JPH09314245A - パンチストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金型 - Google Patents

パンチストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金型

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JPH09314245A
JPH09314245A JP15164196A JP15164196A JPH09314245A JP H09314245 A JPH09314245 A JP H09314245A JP 15164196 A JP15164196 A JP 15164196A JP 15164196 A JP15164196 A JP 15164196A JP H09314245 A JPH09314245 A JP H09314245A
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久三 窪田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダムバーカットパンチのストロークを変えず
に小さくしたまま、キャビティフローカットパンチのス
トロークを大きくする。 【解決手段】 パンチプレート72に、樹脂モールドし
たリードフレームの少なくともキャビティフローカッ
ト、ダムバーカットを実施する各種パンチ76、78を
備え付け、金型プレス時にパンチガイド82が樹脂モー
ルドしたリードフレームに接触した後に生じるパンチプ
レート72の停止したストリッパプレート74に向かう
移動距離を検出し、そのパンチプレート72の移動距離
をてこの原理により拡大してキャビティフローカットパ
ンチ76に伝えるキャビティフローカットパンチストロ
ーク増幅機構102を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体パッケージ用
の樹脂モールドしたリードフレームのキャビティフロー
カット、ダムバーカット、ピンチリードカット等の打ち
抜きに用いる各種パンチを備えたパンチストローク増幅
機構付きの搬送式プレス加工金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレス装置に装着した加工金型を
用いて半導体パッケージ用の樹脂モールドしたリードフ
レームに対し、キャビティフローカット、ダムバーカッ
ト、ピンチカット等の所定の打ち抜き工程を実施して半
導体パッケージを製作している。しかも、プレス加工金
型を搬送式にすると、細長い長方形状の樹脂モールドし
たリードフレームを順次送りながら、1金型にてそれ等
の打ち抜き工程を順次実施できる。なお、搬送式のプレ
ス加工金型では1金型に2〜5工程分の打ち抜き構造を
備えたものが多い。
【0003】このようなプレス加工金型の基本構造を簡
単に示すと、図7のようになる。図中、10がプレス加
工金型、12がその上金型、14が下金型である。そし
て、16が上金型12のパンチホルダー、18がパンチ
ホルダー16に固定したパンチプレート、20がその固
定用ボルト、22がパンチプレート18に吊り下げたス
トリッパープレート、24がその吊り下げ用のボルト、
26が吊り下げボルト24の中央部に巻回した圧縮コイ
ルスプリングである。このスプリング26はパンチプレ
ート18とストリッパープレート22との間に介在し、
両プレート18、22を引き離す方向に付勢力を及ぼ
す。
【0004】又、28がパンチ、30がパンチ28の基
部を囲む抜け止め用部材、32がパンチ28の刃部をガ
イド支持するパンチガイドである。この抜け止め用部材
30はパンチプレート18に取り付け固定されているの
に対し、パンチガイド32はストリッパープレート22
に取り付け固定されている。又、34(34a、34
b)が下金型14の所定箇所にそれぞれ嵌まり、上金型
12の移動方向(プレス方向)を決定するガイドポスト
である。
【0005】又、36が下金型14のベースダイ、38
がベースダイ36の上に固定したダイプレート、40が
ダイプレート38に取り付け固定したダイ(パンチ受
け)である。そして、42がダイ40の上に乗せた被加
工材である。なお、44(44a、44b)がガイドポ
スト34のガイド用穴、46がその穴44の内部等に設
置した軸受けに当るボールガイド、48が打ち抜き屑落
下用穴である。
【0006】このようなプレス加工金型10を用いて、
プレス時に上金型12の全体を下降させていくと、先ず
パンチガイド32が被加工材42に接触し、パンチガイ
ド32とストリッパープレート22とが所定位置に保持
される。そこで、更にパンチプレート18を下降させる
と、パンチ28の先端部がパンチガイド32より下方に
出て、ダイ40の穴に入る。それ故、パンチ28にて被
加工材42の打ち抜きを行なえる。なお、被加工材42
は打ち抜き工程にてフィードプレートに乗り上下動運動
した後、搬送機構によって次の工程に送られて行く。
【0007】このため、プレス加工金型を搬送式にし、
パンチプレートの所定箇所にキャビティフローカットパ
ンチ、ダムバーカットパンチ、ピンチカットパンチ等を
それぞれ配設し、半導体パッケージ用の樹脂モールドし
たリードフレームを順次送りながら、1金型にて所定の
打ち抜き工程を順次実施できる。その際、一体のパンチ
プレートに各種パンチをそれぞれ固定しているため、ス
トリッパープレートの樹脂モールドしたリードフレーム
接触後における各パンチのストロークは停止したストリ
ッパープレートに向かうパンチプレートの移動距離に等
しく、いずれも同一である。
【0008】このストリッパープレートとして一体のも
のを用いるのは、樹脂モールドしたリードフレームをス
トリッパープレートで同時にかつ均等に押え付けるため
である。そして、各パンチのストロークはパンチのダイ
入り深さを比較的多く取る必要のあるキャビティフロー
カットパンチのストロークに合わせて例えば1mmに決
定していた。しかし、ダムバーカットパンチは通常ダイ
入り深さを多く取る必要性がない。なお、一般にダイ入
り深さを多く取ると、刃先の摩耗が激しくなる。
【0009】しかも、ダムバーカットパンチは近接して
並べて配置したリード間を結合するダムバーの多数箇所
を同時に切断する必要性があるため、各刃部を櫛歯状に
並べてそれぞれ細く形成しなければならない。それ故、
ダムバーカットパンチの加工を考えると、金型オープン
時にパンチの各刃部を支持するパンチガイドの各穴を短
くして、各刃部を短くする必要性があった。又、最近の
ようにリード間隔がファインピッチになると、ダムバー
カットパンチの各刃部の幅を一層狭く、極細に形成しな
ければならなくなった。
【0010】図8はこのようなダムバーカットパンチに
よる樹脂モールドされたリードフレーム打ち抜き時の下
死点に達したパンチの一部刃部付近の構造を示す縦断面
図である。図中、50がダムバーカットパンチ、52が
その基部、54(54a、……54f)が基部50から
それぞれ突出する刃部、56がパンチ50をガイド支持
するパンチガイド、58(58a、……58f)が各刃
部54をそれぞれ挿入する穴である。又、60がパンチ
50を受けるダイ、62(62a、……62f)がその
打ち抜き用穴、64が打ち抜かれ、ダムバーカットされ
たリードフレームである。この樹脂モールドされたリー
ドフレーム64のリードフレーム自体の厚みL1 が0.
15mmで、各リードの幅L2 が0.21mm、ダムバ
ーカット各箇所の幅L3 が0.19mmの場合、いずれ
もパンチ50の隣接する刃部54の間隔を0.21m
m、刃部54の幅を0.19mmにした上で、例えばパ
ンチ50の各刃部54がダイ60に入る深さL4 を0.
7mm、パンチガイド56の厚みL5 を1mm、各刃部
54の長さL6 を3.2mmにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなダムバーカットパンチ50の各刃部54は間隔L2
と幅L3 が狭く、長さL6 が長いため、加工の限界に達
しており、砥石を当てて加工すると先細の加工になった
り、加工上の反りが許容範囲を逸脱してしまい、不良品
になる場合があった。このため、ダイ入り深さL4 を小
さくし、パンチガイド厚みL5 を少なくして、パンチ刃
部長さL6 を短くする必要がある。しかし、L4 は抜き
カスを確実に落下させなければならないため、これ以上
小さくすることができない。又、L5 もある一定の長さ
がないとガイドの意味がなく、こちらもこれ以上小さく
することができない。更に他の加工工程を持つ本金型の
場合、パンチ取付部が一体で動き、ストリッパープレー
トも一体で動くため、パンチストロークも他の工程と同
じにしなければならない。それ故、ダムバーカットパン
チのストロークを最適にすると1mmとなり、このスト
ロークを長くすることは必然的にダムバーカットパンチ
刃部の長さL6 を長くしなければならなくなり、現在の
加工技術では困難である。しかし、このような状況のも
とで、ボイド防止対策としてキャビティフローをパッケ
ージ厚と同じにしたため、そのキャビティフローカット
工程のパンチストロークを1.5〜3mm程にする必要
性が生じてきた。しかしながら、前出のようにパンチ取
付部及びストリッパープレートが一体となっているた
め、容易にパンチストロークを大きくすることができな
い。
【0012】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたものであり、第1に半導体パッケージ用の樹
脂モールドしたリードフレームを加工する被加工材搬送
式の同一金型に備えられている複数のパンチの内、一部
のパンチのストロークを外部の別駆動源を使用せずに簡
単な機構を備えることにより、他パンチのストロークよ
り大きくすることのできるパンチストローク増幅機構付
き搬送式プレス加工金型を提供することを目的とする。
又、第2にてこの原理を応用した簡単なパンチストロー
ク増幅機構を備えたパンチストローク増幅機構付き搬送
式プレス加工金型を提供することを目的とする。又、第
3にダムバーカットパンチのパンチストロークを変えず
に小さくしたまま、大きなストロークを必要とするキャ
ビティフローカットパンチのストロークを大きくするこ
とのできるパンチストローク増幅機構付き搬送式プレス
加工金型を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1目的対応のパンチストローク増幅機構付き搬送
式プレス加工金型では上金型のパンチホルダーにパンチ
プレートを固定し、そのパンチプレートで各パンチの基
部をそれぞれ支持し、更に各パンチの刃部をストリッパ
ープレートの所定箇所に配置して固定したパンチガイド
でそれぞれガイドし、その上金型と対になる下金型のダ
イベースにダイプレートを固定し、そのダイプレートの
所定箇所に各パンチと対応するダイをそれぞれ配置して
固定し、それ等のパンチガイドとダイ間に半導体パッケ
ージ用の樹脂モールドしたリードフレームを搬送可能に
配置する。そして、金型プレス時にパンチガイドが樹脂
モールドしたリードフレームに接触した後に生じるパン
チプレートの停止したストリッパープレートに向かう移
動距離を検出し、その移動距離をてこの原理により拡大
して一部のパンチに伝えるパンチストローク増幅機構を
備える。
【0014】又、第2目的に対応するパンチストローク
増幅機構付き搬送式プレス加工金型ではパンチストロー
ク増幅機構をパンチに一端部から力を及ぼすアームと、
そのアームの中央部を支えてアームを回動可能にするパ
ンチホルダーに固定した軸と、そのアームの他端部と停
止したストリッパープレートとの間に介在して、パンチ
プレートの停止したストリッパープレートに向かう移動
距離を検出してアームの他端部を押す検出体とから構成
する。
【0015】又、第3目的に対応するパンチストローク
増幅機構付き搬送式プレス加工金型ではパンチプレート
に樹脂モールドしたリードフレームの少なくともキャビ
ティフローカット、ダムバーカットを実施する各種パン
チを備え付け、パンチプレートの停止したストリッパー
プレートに向かう移動距離を拡大してキャビティフロー
カットパンチに伝えるキャビティフローカットパンチス
トローク増幅機構を備える。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態を説明する。図1は本発明を適用したキ
ャビティフローカットパンチストローク増幅機構付き搬
送式プレス加工金型の上金型における各種パンチの配設
状態を示す図である。図中、66が上金型、68がその
ベース、70がベース68に固定したパンチホルダー、
72がパンチホルダー70に固定したパンチプレート
(本体)、74がパンチプレート72から吊り下げたス
トリッパープレートである。なお、パンチプレート72
とストリッパープレート74との間には複数箇所に、そ
れ等のプレート72、74を引き離す方向に作用するス
プリング例えば圧縮コイルスプリングを中央部に備えた
吊り下げボルト(図示なし)がそれぞれ介在する。又、
76(76a、76b)がキャビティフローカットパン
チ、78(78a、78b)がダムバーカットパンチ、
80(80a、80b)がピンチリードカットパンチで
ある。そして、後述するパンチストローク増幅機構の一
部を構成する部材等を含むパンチプレート72が各種パ
ンチ76、78、80の基部をそれぞれ支持し、82
(82a、82b、82c)がそれ等の刃部をそれぞれ
ガイドする種別毎に設けたパンチガイドである。又、8
4(84a、84b)が上金型66の下金型に対する移
動方向を決定するガイドポストの頭部位置を示し、矢印
方向が被加工材たる半導体パッケージ用の樹脂モールド
したリードフレームの搬送方向を示す。なお、85等は
パンチ80等をパンチプレート72に取り付けるための
ボルトである。
【0017】この上金型66は図2に示すような4方向
に足(リード)を配置したQFP型半導体パッケージ用
の樹脂モールドしたリードフレームを加工対象とするも
のである(但し、図では1セクション分しか示していな
い)。図中、86がQFP型半導体パッケージ用の樹脂
モールドしたリードフレーム、88がそのリードフレー
ム自体、90がリードフレーム86の中央部に位置する
樹脂モールド部、92(92a、92b、92c、92
d)がその異なる4方向にそれぞれ例えば15本ずつ設
けた突出するリード、94(94a、94b、94c、
94d)がそれ等のリード群を互いに結合し、樹脂の流
出を防止するダムバー、96(96a、96b)が樹脂
モールド部90の対称位置にある2コーナ部付近にそれ
ぞれ設けた流入出口部にできる大きな樹脂溜りであるキ
ャビティフロー、98(98a、98b、98c、98
d)はそれ等のキャビティフロー96の各両側と他の2
コーナ部付近にそれぞれ1箇所設けた半導体素子設置部
支持用のピンチリードである。
【0018】このような樹脂モールドしたリードフレー
ムを製作する場合、通常リードフレームとして多数セク
ションを順次連続的に配設して細長く一体に結合したも
のを用い、各セクションの中央部に半導体集積回路チッ
プ等の半導体素子を設置し、各リードとの接続を行なっ
て、それ等の上に樹脂モールドする。それ故、加工時に
は搬送しながら各セクションにつきキャビティフローカ
ット、ダムバーカット、ピンチカットを順次行なわなけ
ればならない。そこで、上金型66には図3に示すよう
に隣接する3セクションにつき、各セクション毎の対応
するカット位置に、キャビティフローカットパンチ7
6、ダムバーカットパンチ78、ピンチリードカットパ
ンチ80の先端部をそれぞれ配設する。そして、ダムバ
ーカットパンチ78、ピンチリードカットパンチ80と
してa、b、c、dのパンチを4個ずつそれぞれ備え付
ける。なお、100(100a、100b、100c、
100d)はガイドポスト84を挿入する穴である。
【0019】これ等のパンチ76、78、80はベース
68に固定したパンチホルダー70とパンチプレート7
2で支持するが、ダムバーカットパンチ78とピンチリ
ードカットパンチ80はそれ等のパンチプレート72等
に直接固定して取り付けるのに対し、キャビティフロー
カットパンチ76は図1に示すようなパンチストローク
増幅機構102を介して取り付ける。
【0020】このパンチストローク増幅機構102はて
この原理を応用したものであり、その主要部材として、
各キャビティフローカットパンチ76の上端部にそれぞ
れ一端部から力を及ぼす棒状のアーム104(104
a、104b)と、それ等の各アームの中央部104を
それぞれ支えて各アーム104を回動可能にするパンチ
ホルダー70に固定した軸106(106a、106
b)と、各アーム104の他端部とストリッパープレー
ト74との間に介在し、パンチプレート72の停止した
ストリッパープレート74に向かう移動距離を検出し
て、各アーム104の他端部を押すきのこ状断面を有す
る板状の検出体108とを備える。それ故、各アーム1
04を支える軸106の位置をそのアーム中央より検出
体108の側に片寄せて設けておくと、軸106を中心
にアーム104の検出体108側の端部移動距離に対
し、キャビティフローカットパンチ76側の端部移動距
離を大きく拡大できる。なお、アーム104の検出体1
08側の端部移動距離はパンチプレート72の停止した
ストリッパープレート74に向かう移動距離と等しい。
【0021】又、パンチストローク増幅機構102を構
成する補助部材として、各キャビティフローカットパン
チ76の上端部と対応する各アーム104との間にそれ
ぞれ介在する連動体110(110a、110b)と、
それ等の各連動体110にそれぞれ作用し、プレス後の
復帰時に各連動体110を介して検出体108と対応す
るキャビティフローカットパンチ76とを所定位置まで
上動する付勢力を有するスプリング例えば圧縮コイルス
プリング112(112a、112b)とを備える。そ
して、各連動体110を上下動可能なガイド部材114
(114a、114b)と、それ等の対応する各ガイド
部材114の中央部に固定され、上面をアーム104と
の接触面にするアーム接触部材116(116a、11
6b)と、それ等の各アーム接触部材116の下面に固
定され、キャビティフローカットパンチ76の基部を保
持し、検出体108を復帰時に引き上げるパンチ支持部
材118(118a、118b)とから構成する。な
お、各連動体110はパンチプレート72と機能的に同
一の働きをする。
【0022】このようなパンチストローク増幅機構10
2は下側からパンチプレート72を貫通してパンチホル
ダー70の中央付近まで達する穴120の内部に収納
し、図4に示すようにその下側をパンチプレート72に
固着した下支え部材122によって保持する。但し、こ
の下支え部材122には検出体108の下端部が突出す
る貫通穴がある。なお、124はパンチホルダー70に
固定され、各軸106の両端部を全て保持するコ状のア
ーム吊り下げ部材である。
【0023】この上金型66と対になる下金型126に
も図5に示すように樹脂モールドしたリードフレームの
隣接する3セクション分につき、各ダイの所定位置に打
ち抜き用の穴をそれぞれ配設する。図中、126が下金
型、128がそのダイベース、130がダイベース12
8の上面中央部に乗せて固定したダイプレート、132
(132a、132b、132c)がダイプレート13
0の上面中央部に並べて固定したダイ、134(134
a、134b)がキャビティフローカットパンチ76に
対応する打ち抜き穴、136(136a、136b、1
36c、136d)がダムバーカットパンチ78に対応
する打ち抜き穴、138(138a、138b)がピッ
チリードカットパンチ80に対応する打ち抜き穴であ
る。なお、140(140a、140b、140c、1
40d)がガイドポスト84を挿入する穴である。
【0024】半導体パッケージの製作時、樹脂モールド
したリードフレームをフィードプレートに乗せて上下の
金型66、126の間に送りこむ。そして、樹脂モール
ドしたリードフレームを3セクション分対応するダイ1
32の上方にそれぞれ配置する。上金型66を下降する
と、ストリッパープレート74とパンチガイド82に押
されて、フィードプレートが下降し、そのパンチガイド
82と接触している樹脂モールドしたリードフレームが
ダイ32の上に乗る。それ故、ストリッパープレート7
4はそれ以上下降しなくなるが、パンチプレート72は
ストリッパープレート74との間に介在するスプリング
の付勢力に抗して更に下降する。
【0025】すると、パンチストローク増幅機構102
のパンチホルダー70に固定されているアーム104の
軸106もパンチプレート72が停止したストリッパー
プレート74に向かう移動距離だけ下降する。しかし、
検出体108はその下端面がストリッパープレート74
の移動時に、既にストリッパープレート74の上面に接
触しているため、それ以上下降しない。それ故、検出体
108の上端が必然的にアーム104の一端部を押し上
げる。すると、軸106が支点となり、アーム104の
他端部が連動体110を押し下げ、その連動体110が
更にキャビティフローカットパンチ76を押し下げる。
それ故、キャビティフローカットパンチ76の先端部が
パンチガイド82aから下方に突出する。なお、図1、
図4及び図6では検出体108の中心線で左右に分け
て、キャビティフローカットパンチ76aが上死点にあ
り、キャビティフローカットパンチ76bが下死点にあ
る時のパンチストローク増幅機構102の状態を示して
いる。
【0026】このようにして、金型プレス時にパンチガ
イド82aが樹脂モールドしたリードフレームに接触し
た後に生じるパンチプレート72の停止したストリッパ
ープレート74に向かう移動距離を検出し、その移動距
離をてこの原理により拡大してキャビティフローカット
パンチ76に伝えると、パンチプレート72の停止した
ストリッパープレート74に向かう移動距離を1mmに
しても、キャビティフローカットパンチ76のストロー
クを拡大して例えば2mmにすることができる。それ
故、キャビティフロー96の厚みがリードフレーム88
自体の厚みを超え、樹脂モールド部90の厚み程であっ
ても、図6に示すようにして良好にカットできる。因み
に、キャビティフローカットパンチの駆動用に外部の別
駆動源を使用すると、当然プレス装置全体のインデック
スが遅くなる。
【0027】しかも、ダムバーカットパンチ78、ピン
チリードカットパンチ80はいずれも従来通りパンチホ
ルダー70とパンチプレート72に直接固定しているた
め、パンチガイド82b、cが樹脂モールドしたリード
フレームに接触した後に生じるパンチプレート72の停
止したストリッパプレート74に向かう移動距離がその
ままダムバーカットパンチ78、ピンチリードカットパ
ンチ80の打ち抜き工程に必要なストロークとなる。そ
れ故、パンチプレート72の停止したストリッパプレー
ト74に向かう移動距離を1mmにすれば、ダムバーカ
ットパンチ78、ピンチリードカットパンチ80のスト
ロークが従来通りの1mmとなって適切なものになる。
【0028】このようにして、キャビティフローカット
パンチ76のストロークを大きくしても、ダムバーカッ
トパンチ78のストロークを従来通りの小さなものにし
ておけるため、被加工材たる樹脂モールドしたリードフ
レームのリード間隔がファインピッチであっても良好に
ダムバーカットを行なえる。そして、1度に隣接する3
セクションにつき、セクション毎に異なるキャビティフ
ローカット、ダムバーカット、ピンチリードカットをそ
れぞれ行なう。その後、上金型66を上昇させると、パ
ンチホルダー70、パンチプレート72の上昇と共にス
プリング112の付勢力によって連動体110が上昇し
て行き、キャビティフローカットパンチ76が上死点に
達して、アーム104も元の位置に戻る。当然、ダムバ
ーカットパンチ78、ピンチリードカットパンチ80等
もパンチプレート72等と共に上昇し、上死点に達す
る。このようにして、樹脂モールドしたリードフレーム
を1セクションずつ順次送りながら、各セクションにつ
き、キャビティフローカット、ダムバーカット、ピンチ
リードカット、リードカット等を繰り返して行なうと、
リードフレームから半導体パッケージを良好に打ち抜く
ことができる。
【0029】なお、上記実施の形態ではQFP型半導体
パッケージ用の樹脂モールドしたリードフレームについ
て説明したが、本発明は2方向に足を配置したDIP型
半導体パッケージ用の樹脂モールドしたリードフレーム
等、他の半導体パッケージ用の樹脂モールドしたリード
フレームの加工にも当然適用することができる。又、本
技術はキャビティフローカットパンチに限定されること
なく、通常のレジン落とし工程等にも適用できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項1
記載の発明では金型プレス時におけるパンチプレートの
停止したストリッパプレートに向かう移動距離を検出
し、てこの原理により拡大して一部のパンチに伝えるた
め、機構が簡単となり、一体のパンチプレートに固定し
た他のパンチより一部のパンチのストロークを大きくす
ることができる。しかも、パンチプレートの動きに基づ
いて、パンチストローク増幅機構を作動するため、外部
からの別駆動源を必要としない。又、外部の別駆動源を
必要としないため、多品種少量生産用の金型としてプレ
ス装置に装着して使用し易く、インデックスを早めるこ
ともできる。
【0031】又、請求項2記載の発明ではパンチストロ
ーク増幅機構をパンチに力を及ぼすアーム、そのアーム
の中央部を支える軸、そのアームをパンチプレートの停
止したストリッパープレートに向かう移動距離を検出し
て押す検出体等から構成するため、てこの原理を応用し
たパンチストローク増幅機構を簡単に製作することがで
きる。
【0032】又、請求項3記載の発明ではキャビティフ
ローカット用のパンチストローク増幅機構を備えるた
め、大きなストロークを必要とするキャビティフローカ
ットパンチのストロークを大きくし、ダムバーカットパ
ンチのストロークを変えずに小さなまま使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したキャビティフローカットパン
チストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金型の上金
型における各種パンチの配設状態を示す図である。
【図2】同プレス加工金型による加工対象となるQFP
型半導体パッケージ用の樹脂モールドしたリードフレー
ムを示す平面図である。
【図3】同上金型のストリッパープレートを取り除いた
状態を示す底面図である。
【図4】同上金型のキャビティフローカットパンチスト
ローク増幅機構の付近を示す側面図である。
【図5】同プレス加工金型の下金型を示す平面図であ
る。
【図6】同プレス加工金型に備えたキャビティフローカ
ットパンチストローク増幅機構の動作を示す側面図であ
る。
【図7】従来のプレス加工金型の基本構造を示す図であ
る。
【図8】同プレス加工金型に備えたダムバーカットパン
チによる樹脂モールドしたリードフレーム打ち抜き時の
下死点に達したパンチ付近の構造を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
66…上金型 70…パンチホルダー 72…パンチプ
レート 74…ストリッパープレート 76…キャビテ
ィフローカットパンチ 78…ダムバーカットパンチ
80…ピンチリードカットパンチ 82…パンチガイド
86…樹脂モールドしたリードフレーム 88…リー
ドフレーム 90…樹脂モールド部 92…リード 9
4…ダムバー 96…キャビティフロー 98…ピンチ
リード 100、140…ガイドポスト挿入穴 102…パンチ
ストローク増幅機構 104…アーム 106…軸 1
08…検出体 110…連動体 112…スプリング
114…ガイド部材 116…アーム接触部材 118
…パンチ支持部材 120…収納穴 122…下支え部材 124…吊り下
げ部材 126…下金型 128…ダイベース 130…ダイプレート 132…
ダイ 134…キャビティフローカットパンチ打ち抜き
穴 136…ダムバーカットパンチ打ち抜き穴 138…ピンチリードカットパンチ打ち抜き穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上金型のパンチホルダーにパンチプレー
    トを固定し、そのパンチプレートで各パンチの基部をそ
    れぞれ支持し、更に各パンチの刃部をストリッパープレ
    ートの所定箇所に配置して固定したパンチガイドでそれ
    ぞれガイドし、その上金型と対になる下金型のダイベー
    スにダイプレートを固定し、そのダイプレートの所定箇
    所に各パンチと対応するダイをそれぞれ配置して固定
    し、それ等のパンチガイドとダイ間に半導体パッケージ
    用の樹脂モールドしたリードフレームを搬送可能に配置
    してなる搬送式プレス加工金型において、上記金型プレ
    ス時にパンチガイドが樹脂モールドしたリードフレーム
    に接触した後に生じるパンチプレートの停止したストリ
    ッパープレートに向かう移動距離を検出し、その移動距
    離をてこの原理により拡大して一部のパンチに伝えるパ
    ンチストローク増幅機構を備えることを特徴とするパン
    チストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金型。
  2. 【請求項2】 パンチストローク増幅機構をパンチに一
    端部から力を及ぼすアームと、そのアームの中央部を支
    えてアームを回動可能にするパンチホルダーに固定した
    軸と、そのアームの他端部とストリッパープレートとの
    間に介在して、パンチプレートの停止したストリッパー
    プレートに向かう移動距離を検出してアームの他端部を
    押す検出体とから構成することを特徴とする請求項1記
    載のパンチストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金
    型。
  3. 【請求項3】 パンチプレートに、樹脂モールドしたリ
    ードフレームの少なくともキャビティフローカット、ダ
    ムバーカットを実施する各種パンチを備え付け、そのパ
    ンチプレートの停止したストリッパープレートに向かう
    移動距離を拡大してキャビティフローカットパンチに伝
    えるキャビティフローカットパンチストローク増幅機構
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のパンチ
    ストローク増幅機構付き搬送式プレス加工金型。
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