JP3279126B2 - 無機繊維及びその製造方法 - Google Patents
無機繊維及びその製造方法Info
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Description
び高い強度を有し、さらに優れた耐熱性及び耐酸化性を
示す無機繊維及びその製造方法に関する。
ジメチルシランとこれに対して3.3重量%のポリボロ
ジフェニルシロキサンとの反応により得られるポリカル
ボシランに、チタン(4価)テトラブトキシドを加えて
加熱反応して調製されるポリチタノカルボシランを原料
として、紡糸、不融化した後に、高温で熱処理して連続
無機を製造する方法が開示されている。
C、TiC、並びにβ−SiCとTiCとの固溶体及び
/又はTiC1−y(0<y<1)の各結晶質粒子集合
体からなり、上記各結晶質粒子の粒径が50nm以下で
あり、場合により非晶質のSiO2及びTiO2を含む
ことがある無機繊維が得られる。この無機繊維は約13
00℃までの熱環境下では優れた引張強度及び弾性率を
示す。
調製する場合には、上記公報の実施例5の結果からもわ
かるように、繊維を構成する結晶粒の成長が著しくな
り、1300℃以下での熱処理で得られる上記公報の実
施例1〜3の無機繊維に比較して、引張強度及び弾性率
が低下する傾向を示すようになる。
2重量%以上のホウ素を含有するポリカルボシランを紡
糸し、紡糸繊維を不融化し、不融化繊維を1600℃以
上の温度で熱分解することによって、多結晶質炭化ケイ
素繊維を製造する方法が開示されている。
素繊維を構成する結晶粒子の大きさは0.5μm以下、
典型的には0.2μm以下であることが記載されてお
り、実施例1で得られる炭化ケイ素繊維の結晶サイズは
約500〜約600オングストロームである。この公報
には、ケイ素及び炭素に加えて、チタンを含む無機繊維
についての言及はない。
張強度は164〜243Ksi(1.13〜1.68G
Pa)であり、強化繊維としての特性が工業的に満足す
るレベルではない。
6−184828号公報参照)には、SiC繊維あるい
はSi−Ti−C−O繊維のようなセラミック繊維を、
ホウ素化合物他の揮発性焼結助剤を含有する雰囲気中で
加熱して、多結晶質炭化ケイ素系繊維を製造する方法が
開示されている。
を構成する結晶粒子の大きさは、一般には1μm以下、
しばしば0.5μm以下、そして典型的には0.2μm
未満であることが記載されており、実施例1で得られる
炭化ケイ素繊維の結晶サイズは0.1μm未満である。
発性焼結助剤としてホウ素化合物、特に酸化ホウ素(B
2O3)が好ましいとされており、すべての実施例にお
いて酸化ホウ素が使用されている。この酸化ホウ素の沸
点は1500℃以上の高温域にあることが知られてい
る。
れるセラミック繊維は実質的に適量の酸素を含むSiC
系繊維であり、この繊維は1400℃以上の温度で、繊
維中の非化学的量論的組成の余剰炭素がCOガスとして
離脱し、それに伴ってβ−SiC結晶の粒成長が顕著に
起こる。そして、この結晶粒の成長は1500〜160
0℃の範囲の温度で最も激しく起こる。
方法においては、SiC結晶の粒成長が最も激しく起こ
る温度域で酸化ホウ素を繊維中に導入することになるの
で、β−SiC結晶化を完全に抑制することは非常に困
難である。このことは、上記公報中に記載されている前
述の結晶子の大きさからも推察することができる。ま
た、焼結前の段階で結晶粒の成長が顕著に起こることか
ら、いずれの実施例においても3GPaに及ぶ強度は達
成されていない。
ミックスの力学的特性を改善する目的で強化用繊維とし
て期待されており、炭化ケイ素系繊維を含む、現在開発
されている強化繊維の破断歪みは、一般的に0.3〜
0.6%の範囲であるマトリックスの破断歪みを上回っ
ている。
は、セラミックスの最大の欠点である破壊靭性の低さを
改善することにあり、換言すると、割れにくいセラミッ
クス材料を創出することが最大の目的である。
セラミックス中に亀裂が発生しても、強化繊維がその亀
裂の伝播を阻止する必要がある。そのためには、マトリ
ックスを形成しているセラミックス材が破壊に至る歪み
を受けた時点でも、強化繊維は破壊してはならない。
くなければならないが、上記の理由から、強化材として
使用される繊維の破断歪みが、マトリックス材のそれよ
り大きいことがきわめて重要であることが容易に理解さ
れる。このことから、弾性率がきわめて高くても、引張
強度の低い強化繊維は、セラミックスの強化繊維として
は適していないことがわかる。
号公報の各実施例で得られている炭化ケイ素系繊維の伸
びを検討すると、これら繊維はきわめて高い弾性率を有
するにもかかわらず、セラミックスの強化繊維としては
好ましくないことがわかる。
例で得られている炭化ケイ素系繊維は、1.15〜2.
2GPaの範囲の比較的低い引張強度、及び280〜4
40MPaの範囲のきわめて高い弾性率を有している。
イ素系繊維の引張強度及び弾性率の値から算出される繊
維の破断歪み[(引張強度/弾性率)×100])はつ
ぎのとおりである。
ックマトリックスの一般的破断歪みである0.3〜0.
6%と同等あるいはそれ以下である。従って、欧州公開
580380号公報に記載されている炭化ケイ素系繊維
は、その大きな弾性率にもかかわらず、低い引張強度及
び小さな破断歪みのために、セラミックスの強化繊維と
しては現実的には使用することが困難であることが、容
易に理解される。
載の製造方法においては、雰囲気中に含有されるホウ素
を無機繊維にホウ素を拡散させる手段を採用するため
に、ホウ素が無機繊維中に均一に分布せず、得られる無
機繊維間の強度のバラツキが回避できない。このこと
は、後述する比較例4の結果からも明らかである。
び弾性率を有すると共にセラミックマトリックスより大
きな破断歪みを有し、さらに、優れた耐熱性を有する、
無機繊維及びその製造方法を提供する。
8−5286号公報に記載の無機繊維の製造方法におい
て、ポリシランに対するポリボロジフェニルシロキサン
の使用量を厳密に制御し、さらに前駆物質中に適当量の
チタン化合物を共存させておくことによって、高温での
熱処理で、β−SiCの結晶粒の成長が50nm以下程
度のサイズにまで抑制されて良好に焼結が起こり、結果
として、焼結β−SiC結晶を主体とする無機繊維が得
られること、及びこの無機繊維がきわめて高い耐熱性を
有することを見いだした。本発明はこの知見に基づいて
完成されたものである。
びB6−xC(xは0≦x<6を満足する数である。)
からなり、結晶粒径が50nm以下である焼結β−Si
C結晶の粒界相にTiC及びB6−xCが存在するが提
供される。
その加熱反応物100重量部とフェニル基含有ポリボロ
シロキサン5〜15重量部との加熱反応によって得られ
る、ホウ素をホウ素原子換算で0.05〜0.3重量%
含む、カルボシラン構造及びシロキサン構造からなる有
機ケイ素重合体を、チタン(4価)アルコキシドと反応
させて、ポリチタノカルボシランを調製し、このポリチ
タノカルボシランを溶融紡糸し、紡糸繊維を不融化し、
そして不融化繊維を1700〜2000℃の範囲の温度
に加熱する、無機繊維の製造方法が提供される。
の記載において、「部」及び「%」は特別の言及がない
限り、それぞれ、「重量部」及び「重量%」を示す。
C結晶を主体とし、その粒界相にTiC及びB6−xC
からなる異種相が存在している。上記の焼結β−SiC
結晶の結晶粒径は50nm以下である。TiC及びB
6−xCの結晶粒径は一般には、それぞれ、50nm以
下及び10nm以下である。この無機繊維の直径につい
ては特別の制限はないが、通常50μm以下である。
けるβ−SiCの(111)回折線の半価幅から下式の
Sherrerの式の基づいて算出した値(L111)
である。 L111=1.0λ/β・cosθ (上式において、λはX線の波長、βは半価幅、θは回
折角である。)
回折線が明瞭でないため、高分解能透過型電子顕微鏡及
びエネルギー分散X線分析装置による測定結果から求め
た。
は、一般には、β−SiCとして存在するSiが39〜
70%、TiCとして存在するTiが0.2〜35%、
好ましくは1〜10%であり、B6−xCとして存在す
るBが0.06〜0.4%である。
C及びB6−xCに加えて、SiO2、TiO2及びC
が存在することがある。SiO2又はTiO2として存
在するOは通常10%以下であり、主として焼結β−S
iC結晶の粒界相に存在するCは通常12%以下であ
る。
−5286号公報に記載の無機繊維とは異なり、β−S
iC結晶が焼結されていること、及び焼結β−SiC結
晶の結晶粒径が50nm以下であることが重要な特徴で
ある。これにより、本発明の無機繊維は1300℃を超
える温度においても、きわめて高い力学的特性及び耐熱
性を示す。
580380号公報に記載の無機繊維に比較して大きな
破断歪みを有している。
例1で得られた無機繊維の繊維表面及び破断面の表面反
射型電子顕微鏡写真であり、両図から、この無機繊維に
おいてはβ−SiC結晶粒の合体が起こっており、表面
も非常に滑らかでβ−SiC結晶の焼結が進行している
ことが認められる。
例1で得られた無機繊維を1700℃で加熱処理した後
の繊維表面及び破断面の表面反射型電子顕微鏡写真であ
り、これらの図から、比較例1で得られる無機繊維をさ
らに高温で加熱処理してもβ−SiC結晶粒の合体が起
こっておらず、β−SiC結晶の焼結が起こっていない
ことが認められる。
繊維のX線回折図であり、この図には2θ=35.5°
にβ−SiC結晶に起因する回折ピーク、及び2θ=4
1.9°にTiC結晶に起因する回折ピークが、それぞ
れ、認められる。
58−5286号公報に記載の無機繊維のような単なる
結晶の集合体ではなく、主たる構成成分であるβ−Si
C結晶が焼結されている繊維である。より平易には、本
発明の無機繊維は繊維形状をしたβ−SiC結晶の焼結
体と言うことができる。
いて説明する。本発明で使用されるポリシランは、下記
式によって示される鎖状あるいは環状の重合体であり、
その数平均分子量は通常300〜1000である。ま
た、本発明におけるポリシランは上記の鎖状あるいは環
状のポリシランを400〜600℃の範囲の温度に加熱
して得られる、一部にカルボシラン結合を含むポリシラ
ンを包含する。
キル基を示し、少なくとも一方はメチル基である。)
物の化学」化学同人社(1972年)に記載されている
方法によって合成することができ、その代表的な製法
は、1種以上のジクロロシランをナトリウムによって脱
塩素反応させる方法である。この反応は以下の式によっ
て表すことができる。
ロシロキサンは、特開昭53−42330号公報及び同
53−50299号公報に記載の方法に従って調製する
ことができ、例えば、ホウ酸と1種以上のジオルガノク
ロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製することが
でき、その数平均分子量は一般には500〜10000
である。生成物であるフェニル基含有ポリボロシロキサ
ンの構造は複雑であるが、主として以下の式で示される
構造単位からなり、この構造が複雑に組み合わされて全
体のポリマが構成されている。
キル基又はフェニル基を示し、かつ少なくとも一方はフ
ェニル基である。)
有ポリボロシロキサン5〜15部とを反応させることに
よって、カルボシラン構造及びシロキサン構造からな
り、ホウ素をホウ素原子換算で0.05〜0.3%、好
ましくは0.1〜0.25%含有する、有機ケイ素重合
体が調製される。
割合が上記の下限未満であると、反応で得られる有機ケ
イ素重合体のホウ素含有量がホウ素原子換算で0.05
%未満となり、最終的に得られる無機繊維を構成するβ
−SiC結晶粒子の焼結が進行しないか、焼結が不充分
となり、無機繊維の力学的特性及び耐熱性が低下する。
割合が上記の上限を超えると、換言すると、反応生成物
である有機ケイ素重合体のホウ素含有量がホウ素原子換
算で0.3%を超えると、反応で得られる有機ケイ素重
合体の分子量の増大が著しくなり、有機ケイ素重合体と
チタンアルコキシドとの反応で得られるポリチタノカル
ボシランの紡糸が困難になる。また、最終的に得られる
無機繊維中のホウ素含有量が過度に多くなると、無機繊
維の耐酸化性が悪くなる傾向を示し、高温の空気中で長
時間処理した場合、無機繊維の表面に多くの亀裂が見ら
れるようになる。
キサンとの加熱反応温度は、通常250℃以上、好まし
くは300〜500℃である。反応時間は通常3〜10
時間である。得られる有機ケイ素重合体における(Si
−CH2)単位の全数に対する(Si−O)単位の全数
は、通常、100:0.4〜100:1.5である。
ンアルコキシドのアルコキシド基におけるアルキル基の
炭素数は通常1〜20である。チタンアルコキシドの具
体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシ
チタン、テトラブトキシチタン、テトラヘキソキシチタ
ン、テトラオクトキシチタン、テトラドデコキシチタン
が上げられる。
を通常200〜350℃で反応させることによって、有
機ケイ素重合体のケイ素原子の少なくとも一部が、チタ
ンアルコキシドのチタン原子と酸素原子を介して結合す
ることによって、有機ケイ素重合体相互が架橋結合され
た、ポリチタノカルボシランが得られる。
は、有機ケイ素重合体の(Si−CH2)単位及び(S
i−O)単位の全数に対するるチタンアルコキシドの
(Ti−O)単位の全数の比率が2:1〜200:1に
なるような割合である。
ランは、通常、200〜10,000の数平均分子量を
有し、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族有
機溶媒に可溶である。
紡糸方法によって紡糸することができる。例えば、ポリ
チタノカルボシランを溶融紡糸する方法、ポリチタノカ
ルボシランを上記の有機溶媒に溶解させて紡糸原液を調
製し、必要に応じてマクロゲルあるいは不純物のような
紡糸に際して有害な物質を除去した後、乾式紡糸する方
法を採用することができる。
糸筒を取り付け、その筒内の雰囲気を前記溶媒の少なく
とも一種以上の溶媒の飽和蒸気雰囲気と、空気及び/又
は不活性ガスとの混合雰囲気とするか、あるいは、空
気、不活性ガス、スチーム、アンモニアガス、炭化水素
ガス、有機ケイ素化合物ガスの雰囲気とすることによっ
て、紡糸筒中の紡糸繊維の固化を抑制することもでき
る。
行うことができる。例えば、不融化方法としては、紡糸
繊維を酸化性雰囲気中で、張力又は無張力の作用のもと
で50〜400℃の温度範囲で数分〜30時間加熱する
方法、γ線あるいは電子線を照射する方法が挙げられ
る。
に特願平6−14276号として提案した方法を採用す
ることもできる。提案の方法は、紡糸繊維を塩素、臭素
又は沃素を含有する不活性ガス雰囲気中で、室温〜20
0℃の範囲内の任意の温度から40〜300℃の範囲内
の選択される温度まで1〜50℃/時間の昇温速度で加
熱処理するか、又は室温〜200℃の一定温度で加熱処
理して、有機ケイ素重合体のSi−H結合の10〜70
%をSi−ハロゲン結合に変換させたハロゲン処理繊維
を調製し、この後、不活性ガス雰囲気又は真空中で20
0〜500℃の範囲の温度に加熱して、Si−ハロゲン
結合間又はSi−H結合との間で、ハロゲン又はハロゲ
ン化水素の脱離を行う方法である。
i−ハロゲン結合への変換割合は、紡糸繊維及びハロゲ
ン処理繊維の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)に
おける2100cm−1(Si−H結合の伸縮振動)の
吸収ピークと2950cm−1(C−H結合の伸縮振
動)の吸収ピークとの吸光度比から下式によって求めた
値である。 紡糸繊維の吸光度比(R0) :A2100/A2950=R0 ハロゲン処理繊維の吸光度比(R1):A2100/A2950=R1) 変換割合(%) :(1−R1/R0)×100
の範囲の温度まで加熱することによって、本発明の無機
繊維が得られる。この加熱は、張力又は無張力のもと
で、アルゴン、窒素のような不活性ガス雰囲気あるいは
一酸化炭素、水素ガスのような還元性雰囲気で行われ
る。
ことによって、個々の繊維内部でβ−SiC結晶が焼結
し、きわめて高い弾性率及び高い強度を有する無機繊維
が得られる。
を予め1600℃以下の温度で無機化しておき、その後
に一定の昇温速度で目的の温度まで昇温し、同温度で一
定時間保持することにより達成されてもよい。さらに、
昇温過程において、COガスの脱離を目的とした、一定
温度での保持を行ってもよい。一般的には、1200〜
1400℃の範囲の温度で不融化糸を無機化しておき、
その温度から1〜50℃/分の昇温速度で1700〜2
000℃の範囲の温度まで昇温する方法が採用される。
この方法には、温度分布を設けた熱処理炉を用いた連続
長繊維の処理も包含される。
て、無機繊維の引張強度のバラツキの指針となるワイブ
ル係数は、その値が大きいほど引張強度値のバラツキが
少ないことを示すものである。
ルに、窒素ガス気流下にキシレンを加熱還流させなが
ら、ジメチルジクロロシラン1リットルを滴下し、引き
続き10時間加熱還流し沈澱物を生成させた。この沈澱
をろ過し、メタノール、ついで水で洗浄して、白色のポ
リジメチルシラン420gを得た。
を窒素ガス雰囲気下にn−ブチルエーテル中、100〜
120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空
中400℃で1時間加熱することによって、フェニル基
含有ポリボロシロキサン530gを得た。
例2で得られたフェニル基含有ポリボロシロキサン10
部を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で熱縮合し
て、カルボシラン単位とシロキサン単位との比が10
0:0.93である有機ケイ素重合体部72部を得た。
有機ケイ素重合体のホウ素の含有割合は、ホウ素原子換
算で、0.173%であった。
溶液にチタンテトラブトキシド10.5部を加え、窒素
ガス気流下に320℃で橋架反応させるとによって、カ
ルボシラン単位とチタノキサン単位との比が10:1の
ポリチタノカルボシランを得た。
溶融紡糸し、紡糸繊維を空気中190℃で不融化した。
不融化繊維をアルゴン気流下に1800℃で1時間加熱
処理して、繊維径11μmの無機繊維を得た。この無機
繊維における構成元素の割合は、Si:65%、C:3
0.5%、Ti:3.0%、B:0.3%、O:1.2
%であった。
反射型電子顕微鏡写真である図1及び図2からわかるよ
うに、この無機繊維においてはβ−SiC結晶粒の合体
が起こっており、β−SiC結晶の焼結が進行してい
た。
は、2θ=35.5°にβ−SiC結晶に起因する回折
ピーク、及び2θ=49.9°にTiC結晶に起因する
回折ピークが、それぞれ、認められた。β−SiC結晶
の結晶粒径は8.9nmであった。
弾性率270GPaの力学的特性を示し、破断歪みは
1.19%であった。引張強度についてのワイブル係数
は13であった。この無機繊維を1300℃の空気中で
100時間熱処理した繊維表面の表面反射型電子顕微鏡
写真を図8に示す。図8からわかるように、無機繊維は
非常に平滑な表面を有しており、処理前の力学的特性の
50%以上を保っていた。また、この繊維をアルゴン中
1700℃で1時間加熱処理した後も、力学的特性に変
化は認められなかった。
流下に1300℃で焼成し、この焼成繊維をアルゴン気
流下に1800℃に加熱処理して、繊維径12μmの無
機繊維を得た。この無機繊維は実施例1で得られた無機
繊維と同様に組織構造を有していた。この無機繊維は、
引張強度3.0GPa、弾性率260GPaの力学的特
性を示し、破断歪みは1.15%であった。引張強度に
ついてのワイブル係数は14であった。また、この繊維
をアルゴン中1700℃で1時間加熱処理した後も、力
学的特性に変化は認められなかった。
リボロシロキサンの添加量を2部とした以外は実施例1
と同様にして得られた不融化繊維を、窒素気流中、13
00℃で焼成して、繊維径11μmの無機繊維を得た。
なお、有機ケイ素重合体のホウ素の含有割合は、ホウ素
原子換算で、0.027%であった。この無機繊維は、
引張強度3.2GPa、弾性率190GPaの力学的特
性を示した。
加熱処理したところ、図3及び図4から分かるように、
急激なβ−SiC結晶の粒成長が起こり、β−SiC結
晶粒間の焼結はまったくおこらなかった。加熱処理後の
繊維には多数の欠陥が生成しており、その力学的特性は
消失していた。
単位とシロキサン単位との比が100:0.93である
有機ケイ素重合体にチタンテトラブトキシドを添加して
反応させることなく、この有機ケイ素重合体を溶融紡糸
した後、紡糸繊維を空気中190℃で不融化した。不融
化繊維をアルゴン中、1800℃で熱処理して、繊維径
12μmの無機繊維を得た。
繊維と同様に、β−SiCの焼結が認められたが、β−
SiC結晶の結晶粒径は0.52μmまで成長してお
り、引張強度及び弾性率は、それぞれ、1.8GPa及
び220GPaであり、実施例1で得られた繊維の特性
より低いものであった。
通下に1300℃で焼成し、この焼成繊維をアルゴン気
流下30℃/分の昇温速度で1900℃まで昇温し、同
温度で2時間保持して焼結無機繊維を得た。
は、それぞれ、3.4GPa及び320GPaであり、
破断歪みは1.06%でった。また、引張強度について
のワイブル係数は13であった。
タンテトラブトキシドを添加せずに、そのまま約200
℃で溶融紡糸し、紡糸繊維を空気中、190℃で不融化
した。不融化繊維をアルゴン気流下に1800℃で1時
間加熱処理して、繊維径12μmの無機繊維を得た。
結晶粒径は340nmであった。また、この繊維の引張
強度及び弾性率は、それぞれ、1.5GPa及び240
GPaであり、実施例1のチタンを前駆物質中に共存さ
せた場合に比較して、非常に低いものであった。
含有ポリボロシロキサンを添加せず、そのまま470℃
に加熱して得られたポリカルボシラン100部のキシレ
ン溶液に、チタンテトラブトキシド10.5部を加え、
窒素ガス気流下に320℃で架橋反応させることによっ
て、カルボシラン単位とチタノキサン単位との比が1
2:1のポリチタノカルボシランを得た。
溶融紡糸し、紡糸繊維を空気中190℃で不融化した。
不融化繊維をアルゴン気流下に1200℃に加熱して無
機繊維を得た。得られた無機繊維を、酸化ホウ素の蒸気
を含有するアルゴン中、1800℃まで加熱して焼結繊
維を調製した。
の表面反射型電子顕微鏡写真を図6及び図7に示す。図
6に示されるように、内部まで焼結している繊維と、表
面のみ焼結して中心部に大きい欠陥が生成している繊維
とが混在していた。
Paであり、実施例1で得られた焼結繊維に比較してき
わめて小さく、引張強度についてのワイプル係数も7.
5であった。これらの結果は、無機繊維中にホウ素を均
一に導入することの困難さを示しており、工業的な生産
規模においては、さらにこの困難さが顕著になることが
合理的に予測される。
の粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写
真である。
粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写真
である。
の粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写
真である。
粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写真
である。
図である。
粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写真
である。
粒子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写真
である。
0℃の空気中で100時間熱処理した後の繊維表面の粒
子構造を示す図面に代える表面反射型電子顕微鏡写真で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】β−SiC、TiC、及びB6−xC(x
は0≦x<6を満足する数である。)からなり、結晶粒
径が50nm以下である焼結β−SiC結晶の粒界相に
TiC及びB6−xCが存在することを特徴とする無機
繊維。 - 【請求項2】ポリシラン又はその加熱反応物100重量
部とフェニル基含有ポリボロシロキサン5〜15重量部
との加熱反応によって得られる、ホウ素をホウ素原子換
算で0.05〜0.3重量%含む、カルボシラン構造及
びシロキサン構造からなる有機ケイ素重合体を、チタン
(4価)アルコキシドと反応させて、ポリチタノカルボ
シランを調製し、このポリチタノカルボシランを溶融紡
糸し、紡糸繊維を不融化し、そして不融化繊維を170
0〜2000℃の範囲の温度に加熱することを特徴とす
る無機繊維の製造方法。
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JP13556595A JP3279126B2 (ja) | 1994-06-21 | 1995-04-26 | 無機繊維及びその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH08199430A JPH08199430A (ja) | 1996-08-06 |
JP3279126B2 true JP3279126B2 (ja) | 2002-04-30 |
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ID=27471930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13556595A Expired - Lifetime JP3279126B2 (ja) | 1994-06-21 | 1995-04-26 | 無機繊維及びその製造方法 |
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CN104233512B (zh) * | 2014-09-24 | 2016-06-08 | 中国科学院过程工程研究所 | 复相陶瓷纤维及其制备方法 |
-
1995
- 1995-04-26 JP JP13556595A patent/JP3279126B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08199430A (ja) | 1996-08-06 |
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