JPH09317496A - ガスタービン吸気加温及び冷却システム - Google Patents

ガスタービン吸気加温及び冷却システム

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JPH09317496A
JPH09317496A JP15752496A JP15752496A JPH09317496A JP H09317496 A JPH09317496 A JP H09317496A JP 15752496 A JP15752496 A JP 15752496A JP 15752496 A JP15752496 A JP 15752496A JP H09317496 A JPH09317496 A JP H09317496A
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gas
air
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Wataru Karasawa
亘 唐沢
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稔 中安
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンの性能に悪影響を与えずに吸気
を加温し、また冷却も可能とする。 【解決手段】 ガスタービン1に空気Aを吸入する吸気
通路6に、この空気Aと熱媒体Hとの間で熱交換を行う
第1の熱交換器8を設けるとともに、熱媒体Hと加熱流
体との間で熱交換を行う第2の熱交換器9を設ける。第
2の熱交換器9に加熱流体と冷却流体とを選択的に供給
する選択供給手段28を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として発電用に
使用されるガスタービン吸気加温及び冷却システムに関
する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】例えば発
電機を駆動する一定回転数のガスタービンでは、ガスタ
ービンの吸気温度が下がると、圧縮機の流量が大きくな
り、運転点に対するサージマージンが減少し、極端な場
合、サージングに突入する。また、圧縮機の翼のじん性
が低温のために低下し、翼破損を引き起こすおそれもあ
る。そのため、最低温度が−60°C〜−20°Cとな
る極寒地においては、ガスタービンの吸気を加温し、圧
縮機の許容最低温度まで昇温させる必要がある。
【0003】さらに、外気温度が−5°C〜5°C付近
になると、圧縮機の入口部で氷結が生じて流路を閉塞す
る場合があるため、この場合にもガスタービンの吸気を
加温する必要がある。なお、外気温度が−5°C以下で
は絶対湿度が低いのでこのような必要はない。
【0004】一方、外気温が上昇すると、タービンの入
口温度を許容温度以下とするために、燃焼流量を少なく
する必要があるから、ガスタービンの出力が低下する。
そのため、夏場には、ガスタービンの吸気を冷却するの
が好ましい。
【0005】このような吸気を加温する技術的要請に応
えるものとして、ガスタービンの圧縮機から抽気した高
温空気をガスタービンの吸気ダクト内に噴出するように
したもの(実公平3−22527号公報)が知られてい
る。しかし、このような構成では、以下に挙げるような
問題がある。 圧縮機の効率を低下させる。 高温空気の湿度が高いと、吸気中の水分が圧縮機の
入口部で氷結する場合がある。 夏場でのガスタービンの吸気冷却が不可能である。
【0006】また、ガスタービンの圧縮機上流側に冷却
器を設けるなどして、吸気を冷却するようにしたものも
知られているが、加温と冷却の両方を行うようにしたも
のはない。
【0007】本発明は、このような課題を解消し、ガス
タービンの性能に悪影響を与えずに吸気を加温できるガ
スタービン吸気加温及び冷却システムを提供することを
第1の目的とし、また、吸気の加温と冷却の両方が可能
なガスタービン吸気加温及び冷却システムを提供するこ
とを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明のガスタービン吸気加温及び冷却システム
は、ガスタービンに空気を吸入する吸気通路に、この空
気と熱媒体との間で熱交換を行う第1の熱交換器を設
け、前記熱媒体と加熱流体との間で熱交換を行う第2の
熱交換器を設けたものである。
【0009】このガスタービン吸気加温及び冷却システ
ムによれば、第2の熱交換器の作用で加熱流体との間で
熱交換が行われて熱媒体が加熱され、また、ガスタービ
ンの吸気通路において、第1の熱交換器の作用で前記加
熱された熱媒体と吸気との間で熱交換が行われて吸気が
加温される。したがって、圧縮機から抽気しないので、
ガスタービンの性能に悪影響を与えずに吸気を加温でき
る。また、高湿・高温の空気が吸気に混入することに起
因する圧縮機入口部での氷結という事態も生じない。
【0010】この第1発明の一実施形態では、前記第2
の熱交換器に前記加熱流体と冷却流体とを選択的に供給
する選択供給手段を設けている。この構成によれば、選
択的に熱媒体と冷却流体との間で熱交換を行って熱媒体
を冷却できるので、吸気の加温だけでなく冷却も行うこ
とができる。
【0011】また、一実施形態では、前記第1の熱交換
器を通った空気の温度を検知する温度センサと、この検
知された温度が所定値となるように、前記第2の熱交換
器への前記加熱流体および冷却流体の供給量を調節する
温度調節手段とを設けている。この構成によれば、吸気
通路に導入される空気の温度と目標温度との差分に応じ
て加熱流体および冷却流体の供給量が調節されるので、
吸気を効率よく目標温度に加温および冷却できる。
【0012】また、一実施形態では、前記熱媒体とし
て、大気圧下で少なくとも−50°〜170°Cの範囲
で液相である油性媒体を使用している。この構成によれ
ば、熱媒体が冷却媒体となる場合でも凍結するおそれが
ない。また、熱媒体が液体であるから、気体に比べて伝
熱面を小さくできるので、第1および第2の熱交換器を
コンパクトに構成できる。
【0013】他の実施形態では、外部設備からの高温流
体を第1の加熱流体として前記第2の熱交換器に供給す
る加熱流体通路と、ガスタービンの排ガスを熱源とする
排熱ボイラーからの蒸気、またはエコノマイザからの温
水を第2の加熱流体として前記第2の熱交換器に供給す
る高温流体通路と、前記第1と第2の加熱流体を選択的
に前記第2の熱交換器に供給させる切換手段と、前記ガ
スタービンの起動後の所定のタイミングで前記切換手段
を駆動して前記第1の加熱流体から前記第2の加熱流体
に切り換える切換制御手段とを設けている。この構成に
よれば、吸気を加温する場合に、ガスタービンの起動当
初だけ、外部設備からの高温流体を使用し、以後はガス
タービンの排ガスを熱源として得られる蒸気または温水
を使用するので、排ガスのエネルギーを有効利用でき
る。
【0014】さらに他の実施形態では、外部設備からの
高温気体を第1の加熱流体として前記第2の熱交換器に
供給する加熱流体通路と、ガスタービンの排ガス通路に
設けられて、排ガスを、外部と、第2の加熱流体として
前記第2の熱交換器とに分配して導出する排気ダンパ
と、前記第1と第2の加熱流体を選択的に前記第2熱交
換器に供給させる切換手段と、前記ガスタービンの起動
後の所定のタイミングで前記切換手段を駆動して前記第
1の加熱流体から前記第2の加熱流体に切り換える切換
制御手段とを設けている。この構成によれば、吸気を加
温する場合に、ガスタービンの駆動当初だけ、外部から
の高温流体を利用し、以後はガスタービンの排ガスを利
用できる。
【0015】本件第2発明のガスタービン吸気加温及び
冷却システムは、ガスタービンに空気を吸入する吸気通
路に熱交換器を設け、この熱交換器に加熱気体と冷却気
体とを選択的に供給してこれら気体と前記空気との間で
熱交換を行わせる選択供給手段を設けたものである。こ
のガスタービン吸気加温及び冷却システムによれば、選
択供給手段により加熱気体と冷却気体とを選択的に熱交
換器に供給することにより、これら気体と前記吸気通路
の空気と間で熱交換が行われるので、吸気の加温と冷却
の両方を行うことができる。
【0016】また、第2発明の一実施形態では、前記熱
交換器を通った空気の温度を検知する温度センサと、こ
の検知された温度が所定値となるように前記熱交換器へ
の前記加熱流体および冷却流体の供給量を調節する温度
調節手段とを設けている。この構成によれば、前記熱交
換器を通った空気の温度と目標温度との差分に応じて加
熱流体および冷却流体の供給量が調節されるので、吸気
を効率よく目標温度に加温および冷却できる。
【0017】さらに、一実施形態では、外部設備からの
高温気体を第1の加熱気体として前記熱交換器に供給す
る加熱流体通路と、ガスタービンの排ガス通路に設けら
れて、排ガスを、外部と、第2の加熱気体として前記熱
交換器とに分配して導出する排気ダンパと、前記第1と
第2の加熱気体を選択的に前記熱交換器に供給させる切
換手段と、前記ガスタービンの起動後の所定のタイミン
グで前記切換手段を駆動して前記第1の加熱気体から前
記第2の加熱気体に切り換える切換制御手段とを設けて
いる。この構成によれば、吸気を加温する場合に、ガス
タービンの駆動当初だけ、外部からの高温流体を使用
し、以後はガスタービンの排ガスを使用するので、排ガ
スのエネルギーを有効利用できる。
【0018】また、他の実施形態では、前記熱交換器に
前記第1の加熱気体を供給する加熱気体通路と、この加
熱気体通路に空気を導入するブロアーと、導入された空
気に燃料を混入して燃焼させて前記第1の加熱気体を生
成するバーナとを設けている。この構成によれば、ボイ
ラ等の外部の設備からの加熱流体によらず、バーナで燃
焼させた加熱空気を前記熱交換器に供給して吸気の加温
を行うことができる。
【0019】また、他の実施形態では、さらに、ガスタ
ービンの排ガス通路に設けられて、排ガスを、外部と、
第2の加熱気体として前記熱交換器とに分配して導出す
る排気ダンパと、前記第1と第2の加熱気体を選択的に
前記熱交換器に供給させる切換手段と、前記ガスタービ
ンの起動後の所定のタイミングで前記切換手段を駆動し
て前記第1の加熱気体から前記第2の加熱気体に切り換
える切換制御手段とを設けている。この構成によれば、
吸気を加温する場合に、ガスタービンの駆動当初だけ、
バーナの燃焼による高温流体を使用し、以後はガスター
ビンの排ガスを使用するので、排ガスのエネルギーを有
効利用できる。
【0020】本件第3発明のガスタービン吸気加温及び
冷却システムは、ガスタービンに空気を吸入する吸気通
路にガスタービンを収納したケーシングから排出される
高温の換気を導入する換気抽入路と、外部設備からの高
温空気を前記吸気通路に導入する高温空気抽入路と、前
記換気と高温空気とを選択的に前記吸気通路に導入させ
る切換手段と、前記ガスタービンの起動後の所定のタイ
ミングで前記切換手段を駆動して前記高温空気から換気
に切り換える切換制御手段と、前記吸気通路に低温空気
を導入する低温空気抽入路と、前記換気または高温空気
と低温空気とを選択的に前記吸気通路に導入させる選択
導入手段とを設けたものである。
【0021】このガスタービン吸気加温及び冷却システ
ムによれば、吸気を加温する場合に、ガスタービンの駆
動当初だけ、外部設備からの高温流体を利用し、以後は
ケーシングから排出される高温の換気を利用するので、
加温のためのエネルギー源が不要になる。
【0022】また、第3発明の一実施形態では、前記換
気、高温空気または低温空気が混入された吸気通路内の
空気の温度を検知する温度センサと、この検知された温
度が所定値となるように、前記熱交換器への前記換気、
高温空気または低温空気の供給量を調節する温度調節手
段とを設けている。この構成によれば、吸気通路内の空
気の温度と目標温度との差分に応じて換気、高温空気ま
たは低温空気の供給量が調節されるので、吸気を効率よ
く目標温度に加温および冷却できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本件第1発明の第1の実施形態を
図1と共に説明する。図1に、本発明の第1実施形態に
係るガスタービン吸気加温及び冷却システムの概略構成
図を示す。このシステムは、ガスタービン1の駆動力に
よって減速機R/Gを介して発電機2のロータを回転さ
せて発電電力を得るものである。ガスタービン1は圧縮
機13,燃焼器14およびタービン15を備え、このガ
スタービン1から排出される排ガスEは、排ガス通路3
を通って外部に排出される。
【0024】屋外の空気を前記ガスタービン1に吸入す
る吸気通路6の途中には吸気フィルタ7が設けられてい
る。また、その吸気通路6の前記吸気フィルタ7より上
流側には、前記吸入空気Aと熱媒体Hとの間で熱交換を
行う第1の熱交換器8が設けられる。なお、前記吸気フ
ィルタ7は、前記熱交換器8よりも上流側に設けてもよ
いが、このように下流側に設けることにより、吸気フィ
ルタ7のケーシングが直接外気にさらされて低温になる
のを回避できるため、ケーシングとして低温で強度低下
の少ない特殊な素材を使用する必要がない。また、第1
の熱交換器8の下流側に吸気フィルタ7が配置されてい
ることによって、万一、熱交換器8のフィンが飛散した
場合でも、そのフィンを吸気フィルタ7で捕捉でき、ガ
スタービン1に吸入されるのを防止できる。
【0025】前記第1の熱交換器8とは別に、外部設備
から供給されてくる加熱流体および冷却流体と前記熱媒
体Hとの間で熱交換を行う第2の熱交換器9が設けられ
る。これら両熱交換器8,9の間には熱媒体循環経路1
0が設けられ、これにより両熱交換器8,9間を前記熱
媒体Hが循環する。
【0026】前記第2の熱交換器9に外部設備からの加
熱流体を供給する加熱流体通路16には、流量制御弁1
8および逆止弁19が介挿されており、前記加熱流体と
して、例えば外部のボイラーから、100〜200°C
程度のプロセス蒸気や70〜150°C程度の温水が供
給される。また、前記第2の熱交換器9に外部設備から
の冷却流体を供給する冷却流体通路17にも、同様に流
量制御弁20および逆止弁21が介挿されており、前記
冷却流体として例えば冷凍庫や吸収式冷凍機等で7°C
程度に冷却された冷水又は井戸よりの19°C程度の冷
水が供給される。これら両供給通路16,17によっ
て、前記第2の熱交換器9に前記加熱流体と冷却流体と
を選択的に供給する選択供給手段28が構成される。
【0027】前記熱媒体循環経路10の途中には循環駆
動部22が介挿されている。この循環駆動部22は互い
に並列に配置した循環ポンプ23,23と、各循環ポン
プに直列配置された逆止弁24とを有しており、一方の
循環ポンプ23は、他方が過負荷となったり停止した場
合の予備として設けられている。また、前記熱媒体循環
経路10の途中には、膨張タンク25とサーマルサイホ
ン26とからなる熱シール機構27が設けられており、
これによって、熱媒体Hに適度な圧力が常時付加されて
いる。前記両熱交換器8,9の間を循環する熱媒体Hと
して、ここでは熱媒油が使用される。
【0028】この熱媒油としては、例えばバーレルサー
ムPMまたはバーレルサーム1H(いずれも商品名:村
松石油(株))が好適である。バーレルサームPMは、
大気圧付近において、−70°C〜170°Cの範囲で
液相であり、バーレルサーム1Hは、大気圧付近におい
て−50°C〜205°Cの範囲で液相である。前者の
方がより低温の地域に適している。この熱媒油として
は、少なくとも−50°C〜170°Cの範囲で液相で
あるのが望ましい。このような熱媒油を使用した場合に
は、極寒地においても熱媒油が凍結することがないの
で、吸入空気Aを有効に加温できる。また、液体である
熱媒油を用いることで、気体を用いる場合と比べて伝熱
面を小さくできるので、第1および第2の熱交換器8,
9をコンパクトに構成できる。
【0029】前記第2の熱交換器9には、熱交換に使用
した加熱流体を排出する加熱流体排出通路31と、同じ
く熱交換に使用した冷却流体を排出する冷却流体排出通
路32とが連結されている。これら両排出通路31,3
2にはそれぞれ電磁弁33,34が設けられ、後述する
加温と冷却の切換制御によって、熱交換に加熱流体を使
用する場合に加熱流体排出通路31の電磁弁33が開と
され、また熱交換に冷却流体を使用する場合に冷却流体
排出通路32の電磁弁34が開とされる。
【0030】前記吸気通路6における前記吸気フィルタ
7と前記第1の熱交換器8との間には、第1の熱交換器
8を通過した空気の温度を検知する温度センサ40が設
けられている。41は温度調節手段であり、前記温度セ
ンサ40で検知された温度に基づいて、この温度が所定
値となるように、前記第2の熱交換器9への前記加熱流
体および冷却流体の供給量を調節する機能を備える。こ
の温度調節手段41は温度変換器42,加温温度調節計
43,冷却温度調節計44,切換スイッチ45などから
なり、システムの全体動作を制御する制御盤に設けられ
る。
【0031】前記温度変換器42は、前記温度センサ4
0で検知された温度を電気信号に変換する装置である。
前記加温温度調節計43は、例えば前記切換スイッチ4
5の手動操作により加温温度調節が選択されたとき、前
記温度センサ40の検知温度と所定の目標加温温度との
差分に応じた開度だけ前記加熱流体通路16の流量制御
弁18を開く。また、前記冷却温度調節計44は、前記
切換スイッチ45により冷却温度調節が選択されたと
き、前記温度センサ40の検知温度と所定の目標冷却温
度との差分に応じた開度だけ前記冷却流体通路17の流
量制御弁20を開く。前記目標加温温度と目標冷却温度
は、それぞれ加温温度調節計43と冷却温度調節計44
のそれぞれにあらかじめ手動操作で入力される。
【0032】次に、前記システムの動作を説明する。例
えば外気温度の低い寒冷地や冬期においては、温度調節
手段41の切換スイッチ45を加温側に切り換える。こ
れにより、加温温度調節計43が作動して、加熱流体排
出通路31の電磁弁33が開かれるとともに、加熱流体
通路16の流量制御弁18が開かれ、この加熱流体通路
16から、加熱流体として外部のボイラーからの蒸気ま
たは温水が第2の熱交換器9に供給され、ドレンが前記
加熱流体排出通路31から前記ボイラーの給水タンクへ
戻される。この熱交換器9により、熱媒体循環経路10
を循環する熱媒体Hである熱媒油と前記加熱流体との間
で熱交換が行われ、熱媒油Hが加温される。
【0033】一方、第1の熱交換器8では、前記のよう
に加温された熱媒油と屋外から吸入された空気Aとの間
で熱交換が行われ、これによりガスタービン1への吸気
が加温される。その加温された吸気の温度は温度検知セ
ンサ40によって検知される。加温温度調節計43は、
前記検知温度と目標加温温度との差分に応じた開度だけ
前記流量制御弁18を開く。このようにして、加熱流体
の供給量は、前記加温空気の温度が目標加温温度となる
ように調節される。
【0034】このように、上記システムでは、極寒地に
おける圧縮機サージング防止や、−5〜5°C付近の外
気温度のもとでの圧縮機部での氷結防止のための吸気加
温を、直接、吸気に加熱流体を混合することなく行うの
で、ガスタービン1の性能に悪影響を与えずに行うこと
ができる。また、従来のような高湿・高温の空気を吸気
に混入した場合に起きる圧縮機入口部での氷結という事
態も発生しない。
【0035】また、前記第2の熱交換器9での熱交換に
使用されて加熱流体排出通路31から排出される温水
は、前記排熱ボイラ4の給水タンクへ供給されるので、
排出される温水を有効利用できる。
【0036】一方、外気温度の高い夏場などにおいて
は、温度調節手段41の切換スイッチ45を冷却側に切
り換える。これにより、冷却温度調節計44が作動し
て、冷却流体排出通路32の電磁弁34が開かれるとと
もに、冷却流体通路17の流量制御弁20が開かれ、こ
の通路17から、冷却流体として外部設備である冷凍庫
や吸収式冷凍機等からの温度7°Cの冷水又は井戸から
の19°C程度の冷水が第2の熱交換器9に供給され
る。この熱交換器9により、熱媒体循環経路10を循環
する熱媒油と前記冷却流体との間で熱交換が行われ、熱
媒油が冷却される。
【0037】第1の熱交換器8では、前記のように冷却
された熱媒油と屋外から吸入される空気Aとの間で熱交
換が行われ、これにより空気Aが冷却される。その冷却
された空気Aの温度は温度検知センサ40によって検知
される。冷却温度調節計43は、前記検知温度と目標冷
却温度との差分に応じた開度だけ前記流量制御弁20を
開く。このようにして、冷却流体の供給量は、前記冷却
空気の温度が目標冷却温度となるように調節される。す
なわち、夏場においては、上記のように吸気と冷却流体
との間で熱交換することにより吸気を冷却できるので、
外気温度の上昇によるガスタービン1の出力低下を防止
できる。
【0038】前記第2の熱交換器9での熱交換に使用さ
れて冷却流体排出通路32から排出される冷水は12°
C〜24°C程度まで上昇するが、この戻し冷水をガス
タービン1の潤滑油クーラー11の冷却水として使用す
ることにより、排出される冷水を有効利用できる。
【0039】また、加温も冷却も行なわない場合には、
温度調節手段41の切換スイッチ45をOFFにする。
【0040】なお、この実施形態では、季節に応じて手
動により前記切換スイッチ45を加温側と冷却側とに切
り換える構成を示したが、これに限らず、切換スイッチ
45を自動式とし、前記吸気通路6の第1の熱交換器8
よりも上流側に温度センサ12を設け、この温度センサ
12の検知する温度が例えば10°Cを越えると前記切
換スイッチ45を冷却側に、また前記検知温度が5°C
以下の場合には前記切換スイッチ45を加温側に自動的
に切り換えるようにしてもよい。
【0041】図2は、第2発明の第2の実施形態に係る
ガスタービン吸気加温及び冷却システムの概略構成図を
示す。このシステムでは、排ガス通路3の途中に排熱ボ
イラ4およびエコノマイザ5が設けられており、このエ
コノマイザ5に給水された水が前記排ガスEにより予熱
され、排熱ボイラ4へ供給されて蒸気化される。
【0042】さらに、排熱ボイラ4からの蒸気を第2の
加熱流体として前記第2の熱交換器9に供給する高温流
体通路50が設けられ、この高温流体通路50に流量制
御弁51および逆止弁52が設けられている。前記流量
制御弁51と前記加熱流体通路16の流量制御弁18と
により、高温流体通路50からの蒸気(第2の加熱流
体)と前記加熱流体通路16からの第1の加熱流体とを
選択的に第2の熱交換器9に供給する切換手段が形成さ
れている。また、ガスタービン1の起動後の所定のタイ
ミングで前記流量制御弁18,51を駆動して前記第1
の加熱流体から前記第2の加熱流体に切り換える切換制
御手段53が、前記温度調節手段41に付加されてい
る。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様であ
る。
【0043】前記切換制御手段53は、前記排熱ボイラ
4のドラム圧力を検知する圧力センサ56の検知圧力が
常用圧力(例えば8.5kg/cm2 G)に達したと
き、前記加温温度調節計43の制御対象を流量制御弁1
8から流量制御弁51に切り換える機能を備える。
【0044】このシステムでは、前記温度調節手段41
の切換スイッチ45を加温側に切り換えた例えば冬期に
おいて、装置の起動時には、先の実施形態の場合と同様
に、第2の熱交換器9において、加熱流体通路16から
供給される第1の加熱流体と熱媒油との間で熱交換が行
われ、吸気の加温が行われる。起動後、前記圧力センサ
56の検知する排熱ボイラ4のドラム圧力が常用圧力に
達すると、切換制御手段53が加温温度調節計43の制
御対象を流量制御弁18から流量制御弁51に切り換え
る。これにより、加熱流体通路16からの第1の加熱流
体の供給が停止するとともに、前記検知温度と目標加温
温度との差分に応じた開度で前記流量制御弁51が開か
れ、ガスタービン1への吸気が目標加温温度となるよう
に、排熱ボイラ4から第2の熱交換器9への蒸気の供給
量が調節される。その結果、起動後は、外部設備からの
加熱流体に頼らず、ガスタービン1自身の排熱を吸気の
加温熱源として有効利用できる。
【0045】なお、図2の実施形態では、排熱ボイラ4
の蒸気を、高温流体通路50を経て選択的に第2の熱交
換器9に供給する場合を示したが、前記排熱ボイラ4の
蒸気に換えて、エコノマイザ5からの温水を第2の熱交
換器9に供給するようにしてもよい。
【0046】図3は、本発明の第3の実施形態に係るガ
スタービン吸気加温及び冷却システムの概略構成図を示
す。このシステムでは、図1の実施形態において、ガス
タービン1の排ガス通路3に、排ガスEを外部に放出す
る放出通路60と、排ガスEを第2の加熱流体として前
記第2の熱交換器9に導く高温ガス通路61とが延設さ
れるとともに、排ガス通路3からの排ガスEを前記放出
通路60と前記高温ガス通路61とに分配して導出する
排気ダンパ62が設けられている。また、高温ガス通路
61には、前記第2の熱交換器9に供給する第1の加熱
流体として外部設備からの温風を導入する加熱流体通路
16と、この第2の熱交換器9に供給する冷却流体とし
て外部設備からの冷風を導入する冷却流体通路17とが
連結されている。
【0047】前記加熱流体通路16および冷却流体通路
17には、導入する温風および冷風の流量をそれぞれ調
節するダンパ63,64が設けられている。これらダン
パ63,64の開度制御は、図1の実施形態における流
量制御弁18,20の開度調節の場合と同様の構成の温
度調節手段41によって行われる。
【0048】前記排気ダンパ62と、前記加熱流体通路
16のダンパ63とは、前記高温ガス通路61からの排
ガスと前記加熱流体通路16からの温風とを選択的に第
2の熱交換器9に供給する切換手段を構成する。また、
ガスタービン1の起動後の所定のタイミングで前記温風
から前記排ガスに切り換える切換制御手段68が、前記
温度調節手段41に付加されている。その他の構成は図
1の実施形態の場合と同様である。
【0049】前記切換制御手段68は、前記ガスタービ
ン1と発電機2との間に介設される減速機29に設けた
回転センサ69の検知する回転数が定格回転数を越えた
とき、前記温度調節手段41における加温温度調節計4
3の制御対象を、前記ダンパ63の駆動モータ66から
前記排気ダンパ62の駆動モータ65に切り換える機能
を備える。
【0050】このシステムでは、前記温度調節手段41
における前記切換スイッチ45を加温側に切り換えた例
えば冬期において、装置の起動時に、排気ダンパ62は
排ガスの全量を放出通路60から外部に放出する閉じた
状態となっており、第2の熱交換器9では、加熱流体通
路16から供給される温風と熱媒油との間で熱交換が行
われ、吸気の加温が行われる。起動後、前記回転センサ
69の検知する回転数が定格回転数に達すると、切換制
御手段68が加温温度調節計43の制御対象をダンパ6
3から排気ダンパ62に切り換える。これにより加熱流
体通路16のダンパ63が閉じるとともに、前記温度セ
ンサ40の検知温度に基づき、排気ダンパ62の開度調
節が行われる。すなわち、前記検知温度と目標加温温度
との差分に応じた開度で前記排気ダンパ62が開かれ、
放出通路60よりも高温ガス通路61の方へより多くの
排ガスEが分配される。こうして、ガスタービン1への
吸気Aが目標加温温度となるように、第2の熱交換器9
への排ガスの供給量が調節される。
【0051】なお、前記切換制御手段68を省略して、
手動により装置の起動後、所定のタイミング、例えば一
定時間経過時に、前記温風から排ガスに切り換えるよう
にしてもよい。
【0052】冷風による吸気冷却動作は、図1の実施形
態における冷却流体による冷却動作の場合とほぼ同様で
ある。
【0053】図4は、本発明の第4の実施形態に係るガ
スタービン吸気加温及び冷却システムの概略構成図を示
す。このシステムでは、ガスタービン1に外気を吸入す
る吸気通路6の吸気フィルタ7よりも上流側にのみ熱交
換器73が設けられている。ガスタービン1の排ガス通
路3には、図3の実施形態の場合と同様に、排ガスを外
部に放出する放出通路60と、排ガスを第2の加熱気体
として前記熱交換器73に導く高温ガス通路61とが延
設されるとともに、排ガス通路3からの排ガスを前記放
出通路60と前記高温ガス通路61とに選択的に導出す
る排気ダンパ62が設けられている。
【0054】さらに、高温ガス通路61には、前記熱交
換器73に供給する第1の加熱流体として外部設備から
の温風を導入する加熱気体通路16と、同じ熱交換器7
3に供給する冷却流体として外部設備からの冷風を導入
する冷却流体通路17とが連結される。前記加熱流体通
路16および冷却流体通路17には、導入する温風およ
び冷風の流量をそれぞれ調節するダンパ63,64が設
けられている。これらのダンパ63,64の開度は、図
1の実施形態における流量制御弁18,20の開度調節
の場合と同様の構成の温度調節手段41によって行われ
る。
【0055】前記排気ダンパ62と、前記加熱流体通路
16のダンパ63とは、前記高温ガス通路61からの排
ガスと前記加熱流体通路16からの温風とを選択的に前
記熱交換器73に供給する切換手段を構成する。また、
ガスタービン1の起動後の所定のタイミングで、前記熱
交換器73に供給する加熱流体として前記温風(第1の
加熱気体)から前記排ガス(第2の加熱気体)に切り換
える切換制御手段68が、前記温度調節手段41に付加
されている。
【0056】前記切換制御手段68は、図3の実施形態
における切換制御手段と同様の機能を備える。すなわ
ち、前記ガスタービン1と発電機2との間に介設される
減速機29に設けた回転センサ69の検知する回転数
が、定格回転数に達したとき、前記温度調節手段41の
制御対象をダンパ63の駆動モータ66から排気ダンパ
62の駆動モータ65に切り換え、加熱流体通路16の
ダンパ63を閉じるとともに、吸気通路6に設けられた
前記温度センサ40の検知する温度と目標加温温度との
差分に応じた開度だけ、前記排気ダンパ62が開かれ、
ガスタービン1への吸気Aが目標加温温度となるよう
に、熱交換器73への排ガスEの供給量が調節される。
【0057】このシステムでは、前記温度調節手段41
における前記切換スイッチ45を加温側に切り換えた例
えば冬期において、装置の起動時に、排気ダンパ62は
排ガスの全量を放出通路60から放出する閉じた状態と
なっており、熱交換器73では、加熱流体通路16から
供給される温風と吸気通路6に吸入される空気Aとの間
の熱交換が行われ、吸気Aの加温が行われる。起動後、
前記回転センサ69の検知する回転数が定格回転数に達
すると、切換制御手段68が加温温度調節計43の制御
対象を前記ダンパ63から前記排気ダンパ62に切り換
え、加熱流体通路16のダンパ63を閉じるとともに、
熱交換器73の下流側に設けられた前記温度センサ40
の検知温度に基づき、排気ダンパ62の開度調節を行
う。すなわち、前記検知温度と目標加温温度との差分に
応じた開度で前記排気ダンパ62が開かれ、ガスタービ
ン1への吸気Aが目標加温温度となるように、排ガス通
路3から熱交換器73への排ガスの供給量が調節され
る。
【0058】なお、冷風による冷却動作は、図1の実施
形態における冷却流体による冷却動作の場合と同様であ
る。また、排気ダンパ62による第1と第2の加熱流体
の切り換えを行わないで、起動後も外部設備からの温風
のみで吸気Aの加温を行ってもよい。
【0059】図5は第5の実施形態を示すもので、図4
の実施形態における外部設備からの温風の導入に代え
て、自己のバーナによる温風供給を行うものである。す
なわち、前記高温ガス通路61に、外部から空気を導入
するブロアー75と、導入された空気に燃料を混入して
燃焼させるバーナ76とが設けられ、前記高温ガス通路
61の下流側が、熱交換器73につながる加熱気体通路
70として兼用されている。このバーナ76で加熱され
た外部からの空気は、前記加熱気体通路70から前記熱
交換器73に供給される。前記バーナ76に燃料を供給
する燃料通路77には流量制御弁78が設けられ、その
開度制御は、図4の加熱流体通路16のダンパ63と同
様に、図5の前記温度調節手段41における加温温度調
節計43によって行われる。前記流量制御弁78と排気
ダンパ62とが、排ガスEと、バーナ76による燃焼ガ
スとを選択的に熱交換器73に供給する切換手段を構成
する。その他の構成は図3の実施形態の場合と同一であ
る。
【0060】このシステムでは、図5の前記バーナ76
により加熱した空気を第1の加熱気体として前記熱交換
器73に供給することにより、吸気の加温を行うことが
できる。この場合は、バーナ76に燃料を供給する燃料
通路77に設けられた流量制御弁78の開度を、前記温
度センサ40の検知温度に基づき、前記温度調節手段4
1によって制御することにより、排ガスや外部設備から
の温風による加温の場合と同様に、吸気Aの加温が行わ
れる。
【0061】また、図4および図5の各実施形態におい
て、ガスタービン1の起動後に排ガスEを第2の加熱気
体として利用することをしないで、起動後も外部設備か
らの温風またはバーナ76の燃焼ガスからなる第1の加
熱気体を、そのまま熱交換器73に供給し続ける構成と
してもよい。
【0062】図6は、本発明の第5の実施形態に係るガ
スタービン吸気加温及び冷却システムの概略構成図を示
す。このシステムでは、ガスタービン1を収納したケー
シング80から排出される高温(70°C)の換気を吸
気通路6に導入する換気抽入通路81が設けられるとと
もに、外部設備からの低温空気を前記吸気通路6に導入
する低温空気抽入通路82と、外部設備からの高温空気
を前記吸気通路6に導入する高温空気抽入通路83とが
設けられ、熱交換器は省略されている。
【0063】前記換気抽入通路81の途中にはモータ8
4で駆動される三方弁85が設けられ、その開閉動作に
より、換気抽入通路81に導入された換気は前記吸気通
路6と外部への放出通路86とに選択的に供給される。
前記低温空気抽入通路82にはモータ87によって駆動
されるダンパ88が設けられ、前記高温空気抽入通路8
3にはモータ89によって駆動されるダンパ90が設け
られている。前記三方弁85および両ダンパ88,89
の開度は、図1の実施形態と同様の温度調節手段41に
よって制御される。温度センサ40は、吸気通路6にお
ける低温空気、高温空気および換気の抽入部よりも下流
側に設けられている。また、ガスタービン1の起動後の
所定のタイミングで、前記吸気通路6に導入するガスと
して、前記高温空気から前記換気に切り換える切換制御
手段91が、前記温度調節手段41に付加されている。
【0064】前記切換制御手段91は、図3の実施形態
における切換制御手段と同様の機能を備える。すなわ
ち、前記ガスタービン1と発電機2との間に介設される
減速機29に設けた回転センサ69の検知する回転数
が、定格回転数に達したとき前記温度調節手段41にお
ける加温温度調節計43の制御対象をダンパ90の駆動
モータ89から三方弁85の駆動モータ84に切り換え
る。
【0065】このシステムでは、前記温度調節手段41
における切換スイッチ45を加温側に切り換えた例えば
冬期において、装置の起動時に、前記高温空気抽入通路
83のダンパ90は開き、前記三方弁85は放出通路8
6を開放した状態となっており、前記温度調節手段41
によって、前記温度センサ40の検知温度に基づく高温
空気の流量制御が行われ、吸気Aが一定温度に加温され
る。
【0066】起動後、前記回転センサ69の検知する回
転数が定格回転数に達すると、切換制御手段91が加温
温度調節計43の制御対象を前記ダンパ90から前記三
方弁85に切り換える。これにより、高温空気抽入通路
83のダンパ90が閉じるとともに、前記温度センサ4
0の検知する温度と目標加温温度との差分に応じて前記
三方弁85を駆動し、より多くの換気が抽気抽入通路8
1から吸気通路6へ抽入されて、換気を熱源として吸気
が目標加温温度に加温される。このように、起動後はケ
ーシング80内の換気を利用するので、加温のためのエ
ネルギー源が不要になる。
【0067】なお、冷温空気による冷却動作は、図1の
実施形態における冷却流体による冷却動作の場合と同様
である。
【0068】
【発明の効果】以上のように、第1発明のガスタービン
吸気加温及び冷却システムによれば、ガスタービンに空
気を吸入する吸気通路に、この空気と熱媒体Hとの間で
熱交換を行う第1の熱交換器を設け、前記熱媒体Hと加
熱流体との間で熱交換を行う第2の熱交換器を設けたか
ら、ガスタービンの性能に悪影響を与えずに吸気を加温
できる。
【0069】また、第2発明のガスタービン吸気加温及
び冷却システムによれば、ガスタービンに空気を吸入す
る吸気通路に熱交換器を設け、この熱交換器に加熱気体
と冷却気体とを選択的に供給してこれら気体と前記空気
との間で熱交換を行わせる選択供給手段を設けたから、
ガスタービンの性能に悪影響を与えずに、吸気の加温と
冷却の両方を行うことができ、夏場における外気温度の
上昇によるガスタービンの出力低下も防止できる。
【0070】また、第3発明のガスタービン吸気加温及
び冷却システムによれば、ガスタービンに空気を吸入す
る吸気通路にガスタービンを収納したケーシングから排
出される高温の換気を導入する換気抽入路と、外部設備
からの高温空気を前記吸気通路に導入する高温空気抽入
路と、前記換気と高温空気とを選択的に前記吸気通路に
導入させる切換手段と、前記ガスタービンの起動後の所
定のタイミングで前記切換手段を駆動して前記高温空気
から換気に切り換える切換制御手段と、前記吸気通路に
低温空気を導入する低温空気抽入路と、前記換気または
高温空気と低温空気とを選択的に前記吸気通路に導入さ
せる選択導入手段とを設けたから、吸気の加温と冷却の
両方を行えるとともに、ガスタービンの起動後は加温の
ためのエネルギー源が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るガスタービン吸気
加温及び冷却システムの概略構成図である。
【符号の説明】
1…ガスタービン、3…排ガス通路、4…排熱ボイラ、
5…エコノマイザ、6…吸気通路、8…第1の熱交換
器、9…第2の熱交換器、16…加熱流体通路、17…
冷却流体通路、18,51,62,63,78…切換手
段、28…選択供給手段、40…温度センサ、41…温
度調節手段、50…高温流体通路、53…切換制御手
段、60…放出通路、61…高温ガス通路、62…排気
ダンパ、68…切換制御手段、70…加熱気体通路、7
4…バーナ、75…ブロアー、80…ケーシング、81
…換気抽入通路、82…低温空気抽入通路、83…高温
空気抽入通路、91…切換制御手段、A…吸入空気、E
…排ガス、H…熱媒体

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンに空気を吸入する吸気通路
    に設けられて、この空気と熱媒体との間で熱交換を行う
    第1の熱交換器と、 前記熱媒体と加熱流体との間で熱交換を行う第2の熱交
    換器とを備えたガスタービン吸気加温及び冷却システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第2の熱交換器に前記加熱流体と冷却流体とを選択
    的に供給する選択供給手段を備えたガスタービン吸気加
    温及び冷却システム。
  3. 【請求項3】 請求項2において、さらに、 前記第1の熱交換器を通った空気の温度を検知する温度
    センサと、 この検知された温度が所定値となるように、前記第2の
    熱交換器への前記加熱流体または冷却流体の供給量を調
    節する温度調節手段とを備えたガスタービン吸気加温及
    び冷却システム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、 前記熱媒体は、大気圧下で少なくとも−50°〜170
    °Cの範囲で液相である油性媒体からなるガスタービン
    吸気加温及び冷却システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、 外部設備からの高温流体を第1の加熱流体として前記第
    2の熱交換器に供給する加熱流体通路と、 ガスタービンの排ガスを熱源とする排熱ボイラーからの
    蒸気、またはエコノマイザからの温水を第2の加熱流体
    として前記第2の熱交換器に供給する高温流体通路と、 前記第1と第2の加熱流体を選択的に前記第2の熱交換
    器に供給させる切換手段と、 前記ガスタービンの起動後の所定のタイミングで前記切
    換手段を駆動して前記第1の加熱流体から前記第2の加
    熱流体に切り換える切換制御手段とを備えたガスタービ
    ン吸気加温及び冷却システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、 外部設備からの高温気体を第1の加熱流体として前記第
    2の熱交換器に供給する加熱流体通路と、 ガスタービンの排ガス通路に設けられて、排ガスを、外
    部と、第2の加熱流体として前記第2の熱交換器とに分
    配して導出する排気ダンパと、 前記第1と第2の加熱流体を選択的に前記第2熱交換器
    に供給させる切換手段と、 前記ガスタービンの起動後の所定のタイミングで前記切
    換手段を駆動して前記第1の加熱流体から前記第2の加
    熱流体に切り換える切換制御手段とを備えたガスタービ
    ン吸気加温及び冷却システム。
  7. 【請求項7】 ガスタービンに空気を吸入する吸気通路
    に設けられた熱交換器と、 この熱交換器に加熱気体と冷却気体とを選択的に供給し
    てこれら気体と前記空気との間で熱交換を行わせる選択
    供給手段とを備えたガスタービン吸気加温及び冷却シス
    テム。
  8. 【請求項8】 請求項7において、さらに、 前記熱交換器を通った空気の温度を検知する温度センサ
    と、 この検知された温度が所定値となるように、前記熱交換
    器への前記加熱気体または冷却気体の供給量を調節する
    温度調節手段とを備えたガスタービン吸気加温及び冷却
    システム。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 外部設備からの高温気体を第1の加熱気体として前記熱
    交換器に供給する加熱流体通路と、 ガスタービンの排ガス通路に設けられて、排ガスを、外
    部と、第2の加熱気体として前記熱交換器とに分配して
    導出する排気ダンパと、 前記第1と第2の加熱気体を選択的に前記熱交換器に供
    給させる切換手段と、 前記ガスタービンの起動後の所定のタイミングで前記切
    換手段を駆動して前記第1の加熱気体から前記第2の加
    熱気体に切り換える切換制御手段とを備えたガスタービ
    ン吸気加温及び冷却システム。
  10. 【請求項10】 請求項7または8において、 前記熱交換器に前記第1の加熱気体を供給する加熱気体
    通路と、 この加熱気体通路に空気を導入するブロアーと、 導入された空気に燃料を混入して燃焼させて前記第1の
    加熱気体を生成するバーナとを備えたガスタービン吸気
    加温及び冷却システム。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 ガスタービンの排ガス通路に設けられて、排ガスを、外
    部と、第2の加熱気体として前記熱交換器とに分配して
    導出する排気ダンパと、 前記第1と第2の加熱気体を選択的に前記熱交換器に供
    給させる切換手段と、 前記ガスタービンの起動後の所定のタイミングで前記切
    換手段を駆動して前記第1の加熱気体から前記第2の加
    熱気体に切り換える切換制御手段とを備えたガスタービ
    ン吸気加温及び冷却システム。
  12. 【請求項12】 ガスタービンに空気を吸入する吸気通
    路にガスタービンを収納したケーシングから排出される
    高温の換気を導入する換気抽入路と、 外部設備からの高温空気を前記吸気通路に導入する高温
    空気抽入路と、 前記換気と高温空気とを選択的に前記吸気通路に導入さ
    せる切換手段と、 前記ガスタービンの起動後の所定のタイミングで前記切
    換手段を駆動して前記高温空気から換気に切り換える切
    換制御手段と、 前記吸気通路に低温空気を導入する低温空気抽入路と、 前記換気または高温空気と低温空気とを選択的に前記吸
    気通路に導入させる選択導入手段とを備えたガスタービ
    ン吸気加温及び冷却システム。
  13. 【請求項13】 請求項12において、さらに、 前記換気、高温空気または低温空気が混入された吸気通
    路内の空気の温度を検知する温度センサと、 この検知された温度が所定値となるように、前記熱交換
    器への前記換気、高温空気または低温空気の供給量を調
    節する温度調節手段とを備えたガスタービン吸気加温及
    び冷却システム。
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