JPH10149527A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10149527A
JPH10149527A JP30631596A JP30631596A JPH10149527A JP H10149527 A JPH10149527 A JP H10149527A JP 30631596 A JP30631596 A JP 30631596A JP 30631596 A JP30631596 A JP 30631596A JP H10149527 A JPH10149527 A JP H10149527A
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JP
Japan
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layer
magnetic
magnetic recording
recording medium
fluorine
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Pending
Application number
JP30631596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
Soichiro Masuyama
聡一郎 増山
Yutaka Yamauchi
豊 山内
Junya Kato
順也 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体
に関し、特に長期安定性、摺動耐久性に優れた潤滑層を
有する磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板1上に少なくとも強磁性薄膜
層4と保護膜層5とを設けた磁気記録媒体において、保
護膜層5は炭素系又は酸化セラミックス系のうちから選
択されるものであり、該保護膜層5の表面に化学式 【化13】 で表される含フッ素化合物よりなる潤滑層6を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に用いられる磁気記録媒体に関し、特に長期安定性、摺
動耐久性に優れた潤滑層を有する磁気記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜型の磁気記録媒体においては、強磁
性金属又はその合金を、スパッタ、蒸着、無電解メッキ
法等によって非磁性基板上に被着させて製造される。実
際の使用時においては、しばしば磁気ヘッドと磁気記録
媒体とが高速で接触摺動するので、摩耗損傷を受けた
り、磁気特性の劣化を起こしたりする。そのため、磁性
層上に保護膜や潤滑層を設けることによって接触摺動の
際の静/動摩擦を極力低減させ、耐摩耗性を向上させる
ことが行われている。このような保護膜層としては、炭
素質膜、SiO2 、ZrO2 の酸化物膜、窒化物膜、ホ
ウ化物膜等が一般的に利用され、また潤滑層としては、
一般的にパーフロロポリエーテル(Perfluoro Polyethe
rs)化合物がディスク表面に塗布されている。上記パー
フロロポリエーテル化合物としては、
【化2】 で表される商品名「デムナム エスエー (DEMNUM SA)」
(ダイキン工業社製)、または、
【化3】 で表される商品名「フォンブリン ゼットドール(FOMBL
IN ZDOL)」〔アウジモント(AUSIMONT)社製〕などが知
られている。
【0003】前記のように、使用時においてはしばしば
磁気ヘッドと磁気記録媒体とが高速で接触摺動する。即
ち、磁気記録媒体の起動時においては、ディスク媒体が
停止状態から急速に回転加速されるのに伴ってヘッドが
浮上するが、電源が切断されてディスク媒体を回転させ
ているモータが停止すると、ディスク媒体とヘッドが高
速で接触しながら摺動するのである。一方、面記録密度
を高める目的で、ヘッドの低浮上化並びにディスク回転
の高速化が求められており、近年では媒体基板はより平
滑になる方向にある。そして、潤滑層を設けて動摩擦係
数を低減することは、前記の接触摺動によって生ずる摩
耗損傷や磁気特性の劣化を抑制する目的においては極め
て有効であるものの、特にこの潤滑層の膜厚が厚い場合
や媒体基板が平滑である場合には、ヘッドとディスクと
の間に吸着現象が生じ易いため、静摩擦係数が増加し、
ヘッドがディスクに張り付いたまま動作不能となる。し
かもこのような吸着現象は、媒体基板を平滑にするにつ
れて発生しやすくなる。逆に潤滑層の膜厚が薄い場合に
は前記吸着現象の発生を抑制できるものの、十分な耐久
性が得られずに高速の接触摺動に起因する摩耗損傷や磁
気特性の劣化が生じ易いものとなる。そこで、潤滑層に
用いる潤滑剤を精選することにより、上述の問題を解消
しようとする試みが種々なされている。例えば前記「フ
ォンブリン ゼットドール」は、分子の両末端にCH2
OH基を有しているために保護膜層の表面との結合が強
く、優れた耐摺動特性を付与するものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、「フォ
ンブリン ゼットドール」は、文献(”Degradation of
perfluoropolyethers catalyzed by aluminum oxid
e”,Paul H.Kasai,Wing T.Tang and Patrick Wheeler,
Applied Surface Science,51(1991)201〜 211)で示さ
れているように、分子中にO−CF2 −O単位の結合を
有しているため、磁気ヘッドの構成成分である酸化アル
ミニウム(α−Al23 )の存在下では200℃程度
の温度で容易に分解する。加えて、CSS(コンタクト
スタート ストップ)時には磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドの両者間の接触により局所的な瞬間温度は、90〜4
50℃或いはそれ以上の高温となる。したがって、磁気
ヘッドのスライダー部分の構成成分である酸化アルミニ
ウムが触媒となり、「フォンブリン ゼットドール」が
分解する。このように潤滑剤の分解が生ずると、分解し
た成分が揮発して潤滑層の膜厚が減少することにより、
動摩擦係数が増大し、その結果、高速の接触摺動に起因
する摩耗損傷や磁気特性の劣化が生じ易いという問題を
生じていた。さらに、分解した成分の一部が磁気ヘッド
に付着することにより、ヘッドの浮上量が増加して再生
出力の低下を引き起こしたり、ヘッドが記録媒体表面に
吸着する等の問題をも生じていた。
【0005】一方、前記「デムナム エスエイ」は、分
子中にO−CF2 −O単位の結合を持っていないために
化学的に安定で、前述のような局所的な高熱による分解
を起こさない。しかしながら、分子の片末端にのみCH
2 OH基を有するに過ぎないため、保護膜層の表面との
結合が十分でなく、高温中で磁気ディスクを高速回転さ
せると潤滑剤は容易に飛散し(スピンオフテスト)、潤
滑層の膜厚減少が起こる。したがって、CSS時におけ
る動摩擦係数が大きいという問題を有していた。
【0006】また、
【化4】 で表される含フッ素化合物は、前記「デムナム エスエ
ー」と同様に、分子中に−CF2 −CF2 −CF2 −O
−単位の構造を持つ。両末端に極性官能基を有するた
め、炭素系、又は酸化物セラミックス系の保護膜との間
に親和性を有し、スピンオフ性の向上に寄与するので、
長期安定性、摺動耐久性に優れている。しかしながら、
近年のヘッドの低浮上化並びにディスク回転の高速化に
伴い、接触摺動特性が更に良いものが求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、耐久性に優れた潤滑層組成を選択する
ことにより長年月の使用に耐える高記録密度の磁気記録
媒体を提供することを目的とするものであって、非磁性
基板上に少なくとも強磁性薄膜層と保護膜層とを設けた
磁気記録媒体において、保護膜層は炭素系又は酸化セラ
ミックス系のうちから選択されるものであり、該保護膜
層の表面に化学式
【化5】 で表される含フッ素化合物よりなる潤滑層を有すること
を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における潤滑層に用いられ
る含フッ素化合物は、前記「デムナム エスエー」と同
様に分子中に、−CF2 −CF2 −CF2 −O−単位の
構造を持つ。末端に極性官能基を2つ以上有するため、
炭素系、又は酸化物セラミックス系の保護膜との間に高
い親和性を示し、スピンオフ性の向上に寄与するので、
長期安定性、摺動耐久性に優れている。さらに、本発明
における潤滑層に用いられる含フッ素化合物は、一方の
末端に極性官能基を2つ以上有し、他方の末端は−CF
3 である。このため、極性官能基を2つ以上有する一方
の末端が、炭素系、又は酸化物セラミックス系の保護膜
との間に強い親和性を示し、他方の末端は炭素系、又は
酸化物セラミックス系の保護膜との親和性がない。この
ため、この含フッ素化合物の主鎖は運動しやすく、吸着
特性が改善され、良好な摺動特性が得られる。そのた
め、
【化6】 で表される両末端に極性官能基が1つずつある含フッ素
化合物に比べても、摺動耐久性がより高いものとなる。
そのため、磁気記録媒体の信頼性が飛躍的に向上する。
【0009】また、本発明における潤滑層に用いられる
含フッ素化合物は、数平均分子量が500〜4000で
あることが望ましい。数平均分子量が500に満たない
と潤滑作用が十分ではなく、分子量が4000を越える
と粘度が増大して、流動性、塗布性の点で好ましくな
い。
【0010】また、上記含フッ素化合物よりなる潤滑層
の厚さは、30Å以下であることが好ましく、この厚さ
を越えると磁気ヘッドの吸着が生じ、走行性に問題を生
じる。尚、この潤滑層の形成方法、即ち前記潤滑剤の塗
付方法は、公知のディップ法、スピン法、スプレイ法等
のどの方法で行ってもよい。
【0011】尚、本発明における保護膜層として炭素系
膜を用いる場合は、水素化或いは窒素化或いはフッ素化
した炭素膜を用いてもよい。また、酸化物系のセラミッ
クス系膜を用いる場合には、SiO2 、ZrO2 を用い
ることが好ましい。
【0012】
【実施例】
〈試験用磁気ディスクの作製〉 [実施例1]図1に、本発明に係るハードディスクの断
面図を示した。アルミニウム合金基板1上に硬質下地層
としてNi−Pメッキ膜2が13μm被覆され、次にス
パッタリング法により下地膜層3としてCrを600
Å、磁気記録層(磁性膜)4としてCo−Cr−Ta合
金を400Å、さらに保護膜層5としてカーボンを20
0Å積層した。次に、潤滑剤として化学式
【化7】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を、
フッ素系溶剤〔商品名「PF5060」,ミネソタ マ
イニング アンド マニュファクチュアリング社製〕中
に濃度0.03wt%となるように溶解して塗布用組成
物を調製した。そして、前記保護膜層5の上面に、上記
のように調製した塗布用組成物をディップ法により膜厚
15Å、25Å(ESCAを用いて測定)になるように
塗布して潤滑層6を形成し、実施例1の磁気ディスクを
得た。
【0013】[実施例2]潤滑剤として化学式
【化8】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を用
いた以外は前記実施例1と同様にして実施例2の磁気デ
ィスクを得た。
【0014】[実施例3]潤滑剤として化学式
【化9】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を用
いた以外は前記実施例1と同様にして実施例3の磁気デ
ィスクを得た。
【0015】[比較例1]潤滑剤として化学式
【化10】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を用
いた以外は前記実施例1と同様にして比較例1の磁気デ
ィスクを得た。
【0016】[比較例2]潤滑剤として化学式
【化11】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を用
いた以外は前記実施例1と同様にして比較例2の磁気デ
ィスクを得た。
【0017】[比較例3]潤滑剤として化学式
【化12】 で表される数平均分子量2000の含フッ素化合物を用
いた以外は前記実施例1と同様にして比較例3の磁気デ
ィスクを得た。
【0018】〈試験1;長期安定性テスト〉前記実施例
1〜3、比較例1〜3に用いた各含フッ素化合物に触媒
として、Al23 を添加し、250℃に加熱した。表
1に加熱をはじめて4時間後の重量減少量を示した。
【表1】 上記表1より明らかなように、実施例1〜3及び比較例
1,3に用いた各フッ素化合物については重量減が殆ど
観察されなかったのに対し、比較例2に用いた含フッ素
化合物については殆どが分解して蒸発してしまった。
【0019】〈試験2;スピンオフテスト・膜厚減少量
の測定〉前記実施例1〜3、比較例1〜3の各磁気ディ
スク(潤滑層の膜厚25Å)を80℃の温度環境のも
と、回転速度7200rpmで72時間回転させた(ス
ピンオフ)後の潤滑層の膜厚減少量について調べた。F
T−IRにより半径20mmにおける膜厚減少量を表1
に示した。前記表1より明らかなように、比較例1の磁
気ディスクでは高速回転により潤滑剤が飛散するため膜
厚減少が顕著に表れたが、実施例1〜3及び比較例2,
3の各磁気ディスクについては膜厚は安定していた。
尚、実施例1に用いた含フッ素化合物は末端に2つの極
性官能基を有し、実施例2に用いた含フッ素化合物は末
端に4つの極性官能基を有し、実施例3に用いた含フッ
素化合物は末端に6つの極性官能基を有するため、末端
の極性官能基の数が多い分だけ、実施例3,実施例2,
実施例1の順でスピンオフ性が高くなったものと考察さ
れる。
【0020】〈試験3;CSS耐久性テスト−動摩擦係
数の測定〉前記実施例1〜3、比較例1〜3の各磁気デ
ィスク(潤滑層の膜厚15Å)のCSS(Contact-Star
t-Stop)試験を行った。CSS試験機には市販のCSS
テスター(マツボー社製)を、磁気ヘッドにはAl2
3 −TiCスライダーヘッドを用いて10000回のC
SSを行った。10000回後の動摩擦係数の値を表1
に示した。前記表1より明らかなように、実施例1〜3
の各磁気ディスクについては動摩擦係数がCSS100
00回の後でも約0.3と低いが、比較例1〜3の各磁
気ディスクでは動摩擦係数が0.5〜0.8と高い値を
示していた。
【0021】〈試験4;CSS耐久性テスト−静摩擦係
数の測定〉前記実施例1〜3、比較例1〜3の各磁気デ
ィスク(潤滑層の膜厚25Å)のCSS(Contact-Star
t-Stop)試験を行った。CSS試験機には市販のCSS
テスター(マツボー社製)を、磁気ヘッドにはAl2
3 −TiCスライダーヘッドを用いて40℃,80%R
H雰囲気下で5000回のCSSを行った。ディスクと
ヘッドを24時間静置させた後の静摩擦係数の値を表1
に示した。前記表1より明らかなように、実施例1〜3
の各磁気ディスクについては静摩擦係数が約0.8と低
いが、比較例1〜3の各磁気ディスクでは静摩擦係数が
1.0〜4.5と高い値を示していた。
【0022】尚、保護膜層として、SiO2 、ZrO2
を用いた場合も同様に試験用磁気ディスクを作成して前
記試験3,4を行ったが、前記と同様の結果が得られ
た。
【0023】以上本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気記録媒
体は、優れた潤滑性及び耐摩耗性を有し、しかも長期間
に亙って高温でも化学的に安定な潤滑層を精選したの
で、特にヘッドの低浮上化に対応した平滑な基板を用い
た場合にも、良好な摺動耐久性と長期に亙る十分な安定
性とを有するものとなる。したがって、本発明の磁気記
録媒体は、データ記録密度を増大させることが可能とな
ると共に、長期にわたり信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハードディスクの一例を模式的に
示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 順也 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも強磁性薄膜層
    と保護膜層とを設けた磁気記録媒体において、 保護膜層は炭素系又は酸化セラミックス系のうちから選
    択されるものであり、該保護膜層の表面に化学式 【化1】 で表される含フッ素化合物よりなる潤滑層を有すること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体の耐久性向上においては、
    含フッ素化合物よりなる潤滑層の数平均分子量が500
    〜4000のものを用いることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録媒体。
JP30631596A 1996-11-18 1996-11-18 磁気記録媒体 Pending JPH10149527A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30631596A JPH10149527A (ja) 1996-11-18 1996-11-18 磁気記録媒体

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JP30631596A JPH10149527A (ja) 1996-11-18 1996-11-18 磁気記録媒体

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JP30631596A Pending JPH10149527A (ja) 1996-11-18 1996-11-18 磁気記録媒体

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009066784A1 (ja) * 2007-11-19 2009-05-28 Matsumura Oil Research Corp. 潤滑剤並びに磁気ディスク
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