JPH0931358A - 易崩壊性軟凝集粉体および化粧料 - Google Patents
易崩壊性軟凝集粉体および化粧料Info
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Abstract
及び使用性と官能特性に優れた化粧料を提供する。 【解決手段】平均一次粒子径が0.001〜15μmの
粉体表面に固形有機物質と液体油剤を被覆してなる易崩
壊性軟凝集粉体、及びこれを配合した化粧料。
Description
面を液状油剤と固形有機物質で被覆処理した易崩壊性軟
凝集粉体、及びこれを含有する化粧料に関する。さらに
詳しくは、滑り性と転がり性に優れ、使用感触が良好な
易崩壊性軟凝集粉体、及びこれを配合した使用性と官能
特性に優れた化粧料に関する。
易崩壊性、軟凝集性の粉体を化粧料に配合し、感触調整
を行うことが知られている。易崩壊性又は軟凝集性と
は、使用に際して手指或いは化粧スポンジ等による圧力
や摩擦により容易に崩壊する性質を意味し、この性質に
よって、皮膚に塗布した時に、易崩壊性軟凝集粉体が崩
壊しながら延展してゆく為、かろやかに滑るように伸び
る等の独特の官能特性が得られる。例えば、特公平7−
45377号公報には、崩壊性酸化チタンと特定形状の
板状粉体を併用配合することにより、優れた官能特性を
持った固型化粧料が得られることが開示されている。し
かし、ここで用いられる易崩壊性酸化チタンは煩雑で多
工程の特殊な製造方法によって得られるものであり、同
公報にも記載されている如く、一般の酸化チタンを物理
的方法や二次粒子化する方法で、易崩壊性軟凝集粉体を
得ることは不可能とされていた。
工程を必要としない工業的製造方法で、軟凝集性を有
し、圧力や摩擦で容易に崩壊する性質を示し、且つ、粉
体自身が滑り性や転がり性にも優れた易崩壊性軟凝集粉
体と、化粧スポンジ等でのとれも良く、さらに塗布時に
軟凝集体が崩壊しながら延展して、肌上での伸び、滑り
等の使用感触に優れた化粧料を得ることにある。
した結果、平均一次粒子径が0.001〜15μmの粉
体表面を液状油剤と固形有機物質で被覆処理することに
よって易崩壊性軟凝集粉体が得られ、これを化粧料に配
合することによって上記目的を達成できることを見出し
た。また、好ましくは、上記易崩壊性軟凝集粉体1重量
部をエタノール100重量部中に投入した直後より超音
波分散し、超音波照射0.5分後及び30分後に、この
溶液をレーザー回折型粒度分布計を用いて50%体積粒
径(D50)を測定する時、D50(30分後)/D5
0(0.5分後)の値が0.01〜0.6の範囲に入る
易崩壊性軟凝集粉体にすることによって達成される。
01〜15μmの範囲の平均一次粒子径を有する必要が
ある。平均一次粒子径の測定方法としては、例えば走査
型もしくは透過型電子顕微鏡観察から得られる粒子径を
用いる方法が挙げられる。その平均一次粒子径が0.0
01μm未満では粉体の活性が強いために、化粧料の変
色や変質が発生する可能性があり、また15μmを超え
ると軟凝集体の崩壊性が強くなりすぎる問題がある。
料に用いられてきた粉体であれば構わないが、例えば赤
色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色
401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号
Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルク
パウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー、シリ
コーンパウダー、セルロースパウダー等の高分子、黄酸
化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブ
ラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化セリウム、窒化ホウ素等の白色顔料、タルク、
マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタ
ン、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニ
ウム、珪酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等の金属
塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、微粒子酸化チタ
ン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒
子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナ
イト、スメクタイト等の1種又は2種以上の粉体が挙げ
られる。これらの粉体は平均一次粒子径が上記範囲内で
あれば、形状が球状、板状、針状等の制限はない。
常温で固体である、シルク(絹フィブロイン)、N−ア
シル化リジン等のアシル化アミノ酸、デオキシリボ核
酸、キチン、キトサン、セルロース、微生物産生ポリマ
ー等の生体由来性高分子化合物等の1種又は2種以上の
有機物質が挙げられる。このうちシルク、N−アシル化
リジンが感触的に特に好ましく、またN−アシル化リジ
ンとしては、N−ラウロイル−L−リジンが特に好まし
い。
する有機物質の種類により異なるが常温で液体である、
ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテ
ル変性シリコーン等のシリコーン類、ミリスチン酸イソ
プロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチル
ドデシル等の脂肪酸エステル類、軽質流動パラフィン、
軽質流動イソパラフィン等の炭化水素類等の1種又は2
種以上の油剤が挙げられる。
法としては、例えば、粉体と液状油剤を溶解しない適当
な溶媒を用いて固形有機物質を溶媒に溶解させ、この溶
液を粉体が均一に分散している分散液に攪拌しながら添
加し、続いて、溶解している有機物質の単独析出を抑制
する効果と粉体の適度な凝集性を付与する効果を持つ液
状油剤を少量添加した後、凝固剤の添加、等電点処理、
溶媒の蒸散、速いずり変形速度での攪拌等の適当な析出
方法で粉体表面に有機物質を再析出させるとともに液状
油剤を付着させ、次いで濾過、乾燥、粉砕を行う方法が
用いられる。
(被覆量)は、粉体100重量部に対して5〜200重
量部が好ましい。この範囲であると、粉体が易崩壊性の
凝集体を形成し、優れた滑り性と転がり性が認められ
る。
量(被覆量)は、粉体100重量部に対して、0.01
〜3重量部が好ましい。この範囲であると、固形有機物
質の単独析出抑制効果、粉体の適度な凝集効果が認めら
れると同時に、感触面でも優れている。
体は、固形有機物質が粉体類の表面を薄い層で一様に覆
うと同時に、固形有機物質と液状油剤が粉体間をつなぎ
合わせ、適度な大きさに凝集化した形態をとっている。
径(平均粒子径)は、通常、製造工程により0.5〜1
50μm、好ましくは1〜60μm、さらに好ましくは
3〜30μmに調製される。ここで、平均粒子径が0.
5μm未満では凝集体が小さすぎるために本発明の効果
が得られにくい問題があり、また150μmを超えると
皮膚に対する付着性、親和性、伸展性が悪くなりやすい
問題がある。
(易崩壊性軟凝集粉体)1重量部をエタノール100重
量部中に投入した直後より超音波分散し、超音波照射
0.5分後及び30分後に、この溶液をレーザー回折型
粒度分布計(例えば、セイシン企業製、PRO−700
0S)を用いて50%体積粒径(D50)を測定する
時、D50(30分後)/D50(0.5分後)の値が
0.01〜0.6の範囲に入ることが好ましく、さらに
好ましくは0.1〜0.45である。D50(30分
後)/D50(0.5分後)の値が0.6を超えると、
使用感触が低下し、0.01未満では化粧料製造時の攪
拌等で全ての凝集体が壊れてしまう場合がある。また、
0.1〜0.45の範囲が配合した化粧料の感触面から
も好ましい。
ンデーション、おしろい、フェースパウダー、アイシャ
ドウ、口紅、ネイルカラー、クリーム、ハンドクリー
ム、乳液、ローション、プレシェーブローション、アフ
ターシェーブローション、入浴剤、石鹸、ボディソー
プ、洗顔料、クレンジング料、デオドラント料等が挙げ
られる。その中でも粉体化粧料に配合することによって
本発明の効果が特に顕著に発揮される。
合する割合は、その製品の特性によって変化するが、肌
上での優れた伸び性、滑り性等の良好な使用感触を持つ
化粧料を得るためには化粧料100重量部中に10〜9
9重量部が好ましい。
凝集粉体の他に化粧料に使用される粉体類、着色剤、油
剤、保湿剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、香
料、溶剤、塩類、粘剤、高分子、防腐剤等を同時に配合
することができる。特に、粉体類については従来公知の
無機粉体、有機粉体、色素、及びこれらの複合粉体及び
シリコーン処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、油
剤処理等の表面処理を施した粉体類が挙げられる。ま
た、場合によっては本発明の改質粉体をさらに従来公知
の表面処理手法で表面処理することも可能である。
細に説明する。
E)を用いて、シリコンラバーを取り付けたアタッチメ
ント(10mm×10mm、荷重70g)を毎秒0.2
cmの速度で、粉末試料を塗った両面粘着テープ上を移
動させた時の動摩擦係数の平均を求めた。各測定試料の
粉体について、酸化チタン(テイカ製、JR805)の
値を1とした時の相対値を表2に示す。
による官能試験を行い、化粧スポンジへのとれ、化粧料
使用時の滑らかさ、皮膚上での伸びの3項目について評
価した。評価は、次の4段階にて判定した。即ち、パネ
ラー10名中で、各項目について良いと答えた人数で判
定した。◎;9名以上,○;7〜8名,△;4〜6名,
×;3名以下。結果を表3に示す。
0.62μm)100gを6N塩酸137g、精製水9
00gの混合溶液に超音波を併用したスターラー撹拌に
より30分間分散した。一方、N−ラウロイル−L−リ
ジン100gを5N水酸化ナトリウム水溶液179g、
精製水1290gの混合溶液に溶解させた後、これを2
等分したものをスターラー撹拌中の前記酸化チタン分散
液に添加した。続いて、ジメチルポリシロキサン(粘度
20cs)1gを添加し、30分間撹拌を行った。これ
に2等分した残りのN−ラウロイル−L−リジン溶解液
を添加し、凝集化を行った。次いで、pHメーターにて
溶液のpHを確認しながら1N塩酸あるいは1N水酸化
ナトリウム水溶液を用いて中和を完了させた後、さらに
30分間撹拌を行った。そして、分散液を減圧濾過し、
さらに水洗した後、塩分計にて塩化ナトリウムが完全に
除去されていることを確認した。得られた粉体を金属バ
ットに移し、80℃に設定した送風乾燥機にて12時間
乾燥を行った。そして、得られた粉体をミキサーを用い
て粉砕し、酸化チタン/N−ラウロイル−L−リジン/
ジメチルポリシロキサン軟凝集粉体198gを得た。得
られた粉体は電子顕微鏡と赤外線吸収スペクトル分析に
より、N−ラウロイル−L−リジンとジメチルポリシロ
キサンが酸化チタンの表面に被覆されていることを確認
した。しかも添加した量のN−ラウロイル−L−リジン
とジメチルポリシロキサンが殆ど酸化チタンに被覆され
ていた。この軟凝集粉体1重量部をエタノール100重
量部中に投入した直後より超音波分散し、超音波照射
0.5分後及び30分後に、この溶液をレーザー回折型
粒度分布計(セイシン企業製、PRO−7000S)を
用いて50%体積粒径(D50)を測定したところ、D
50(30分後)/D50(0.5分後)の値が0.4
2であった。
0.62μm)100gを6N塩酸27.4g、精製水
1050gの混合溶液に超音波を併用したスターラー撹
拌により30分間分散した。一方、N−ラウロイル−L
−リジン20.0gを5N水酸化ナトリウム水溶液3
5.8g、精製水258gの混合溶液に溶解させた後、
これをスターラー撹拌中の前記酸化チタン分散液に添加
した。続いて、ジメチルポリシロキサン(粘度20c
s)1gを添加し、30分間撹拌を行った。pHメータ
ーにて溶液のpHを確認しながら1N塩酸あるいは1N
水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和を完了させた後、
さらに30分間撹拌を行った。続いて、ジメチルポリシ
ロキサン(粘度200cs)0.05gを添加し、30
分間撹拌を行った。そして、分散液を減圧濾過し、さら
に水洗した後、塩分計にて塩化ナトリウムが完全に除去
されていることを確認した。得られた粉体を金属バット
に移し、80℃に設定した送風乾燥機にて12時間乾燥
を行った。そして、得られた粉体をミキサーを用いて粉
砕し、酸化チタン/N−ラウロイル−L−リジン/ジメ
チルポリシロキサン軟凝集粉体116gを得た。得られ
た粉体は電子顕微鏡と赤外線吸収スペクトル分析によ
り、N−ラウロイル−L−リジンとジメチルポリシロキ
サンが酸化チタンの表面に被覆されていることを確認し
た。しかも添加した量のN−ラウロイル−L−リジンと
ジメチルポリシロキサンが殆ど酸化チタンに被覆されて
いた。この粉体の50%体積粒径(D50)を測定した
ところ、D50(30分後)/D50(0.5分後)の
値が0.71であった。
覆粉体) 酸化チタン(テイカ製、JR805、平均一次粒子径
0.62μm)100gを6N塩酸137g、精製水9
00gの混合溶液に超音波を併用したスターラー撹拌に
より30分間分散した。一方、N−ラウロイル−L−リ
ジン100gを5N水酸化ナトリウム水溶液179g、
精製水1290gの混合溶液に溶解させた後、前記酸化
チタン分散液に添加した。中和の工程以降は上記実施例
1に準じて実施した。そして、得られた粉体をミキサー
を用いて粉砕し、酸化チタン/N−ラウロイル−L−リ
ジン被覆粉体197gを得た。得られた粉体は電子顕微
鏡と赤外線吸収スペクトル分析により、N−ラウロイル
−L−リジンが酸化チタンの表面に被覆されていること
を確認した。この粉体の50%体積粒径(D50)を測
定したところ、D50(30分後)/D50(0.5分
後)の値が0.80であった。
体) 酸化チタン(テイカ製、JR805、平均一次粒子径
0.62μm)100gを6N塩酸137g、精製水9
00gの混合溶液に超音波を併用したスターラー撹拌に
より30分間分散した。そして、ジメチルポリシロキサ
ン(粘度20cs)1gを添加し、30分間撹拌を行っ
た。以降の工程は上記実施例1に準じて実施した。そし
て、得られた粉体をミキサーを用いて粉砕し、酸化チタ
ン/ジメチルポリシロキサン被覆粉体100gを得た。
得られた粉体は赤外線吸収スペクトル分析により、ジメ
チルポリシロキサンが酸化チタンの表面に被覆されてい
ることを確認した。この粉体の50%体積粒径(D5
0)を測定したところ、D50(30分後)/D50
(0.5分後)の値が0.82であった。
た。この時のD50(30分後)/D50(0.5分
後)の値は0.85であった。
L−リジン100gをジューサーミキサーを用いて混合
し、得られた粉体を以て比較例4とした。この時のD5
0(30分後)/D50(0.5分後)の値は0.83
であった。
ョン) 表1の処方に従いパウダーファンデーションを作製し
た。尚、易崩壊性軟凝集粉体は実施例1で作製したもの
を用いた。
ョン) 実施例3の処方で、易崩壊性軟凝集粉体として実施例1
のものに代えて実施例2のものを使用する以外は実施例
3と同様ににしてパウダーファンデーションを作製し
た。
油剤成分を加えてさらに混合を行った。得られた混合粉
体を60メッシュに通した後、金型を用いて金皿に打型
し、製品を得た。
ン) 実施例2の易崩壊性軟凝集粉体のかわりに比較例1〜4
の各種酸化チタン粉末を用いた他は実施例2と全く同様
にしてパウダーファンデーションの試作を行った。
前記の滑り性の評価方法に基づき評価した結果を表2に
示す。
デーションについて、前記の官能特性の評価に基づき評
価した結果を表3に示す。
粉体(実施例1〜2)は滑り性に優れることがわかる。
また、表3の結果からは、本発明の易崩壊性軟凝集粉体
を配合した実施例3〜4のファンデーションは、比較例
5〜8のファンデーションと比べて化粧スポンジへのと
れが良く、滑らかさや伸びにも優れていることがわか
る。
子径が0.001〜15μmの粉体表面に、固形有機物
質と液状油剤を被覆してなる易崩壊性軟凝集粉体が滑り
性・転がり性に優れるとともに、これを配合した化粧料
が使用性や官能特性に優れることは明かである。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均一次粒子径が0.001〜15μm
の粉体表面を液状油剤と固形有機物質で被覆してなる易
崩壊性軟凝集粉体。 - 【請求項2】 易崩壊性軟凝集粉体1重量部をエタノー
ル100重量部中に投入した直後より超音波分散し、超
音波分散0.5分後及び30分後に、この溶液をレーザ
ー回折型粒度分布計を用いて50%体積粒径(D50)
を測定する時、D50(30分後)/D50(0.5分
後)の値が0.01〜0.6の範囲に入ることを特徴と
する請求項1記載の易崩壊性軟凝集粉体。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2の易崩壊性軟凝
集粉体を配合することを特徴とする化粧料。
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JP20141695A JP3417735B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 易崩壊性軟凝集粉体および化粧料 |
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