をアルゴンガス中1800℃まで
昇温して、β−SiC結晶の平均粒径が28nmの超微
粒子集合体からなるセラミックス繊維を得た。このセラ
ミックス繊維の表面から繊維軸方向の組成分布を、実施
例1におけると同様にして測定した結果を図2に示す。
図2から分かるように、この繊維の表面にはBNを主体
とする表面層は認められなかった。
【0049】実施例2 カルボシラン単位とシロキサン単位との比が100:
1.2であり、ホウ素原子換算で0.25%のホウ素を
含有する有機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン
溶液にチタンテトラブトキシド9.5部を加え、窒素ガ
ス気流下に310℃で架橋反応させることによって、カ
ルボシラン単位とチタノキサン単位との比が11:1で
あるポリチタノカルボシラン175部を得た。
【0050】このポリチタノカルボシランを220℃で
溶融紡糸した後、空気中150℃で1時間加熱処理し
た。得られた処理繊維のゲル分率は23.5%であっ
た。得られた繊維をさらに窒素中300℃で5時間加熱
して、酸素含有量が12.0%の不融化繊維を得た。
【0051】この不融化繊維をアルゴンガス中1350
℃で1時間加熱処理することによって、無機化繊維を得
た。
【0052】この無機化繊維を、1400〜1700℃
までの段階的な温度勾配を有し、かつ30体積%のCO
ガス及び5体積%の窒素ガスを含むアルゴンによって雰
囲気が制御された第1炉を5時間かけて通過させ、つい
で、1700〜2100℃までの段階的な温度勾配を有
し、かつ5体積%のCOガス及び25体積%の窒素ガス
を含むアルゴンによって雰囲気が制御された第2炉中を
30分間かけて通過させた。引き続き、繊維を窒素ガス
中1600℃で20分間処理して、中心層及び表面層か
らなるセラミックス繊維を得た。このセラミックス繊維
の繊維径は10μmであった。
【0053】このセラミックス繊維の表面から繊維軸方
向の組成分布を、実施例1におけると同様にして分析し
た。分析結果を示す図3からわかるように、セラミック
ス繊維は中心層と繊維表面から約200nmの地点から
形成される表面層とから構成されていた。中心層はβ−
SiC、TiC及びB4 Cの結晶から構成されており、
各結晶の結晶粒径は50nm以下であり、表面層はβ−
SiC、TiC及びBNの結晶から構成されていた。中
心層を構成する元素の割合は、Si:67.7%、C:
29%、Ti:2.6%及びB:0.4%であった。ま
た表面層を構成する元素の割合は平均で、Si:34.
5%、C:27%、Ti:3.05%、B:17.5%
%及びN:17.9%であった。
【0054】表面層においては、上記の繊維表面から約
200nmの地点から繊維表面に向けてBNの濃度が増
加している一方で、Si及びCの濃度が漸減していた。
このセラミックス繊維の引張強度及び弾性率は、それぞ
れ、3.0GPa及び310GPaであった。
【0055】このセラミックス繊維を用いて実施例1に
おけると同様にして窒化ケイ素マトリックス複合材料を
調製した。この複合材料のシェブロンノッチ試験片を用
いた準静的3点曲げ試験(繊維と直角方向)により求め
た全破壊エネルギ−から算出した破壊靱性値は31MP
am1/2 であった。
【0056】比較例2 実施例2におけると同様にして得られた無機化繊維を、
30堆積%のCOガスを含有するアルゴンガス中で16
00℃まで昇温して、同温度に10分間保持した。得ら
れた無機繊維をアルゴンガス中で1900℃まで昇温し
て、β−SiC結晶の平均粒径が37nmの超微粒子集
合体からなるセラミックス繊維を得た。
【0057】このセラミックス繊維の表面から繊維軸方
向の組成分布を、実施例1におけると同様にして測定し
た結果を図4に示す。図4から分かるように、この繊維
の表面にはBNを主体とする表面層は認められなかっ
た。
【0058】実施例3 実施例1におけると同様にして得た不融化繊維を窒素中
1300℃で1時間加熱処理して無機化を行った。この
無機化繊維を、3体積%の酸化ホウ素の蒸気を含むアル
ゴン雰囲気中、1800℃で1時間加熱することによ
り、β−SiC、TiC及びB4 Cから主としてなる結
晶質炭化ケイ素繊維を得た。この繊維を構成する元素の
割合は、Si:66.9%、C:27.8%、O:0.
3%、Ti:2.6%及びB:2.3%であった。
【0059】この炭化ケイ素繊維を、窒素雰囲気中17
00℃で1時間加熱処理することにより、表面にBNを
主体として層を有するセラミックス繊維を得た。このセ
ラミックス繊維の最表面近傍の透過型電子顕微鏡の観察
結果から、BN成分の一部が層状に成長した構造が認め
られた。その内部では繊維の中心に向かってBN成分が
減少していることが、オ−ジェ電子分析結果から認めら
れた。
【0060】上記セラミックス繊維の引張強度及び弾性
率は、それぞれ、3.1GPa及び325GPaであっ
た。 このセラミックス繊維を用いて実施例1における
と同様にして窒化ケイ素マトリックス複合材料を調製し
た。この複合材料のシェブロンノッチ試験片を用いた準
静的3点曲げ試験(繊維と直角方向)により求めた全破
壊エネルギ−から算出した破壊靱性値は32MPam
1/2 であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたセラミックス繊維の
組成分析結果を示す図である。
【図2】図2は比較例1で得られたセラミックス繊維の
組成分析結果を示す図である。
【図3】図3は実施例2で得られたセラミックス繊維の
組成分析結果を示す図である。
【図4】図4は比較例2で得られたセラミックス繊維の
組成分析結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神徳 泰彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心層及び表面層からなり、中心層は、β
    −SiC、TiC及びB6-x C(xは0≦x<6を満足
    する数である。)から主としてなり、表面層は、β−S
    iC、TiC及びBNから主としてなり、表面層内にお
    いて、最表面に向けてBN濃度が傾斜組成を持って増大
    していることを特徴とする高耐熱セラミックス繊維。
  2. 【請求項2】ホウ素を含有するポリチタノカルボシラン
    を紡糸して紡糸繊維を調製する第1工程、紡糸繊維を酸
    素含有雰囲気中で、不融化繊維の酸素含有量が9〜13
    重量%になるまで不融化して不融化繊維を調製する第2
    工程、不融化繊維を不活性ガス中で1200〜1400
    ℃の範囲の温度に加熱して無機化繊維を調製する第3工
    程、及び無機化繊維を5〜30体積%のCOガス及び
    0.5〜30体積%の窒素ガスを含有するアルゴンガス
    中で1400〜2100℃の範囲の温度に加熱してセラ
    ミックス繊維を調製する第4工程からなることを特徴と
    する高耐熱セラミックス繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】β−SiC、TiC及びB6-x C(xは0
    ≦x<6を満足する数である。)から主としてなる結晶
    質炭化ケイ素繊維を、窒素ガス雰囲気中1400〜21
    00℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする高耐熱
    性セラミックス繊維の製造方法。
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