JPH09312012A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH09312012A JPH09312012A JP15046596A JP15046596A JPH09312012A JP H09312012 A JPH09312012 A JP H09312012A JP 15046596 A JP15046596 A JP 15046596A JP 15046596 A JP15046596 A JP 15046596A JP H09312012 A JPH09312012 A JP H09312012A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体
に関し、特に長期安定性、摺動耐久性に優れた潤滑層を
有する磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板上に少なくとも強磁性薄膜層
と保護膜層とを設けた磁気記録媒体において、保護膜層
は炭素系又は酸化セラミックス系のうちから選択される
ものであり、該保護膜層の表面に、含フッ素化合物と、
化学式 【化16】 で表される化合物、化学式 【化17】 で表される化合物、化学式 【化18】 で表される化合物から選ばれる一種以上の極圧剤とから
なる潤滑層を有する。
に関し、特に長期安定性、摺動耐久性に優れた潤滑層を
有する磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板上に少なくとも強磁性薄膜層
と保護膜層とを設けた磁気記録媒体において、保護膜層
は炭素系又は酸化セラミックス系のうちから選択される
ものであり、該保護膜層の表面に、含フッ素化合物と、
化学式 【化16】 で表される化合物、化学式 【化17】 で表される化合物、化学式 【化18】 で表される化合物から選ばれる一種以上の極圧剤とから
なる潤滑層を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に用いられる磁気記録媒体に関し、特に長期安定性、摺
動耐久性に優れた潤滑層を有する磁気記録媒体に関する
ものである。
に用いられる磁気記録媒体に関し、特に長期安定性、摺
動耐久性に優れた潤滑層を有する磁気記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜型の磁気記録媒体においては、強磁
性金属又はその合金を、スパッタ、蒸着、無電解メッキ
法等によって非磁性基板上に被着させて製造される。実
際の使用時においては、しばしば磁気ヘッドと磁気記録
媒体とが高速で接触摺動するので、摩耗損傷を受けた
り、磁気特性の劣化を起こしたりする。そのため、磁性
層上に保護膜や潤滑層を設けることによって接触摺動の
際の静/動摩擦を極力低減させ、耐摩耗性を向上させる
ことが行われている。このような保護膜層としては、炭
素質膜、SiO2 、ZrO2 の酸化物膜、窒化物膜、ホ
ウ化物膜等が一般的に利用され、また潤滑層としては、
一般的にパーフロロポリエーテル(Perfluoro Polyethe
rs)化合物がディスク表面に塗布されている。上記パー
フロロポリエーテル化合物としては、
性金属又はその合金を、スパッタ、蒸着、無電解メッキ
法等によって非磁性基板上に被着させて製造される。実
際の使用時においては、しばしば磁気ヘッドと磁気記録
媒体とが高速で接触摺動するので、摩耗損傷を受けた
り、磁気特性の劣化を起こしたりする。そのため、磁性
層上に保護膜や潤滑層を設けることによって接触摺動の
際の静/動摩擦を極力低減させ、耐摩耗性を向上させる
ことが行われている。このような保護膜層としては、炭
素質膜、SiO2 、ZrO2 の酸化物膜、窒化物膜、ホ
ウ化物膜等が一般的に利用され、また潤滑層としては、
一般的にパーフロロポリエーテル(Perfluoro Polyethe
rs)化合物がディスク表面に塗布されている。上記パー
フロロポリエーテル化合物としては、
【化5】 で表される商品名「フォンブリン ゼットドール(FOMB
LIN ZDOL)」〔アウジモント(AUSIMONT)社製〕などが
知られている。
LIN ZDOL)」〔アウジモント(AUSIMONT)社製〕などが
知られている。
【0003】前記のように、使用時においてはしばしば
磁気ヘッドと磁気記録媒体とが高速で接触摺動する。即
ち、磁気記録媒体の起動時においては、ディスク媒体が
停止状態から急速に回転加速されるのに伴ってヘッドが
浮上するが、電源が切断されてディスク媒体を回転させ
ているモータが停止すると、ディスク媒体とヘッドとが
高速で接触しながら摺動するのである。一方、面記録密
度を高める目的で、ヘッドの低浮上化並びにディスク回
転の高速化が求められており、近年では媒体基板はより
平滑になる方向にある。そして、潤滑層を設けて動摩擦
係数を低減することは、前記の接触摺動によって生ずる
摩耗損傷や磁気特性の劣化を抑制する目的においては極
めて有効であるものの、特にこの潤滑層の膜厚が厚い場
合や媒体基板が平滑である場合には、ヘッドとディスク
との間に吸着現象が生じ易いため、静摩擦係数が増加
し、ヘッドがディスクに張り付いたまま動作不能とな
る。しかもこのような吸着現象は、媒体基板を平滑にす
るにつれて発生し易くなる。逆に潤滑層の膜厚が薄い場
合には前記吸着現象の発生を抑制できるものの、十分な
耐久性が得られずに高速の接触摺動に起因する摩耗損傷
や磁気特性の劣化が生じ易いものとなる。そこで、潤滑
層に用いる潤滑剤を精選することにより、上述の問題を
解消しようとする試みが種々なされている。例えば前記
「フォンブリン ゼットドール」は、分子の両末端にC
H2 OH基を有しているために保護膜層の表面との結合
が強く、優れた耐摺動特性を付与するものとなる。
磁気ヘッドと磁気記録媒体とが高速で接触摺動する。即
ち、磁気記録媒体の起動時においては、ディスク媒体が
停止状態から急速に回転加速されるのに伴ってヘッドが
浮上するが、電源が切断されてディスク媒体を回転させ
ているモータが停止すると、ディスク媒体とヘッドとが
高速で接触しながら摺動するのである。一方、面記録密
度を高める目的で、ヘッドの低浮上化並びにディスク回
転の高速化が求められており、近年では媒体基板はより
平滑になる方向にある。そして、潤滑層を設けて動摩擦
係数を低減することは、前記の接触摺動によって生ずる
摩耗損傷や磁気特性の劣化を抑制する目的においては極
めて有効であるものの、特にこの潤滑層の膜厚が厚い場
合や媒体基板が平滑である場合には、ヘッドとディスク
との間に吸着現象が生じ易いため、静摩擦係数が増加
し、ヘッドがディスクに張り付いたまま動作不能とな
る。しかもこのような吸着現象は、媒体基板を平滑にす
るにつれて発生し易くなる。逆に潤滑層の膜厚が薄い場
合には前記吸着現象の発生を抑制できるものの、十分な
耐久性が得られずに高速の接触摺動に起因する摩耗損傷
や磁気特性の劣化が生じ易いものとなる。そこで、潤滑
層に用いる潤滑剤を精選することにより、上述の問題を
解消しようとする試みが種々なされている。例えば前記
「フォンブリン ゼットドール」は、分子の両末端にC
H2 OH基を有しているために保護膜層の表面との結合
が強く、優れた耐摺動特性を付与するものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、「フォ
ンブリン ゼットドール」は、文献(”Degradation of
perfluoropolyethers catalyzed by aluminum oxid
e”,Paul H.Kasai,Wing T.Tang and Patrick Wheeler,
Applied Surface Science,51(1991)201〜 211)で示さ
れているように、分子中にO−CF2 −O単位の結合を
有しているため、磁気ヘッドの構成成分である酸化アル
ミニウム(α−Al2 O3 )の存在下では200℃程度
の温度で容易に分解する。加えて、CSS(コンタクト
スタート ストップ)時には磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドの両者間の接触により局所的な瞬間温度は、90〜4
50℃或いはそれ以上の高温となる。したがって、磁気
ヘッドのスライダー部分の構成成分である酸化アルミニ
ウムが触媒となり、「フォンブリン ゼットドール」が
分解する。このように潤滑剤の分解が生ずると、分解し
た成分が揮発して潤滑層の膜厚が減少することにより、
動摩擦係数が増大し、その結果、高速の接触摺動に起因
する摩耗損傷や磁気特性の劣化が生じ易いという問題を
生じていた。さらに、分解した成分の一部が磁気ヘッド
に付着することにより、ヘッドの浮上量が増加して再生
出力の低下を引き起こしたり、ヘッドが記録媒体表面に
吸着する等の問題をも生じていた。
ンブリン ゼットドール」は、文献(”Degradation of
perfluoropolyethers catalyzed by aluminum oxid
e”,Paul H.Kasai,Wing T.Tang and Patrick Wheeler,
Applied Surface Science,51(1991)201〜 211)で示さ
れているように、分子中にO−CF2 −O単位の結合を
有しているため、磁気ヘッドの構成成分である酸化アル
ミニウム(α−Al2 O3 )の存在下では200℃程度
の温度で容易に分解する。加えて、CSS(コンタクト
スタート ストップ)時には磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドの両者間の接触により局所的な瞬間温度は、90〜4
50℃或いはそれ以上の高温となる。したがって、磁気
ヘッドのスライダー部分の構成成分である酸化アルミニ
ウムが触媒となり、「フォンブリン ゼットドール」が
分解する。このように潤滑剤の分解が生ずると、分解し
た成分が揮発して潤滑層の膜厚が減少することにより、
動摩擦係数が増大し、その結果、高速の接触摺動に起因
する摩耗損傷や磁気特性の劣化が生じ易いという問題を
生じていた。さらに、分解した成分の一部が磁気ヘッド
に付着することにより、ヘッドの浮上量が増加して再生
出力の低下を引き起こしたり、ヘッドが記録媒体表面に
吸着する等の問題をも生じていた。
【0005】尤も、前記のように「フォンブリン ゼッ
トドール」は、分子の両末端の極性官能基が炭素系、又
は酸化物セラミックス系の保護膜層との間に高い結合性
を示し、優れた摺動特性が付与されるという利点を有す
るので、このような利点を保持したままで磁気ヘッドに
よる接触分解を抑制させる方法が希求されていた。この
ように磁気記録媒体の性能向上に対する要求は厳しく、
従来の構成では十分な特性であるとは言えず、特に高温
度下における潤滑性、耐摩耗性、耐食性及び吸着(ステ
ィクション)特性等を含めた長期に亙る耐久性において
一層の改善が望まれていた。
トドール」は、分子の両末端の極性官能基が炭素系、又
は酸化物セラミックス系の保護膜層との間に高い結合性
を示し、優れた摺動特性が付与されるという利点を有す
るので、このような利点を保持したままで磁気ヘッドに
よる接触分解を抑制させる方法が希求されていた。この
ように磁気記録媒体の性能向上に対する要求は厳しく、
従来の構成では十分な特性であるとは言えず、特に高温
度下における潤滑性、耐摩耗性、耐食性及び吸着(ステ
ィクション)特性等を含めた長期に亙る耐久性において
一層の改善が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、耐久性に優れた潤滑層組成を選択するこ
とにより長年月の使用に耐える高記録密度の磁気記録媒
体を提供することを目的とするものであって、非磁性基
板上に少なくとも強磁性薄膜層と保護膜層とを設けた磁
気記録媒体において、保護膜層は炭素系又は酸化セラミ
ックス系のうちから選択されるものであり、該保護膜層
の表面に、含フッ素化合物と、化学式
されたもので、耐久性に優れた潤滑層組成を選択するこ
とにより長年月の使用に耐える高記録密度の磁気記録媒
体を提供することを目的とするものであって、非磁性基
板上に少なくとも強磁性薄膜層と保護膜層とを設けた磁
気記録媒体において、保護膜層は炭素系又は酸化セラミ
ックス系のうちから選択されるものであり、該保護膜層
の表面に、含フッ素化合物と、化学式
【化6】 で表される化合物、化学式
【化7】 で表される化合物、化学式
【化8】 で表される化合物から選ばれる一種以上の極圧剤とから
なる潤滑層を有することを特徴とする。
なる潤滑層を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における潤滑層に用いられ
る含フッ素化合物としては、特にその構造を限定するも
のではないが、分子中にO−CF2 −O単位の構造を含
むパーフロロポリエーテル系潤滑剤が好ましく、特に前
記「フォンブリン ゼットドール」が前記極圧剤との組
み合わせにおいて優れた特性を有するものであった。
尚、上記含フッ素化合物は数平均分子量が500〜50
00であるものを用いることが好ましく、分子量が50
0に満たないと潤滑作用が十分ではなく、分子量が50
00を越えると粘度が増大して、流動性、塗布性の点で
好ましくない。磁気記録媒体のさらなる耐久性向上にお
いて、数平均分子量は500〜2000であることが望
ましい。
る含フッ素化合物としては、特にその構造を限定するも
のではないが、分子中にO−CF2 −O単位の構造を含
むパーフロロポリエーテル系潤滑剤が好ましく、特に前
記「フォンブリン ゼットドール」が前記極圧剤との組
み合わせにおいて優れた特性を有するものであった。
尚、上記含フッ素化合物は数平均分子量が500〜50
00であるものを用いることが好ましく、分子量が50
0に満たないと潤滑作用が十分ではなく、分子量が50
00を越えると粘度が増大して、流動性、塗布性の点で
好ましくない。磁気記録媒体のさらなる耐久性向上にお
いて、数平均分子量は500〜2000であることが望
ましい。
【0008】また、本発明における潤滑層に用いられる
前記3種の極圧剤は、金属又は金属合金からなる歯車等
の潤滑油に添加される極圧添加剤として知られている
が、これら特定の極圧剤を磁気記録媒体の潤滑層として
使用される含フッ素化合物(潤滑剤)に添加することに
より、その他の極圧添加剤を選択した場合には到底期待
できない高い耐久性が得られることが見出された。
前記3種の極圧剤は、金属又は金属合金からなる歯車等
の潤滑油に添加される極圧添加剤として知られている
が、これら特定の極圧剤を磁気記録媒体の潤滑層として
使用される含フッ素化合物(潤滑剤)に添加することに
より、その他の極圧添加剤を選択した場合には到底期待
できない高い耐久性が得られることが見出された。
【0009】即ち、前記含フッ素化合物と前記特定の極
圧剤とを含有する潤滑層は、極圧剤によりヘッドのスラ
イダー部の酸化アルミニウムとの触媒反応(分解)が緩
和され、高温下においても化学的に安定となると考えら
れる。また、含フッ素化合物として例えば前記「フォン
ブリン ゼットドール」を用いると、その両末端の極性
官能基が炭素系、又は酸化物セラミックス系の保護膜と
の間に高い親和性を示し、スピンオフ性の向上に寄与す
るので、長期安定性、摺動耐久性が向上すると考えられ
る。そのため、磁気記録媒体の信頼性が飛躍的に向上す
る。
圧剤とを含有する潤滑層は、極圧剤によりヘッドのスラ
イダー部の酸化アルミニウムとの触媒反応(分解)が緩
和され、高温下においても化学的に安定となると考えら
れる。また、含フッ素化合物として例えば前記「フォン
ブリン ゼットドール」を用いると、その両末端の極性
官能基が炭素系、又は酸化物セラミックス系の保護膜と
の間に高い親和性を示し、スピンオフ性の向上に寄与す
るので、長期安定性、摺動耐久性が向上すると考えられ
る。そのため、磁気記録媒体の信頼性が飛躍的に向上す
る。
【0010】尚、潤滑層における前記特定の極圧剤の添
加割合は、0.1〜80wt%の範囲が好ましく、0.
1wt%より少ないと添加効果が殆ど発揮されず、80
wt%より多いとムラを生じるので好ましくない。品質
安定性等を考慮すると、特に1〜10wt%の範囲がよ
り一層好ましい。また、この潤滑層の厚さは、30Å以
下であることが好ましく、この厚さを越えると磁気ヘッ
ドの吸着が生じ、走行性に問題を生じる。さらに、この
潤滑層の形成方法は、含フッ素化合物を適当な溶剤に溶
解した溶液中に前記特定の極圧剤を超音波等により微分
散処理した混合溶液(分散液)を公知のディップ法、ス
ピン法、スプレイ法等により保護膜層表面に塗布するよ
うにしても良いし、或いは前記特定の極圧剤を保護膜層
表面に塗布した上に含フッ素化合物を塗布するようにし
ても良く、特にその形成方法を限定するものではない。
加割合は、0.1〜80wt%の範囲が好ましく、0.
1wt%より少ないと添加効果が殆ど発揮されず、80
wt%より多いとムラを生じるので好ましくない。品質
安定性等を考慮すると、特に1〜10wt%の範囲がよ
り一層好ましい。また、この潤滑層の厚さは、30Å以
下であることが好ましく、この厚さを越えると磁気ヘッ
ドの吸着が生じ、走行性に問題を生じる。さらに、この
潤滑層の形成方法は、含フッ素化合物を適当な溶剤に溶
解した溶液中に前記特定の極圧剤を超音波等により微分
散処理した混合溶液(分散液)を公知のディップ法、ス
ピン法、スプレイ法等により保護膜層表面に塗布するよ
うにしても良いし、或いは前記特定の極圧剤を保護膜層
表面に塗布した上に含フッ素化合物を塗布するようにし
ても良く、特にその形成方法を限定するものではない。
【0011】尚、本発明における保護膜層として炭素系
膜を用いる場合は、水素化或いは窒素化した炭素膜を用
いてもよい。また、酸化物系のセラミックス系膜を用い
る場合には、SiO2 、ZrO2 を用いることが好まし
い。
膜を用いる場合は、水素化或いは窒素化した炭素膜を用
いてもよい。また、酸化物系のセラミックス系膜を用い
る場合には、SiO2 、ZrO2 を用いることが好まし
い。
【0012】
〈試験用磁気ディスクの作製〉 [実施例1]図1に、本発明に係るハードディスクの断
面図を示した。アルミニウム合金基板1上に硬質下地層
としてNi−Pメッキ膜2が13μm被覆され、次にス
パッタリング法により下地膜層3としてCrを600
Å、磁気記録層(磁性膜)4としてCo−Cr−Ta合
金を400Å、さらに保護膜層5としてカーボンを20
0Å積層した。次に、潤滑剤として化学式
面図を示した。アルミニウム合金基板1上に硬質下地層
としてNi−Pメッキ膜2が13μm被覆され、次にス
パッタリング法により下地膜層3としてCrを600
Å、磁気記録層(磁性膜)4としてCo−Cr−Ta合
金を400Å、さらに保護膜層5としてカーボンを20
0Å積層した。次に、潤滑剤として化学式
【化9】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を、
フッ素系溶剤〔商品名「PF5060」,ミネソタ マ
イニング アンド マニュファクチュアリング社製〕中
に濃度0.10wt%となるように溶解した溶液と、化
学式
フッ素系溶剤〔商品名「PF5060」,ミネソタ マ
イニング アンド マニュファクチュアリング社製〕中
に濃度0.10wt%となるように溶解した溶液と、化
学式
【化10】 で表される極圧剤を、フッ素系溶剤〔商品名「アサヒク
リンAK225」,旭硝子株式会社製〕中に濃度5wt
%となるように溶解した溶液とを混合して塗布用組成物
を調製した。そして、前記保護膜層5の上面に、上記の
ように調製した塗布用組成物をディップ法により膜厚2
0Å(ESCAを用いて測定)になるように塗布して潤
滑層6を形成し、実施例1の磁気ディスクを得た。
リンAK225」,旭硝子株式会社製〕中に濃度5wt
%となるように溶解した溶液とを混合して塗布用組成物
を調製した。そして、前記保護膜層5の上面に、上記の
ように調製した塗布用組成物をディップ法により膜厚2
0Å(ESCAを用いて測定)になるように塗布して潤
滑層6を形成し、実施例1の磁気ディスクを得た。
【0013】[実施例2]前記実施例1で使用された極
圧剤に代えて化学式
圧剤に代えて化学式
【化11】 で表される極圧剤を用いた以外は前記実施例1と同様に
して実施例2の磁気ディスクを得た。
して実施例2の磁気ディスクを得た。
【0014】[実施例3]前記実施例1で使用された極
圧剤に代えて化学式
圧剤に代えて化学式
【化12】 で表される極圧剤を用いた以外は前記実施例1と同様に
して実施例3の磁気ディスクを得た。
して実施例3の磁気ディスクを得た。
【0015】[比較例1]前記実施例1で使用された極
圧剤を添加しない(潤滑層は前記潤滑剤のみで構成され
る)以外は前記実施例1と同様にして比較例1の磁気デ
ィスクを得た。
圧剤を添加しない(潤滑層は前記潤滑剤のみで構成され
る)以外は前記実施例1と同様にして比較例1の磁気デ
ィスクを得た。
【0016】〈試験1;長期安定性テスト〉前記実施例
1,2,3、比較例1に用いた各潤滑層成分に、触媒と
してAl2O3 を添加して250℃に加熱した。表1に
加熱をはじめて4時間後の重量減少量を示した。
1,2,3、比較例1に用いた各潤滑層成分に、触媒と
してAl2O3 を添加して250℃に加熱した。表1に
加熱をはじめて4時間後の重量減少量を示した。
【表1】 上記表1より明らかなように、実施例1,2,3に用い
た各潤滑層成分については重量減が殆ど観察されなかっ
たのに対し、比較例1に用いた潤滑層成分については殆
どが分解して蒸発してしまった。
た各潤滑層成分については重量減が殆ど観察されなかっ
たのに対し、比較例1に用いた潤滑層成分については殆
どが分解して蒸発してしまった。
【0017】〈試験2;CSS耐久性テスト−動摩擦係
数の測定〉前記実施例1,2、比較例1,2の各磁気デ
ィスクのCSS(Contact-Start-Stop)試験を行った。
CSS試験機には市販のCSSテスター(マツボー社
製)を、磁気ヘッドにはAl2 O3 −TiCスライダー
ヘッドを用いて10000回のCSSを行った。100
00回後の動摩擦係数の値を表2に示した。
数の測定〉前記実施例1,2、比較例1,2の各磁気デ
ィスクのCSS(Contact-Start-Stop)試験を行った。
CSS試験機には市販のCSSテスター(マツボー社
製)を、磁気ヘッドにはAl2 O3 −TiCスライダー
ヘッドを用いて10000回のCSSを行った。100
00回後の動摩擦係数の値を表2に示した。
【表2】 上記表2より明らかなように、実施例1,2,3の各磁
気ディスクについては動摩擦係数がCSS10000回
の後でも約0.3と低いが、比較例1の磁気ディスクで
は動摩擦係数が0.7と高い値を示していた。
気ディスクについては動摩擦係数がCSS10000回
の後でも約0.3と低いが、比較例1の磁気ディスクで
は動摩擦係数が0.7と高い値を示していた。
【0018】〈試験3;CSS耐久性テスト−静摩擦係
数の測定〉前記実施例1,2、比較例1,2の各磁気デ
ィスクのCSS(Contact-Start-Stop)試験を行った。
CSS試験機には市販のCSSテスター(マツボー社
製)を、磁気ヘッドにはAl2 O3 −TiCスライダー
ヘッドを用いて40℃,80%RH雰囲気下で5000
回のCSSを行い、ディスクとヘッドを24時間静置さ
せた後の静摩擦係数の値を表3に示した。
数の測定〉前記実施例1,2、比較例1,2の各磁気デ
ィスクのCSS(Contact-Start-Stop)試験を行った。
CSS試験機には市販のCSSテスター(マツボー社
製)を、磁気ヘッドにはAl2 O3 −TiCスライダー
ヘッドを用いて40℃,80%RH雰囲気下で5000
回のCSSを行い、ディスクとヘッドを24時間静置さ
せた後の静摩擦係数の値を表3に示した。
【表3】 上記表3より明らかなように、実施例1,2,3の各磁
気ディスクについては静摩擦係数が約0.7と低いが、
比較例の磁気ディスクでは静摩擦係数が1.7と高い値
を示していた。
気ディスクについては静摩擦係数が約0.7と低いが、
比較例の磁気ディスクでは静摩擦係数が1.7と高い値
を示していた。
【0019】尚、保護膜層として、SiO2 、ZrO2
を用いた場合も同様に試験用磁気ディスクを作成して前
記試験2,3を行ったが、前記と同様の結果が得られ
た。また、その他にも前記含フッ素化合物に代えて、化
学式
を用いた場合も同様に試験用磁気ディスクを作成して前
記試験2,3を行ったが、前記と同様の結果が得られ
た。また、その他にも前記含フッ素化合物に代えて、化
学式
【化13】 で表される含フッ素化合物、
【化14】 で表される含フッ素化合物、
【化15】 で表される含フッ素化合物を用いて同様に試験ディスク
を作成し、前記試験2,3を行った。若干摺動特性が劣
るものの前記と同様の結果が得られた。
を作成し、前記試験2,3を行った。若干摺動特性が劣
るものの前記と同様の結果が得られた。
【0020】以上本発明の実施例を示したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、薄
膜で優れた潤滑性、耐摩耗性を有し、長期間に亙って優
れた耐久性を維持することができる信頼性の高い潤滑層
が得られる。特に、磁気記録媒体に適用するにあたっ
て、ヘッドの低浮上化に対応した平滑な基板を用いた場
合にも、良好な潤滑特性と十分な耐久性を有する。した
がって、本発明の磁気記録媒体は、データ記録密度を増
大させることが可能となると共に、長期に亙り信頼性の
高いものとなる。
膜で優れた潤滑性、耐摩耗性を有し、長期間に亙って優
れた耐久性を維持することができる信頼性の高い潤滑層
が得られる。特に、磁気記録媒体に適用するにあたっ
て、ヘッドの低浮上化に対応した平滑な基板を用いた場
合にも、良好な潤滑特性と十分な耐久性を有する。した
がって、本発明の磁気記録媒体は、データ記録密度を増
大させることが可能となると共に、長期に亙り信頼性の
高いものとなる。
【図1】本発明に係るハードディスクの一例を模式的に
示す断面図である。
示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09D 171/02 PLQ C09D 171/02 PLQ C10N 40:18
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも強磁性薄膜層
と保護膜層とを設けた磁気記録媒体において、 保護膜層は炭素系又は酸化セラミックス系のうちから選
択されるものであり、該保護膜層の表面に、含フッ素化
合物と、化学式 【化1】 で表される化合物、化学式 【化2】 で表される化合物、化学式 【化3】 で表される化合物から選ばれる一種以上の極圧剤とから
なる潤滑層を有することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 潤滑層は、含フッ素化合物として分子中
にO−CF2 −O単位の構造を含むパーフロロポリエー
テル系潤滑剤を含んでなることを特徴とする請求項1に
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 潤滑層は、含フッ素化合物として化学式 【化4】 で表される化合物を含んでなることを特徴とする請求項
1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 潤滑層は、含フッ素化合物に対して0.
1〜80wt%の極圧剤を含んでなることを特徴とする
請求項1〜3の何れか一項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 潤滑層は、含フッ素化合物に対して1〜
10wt%の極圧剤を含んでなることを特徴とする請求
項1〜3の何れか一項に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15046596A JPH09312012A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15046596A JPH09312012A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09312012A true JPH09312012A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=15497519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15046596A Pending JPH09312012A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09312012A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2011065312A1 (ja) * | 2009-11-26 | 2013-04-11 | 旭硝子株式会社 | エーテル化合物、これを含む潤滑剤および潤滑剤用組成物 |
-
1996
- 1996-05-23 JP JP15046596A patent/JPH09312012A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2011065312A1 (ja) * | 2009-11-26 | 2013-04-11 | 旭硝子株式会社 | エーテル化合物、これを含む潤滑剤および潤滑剤用組成物 |
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