JPH09316018A - 含フッ素ビニルエーテルの製造方法 - Google Patents
含フッ素ビニルエーテルの製造方法Info
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- JPH09316018A JPH09316018A JP12879096A JP12879096A JPH09316018A JP H09316018 A JPH09316018 A JP H09316018A JP 12879096 A JP12879096 A JP 12879096A JP 12879096 A JP12879096 A JP 12879096A JP H09316018 A JPH09316018 A JP H09316018A
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Abstract
から含フッ素ビニルエーテルを高収率で得る。 【解決手段】アルコキシド化合物とテトラフルオロエチ
レンとを反応させて含フッ素ビニルエーテルを製造する
方法において、該アルコキシド化合物を溶解してなる溶
液のミストを該アルコキシド化合物に対して1モル倍以
上のテトラフルオロエチレンとを接触させる。
Description
ーテルの新規な製造方法に関する。詳しくは、アルコキ
シド化合物とテトラフルオロエチレンとの反応により、
含フッ素ビニルエーテルを収率良く製造する方法であ
る。
性、耐熱性、表面特性、電気特性等の優れた物性を有し
ている半面、加工性等に問題点を有している。それ故、
種々のコモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合
体が製造されている。こういった共重合体のうち、側鎖
にアルコキシ基を有する樹脂が溶融特性の優れたフッ素
樹脂として知られており、例えば、特開平2−2768
08号公報には広いモノマー組成で製造できる樹脂とし
て、テトラフルオロエチレンと含フッ素ビニルエーテル
との共重合体が提案されている。該共重合体に用いられ
る含フッ素ビニルエーテルは、対応するアルコキシド化
合物とテトラフルオロエチレンとの反応によって製造さ
れることが知られている(米国特許2917548号明
細書)。
8号明細書によれば、アルコキシド化合物とテトラフル
オロエチレンとの反応は、80〜110℃といった比較
的高い反応温度、及び21kg/cm2程度といった比
較的高い反応圧力が採用されているにもかかわらず、目
的物である含フッ素ビニルエーテルの収率は高々40%
程度と低い。また、反応におけるアルコキシド化合物と
テトラフルオロエチレンの接触方法については、反応圧
力を一定とするようにテトラフルオロエチレンを導入す
ることが記載されているのみであり、含フッ素ビニルエ
ーテルの収率を向上するための手段についての開示はな
い。
の含フッ素ビニルエーテルの製造方法が提案されている
が、該公報においてもアルコキシド化合物とテトラフル
オロエチレンの接触方法については、テトラフルオロエ
チレンを予め全量導入しておき反応中に供給しない方法
と、反応中に連続、又は間欠的にテトラフルオロエチレ
ンを供給する方法についての記載があるのみで、その反
応について、反応速度、および反応速度と収率との関係
について言及した記載はない。
し、高収率で含フッ素ビニルエーテルを得ることができ
る改良された製造方法を提供することにある。
シド化合物とテトラフルオロエチレンとの反応につい
て、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、目的物である含フッ素ビニルエーテルの収率を低下
させる原因は、テトラフルオロエチレンとアルコキシド
化合物との反応において、テトラフルオロエチレン1モ
ルに対して、アルコキシド化合物が2または3モル反応
して得られる多付加体が副生成物として生成しているた
めであることが明らかとなった。
の生成量を低減させ、高収率で目的物である含フッ素ビ
ニルエーテルを製造するためには、当量以上のテトラフ
ルオロエチレンを使用し且つ該アルコキシド化合物を溶
媒中に溶解し、これを分散した状体でテトラフルオロエ
チレンと接触させることが有効であることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
トラフルオロエチレンとを反応させて含フッ素ビニルエ
ーテルを製造する方法において、該アルコキシド化合物
を溶解してなる溶液のミストと該アルコキシド化合物に
対して1モル倍以上のテトラフルオロエチレンとを反応
せしめることを特徴とする含フッ素ビニルエーテルの製
造方法である。
ド化合物である。このアルコキシド化合物は、公知のも
のが特に制限されることなく使用できるが、特に本発明
において好適に採用されるアルコキシド化合物としては
下記一般式(1) RfCH2OM (1) (但し、Rfはハロゲン化炭化水素基であり、Mはアル
カリ金属である。)で示されるアルコキシド化合物が挙
げられる。そして更に、上記一般式(1)で示されるア
ルコキシド化合物は、Rfのハロゲン化炭化水素基が下
記一般式(2) −CaHbFcXd (2) (但し、Xはハロゲン原子であり、a及びcは1以上の
整数であり、b及びdは0以上の整数であり、且つb+
c+d≦2a+1となる関係を満足する。)で示される
フッ素化炭化水素基であるものが好ましい。また、前記
一般式(1)中、Mで示されるアルカリ金属はNa、
K、Cs等が好適に採用される。更に、Xのハロゲン原
子としては、塩素原子が好適に採用される。
ハロゲン化炭化水素基であればよいが、本発明において
は、ハロゲン化炭化水素基は前記一般式(2)で示させ
るフッ素化炭化水素基が好適である。上記式中のaは1
以上の整数であればよいが、原料のアルコールの入手の
容易さから、aは1〜10の整数であることが好まし
い。上記式中cは1以上の整数であればよく、b及びd
はそれぞれ0以上の整数であればよく、b+c+d≦2
a+1となる関係を有する。
コキシド化合物を具体的に例示すると、CF3CH2ON
a、CF3CF2CH2ONa、CF3(CF2)2CH2O
Na、CF3(CF2)3CH2ONa、CF3(CF2)4
CH2ONa、CF3(CF2)5CH2ONa、CF3(C
F2)6CH2ONa、HCF2CF2CH2ONa、H(C
F2)4CH2ONa、ClCF2CF2CH2ONa、CF
3CH2OK、CF3CF2CH2OK、CF3(CF2)2C
H2OK、CF3(CF2)3CH2OK、CF3(CF2)4
CH2OK、CF3(CF2)5CH2OK、CF3(C
F2)6CH2OK、HCF2CF2CH2OK、H(C
F2)4CH2OK、ClCF2CF2CH2OK、CF3C
H2OCs、CF3CF2CH2OCs、HCF2CF2CH
2OCs等を挙げることができる。
化合物は、市販品をそのまま用いてもよいし、下記一般
式(3) RfCH2OH (3) (但し、Rfは、前記一般式(1)と同じである。)で
示されるアルコールとアルカリ金属、アルカリ金属水素
化物、またはアルカリ金属アミド化合物との反応によっ
て得たものを用いてもよい。
エーテルは一方の原料であるテトラフルオロエチレンの
フッ素原子の1個がもう一方の原料であるアルコキシド
化合物のアルコキシ基で置換された構造となる。原料と
して前記一般式(1)で示されるアルコキシド化合物を
用いた場合、本発明の方法によって製造される含フッ素
ビニルエーテルは下記一般式(4) RfCH2OCF=CF2 (4) (但し、Rfは、前記一般式(1)と同じである。)で
示される含フッ素ビニルエーテルである。
物とテトラフルオロエチレンとの反応方法である。即
ち、本発明は、アルコキシド化合物を溶解した溶液(以
下単にアルコキシド溶液と略称する。)のミストを形成
し、これをテトラフルオロエチレンと接触させる方法で
ある。ミストの生成方法には特に制限なく、公知の方法
を用いるこができる。ミスト生成方法を例示するなら
ば、スプレーガンを用いる方法、超音波による方法等が
挙げられる。
とはアルコキシドが溶解している溶液である。溶媒とし
てはアルコキシド化合物を溶解し、本発明の反応に関し
て実質的に不活性である化合物であれば特に制限はな
い。好適に使用される溶媒を例示すると、ジエチルエー
テル、グライム類等の直鎖状エーテル;ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル;アセトニトリル、
プロピオニトリル等のニトリル化合物;更にはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を挙
げることができ、このうち特にジオキサン、テトラヒド
ロフランを好適に用いることができる。反応系内の水分
の存在は、前記一般式(1)で示されるアルコキシド化
合物の分解を起こすのみならず、副生成物の増加を招く
ために目的物の収率低下を引き起こす恐れがある。従っ
て、溶媒は予め脱水、乾燥しておくことが好ましい。
トラフルオロエチレンの使用割合はアルコキシド化合物
に対して1モル倍以上である。テトラフルオロエチレン
の使用割合が1モル倍より少ない場合は、テトラフルオ
ロエチレン1モルに対して、アルコキシド化合物が2ま
たは3モル反応して得られる多付加体が副生成物として
生成してくるため、目的とする含フッ素ビニルエーテル
の収率が低下し、好ましくない。
レンとの反応による含フッ素ビニルエーテルの製造にお
いては、この両者の接触を如何に迅速におこなえるか
が、該アルコキシド化合物による副反応を防止し、生成
物の収率向上に大きく影響を及ぼす。従って、これを達
成するには、アルコキシド溶液のミストの径は、一般に
1mm以下、好ましくは、500μm以下が採用され
る。ミストの径がこの値より大きい場合は、アルコキシ
ド溶液の単位重量当たりの表面積が小さくなるために、
テトラフルオロエチレンのアルコキシド溶液ミストへの
溶解に時間がかかるため、多付加体が生成し、目的とす
る含フッ素ビニルエーテル化合物の収率が低下する傾向
がある。
よって決定することもでき、またスプレーガンを用いた
場合は、アルコキシド溶液の物性とスプレー条件から抜
山−棚沢の実験式で見積もることも可能である。
とテトラフルオロエチレンを接触させることによって達
成されるが、アルコキシド溶液ミストをテトラフルオロ
エチレンの存在する反応器中に導入する方法、またテト
ラフルオロエチレンを圧送ガスとして用い、反応器中に
導入することも可能である。
反応圧力は特に限定されるものではないが、あまり高圧
の場合、装置的にかなり高価となる欠点が生じてくる。
1〜30kg/cm2−Gが実際的であり、特に好まし
くは、反応速度等を考慮すると5〜20kg/cm2−
Gである。
なく、反応速度に応じて反応温度を選べば良いが、一般
には0〜150℃の範囲であり、特に50〜120℃の
範囲が好適である。さらに、反応時間は特に制限される
ものでは無く、一般的には数分〜30分である。
に比較的高い圧力をかけた場合にその重合反応が起こる
恐れがあるが、このような場合には重合を防止するため
に重合禁止剤を反応系に添加することが好ましい。重合
禁止剤はアルコキシド溶液に混合して導入しても良い
し、導入するテトラフルオロエチレンに同伴させて導入
しても良い。用いられる重合禁止剤は実質的にテトラフ
ルオロエチレンの重合を防止するための化合物であれば
なんら制限なく採用できる。本発明において用いられる
重合禁止剤を例示すると、リモネン、ピネン、シメン、
テルピネン等を挙げることができる。
ればアルコキシド化合物とテトラフルオロエチレンとの
反応において、該アルコキシド化合物を溶解してなる溶
液のミストと1モル倍以上のテトラフルオロエチレンと
を接触せしめることによって、高収率で含フッ素ビニル
エーテルを製造することができる。
る、テトラフルオロエチレンを低圧条件で使用する場合
に顕著である。
例を示すが、本発明はこれら実施例になんら制限をうけ
るものではない。
に、0.2mmのノズル口径を有する、圧送式小型スプ
レーガンで、ナトリウム-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプ
ロポキシド207g、及びリモネン3gを含む1,4-ジオ
キサン溶液2200gを、テトラフルオロエチレンを
4.3l/分の速度で圧送ガスとして用い、ミスト径約
100μmで導入した。約17分で全てのアルコキシド
溶液が反応器に導入された。この間反応器は7kg/c
m2−Gに維持するように、導入孔とは別のノズルから
圧力を抜いた。導入終了後、10分後脱圧し、反応器を
加熱して蒸留によりCF3CF2CH2OCF=CF2を1
89g得た。収率は原料のナトリウム-2,2,3,3,3-ペン
タフルオロプロポキシド基準で68%であった。
に供給しておき、該反応器内にテトラフルオロエチレン
をノズルから導入した以外は、同様に反応をおこなっ
た。なお、テトラフルオロエチレンはマスフローコント
ローラーを用いて導入時間を同じにした。
CF=CF2は原料のナトリウム-2,2,3,3,3-ペンタフル
オロプロポキシド基準で47%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】アルコキシド化合物とテトラフルオロエチ
レンとを反応させて含フッ素ビニルエーテルを製造する
方法において、該アルコキシド化合物を溶解してなる溶
液のミストと該アルコキシド化合物に対して1モル倍以
上のテトラフルオロエチレンとを接触せしめることを特
徴とする含フッ素ビニルエーテルの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP12879096A JP3796292B2 (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 含フッ素ビニルエーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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1996
- 1996-05-23 JP JP12879096A patent/JP3796292B2/ja not_active Expired - Fee Related
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