JPH07320255A - 潤滑剤およびこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤およびこれを用いた磁気記録媒体

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JPH07320255A
JPH07320255A JP13390194A JP13390194A JPH07320255A JP H07320255 A JPH07320255 A JP H07320255A JP 13390194 A JP13390194 A JP 13390194A JP 13390194 A JP13390194 A JP 13390194A JP H07320255 A JPH07320255 A JP H07320255A
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JP
Japan
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magnetic
lubricant
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magnetic recording
perfluoropolyether
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JP13390194A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種使用条件下において優れた潤滑性が保た
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走
行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供
する。 【構成】 末端基としてアミノ基またはアルキルアミノ
基を有する新規なパーフルオロポリエーテル系潤滑剤お
よびこの潤滑剤を用いた磁気記録媒体。磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に磁性層を有し、例えばこの磁性層
に上記パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を内添あるい
は磁性層表面にトップコートとして塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に関するものであり、特にアミノ
基あるいはアルキルアミノ基を有するパーフルオロポリ
エーテル系潤滑剤ならびにそれを塗布あるいは内添した
磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強磁性金属材料を蒸着等の手法により非
磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金
属薄膜型の磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極
めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドローラなどの
摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、従って摩
擦係数が大きくなり凝着現象(いわゆる張り付き)が起
きやすく走行性や耐久性に欠ける等問題点が多い。
【0003】例えば、8ミリビデオデッキに挿入された
テープは10個以上のガイドピンを通って、ドラムに巻
き付けられる。その際ピンチローラーとキャプスタンに
よってテープテンションとテープ走行速度は一定に保た
れていて、テンションは約20g、走行速度は0.5c
m/sである。この走行系において、テープの磁性層は
ステンレス製の固定されたガイドピンと接触する構造に
なっている。そのためにテープ表面の摩擦が大きくなる
と、テープがスティックスリップを起こして、いわゆる
テープ鳴きという現象が起き、再生画面のひきつれを起
こす。またテープとヘッドとの相対速度は非常に大き
く、特にポーズ状態では同じ場所での高速接触となるの
で、磁性層の摩耗の問題が生じ、再生出力の低下につな
がる。蒸着テープの場合には磁性層が非常に薄いのでこ
の問題は更に深刻となる。
【0004】ハードディスク装置では、CSS(コンタ
クト・スタート・ストップ)といって、回転前には磁気
ヘッドはディスクに接触しており、高速で回転を始める
と発生する空気流によって浮上するタイプである。それ
ゆえ、起動停止あるいは起動時には媒体を擦って走行す
るので、そのときの摩擦増加が逆に大きな問題となって
いる。商品レベルの信頼性を保つにはCSS操作を2万
回行った後の摩擦係数が0.5以下であることが望まれ
る。また高速で回転しているのでヘッドと媒体によるヘ
ッドクラッシュの問題も薄膜媒体では課題の一つであ
る。
【0005】そこで、これら問題点を改善するために各
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来より
高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁性
層にトップコートすることにより摩擦係数を抑えようと
する試みがされている。
【0006】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、従来
用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが現
状である。
【0007】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、(1)寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れること、(2)磁気ヘッ
ドとのスペーシングが問題となるので極めて薄く塗布で
きることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮される
こと、(3)長時間、あるいは長時間の使用に耐え、潤
滑効果が持続すること、等が要求される。
【0008】これらの摩擦係数の増大あるいは耐久性の
問題を解決するための最も重要な解決法は、表面に塗布
される潤滑剤の検討である。ヘッドとの良好な潤滑性
能、テープあるいはディスク表面への均一で強固な密着
性、これらの性能の長期(例えば10年)保持、このよ
うな要求を数nm程度のほぼ単分子レベルの膜厚で実現
するには、潤滑剤の検討が必要である。潤滑特性は明ら
かに潤滑剤の分子構造に依存することが分かっている
が、とくに磁気記録媒体について開発されたものは、大
別して3種類に分類される:シリコン系、炭化水素系、
フッ素化炭素系である。
【0009】シリコン系潤滑剤は熱安定性がよいことと
蒸気圧が低いために塗布型媒体では良く使用されている
潤滑剤のひとつである。しかし、現在のような非常に表
面性のよい薄膜型の磁気記録媒体の上ではあまりよい潤
滑性能がなく、ピンオンディスクの摩耗加速試験、ある
いはCSS試験での潤滑特性は耐久性の仕様を満足しな
い。つまり、現在主流になっている薄膜型の磁気記録媒
体表面で配向された潤滑膜を形成し、要求される潤滑特
性を満足させることは、シリコン系の潤滑剤では非常に
限られてくる。
【0010】炭化水素系潤滑剤は塗布型の磁気記録媒体
では現在でも主流の潤滑剤である。しかし、熱的あるい
は化学的な安定性については、一般的には炭化水素系潤
滑剤はシリコン系あるいはフッ素系潤滑剤と比較して悪
く、また分子が摩擦によって反応してできるフリクショ
ナルポリマーが、炭化水素系の潤滑剤を用いたシステム
で生成しやすい。このポリマーは潤滑特性を低下させ、
ときには致命的な故障となる。炭化水素系の潤滑剤で
は、蒸気圧が高いことも欠点の一つである。薄膜磁気記
録媒体では潤滑剤の補充ができないために、優れた摩擦
特性を示すが、蒸気圧が高いために実際の薄膜磁気記録
媒体に使用されにくい。
【0011】フッ素系潤滑剤は薄膜磁気記録媒体におい
て、現在最も良く使用されている潤滑剤である。フッ素
系潤滑剤の中でも前述のパーフルオロポリエーテルが他
のフッ素系潤滑剤と比較して潤滑性能や表面保護作用が
良いために広く用いられている。この理由についてはC
2−O−CF2エーテル結合がフレキシブルであるため
に分子量が同じときにはその粘度が低いことと、幅広い
温度領域で粘度が変化しないことが挙げられる。それに
加えて化学的に不活性であること、蒸気圧が低いこと、
熱的あるいは化学的安定性が高いこと、表面エネルギー
が低いこと、境界潤滑特性が良いこと、それに撥水性が
良いことが挙げられる。
【0012】パーフルオロポリエーテルの特性はその分
子構造に非常に強く依存する。何種類かのパーフルオロ
ポリエーテルが市販されていて、それらは分子量、主鎖
の繰返し単位、末端基がそれぞれ異なる。例えばFom
blin−Y(商品名)のタイプはCF(CF3)CF2
OとCF2Oのランダム重合体で主鎖の繰返し単位が分
岐構造を持っているのに対して、Fomblin−Z
(商品名)のタイプはCF2CF2OとCF2Oの重合体
で直鎖構造を持つ。Demnum(商品名)のタイプ及
びKrytox(商品名)のタイプはそれぞれヘキサフ
ルオロプロピレンオキシド及びヘキサフルオロイソプロ
ピレンオキシドのホモポリマーである。化学的に不活性
なために、パーフルオロポリエーテルは磁気媒体表面で
の吸着能力に欠ける。そこで吸着力を改善するために、
両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル、商品
名FomblinZ−DOL(水酸基)や商品名Fom
blinAM2001(ピペロニル基)が開発された。
このAM2001は特に金属表面やカーボン表面で非常
に強い固定化作用があり、末端の極性基の導入により摩
擦係数が減少し、磁気ディスクの耐用年数が増加する。
このように薄膜磁気記録媒体への潤滑剤に対する要求は
非常に厳しいものがあり、様々な工夫がなされている
が、要求特性を満足させるような潤滑剤はまだ存在しな
い。
【0013】また、相対速度が数mを越える磁気記録シ
ステムにおいて、接触部分で発生する摩擦熱は表面温度
を瞬時ではあるが急激に増加させる。そのヘッドと媒体
の接触点での温度の正確な測定方法はまだないが、計算
による評価では数百度を越えると見積もられている。特
にこのような境界潤滑条件下では反応性の表面が現れる
ので、このような接触点での温度によって潤滑剤分子の
分解反応が促進される。パーフルオロポリエーテルは、
空気中では350℃以上の温度でも安定であるが、金属
合金、例えば鉄やチタン合金、あるいはルイス酸やルイ
ス塩基、例えばAlC13、FeF3、A123、の存在
下では分解し易くなる。
【0014】このような潤滑剤の分解は潤滑特性に悪影
響を及ぼし、延いてはそれが磁気記録システムの信頼性
を損う結果となる。それゆえに潤滑特性ばかりでなく、
分解の少ない潤滑剤の開発が必要となってくる。
【0015】またパーフルオロポリエーテル類に関して
は、フロン類にしか溶解せず従って地球環境的にも問題
である。
【0016】以上のように、潤滑剤への要求特性は非常
に厳しく、熱的あるいは化学的な安定性、あるいは媒体
表面との吸着性をとっても磁気記録媒体の信頼性を完全
に満足できていないのが現状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、磁気記
録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足
に起因して、走行性耐久性等の実用特性あるいは使用す
る溶剤に不満を残している。
【0018】そこで本発明は、各種使用条件下において
優れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑
効果が持続され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた
潤滑剤およびこれを用いた磁気記録媒体を提供すること
を目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、下記化学式で示されるアミノ基または
アルキルアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル系
潤滑剤を提供する。
【0020】Rf−CH2NR12 または NR12CH2−Rf−CH2NR12 ただし、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1、R2
はそれぞれ炭化水素または水素を示す。
【0021】本発明の好ましい実施例に係る磁気記録媒
体においては、非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
してなる磁気記録媒体において、上記磁性層表面に上記
本発明に係る新規なパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
を塗布したことを特徴としている。
【0022】別の好ましい実施例においては、非磁性支
持体上に少なくとも磁性層を有してなる磁気記録媒体に
おいて、上記磁性層に上記本発明に係る新規なパーフル
オロポリエーテル系潤滑剤を内添したことを特徴として
いる。
【0023】さらに別の好ましい実施例においては、非
磁性支持体の一方の面に磁性層を有し、その反対側の面
にバックコート層を有する磁気記録媒体において、上記
バックコート層表面に上記新規なパーフルオロポリエー
テル系潤滑剤を塗布したことを特徴としている。
【0024】さらに別の好ましい実施例においては、非
磁性支持体の一方の面に磁性層を有し、その反対側の面
にバックコート層を有する磁気記録媒体において、上記
バックコート層に上記新規なパーフルオロポリエーテル
系潤滑剤を内添したことを特徴としている。
【0025】本発明者等は、末端にアミノ基あるいはア
ルキルアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤を新規に合成し、上述の目的を達成せんものと鋭意
研究を重ねた結果、上記潤滑剤がこの目的に適合するこ
とを見出し本発明を完成するに至ったものである。過去
にも、パーフルオロポリエーテル系新規潤滑剤としては
長鎖アルキルエステル類が、炭化水素系媒体に溶解しか
つ優れた潤滑性能を発揮することが開示されている(特
開平5−194970号公報)。また、末端にカルボキ
シル基を有するパーフルオロポリエーテルのアミン塩化
合物がアルコール系溶媒に溶解し優れた潤滑特性を示す
ことが報告されている。本発明はさらに潤滑特性を改善
するために、パーフルオロポリエーテルの末端にアミノ
基、アルキルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基を
結合させた新規潤滑剤に関するものである。
【0026】従来アミノ基を持つ潤滑剤は磁気記録媒体
特に表面がカーボンで被覆された磁気記録媒体に対して
摩擦を下げることが言われているが、パーフルオロポリ
エーテル系潤滑剤においては知られていない。本発明は
末端にアミノ基を結合させた新規パーフルオロポリエー
テルに関するもので、耐久性および摩擦係数に問題がな
く、かつフロン以外の炭化水素系溶剤にも溶解するよう
に分子設計も可能である。
【0027】即ち、本発明の磁気記録媒体は、下記一般
式1で表される、末端にアミノ基、アルキルアミノ基、
あるいはジアルキルアミノ基を持つパーフルオロポリエ
ーテルエステル潤滑剤、ならびに非磁性支持体上に少な
くとも磁性層を形成してなる磁気記録媒体であって、下
記潤滑剤を保有することを特徴とするものである。
【0028】(一般式1) Rf−CH2NR12 または NR12CH2−Rf−CH2NR12 ただし、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1、R2
はそれぞれ炭化水素または水素を示す。
【0029】すなわち、本発明は蒸着テープのような薄
膜磁気記録媒体表面に塗布すること、あるいは塗布型磁
気記録媒体中に内添あるいはトップコートすることによ
り高温高湿あるいは低温低湿等の、過酷な条件下で使用
した場合にでも良好な耐久性が得られ、しかもその特性
が劣化しないものである。
【0030】本発明の末端にアミノ基、アルキルアミノ
基、あるいはジアルキルアミノ基を持つパーフルオロポ
リエーテルの繰り返し単位構造を構造式1に示すが何等
これに限ったものではない。
【0031】アルキル基も同様に、分子量、炭素数、分
岐構造、不飽和、および芳香環の有無、異性体あるいは
脂環構造によらず選択することができる。好ましくは炭
素数が10以上の直鎖あるいは分岐炭化水素が摩擦係数
あるいはフッ素系溶媒への溶解性の点から好ましい。
【0032】(構造式1)単官能のパーフルオロポリエ
ーテルとしては、 F(CF2CF2CF2O)n 多官能のパーフルオロポリエーテルとしては、(OC2
4p(OCF2q 等がある。
【0033】ここで、上記パーフルオロポリエーテルの
化学構造式中のl,m,n,k,p,qは1以上の整数
を示す。また、その分子量としては特に限定はしないが
600から5000程度が好ましい。分子量が大きくな
りすぎると各末端基に特有の潤滑特性や溶解性等の効果
が小さくなり、逆に分子量が小さくなりすぎると表面エ
ネルギーを低減させる等のパーフルオロポリエーテル基
としての効果が薄れるからである。
【0034】本発明は、末端にアミノ基、アルキルアミ
ノ基、あるいはジアルキルアミノ基を持つ新規なパーフ
ルオロポリエーテル系潤滑剤、ならびにその潤滑剤を保
有する磁気記録媒体である。
【0035】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、非磁性支持体表面に蒸着等の手法により磁性
塗膜が磁性層として形成される、いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に適用することが可能である。 また、こ
の金属薄膜型の磁気記録媒体においては、非磁性支持体
と磁性層との間に下地層を介した構成の磁気記録媒体に
適用することができる。また、塗布型磁気記録媒体に対
しても応用が可能である。
【0036】この場合には、適用可能な金属薄膜型の磁
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られているものが何でも
使用できる。
【0037】例示するならば、非磁性支持体としては先
の塗布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能であ
る。この場合、非磁性支持体にAl合金板やガラス板等
の剛性を有する基板を使用した場合には、基板表面にア
ルマイト処理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成して
その表面を硬くするようにしてもよい。
【0038】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等の手法により連続膜として形成されるも
ので、Fe,Co,Ni等の金属やCo−Ni系合金、
Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−C
o系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合
金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B合金、Fe
−Co−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁
性膜やCo−Cr系合金膜膜が例示される。
【0039】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi,Sb,Pb,Sn,Ga,
In,Ge,Si,Ti等の低融点非磁性材料の下地層
を形成しておき、金属磁性材料を垂直方向から蒸着ある
いはスパッタし、金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性
材料を拡散せしめ、配向性を解消して面内等方性を確保
するとともに、抗磁性を向上するようにしてもよい。
【0040】また、前述のごときハードディスクとする
場合には、金属磁性薄膜表面に、カーボン膜、ダイヤモ
ンド状あるいはアモルファス状カーボン膜、酸化クロム
膜、SiO2 膜、ZrO2 膜等の硬質保護膜を形成する
ようにしてもよい。
【0041】かかる、金属薄膜型の磁気記録媒体に前記
の末端にアミノ基、アルキルアミノ基、あるいはジアル
キルアミノ基を持つ新規なパーフルオロポリエーテル系
潤滑剤を保有させる方法としては、金属磁性薄膜表面や
前記保護膜表面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙
げられる。この場合、前記末端にアミノ基、アルキルア
ミノ基、あるいはジアルキルアミノ基を持つ新規なパー
フルオロポリエーテル系潤滑剤の塗布量としては、0.
5〜100mg/m2 であることが望ましく、1〜20
mg/m2であることがさらに好ましい。
【0042】上述の末端にアミノ基、アルキルアミノ
基、あるいはジアルキルアミノ基を持つ新規なパーフル
オロポリエーテル系潤滑剤は、単独で磁気記録媒体の潤
滑剤として用いてもよいが、従来公知の潤滑剤と組合せ
て用いてもよい。
【0043】さらに、より厳しい条件に対処し潤滑効果
を持続させるために重量30:70−70:30程度の
配合比で極圧剤を併用してもよい。
【0044】極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に
金属接触を生じたときにこれに伴う摩擦熱によって金属
面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものであって、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、
複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
【0045】また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
【0046】ところで、上述の金属薄膜型の磁気記録媒
体において、磁性層である金属磁性薄膜の他に、バック
コート層や下塗層等が必要に応じて形成されていてもよ
い。例えば、バックコート層は磁性塗膜と同様の樹脂結
合剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面
粗度をコントロールするための無機顔料を添加し塗布形
成されるものである。本発明においては、このバックコ
ート層に前述の末端にアミノ基、アルキルアミノ基、あ
るいはジアキルアミノ基を持つ新規なパーフルオロポリ
エーテル系潤滑剤を内添、あるいはトップコートにより
含有せしめてもよい。あるいは、磁性塗膜、金属磁性薄
膜とバックコート層にいずれも末端単にアミノ基、アル
キルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基を持つ新規
なパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を内添、トップコ
ートする等、種々の組合せも可能である。
【0047】
【作用】末端にアミノ基、アルキルアミノ基、あるいは
ジアルキルアミノ基を持つ新規なパーフルオロポリエー
テル系潤滑剤は、良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を
低減する。また、この潤滑作用は低温下等の厳しい条件
下においても損われることはない。従って、末端にアミ
ノ基、アルキルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基
を持つ新規なパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布
した磁気記録媒体は、走行性の改善が図られ、耐久性が
向上する。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【0049】以下に示す表1に記載した合成物(化合
物)を使用して以下の各実施例に示す磁気記録媒体を作
製した。以下金属薄膜型磁気記録媒体(蒸着テープ)に
適用した実施例について説明する。
【0050】
【表1】
【0051】(実施例1)10μm厚のポリエチレンテ
レフタレートフィルムに斜方蒸着法によりCoを被着さ
せ、膜厚200nmの強磁性金属薄膜を形成した。次
に、この金属磁性薄膜表面に、末端にアミノ基を持つパ
ーフルオロポリエーテル(1)をヘキサンに溶解したも
のを塗布料が5mg/m2となるように塗布し、8ミリ
幅に裁断してサンプルテープを作製した。
【0052】(実施例2〜実施例14)表1中のパーフ
ルオロポリエーテル、合成物(化合物)2を用いて、他
は実施例1と同様の方法によりサンプルテープを作製し
た。
【0053】これらのテープに関して25℃相対湿度6
0%RH、40℃相対湿度80%RH、および−5℃の
条件で摩擦測定を行った。この結果を以下の表2および
表3に示す。表2および表3はさらに各実施例のスチル
耐久性およびシャトル耐久性のテスト結果についても示
している。スチル耐久性はポーズ状態での出力の−3d
Bまでの減衰時間を評価した。シャトル耐久性は、1回
につき2分間のシャトル走行を行い、出力が−3dB低
下するまでのシャトル回数で評価した。
【0054】また比較例として、全く潤滑剤を使用して
いないブランクテープ、市販されている末端に水素基を
持つパーフルオロポリエーテルを潤滑剤として使用した
場合(比較例1)、末端にカルボキシル基を持つパーフ
ルオロポリエーテル(比較例2)について測定した。そ
の摩擦および耐久性の測定結果を表3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表2および表3の結果から明らかなよう
に、潤滑剤として末端に水酸基あるいはカルボキシル基
を持つパーフルオロポリエーテルを用いた場合よりも末
端にアミノ基、アルキルアミノ基、あるいはジアルキル
アミノ基を持つ新規なパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤を使用することにより、摩擦係数および耐久性は各種
条件でも劣化することなく非常に良好な結果が得られ
た。
【0058】次に本発明を塗布型磁気記録媒体に内添し
た場合についての実施例を示す。
【0059】(実施例15) 金属粉末磁性粉 100 重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部 ポリウレタン樹脂 10.5重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メチルエチルケトン 150 重量部 メチルイソブチルケトン 150 重量部 上記組成物を基本組成物とし、ボールミルにより24時
間混合してからフィルターを通して取り出し、更に硬化
剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製ポリイソ
シアネート)を4重量部添加して30分間攪拌した。こ
の磁性塗料を12μm厚のポリエチレンテレフタレート
ベース上に乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布し、
磁場配向を行った後乾燥し巻取った。これをカレンダー
処理した後8mm幅に裁断した。その上に、末端にアミ
ノ基を持つパーフルオロポリエーテル(1)をヘキサン
に溶解したものを塗布量が5mg/m2となるように塗
布し、8ミリ幅に裁断してサンプルテープを作製した。
【0060】(実施例16から実施例28)実施例15
において、トップコート用の潤滑剤を表1中の(2)か
ら(14)を用いて、他は実施例1と同様の方法のより
サンプルテープを作製した。
【0061】上述のようにして作製した実施例15から
28の各サンプルテープについて、温度40℃相対湿度
80%の場合についてエージング前後にわたり、その摩
擦係数およびスティックスリップ、およびドロップアウ
トについて測定を行った。その結果を表4および表5に
示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】スティックスリップについては摩擦時の静
止摩擦係数が0.6を越えるかどうかで判断した。また
ドロップアウトについては、3分間に3μsec、10
dB以上の出力低下が起こる回数を示している。
【0065】表2から表5に示す結果から明らかなよう
に、非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有してなる磁
気記録媒体において、磁性粉末およびバインダー樹脂を
有する磁気記録媒体であって、磁性コーティング層表面
に潤滑剤を含有する樹脂層を設けることにより、摩擦係
数、スティックスリップ、およびドロップアウトは、各
種条件でも劣化することなく非常に良好な結果が得られ
た。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の潤滑剤は、Rf−CH2NR12またはNR12CH
2−Rf−CH2NR12(ただし、Rfはパーフルオロポ
リエーテル基、R1、R2はそれぞれ炭化水素または水素
を示す。)で示されるアミノ基またはアルキルアミノ基
を有する非常に優れた潤滑性を有する新規なパーフルオ
ロポリエーテル系潤滑剤であり、また本発明の磁気記録
媒体は、この非常に優れた潤滑性を有する末端にアミノ
基、アルキルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基を
持つ新規なパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を保有し
ているので、如何なる使用条件下でも潤滑性を保つこと
ができ、また長期にわたりその潤滑性を保つことができ
る。したがって、本発明の磁気記録媒体は耐摩耗性、耐
久性、特に走行性に優れたものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式で示されるアミノ基またはア
    ルキルアミノ基を有するパーフルオロポリエーテル系潤
    滑剤。 Rf−CH2NR12 または NR12CH2−Rf−CH2NR12 ただし、Rfはパーフルオロポリエーテル基、R1、R2
    はそれぞれ炭化水素または水素を示す。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
    してなる磁気記録媒体において、上記磁性層表面に請求
    項1に記載したパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗
    布したことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
    してなる磁気記録媒体において、上記磁性層に請求項1
    に記載したパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を内添し
    たことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体の一方の面に磁性層を有
    し、その反対側の面にバックコート層を有する磁気記録
    媒体において、上記バックコート層表面に請求項1に記
    載したパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布したこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体の一方の面に磁性層を有
    し、その反対側の面にバックコート層を有する磁気記録
    媒体において、上記バックコート層に請求項1に記載し
    たパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を内添したことを
    特徴とする磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004031261A1 (ja) * 2002-10-01 2004-04-15 Matsumura Oil Research Corp. パーフルオロポリエーテル化合物、およびこれを用いた潤滑剤ならびに磁気ディスク
US10414944B2 (en) * 2014-09-03 2019-09-17 Daikin Industries, Ltd. Antifouling article

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