JPH09136854A - 含フッ素ビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

含フッ素ビニルエーテルの製造方法

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JPH09136854A
JPH09136854A JP29574095A JP29574095A JPH09136854A JP H09136854 A JPH09136854 A JP H09136854A JP 29574095 A JP29574095 A JP 29574095A JP 29574095 A JP29574095 A JP 29574095A JP H09136854 A JPH09136854 A JP H09136854A
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昭彦 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルコキシド化合物とテトラフルオロエチレン
から含フッ素ビニルエーテルを高収率で得る。 【解決手段】RfCH2OM (但し、RfはCabcd(但し、Xはハロゲン原子
であり、a、b、c、dは0以上の整数であり、且つb
+c+d≦2a+1となる関係を満足する。)で示され
るフッ素化炭化水素基であり、Mはアルカリ金属であ
る。)で示されるもの等のアルコキシド化合物を3倍モ
ル以上のテトラフルオロエチレンと反応させ、RfCH
2OCF=CF2で示されるもの等の含フッ素ビニルエー
テルの製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素ビニルエ
ーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレンは耐薬品
性、耐熱性、表面特性、電気特性等の優れた物性を有し
ている半面、加工性等に問題点を有している。それ故、
種々のコモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合
体が製造されている。こういった共重合体のうち、側鎖
にアルコキシル基を有する樹脂が溶融特性の優れたフッ
素樹脂として知られており、例えば、特開平2−276
808号公報には広いモノマー組成で製造できる樹脂と
して、テトラフルオロエチレンと含フッ素ビニルエーテ
ルとの共重合体が提案されている。該共重合体に用いら
れる含フッ素ビニルエーテルは、対応するアルコキシド
化合物とテトラフルオロエチレンとの反応によって製造
されることが知られている(米国特許2917548号
明細書)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米国特許291754
8号明細書によれば、アルコキシド化合物とテトラフル
オロエチレンとの反応は、80〜110℃といった比較
的高い反応温度、及び21kg/cm2程度といった比
較的高い反応圧力が採用されているにもかかわらず、目
的物である含フッ素ビニルエーテルの収率は高々40%
程度と低い。また、反応におけるアルコキシド化合物と
テトラフルオロエチレンの量比については特に説明され
ておらず、また、その実施例における該量比もアルコキ
シド化合物に対するテトラフルオロエチレンの配合量が
2倍モル以下の低濃度となるような条件で仕込まれて反
応が遂行されている。
【0004】しかして、本発明者らがこの反応を試みた
ところ、目的物である含フッ素ビニルエーテルの収率が
低い原因はテトラフルオロエチレンとアルコキシド化合
物との反応において、テトラフルオロエチレン1モルに
対して、アルコキシド化合物が2および3モル反応して
得られる多付加体が副生成物として生成しているためで
あることが明かとなった。
【0005】そこで、本発明の目的は、副生成物を低減
し、高収率で含フッ素ビニルエーテルを得ることができ
る改良された製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルコキ
シド化合物とテトラフルオロエチレンとの反応について
鋭意研究を重ねた結果、特定の条件下で反応させること
により、アルコキシド化合物とテトラフルオロエチレン
から高収率で含フッ素ビニルエーテルを製造する方法を
見いだし、本発明の完成するに到った。
【0007】即ち、本発明は、テトラフルオロエチレン
とアルコキシド化合物とを反応させて含フッ素ビニルエ
ーテルを製造する方法において、実質的な反応開始から
反応終了までを、テトラフルオロエチレンがアルコキシ
ド化合物に対して3倍モル以上存在する状態で反応を行
うことを特徴とする含フッ素ビニルエーテルの製造方法
である。
【0008】本発明において、原料の一方はアルコキシ
ド化合物である。このアルコキシド化合物は、公知のも
のが特に制限されることなく使用できるが、特に本発明
において好適に採用されるアルコキシド化合物としては
下記一般式(1) RfCH2OM (1) (但し、Rfはハロゲン化炭化水素基であり、Mはアル
カリ金属である。)で示されるアルコキシド化合物が挙
げられる。そしてさらに、上記一般式(1)で示される
アルコキシド化合物は、Rfのハロゲン化炭化水素基が
下記一般式(2) −Cabcd (2) (但し、Xはハロゲン原子であり、a及びcは1以上の
整数であり、b及びdは0以上の整数であり、且つb+
c+d≦2a+1となる関係を満足する。)で示される
フッ素化炭化水素基であるものが好ましい。また、前記
一般式(1)中、Mで示されるアルカリ金属はNa、
K、Cs等が好適に採用される。さらに、Xのハロゲン
原子としては、塩素原子、フッ素原子等が好適に採用さ
れる。
【0009】上記した通り前記一般式(1)中、Rfは
ハロゲン化炭化水素基であればよいが、本発明において
は、ハロゲン化炭化水素基は前記一般式(2)で示させ
るフッ素化炭化水素基が好適である。上記式中のaは1
以上の整数であればよいが、原料のアルコールの入手の
容易さから、aは1〜10の整数であることが好まし
い。上記式中cは1以上の整数であればよく、b及びd
はそれぞれ0以上の整数であればよく、b+c+d≦2
a+1となる関係を有する。
【0010】本発明においてさらに好適に用いられるア
ルコキシド化合物を具体的に例示すると、CF3CH2
Na、CF3CF2CH2ONa、CF3(CF22CH2
ONa、CF3(CF23CH2ONa、CF3(CF2
4CH2ONa、CF3(CF25CH2ONa、CF
3(CF26CH2ONa、HCF2CF2CH2ONa、
ClCF2CF2CH2ONaを挙げることができる。
【0011】前記一般式(1)で示されるアルコキシド
化合物は、市販品をそのまま用いてもよいし、下記一般
式(3) RfCH2OH (3) (但し、Rfは、前記一般式(1)と同じである。)で
示されるアルコールとアルカリ金属、またはアルカリ金
属水素化物との反応によって得たものを用いてもよい。
【0012】上記のようにアルコールとアルカリ金属ま
たはアルカリ金属水素化物とを反応させてアルコキシド
化合物を製造する場合は、本発明の反応に先だって同一
の反応系中でアルコキシド化合物を製造しておき、その
まま本発明を実施してもなんら差し支えない。
【0013】本発明において製造される含フッ素ビニル
エーテルは一方の原料であるテトラフルオロエチレンの
フッ素原子の1個がもう一方の原料であるアルコキシド
化合物のアルコキシ基で置換された構造となる。原料と
して前記一般式(1)で示されるアルコキシド化合物を
用いた場合、本発明の方法によって製造される含フッ素
ビニルエーテルは下記一般式(4) RfCH2OCF=CF2 (4) (但し、Rfは、前記一般式(1)と同じである。)で
示される含フッ素ビニルエーテルである。
【0014】本発明においては、一般に反応には溶媒が
使用される。用いられる溶媒は、本発明の反応に関して
実質的に不活性である化合物であれば特に制限はない。
反応系内の水分の存在は、前記一般式(1)で示される
アルコキシド化合物の分解を起こすのみならず、副生成
物の増加を招くために目的物の収率低下を引き起こす恐
れがある。従って、溶媒は予め脱水、乾燥しておくこと
が好ましい。本発明において好適に採用される溶媒を例
示すると、ジエチルエーテル、グライム類等の直鎖状エ
ーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エー
テル;更にはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素化合物を挙げることができ、このうち特にジオ
キサン、テトラヒドロフランを好適に用いることができ
る。
【0015】本発明におけるテトラフルオロエチレンの
反応圧力は特に限定されるものではないが、あまり高圧
の場合、装置的にかなり高価となる欠点が生じてくる。
したがってテトラフルオロエチレンの圧力は1〜30k
g/cm2−Gが実際的であり、特に好ましくは、反応
速度等を考慮すると5〜20kg/cm2−Gである。
また、テトラフルオロエチレンは、反応の極初期に反応
器中に封じ込み、反応中には供給しない方法を採用する
こともでき、また、反応中に連続的、または、間欠的に
供給することもできる。
【0016】次に、反応温度は特に制限されるものでは
なく、反応速度に応じて反応温度を選べば良いが、一般
には0〜120℃の範囲であり、特に20〜80℃の範
囲であることが好適である。
【0017】本発明において、テトラフルオロエチレン
に比較的高い圧力をかけた場合にその重合反応が起こる
恐れがあるが、このような場合には重合を防止するため
に重合禁止剤を反応系に添加することが好ましい。重合
禁止剤は反応に先だって反応器に入れておいても良い
し、導入するテトラフルオロエチレンに同伴させて導入
しても良い。用いられる重合禁止剤は実質的にテトラフ
ルオロエチレンの重合を防止するための化合物であれば
なんら制限なく採用できる。本発明において用いられる
重合禁止剤を例示すると、リモネン、ピネン、シメン、
テルピネン等を挙げることができる。
【0018】本発明の最大の特徴は、上記反応におい
て、実質的な反応開始から反応終了までを、テトラフル
オロエチレンがアルコキシド化合物に対して特定の量比
以上存在する状態で反応を行う点にある。即ち、本発明
においては、テトラフルオロエチレンがアルコキシド化
合物に対しを3倍モル以上存在する状態で反応を行えば
良く、さらに好適には5倍モル以上存在する状態で反応
を行うことによって、さらに副生成物の低減ができ、高
収率で含フッ素ビニルエーテルを得ることができる。こ
れに対し、テトラフルオロエチレンとアルコキシド化合
物の量比がこの値より小さい場合は、目的生成物である
含フッ素ビニルエーテルの収率が大きく低下し、テトラ
フルオロエチレン1モルに対して、アルコキシド化合物
が2および3モル反応して得られる多付加体が副生成物
として多量に生成するため好ましくない。
【0019】なお、テトラフルオロエチレンとアルコキ
シド化合物との量比を上記特定値とするのは、実質的な
反応開始から反応終了までの間であれば良く、本発明で
は、収率に大きな影響を与えず本発明の効果を十分に発
揮できる短期間であれば、該量比が一時的に上記値を下
回る場合も許容される。即ち、本発明には、反応開始か
ら反応終了までの完全な全期間を上記条件で反応を実施
する場合の他、反応開始直後や途中サンプリングする際
等において、一時的に前記量比が3倍モルより小さくな
る場合も包含される。具体的には、反応開始から反応終
了までの間の95%以上、更に好適には全反応時間の9
8%以上をテトラフルオロエチレンがアルコキシド化合
物に対して3倍モル以上存在する状態として反応を行う
のが良好である。
【0020】ここで、本発明においてテトラフルオロエ
チレンとアルコキシド化合物の混合方法は特に制限はさ
れないが、その方法を例示するならば、反応容器中に予
めアルコキシド化合物を溶媒に溶かしておき、これにテ
トラフルオロエチレンを短時間に導入する方法を採用す
ることもでき、また、予め、テトラフルオロエチレンお
よびアルコキシド化合物を別々に溶媒に溶解させてお
き、これを連続して接触させ混合することもできる。
【0021】また、反応開始から反応終了までの間、テ
トラフルオロエチレンをアルコキシド化合物に対して3
倍モル以上存在させる方法としては、テトラフルオロエ
チレンの圧力を上げることにより、テトラフルオロエチ
レンの存在量を増やす方法を採用することもでき、ま
た、アルコキシド化合物の溶媒中の濃度を下げることに
よりテトラフルオロエチレンのアルコキシド化合物に対
する量比を増やすこともできる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、実質的な反応開始から反応終了までを、テト
ラフルオロエチレンがアルコキシド化合物に対して3倍
モル以上存在する状態で反応を行うことによって、副生
成物を低減することができ、高収率で含フッ素ビニルエ
ーテルを得ることができる。
【0023】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下実施
例を示すが、本発明はこれら実施例によってなんら制限
をうけるものではない。
【0024】実施例1 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH
2.3gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン28
8.8gを入れ攪拌を開始した。これに2,2,3,3,3-ペン
タフルオロプロパノール11.2g、1,4-ジオキサン1
1.5g、リモネン2gを含む混合溶液を反応器の温度
が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に滴下し
た。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再び、生成
した水素を追い出すために反応器を窒素置換した。
【0025】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で20kg/
cm2−Gまで導入した。その後も反応器の圧力が20
kg/cm2−Gになるようにテトラフルオロエチレン
を供給しつつ反応を行った。この時、テトラフルオロエ
チレンの溶媒中の溶解量は約53gとなるので、反応の
極初期からテトラフルオロエチレンのこのアルコキシド
化合物に対するモル比は7以上になる。
【0026】20分後、テトラフルオロエチレンの吸収
が止まったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によ
りCF3CF2CH2OCF=CF2を15.6g得た。収
率は原料のアルコール基準で91%であった。また、多
付加体の収率は蒸留の母液のGC分析から5%であっ
た。
【0027】比較例1 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH1
3.6gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン15
0.0gを入れ攪拌を開始した。これに2,2,3,3,3-ペン
タフルオロプロパノール67.5g、1,4-ジオキサン7
0.0g、リモネン2gを含む混合溶液を反応器の温度
が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に滴下し
た。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再び、生成
した水素を追い出すために反応器を窒素置換した。
【0028】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で20kg/
cm2−Gまで導入した。その後も反応器の圧力が20
kg/cm2−Gになるようにテトラフルオロエチレン
を供給しつつ反応を行った。この時、テトラフルオロエ
チレンの溶媒中の溶解量は約39gとなるので、この条
件では反応のほぼ70%の間、このテトラフルオロエチ
レンのアルコキシド化合物に対するモル比が3以下にな
る。
【0029】40分後、テトラフルオロエチレンの吸収
が止まったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によ
りCF3CF2CH2OCF=CF2を46.6g得た。収
率は原料のアルコール基準で45%であった。また、多
付加体の収率は蒸留の母液のGC分析から17%であっ
た。
【0030】実施例2 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH
2.1gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン14
4.2gを入れ攪拌を開始した。これに2,2,3,3,3-ペン
タフルオロプロパノール10.2g、1,4-ジオキサン1
0.3g、リモネン2gを含む混合溶液を反応器の温度
が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に滴下し
た。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再び、生成
した水素を追い出すために反応器を窒素置換した。
【0031】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で20kg/
cm2−Gまで導入した。その後も反応器の圧力が20
kg/cm2−Gになるようにテトラフルオロエチレン
を供給しつつ反応を行った。この時、テトラフルオロエ
チレンの溶媒中の溶解量は約27gとなるので、反応の
極初期からテトラフルオロエチレンのこのアルコキシド
化合物に対するモル比は4以上になる。
【0032】20分後、テトラフルオロエチレンの吸収
が止まったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によ
りCF3CF2CH2OCF=CF2を13.1g得た。収
率は原料のアルコール基準で84%であった。また、多
付加体の収率は蒸留の母液のGC分析から8%であっ
た。
【0033】実施例3 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH
1.8gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン36
6.1gを入れ攪拌を開始した。これに1,1-ジヒドロパ
ーフルオロペンタノール14.3g、1,4-ジオキサン1
5.2g、リモネン2gを含む混合溶液を反応器の温度
が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に滴下し
た。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再び、生成
した水素を追い出すために反応器を窒素置換した。
【0034】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で10kg/
cm2−Gまで導入した。その後も反応器の圧力が10
kg/cm2−Gになるようにテトラフルオロエチレン
を供給しつつ反応を行った。この時、テトラフルオロエ
チレンの溶媒中の溶解量は約29gとなるので、反応の
極初期からテトラフルオロエチレンのこのアルコキシド
化合物に対するモル比は5以上になる。
【0035】20分後、テトラフルオロエチレンの吸収
が止まったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によ
りCF3(CF23CH2OCF=CF2を16.4g得
た。収率は原料のアルコール基準で87%であった。ま
た、多付加体の収率は蒸留の母液中のGC分析から6%
であった。
【0036】実施例4 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH
2.0gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン38
2.1gを入れ攪拌を開始した。これに1,1-ジヒドロパ
ーフルオロオクタノール25.5g、1,4-ジオキサン2
7.2g、リモネン2gを含む混合溶液を反応器の温度
が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に滴下し
た。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再び、生成
した水素を追い出すために反応器を窒素置換した。
【0037】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で20kg/
cm2−Gまで導入した。その後も反応器の圧力が20
kg/cm2−Gになるようにテトラフルオロエチレン
を供給しつつ反応を行った。この時、テトラフルオロエ
チレンの溶媒中の溶解量は約72gとなるので、反応の
極初期からテトラフルオロエチレンのこのアルコキシド
化合物に対するモル比は11以上になる。
【0038】20分後、テトラフルオロエチレンの吸収
が止まったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によ
りCF3(CF26CH2OCF=CF2を28.5g得
た。収率は原料のアルコール基準で93%であった。ま
た、多付加体の収率は蒸留の母液中のGC分析から4%
であった。
【0039】実施例5 容量500mlのステンレス製の反応容器に、NaH
2.0gを入れた後、窒素置換し、1,4-ジオキサン32
0.3gを入れ攪拌を開始した。これに2,2,3,3-テトラ
フルオロ-3-クロロプロパノール10.5g、1,4-ジオ
キサン12.3g、リモネン2gを含む混合溶液を反応
器の温度が上昇しないように氷浴で冷却しながら徐々に
滴下した。滴下終了後、30分間攪拌を続けた後、再
び、生成した水素を追い出すために反応器を窒素置換し
た。
【0040】次に、反応器を60℃まで加熱し、テトラ
フルオロエチレンを反応器へ約20秒程度で15kg/
cm2−Gまで導入し、その後はテトラフルオロエチレ
ンの供給をしないで反応を行った。20分後、テトラフ
ルオロエチレンの吸収が約13kg/cm2−Gで止ま
ったところで脱圧し、反応器を加熱して蒸留によりCC
lF2CF2CH2OCF=CF2を13.4g得た。この
時、テトラフルオロエチレンの溶媒中の溶解量は約40
gから約32gと消費されるが、これからテトラフルオ
ロエチレンのこのアルコキシド化合物に対するモル比を
算出したところ、実質的な全反応期間を通して6以上に
なっている。収率は原料のアルコール基準で86%であ
った。また、多付加体の収率は蒸留の母液中のGC分析
から7%であった。
【0041】実施例6 2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノールの替わりに2,2,
3,3-テトラフルオロプロパノールを用い、テトラフルオ
ロエチレンとの反応を30℃で行ったほかは実施例1と
同様にしてHCF2CF2CH2OCF=CF2を得た。
【0042】このとき反応の極初期のアルコキシド化合
物に対するテトラフルオロエチレンのモル比は6であ
り、ビニルエーテルの収率は89%であり、多付加体の
収率は5%であった。
【0043】実施例7 リモネンを0.5wt%含有させた3.5wt%ナトリ
ウム-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシド/1,4-ジ
オキサン溶液2kgと18wt%テトラフルオロエチレ
ン/1,4-ジオキサン溶液2kgとをそれぞれ同量ずつ温
度60℃、圧力20kg/cm2−Gに保持したステン
レス製反応器の一方の端から導入し、平均滞在時間が5
分となるよう反応器の他方の端から排出した。なお、こ
の反応におけるアルコキシド化合物とテトラフルオロエ
チレンの反応器への導入比は、モル比で1:8.8であ
った。反応容器から出てきた反応溶液を蒸留塔に捕集
し、蒸留によりCF3CF2CH2OCF=CF2を94.
5g得た。
【0044】収率は原料のアルコール基準で88%であ
った。また、多付加体の量は蒸留の母液のGC分析から
5%であった。
【0045】実施例8 アルコキシド化合物としてナトリウム-2,2,2-トリフル
オロエトキシドを用い、アルコキシド化合物とテトラフ
ルオロエチレンの反応器への導入比をモル比で1:7.
2とし、反応圧力を18kg/cm2−Gとした他は実
施例7と同様に反応をおこなった。
【0046】その結果、生成物であるCF3CH2OCF
=CF2の収率は90%であり、多付加体の収率は5%
であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラフルオロエチレンとアルコキシド化
    合物とを反応させて含フッ素ビニルエーテルを製造する
    方法において、実質的な反応開始から反応終了までを、
    テトラフルオロエチレンがアルコキシド化合物に対して
    3倍モル以上存在する状態で反応を行うことを特徴とす
    る含フッ素ビニルエーテルの製造方法。
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