JPH09310251A - 織機の緯糸張力付与装置 - Google Patents

織機の緯糸張力付与装置

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JPH09310251A
JPH09310251A JP14787596A JP14787596A JPH09310251A JP H09310251 A JPH09310251 A JP H09310251A JP 14787596 A JP14787596 A JP 14787596A JP 14787596 A JP14787596 A JP 14787596A JP H09310251 A JPH09310251 A JP H09310251A
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JP
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weft
bending
tension
rotation amount
amount
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JP14787596A
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Inventor
Kiyoshi Arie
潔 有江
Tomokazu Ishida
智一 石田
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緯入れされた緯糸に最適な張力を付与するこ
とにある。 【解決手段】 織機の緯糸張力付与装置は、緯入れされ
た緯糸の端部を捕捉した状態でその緯糸を屈曲させる緯
糸屈曲手段と、屈曲後の緯糸の実際張力値を検出する張
力検出手段と、検出した実際張力値と目標張力値とを基
に前記緯糸屈曲手段による緯糸の屈曲量の補正量を求
め、前記緯糸屈曲手段を駆動する駆動手段に出力する屈
曲量変更手段とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアージェットル
ーム、ウォータジェットルーム等の流体噴射式織機にお
いて、緯糸に張力を付与する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ノズルから噴出される空気、水等の流体
により緯入れをするジェットルームすなわち流体噴射式
織機においては、緯入れが終了すると、噴射流体による
緯糸の搬送力が消失し、緯入れされた緯糸の先端部が無
拘束状態となる。このため、緯糸に跳ね返り現象が発生
し、織り込まれる緯糸が低張力の状態となる。
【0003】上記の結果、製織される織布の緯緩みまた
は織布の耳部での耳緩みが発生する、織り込まれる緯糸
の張力が緯入れ方向にわたって不均一となり、製織され
る織布の風合いが悪くなる、という問題を生じる。した
がって、流体噴射式織機においては、製織に際し、緯入
れされた緯糸が経糸に拘束されるまでの間、緯糸を反給
糸側で捕捉しかつ適宜な張力を付与することが求められ
ている。
【0004】緯糸に張力を付与する装置の1つとして、
緯入れされた緯糸の端部を捕捉し、その状態で緯糸を屈
曲させることにより、その緯糸に所定の張力を作用させ
る装置がある(たとえば、実開昭48−94967号公
報、実公平2−43903号公報、特開平6−1848
6号公報)。しかし、従来のこの種の装置は、緯糸を一
定量屈曲させるにすぎないから、緯糸の状態または種類
に応じた最適な張力を緯糸に作用させることができな
い。
【0005】たとえば、織機においては、給糸体からの
引き出し抵抗や貯留装置からの解舒抵抗が製織の進行に
ともなう給糸体の巻径の減少により変化すると、緯糸の
飛走状態が変化し、その結果緯糸の到達タイミング等も
変動する。その結果、緯糸を把持した時点における緯糸
の状態は一定ではなく、したがって緯糸の張力も一定で
はない。このような状態の緯糸に一定の屈曲を与えて
も、屈曲後の緯糸の張力にばらつきが生じ、全ての緯糸
が最適な張力を受けることにはならない。
【0006】また、毛羽の状態等、緯糸の物性の変化に
より把持力に差が生じるから、緯糸の屈曲量が同じであ
っても、緯糸に付与される張力は同じにならない。さら
に、多色緯入れの場合、付与すべき張力が緯入れすべき
緯糸の種類毎に異なることが多く、したがって付与すべ
き張力が一定ではそのような多色緯入れに対応すること
ができない。
【0007】
【解決しようとする課題】本発明の目的は、緯入れされ
た緯糸に最適な張力を付与することにある。
【0008】
【解決手段、作用、効果】本発明の織機の緯糸張力付与
装置は、緯入れされた緯糸の端部を捕捉した状態でその
緯糸を屈曲させる緯糸屈曲手段と、屈曲後の緯糸の実際
張力値を検出する張力検出手段と、検出した実際張力値
と目標張力値とを基に前記緯糸屈曲手段による緯糸の屈
曲量の補正量を求め、前記緯糸屈曲手段を駆動する駆動
手段に出力する屈曲量変更手段とを含む。
【0009】本発明によれば、屈曲後の緯糸の実際張力
値を検出し、検出した実際張力値と作用させるべき張力
目標値とを基に緯糸屈曲手段による緯糸の屈曲量を変更
するようにしたから、緯入れされた緯糸に最適な張力を
付与することができ、その結果織布の緯緩み、織布の風
合い不良等を防止することができる。
【0010】好ましい一実施例において、緯糸屈曲手段
は、緯入れ方向に間隔をおいて緯入れ方向と交差する方
向へ伸びる第1の接触部をそれぞれ有する一対の第1の
屈曲手段と、緯入れ方向と交差する方向へ伸びる第2の
接触部を有する第2の屈曲手段と、緯糸の屈曲および解
放のために第2の接触部を両第1の接触部間に出入りさ
せるべく駆動手段により制御されて第1および第2の屈
曲手段に相対的な変位を生じさせるアクチュエータとを
含む。
【0011】屈曲量変更手段は、目標張力値を設定する
目標張力設定手段と、検出した実際張力値と設定された
目標張力値とを比較して両者の差に対応する偏差信号を
出力する比較手段と、該比較手段から出力される偏差信
号を補正屈曲量に変換する変換手段とを備えることがで
きる。駆動手段は、屈曲量の目標値を設定する目標屈曲
量設定手段と、設定された目標屈曲量と変換された補正
屈曲量とを基に緯糸屈曲手段を動作させる通電手段とを
備えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜図4を参照するに、緯糸張
力付与装置は、エアー式またはウォータ式のジェットル
ームの反給糸側において緯入れされた緯糸に張力を付与
するための図1〜図3に示す緯糸屈曲装置10と、該緯
糸屈曲装置を制御するための図4に示す制御装置60と
を含む。
【0013】図1〜図3を参照するに、緯糸12は、給
糸側に配置された緯入れ装置(図示せず)により経糸の
開口に緯入れされ、その先端を緯糸検知装置14により
感知され、筬16により織り前に打ち付けられる。緯糸
検知装置14と筬16とは、ジェットルームのリードホ
ルダ18に保持されている。緯糸検知装置14は、感知
部が反給糸側の布地端すなわち織布端20と捨て耳部2
2との間に位置するようにボルトのようなねじ部材24
によりリードホルダ18に取り付けられている。
【0014】図1〜図3に示す緯糸屈曲装置10は、下
端部をリードホルダ18に形成された凹所26に受け入
れられた本体ブラケット30と、緯糸12の飛走方向す
なわち緯入れ方向に間隔をおいた一対の第1の屈曲手段
すなわちアーム32と、両第1のアーム32より上方に
配置された第2の屈曲手段すなわちアーム34と、第2
のアーム34を所定の範囲内で角度的に回転させる駆動
手段すなわちアクチュエータ36とを含む。
【0015】ブラケット30は、図示の例では、凹所2
6に配置されたリードグリッパ38と、該リードグリッ
パを貫通してリードホルダ18に螺合されたボルトのよ
うな1以上のねじ部材40とにより、リードホルダ18
に上方へ伸びる状態に移動不能に組み付けられている。
しかし、ブラケット30を1以上のねじ部材によりリー
ドホルダ18に直接組み付けてもよいし、ジェットルー
ムのフレームに直接組み付けてもよい。
【0016】ブラケット30は、緯糸12の飛走方向に
貫通する穴と、該穴をその上部に連通させる切込みとを
上部に有しており、その穴に駆動手段36を移動不能に
支持している。駆動手段36は、パルスモータ、ステッ
プモータ、ロータリーソレノイド等のような回転式のア
クチュエータであり、その回転軸すなわち出力軸42が
緯入れ方向へ伸びるようにブラケット30の穴に挟み込
まれており、ボルトのような1以上のねじ部材44によ
りブラケット30に移動不能に組み付けられている。
【0017】第1のアーム32は、両第1のアーム32
間に配置された一対のカラー46と、両第1のアーム3
2およびカラー46を貫通してブラケット30のねじ穴
30aに螺合されたボルトのような一対のねじ部材48
とにより、下部の2箇所においてブラケット30に移動
不能に組み付けられている。両第1のアーム32は、板
部材により形成されており、また互いに平行に伸びる。
各第1のアーム32は、緯糸12の飛走路の下方を緯入
れ方向と交差する方向へ伸びる第1の接触部50を上部
に有する。両第1の接触部50は、緯入れ方向に間隔を
おいて互いに平行に伸びる。
【0018】第2のアーム34は、板部材により形成さ
れている。第2のアーム34は、平面的に見て両第1の
アーム32の間を緯入れ方向と交差する方向へ両第1の
アーム32と平行に伸びるように、アクチュエータ36
の出力軸42に移動不能に組み付けられている。第2の
アーム34は、緯糸12の飛走路の上方を緯入れ方向と
交差する方向へ伸びる第2の接触部52を先端部に有す
る。
【0019】第2のアーム34は、通常は図2に示すよ
うに、第2の接触部52が緯糸12の飛走路の上方とな
る位置に維持されている。
【0020】緯入れ時、緯糸12は、第2のアーム34
が図2に示すように変位されている状態で、緯糸12の
先端が両第1の接触部50と第2の接触部52との間に
達するように、経糸の開口に緯入れされる。
【0021】緯入れが終了し、緯糸12の先端が両第1
の接触部50と第2の接触部52との間に達すると、第
2の接触部52が緯糸12の飛走路を横切って両第1の
接触部50の間に達するように、第2のアーム34がア
クチュエータ36により図2において時計方向(矢印5
4で示す方向)へ所定角度回転される。その結果、緯糸
12の先端部は、両第1の接触部50と第2の接触部5
2とに把持すなわち捕捉されて、それらの接触部50,
52によりほぼU字状に屈曲される。
【0022】緯糸屈曲装置10による緯糸12の屈曲
は、緯糸12を緯糸屈曲装置10の側へ引く力として緯
糸12に作用する。緯糸12は、緯入れ側すなわち給糸
側において係止部材(たとえば、測長貯留装置の係止ピ
ン等)により係止されているため、前記引く力が緯糸1
2に付与すべき張力となる。
【0023】緯糸に付与する張力は、第1および第2の
アーム32,34による緯糸12の屈曲後の緯糸12の
張力に応じて修正される。張力の修正は、第1のアーム
32に対する第2のアーム34の回転量を変更して、緯
糸12の屈曲量を変更することにより、行われる。第2
のアーム34の回転量は、図4に示す制御装置60によ
り決定される。
【0024】さらに大きい張力を緯糸12に作用させた
い場合には、類似の緯糸屈曲装置を給糸側にも配置すれ
ばよい。これにより、給糸側の緯糸屈曲装置による力は
緯糸を給糸側へ引き戻す力として緯糸12に作用し、反
給糸側の緯糸屈曲装置による力は緯糸を反給糸側へ引っ
張る力として緯糸12に作用する。その結果、緯糸12
の先端側糸部分と後端側糸部分とが両緯糸屈曲装置によ
り互いに反対の方向へ引かれるから、緯糸12に対しよ
り大きな張力が付与される。
【0025】次いで、緯糸12は、筬16の前進運動に
ともなって織り前側へ移動され、緯糸12のうち、経糸
の開口に緯入れされた糸部分は、筬16により織り前に
打ち付けられるとともに、図示しないカッタにより給糸
側の糸部分から切断される。緯糸屈曲装置10は、筬打
ちの直前に、筬打ちと同時に、または筬打ち後の適宜な
時期に、アクチュエータ36が所定角度逆転されて第2
の接触部52が緯糸の飛走路の上方へ戻されることによ
り、緯糸12を解放する。
【0026】緯糸屈曲装置10は、緯糸に作用させる把
持力を変更する目的で、長さ寸法が異なる複数対のカラ
ー46を備えている。把持力の変更は、ねじ部材48を
ブラケット30から外し、それまで使用していたカラー
46を長さ寸法が異なる他のカラー46に交換し、両第
1のアーム32をねじ部材48と新たに選択したカラー
46とによりブラケット30に取り付けることにより、
行われる。
【0027】カラー46を長さ寸法が異なる他のカラー
に交換すると、両第1のアーム32の間隔、および、両
第1のアーム32と第2のアーム34との間隔が変更さ
れるから、両第1の接触部50の間隔、および、両第1
の接触部50と第2の接触部52との間隔が変更され、
その結果緯糸に作用する把持力が変更される。そのよう
な間隔の選択は、たとえば太い緯糸のときは間隔が大き
くなり、細い緯糸の太いときは間隔が小さくなるような
所定の長さ寸法のカラーを予め選択しておけばよい。
【0028】それぞれが貫通穴を有する複数の薄板状部
材または薄い複数の環状部材を同軸的に重ね合わせるこ
とによりカラーを構成し、設定すべき両第1の接触部5
0間の間隔に合わせて用いるそれらの部材の数を変更す
るようにしてもよい。このようにすれば、設定すべき間
隔に合わせて長さ寸法が異なるカラーを用意する必要は
なく、また調整可能範囲を広げることができる。
【0029】上記実施例のように、第2のアームを一対
の第1のアームの上方に配置する代わりに、これとは逆
に配置してもよい。すなわち、一対の第1のアームを緯
糸飛走路の上方に配置し、第2のアームを緯糸飛走路の
下方に配置するようにしてもよい。この場合、第2のア
ームの回転方向は、図2における矢印54と逆の方向と
なる。また、第2のアームを第1のアームに対して変位
させる代わりに、第1のアームを第2のアームに対して
変位させてもよいし、第1および第2のアームをともに
変位させてもよい。
【0030】図4に示す制御装置60は、図1〜図3に
示す緯糸屈曲装置10におけるアクチュエータ36とし
てのサーボモータを回転駆動させる駆動としての駆動回
路64と、緯糸の張力を検出する張力検出手段としての
張力検出回路66と、検出した張力の実際値と作用させ
るべき張力の目標値とを基に緯糸屈曲装置10による緯
糸の屈曲量を変更する屈曲量変更手段としての屈曲量変
更回路66とを含む。
【0031】駆動回路62には、屈曲量の目標値として
の目標回転量が目標屈曲量設定器すなわち目標回転量設
定器68に設定される。目標屈曲量すなわち目標回転量
が目標回転量設定器68に設定されると、設定された目
標回転量θ0 は、目標回転量信号として回転量発生器7
0に供給され、アクチュエータすなわちサーボモータ3
6を回転させる目標回転量として回転量発生器70に記
憶される。
【0032】回転量発生器70には、図5(A)に示す
タイミング信号S1 が図示しないタイミング信号発生器
から供給される。タイミング信号S1 は、たとえば、織
機の主軸の回転角度が240度〜360度の間、高レベ
ルとなる矩形波信号である。回転量発生器70は、その
ようなタイミング信号S1 が供給されると、予め記憶し
ている目標回転量θ0 に対応するパルス数を有しかつ図
5(A)に示すパルス信号P(θ0 )を極性反転器72
に供給する。
【0033】極性反転器72は、高レベルのタイミング
信号S1 を受けている間は、回転量発生器70からのパ
ルス信号を偏差カウンタ74の加算端子に供給するとと
もに、エンコーダ80からのパルス信号を偏差カウンタ
74の減算端子に供給する。これに対し、極性反転器7
2は、低レベルのタイミング信号S1 を受けている間
は、回転量発生器70からのパルス信号を偏差カウンタ
74の減算端子に供給するとともに、エンコーダ80か
らのパルス信号を偏差カウンタ74の加算端子に供給す
る。
【0034】偏差カウンタ74は、回転量発生器70か
ら極性反転器72を介して供給されるパルス信号と、エ
ンコーダ80から極性反転器72を介して供給されるパ
ルス信号との偏差を得るアップ・ダウンのカウンタであ
り、計数途中において計数値がゼロになったときに図5
(D)に示すタイミング信号S2 を張力検出回路64に
出力する。偏差カウンタ74は、回転量発生器70から
のパルス信号P(θ0)を計数する。偏差カウンタ74
の計数値は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD
/A変換器76に供給される。
【0035】D/A変換器76の出力信号は、サーボモ
ータ36に通電する増幅器すなわち通電回路78に供給
される。このため、サーボモータ36は、高レベルのタ
イミング信号S2 が回転量発生器70と極性反転器72
とに供給されたことにより、通電回路78から供給され
る電力により目標回転量θ0 に対応する角度だけ回転
(正転)されて、目標回転位置に達する。
【0036】サーボモータ36の回転量は、エンコーダ
80により検出される。エンコーダ80はサーボモータ
36が所定角度回転するたびにパルス信号を発生する公
知の回路であり、その出力パルス信号は極性反転器72
を介して偏差カウンタ74に帰還される。このため、偏
差カウンタ74の計数値は、サーボモータ36が正転し
ている間漸次減少し、サーボモータ36が回転量発生器
70に予め記憶された目標回転量θ0 だけ回転したとき
ゼロになる。
【0037】サーボモータ36が正転されると、図1〜
図3に示す緯糸屈曲装置10の第2のアーム34が第1
のアーム32に対して回転される。したがって、サーボ
モータ36が目標回転位置に回転されると、図1〜図3
に示す緯糸屈曲装置10の第2のアーム34が目標回転
量θ0 に対応する角度だけ回転され、それにより緯糸が
目標回転量θ0 に対応する量だけ屈曲されて、図5
(C)に示す張力Tが緯糸に作用する。
【0038】張力検出回路64は、駆動回路62の通電
回路78からサーボモータ36に供給される電流を電流
検出回路82で検出し、検出した信号を緯糸に作用する
張力実際値に対応する張力信号Tに変換し、その張力信
号Tをゲート回路84に供給する。ゲート回路84は、
タイミング信号S2 が駆動回路62の偏差カウンタ74
から供給されとき、張力信号Tを屈曲量変更回路66に
出力する。
【0039】サーボモータ36が回転量発生器70に予
め記憶された目標回転量だけ回転したときに、タイミン
グ信号S2 が出力されるから、ゲート回路84から出力
される張力信号は、図1〜図3における緯糸屈曲装置1
0が緯入れされた緯糸の端部を捕捉し、その状態でその
緯糸を目標屈曲量まで屈曲させたときの値、すなわち屈
曲後の緯糸の実際張力値である。
【0040】屈曲量変更回路66は、目標張力設定器8
6に予め設定された目標張力値と、張力検出回路64か
ら供給される実際張力値とを比較器88において比較
し、両者の差に対応する偏差信号ΔTを変換器90に出
力する。偏差信号ΔTは、実際値が目標値より小さいと
きは正となり、実際張力値が目標張力値より小さいとき
は負となる。
【0041】変換器90は、偏差信号ΔTを補正屈曲量
すなわち図5(E)に示す補正回転量Δθに対応する補
正屈曲量信号すなわち補正回転量信号に変換し、変換し
た補正回転量信号を駆動回路62の回転量発生器70に
補正値として供給する。
【0042】回転量発生器70は、補正回転量Δθに応
じたパルス数を有しかつ図5(B)に示すパルス信号P
(Δθ)を極性反転器72を介して偏差カウンタ74に
供給するとともに、パルス信号P(θ0 )とパルス信号
P(Δθ)との和に対応する信号P(θ0 +Δθ)を新
たな回転量として記憶する。
【0043】サーボモータ36は、補正回転量信号に応
じたパルス数のパルス信号P(Δθ)が極性反転器72
および偏差カウンタ74を介してD/A変換器76に供
給されたことにより、目標回転位置からパルス信号P
(Δθ)の数に応じてさらに正転(または逆転)され、
最終的に回転量(θ+Δθ)だけ回転される。それによ
り、緯糸の屈曲量が変更され、最終的に図5(C)に示
す目標張力T0 (=T+ΔT)が緯糸に付与される。
【0044】織機の主軸の回転角度が360度になる
と、タイミング信号S1 が低レベルになるから、回転量
発生器70は更新した新たな目標回転量に対応するパル
ス数のパルス信号P(θ1 +Δθ)を極性反転器72を
介して偏差カウンタ74の減算端子に供給し、極性反転
器72はエンコーダ80からのパルス信号を偏差カウン
タ74の加算端子に供給する。これにより、サーボモー
タ36が逆転されるから、緯糸屈曲装置の第2のアーム
が逆転されて初期位置に戻り、緯糸が緯糸屈曲装置から
解放される。
【0045】その後、図5(F)に示すリセット信号が
変換器90に入力されたことにより、補正回転量信号が
変換器90から出力されなくなって、一回の緯入れが終
了する。上記の結果、緯糸屈曲装置により緯糸に作用す
る張力は、図5(C)に示すように変化する。
【0046】上記のように、屈曲後の緯糸張力の実際値
を検出し、検出した実際張力値と作用させるべき張力の
目標値とを基に緯糸屈曲手段による緯糸の屈曲量を変更
するならば、緯入れされた緯糸に作用させる張力が常に
最適な値になり、その結果織布の緯緩み、織布の風合い
不良等を防止することができる。
【0047】緯糸屈曲装置10のようにアームを回転さ
せる代わりに、アームを直線的に移動させてもよい。ま
た、アームの駆動手段として回転式のアクチュエータを
用いる代わりに、リニアモータのように可動子が直線的
に移動する往復移動式のアクチュエータを駆動手段とし
て用いてもよい。さらに、緯糸屈曲装置をブラケットに
よりリードホルダに組み付ける代わりに、他の手段によ
りリードホルダにまたはフレームのような織機の他の部
分に組み付けてもよい。
【0048】アーム以外の手段を屈曲手段として用いて
もよい。たとえば、緯糸屈曲装置10のように第1およ
び第2のアームを用いる緯糸屈曲装置の代わりに、特公
平2−43903号公報に記載されている緯糸端捕捉装
置のように、隣り合う一対の筬羽と両筬羽間に出入りす
る捕捉板とを用いた緯糸屈曲装置、実開昭48−949
67号公報に記載されている緯糸端の把持装置のよう
に、複数の把持板を用いる緯糸屈曲装置等、他の種類の
緯糸屈曲装置を用いてもよい。
【0049】特公平2−43903号公報に記載されて
いる緯糸端捕捉装置を緯糸屈曲装置として用いる場合、
たとえば、捕捉板をアクチュエータにより往復移動さ
せ、アクチュエータを上記実施例の制御装置60により
駆動させればよい。
【0050】実開昭48−94967号公報に記載され
ている緯糸端の把持装置を緯糸屈曲装置として用いる場
合、たとえば、上下の把持板の少なくとも一方をアクチ
ュエータにより変位させるようにし、筬の移動にともな
って把持板間に屈曲形状に挿入された緯糸の張力を検出
し、検出した張力値に基づいて上下の把持板の重複量を
変化させるようにすればよい。
【0051】図6に示す緯糸屈曲装置100は、緯糸1
2を屈曲させる屈曲機構102と、緯糸12を把持する
把持機構104とを用いて緯糸12を屈曲させて張力を
緯糸12に付与する。屈曲機構102は、屈曲部材10
6を一対の案内部材108に対しアクチュエータ110
により直接的に往復移動させることにより、緯糸12を
屈曲させる。把持機構104は、一対の把持部材112
を変位させることにより緯糸12を把持する。
【0052】把持部材112は、図示しないアクチュエ
ータにより、屈曲部材106と同期して往復移動され
る。この緯糸屈曲装置100の場合、緯糸張力の実際値
をアクチュエータ110の駆動軸すなわち出力軸の移動
量から検出し、検出値を用いて出力軸の移動量ひいては
緯糸12の屈曲量を制御し、緯糸張力を調整することが
できる。
【0053】図7に示す緯糸屈曲装置120は、緯糸1
2を屈曲させる屈曲機構122と、緯糸12を把持する
把持機構124とを用いて緯糸12を屈曲させて張力を
緯糸12に付与する。屈曲機構122は、一対の屈曲部
材126を回転部材128に間隔をおいて取り付け、緯
糸12を屈曲部材126の間に挿入し、回転部材128
を図示しない回転式のアクチュエータにより所定角度回
転させることにより、緯糸12を屈曲させる。把持機構
124は、一対の把持部材130を変位させることによ
り緯糸12を把持する。
【0054】把持部材130は、図示しないアクチュエ
ータにより、回転部材128と同期して往復移動され
る。この緯糸屈曲装置120の場合、緯糸張力の実際値
を回転部材128用のアクチュエータの出力軸の回転量
から検出し、検出値を用いて出力軸の回転量ひいては緯
糸12の屈曲量を制御し、緯糸張力を調整することがで
きる。
【0055】上記の制御装置60のように、サーボモー
タ36に供給される電流を電流検出回路82で検出し、
検出値を実際張力値に変換することにより、実際張力値
を検出する代わりに、サーボモータ36に掛かるトルク
を検出するトルク検出器を設け、サーボモータの負荷を
トルク検出器により検出し、検出値を実際張力値に変換
することにより、実際張力値を検出するようにしてもよ
い。また、圧電素子のような張力検出器を緯糸に直接接
触させた状態に設け、この張力検出器により実際張力値
を検出するようにしてもよい。
【0056】駆動源としてサーボモータを用いる代わり
に、パルスモータを用いてもよい。サーボモータを使用
した場合、フィードバック制御を基本とするため、精密
なエンコーダが必要であり、必要なケーブルの本数が増
え、その結果サーボモータを振動の多い可動部分である
リードホルダに取り付けると、故障が頻発しやすい。し
かし、駆動源としてパルスモータを用いると、繊細な部
品や多芯ケーブルが不要になるから、故障が発生するお
それはない。
【0057】上記の制御装置60のように、張力の検出
からアクチュエータの再駆動までを一回の緯入れ中に行
う代わりに、前回の緯入れ時に緯糸に付与した張力を基
にして次回の緯入れ時のアクチュエータの変位量ひいて
は緯糸の屈曲量を決定するようにしてもよい。この場
合、リセット信号は図4における変換器90へ供給され
ず、その代わりに変換器90で変換した補正回転量を順
次加算する加算器が変換器90と回転量発生器70との
間に設けられ、加算補正回転量が補正回転量として回転
量発生器70に供給される。また、回転量発生器70
は、タイミング信号S1 の立ち上がり時に出力する回転
量を記憶しておき、その回転量に対応するパルス数のパ
ルス信号をタイミング信号S1 の立ち下がり時に再び出
力する。
【0058】また、複数回の緯入れのたびに補正回転量
(補正変位量)の平均値を算出し、算出した平均値を次
の複数回の緯入れ時のアクチュエータの変位量ひいては
緯糸の屈曲量を決定するようにしてもよい。この場合、
変換器90で変換した補正回転量の平均値を算出する算
出器が変換器90と前記した加算器との間に設けられ、
算出した平均値が加算器において順次加算され、加算器
の出力値が補正回転量として回転量発生器70に供給さ
れる。
【0059】本発明は、単色の緯入れをする織機のみな
らず、多色の緯入れをする織機にも適用することができ
る。この場合、複数の目標回転量を設定可能とし、設定
されたそれらの目標回転量を糸種毎に回転量発生器に記
憶しておき、それらの目標回転量の1つを回転量発生器
に入力される緯糸選択信号により選択し、アクチュエー
タを変位量を選択した目標値に基づいて制御する。
【0060】しかし、多色緯入れの織機において、前回
またはそれ以前の数回の緯入れ時に緯糸に付与した張力
を基にして、前回またはそれ以前の複数回の緯入れ時の
アクチュエータの変位量を決定する場合、図8に示すよ
うな目標回転量設定器68と回転量発生器140を用い
ることが好ましい。
【0061】目標回転量設定器68は、目標回転量θ
a,θbを緯糸の種類毎に設定可能である。回転量発生
器140は、目標回転量設定器68に設定された目標回
転量θa,θbを糸種毎に記憶する記憶器142と、記
憶器142に対する目標回転量の読出しおよび書込みを
緯糸選択信号a,bに応じて制御する指令器144とを
備える。指令器144は、また、図4における回転量発
生器70と同じ機能を備える。
【0062】回転量発生器140の動作を図9を参照し
て説明する。緯糸選択信号aが指令器144に入力する
と、指令器144は、入力した緯糸選択信号aに対応す
る目標回転量θaを記憶器142から読出し、これをパ
ルス信号Paに変換して図4に示す極性反転器72に出
力する。以後は、緯糸選択信号aが入力されるたびに、
記憶している目標回転量θaと、補正回転量Δθaの総
和Δθanとを加算した回転量(θa+Δθan)に対
応するパルス数のパルス信号P(θa+Δθan)を図
4に示す極性反転器72に出力する。
【0063】その後、緯糸選択信号がaからbに変化す
ると、指令器144は、目標回転量θaと、それまでの
補正回転量Δθaの総和Δθan’とを加算した回転量
(θa+Δθan’)をその後緯糸選択信号aが入力し
たときに用いる目標回転量θaとして記憶器142に記
憶し、その代わりに緯糸選択信号bに対応する目標回転
量θbを記憶器142から読出し、目標回転量θbをパ
ルス信号Pbに変換して図4に示す極性反転器72に出
力する。以後は、緯糸選択信号bが入力されるたびに、
記憶している目標回転量θbと、補正回転量Δθbの総
和Δθbnとを加算した回転量(θb+Δθbn)に対
応するパルス数のパルス信号P(θb+Δθbn)を図
4に示す極性反転器72に出力する。
【0064】以後同様に、緯糸選択信号がbからaに変
化すると、指令器144は、目標回転量θbと、それま
での補正回転量Δθbの総和Δθbn’とを加算した回
転量(θb+Δθbn’)をその後緯糸選択信号bが入
力したときに用いる目標回転量θbとして記憶器142
に記憶し、その代わりに緯糸選択信号bに対応する目標
回転量θaを記憶器142から読出し、目標回転量θa
をパルス信号Paに変換して図4に示す極性反転器72
に出力する。
【0065】本発明は、反給糸側に配置する緯糸張力付
与装置としての緯糸屈曲装置のみならず、給糸側に配置
する緯糸張力付与装置、緯糸を把持する緯糸把持装置、
緯糸を引き戻す緯糸引き戻し装置、緯糸に制動力を付与
する緯糸制動装置等、他の緯糸処理装置としての緯糸屈
曲装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる緯糸屈曲装置の一実施例を示す
正面図である。
【図2】図1の2−2線に沿って得た断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って得た断面図である。
【図4】本発明で用いる制御装置の一実施例を示す電気
回路のブロック図である。
【図5】図4に示す制御装置における電気信号の波形を
示す図である。
【図6】緯糸屈曲装置の他の実施例を示す図である。
【図7】緯糸屈曲装置のさらに他の実施例を示す図であ
る。
【図8】目標回転量設定器と回転量発生器との他の実施
例を示す電気回路のブロック図である。
【図9】図8に示す回転量発生器の動作を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10 緯糸屈曲装置 12 緯糸 32 第1のアーム(第1の屈曲手段) 34 第2のアーム(第2の屈曲手段) 36 アクチュエータ 78 通電回路(増幅器)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯入れされた緯糸の端部を捕捉した状態
    でその緯糸を屈曲させる緯糸屈曲手段と、屈曲後の緯糸
    の実際張力値を検出する張力検出手段と、検出した実際
    張力値と目標張力値とを基に前記緯糸屈曲手段による緯
    糸の屈曲量の補正量を求め、前記緯糸屈曲手段を駆動す
    る駆動手段に出力する屈曲量変更手段とを含む、織機の
    緯糸張力付与装置。
  2. 【請求項2】 前記緯糸屈曲手段は、緯入れ方向に間隔
    をおいて緯入れ方向と交差する方向へ伸びる第1の接触
    部をそれぞれ有する一対の第1の屈曲手段と、緯入れ方
    向と交差する方向へ伸びる第2の接触部を有する第2の
    屈曲手段と、緯糸の屈曲および解放のために前記第2の
    接触部を両第1の接触部間に出入りさせるべく前記駆動
    手段により制御されて前記第1および第2の屈曲手段に
    相対的な変位を生じさせるアクチュエータとを含む、請
    求項1に記載の緯糸張力付与装置。
JP14787596A 1996-05-20 1996-05-20 織機の緯糸張力付与装置 Pending JPH09310251A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510820A (ja) * 2002-12-20 2006-03-30 ピカノール エヌ. ヴィ. 緯糸をストレッチする装置および方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006510820A (ja) * 2002-12-20 2006-03-30 ピカノール エヌ. ヴィ. 緯糸をストレッチする装置および方法
JP4805580B2 (ja) * 2002-12-20 2011-11-02 ピカノール エヌ. ヴィ. 緯糸をストレッチする装置および方法

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