JPH09102118A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09102118A
JPH09102118A JP25654895A JP25654895A JPH09102118A JP H09102118 A JPH09102118 A JP H09102118A JP 25654895 A JP25654895 A JP 25654895A JP 25654895 A JP25654895 A JP 25654895A JP H09102118 A JPH09102118 A JP H09102118A
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JP
Japan
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layer
lubricant
recording medium
magnetic recording
epoxy compound
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JP25654895A
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Yoshiyuki Nahata
嘉之 名畑
Toshiya Hagiwara
敏也 萩原
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿の環境下や酸性ガスの存在する環境
下のような様々な環境下においても、優れたCSS耐久
性を有する磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 支持体と該支持体上に設けられた磁性層
とを有する本発明の薄膜型磁気記録媒体は、該磁性層上
にエポキシ化合物を含むパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤を主体とする潤滑剤層を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク等
の薄膜型磁気記録媒体に関し、更に詳しくは耐久性が一
層向上した薄膜型磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型ハードディスク装置において
は、ドライブ装置の起動・停止方式として、ドライブ装
置の起動及び停止に伴い磁気ヘッドが磁気ディスクに接
触し擦れ合う方式であるコンタクト・スタート・ストッ
プ(以下「CSS」という)方式が主流を占めている。
上記CSS方式では、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触
して擦れ合うため、ドライブ装置の起動及び停止時に磁
気ヘッドと磁気ディスクとの間に摺動状態が生じ、摩耗
により磁気ヘッドや磁気ディスクの損傷が起こり、ヘッ
ドクラッシュや磁気データの消失が生じるという問題が
ある。
【0003】かかる問題を解消するために、磁気ディス
クにおける磁性層の上にアモルファスカーボンや二酸化
珪素等からなる保護層を設けることが一般に行われてい
る。しかしながら、該保護層を設けるのみでは上記の問
題を十分に解決し得ないことが判明してきた。そこで、
上記保護層の上に液体系の潤滑剤を塗布して潤滑剤層を
形成し、磁気ディスクのCSS耐久性を高めることが提
案されている。
【0004】かかる潤滑剤としては、例えば米国特許第
3778308号明細書に記載されているようなパーフ
ルオロポリエーテル(以下、「PFPE」という)系潤
滑剤や、米国特許第4267238号明細書及び同42
68556号明細書に記載されているような末端に極性
基を有するPFPE系潤滑剤等が知られている。また、
特開平7−141644号公報に記載されているような
芳香族環を含む基を分子末端に有する特定構造のPFP
E系潤滑剤も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ノー
ト型パソコン等をはじめとする可搬性に富むパーソナル
コンピュータが普及しており、様々な環境下で使用され
るようになってきている。その結果、パーソナルコンピ
ュータに搭載されるハードディスク装置においても、様
々な環境下でのCSS耐久性が要求されている。
【0006】しかしながら、高温高湿の環境下や酸性ガ
スの存在するような環境下でハードディスク装置を使用
すると、雰囲気中に存在する水分や酸性ガス等によっ
て、潤滑剤層として用いられている上記PFPE系潤滑
剤層の構造が変化し、CSS耐久性が劣化するという問
題がある。このように、PFPE系潤滑剤を用いたハー
ドディスク装置は、様々な環境下でのCSS耐久性の点
で改良の余地があるものであった。
【0007】従って、本発明の目的は、高温高湿の環境
下や酸性ガスの存在する環境下のような様々な環境下に
おいても、優れたCSS耐久性を有する磁気記録媒体を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明者らは鋭意検討したところ、PFPE系潤滑剤を特
定の化合物と併用して潤滑剤層を形成することにより、
高温高湿の環境下や酸性ガスの存在するような環境下で
も該PFPE系潤滑剤層への悪影響が抑えられ、磁気記
録媒体の耐久性を向上させ得ることを知見した。
【0009】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あり、支持体と該支持体上に設けられた磁性層とを有す
る薄膜型磁気記録媒体において、該磁性層上にエポキシ
化合物を含むパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を主体
とする潤滑剤層を設けたことを特徴とする薄膜型磁気記
録媒体を提供することにより上記目的を達成したもので
ある。
【0010】本発明の薄膜型磁気記録媒体においては、
PFPE系潤滑剤層構造に変化をきたす原因となる水分
や酸性ガスが上記エポキシ化合物により捕捉され、その
結果、該PFPE系潤滑剤層への悪影響が抑えられるも
のと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄膜型磁気記録媒
体について詳細に説明する。本発明の薄膜型磁気記録媒
体は、磁性層上に設けられた潤滑剤層がエポキシ化合物
を含むPFPE系潤滑剤を主体とすることを特徴とする
ものである。該PFPE系潤滑剤の種類に特に制限はな
く、磁気記録媒体の潤滑剤層として適切なものであれば
如何なるものでも使用することができる。例えば、市販
品として、アウジモント社製のフォンブリンZ DO
L、フォンブリンZ DIAC及びフォンブリンAM2
001、並びにダイキン工業製のデムナムSA及びデム
ナムSH等が挙げられる。
【0012】上記PFPE系潤滑剤として特に好ましい
ものは、下記式(I)で表される構造を有するものであ
る。 −(CF2 O)m −(CF2 CF2 O)n − (I) (式中、mは2以上の整数を表し、nは以上の整数を表
す。)
【0013】上記式(I)で表される構造を有するPF
PE系潤滑剤は、該潤滑剤の耐久性及び粘度等の点から
その数平均分子量が800〜30000であることが好
ましい。また、上記式(I)においては、上記PFPE
系潤滑剤の分子運動性等の点から、m/nが2<m/n
<7であることも好ましい。
【0014】上記PFPE系潤滑剤の使用量は、上記潤
滑剤層中において90〜99.99重量%であることが
好ましく、更に好ましくは、95〜99.9重量%であ
る。上記PFPE系潤滑剤の使用量がこの範囲内であれ
ば、上記潤滑剤層の潤滑性が劣化しないので好ましい。
【0015】次に、上記エポキシ化合物について説明す
ると、該エポキシ化合物としては、本発明の薄膜型磁気
記録媒体の使用環境下に存在する水分や酸性ガス等を捕
捉し得るものであれば、如何なるエポキシ化合物をも使
用することができる。好ましくは、上記エポキシ化合物
として、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル
類、エポキシ化脂肪酸モノエステル類、エポキシ化植物
油類及び脂環式エポキシ化合物等を使用することができ
る。これらのエポキシ化合物は単独で又は2種以上を組
み合わせて使用することができる。
【0016】上記エポキシ化合物について更に説明する
と、上記グリシジルエーテル類としては、例えばフェニ
ルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル及
びペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が
挙げられる。上記グリシジルエステル類としては、例え
ばフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシ
ジルエステル及び2−エチルヘキサン酸グリシジルエス
テル等が挙げられる。上記エポキシ化脂肪酸モノエステ
ル類としては、例えばエポキシ化ステアリン酸メチル及
びエポキシ化ステアリン酸ブチル等が挙げられる。上記
エポキシ化植物油類としては、例えばエポキシ化大豆油
及びエポキシ化アマニ油等が挙げられる。上記脂環式エ
ポキシ化合物としては、例えばエポキシシシクロオクタ
ン、エポキシシクロヘプタン、エポキシシクロヘキシル
基を有する化合物(例えば1,2−エポキシシクロヘキ
サン等)及びエポキシシクロペンチル基を有する化合物
(例えば1,2−エポキシシクロペンタン等)等が挙げ
られる。
【0017】上記エポキシ化合物のうち、特に好ましい
ものは、グリシジルエーテル類及びエポキシ化脂肪族モ
ノエステル類であり、一層好ましいものはグリシジルエ
ーテル類である。
【0018】上記エポキシ化合物の使用量は、上記潤滑
剤層中において0.01〜10重量%であることが好ま
しく、更に好ましくは、0.1〜5重量%である。上記
エポキシ化合物の使用量が0.01重量%に満たないと
水分や酸性ガスの捕捉力が不足し、10重量%を超える
と潤滑剤層の潤滑性が劣化するので、上記範囲内とする
ことが好ましい。
【0019】本発明の薄膜型磁気記録媒体は金属薄膜型
の磁性層を有するものであり、その形態としては、例え
ばハードディスク等の磁気ディスクや金属蒸着型の磁気
テープ等が挙げられる。以下、本発明の薄膜型磁気記録
媒体の好ましい実施形態を磁気ディスクを例にとり図面
を参照しつつ説明する。ここで、図1は本発明の薄膜型
磁気記録媒体の一実施形態としての磁気ディスクの構成
を示す概略図である。
【0020】図1に示す磁気ディスク100は、基板1
0上に、第1テクスチャ層12、第2テクスチャ層1
4、非金属アモルファス層16、第1下地層18及び第
2下地層20が順次形成されている。以下、これらの部
材及び層について説明する。
【0021】上記基板10としては、一般に非磁性基板
が用いられる。該非磁性基板としては、例えば、ガラス
状カーボン等のカーボン、強化ガラス、結晶化ガラス、
アルミニウム及びアルミニウム合金、チタン及びチタン
合金、セラミックス、樹脂、並びにこれらの複合材料か
ら成る基板が用いられる。これらの中でも、ガラス状カ
ーボンから成る基板は、耐熱性、軽量性等の点において
特に優れたものであり、特に好ましく用いられる。
【0022】上記基板10上に設けられる上記第1テク
スチャ層12は、該基板10上に微細な凹凸、例えば、
中心線平均粗さRaが9〜11Å程度の凹凸を形成せし
めて、いわゆるヘッド吸着を防止するために設けられる
ものである。該第1テクスチャ層12は、カーバイドを
形成し得る金属から形成されていることが好ましい。そ
のような金属としては、例えば、Ti、Cr、Si、T
a、Zr、Y、Mo及びV等を用いることができる。特
に、カーボン基板とTi又はCrからなる第1テクスチ
ャ層とを併用した場合には、該第1テクスチャ層12と
上記基板10との密着性が極めて高くなるので好まし
い。該第1テクスチャ層12は、例えばスパッタリング
のような物理的気相成長法(PVD)等の薄膜形成手段
によって形成され、その厚さは5〜200nmであるこ
とが好ましい。
【0023】上記第1テクスチャ層12上に形成される
第2テクスチャ層14は、上記第1テクスチャ層12と
同様に、凹凸(中心線平均粗さRaが5〜50Å程度)
を形成せしめてヘッド吸着を防止するために設けられる
層である。従って、該第2テクスチャ層14の表面に
は、上記第1テクスチャ層12によって形成された凹凸
と、該第2テクスチャ層14自身によって形成された凹
凸とが複合化した凹凸が形成されている。そして、かか
る複合化した凹凸が、該第2テクスチャ層14以降に設
けられる各層にそのまま引き継がれることになる。上記
第2テクスチャ層14は、例えばAl−M系合金(M
は、カーバイドを形成し得る金属であり、具体的には上
記第1テクスチャ層12に用いられる金属と同様の金属
を用いることができる)からスパッタリング等のPVD
によって形成され、その厚さが5〜100nmであるこ
とが好ましい。
【0024】上記第2テクスチャ層14上に設けられる
非金属アモルファス層16は、上記第2テクスチャ層1
4と、該非金属アモルファス層16上に設けられる第1
及び第2下地層18、20との結晶的相互作用を遮断
し、該下地層の結晶化を進めると共に、後述する磁性層
の磁気的配向を良好なものとするために設けられるもの
である。上記非金属アモルファス層16は、例えばPV
Dよって形成されたアモルファスカーボン層からなり、
その厚さが5〜50nmであることが好ましい。
【0025】上記非金属アモルファス層16上に設けら
れる第1下地層18は、媒体ノイズを低減化せしめる目
的で設けられるものであり、Ti又はTi合金から構成
されるものであることが好ましい。一方、該第1下地層
18上に設けられる第2下地層20は、後述する磁性層
の静磁気特性の向上を目的として設けられるものであ
り、この目的のために、その材質としては磁性層を構成
する物質の格子定数に近いものを用いることが好まし
い。特に、該第2下地層20は、Cr又はCrを含む二
元合金からなることが静磁気特性の向上と共に媒体ノイ
ズの低減化の点から好ましい。上記第1下地層18及び
第2下地層20の厚さは、それぞれ5〜200nm及び
5〜150nmであることが好ましい。
【0026】また、図1に示すように、上記第2下地層
20上には、磁性層22、保護層24及び潤滑剤層26
が順次形成されている。
【0027】上記磁性層22は、上述の通り金属薄膜型
の磁性層であり、例えばPVD等の薄膜形成手段により
形成される。該金属薄膜型の磁性層を形成する材料とし
ては、例えばCoCr、CoNi、CoCrX(但し、
X=Crを除く)、CoCrPtX(但し、X=Cr及
びPtを除く)、CoSm、CoSmX(但し、X=S
mを除く)、CoNiX(但し、X=Niを除く)及び
CoWX(但し、X=Wを除く)(ここで、Xは、T
a、Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、B、
Ca、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、A
g、Sb及びHf等からなる群より選ばれる1種又は2
種以上の金属を示す)等で表されるCoを主成分とする
Co系の磁性合金等を好ましく挙げることができる。使
用に際しては、これらを単独で又は2種以上の混合物と
して用いることができる。上記磁性層22の厚さは20
〜50nmであることが好ましい。
【0028】上記磁性層22上に設けられる保護層24
としては、通常の磁気記録媒体において用いられるもの
を特に制限無く用いることができる。例えば、上記保護
層24としては、耐摩耗性の点から硬度の高い材料が用
いられ、具体的にはAl、Si、Ti、Cr、Zr、N
b、Mo、Ta及びW等の金属の酸化物、窒化物及び炭
化物や、ダイヤモンドライクカーボン等のカーボンが好
ましく用いられる。
【0029】而して、上記保護層24上に設けられる潤
滑剤層26は、上述の通り、上記エポキシ化合物を含む
PFPE系潤滑剤を主体とするものである。該潤滑剤層
26中に存在する上記エポキシ化合物は、水分や酸性ガ
スを捕捉し得るような状態にあれば、その存在形態に特
に制限はない。例えば、上記エポキシ化合物は、上記P
FPE系潤滑剤を主体とする層中に分散した形態で存在
していてもよく、又は上記保護層24と上記PFPE系
潤滑剤を主体とする層との間に層状に存在していてもよ
い(即ち、上記潤滑剤層26が、上記エポキシ化合物の
層と該エポキシ化合物の層上に形成された上記パーフル
オロポリエーテル系潤滑剤を主体とする層とからな
る)。或いは、上記エポキシ化合物は、上記保護層24
上に形成された上記PFPE系潤滑剤を主体とする層の
上に、層状に存在していてもよい(即ち、上記潤滑剤層
26が、上記パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を主体
とする層と該層上に形成された上記エポキシ化合物の層
とからなる)。
【0030】上記潤滑剤層26は、磁気記録媒体におけ
る潤滑剤層の形成方法として従来用いられている方法に
よって形成することができる。例えば、液体系のPFP
E系潤滑剤を用いる場合には、上記保護層24上に、溶
媒に溶解させた上記エポキシ化合物を塗布し、その上に
上記PFPE系潤滑剤を塗布することによって上記潤滑
剤層26を形成することができる。上記エポキシ化合物
及び上記PFPE系潤滑剤の塗布方法としては、例えば
スピンコーティングやディップコーティング等を用いる
ことができる。なお、上記エポキシ化合物を溶解させる
ための溶媒としては、例えばエチルカルビトール等のカ
ルビトール系溶媒を用いることができる。この場合、上
記エポキシ化合物の濃度は0.01〜1重量%、更に
0.02〜0.2重量%であると潤滑剤層の性能を損ね
ず、本発明の目的を達成できるので好ましい。
【0031】以上、本発明の薄膜型磁気記録媒体を、そ
の好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の薄膜
型磁気記録媒体は、かかる実施形態に限定されないこと
はいうまでもない。また、上記の説明において特に詳述
しなかった点については、従来の薄膜型磁気記録媒体に
関する説明が適宜適用される。
【0032】
【実施例】次に、本発明の薄膜型磁気記録媒体を、実施
例により更に詳細に説明する。
【0033】〔実施例1〕図1に示す磁気ディスクを下
記の手順により作製した。即ち、密度1.5g/cm3
のガラス状カーボン製の支持体(サイズ1.8インチ、
厚さ25ミル)を研磨し、中心線平均粗さRaを0.8
nmにした。次いで、Arガス雰囲気中でのDCマグネ
トロンスパッタリングにより、厚さ100nmのTi層
(第1テクスチャ層)、及び厚さ20nmのAl−10
wt%Si層(第2テクスチャ層)を順次設けた。引き
続き、上記Al−10wt%Si層上に、Arガス雰囲
気中でのDCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ
25nmのアモルファスカーボン層を設け、更にこの上
に、厚さ50nmのTi層(第1下地層)及び厚さ50
nmのCr層(第2下地層)を順次設けた。更に、上記
Cr層上に、Arガス雰囲気中でのDCマグネトロンス
パッタリングにより、厚さ40nmのCoCrPtB系
薄膜磁性層及び厚さ15nmのガラス状カーボン保護層
を順次設けた。該保護層上に、2−エチルヘキシルグリ
シジルエーテル(エポキシ化合物)のエチルカルビトー
ル0.05重量%溶液をディップコーティングし、更に
アウジモント社製フォンブリンZ DOL(PFPE系
潤滑剤)をディップコーティングして厚さ15Åの潤滑
剤層を設け、図1に示す磁気ディスクを得た。
【0034】このようにして得られた磁気ディスクにつ
いて、表1に示す条件下にて下記のCSSテストを行
い、磁気ディスクの摩擦係数を測定すると共に摩耗の状
態を観察した。その結果を表1に示す。
【0035】<CSSテスト>ヤマハ社製の薄膜ヘッド
(Al2 3 ・TiCスライダ)を用い、ヘッド加重
3.5g、ヘッド浮上量2.8μインチ、回転数450
0rpmで5秒間駆動、5秒間停止のサイクルを2万回
行い、その後の磁気ディスクの摩擦係数を測定すると共
に摩耗の状態を観察した。
【0036】〔実施例2〕実施例1におけるガラス状カ
ーボン基板に代えて強化ガラス基板を用い、且つ2−エ
チルヘキシルグリシジルエーテル(エポキシ化合物)に
代えてフタル酸ジグリシジルエステル(エポキシ化合
物)を用いる以外は実施例1と同様にして磁気ディスク
を得た。得られた磁気ディスクについて、表1に示す条
件下にて実施例1と同様の測定及びを観察した。それら
の結果を表1に示す。
【0037】〔実施例3〕実施例1におけるガラス状カ
ーボン基板に代えてNiPメッキしたアルミニウム基板
を用い、且つ2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
(エポキシ化合物)に代えて1,2−エポキシシクロヘ
キサン(エポキシ化合物)を用いる以外は実施例1と同
様にして磁気ディスクを得た。得られた磁気ディスクに
ついて、表1に示す条件下にて実施例1と同様の測定及
びを観察した。それらの結果を表1に示す。
【0038】〔比較例1〕実施例1において2−エチル
ヘキシルグリシジルエーテル(エポキシ化合物)を用い
ない以外は実施例1と同様にして磁気ディスクを得た。
得られた磁気ディスクについて、表1に示す条件下にて
実施例1と同様の測定及びを観察した。それらの結果を
表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す結果から明らかなように、エポ
キシ化合物を含むPFPE系潤滑剤からなる潤滑剤層が
設けられた磁気ディスク(実施例1〜3)では、2万回
のCSSテスト後においても、摩擦係数が低い値に維持
されていると共に磁気ディスクの摩耗も観察されない。
これに対して、PFPE系潤滑剤単独からなる潤滑剤層
が設けられた磁気ディスク(比較例1)では、摩擦係数
値が大きくなると共に磁気ディスクの摩耗も観察され
る。
【0041】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
PFPE系潤滑剤を主体とする潤滑剤層にエポキシ化合
物が含まれることによって、高温高湿の環境下や酸性ガ
スの存在するような環境下のような様々な環境下におい
ても上記PFPE系潤滑剤層への悪影響が抑えられ、C
SS耐久性に優れた磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜型磁気記録媒体の一実施形態とし
ての磁気ディスクの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10 基板 12 第1テクスチャ層 14 第2テクスチャ層 16 アモルファス層 18 第1下地層 20 第2下地層 22 磁性層 24 保護層 26 潤滑剤層 100 磁気ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と該支持体上に設けられた磁性層
    とを有する薄膜型磁気記録媒体において、 該磁性層上にエポキシ化合物を含むパーフルオロポリエ
    ーテル系潤滑剤を主体とする潤滑剤層を設けたことを特
    徴とする薄膜型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記潤滑剤層が、上記エポキシ化合物の
    層と該エポキシ化合物の層上に形成された上記パーフル
    オロポリエーテル系潤滑剤を主体とする層とからなる、
    請求項1記載の薄膜型磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記エポキシ化合物が、グリシジルエー
    テル類、グリシジルエステル類、エポキシ化脂肪酸モノ
    エステル類、エポキシ化植物油類又は脂環式エポキシ化
    合物である、請求項1又は2記載の薄膜型磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 上記パーフルオロポリエーテル系潤滑剤
    が、下記式(I)で表される構造を有する、請求項1〜
    3の何れかに記載の薄膜型磁気記録媒体。 −(CF2 O)m −(CF2 CF2 O)n − (I) (式中、mは2以上の整数を表し、nは以上の整数を表
    す。)
  5. 【請求項5】 上記式(I)において、m/nが2<m
    /n<7である、請求項4記載の薄膜型磁気記録媒体。
JP25654895A 1995-10-03 1995-10-03 磁気記録媒体 Pending JPH09102118A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6528562B2 (en) * 2000-07-10 2003-03-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Curable fluoropolyether rubber compositions
JP2010143855A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Moresco Corp パーフルオロポリエーテル化合物、その製造方法、該化合物を含有する潤滑剤、および磁気ディスク

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