JP2626183B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気記録装置等に用いられる磁気記録媒体
に関し、磁気記録装置が使用されるあらゆる動作環境下
での耐摩擦および耐摩耗特性の向上により耐久性の優れ
た磁気記録媒体の製造方法に関する。
に関し、磁気記録装置が使用されるあらゆる動作環境下
での耐摩擦および耐摩耗特性の向上により耐久性の優れ
た磁気記録媒体の製造方法に関する。
従来の技術 磁気記録装置は磁気ハードディスク装置、磁気テープ
装置、フロッピーディスク装置、磁気カード装置等があ
るが、その中で高記録密度に伴い−番耐摩耗、耐摩擦が
厳しく追求されるのは磁気ハードディスク装置と考えら
れる。その磁気ハードディスクの代表的な構成図を第一
図に示す。アルミ基板上に非磁性支持体のNi−Pをプレ
ーティングし、その上に強磁性金属薄膜(Co−Ni等)、
耐食性保護膜(Cr等)、カーボン保護膜をスパッタリン
グ法で作成し、最後に潤滑剤(パーフルオロアルキルポ
リエーテル等)をコーティングしている。現在、磁気ハ
ードディスクの場合浮上型磁気ヘッドを用いた磁気記録
装置はコンタクト・スタート・ストップ方式(以下CSS
と称す)が起動停止方式の主流を占めているが、このCS
S方式では、ディスク回転の起動・停止時に記録再生磁
気ヘッド(以下ヘッドと称す)が磁気記録媒体面上に接
触する。これによって、ヘッドや磁気記録媒体表面が摩
耗したり、両者間の摩擦係数が上昇したり、甚だしい場
合はヘッドあるいは磁気記録媒体の磁性層の破壊(クラ
ッシュ)が発生する場合がある。従ってこのような問題
点を回避するため、磁性層の上にグラファイトを主体と
するカーボンや二酸化ケイ素等で代表されるような保護
膜を形成しその上にエーテル結合を有するパーフルオロ
アルキルポリエーテルのような液体潤滑剤を使った潤滑
層が一般に使われており、この層を設けることにより数
段磁気記録媒体の耐久性が向上した。しかし、それでも
耐久性としてはまだ充分満足できるものではなかったた
め新しい潤滑剤として開発されたのが部分フッ素化アル
キル系潤滑剤であり(特開・昭62−219314号公報)、こ
の開発により通常環境では充分満足し得る耐久性が得ら
れるようになった。
装置、フロッピーディスク装置、磁気カード装置等があ
るが、その中で高記録密度に伴い−番耐摩耗、耐摩擦が
厳しく追求されるのは磁気ハードディスク装置と考えら
れる。その磁気ハードディスクの代表的な構成図を第一
図に示す。アルミ基板上に非磁性支持体のNi−Pをプレ
ーティングし、その上に強磁性金属薄膜(Co−Ni等)、
耐食性保護膜(Cr等)、カーボン保護膜をスパッタリン
グ法で作成し、最後に潤滑剤(パーフルオロアルキルポ
リエーテル等)をコーティングしている。現在、磁気ハ
ードディスクの場合浮上型磁気ヘッドを用いた磁気記録
装置はコンタクト・スタート・ストップ方式(以下CSS
と称す)が起動停止方式の主流を占めているが、このCS
S方式では、ディスク回転の起動・停止時に記録再生磁
気ヘッド(以下ヘッドと称す)が磁気記録媒体面上に接
触する。これによって、ヘッドや磁気記録媒体表面が摩
耗したり、両者間の摩擦係数が上昇したり、甚だしい場
合はヘッドあるいは磁気記録媒体の磁性層の破壊(クラ
ッシュ)が発生する場合がある。従ってこのような問題
点を回避するため、磁性層の上にグラファイトを主体と
するカーボンや二酸化ケイ素等で代表されるような保護
膜を形成しその上にエーテル結合を有するパーフルオロ
アルキルポリエーテルのような液体潤滑剤を使った潤滑
層が一般に使われており、この層を設けることにより数
段磁気記録媒体の耐久性が向上した。しかし、それでも
耐久性としてはまだ充分満足できるものではなかったた
め新しい潤滑剤として開発されたのが部分フッ素化アル
キル系潤滑剤であり(特開・昭62−219314号公報)、こ
の開発により通常環境では充分満足し得る耐久性が得ら
れるようになった。
発明が解決しようとする課題 ところで、磁気記録装置の使用は、全世界のあらゆる
地域で使われている。そのため、地域によっては高温高
湿、高温低湿、低温高湿、低温低湿の各々の環境条件が
あり、それらの全ての環境条件で安定した耐久性を示さ
ななければならない。そのなかで、ヘッドあるいは磁気
記録媒体に化学吸着するいずれかの極性基を持ったパー
フルオロアルキルポリエーテルや部分フッ素化アルキル
系潤滑剤は、通常環境もしくは高温(高湿)下では充分
な耐久性をしめすものの低温(低湿)下では若干耐久性
の劣化がみられる。この傾向を示す実験結果を第2図に
示す。これは潤滑剤が磁気記録媒体のみあるいはヘッド
のみに化学吸着しているためであると考えられる。すな
わち、低湿では潤滑剤が化学吸着していない磁気記録媒
体またはヘッド表面上の吸着水の量が減少し摩耗し易い
状態になっている。このためヘッドまたは磁気記録媒体
の一方のみに潤滑剤を化学吸着させても充分に摩耗を抑
えることはできず劣化が起こる。更に低温では化学吸着
していた潤滑剤がヘッド−磁気記録媒体間の摩耗により
剥離した場合温度が低いため潤滑剤の剥離した場所に再
吸着しにくく、そのため充分な耐久性が得られないとい
う問題点がある。
地域で使われている。そのため、地域によっては高温高
湿、高温低湿、低温高湿、低温低湿の各々の環境条件が
あり、それらの全ての環境条件で安定した耐久性を示さ
ななければならない。そのなかで、ヘッドあるいは磁気
記録媒体に化学吸着するいずれかの極性基を持ったパー
フルオロアルキルポリエーテルや部分フッ素化アルキル
系潤滑剤は、通常環境もしくは高温(高湿)下では充分
な耐久性をしめすものの低温(低湿)下では若干耐久性
の劣化がみられる。この傾向を示す実験結果を第2図に
示す。これは潤滑剤が磁気記録媒体のみあるいはヘッド
のみに化学吸着しているためであると考えられる。すな
わち、低湿では潤滑剤が化学吸着していない磁気記録媒
体またはヘッド表面上の吸着水の量が減少し摩耗し易い
状態になっている。このためヘッドまたは磁気記録媒体
の一方のみに潤滑剤を化学吸着させても充分に摩耗を抑
えることはできず劣化が起こる。更に低温では化学吸着
していた潤滑剤がヘッド−磁気記録媒体間の摩耗により
剥離した場合温度が低いため潤滑剤の剥離した場所に再
吸着しにくく、そのため充分な耐久性が得られないとい
う問題点がある。
課題を解決するための手段 本発明は、保護層に吸着しやすい第1の潤滑剤の配合
割合が磁気ヘッドの構成材料に吸着しやすい第2の潤滑
剤よりも多くなるように、第1の潤滑剤と第2の潤滑剤
とを溶媒に溶かし、前記溶媒を前記保護層上に0.5〜500
mg/m2の割合で塗布した。
割合が磁気ヘッドの構成材料に吸着しやすい第2の潤滑
剤よりも多くなるように、第1の潤滑剤と第2の潤滑剤
とを溶媒に溶かし、前記溶媒を前記保護層上に0.5〜500
mg/m2の割合で塗布した。
作 用 この構成によって、確実に保護層上に潤滑層を形成で
きるので、ヘッドと媒体の摺動による熱で、ヘッドと媒
体にそれぞれ潤滑剤が化学吸着し、潤滑剤同士が摺動す
る様になる。
きるので、ヘッドと媒体の摺動による熱で、ヘッドと媒
体にそれぞれ潤滑剤が化学吸着し、潤滑剤同士が摺動す
る様になる。
また、潤滑剤を保護層の上に0.5〜500mg/m2の割合で
溶媒を塗布して保護層を形成した事によって、ヘッドと
媒体の吸着防止や、安定した摺動特性を得る事ができ
る。
溶媒を塗布して保護層を形成した事によって、ヘッドと
媒体の吸着防止や、安定した摺動特性を得る事ができ
る。
更に、第1の潤滑剤を多く配合する事によって、保護
層に欠損が生じた場合でも、その欠損部を潤滑剤が覆う
様になる。
層に欠損が生じた場合でも、その欠損部を潤滑剤が覆う
様になる。
実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。第1図は本発明の一実施例における磁気記録媒
体の基本構成を示す図である。図において1は非磁性支
持体、2は強磁性金属薄膜、3は耐食性保護膜、4はカ
ーボン保護膜、5はディスク及びヘッドを構成する酸化
物材料に化学吸着する極性基を持つ2種類の潤滑剤を含
んだ混合潤滑層である。混合潤滑層5で使用されるディ
スク及びヘッドに化学吸着する極性気を持ったパーフル
オロアルキルポリエーテルの化学構造の一例としては、 A−(C2F4−O)n−A B−(C2F4−O)n−B CF3−B−(CF2CF2CF2−O)n−CF3 があり、またその誘導体からなる。Aはディスクの保護
膜に化学吸着する極性基であり、Bはヘッドを構成する
酸化物材料に化学吸着する極性基である。カーボン保護
膜4に化学吸着する極性基としてベンゼンを代表とする
芳香族系、アミン基 を代表とする窒化物等がある。これらの極性基はこの一
例のように分子構造の末端にあったほうがより効果はあ
るが、分子構造の末端に限らず分子の鎖中にあっても構
わない。保護膜がカーボンの場合、極性基が芳香族系の
際にはグラファイト構造を持つカーボン保護膜とπ電子
を共有しあうπ結合が行われるため強い結合力を示す。
窒化物の場合には、窒素の持つ不対電子とカーボンまた
はカーボン表面に化学吸着している有機物と配位結合す
る。これらの極性基を持つことにより潤滑剤はカーボン
保護膜と化学結合が行われる。
明する。第1図は本発明の一実施例における磁気記録媒
体の基本構成を示す図である。図において1は非磁性支
持体、2は強磁性金属薄膜、3は耐食性保護膜、4はカ
ーボン保護膜、5はディスク及びヘッドを構成する酸化
物材料に化学吸着する極性基を持つ2種類の潤滑剤を含
んだ混合潤滑層である。混合潤滑層5で使用されるディ
スク及びヘッドに化学吸着する極性気を持ったパーフル
オロアルキルポリエーテルの化学構造の一例としては、 A−(C2F4−O)n−A B−(C2F4−O)n−B CF3−B−(CF2CF2CF2−O)n−CF3 があり、またその誘導体からなる。Aはディスクの保護
膜に化学吸着する極性基であり、Bはヘッドを構成する
酸化物材料に化学吸着する極性基である。カーボン保護
膜4に化学吸着する極性基としてベンゼンを代表とする
芳香族系、アミン基 を代表とする窒化物等がある。これらの極性基はこの一
例のように分子構造の末端にあったほうがより効果はあ
るが、分子構造の末端に限らず分子の鎖中にあっても構
わない。保護膜がカーボンの場合、極性基が芳香族系の
際にはグラファイト構造を持つカーボン保護膜とπ電子
を共有しあうπ結合が行われるため強い結合力を示す。
窒化物の場合には、窒素の持つ不対電子とカーボンまた
はカーボン表面に化学吸着している有機物と配位結合す
る。これらの極性基を持つことにより潤滑剤はカーボン
保護膜と化学結合が行われる。
次にヘッドを構成する酸化物材料に化学吸着する極性
基として水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)等
がある。水酸基またはカルボキシル基はヘッドに使用さ
れる酸化物、たとえばフェライト、チタン酸カルシュウ
ム、チタン酸バリュウム、アルチック等があるがそれら
の酸化物表面と水素結合する。これらの極性基を持った
パーフルオロアルキルポリエーテルの平均分子量は1000
〜8000さらに好ましくは2000〜6000が適当である。平均
分子量が1000以下になると蒸気圧が高くなり高温時に揮
発しやすくなり耐久性が劣化する。また平均分子量が80
00以上になると粘度が高くなり耐摩耗性は向上するが摩
擦力が大きくなりステック・スリップが発生し耐久性は
劣化し磁気記録媒体には不適となる。一方、部分フッ素
化アルキル系潤滑剤として使用されるものは式[1]〜
[3]に示される一般式で表わされる。
基として水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)等
がある。水酸基またはカルボキシル基はヘッドに使用さ
れる酸化物、たとえばフェライト、チタン酸カルシュウ
ム、チタン酸バリュウム、アルチック等があるがそれら
の酸化物表面と水素結合する。これらの極性基を持った
パーフルオロアルキルポリエーテルの平均分子量は1000
〜8000さらに好ましくは2000〜6000が適当である。平均
分子量が1000以下になると蒸気圧が高くなり高温時に揮
発しやすくなり耐久性が劣化する。また平均分子量が80
00以上になると粘度が高くなり耐摩耗性は向上するが摩
擦力が大きくなりステック・スリップが発生し耐久性は
劣化し磁気記録媒体には不適となる。一方、部分フッ素
化アルキル系潤滑剤として使用されるものは式[1]〜
[3]に示される一般式で表わされる。
Rf−(Z)m−X [1] 式[1]〜[3]中、RfおよびR′fはパーフルオロ
アルキルポリエーテル末端基、フロロアリール末端基、
炭素数3以上のフロロアルキル末端基、炭素数6以上の
フェニレン基もしくはその誘導体または炭素数1以上の
脂肪族アルキレン基からなる炭化水素鎖とを直接もしく
は酸素原子または硫黄原子を介して結合したフッ素化炭
化水素を表わし、それらの具体例としては、例えばパー
フルオロアルキルポリエーテル末端基として CF3(CF2CF2O)n− (ただし、nは5以上の整数を示す。) フロロアルキル末端基として CnF2n+1− HCF2(CF2)n− CnF2n-1− (ただし、nは3以上の整数を示す。) フロロアリール末端基として 等がある。
アルキルポリエーテル末端基、フロロアリール末端基、
炭素数3以上のフロロアルキル末端基、炭素数6以上の
フェニレン基もしくはその誘導体または炭素数1以上の
脂肪族アルキレン基からなる炭化水素鎖とを直接もしく
は酸素原子または硫黄原子を介して結合したフッ素化炭
化水素を表わし、それらの具体例としては、例えばパー
フルオロアルキルポリエーテル末端基として CF3(CF2CF2O)n− (ただし、nは5以上の整数を示す。) フロロアルキル末端基として CnF2n+1− HCF2(CF2)n− CnF2n-1− (ただし、nは3以上の整数を示す。) フロロアリール末端基として 等がある。
Rは炭素数8以上の脂肪族アルキル末端基から成る
か、もしくは炭素数6以上のフェニレン基もしくはその
誘導体から成る炭化水素鎖を表わし、その具体例として
は脂肪族アルキル末端基として CnH2n+1− CnH2n− CnH2n-1− (ただし、nは6以上の整数を表わす。) フェニレン基もしくはその誘導体との結合体から成る
炭化水素末端基として (ただし、pは0〜4、mは1以上、nは8以上の整数
を表わす。) 等がある。
か、もしくは炭素数6以上のフェニレン基もしくはその
誘導体から成る炭化水素鎖を表わし、その具体例として
は脂肪族アルキル末端基として CnH2n+1− CnH2n− CnH2n-1− (ただし、nは6以上の整数を表わす。) フェニレン基もしくはその誘導体との結合体から成る
炭化水素末端基として (ただし、pは0〜4、mは1以上、nは8以上の整数
を表わす。) 等がある。
(Z)mおよび(Z′)m′は −[O−(CH2)n]m− −[S−(CH2)n]m− −[COO−(CH2)n]m− (ただし、m,m′は0または1、nは0または1以上の
整数、RはH、CH3またはC2H5を表わす。) の中から選ばれる結合鎖を表わし、それらの具体例とし
ては −O−、−S−、−COO−、 −O−(CH2)n−、−S−(CH2)n−、−COO−(C
H2)n−、 (ただし、nは1以上の整数、RはH,CH3,またはC2H5を
表わす。)Yは (ただし、nは0または1以上の整数を表わす。) の中から選ばれる結合鎖を表わし、Xは −OH、−SH、−COOH、−COSH、 −CONH2、−NH2、−NCO、 −CHO、 の中から選ばれる極性基末端を表わす。これらのいずれ
かの式で表わされる潤滑剤のうち芳香族系及び窒素を含
む潤滑剤は、カーボン保護膜に対して化学吸着し、その
他の極性基はヘッドを構成する酸化物材料に対して化学
吸着する。これらのディスク及びヘッドに化学吸着する
極性基をそれぞれ持った潤滑剤を混合する他に、他の一
般公知の潤滑剤、防錆剤等との混合も使用可能である。
整数、RはH、CH3またはC2H5を表わす。) の中から選ばれる結合鎖を表わし、それらの具体例とし
ては −O−、−S−、−COO−、 −O−(CH2)n−、−S−(CH2)n−、−COO−(C
H2)n−、 (ただし、nは1以上の整数、RはH,CH3,またはC2H5を
表わす。)Yは (ただし、nは0または1以上の整数を表わす。) の中から選ばれる結合鎖を表わし、Xは −OH、−SH、−COOH、−COSH、 −CONH2、−NH2、−NCO、 −CHO、 の中から選ばれる極性基末端を表わす。これらのいずれ
かの式で表わされる潤滑剤のうち芳香族系及び窒素を含
む潤滑剤は、カーボン保護膜に対して化学吸着し、その
他の極性基はヘッドを構成する酸化物材料に対して化学
吸着する。これらのディスク及びヘッドに化学吸着する
極性基をそれぞれ持った潤滑剤を混合する他に、他の一
般公知の潤滑剤、防錆剤等との混合も使用可能である。
ディスクおよびヘッドに化学吸着する極性基をもつ2
種類の潤滑剤を混合する場合、パーフルオロアルキルポ
リエーテル同士や部分フッ素化アルキル系潤滑剤同士あ
るいはパーフルオロアルキルポリエーテルと部分フッ素
化アルキル系潤滑剤の組合せが考えられるがどの組合せ
でも効果はある。またディスクおよびヘッドに化学吸着
する極性基を持っている2種類の潤滑剤の混合割合は、
重量比で10:1〜5:5程度の混合比で使用するとあらゆる
環境条件下でも潤滑特性の劣化はみられない。すなわ
ち、ディスクに吸着する潤滑剤をヘッドに吸着する潤滑
剤より多く配合する事が好ましい事が判る。この様な構
成によって、保護層に異常突起が形成されていた場合
に、ヘッドと異常突起が接触し、保護層に欠損部が生じ
る事がある。上述の様にディスクに吸着する潤滑剤を多
く配合する事によって、保護層に欠損部が生じてもすぐ
に、ディスクに吸着し易い潤滑剤が欠損部等に付着する
ので、欠損部がヘッドとの摺動によって広がって行く事
はなく、摺動特性の劣化は殆ど無い。
種類の潤滑剤を混合する場合、パーフルオロアルキルポ
リエーテル同士や部分フッ素化アルキル系潤滑剤同士あ
るいはパーフルオロアルキルポリエーテルと部分フッ素
化アルキル系潤滑剤の組合せが考えられるがどの組合せ
でも効果はある。またディスクおよびヘッドに化学吸着
する極性基を持っている2種類の潤滑剤の混合割合は、
重量比で10:1〜5:5程度の混合比で使用するとあらゆる
環境条件下でも潤滑特性の劣化はみられない。すなわ
ち、ディスクに吸着する潤滑剤をヘッドに吸着する潤滑
剤より多く配合する事が好ましい事が判る。この様な構
成によって、保護層に異常突起が形成されていた場合
に、ヘッドと異常突起が接触し、保護層に欠損部が生じ
る事がある。上述の様にディスクに吸着する潤滑剤を多
く配合する事によって、保護層に欠損部が生じてもすぐ
に、ディスクに吸着し易い潤滑剤が欠損部等に付着する
ので、欠損部がヘッドとの摺動によって広がって行く事
はなく、摺動特性の劣化は殆ど無い。
塗布方法としては、上記の範囲内で決定した混合比で
ディスク及びヘッドに化学吸着する極性基を持った2種
類の潤滑剤をアルコール、またはフロン113等の有機溶
剤に溶かした後磁気記録媒体に噴霧法、浸漬法、スピン
コート法等の方法で塗布する。その塗布量は、0.5〜500
mg/m2であるのが望ましい。この塗布量が少なすぎると
摩察力の上昇、摩耗の増大が起こり安定した耐久性は得
られない。逆に塗布量が多すぎると記録再生用ヘッドと
磁気記録媒体とのはりつき現象(吸着)が起こり耐久性
が劣化する場合がある。
ディスク及びヘッドに化学吸着する極性基を持った2種
類の潤滑剤をアルコール、またはフロン113等の有機溶
剤に溶かした後磁気記録媒体に噴霧法、浸漬法、スピン
コート法等の方法で塗布する。その塗布量は、0.5〜500
mg/m2であるのが望ましい。この塗布量が少なすぎると
摩察力の上昇、摩耗の増大が起こり安定した耐久性は得
られない。逆に塗布量が多すぎると記録再生用ヘッドと
磁気記録媒体とのはりつき現象(吸着)が起こり耐久性
が劣化する場合がある。
また混合潤滑剤を塗布する前に予めディスク表面をプ
ラズマ処理もしくはオゾン処理などの前処理をすると、
より安定な耐久性を示す場合がある。さらに、混合潤滑
剤をディスクに塗布した後、熱処理するとディスク表面
と潤滑剤が化学吸着しやすいためその特性は向上する。
ラズマ処理もしくはオゾン処理などの前処理をすると、
より安定な耐久性を示す場合がある。さらに、混合潤滑
剤をディスクに塗布した後、熱処理するとディスク表面
と潤滑剤が化学吸着しやすいためその特性は向上する。
このように作成した試料を各々A、Bの環境条件下で
ヘッドとしてフェライトでできたモノリシック型ヘッド
を用いてCSS試験を行いCSS20000回後の動摩擦係数の最
大値を調べた。ここで試験した環境条件A,Bは現在使用
されている磁気記録再生装置の動作範囲の中では非常に
厳しい環境条件といわれている。
ヘッドとしてフェライトでできたモノリシック型ヘッド
を用いてCSS試験を行いCSS20000回後の動摩擦係数の最
大値を調べた。ここで試験した環境条件A,Bは現在使用
されている磁気記録再生装置の動作範囲の中では非常に
厳しい環境条件といわれている。
A: 5℃ 10%R.H. B:65℃ 80%R.H. 上記の各試料のCSS試験結果を試料の内容と対比させ
て第1表(a),(b)に記した。
て第1表(a),(b)に記した。
第1表(a),(b)の結果から明らかなように、本
発明の各実施例は 低温低質(A条件)、高温高湿(B
条件)での各動摩擦係数が、CSS20000回で0.4以下と小
さく極めて安定な耐久性を示している。更に、この混合
潤滑剤を塗布した後熱処理したり(実施例5)、混合潤
滑剤を塗布する前にカーボン表面をオゾン処理しても
(実施例6)特性は構造している。また比較例の結果よ
り ヘッドに化学吸着する極性基を持った潤滑剤単体
(比較例1)、あるいはカーボンに化学吸着する極性基
を持った潤滑剤単体(比較例2)、さらにはヘッド及び
ディスクに化学吸着する極性基を持っていない潤滑剤同
志の混合潤滑剤(比較例3)ではあらゆる環境条件
(A、B条件)で安定した耐久性が得られなかった。
発明の各実施例は 低温低質(A条件)、高温高湿(B
条件)での各動摩擦係数が、CSS20000回で0.4以下と小
さく極めて安定な耐久性を示している。更に、この混合
潤滑剤を塗布した後熱処理したり(実施例5)、混合潤
滑剤を塗布する前にカーボン表面をオゾン処理しても
(実施例6)特性は構造している。また比較例の結果よ
り ヘッドに化学吸着する極性基を持った潤滑剤単体
(比較例1)、あるいはカーボンに化学吸着する極性基
を持った潤滑剤単体(比較例2)、さらにはヘッド及び
ディスクに化学吸着する極性基を持っていない潤滑剤同
志の混合潤滑剤(比較例3)ではあらゆる環境条件
(A、B条件)で安定した耐久性が得られなかった。
なお、この発明した混合潤滑層を金属薄膜テープに塗
布して作った磁気記録媒体も同様にA、Bの環境条件で
安定したスチル特性を示すことを確認している。又磁気
ヘッドとしては全てがフェライトでできたモノリシック
型のものを用いたがスライダがセラミック等の非磁性材
料によって構成され、スライダの切欠に磁性材料によっ
て構成され磁気ギャップを有したコアチップを挿入した
コンポジット型のものでも同等の効果を得る事ができ
る。
布して作った磁気記録媒体も同様にA、Bの環境条件で
安定したスチル特性を示すことを確認している。又磁気
ヘッドとしては全てがフェライトでできたモノリシック
型のものを用いたがスライダがセラミック等の非磁性材
料によって構成され、スライダの切欠に磁性材料によっ
て構成され磁気ギャップを有したコアチップを挿入した
コンポジット型のものでも同等の効果を得る事ができ
る。
発明の効果 本発明によれば保護層に吸着しやすい第1の潤滑剤の
配合割合が磁気ヘッドの構成材料に化学吸着しやすい第
2の潤滑剤よりも多くなるように、第1の潤滑剤と第2
の潤滑剤とを溶媒に溶かし、前記溶媒を前記保護層上に
0.5〜500mg/m2の割合で塗布したことにより、カーボン
に化学吸着する極性基を持つ潤滑剤はカーボン表面と化
学吸着し、ヘッド(酸化物)に化学吸着する極性基を持
つ潤滑剤はヘッド(酸化物)に化学吸着する。更に、CS
S時にヘッド−ディスク間で発生する摩擦熱により各々
の化学吸着反応は促進されることにより、ヘッド−ディ
スク上に被覆された潤滑剤同士の接触でCSSが行われる
ため従来の潤滑剤の各々単体及び混合物では得られなか
った磁気記録装置の広い温度領域、湿度領域で安定した
耐摩耗特性、耐摩擦特性が得られるようになった。ま
た、一般に磁気記録装置の非動作時にヘッドと磁気記録
媒体が接触する事により潤滑剤(特に液体潤滑のパーフ
ルオロアルキルポリエーテル)がヘッド−磁気記録媒体
間に発生する隙間に拡散し、はりつき現象(吸着)を起
こすが、本発明の場合、潤滑剤はカーボン及びヘッドに
化学吸着しているため、たとえ温度が上昇してもヘッド
−ディスク間の微小隙間に拡散せず、はりつき現象(吸
着)を抑える効果もある。この混合潤滑剤の発明により
磁気ハードディスク、磁気テープはもちろんのことフロ
ッッピーディスク、磁気カードにも応用され、高記録密
度に向けての磁気記録装置の信頼性に大きく貢献する事
が可能となる。
配合割合が磁気ヘッドの構成材料に化学吸着しやすい第
2の潤滑剤よりも多くなるように、第1の潤滑剤と第2
の潤滑剤とを溶媒に溶かし、前記溶媒を前記保護層上に
0.5〜500mg/m2の割合で塗布したことにより、カーボン
に化学吸着する極性基を持つ潤滑剤はカーボン表面と化
学吸着し、ヘッド(酸化物)に化学吸着する極性基を持
つ潤滑剤はヘッド(酸化物)に化学吸着する。更に、CS
S時にヘッド−ディスク間で発生する摩擦熱により各々
の化学吸着反応は促進されることにより、ヘッド−ディ
スク上に被覆された潤滑剤同士の接触でCSSが行われる
ため従来の潤滑剤の各々単体及び混合物では得られなか
った磁気記録装置の広い温度領域、湿度領域で安定した
耐摩耗特性、耐摩擦特性が得られるようになった。ま
た、一般に磁気記録装置の非動作時にヘッドと磁気記録
媒体が接触する事により潤滑剤(特に液体潤滑のパーフ
ルオロアルキルポリエーテル)がヘッド−磁気記録媒体
間に発生する隙間に拡散し、はりつき現象(吸着)を起
こすが、本発明の場合、潤滑剤はカーボン及びヘッドに
化学吸着しているため、たとえ温度が上昇してもヘッド
−ディスク間の微小隙間に拡散せず、はりつき現象(吸
着)を抑える効果もある。この混合潤滑剤の発明により
磁気ハードディスク、磁気テープはもちろんのことフロ
ッッピーディスク、磁気カードにも応用され、高記録密
度に向けての磁気記録装置の信頼性に大きく貢献する事
が可能となる。
また、潤滑剤を溶かした溶媒を保護層の上に0.5〜500
mg/m2の割合で塗布した事によって、ヘッドと媒体の吸
着や、安定した摺動特性を得る事ができる。
mg/m2の割合で塗布した事によって、ヘッドと媒体の吸
着や、安定した摺動特性を得る事ができる。
更に、第1の潤滑剤を多く配合する事によって、保護
層に欠損が生じた場合でも、すぐにその欠損部を潤滑剤
が覆う様になるので、その欠損部を中心にヘッドとの摺
動によって欠損部が広がって行く事はないので、媒体の
破損等を防止できる。
層に欠損が生じた場合でも、すぐにその欠損部を潤滑剤
が覆う様になるので、その欠損部を中心にヘッドとの摺
動によって欠損部が広がって行く事はないので、媒体の
破損等を防止できる。
第1図は本発明の磁気記録媒体の1実施例における要部
拡大断面図、第2図は従来の磁気記録媒体のCSSと耐久
性の関係を示すグラフである。 1……非磁性支持体、2……強磁性金属薄膜 3……耐食性保護膜、4……カーボン保護膜 5……混合潤滑層
拡大断面図、第2図は従来の磁気記録媒体のCSSと耐久
性の関係を示すグラフである。 1……非磁性支持体、2……強磁性金属薄膜 3……耐食性保護膜、4……カーボン保護膜 5……混合潤滑層
Claims (1)
- 【請求項1】基板の上に磁性層、保護層、潤滑層とを順
に形成する磁気記録媒体の製造方法であって、前記保護
層に吸着しやすい第1の潤滑剤の配合割合が磁気ヘッド
の構成材料に吸着しやすい第2の潤滑剤よりも多くなる
ように、前記第1の潤滑剤と前記第2の潤滑剤とを溶媒
に溶かし、前記潤滑剤を溶かした溶媒を前記保護層上に
0.5〜500mg/m2の割合で塗布する事を特徴とする磁気記
録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2154766A JP2626183B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2154766A JP2626183B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0448435A JPH0448435A (ja) | 1992-02-18 |
JP2626183B2 true JP2626183B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=15591428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2154766A Expired - Lifetime JP2626183B2 (ja) | 1990-06-13 | 1990-06-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626183B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01302529A (ja) * | 1987-12-07 | 1989-12-06 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-06-13 JP JP2154766A patent/JP2626183B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0448435A (ja) | 1992-02-18 |
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