JPH09310064A - 蓄熱剤およびその製造方法並びに蓄熱装置並びに蓄熱材 - Google Patents

蓄熱剤およびその製造方法並びに蓄熱装置並びに蓄熱材

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JPH09310064A
JPH09310064A JP9056708A JP5670897A JPH09310064A JP H09310064 A JPH09310064 A JP H09310064A JP 9056708 A JP9056708 A JP 9056708A JP 5670897 A JP5670897 A JP 5670897A JP H09310064 A JPH09310064 A JP H09310064A
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JP
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oily
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oil
oily substance
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JP9056708A
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English (en)
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Yoshio Irie
好夫 入江
Tomonori Gomi
知紀 五味
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱効率が良く、安全性が高い蓄熱剤を提供
する。 【解決手段】 吸油性樹脂に、蓄熱性を有する油性物質
を吸収・膨潤させることによって、単位容積が0.01
cm3 以上である粒状油性ゲル体1…を得る。該蓄熱剤
2は、上記粒状油性ゲル体1…が個々の界面を有したま
ま相互に接触しているものであるため、該粒状油性ゲル
体1…間には空隙が形成されている。この空隙によっ
て、上記油性物質の凍結融解における容積変化が緩和さ
れ、油性物質のしみ出しはより抑制できる。従って、油
性物質のしみ出しや流動化が無く、引火性や火災時の延
焼性が著しく低減される。また、油性物質の過冷却が無
く、液相から固相への相変化が短時間に行われるため蓄
熱効率が優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱あるいは蓄冷
に用いられる蓄熱剤およびその製造方法並びに該蓄熱剤
を有する蓄熱装置並びに蓄熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、油性物質を用いた蓄熱剤の開
発が盛んに行われている。中でも、パラフィンや高級ア
ルコール等の油性物質は、液相と固相との間の相変化に
より、30 cal/gを越える比較的高い融解潜熱を利用
でき、また、油性物質の選択、あるいは、混合によっ
て、その融点が、−20℃の低温から100℃を越える
高温域まで自由に設定できる点で高い注目を集めてい
る。
【0003】しかしながら、これら油性物質は、その殆
どが可燃性物質に属するため、液状となった際に漏洩
し、引火や延焼等の危険が生じるという問題点を有して
いる。
【0004】そこで、上記問題点を解決するために、例
えば、N−アシルアミノ酸のアミド、エステル、アミ
ン塩、または、12−ヒドロキシステアリン酸等のゲル
化剤によってパラフィンをゲル化させた蓄熱材料(特開
昭56−103273号公報)、パラフィンとジ−ベ
ンジリデンソルビトールとの混合物を孤島状に担持した
発泡体を、袋状の密閉容器に充填してなる蓄熱体(特開
昭57−96078号公報)、凝固剤によりゼリー状
にゲル化させたパラフィンをカプセルに封入してなる潜
熱蓄熱装置(特開平6−58686号公報)、パラフ
ィンと炭化水素系有機高分子とを機械的手段により混合
してなる蓄熱材(特開平4−85387号公報)、吸
油性樹脂にパラフィンを吸収させた粒状物を、水やブラ
インに分散させてなる蓄熱剤(特開平6−116550
号公報)、粒状吸油性樹脂にパラフィンを吸収させた
固体の微粒状物を蓄熱槽内に例えば水等の蓄熱体と熱交
換可能に装充した蓄熱装置(特開平4−278186号
公報)、ポリエチレン等のポリオレフィンからなるペ
レットにパラフィンを含浸させてなる蓄熱剤(特開昭6
2−277484号公報および特開平2−170887
号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の各公報で用いられている蓄熱剤は、何れもパラフ
ィンの相変化(凝固融解)の繰り返しによりパラフィン
の多量のしみ出しや流動化を生じるため、容器やカプセ
ルの破袋時にパラフィンが漏洩し、引火や延焼を引き起
こす危険性を有している。
【0006】一方、上記およびの各公報で提案され
ている蓄熱剤あるいは蓄熱装置は、何れも吸油性樹脂に
吸収されたパラフィンが水等の媒体中に微細な容積単位
で分散されている構成である。このような蓄熱剤あるい
は蓄熱装置は、目的の温度や所定の時間内で凍結せず、
加熱あるいは冷却により蓄積した熱量を効率良く取り出
すことができない。つまり、充分な蓄熱効率を得ること
ができないという問題点を有している。
【0007】また、上記の公報で提案されている蓄熱
剤は、吸油性樹脂であるポリオレフィンにおけるパラフ
ィンの平衡吸収倍率が低いため、該蓄熱剤の潜熱量が低
くなるという問題点を有している。さらに、該蓄熱剤か
らのパラフィンのしみ出しを防止するために、ポリエチ
レン等を表面コートや表面架橋したり、パラフィンを増
粘させる必要があり、加えて、パラフィンの吸収を高温
の条件下で行う必要もあるなどといった問題点を有して
いる。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、蓄熱効率が良く、安全性が
高い蓄熱剤およびその製造方法並びに蓄熱装置並びに蓄
熱材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、吸油性樹脂と蓄熱性
を有する油性物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該
油性ゲル体の単位容積が0.01cm3 以上である蓄熱
剤および該蓄熱剤を有する蓄熱装置並びに蓄熱材が、蓄
熱効率が良く、しかも、安全性にも優れていることを見
い出して本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明の蓄熱剤は、上
記の課題を解決するために、吸油性樹脂と蓄熱性を有す
る油性物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲ
ル体の単位容積が0.01cm3 以上であることを特徴
としている。
【0011】上記請求項1記載の構成によれば、上記油
性ゲル体の単位容積が0.01cm3 以上であることに
より、油性物質の過冷却が生じないため、蓄熱効率の高
い蓄熱剤を得ることができる。また、油性ゲル体が、吸
油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを有しているた
め、上記油性物質は油性ゲル体からの分離が全く起こら
ないか、分離が起こっても、ごく僅かである。このた
め、該蓄熱剤は、油性物質が液状化した場合、あるい
は、油性ゲル体から油性物質が分離した場合における油
性物質のしみ出しや流動化が無く、引火性や火災時の延
焼性が著しく低減されている。つまり、該蓄熱剤は、従
来の蓄熱剤よりも安全性が高いものとなっている。
【0012】請求項2記載の発明の蓄熱剤は、上記の課
題を解決するために、請求項1記載の蓄熱剤において、
上記油性物質が、液相と固相との相変換により蓄熱性を
有する化合物であることを特徴としている。
【0013】上記請求項2の構成によれば、油性物質の
過冷却が無く、液相から固相への相変化が短時間に行わ
れるため蓄熱効率が従来と比較して極めて高い蓄熱剤を
得ることができる。
【0014】請求項3記載の発明の蓄熱剤は、上記の課
題を解決するために、粒状の吸油性樹脂と蓄熱性を有す
る油性物質とを含む粒状の油性ゲル体を有し、かつ、該
油性ゲル体が、個々の界面を有したまま相互に接触して
いるものであることを特徴としている。
【0015】上記請求項3記載の構成によれば、油性ゲ
ル体が粒状を維持するため、油性物質の凍結融解時にお
ける容積変化が緩和され、容器への圧力、容器の歪が緩
和される。また、油性ゲル体が粒状を維持するため、該
油性物質の上記油性ゲル体からのしみ出しが抑制され
る。また、上記蓄熱剤が、粒状の油性ゲル体の集合体
(連続体)であることから、たとえ、上記蓄熱剤を構成
する1個の油性ゲル体から油性物質がしみ出したとして
も、該油性ゲル体に隣接する他の油性ゲル体によってし
み出した油性物質が吸収されるので、蓄熱剤からの油性
物質のしみ出しは抑えられる。加えて、互いに、隣接す
る油性ゲル体によって空隙が形成されていることから、
過冷却が抑えられると共に、各種添加剤、例えば、伝熱
向上剤、発核剤、難燃剤等を均一に添加することができ
る。
【0016】請求項4記載の発明の蓄熱剤は、上記の課
題を解決するために、請求項1、2または3記載の蓄熱
剤において、上記吸油性樹脂が懸濁重合または懸濁重縮
合により得られるものであることを特徴としている。
【0017】上記請求項4記載の構成によれば、上記懸
濁重合または懸濁重縮合によって得られる吸油性樹脂に
油性物質を吸収させると、より球状に近い油性ゲル体が
得られるため、上記油性ゲル体が粒状の異形物の集合体
である場合と比較して、より凝集し易くなることから、
上記連続体をより密に形成することができると共に、上
記添加剤をより一層均一に添加、混合することができ
る。
【0018】請求項5記載の発明の蓄熱剤は、上記の課
題を解決するために、ペンタデカンに対する25℃にお
ける平衡吸収倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と蓄熱性
を有する油性物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該
油性ゲル体の単位容積が0.01cm3 以上であること
を特徴としている。
【0019】請求項6記載の発明の蓄熱剤は、上記の課
題を解決するために、蓄熱性を有する油性物質の融点を
X℃とすると、(X+10)℃における該油性物質に対
する平衡吸収倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と該吸油
性物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体
の単位容積が0.01cm3 以上であることを特徴とし
ている。
【0020】上記請求項5または6記載の構成によれ
ば、比較的低い温度で油性物質を含浸することができる
ことから、比較的低い温度で前記油性ゲル体、つまり、
本発明にかかる蓄熱剤を製造することができると共に、
油性ゲル体からの油性物質の分離が防止され、従来より
も油性物質のしみ出しが少なく、引火性や火災時の延焼
性が著しく低減された安全性の高い蓄熱剤を得ることが
できる。加えて、上記吸油性樹脂における油性物質の平
衡吸収倍率が3g/g以上であるため、該吸油性樹脂を
用いた蓄熱剤は、その潜熱量をより高くすることができ
るので、蓄熱効率に優れた蓄熱剤を得ることができる。
【0021】請求項7記載の発明の蓄熱装置は、上記の
課題を解決するために、請求項1〜6の少なくとも何れ
か1項に記載の蓄熱剤を有することを特徴としている。
【0022】請求項8記載の発明の蓄熱材は、上記の課
題を解決するために、請求項1〜6の少なくとも何れか
1項に記載の蓄熱剤を容器に充填してなることを特徴と
している。
【0023】上記請求項7または8記載の構成によれ
ば、上記請求項1〜6の少なくとも何れか1項に記載の
蓄熱剤を用いることによって、蓄熱効率が良く、安全性
にも優れた蓄熱装置または蓄熱材を得ることができる。
【0024】請求項9記載の発明の蓄熱材の製造方法
は、上記の課題を解決するために、粒状の吸油性樹脂と
蓄熱性を有する油性物質とを混合した後、該混合物を、
流動性を有する状態で容器に充填し、該容器内でゲル化
させて流動性が低下した状態にすることを特徴としてい
る。
【0025】上記請求項9記載の方法によれば、油性ゲ
ル体の連続体形成時に、該連続体が上記容器内において
互いに密接して形成され易くなるため、蓄熱剤内部に気
泡が介在し難くなる。このため、得られる蓄熱剤として
の油性ゲル体において、冷却或いは加温のための装置に
おける伝熱面への密着性が良好となり、伝熱性に優れた
蓄熱材を得ることができる。
【0026】本発明の蓄熱剤および蓄熱装置並びに蓄熱
材は、ビルの空調用、給湯設備、食品工場や化学工場の
保温や保冷、床暖房や壁暖房の建材用、保温や保冷の輸
送システム、太陽熱コレクター等、幅広い分野に利用す
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかる蓄熱剤は、吸油性
樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを含む油性ゲル体を有
している。
【0028】本発明において用いられる蓄熱性を有する
油性物質としては、特定の温度領域において、液相と固
相との間の相変化により潜熱蓄熱性を有し、実質的に水
に不溶あるいは難溶性の物質であれば特に限定されるも
のではない。このような油性物質としては、具体的に
は、例えば、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカ
ン等のn−パラフィン、パラフィンワックス、イソパラ
フィン、ポリエチレンワックス等のパラフィン類;ステ
アリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸ブ
チル等の脂肪酸エステル類;デカノール、ドデシルアル
コール等のアルコール類等が挙げられる。
【0029】これら油性物質は、一種類のみを用いても
よいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。こ
れら油性物質のなかでも、高い融解潜熱が明確な凝固点
とともに得られること、凝固点が自由に選べること等の
利点から、パラフィン類が特に好ましい。
【0030】また、本発明において用いられる上記吸油
性樹脂としては、上記油性物質の吸収が可能な樹脂であ
れば、特に限定されるものではないが、吸油性樹脂1g
当たり0.5g以上、好ましくは3g以上、より好まし
くは8g以上の油性物質の吸収が可能な吸油性樹脂が好
ましい。そのなかでも、パラフィン、特に、ペンタデカ
ンに対する25℃における平衡吸収倍率が3g/g以上
を有する吸油性樹脂、或いは、用いる油性物質の融点よ
りも10℃高い温度における、該油性物質に対する平衡
吸収倍率が3g/g以上を有する吸油性樹脂が特に好ま
しい。
【0031】上記の吸油性樹脂は、例えば、溶解度パラ
メーター(SP値)が9以下で、かつ、分子中に1個の
重合性基を有する単量体(以下、説明の便宜上、単量体
(A)と称する)を含む単量体成分を重合することによ
って容易に得ることができる。
【0032】上記溶解度パラメーターとは、化合物の極
性を表す尺度として一般的に用いられているパラメータ
ーであり、本発明では、Small の計算式にHoy の凝集エ
ネルギー定数を代入して導いた値(単位(cal/cm3)
1/2 )を適用している。
【0033】上記単量体(A)が有する重合性基として
は、例えば、ラジカル重合、放射線重合、付加重合、重
縮合等の重合方法により吸油性樹脂の重合が可能な重合
性基であれば、特に限定されるものではない。上記単量
体(A)のなかでも、ラジカル重合により簡便に吸油性
樹脂を製造できる重合性不飽和基を有する単量体(以
下、説明の便宜上、単量体(a)と称する)を用いるこ
とが好ましい。
【0034】上記単量体(a)としては、具体的には、
例えば、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、 iso−ブチル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジブチルマレエート、ジドデシルマ
レエート、ドデシルクロトネート、ジドデシルイタコネ
ート等の不飽和カルボン酸エステル;(ジ)ブチル(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)ドデシル(メタ)アクリル
アミド、(ジ)ステアリル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)ブチルフェニル(メタ)アクリルアミド、(ジ)
オクチルフェニル(メタ)アクリルアミド等の、炭化水
素基を有する(メタ)アクリルアミド;ビニルシクロヘ
キサン等の脂環式ビニル化合物;ドデシルアリルエーテ
ル等の炭化水素基を有するアリルエーテル;カプロン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル等の、炭化水素基を有するビニルエステ
ル;ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等
の、炭化水素基を有するビニルエーテル;スチレン、t
−ブチルスチレン、オクチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。
【0035】上記単量体(A)としては、上記の条件を
満たす単量体であれば、特に限定されるものではなく、
上記単量体(a)以外にも、例えば、ノルボルネン系単
量体等を用いることができる。上記単量体(A)として
例えばノルボルネン系単量体を用いる場合には、開環重
合もしくはラジカル重合等の重合方法を採用することに
より、容易に所望する吸油性樹脂を得ることができる。
【0036】これら単量体(A)は、一種類のみを用い
てもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよ
い。上記単量体(A)のなかでも単量体(a)が好まし
く、そのなかでも、炭素数3〜30の脂肪族炭化水素基
を少なくとも1個有し、かつ、アルキル(メタ)アクリ
レート、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アル
キル(メタ)アクリルアミド、アルキルアリール(メ
タ)アクリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、アルキル
ビニルエーテルおよびアルキルスチレンからなる群より
選ばれる単量体(以下、説明の便宜上、単量体(a')と
称する)が、より優れた油性物質吸収性能および保油性
能を有する吸油性樹脂を得ることができるのでより好ま
しい。さらに、上記単量体(a')のなかでも、炭素数4
〜24の脂肪族炭化水素基を少なくとも1個有する単量
体がより一層好ましく、炭素数8〜18の脂肪族炭化水
素基を少なくとも1個有する単量体が特に好ましい。
【0037】また、上記単量体成分中に必要に応じて含
まれるその他の単量体、即ち、単量体(A)以外のその
他の単量体としては、該単量体(A)と共重合可能可能
な単量体であれば、特に限定されるものではない。上記
その他の単量体としては、例えば、溶解度パラメーター
が9以上で、かつ、分子中に1個の重合性不飽和基を有
する単量体や、分子中に少なくとも2個の重合性不飽和
基を有する架橋性単量体等が挙げられる。
【0038】上記溶解度パラメーターが9以上で、か
つ、分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体とし
ては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、アク
リロニトリル、無水マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】また、上記架橋性単量体としては、具体的
には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’
−プロピレンビスアクリルアミド、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、多価アルコール(例えば、グリセリ
ン、トリメチロールプロパンあるいはテトラメチロール
メタン等)のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アク
リル酸とのエステル化によって得られる多官能(メタ)
アクリレートやジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0040】これらその他の単量体は、一種類のみを用
いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよ
い。
【0041】上記各単量体の使用量、即ち、単量体成分
中における上記単量体(A)の含有量は、50重量%以
上が好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。上記
単量体(A)の含有量が50重量%未満であれば、優れ
た油性物質吸収性能を有する吸油性樹脂を得ることがで
きなくなる虞れがあるので好ましくない。
【0042】また、単量体成分における上記その他の単
量体は、50重量%以下の範囲内において、得られる吸
油性樹脂の物性を損なわない範囲で用いればよい。
【0043】例えば、該単量体成分が架橋性単量体を含
む場合には、単量体成分中における架橋性単量体の含有
量が0.001重量%〜4重量%となるように配合する
ことが好ましい。つまり、該単量体成分が、架橋性単量
体を含む場合における各単量体の配合割合は、単量体
(A)を含む、架橋性単量体以外の単量体の合計量96
重量%〜99.999重量%に対して、架橋性単量体
0.001重量%〜4重量%(但し、各単量体の合計
量、即ち、単量体成分の総量は100重量%であり、単
量体成分中の単量体(A)の割合は、50重量%以上で
ある)が好ましい。単量体成分中における架橋性単量体
の割合が4重量%を越えると、得られる吸油性樹脂の架
橋密度が高くなりすぎて多量の油性物質を吸収すること
ができなくなるため好ましくない。また、上記架橋性単
量体の割合が0.001重量%未満では、該架橋性単量
体を添加したことによる顕著な効果が得られない。上記
単量体成分がさらに架橋性単量体を含むことは、得られ
る吸油性樹脂に架橋構造を導入し、該吸油性樹脂の油性
物質に対する可溶性を抑制する上で効果的である。該吸
油性樹脂が架橋構造を有することで吸油倍率のコントロ
ールが容易になり、油性物質の流動化やしみ出しを防止
することができる。この結果、吸油後の油性ゲル体の保
形性を確保することが可能となる。また、溶出成分が低
減されることから、油性物質の相変化温度が明確になる
と共に、凝固点降下を防止することができる。
【0044】上記吸油性樹脂としては、上記の単量体成
分の重合体以外にも、たとえば、スチレン/ブタジエン
共重合体;水添スチレン/ブタジエン共重合体;スチレ
ン/ブタジエン/イソプレン共重合体;エチレン/プロ
ピレン共重合体;エチレン/プロピレンに第3成分が共
重合された重合体;ジメチルシロキシル(メタ)アクリ
レート等のジメチルシロキサン含有共重合体;スルホン
化エチレン/プロピレンターポリマー;ポリブタジエ
ン;ポリイソブチレン;ポリイソプレン;ポリアクリロ
ニトリル;アクリロニトリル/ブタジエン共重合体;イ
ソブチレン/イソプレン共重合体;ポリクロロプレン、
塩素化ポリエチレン、ポリ塩素化ブチル、ポリ臭素化ブ
チル、クロルスルホン化ポリエチレン等のハロゲン含有
重合体等を挙げることができる。
【0045】これら吸油性樹脂のなかでも、ポリオレフ
ィンや、自らが高い結晶性を有する重合体以外の吸油性
樹脂、特に、炭素数3〜30の脂肪族炭化水素基を少な
くとも1個有し、かつ、アルキル(メタ)アクリレー
ト、アルキルアリール(メタ)アクリレート、アルキル
(メタ)アルキルアミド、アルキルアリール(メタ)ア
クリルアミド、脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニル
エステルおよびアルキルスチレンからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の単量体(不飽和化合物)を50重量
%以上含む単量体成分を重合してなる吸油性樹脂が、油
性物質との相溶性が良く、油性物質のしみ出しが少ない
蓄熱剤を得ることができるので好ましい。
【0046】さらに、上記吸油性樹脂として、特に、炭
素数4〜24の脂肪族炭化水素基を少なくとも1個有
し、かつ、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルア
リール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アルキ
ルアミド、アルキルアリール(メタ)アクリルアミド、
脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエステルおよび
アルキルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1
種の単量体(不飽和化合物)を50重量%以上含む単量
体成分を重合してなる吸油性樹脂を用いれば、該吸油性
樹脂と油性物質との相溶性がさらに向上し、油性物質の
しみ出しの無い蓄熱剤を得ることができる。
【0047】さらに、上記吸油性樹脂として、特に、炭
素数8〜18の脂肪族炭化水素基を少なくとも1個有
し、かつ、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルア
リール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アルキ
ルアミド、アルキルアリール(メタ)アクリルアミド、
脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエステルおよび
アルキルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1
種の単量体(不飽和化合物)を50重量%以上含む単量
体成分を重合してなる吸油性樹脂を用いれば、適度な柔
軟性を有する油性ゲル体を得ることができるので、上記
の効果に加えて、得られる蓄熱剤の、冷却或いは加温の
ための装置における伝熱面への密着性が良好となり、伝
熱性が向上するという効果をも奏する。
【0048】また、上記吸油性樹脂が、上記単量体のな
かでも、特に、アルキル(メタ)アクリレートを50重
量%以上含有する単量体成分を重合してなる場合、凍結
融解の繰り返しによっても油性ゲル体の透明性が高く維
持されるため、光透過性を有する蓄熱剤を得ることがで
きる。
【0049】尚、上記吸油性樹脂としては、ポリエチレ
ン等のポリオレフィンや、高い結晶性を有する重合体等
を用いることもできるが、これらの重合体を吸油性樹脂
として用いる場合には、油性物質のしみ出しを防止する
ために、例えば、該吸油性樹脂表面に表面コートや表面
架橋を施したり、油性物質を増粘する必要がある。ま
た、ポリエチレン等からなる吸油性樹脂は、高温にしな
ければ油性物質を含浸することができない。
【0050】従って、より製造が容易で安全性の高い蓄
熱剤を得るためには、上記吸油性樹脂として、ポリオレ
フィンや高い結晶性を有する重合体以外の吸油性樹脂、
例えば、上記のように、単量体(a')から選ばれる少な
くとも1種の単量体を重合してなる吸油性樹脂や、ペン
タデカンに対する25℃における平衡吸収倍率が3g/
g以上の吸油性樹脂、或いは、用いる油性物質の融点よ
りも10℃高い温度における平衡吸収倍率が3g/g以
上の吸油性樹脂を用いることが好ましい。
【0051】上記吸油性樹脂を用いれば、比較的低い温
度で油性物質を含浸することができることから、比較的
低い温度で前記油性ゲル体、つまり、本発明にかかる蓄
熱剤を製造することができると共に、油性ゲル体からの
油性物質の分離が防止され、従来よりも油性物質のしみ
出しが少なく、引火性や火災時の延焼性が著しく低減さ
れた安全性の高い蓄熱剤を得ることができる。
【0052】特に、上記吸油性樹脂における油性物質の
平衡吸収倍率が3g/g以上であれば、該吸油性樹脂を
用いた蓄熱剤は、その潜熱量をより高くすることができ
るので、蓄熱効率に優れた蓄熱剤を得ることができる。
【0053】本発明において用いられる上記吸油性樹脂
の製造方法は、特に限定されるものではなく、上記した
種々の方法、例えば、ラジカル重合、放射線重合、付加
重合、重縮合等、従来公知の種々の重合方法を採用する
ことができる。該吸油性樹脂は、例えば、上記単量体成
分を、保護コロイド剤や界面活性剤の存在下で水性媒体
に分散させた後、油溶性ラジカル重合開始剤等の重合開
始剤により懸濁重合することにより容易に製造すること
ができる。また、必要により、該単量体成分を水不溶性
の有機溶剤に溶解させてから懸濁重合することもでき
る。
【0054】上記保護コロイド剤や界面活性剤として
は、特に限定されるものではなく、また、その使用量も
特に限定されるものではない。上記保護コロイド剤とし
ては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ゼラチン等が挙げられる。
また、界面活性剤としては、具体的には、例えば、アル
キルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
脂肪酸石鹸等が挙げられる。これら保護コロイド剤や界
面活性剤は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種
類以上を混合して用いてもよい。
【0055】また、上記重合開始剤としては、特に限定
されるものではないが、具体的には、例えばベンゾイル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイド
ロパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビスジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これら重合
開始剤は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類
以上を混合して用いてもよい。これら重合開始剤の使用
量は、単量体成分の種類や使用量等にもよるが、上記単
量体成分に対して、0.1重量%〜5重量%の範囲内で
用いることが好ましい。
【0056】また、上記重合反応を行う際の重合温度
は、特に限定されるものではないが、好ましくは0℃〜
150℃の範囲内において、単量体成分や重合開始剤等
の種類等に応じて適宜設定すればよい。さらに、上記重
合反応を行う際の重合時間も、特に限定されるものでは
なく、上記単量体成分や重合開始剤等の種類やその使用
量、反応温度等に応じて、上記反応が終了するように、
適宜設定すればよい。
【0057】これらの方法のうち、懸濁重合または懸濁
重縮合が、重合後、粒状の吸油性樹脂、特に、球状の吸
油性樹脂を直接得ることができることから好ましい。上
記吸油性樹脂が粒状であれば、吸油性樹脂の表面積が大
きくなり、油性物質の吸収速度を向上させることができ
る。
【0058】つまり、本発明の蓄熱剤において用いられ
る油性ゲル体は、上記吸油性樹脂中に、液相状態の油性
物質を、該油性物質の凝固点以上の温度条件下で吸収・
膨潤させることにより、容易に得ることができる。上記
吸油性樹脂中に液相状態の油性物質を吸収膨潤させる際
には、吸油性樹脂が油性物質を吸収するための時間を短
縮する目的で加熱してもよい。
【0059】上記吸油性樹脂と油性物質との使用割合、
つまり、油性ゲル体中の吸油性樹脂および油性物質の含
有量は、特に限定されるものではないが、吸油性樹脂4
重量%〜20重量%の範囲内、および、油性物質96重
量%〜80重量%の範囲内とすることが好ましい。上記
吸油性樹脂の割合が4重量%未満であれば、油性物質を
完全に吸収、膨潤しきれず、油性物質が液相状態になっ
た場合のしみ出しや流動化を生じる虞れがある。一方、
上記吸油性樹脂の割合が20重量%を越えると、油性物
質の含有量が少ないため、得られる蓄熱剤の相変化潜熱
が小さくなる虞れがある。
【0060】さらに、上記吸油性樹脂が粒状であれば、
該吸油性樹脂が油性物質を吸収したときに、相似形に膨
張して粒状の油性ゲル体を得ることができる。即ち、図
1に示すように、本発明の蓄熱剤2は、油性ゲル体1が
粒状であり、これら油性ゲル体1…同士が、個々の界面
を有したまま相互に接触している構造を有していること
が好ましい。上記蓄熱剤2は、上記構造を有しているこ
とで、互いに接触する油性ゲル体1…によって形成され
る空隙を互いに有している。このため、油性物質の凍結
融解時における容積変化が緩和され、容器への圧力、容
器の歪が緩和される。また、油性ゲル体が粒状を維持す
るため、該油性物質の上記油性ゲル体1…からのしみ出
しが抑制される。
【0061】また、上記蓄熱剤2が、粒状の油性ゲル体
1…の集合体(連続体)であることから、たとえ、上記
蓄熱剤2を構成する1個の油性ゲル体1…から油性物質
がしみ出したとしても、該油性ゲル体1に隣接する他の
油性ゲル体1によってしみ出した油性物質が吸収される
ので、蓄熱剤2からの油性物質のしみ出しは抑えられ
る。
【0062】また、上記蓄熱剤2が、粒状の油性ゲル体
1…の集合体であると共に、互いに、隣接する油性ゲル
体1…によって空隙が形成されていることから、過冷却
が抑えられると共に、各種添加剤、例えば、伝熱向上
剤、発核剤、難燃剤等を均一に添加することができる。
そして、特に、上記油性ゲル体1が球状であれば、上記
油性ゲル体1…が粒状の異形物の集合体である場合と比
較して、より凝集し易くなることから、上記連続体をよ
り密に形成することができると共に、上記添加剤をより
一層均一に添加、混合することができる。
【0063】従って、上記吸油性樹脂の製造方法として
は、吸状の吸油性樹脂、ひいては球状の油性ゲル体1を
得ることができる懸濁重合または懸濁重縮合が特に好ま
しい。
【0064】尚、懸濁重合または懸濁重縮合以外の方法
を用いて粒状の吸油性樹脂を得た場合、該吸油性樹脂か
ら得られる油性ゲル体1…は粒状の異形物の集合体とな
り、球状の油性ゲル体1を用いた場合と比較して、添加
剤を添加した際の均一性に劣る。また、吸油性樹脂を球
状とする際に、解砕操作を必要とすることから、該吸油
性樹脂は気泡を含み易く、得られる油性ゲル体1内部に
気泡が含まれる虞れがある。
【0065】また、本発明において用いられる粒状の吸
油性樹脂における独立単位の平均粒径は、好ましくは5
mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、特
に好ましくは1mm以下である。該平均粒径が5mm以
下であれば、油性ゲル体1…の連続相(連続体)を形成
する時間が短くなるため生産性が向上する。また、上記
平均粒径が1mm以下であれば、高温での加熱を必要と
せず、比較的低温で上記連続相(連続体)を形成するこ
とができる。
【0066】さらに、上記の粒状の吸油性樹脂は、高分
子量化されたものや架橋構造を有するものであることが
好ましいが、油性物質を吸収した後に界面の溶解が少な
く、隣合う粒状の油性ゲル体1…同士との間に、明確な
界面が存在するように結合されるものであれば特に制限
されるものではない。
【0067】上記油性ゲル体1…同士が個々の界面を有
していることは、例えば、該蓄熱剤2、即ち、油性ゲル
体1…の連続体を、例えば、水中等で撹拌すれば、個々
の油性ゲル体1…に分離することによって確認すること
ができる。
【0068】一方、上記吸油性樹脂としてポリエチレン
ペレットやSEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−
スチレンブロックポリマー)粉末を用いた場合、即ち、
従来の吸油性樹脂を用いた場合には、図2に示すよう
に、吸油性樹脂が油性物質を吸収して油性ゲル体1を形
成する際に、粒状の油性ゲル体1…同士が互いに接触、
融解して一体化することにより、塊状の蓄熱剤3が得ら
れる。このように、蓄熱剤3が大きな一体化ゲルである
場合、該蓄熱剤3は、油性物質の凍結融解時の容積変化
によるひずみによって、油性物質のしみ出しが起こる場
合がある。従って、該蓄熱剤3には明確な界面が見られ
なくなる。
【0069】さらに、上記吸油性樹脂の製造方法として
は、塊状重合法を採用することもできる。上記吸油性樹
脂を塊状重合法により得る場合には、例えば、上記単量
体成分を、重合開始剤の存在下で型に流し込み、好まし
くは50℃〜150℃に加熱することによって、容易に
吸油性樹脂を得ることができる。上記重合開始剤として
は、前記例示の重合開始剤と同様の重合開始剤を用いる
ことができる。該塊状重合を採用する場合には、塊状物
として吸油性樹脂を得てもよいし、さらに、必要に応じ
て、得られた塊状物に粉砕等の操作を加えて粒度調整を
行なうことによって、粒状物として吸油性樹脂を得ても
よい。また、上記吸油性樹脂の油性物質吸収速度を向上
させる目的で、吸油性樹脂の油性物質吸収性能を低下さ
せない範囲内で、水不溶性の化合物と混合することによ
り、粒状の吸油性樹脂としてもよい。
【0070】上記水不溶性化合物としては、20℃の水
100gに対する溶解度が1g以下の水不溶性または水
難溶性を示す化合物であれば特に限定されるものではな
い。上記水不溶性化合物としては、具体的には、例え
ば、シリカやタルクや珪藻土等の鉱物類;鉄やアルミナ
等の金属類;炭酸カルシウム等の無機塩類;金属石鹸等
の有機酸塩類;ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸
ビニル等の樹脂類;ワックス等の有機化合物類;綿、パ
ルプ等の繊維類等が挙げられる。これら水不溶性化合物
は、一種類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混
合して用いてもよい。
【0071】これら水不溶性化合物のなかでも、僅かな
使用量で吸油性樹脂の継粉化を有効に防止できる粉体形
状の化合物が好ましく、20℃の水100gに対する溶
解度が1g以下の有機酸金属塩や、メタノール値が25
重量%以下の疎水性無機化合物の粉体が特に好ましい。
上記メタノール値とは、水不溶性化合物の疎水化度を表
す尺度であり、水不溶性化合物が湿潤可能となるメタノ
ール水溶液中のメタノールの容量%で表される。
【0072】また、本発明にかかる蓄熱剤において、該
蓄熱剤中における上記油性ゲル体の単位容積(連続体)
は、0.01cm3 以上であることが好ましく、10c
3以上であることがより好ましく、100cm3 以上
であることが特に好ましい。上記油性ゲル体の単位容積
が0.01cm3 未満であれば、油性物質が過冷却状態
となり、目的の温度や、所定の時間内で凍結しないとい
った不具合が生じるので好ましくない。つまり、油性ゲ
ル体の単位容積が0.01cm3 未満であれば、油性物
質が過冷却状態となり、液相と固相との相変化が起こり
にくくなる。このため、油性ゲル体全体が凍結せず、加
熱あるいは冷却により蓄積した熱量を充分に取り出すこ
とができない。しかも、このような油性ゲル体は、凍結
融解を繰り返すうちに、油性物質が分離する。
【0073】これに対し、上記油性物質の単位容積が
0.01cm3 以上であることで、油性物質の過冷却が
無く、液相から固相への相変化が短時間に行われるた
め、短い時間で高い凍結率を有し、従来と比較して極め
て高い蓄熱効率を有する蓄熱剤を得ることができる。さ
らに、上記油性物質の単位容積が0.01cm3 以上で
あることで、該蓄熱剤は、油性物質の過冷却が生じない
だけでなく、油性物質の分離が全く起こらないか、分離
が起こっても、ごく僅かである。しかも、該蓄熱剤は、
油性物質が液状化した場合、あるいは、油性ゲル体から
油性物質が分離した場合における油性物質のしみ出しや
流動化が無く、引火性や火災時の延焼性が著しく低減さ
れている。
【0074】即ち、本発明の蓄熱剤は、上記油性ゲル体
を、その単位容積が0.01cm3以上となるように有
している構成である。上記油性ゲル体の単位容積とは、
油性ゲル体一塊あるいは接触により連続相(連続体)を
なす油性ゲル体の容積を示すものである。つまり、上記
油性ゲル体の単位容積が0.01cm3 以上である状態
とは、油性ゲル体が、0.01cm3 以上の例えばシー
ト状、直方体、球状、円筒状等の塊状物を形成している
状態や、0.01cm3 未満の粒状物や微細構造物から
なる複数の油性ゲル体が互いに接触しあって結果的に
0.01cm3 以上の連続相(連続体)を形成している
状態を示す。
【0075】また、油性ゲル体が0.01cm3 以上の
連続相(連続体)を形成しない状態とは、0.01cm
3 未満の粒状物や微細構造物からなる複数の油性ゲル体
が、油性ゲル体の構成物以外によって分裂されている状
態を示し、例えば、0.01cm3 未満の油性ゲル体
が、連続相(連続体)を形成する大量の水中や金属粉体
中に微細な容積単位で分散した状態を示す。
【0076】また、該蓄熱剤は、0.01cm3 以上の
単位容積を保持できる範囲で、油性ゲル体の構成物以外
の物質を含んでいてもよい。特に、本発明にかかる蓄熱
剤がさらに不燃性物質を含むことで、蓄熱剤の安全性を
さらに向上させることができる。上記不燃性物質として
は、蓄熱剤の燃焼熱量及び延焼性を低減できるものであ
れば特に限定されるものではないが、水や無機粉体が好
ましい。
【0077】本発明の蓄熱剤が不燃性物質を含む場合に
おける上記油性ゲル体と不燃性物質との配合割合は、該
蓄熱剤が所望する蓄熱量を得ることができる油性ゲル体
量を有してさえいれば、油性ゲル体が0を越えて80重
量%以下の範囲内および不燃性物質が20重量%以上、
100重量%未満の割合で用いることが好ましい。但
し、得られる蓄熱剤の単位あたりの蓄熱量の点から、蓄
熱剤中における油性ゲル体の含有量は、40重量%以上
であることがさらに好ましい。尚、上記不燃性物質の割
合が20重量%未満では、不燃性物質を添加したことに
よる顕著な効果が得られない虞れがある。つまり、蓄熱
剤の燃焼熱量を低減させる効果が小さくなる虞れがあ
る。
【0078】このように、該蓄熱剤が油性ゲル体の構成
物以外の物質を含む場合には、例えば、粒状の油性ゲル
体、あるいは、塊状の油性ゲル体を裁断するか解砕して
得られた油性ゲル体を、水等の不燃性物質中に投入し、
必要に応じて撹拌することによって蓄熱剤を得てもよい
し、塊状や粒状の油性ゲル体に上記不燃性物質や水性ゲ
ル体等を添加し、必要に応じて解砕したり、撹拌、混合
することによって蓄熱剤を得てもよい。何れの場合にお
いても、その分散状態、あるいは混合状態等は特に限定
されるものではなく、油性ゲル体が0.01cm3 以上
の単位容積を保持してさえいればよい。また、油性ゲル
体と油性ゲル体の構成物以外の物質とを撹拌、混合する
方法等も特に限定されるものではない。
【0079】本発明の蓄熱剤は、蓄熱あるいは蓄冷を目
的として、そのまま冷却あるいは加温して用いることが
できるが、蓄熱装置の形で使用することもできる。即
ち、本発明にかかる蓄熱装置は、該蓄熱剤を有し、例え
ば、該蓄熱剤を容器に充填した蓄熱材として用いること
もできるし、該蓄熱剤をそのまま、あるいは、容器に充
填して蓄熱材とした後、水蓄熱槽等に充填したり浸漬さ
せることにより、種々の形態の蓄熱システムとして用い
ることもできる。つまり、本発明にかかる蓄熱装置は、
該蓄熱剤を有していれば、その形態および使用方法等
は、特に限定されるものではない。
【0080】上記蓄熱剤を充填するための容器とは、上
記油性ゲル体を構成する油性物質が漏れ出さない構造で
あれば特に限定されるものではなく、水等の液体や空気
等の気体に対する透過性を有する容器、あるいは、密閉
型の容器等、種々の容器を採用することができる。これ
らの容器の材質としては、上記油性物質等の種類にもよ
るが、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン等の合
成樹脂;木綿、絹、セルロース等の天然繊維;鉄、アル
ミ等の金属等が挙げられる。例えば、上記油性物質とし
てパラフィンを用いる場合には、上記材質としては、ポ
リ塩化ビニルを用いることが好ましい。
【0081】本発明の蓄熱材は、予め吸油性樹脂に油
性物質を吸収・膨潤させた後、得られた油性ゲル体を、
必要に応じて不燃性物質と共に、前記容器中に充填し、
封印することで容易に製造することができる。さらに、
本発明の蓄熱材を製造するためのより簡便な方法とし
て、吸油性樹脂と油性物質とを別々に容器中に充填し
た後、容器中で吸油性樹脂中に油性物質を吸収させるこ
とによって油性ゲル体を得る方法を採用することもでき
る。加えて、本発明の蓄熱材は、吸油性樹脂と油性物
質とを混合した後、該混合物を、該混合物が流動性を有
する状態(スラリー状)で前記容器中に充填し、該容器
内でゲル化させて流動性が低下した状態、好ましくは、
最終的に流動性が無い状態(油性ゲル体)とすることに
よっても製造することができる。
【0082】これらの方法の中でも、上記の方法が、
油性ゲル体の連続体形成時に、該連続体が上記容器内に
おいて互いに密接して形成され易くなるため、蓄熱剤内
部に気泡が介在し難くなる。このため、伝熱性に優れた
蓄熱材を得ることができるので好ましい。この場合に
も、上記容器中の蓄熱剤は、単位容積が0.01cm3
であることが好ましい。単位容積が0.01cm3 以下
である場合、該蓄熱剤が過冷却するため好ましくない。
【0083】また、本発明の蓄熱材等の蓄熱装置は、板
状、円筒状、直方体状、球状、ソーセージ状、ドーナツ
状、円盤状等、用途にあわせてあらゆる形態に成形して
用いることができる。
【0084】さらに、上記蓄熱材等の蓄熱装置は、水や
無機水和塩等の不燃性物質や、他の充填物を含有してい
てもよい。例えば、水等に該蓄熱材を浮遊させて用いる
場合、無機粉体等を充填することによって比重を調整す
ることもできる。
【0085】また、該蓄熱剤および蓄熱材を水蓄熱槽等
に充填または浸漬する方法としては、特に限定されるも
のではなく、例えば、(i) 0.01cm3 以上の単位容
積を有する油性ゲル体の塊状物や粒状物を水蓄熱槽にそ
のまま投入し、水に浮遊あるいは分散させる方法、(ii)
球状の蓄熱材を水に浮遊あるいは分散させる方法、(ii
i) 板状の蓄熱材を通水路を確保できる間隔で水蓄熱槽
中に積層する方法、(iv)円筒状や直方体状の蓄熱材を水
蓄熱槽中に自立させる方法等、種々の方法を採用するこ
とができる。
【0086】また、水蓄熱槽等に充填あるいは浸漬され
る蓄熱剤または蓄熱材の量は目的の増熱量に合わせて適
宜決定すればよい。従って、水蓄熱槽が複数室に分画さ
れている場合、上記蓄熱剤または蓄熱材は、全ての区画
に投入してもよく、必要な量を必要な区画にのみだけ投
入してもよい。
【0087】このように、本発明にかかる蓄熱剤は、そ
のまま用いてもよいが、蓄熱装置とすることで蓄熱量を
さらに大幅に増大することができる。
【0088】以上のように、本発明にかかる蓄熱剤は、
吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを含む油性ゲル
体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積が0.01c
3以上である構成である。加えて、本発明にかかる蓄
熱剤は、上記油性物質が、液相と固相との相変換により
蓄熱性を有する化合物である構成である。
【0089】また、本発明にかかる他の蓄熱剤は、粒状
の吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを含む粒状の
油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体が、個々の界面
を有したまま相互に接触しているものである構成であ
る。
【0090】上記各蓄熱剤においては、上記吸油性樹脂
が懸濁重合または懸濁重縮合により得られるものである
ことが好ましい。
【0091】さらに、本発明にかかる更に他の蓄熱剤
は、蓄熱性を有する油性物質の融点をX℃とすると、
(X+10)℃における該油性物質に対する平衡吸収倍
率が3g/g以上の吸油性樹脂と該吸油性物質とを含む
油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積が
0.01cm3 以上である構成であり、特に、上記油性
物質がペンタデカンである場合は、上記平衡吸収倍率が
3g/g以上となる温度が25℃となることが好まし
い。
【0092】また、本発明にかかる蓄熱装置は、上記蓄
熱剤を有する構成である。さらに、本発明にかかる蓄熱
材は、上記蓄熱剤を容器に充填してなる構成である。
【0093】さらに、本発明の蓄熱材の製造方法は、吸
油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを混合した後、該
混合物を、流動性を有する状態で容器に充填し、該容器
内でゲル化させて流動性が低下した状態、好ましくは、
流動性が無い状態にする方法である。
【0094】上記の構成によれば、油性物質の過冷却が
生じないため、蓄熱効率の高い蓄熱剤を得ることができ
る。また、油性ゲル体が、吸油性樹脂と蓄熱性を有する
油性物質とを有しているため、上記油性物質は油性ゲル
体からの分離が全く起こらないか、分離が起こっても、
ごく僅かである。このため、該蓄熱剤は、油性物質が液
状化した場合、あるいは、油性ゲル体から油性物質が分
離した場合における油性物質のしみ出しや流動化が無
く、引火性や火災時の延焼性が著しく低減された安全性
が高いものとなっている。加えて、油性物質の過冷却が
無く、液相から固相への相変化が短時間に行われるため
蓄熱効率が従来と比較して極めて高い蓄熱剤を得ること
ができる。
【0095】また、該蓄熱剤は、油性ゲル体が粒状、よ
り好ましくは球状を維持するため、油性物質の凍結融解
時における容積変化が緩和され、該油性物質の上記油性
ゲル体からのしみ出しが抑制される。また、上記蓄熱剤
が、粒状の油性ゲル体の集合体(連続体)であることか
ら、たとえ、上記蓄熱剤を構成する1個の油性ゲル体か
ら油性物質がしみ出したとしても、該油性ゲル体に隣接
する他の油性ゲル体によってしみ出した油性物質が吸収
されるので、蓄熱剤からの油性物質のしみ出しは抑えら
れる。加えて、互いに、隣接する油性ゲル体によって空
隙が形成されていることから、過冷却が抑えられると共
に、各種添加剤を均一に添加することができる。
【0096】さらに、該蓄熱剤は、比較的低い温度で油
性物質を含浸することができることから、比較的低い温
度で前記油性ゲル体、つまり、本発明にかかる蓄熱剤を
製造することができると共に、油性ゲル体からの油性物
質の分離が防止され、従来よりも油性物質のしみ出しが
少なく、引火性や火災時の延焼性が著しく低減された安
全性の高い蓄熱剤を得ることができる。加えて、上記吸
油性樹脂における油性物質の平衡吸収倍率が3g/g以
上であるため、該吸油性樹脂を用いた蓄熱剤は、その潜
熱量をより高くすることができるので、蓄熱効率に優れ
た蓄熱剤を得ることができる。
【0097】加えて、上記蓄熱剤を用いた蓄熱装置また
は蓄熱材は、蓄熱効率が良く、安全性にも優れたものと
なる。
【0098】さらに、上記製造方法によれば、油性ゲル
体の連続体形成時に、該連続体が上記容器内において互
いに密接して形成され易くなるため、蓄熱剤内部に気泡
が介在し難くなる。このため、得られる蓄熱剤としての
油性ゲル体において、冷却或いは加温のための装置にお
ける伝熱面への密着性が良好となり、伝熱性に優れた蓄
熱材を得ることができる。
【0099】本発明の蓄熱剤および蓄熱装置並びに蓄熱
材は、ビルの空調用、給湯設備、食品工場や化学工場の
保温や保冷、床暖房や壁暖房の建材用、保温や保冷の輸
送システム、太陽熱コレクター等、幅広い分野に利用す
ることができる。
【0100】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。また、蓄熱材中のペンタデカン
の凍結率は下記の算出式により算出した。 ペンタデカン凍結率(%)=(A−S)/(A−B)×
100 A;塩化ビニルと蓄熱剤との顕熱により到達する理論最
低温度(℃) B;塩化ビニルと蓄熱剤との顕熱およびペンタデカンが
100%凍結すると仮定した場合の融解潜熱の合計によ
り到達する理論最低温度(℃) S;実測最低到達温度(℃) 尚、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」
を示している。
【0101】〔実施例1〕温度計およびガス導入管を備
えた10cm×10cm×1cmのトレイ状のガラス製
注型重合用型に、単量体(A)としてのイソブチルメタ
クリレート(SP値;7.5)59.762部およびス
テアリルアクリレート(SP値;7.9)39.842
部と、架橋性単量体としての1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート0.396部と、重合開始剤としての
2,2’−アゾビスジメチルバレロニトリル0.1部と
からなる混合溶液を注入した。次に、該混合溶液を窒素
ガス気流下で50℃に昇温した後、該温度で2時間保持
し、その後さらに80℃に昇温して2時間保持すること
により、重合反応を行った。
【0102】反応終了後、放冷し、得られたゲル状物を
型から剥離させることにより、吸油性樹脂を得た。得ら
れた吸油性樹脂20部を、油性物質としてのペンタデカ
ン(凝固点;10℃)80部に60℃で48時間浸漬さ
せることにより、該吸油性樹脂にペンタデカンを吸収・
膨潤させて、蓄熱剤(以下、蓄熱剤(1)と記す)とし
ての油性ゲル体を得た。
【0103】次に、該蓄熱剤(1)200gを透明ガラ
ス製容器に充填して恒温槽内に投入し、2℃×8時間お
よび30℃×8時間を1セットとするタイムプログラム
によりペンタデカンの凍結融解を20回繰り返した後、
蓄熱剤(1)からのペンタデカンの分離の有無を目視に
より確認した。この結果を表1に示す。
【0104】〔実施例2〕温度計、撹拌機、ガス導入管
および還流冷却器を備えた500mlフラスコに、保護
コロイド剤としてのゼラチン3部を水300部に溶解し
て仕込んだ。次に、このフラスコ内を窒素置換し、フラ
スコ内の水溶液を窒素気流下で撹拌しながら40℃に昇
温した。一方、単量体(A)としてのドデシルアクリレ
ート(SP値;7.9)99.823部、架橋性単量体
としてのエチレングリコールジアクリレート0.177
部、および重合開始剤としてのベンゾイルパーオキシド
0.5部を混合することにより混合溶液を調製した。そ
の後、上記フラスコ内に該混合溶液を一度に加え、40
0rpmで撹拌することにより、均一溶液とした。次い
で、フラスコ内の温度を80℃に昇温し、該温度で2時
間撹拌し、その後さらに90℃に昇温して2時間撹拌す
ることにより、重合反応を行った。
【0105】反応終了後、得られた粒状の反応生成物を
濾別し、水で洗浄した後、60℃で乾燥させることによ
り粒径100μm〜1000μmの吸油性樹脂を得た。
得られた吸油性樹脂10部をペンタデカン90部に常温
で2時間浸漬させることにより、該吸油性樹脂にペンタ
デカンを吸収・膨張させて、蓄熱剤(以下、蓄熱剤
(2)と記す)としての油性ゲル体を得た。
【0106】次に、該蓄熱剤(2)を用いて、実施例1
と同様の方法により蓄熱剤(2)からのペンタデカンの
分離の有無を目視により確認した。この結果を表1に示
す。
【0107】〔実施例3〕実施例1で得られた蓄熱剤
(1)150gを、1辺3mmの立方体状に裁断した
後、水不溶性化合物としての炭酸カルシウム50g中に
加えて1分間緩やかに混合することにより、単位容積
0.027cm3 以上の油性ゲル体の連続相を有する蓄
熱剤(以下、蓄熱剤(3)と記す)を得た。
【0108】次に、該蓄熱剤(3)を用いて、実施例1
と同様の方法により蓄熱剤(3)からのペンタデカンの
分離の有無を目視により確認した。この結果を表1に示
す。
【0109】〔実施例4〕平均粒径約500μmのポリ
ノルボルネン系粒状吸油性樹脂(フランス CdFChemie社
製、商品名ノーソレックス)20部をペンタデカン80
部に常温で2時間浸漬させることにより、該吸油性樹脂
にペンタデカンを吸収、膨潤させて蓄熱剤(以下、蓄熱
剤(4)と記す)としての油性ゲル体を得た。
【0110】次に、該蓄熱剤(4)を用いて、実施例1
と同様の方法により蓄熱剤(4)からのペンタデカンの
分離の有無を目視により確認した。この結果を表1に示
す。
【0111】〔実施例5〕実施例2で得られた粒状の吸
油性樹脂20部を、油性物質としてのパラフィンワック
ス( 日本精蝋株式会社製;品番 130、凝固点;55
℃) 80部に80℃で24時間浸漬させることにより、
該吸油性樹脂にパラフィンワックスを吸収、膨張させて
蓄熱剤( 以下蓄熱剤(5)と記す) としての油性ゲル体
を得た。
【0112】次に、該蓄熱剤(5)200gを透明ガラ
ス製容器に充填して恒温槽内に投入し、40℃×8時間
および70℃×8時間を1セットとするタイムプログラ
ムによりパラフィンワックスの凍結融解を20回繰り返
した後、蓄熱剤(5)からのパラフィンワックスの分離
の有無を目視により確認した。この結果を表1に示す。
【0113】〔比較例1〕実施例2と同様のフラスコに
ペンタデカン180gを仕込み、窒素気流下で撹拌しな
がら90℃に昇温した。このフラスコ内に、ゲル化剤と
しての12−ヒドロキシステアリン酸20gを加え、3
00rpmで5分間撹拌した後、冷却することにより、吸
油性樹脂を用いない比較用の蓄熱剤(以下、蓄熱剤
(6)と記す)を得た。
【0114】次に、該蓄熱剤(6)を用いて、実施例1
と同様の方法により蓄熱剤(6)からのペンタデカンの
分離の有無を目視により確認した。この結果を表1に示
す。
【0115】〔比較例2〕実施例2と同様のフラスコに
ペンタデカン180gを仕込み、窒素気流下で撹拌しな
がら140℃に昇温した。このフラスコ内に、アミノ酸
系油ゲル化剤(味の素株式会社製;商品名 GP−1)
20gを加え、300rpmで2時間撹拌した後、冷却す
ることにより、吸油性樹脂を用いない比較用の蓄熱剤
(以下、蓄熱剤(7)と記す)を得た。
【0116】次に、該蓄熱剤(7)を用いて、実施例1
と同様の方法により蓄熱剤(7)からのペンタデカンの
分離の有無を目視により確認した。この結果を表1に示
す。
【0117】
【表1】
【0118】〔実施例6〕実施例3で得られた蓄熱剤
(3)を、直径4cm、高さ25cmのポリ塩化ビニル
製円筒状パイプに充填し、その両端に塩化ビニル製の栓
を装着することにより蓄熱材(以下、蓄熱材(I)と記
す)を得た。
【0119】次に、この蓄熱材(I)を、7℃に保たれ
た蓄熱水槽に5時間浸漬した。次いで、予め30℃の水
600mlを入れたデュワー瓶に該蓄熱材(I)を入れ
てデュワー瓶内の水温の最低到達温度を測定し、前述の
算出式に基づいてペンタデカンの凍結率を算出した。こ
の結果を表2に示す。
【0120】〔実施例7〕実施例2で得られた蓄熱剤
(2)200gを実施例6で用いたポリ塩化ビニル製円
筒状パイプと同様の容器に充填することにより単位容積
約260cm3 の油性ゲル体の連続相を有する蓄熱材
(以下、蓄熱材(II)と記す)を得た。
【0121】次に、該蓄熱材(II)を用いて、実施例6
と同様の方法により蓄熱材(II)中のペンタデカンの凍
結率を算出した。この結果を表2に示す。
【0122】〔実施例8〕実施例2で得られた蓄熱剤
(2)140g中に、予め水59gを吸水性樹脂(株式
会社日本触媒製;商品名 アクアリックCA)1gに吸
収させて得た水性ゲル体を添加し、1分間緩やかに混合
することにより単位容積約180cm3 の油性ゲル体の
連続相中に水性ゲル体が分散した構造を有する蓄熱剤
(以下、蓄熱剤(8)と記す)を得た。
【0123】その後、該蓄熱剤(8)を実施例6で用い
たポリ塩化ビニル製円筒状パイプと同様の容器に充填す
ることにより蓄熱材(以下、蓄熱材(III) と記す)を得
た。
【0124】次に、該蓄熱材(III) を用いて、実施例6
と同様の方法により蓄熱材(III) 中のペンタデカンの凍
結率を算出した。この結果を表2に示す。
【0125】〔実施例9〕実施例2で得られた粒状の吸
油性樹脂10部、油性物質としてのペンタデカン70
部、および不燃性物質としての炭酸カルシウム20部を
1分間緩やかに混合して流動性のあるスラリーを得た。
次いで、このスラリー200gを、下部にポリ塩化ビニ
ル製の蓋を融着した直径4cm、高さ25cmのポリ塩
化ビニル製円筒状パイプからなる容器に流動性のある状
態で充填した。その後、容器の上部にポリ塩化ビニル製
の蓋を融着し、10分間静置することにより、流動性の
ない、単位容積約204cm3 の油性ゲル体の連続相を
有する蓄熱材(以下、蓄熱材(IV)と記す)を得た。
【0126】次に、該蓄熱材(IV)を用いて、実施例6と
同様の方法により蓄熱材(IV)中のペンタデカンの凍結率
を算出した。この結果を表2に示す。
【0127】〔比較例3〕界面活性剤としてのポリオキ
シエチレンアルキルエーテル(株式会社日本触媒製;商
品名 ソフタノール120)1.5部およびλ−カラギ
ーナン4.0gを水150g中に溶解させた水溶液を8
0℃に昇温した後、不燃性物質としての塩化カリウム
0.3gを加えて75℃で10分間混合した。次いで、
この水溶液を55℃まで冷却した後、実施例2で得られ
た蓄熱剤(2)100gを混合して均一分散させ、さら
に冷水で急冷することにより油性ゲル体が単位容積0.
005cm3 以下に微分散した構造を有する比較用の蓄
熱剤(9)を得た。
【0128】その後、該蓄熱剤(9)を実施例6で用い
たポリ塩化ビニル製円筒状パイプと同様の容器に充填す
ることにより蓄熱材(以下、蓄熱材(V)と記す)を得
た。
【0129】次に、該蓄熱材(V)を用いて、実施例6
と同様の方法により蓄熱材(V)中のペンタデカンの凍
結率を算出した。この結果を表2に示す。
【0130】
【表2】
【0131】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本実施例で得られた蓄熱剤は、油性物質の分離が全
く起こらないか、分離が起こっても、ごく僅かである。
【0132】特に、本発明の蓄熱剤では、吸油性樹脂が
粒状の油性ゲル体となっている場合、図1に示すよう
に、蓄熱剤2は、粒状の油性ゲル体1…が個々の界面を
有したまま相互に接触している状態となっている。この
ため、蓄熱剤2には、粒状油性ゲル体1…同士の間に常
に空隙が保持されている。この空隙によって、油性物質
の凍結融解時における容積変化が緩和され、該油性物質
が上記油性ゲル体1…からしみ出すことは抑制される。
【0133】また、上記粒状の吸油性樹脂を油性物質と
混合した後、流動性を有する状態で容器に充填して蓄熱
材を製造する方法を用いると、上記吸油性樹脂が油性物
質を吸収して粒状の油性ゲル体となり、該油性ゲル体が
相互に接触しあって流動性の低下した状態、好ましく
は、流動性の無い状態の蓄熱剤となる。この蓄熱剤はそ
の内部や伝熱面付近に気泡の発生が少ないため、伝熱性
により優れたものとなる。
【0134】従って、該蓄熱剤は、油性物質のしみ出し
や流動化を防ぐことができることが判る。また、該蓄熱
剤を用いた蓄熱材は、従来の蓄熱材と比較して凍結率が
著しく高いことから、本実施例にかかる蓄熱材は、従来
の蓄熱材よりも蓄熱効率に優れていることが判る。
【0135】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の蓄熱剤は、以上
のように、吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを含
む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積が
0.01cm3 以上である構成である。
【0136】本発明の請求項2記載の蓄熱剤は、以上の
ように、請求項1記載の蓄熱剤において、上記油性物質
が、液相と固相との相変換により蓄熱性を有する化合物
である構成である。
【0137】本発明の請求項3記載の蓄熱剤は、以上の
ように、粒状の吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質と
を含む粒状の油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体
が、個々の界面を有したまま相互に接触しているもので
ある構成である。
【0138】本発明の請求項4記載の蓄熱剤は、以上の
ように、請求項1、2または3記載の蓄熱剤において、
上記吸油性樹脂が懸濁重合または懸濁重縮合により得ら
れるものである構成である。
【0139】本発明の請求項5記載の蓄熱剤は、以上の
ように、ペンタデカンに対する25℃における平衡吸収
倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性
物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の
単位容積が0.01cm3 以上である構成である。
【0140】本発明の請求項6記載の蓄熱剤は、以上の
ように、蓄熱性を有する油性物質の融点をX℃とする
と、(X+10)℃における該油性物質に対する平衡吸
収倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と該吸油性物質とを
含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積
が0.01cm3 以上である構成である。
【0141】本発明の請求項7記載の蓄熱装置は、以上
のように、請求項1〜6の少なくとも何れか1項に記載
の蓄熱剤を有する構成である。
【0142】本発明の請求項8記載の蓄熱材は、以上の
ように、請求項1〜6の少なくとも何れか1項に記載の
蓄熱剤を容器に充填してなる構成である。
【0143】請求項9記載の発明の蓄熱材の製造方法
は、以上のように、吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物
質とを混合した後、該混合物を、流動性を有する状態で
容器に充填し、該容器内でゲル化させて流動性が低下し
た状態する方法である。
【0144】上記構成によれば、油性物質の過冷却が生
じないため、蓄熱効率の高い蓄熱剤を得ることができ
る。また、油性ゲル体が、吸油性樹脂と蓄熱性を有する
油性物質とを有しているため、上記油性物質は油性ゲル
体からの分離が全く起こらないか、分離が起こっても、
ごく僅かである。このため、該蓄熱剤は、油性物質が液
状化した場合、あるいは、油性ゲル体から油性物質が分
離した場合における油性物質のしみ出しや流動化が無
く、引火性や火災時の延焼性が著しく低減された安全性
が高いものとなっている。加えて、油性物質の過冷却が
無く、液相から固相への相変化が短時間に行われるため
蓄熱効率が従来と比較して極めて高い蓄熱剤を得ること
ができる。
【0145】また、該蓄熱剤は、油性ゲル体が粒状、よ
り好ましくは球状を維持するため、油性物質の凍結融解
時における容積変化が緩和され、該油性物質の上記油性
ゲル体からのしみ出しが抑制される。また、上記蓄熱剤
が、粒状の油性ゲル体の集合体(連続体)であることか
ら、たとえ、上記蓄熱剤を構成する1個の油性ゲル体か
ら油性物質がしみ出したとしても、該油性ゲル体に隣接
する他の油性ゲル体によってしみ出した油性物質が吸収
されるので、蓄熱剤からの油性物質のしみ出しは抑えら
れる。加えて、互いに、隣接する油性ゲル体によって空
隙が形成されていることから、過冷却が抑えられると共
に、各種添加剤を均一に添加することができる。
【0146】さらに、該蓄熱剤は、比較的低い温度で油
性物質を含浸することができることから、比較的低い温
度で前記油性ゲル体、つまり、本発明にかかる蓄熱剤を
製造することができると共に、油性ゲル体からの油性物
質の分離が防止され、従来よりも油性物質のしみ出しが
少なく、引火性や火災時の延焼性が著しく低減された安
全性の高い蓄熱剤を得ることができる。加えて、上記吸
油性樹脂における油性物質の平衡吸収倍率が3g/g以
上であるため、該吸油性樹脂を用いた蓄熱剤は、その潜
熱量をより高くすることができるので、蓄熱効率に優れ
た蓄熱剤を得ることができる。
【0147】加えて、上記蓄熱剤を用いた蓄熱装置また
は蓄熱材は、蓄熱効率が良く、安全性にも優れたものと
なる。
【0148】さらに、上記製造方法によれば、油性ゲル
体の連続体形成時に、該連続体が上記容器内において互
いに密接して形成され易くなるため、蓄熱剤内部に気泡
が介在し難くなる。このため、得られる蓄熱剤としての
油性ゲル体において、冷却或いは加温のための装置にお
ける伝熱面への密着性が良好となり、伝熱性に優れた蓄
熱材を得ることができる。
【0149】本発明の蓄熱剤および蓄熱装置並びに蓄熱
材は、ビルの空調用、給湯設備、食品工場や化学工場の
保温や保冷、床暖房や壁暖房の建材用、保温や保冷の輸
送システム、太陽熱コレクター等、幅広い分野に利用す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である蓄熱剤を示す模式
図である。
【図2】従来の蓄熱剤を示す模式図である。
【符号の説明】
1 粒状油性ゲル体 2 蓄熱剤

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを
    含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積
    が0.01cm3 以上であることを特徴とする蓄熱剤。
  2. 【請求項2】上記油性物質が、液相と固相との相変換に
    より蓄熱性を有する化合物であることを特徴とする請求
    項1記載の蓄熱剤。
  3. 【請求項3】粒状の吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物
    質とを含む粒状の油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル
    体が、個々の界面を有したまま相互に接触しているもの
    であることを特徴とする蓄熱剤。
  4. 【請求項4】上記吸油性樹脂が懸濁重合または懸濁重縮
    合により得られるものであることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の蓄熱剤。
  5. 【請求項5】ペンタデカンに対する25℃における平衡
    吸収倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と蓄熱性を有する
    油性物質とを含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル
    体の単位容積が0.01cm3 以上であることを特徴と
    する蓄熱剤。
  6. 【請求項6】蓄熱性を有する油性物質の融点をX℃とす
    ると、(X+10)℃における該油性物質に対する平衡
    吸収倍率が3g/g以上の吸油性樹脂と該油性物質とを
    含む油性ゲル体を有し、かつ、該油性ゲル体の単位容積
    が0.01cm3 以上であることを特徴とする蓄熱剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の少なくとも何れか1項に記
    載の蓄熱剤を有することを特徴とする蓄熱装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の少なくとも何れか1項に記
    載の蓄熱剤を容器に充填してなることを特徴とする蓄熱
    材。
  9. 【請求項9】吸油性樹脂と蓄熱性を有する油性物質とを
    混合した後、該混合物を、流動性を有する状態で容器に
    充填し、該容器内でゲル化させて流動性が低下した状態
    にすることを特徴とする蓄熱材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114960349A (zh) * 2022-04-13 2022-08-30 周海维 一种具有高混合度的沥青混凝土制备工艺

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