JPH09311431A - ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法 - Google Patents
ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法Info
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- JPH09311431A JPH09311431A JP12739596A JP12739596A JPH09311431A JP H09311431 A JPH09311431 A JP H09311431A JP 12739596 A JP12739596 A JP 12739596A JP 12739596 A JP12739596 A JP 12739596A JP H09311431 A JPH09311431 A JP H09311431A
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Abstract
転写を可能ならしめるハーフトーン型位相シフトマスク
及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】透明性基板上に半透明遮光膜パターンが形
成されたハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、前
記半透明遮光膜パターン上及び半透明遮光膜が除去され
た透明性基板上の両方とも、露光波長に対して消衰係数
が0.1以下の透明性薄膜で被覆されており、さらに、
前記透明性薄膜が二酸化珪素膜または酸化ジルコニウム
膜で形成されていることを特徴とするハーフトーン型位
相シフトマスク及びその製造方法。
Description
るハーフトーン型位相シフトマスクに関するものであ
る。さらに詳しくは、従来のフォトマスクと同様に投影
露光装置で用いることができ、従来のフォトマスクを用
いた場合に比べパターンの解像力を向上させることがで
きるハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法
に関する。
ンの投影露光に際し、近接したパターンにおいては、マ
スクの光透過部を通過した光が回折し、干渉し合うこと
によって、パターン境界部での光強度を強め合い、ウェ
ハー上のレジストが感光して、転写されたパターンが分
離解像しないという問題が生じていた。この現象は線幅
が露光波長に近い微細なパターンほどその傾向が強く、
従来のフォトマスクと従来の露光光学系においては光源
の波長以下の微細なパターンを解像することは不可能で
あった。
光の位相を互いに180度の位相差をもたせることによ
り微細パターンの解像力を向上させるという、位相シフ
ト技術が開発された。すなわち、隣接する光透過部の片
側に位相シフト部を設けることにより、透過光が回折し
干渉し合う際、位相が反転しているために境界部の光強
度を弱め合い、その結果転写パターンは分離解像するよ
うになる。この関係は焦点の前後でも成り立っているた
め、焦点が多少ずれていても解像度は従来の露光法より
も向上し、焦点裕度が改善される。
vensonらによって提唱され、特開昭58ー173
744号公報や、特公昭62ー50811号公報に記載
されている。パターンを遮光層で形成する場合は、遮光
パターンに隣接する開口部の片側に位相シフト部を設け
て位相反転させる(Levenson型位相シフトマス
ク、またはAlternative type位相シフ
トマスク)。一方、遮光層にわずかな透光性を与え半透
明層とする代わりに、この半透明遮光膜によって透過光
の位相が反転される場合にも、同様な解像度向上効果が
得られ、この場合は特に孤立パターンの解像度向上に有
効である。このような半透明遮光膜(ハーフトーン膜)
をもつ位相シフトマスクを一般にハーフトーン型位相シ
フトマスク(またはAttenuated type位
相シフトマスク)と称する。
層と位相シフト層を別々に積層してマスクブランクとし
た後、マスクパターンを形成する2層型ハーフトーンマ
スクと、位相シフト効果も持たせた半透明遮光膜をパタ
ーニングして作製される単層型ハーフトーンマスクの2
種類が今までに提案されている。
は、例えば文献(1)第38回春季応用物理学会予稿集
第2分冊、29p−zc−3、p535(1991)に
記載されている。半透明遮光膜の空気層に対する位相差
Φ(度)は一般に次の式(1)で表される。 Φ=360 ×(n−1)d/λ……………式(1) (d:半透明遮光膜の膜厚、n:半透明遮光膜の屈折
率、λ:露光波長) 解像度向上効果を最大にするためには、Φを事実上180
度にする必要がある。従って、d=λ/{2(n−
1)}の関係が成り立つような半透明遮光膜を形成すれ
ばよい。また、半透明遮光膜の透過率は通常は8%程度
のときがもっとも解像性向上効果があるとされるが、露
光条件やウェハー上のレジストプロセスによっても微妙
に異なってくる。
の不活性ガスに酸素(O2 )や窒素(N2 )などの反応
性ガスを添加する、いわゆる反応性スパッタリング法が
用いられるのが一般的である。
フトマスクによって転写パターンの解像度向上を達成す
るには、上記のように半透明遮光膜の空気層に対する位
相差と透過率の目標値をどちらも達成する必要がある。
しかるに透過率もまた位相差同様半透明遮光膜のnとd
及びk:消衰係数に依存する量であるため、一方を調整
すれば他方も変化し、同時に達成することは容易ではな
い。
合は半透明遮光膜の膜厚を減少させ、その後透明性基板
を掘り込むことで調整する方法もあるが、透明性基板を
掘り込むときに透過率が再び変化してしまうおそれがあ
る。また、透過率が大きすぎる場合は従来適当な調整手
段が存在しなかった。これらのことはハーフトーン型位
相シフトマスクブランクの選択の幅を狭くし、それ故ハ
ーフトーン型位相シフトマスクの歩留まりを低下させる
原因となっていた。
く知られているように、いわゆるヒステリシス現象が発
生し、一般に再現性よく膜質を制御することが容易では
なく、このこともハーフトーン型位相シフトマスクの歩
留まりを低下させる原因となっていた。
は進展していくと考えられ、それとともにハーフトーン
型位相シフトマスクには、より高精度な位相差と透過率
の制御が要求されていくと考えられる。
ので、その目的とするところは、位相シフト法により得
られる高解像のパターン転写を可能ならしめるハーフト
ーン型位相シフトマスク及びその製造方法を提供するこ
とにある。より具体的には、位相シフトマスクの全面に
亘って、露光波長に対して消衰係数が0.1以下の透明
性薄膜を被覆することにより位相差に影響されることな
く透過率を精度良く調整できるようにしたものである。
を解決するために、まず請求項1においては、透明性基
板上に半透明遮光膜パターンが形成されたハーフトーン
型位相シフトマスクにおいて、前記半透明遮光膜パター
ン上及び半透明遮光膜が除去された透明性基板上の両方
とも、露光波長に対して消衰係数が0.1以下の透明性
薄膜で被覆されていることを特徴とするハーフトーン型
位相シフトマスクとしたものである。
に対して消衰係数が0.1以下の透明性薄膜が二酸化珪
素膜または酸化ジルコニウム膜であることを特徴とする
請求項1記載のハーフトーン型位相シフトマスクとした
ものである。
工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載のハ
ーフトーン型位相シフトマスクの製造方法としたもので
ある。 (1)前記透明性基板上に前記半透明遮光膜を形成した
後、前記半透明遮光膜の膜厚を減少させるか、若しくは
前記半透明遮光膜をパターン化した後前記パターン間の
透光部の前記透明性基板を掘り込むことによって位相差
を調整する工程。 (2)前記位相差が調整されたマスクパターン側の全面
に、露光波長に対して消衰係数が0.1以下の前記透明
性薄膜を形成する工程。 (3)前記透明性薄膜を形成した後、前記半透明遮光膜
パターンを通過する露光光の透過率が目的の値となるま
で、前記透明性薄膜を適量エッチングする工程。
ーフトーン型位相シフトマスクの構造を示す模式断面図
である。図1(a)のハーフトーン型位相シフトマスク
は、前記半透明遮光膜の膜厚を減少させて位相差調整し
て、マスクパターンを形成した後前記透明性薄膜を形成
したものである。図1(b)のハーフトーン型位相シフ
トマスクは、前記半透明遮光膜パターン間の透光部の前
記透明性基板を掘り込むことによって位相差を調整した
後前記透明性薄膜を形成したものである。
は半透明遮光膜パターンを通過する露光光の透過率が、
露光条件やウェハー上のレジストプロセスに応じて最大
の解像性をもたらすように、前記透明性薄膜の膜厚を調
整する。
光光の透過率は、透明性薄膜、半透明遮光膜、透明性基
板の光学定数(屈折率、消衰係数)及び露光雰囲気(通
常は空気)の屈折率に依存した各膜内での多重干渉の結
果として決まり、透明性薄膜の膜厚に対して周期的に変
化する。尚、薄膜の干渉理論については例えば文献
(2):薄膜(金原栄著、裳華房)p.197などに詳し
く述べられており、あらかじめ上記の構成材料の光学定
数を求めておけば、透明性薄膜の膜厚の調整量に応じた
最終的な透過率は理論計算で予測することが可能であ
る。
シフトマスクの製造方法を工程順に示す模式断面図であ
る。図2は前記半透明遮光膜の膜厚を減少させて位相差
調整をし、マスクパターンを形成した後、前記透明性薄
膜を形成したハーフトーン型位相シフトマスクの製造方
法を工程順に示す模式断面図である。以下、図面を用い
て詳細に説明する。
半透明遮光膜2を形成し(図2(a)参照)、半透明遮
光膜2の位相差を目標値(通常は180度)に調整する
ために半透明遮光膜をスパッタエッチングを行って、位
相差調整された半透明遮光膜2’を形成する(図2
(b)参照)。
グして半透明遮光膜パターン2’aを形成する(図2
(c)参照)。ここで、半透明遮光膜パターン2’aを
通過する露光光の透過率は、後工程によって透明性薄膜
の膜厚を調整することで調整することができるので、目
標の値と差があってもよい。
ーン2’a及び透明性基板1上の全面に露光波長に対し
て消衰係数が0.1以下の透明性薄膜3を反応性スパッ
タ等により形成する(図2(d)参照)。このときの透
明性薄膜の種類の選択は、位相差調整した後、透過率の
目標値との差を測定しておき、理論計算によって後工程
の膜厚の調整による透過率の変化を予測しておくことで
可能である。
する露光光の透過率が目的の値となるまで、透明性薄膜
3を適量エッチングして透明性薄膜3’を形成し、本発
明のハーフトーン型位相シフトマスクが得られる(図2
(e)参照)。このとき透明性薄膜3’はマスクのパタ
ーン側の全面が等しくエッチングされるため、調整済み
の位相差が変化することはない。
記透明性基板を掘り込むことによって位相差を調整した
後、前記透明性薄膜を形成したハーフトーン型位相シフ
トマスクの製造方法を工程順に示す模式断面図である。
(図3(a)参照)、所定のマスクパターンでパターニ
ングして半透明遮光膜パターン2aを形成する(図3
(b)参照)。次に半透明遮光膜パターン2aの位相差
を目標値(通常は180度)に調整するために、半透明
遮光膜パターン2a間の透光部の透明性基板1をエッチ
ング等で堀込み、凹部4を形成する(図3(c)参
照)。この位相差調整の結果、半透明遮光膜パターン2
aを通過する露光光の透過率は、後工程によって透明性
薄膜の膜厚を調整することで調整することができるの
で、目標の値と差があってもよい。
4上に露光波長に対して消衰係数が0.1以下の透明性
薄膜3を反応性スパッタ等により形成する(図3(d)
参照)。このときの透明性薄膜3の種類の選択は、位相
差調整した後、透過率の目標値との差を測定しておき、
理論計算によって後工程の膜厚の調整による透過率の変
化を予測しておくことで可能である。
る露光光の透過率が目的の値となるまで、透明性薄膜3
を適量エッチングして透明性薄膜3’を形成し、本発明
の別の実施形態を示すハーフトーン型位相シフトマスク
が得られる(図3(e)参照)。
フトマスクとその製造方法によれば、位相差及び透過率
を各々独立に、後工程で調整することができるので、も
ともとのハーフトーン用膜である半透明遮光膜の成膜に
おいて選択できるn,kの幅が従来よりも広くなり、ハ
ーフトーン型位相シフトマスクの歩留まりが向上する。
スクとその製造方法で用いる透明性薄膜にはハーフトー
ン型位相シフトマスクの保護膜的役割ももたせることが
できる。すなわちハーフトーン型位相シフトマスクが繰
り返し露光に使用される間に発生する汚染を透明性薄膜
で受けとめることで、従来よりもマスクの洗浄が容易に
なるとともに、従来のハーフトーン型位相シフトマスク
のように露出した半透明遮光膜が洗浄液によって変質す
る恐れはなくなる。
きや、露光条件に合わせて透過率を変更したいときは、
透明性薄膜の膜厚を変更したり、透明性薄膜を剥離した
後、図2(d)、(e)及び図3(d)、(e)の工程
を通すだけで、新たなハーフトーン型位相シフトマスク
を作製することも可能である。
具体的に説明する。
を減少させて位相差調整をし、マスクパターンを形成し
た後、パターン側の全面に透明性薄膜を形成したハーフ
トーン型位相シフトマスクの実施例について説明する。
対象とする適用波長はKrFエキシマレーザのλ=24
8nm、透過率の目標値は8±1%、位相差の目標値は
180±2度である。
0.25インチ厚のフォトマスク用石英基板1(屈折
率:ns =1.51、消衰係数:ks =0)に一般的な
ハーフトーン型位相シフト半透明遮光膜として、Arガ
スにO2 ガス及びN2 ガスを添加した反応性スパッタリ
ング法により酸化窒化モリブデンシリサイド(以下Mo
SiONと記す)膜2を成膜し、マスクブランクを作製
した(図3(a)参照)。このMoSiON膜2の光学
定数と膜厚をエリプソメータで測定したところ、屈折
率:n=2.38、消衰係数:k=0.55、膜厚:d
0 =980Å、透過率:T=5.3%であった。
(1)を使って計算すると、位相差:Φ=196度とな
る。従ってこの膜は位相差は小さく、透過率は大きくす
る方向へ調整する必要がある。
に目標値内に入れることができるかどうかを理論的に検
討した。本例では位相差を180度にするためには、M
oSiON膜2の膜厚をパターニングする前に減少させ
ればよい。減少後の膜厚dは前記式(1)より求められ
る。180=360×(n−1)d/λからdを求める
と、d=899Åとなる。膜厚減少に伴い、透過率は上
昇する。上昇後の透過率をすでに分かっているn、k、
dの値から計算すると、透過率:T=6.6%となる。
従って透過率はさらに大きくする方向へ調整する必要が
ある。
覆したと仮定して、MoSiON膜パターン部及びMo
SiON膜が除去された石英基板の透光部の各透過率
を、二酸化珪素膜の膜厚du を変化させて、文献(2)
の方法で計算した。二酸化珪素膜の光学定数は屈折率:
nu =1.51、消衰係数:ku =0を用いた。透過率
の計算結果を図4(a)、(b)に示す。
0ÅのときMoSiON膜パターン部の透過率Tは目標
の8%にほぼ一致することがわかる。また、MoSiO
N膜が除去された石英基板の透光部の透過率は、二酸化
珪素膜の有無にかかわらず、96%で一定である。これ
は石英基板と二酸化珪素膜の光学定数が同じであること
による。
英基板上に形成されたMoSiON膜をパターン化し
て、ハーフトーン型位相シフトマスクの作製を行った。
に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによりエッ
チングし、膜厚を予測値の899Å近くまで減少したM
oSiON膜2’を形成した(図2(b)参照)。
定のレジストパターンを形成し、フッ素系ガスを用いた
ドライエッチングにより、MoSiON膜パターン2’
aを形成した(図2(c)参照)。ここで、MoSiO
N膜パターン2’aの位相差を直接測定したところ18
0度で、目標を満たしていた。また透過率は6.5%で
あった。
ターン側の全面に、イオンアシスト蒸着法により二酸化
珪素膜3を形成した(図2(d)参照)。二酸化珪素膜
3の膜厚は後工程のエッチングで調整可能であるので、
600Å付近とした。また二酸化珪素膜3の光学定数を
エリプソメータで確認したところ、屈折率n=1.5
1、消衰係数k=0であった。
素膜3をエッチングして膜厚を減少させ、350Åを目
標に膜厚、すなわち透過率の調整を行った。このときの
二酸化珪素膜のエッチングは、希薄な緩衝フッ酸液を用
い、低いエッチレートで実施した。途中数回エッチング
を停止して透過率の測定を行った結果、最終的な透過率
として8.0%を得た。また、最後に位相差を再度確認
したところ179度であり、目標値を達成した。
る透明性薄膜として、石英基板と同じ屈折率をもつ二酸
化珪素膜を用いた本発明ののハーフトーン型位相シフト
マスクが得られた。
みを行い半透明遮光膜パターン2aの位相差調整をした
後、パターニングを行い、半透明遮光膜パターン2aの
パターン側の全面に透明性薄膜を形成したハーフトーン
型位相シフトマスクの実施例について説明する。対象と
する適用波長及び透過率、位相差の目標値は実施例1と
同じである。
0.25インチ厚のフォトマスク用石英基板1(屈折
率:ns =1.51、消衰係数:ks =0)を用い、一
般的なハーフトーンマスク用半透明遮光膜として、Ar
ガスにO2 ガス、N2 ガスを添加した反応性スパッタリ
ング法によりMoSiON膜2を成膜し、マスクブラン
クを作製した(図3(a)参照)。
厚をエリプソメータで測定したところ、屈折率:n=
2.21、消衰係数:k=0.52、膜厚:d=950
Å、透過率:T=6.4%であった。さらに、MoSi
ON膜2の位相差を式(1)を使って計算すると、位相
差:Φ=166度となる。従ってこの膜は透過率、位相
差ともに大きくする方向へ調整する必要がある。
もに目標値内に入れることができるかどうかを理論的に
検討した。まず本実施例では位相差を180度にするた
めに、MoSiON膜2をパターニング後、石英基板を
掘り込む必要がある。その掘り込み量dD は式(1)を
応用した次式で求められる。 180−166=360×(ns −1)dD /λ…………式(2) 従って、dD =189Åとなる。
酸化珪素膜で被覆したと仮定して、MoSiON膜パタ
ーン部及びMoSiON膜が除去された石英基板の透光
部の各透過率を、二酸化珪素膜の厚さdu を変化させ
て、文献(2)の方法で計算した。二酸化珪素膜の光学
定数は石英基板と同じく、屈折率:nu =1.51、消
衰係数:ku =0を用いた。透過率の計算結果を図5
(a)、(b)に示す。
0Åのとき半透明遮光膜パターン部の透過率は目標の8
%に極めて近くなることがわかる。また、半透明遮光膜
が除去された透明性基板の透光部の透過率は、二酸化珪
素膜の有無にかかわらず、96%で一定である。
英基板1上に形成されたMoSiON膜をパターン化し
て、ハーフトーン型位相シフトマスクの作製を行った。
従い、MoSiON膜2上に電子線レジストのパターン
を形成し、この電子線レジストパターンをマスクとして
MoSiON膜2をフッ素系ガスでドライエッチングし
て、MoSiON膜パターン2aを形成した(図3
(b)参照)。ここで、MoSiON膜パターン2aの
位相差を直接測定したところ163度であった。
定値163度に置き換えて求まるdD =230Åを目標
に石英基板1の掘り込みを行い、凹部4を形成した(図
3(c)参照)。掘り込みは精度を重視し、希薄な緩衝
フッ酸液を使って、低いエッチレートで実施した。その
結果、最終的な位相差は目標の180度に一致させるこ
とができた。この後MoSiON膜パターン2aの透過
率をあらためて測定したところ6.5%であった。
ーン側の全面に、イオンアシスト蒸着法により二酸化珪
素膜3を形成した(図3(d)参照)。二酸化珪素膜3
の膜厚は後工程のエッチングで調整可能であるので、6
00Å付近とした。また二酸化珪素膜3の光学定数をエ
リプソメータで測定したところ、屈折率n=1.51、
消衰係数k=0であった。
膜3をエッチングして膜厚を減少させ、330Åを目標
に膜厚、すなわち透過率の調整を行った。このときのエ
ッチングも前記同様、希薄な緩衝フッ酸液を用い、低い
エッチレートで実施した。途中数回エッチングを停止し
て透過率の測定を行った結果、最終的な透過率として
8.0%を得た。また、最後に位相差を再度確認したと
ころ179度であり、目標値を達成した。
る透明性薄膜として、石英基板と同じ屈折率をもつ二酸
化珪素膜を用いた本発明のハーフトーン型位相シフトマ
スクが得られた(図3(e)参照)。
ン側の全面を被覆する透明性薄膜として、酸化ジルコニ
ウム膜を用いた本発明のハーフトーン型位相シフトマス
クの実施例について説明する。対象とする適用波長及び
透過率、位相差の目標値は実施例1と同じである。
て、6インチ角、0.25インチ厚のフォトマスク用石
英基板1(屈折率:ns =1.51、消衰係数:ks =
0)にハーフトーンマスク用半透明遮光膜として、Ar
ガスにO2 ガス、N2 ガスを添加した反応性スパッタリ
ング法によりMoSiON膜2を成膜し、マスクブラン
クを作製した(図3(a)参照)。このMoSiON膜
2の光学定数と膜厚をエリプソメータで測定したとこ
ろ、屈折率:n=2.44、消衰係数:k=0.52、
膜厚:d=800Å、透過率:T=9.4%であった。
(1)を使って計算すると、位相差:Φ=167度とな
る。従ってこの膜は位相差は大きく、透過率は小さくす
る方向へ調整する必要がある。
もに目標値内に入れることができるかどうかを理論的に
検討した。まず、本例では位相差を180度にするため
に、MoSiON膜2のパターニング後、石英基板を掘
り込む必要がある。その掘り込み量dD は式(1)を応
用した次式で求められる。 180−167=360×(ns −1)dD /λ…………式(3) 従って、dD =176Åとなる。
ので、透過率を小さくするには、掘り込み後パターン側
の全面を若干の吸収性をもつ膜で被覆する必要がある。
そこで0<ku <0.1なる酸化ジルコニウム膜で被覆
したと仮定して、MoSiON膜パターン部及びMoS
iON膜が除去された石英基板の透光部の各透過率を、
0<ku <0.1なる酸化ジルコニウム膜の屈折率:n
u と消衰係数:ku をパラメータとし、酸化ジルコニウ
ム膜の膜厚du を変化させて文献(2)の方法で計算し
た。屈折率:nu =2.20、消衰係数:ku =0.0
5のときの透過率の計算結果を図6(a)、(b)に示
す。
約500ÅのときMoSiON膜パターン部の透過率は
目標の8%に極めて近くなることがわかる。また、Mo
SiON膜が除去された石英基板の透光部の透過率は、
ku が0でない分低下するが、それでも82%近くあ
り、ハーフトーン型位相シフトマスクの特性を維持する
上で大きな妨げとはならない。
英基板1上に形成されたMoSiON膜2をパターン化
して、ハーフトーン型位相シフトマスクの作製を行っ
た。
グラフィとフッ素系ガスを用いたドライエッチングによ
り、MoSiON膜パターン2aを形成した(図3
(b)参照)。ここで、MoSiON膜パターン2aの
位相差を直接測定したところ164度であった。
定値164度に置き換えて堀込み量:dD =216Åを
求め、MoSiON膜パターン2a間の石英基板1を掘
り込み、凹部4を形成した(図3(c)参照)。石英基
板1の掘り込みは実施例1と同様、希薄な緩衝フッ酸液
を使って、低いエッチレートで実施した。その結果、最
終的な位相差は目標の180度に一致させることができ
た。この後透過率をあらためて測定したところ9.5%
であった。
ーン側の全面に、Arガスと酸素ガスを主体としたスパ
ッタリング法により酸化ジルコニウム膜を形成した。膜
厚は後工程のエッチングで調整可能であるので、600
Å付近とした。また酸化ジルコニウム膜の光学定数はエ
リプソメータで測定したところ、屈折率n=2.21、
消衰係数k=0.05であった。
ウム膜の膜厚500Åを目標に膜厚を減少させ、透過率
の調整を行った。酸化ジルコニウム膜の緩衝フッ酸液耐
性は二酸化珪素膜に類似しているので、このときのエッ
チングも実施例1同様、希薄な緩衝フッ酸液を用い、低
いエッチレートで実施した。途中数回エッチングを停止
して透過率の測定を行った結果、最終的な透過率として
8.0%を得た。また、最後に位相差を再度確認したと
ころ179度であり、目標値を達成した。
る透明性薄膜として、酸化ジルコニウム膜を用いた本発
明のハーフトーン型位相シフトマスクが得られた。
ーフトーン型位相シフトマスクとその製造方法によれ
ば、まず位相差及び透過率を各々独立した工程で調整す
ることができるので、半透明遮光膜の成膜において選択
できる屈折率、消衰係数の幅が広くなり、ハーフトーン
型位相シフトマスクの歩留まりが向上する。
を変化させることなく、最上層の透明性薄膜の膜厚調整
によって、透過率を連続的に変化させながら行うので、
露光条件やウェハー上のレジストプロセスに応じてハー
フトーン型位相シフトマスクが最大の解像性向上をもた
らすように、微妙に透過率を調整することが可能とな
る。
フトーン型位相シフトマスクの保護膜的役割をもたせる
ことができる。すなわちハーフトーン型位相シフトマス
クが繰り返し露光に使用される間に発生する汚染を透明
性薄膜で受けとめることで、従来よりもマスクの洗浄が
容易になると同時に、従来のハーフトーン型位相シフト
マスクのように露出した半透明遮光膜が洗浄時に変質す
る恐れはなくなる。
ときや、露光条件に合わせて透過率を変更したいとき
は、透明性薄膜の膜厚を変更したり、透明性薄膜を剥離
した後、光学特性(屈折率、消衰係数)の異なる透明性
薄膜をパターン側の全面に成膜後、その膜厚を調整する
ことで、新たなハーフトーン型位相シフトマスクを作製
することが可能となる。
造を示す模式断面図である。
フトマスクの製造工程を示す模式断面図である。
フトマスクの製造工程を示す模式断面図である。
マスクの説明を補足する透過率の理論計算の例である。
マスクの説明を補足する透過率の理論計算の例である。
マスクの説明を補足する透過率の理論計算の例である。
Claims (3)
- 【請求項1】透明性基板上に半透明遮光膜パターンが形
成されたハーフトーン型位相シフトマスクにおいて、前
記半透明遮光膜パターン上及び半透明遮光膜が除去され
た透明性基板上の両方とも、露光波長に対して消衰係数
が0.1以下の透明性薄膜で被覆されていることを特徴
とするハーフトーン型位相シフトマスク。 - 【請求項2】前記露光波長に対して消衰係数が0.1以
下の透明性薄膜が二酸化珪素膜または酸化ジルコニウム
膜であることを特徴とする請求項1記載のハーフトーン
型位相シフトマスク。 - 【請求項3】以下の工程を含むことを特徴とする請求項
1または2記載のハーフトーン型位相シフトマスクの製
造方法。 (1)前記透明性基板上に前記半透明遮光膜を形成した
後、前記半透明遮光膜の膜厚を減少させるか、若しくは
前記半透明遮光膜をパターン化した後前記パターン間の
透光部の前記透明性基板を掘り込むことによって位相差
を調整する工程。 (2)前記位相差が調整されたマスクパターン側の全面
に、露光波長に対して消衰係数が0.1以下の前記透明
性薄膜を形成する工程。 (3)前記透明性薄膜を形成した後、前記半透明遮光膜
パターンを通過する露光光の透過率が目的の値となるま
で、前記透明性薄膜を適量エッチングする工程。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1996-05-22 JP JP12739596A patent/JP3677866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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