JPH09309825A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JPH09309825A
JPH09309825A JP12492196A JP12492196A JPH09309825A JP H09309825 A JPH09309825 A JP H09309825A JP 12492196 A JP12492196 A JP 12492196A JP 12492196 A JP12492196 A JP 12492196A JP H09309825 A JPH09309825 A JP H09309825A
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JP
Japan
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examples
hydrochloride
drug
patch
adhesive layer
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Pending
Application number
JP12492196A
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English (en)
Inventor
Katsuya Togawa
勝也 戸川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着基剤中からの薬物の放出性及び皮膚移行
性に優れ、かつ、皮膚刺激を生じない貼付剤を提供す
る。 【解決手段】 薬物を含有する粘着剤層と支持体とから
なる貼付剤であって、上記粘着剤層中に、吸収促進剤と
して、下記一般式(1)で表されるイソプレノイド骨格
を有する化合物を含有することを特徴とする貼付剤。 式中、Xは、OH、OCOR、COOH、COOR、N
2 、NHCOR、SO3 H、SO3 R、OPO
3 2 、OP(OR)(OH)2 、OP(OR)2 OH
又はOP(OR)3 (Rは、炭素数1〜10のアルキル
基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬物の放出性及び
皮膚移行性に優れた貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】貼付剤は、皮膚、粘膜等の生体膜に貼付
することにより、生体膜を通して薬物を生体内循環系へ
投与する経皮吸収型の製剤である。しかし、皮膚等の生
体膜には異物の吸収を妨げる働きがあるので、薬効を発
現するのに充分な量の薬物を吸収させることが困難であ
った。貼付剤から皮膚への薬物の吸収率を増加させるた
めには、皮膚に作用して薬物の吸収を高める吸収促進剤
を添加する方法が有効であり、様々な吸収促進剤が提案
されている。
【0003】特開昭58−79918号公報には、アク
リル系粘着剤、インドメタシン、並びに、吸収促進剤と
してポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類のうち少なく
とも1種を配合した消炎鎮痛貼付剤が開示されている。
【0004】特開昭64−56622号公報には、吸収
促進剤として酸化エチレン付加モル数が20以下である
酸化エチレン付加型非イオン界面活性剤を含有する経皮
吸収促進基剤組成物が開示されている。
【0005】特表昭62−502965号公報には、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル系
ポリマー、及び、ニトログリセリンからなる感圧接着剤
に、吸収促進剤として炭素数が16〜24である脂肪酸
エステル1〜30重量%、及び、グリセリルモノラウレ
ート0.2〜5重量%を配合したニトログリセリン含有
貼付剤が開示されている。
【0006】しかし、これらの製剤に吸収促進剤として
用いられている界面活性剤や脂肪酸エステルは、その吸
収促進効果が充分でなく、また、皮膚への刺激を生じる
等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、粘着剤層中からの薬物の放出性及び皮膚移行性に優
れ、かつ、皮膚刺激を生じない貼付剤を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、薬物を含有す
る粘着剤層と支持体とからなる貼付剤であって、上記粘
着剤層中に、吸収促進剤として、下記一般式(1)で表
されるイソプレノイド骨格を有する化合物を含有するこ
とを特徴とする貼付剤である。
【化2】
【0009】式中、Xは、OH、OCOR、COOH、
COOR、NH2 、NHCOR、SO3 H、SO3 R、
OPO3 2 、OP(OR)(OH)2 、OP(OR)
2 OH又はOP(OR)3 (Rは、炭素数1〜10のア
ルキル基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表
す。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の貼付剤は、薬物を含有する粘着剤
層と支持体とからなる。本発明の貼付剤は、上記粘着剤
層中に、吸収促進剤として、上記一般式(1)で表され
るイソプレノイド骨格を有する化合物を含有する。上記
一般式(1)中、Rとしては、例えば、メチル、エチ
ル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙
げられる。上記一般式(1)で表されるイソプレノイド
骨格を有する化合物としては特に限定されないが、イソ
プレノイド骨格がフィチル基又はフィタニル基であるこ
とが好ましく、例えば、フィトール、フィタノール;フ
ィチルアルキルエステル、フィタニルアルキルエステ
ル;フィトール又はフィタノールのカルボン酸置換体;
これらのカルボン酸エステル;フィチルアミン、フィタ
ニルアミン;フィチルアルキルアミド、フィタニルアル
キルアミド;フィチルスルホン酸、フィタニルスルホン
酸;フィチルスルホン酸アルキルエステル、フィタニル
スルホン酸アルキルエステル;フィチルリン酸、フィタ
ニルリン酸;フィチルリン酸アルキルエステル、フィタ
ニルリン酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0011】上記一般式(1)で表されるイソプレノイ
ド骨格を有する化合物の配合量は、粘着剤及び薬剤の種
類によって異なるが、粘着剤層の総重量に対して0.1
〜30重量%が好ましい。0.1重量%未満であると、
吸収促進効果が期待できず、30重量%を超えると、凝
集力の低下等、粘着物性に悪影響をもたらす可能性があ
る。より好ましくは1〜15重量%である。
【0012】上記イソプレノイド骨格を有する化合物
は、下記式に示したねじれ形配座と重なり形配座とのポ
テンシャルエネルギーの差が、枝分かれのない直鎖の脂
肪族化合物よりも小さいので、直鎖の脂肪族化合物に比
較して回転しやすい。本発明の貼付剤は、皮膚貼付時
に、上記一般式(1)で表されるイソプレノイド骨格を
有する化合物がその分子運動により薬物の通過経路を大
幅に増加させるので、貼付剤中からの薬物の放出性及び
皮膚移行性が高い。本発明の貼付剤は、吸収促進剤とし
て上記一般式(1)で表されるイソプレノイド骨格を有
する化合物を用いているので、低刺激性である。
【0013】
【化3】
【0014】本発明の貼付剤で用いられる粘着剤として
は、薬物を溶解することができ、かつ、常温で皮膚に対
して長時間固着し得る感圧接着性の重合体であれば特に
限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着
剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられるが、特に、アク
リル系粘着剤が好ましい。
【0015】上記アクリル系粘着剤としては、例えば、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は
共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその
他の官能性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0016】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオ
クチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等
が挙げられる。これらは単独重合体として用いてもよい
し、共重合体として用いてもよい。
【0017】上記その他の官能性モノマーとしては、例
えば、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有す
るモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有
するモノマー、ピロリドン環を有するモノマー等が挙げ
られる。上記水酸基を有するモノマーとしては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】上記カルボキシル基を有するモノマーとし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−
不飽和カルボン酸;マレイン酸ブチル等のマレイン酸モ
ノアルキルエステル;マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸等が挙げられる。無水マレイン酸を用いても同様の
(共)重合成分を得ることができる。
【0019】上記アミド基を有するモノマーとしては、
例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジ
エチルアクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルア
ミド;ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチル
アクリルアミド等のN−アルコキシ(メチル)アクリル
アミド;ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0020】上記アミノ基を有するモノマーとしては、
例えば、ジメチルアミノアクリレート等が挙げられる。
上記ピロリドン環を有するモノマーとしては、例えば、
ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0021】本発明の貼付剤で用いられる薬物として
は、経皮的に生体膜を透過しうる生理活性物質であれば
特に限定されず、例えば、全身麻酔剤、睡眠・鎮痛剤、
抗癲癇剤、解熱鎮痛消炎剤、ステロイド系抗炎症剤、興
奮剤・覚醒剤、鎮暈剤、精神神経用剤、局所麻酔剤、骨
格筋弛緩剤、自律神経用剤、鎮痙剤、抗パーキンソン
剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血
圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、動脈硬化用剤、呼
吸促進剤、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤、利胆剤、ホ
ルモン剤、泌尿生殖器及び肛門用剤、寄生性皮膚疾患用
剤、皮膚軟化剤、ビタミン剤、無機質製剤、止血剤、血
液凝固阻止剤、肝臓疾患用剤、習慣性中毒用剤、痛風治
療剤、糖尿病用剤、抗悪性腫傷剤、放射性医薬品、漢方
製剤、抗生物質、化学療法剤、駆虫剤・抗原虫剤、麻薬
等が挙げられる。
【0022】上記全身麻酔剤としては、例えば、チオペ
ンタールナトリウム、ペントバルビタールナトリウム等
が挙げられる。上記睡眠・鎮痛剤としては、例えば、ブ
ロムワレリル尿素、アモバルビタール、フェノバルビタ
ール等が挙げられる。上記抗癲癇剤としては、フェニト
インナトリウム等が挙げられる。
【0023】上記解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、ア
セトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジク
ロフェナックナトリウム、フルフェナム酸、アスピリ
ン、サリチル酸ナトリウム、アミノピリン、アルクロフ
ェナック、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプ
ロフェン、ケトプロフェン、アンフェナクナトリウム、
メピリゾール、インドメタシン、ペンタゾシン、ピロキ
シカム等が挙げられる。
【0024】上記ステロイド系抗炎症剤としては、例え
ば、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタ
ゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン等が挙げられる。
上記興奮剤・覚醒剤としては、例えば、塩酸メタンフェ
タミン等が挙げられる。
【0025】上記鎮暈剤としては、例えば、塩酸ジフェ
ニドール、メシル酸ベタヒスチン等が挙げられる。上記
精神神経用剤としては、例えば、塩酸クロルプロマジ
ン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミ
ン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム等が挙げられ
る。上記局所麻酔剤としては、例えば、アミノ安息香酸
エチル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブ
カイン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカイン
等が挙げられる。
【0026】上記骨格筋弛緩剤としては、例えば、塩酸
スキサメトニウム、塩酸エペリゾン等が挙げられる。上
記自律神経用剤としては、例えば、臭化ネオスチグミ
ン、塩化ベタネコール等が挙げられる。上記鎮痙剤とし
ては、例えば、臭化メチルアトロピン、スコポラミン等
が挙げられる。上記抗パーキンソン剤としては、例え
ば、塩酸アマンタジン等が挙げられる。
【0027】上記抗ヒスタミン剤としては、例えば、塩
酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミ
ン、プロメタジン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェ
ニルピラリン等が挙げられる。上記不整脈用剤として
は、例えば、塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、
塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、アテノ
ロール、ナドロール、酒石酸メトプロロール、アジマリ
ン、ジソピラミド、塩酸メキシレチン等が挙げられる。
【0028】上記利尿剤としては、例えば、ヒドロフル
メチアジド、イソソルビド、フロセミド等が挙げられ
る。上記血圧降下剤としては、例えば、塩酸エカラジ
ン、インダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロー
ル、塩酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベン
ズ、メブタメート、硫酸ベタニジン等が挙げられる。上
記血管収縮剤としては、例えば、塩酸フェニレフリン等
が挙げられる。上記血管拡張剤としては、例えば、塩酸
ジルチアゼム、四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソ
ソルビド、トラピジル、ニコランジル、ニトログリセリ
ン、乳酸プレニラミン、モルシドミン、亜硝酸アミル、
塩酸トラゾリン等が挙げられる。
【0029】上記呼吸促進剤としては、例えば、塩酸ロ
ベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等が挙げられ
る。上記鎮咳去痰剤としては、例えば、クエン酸カルベ
タペンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジ
ン、塩酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸
ノスカピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノー
ル、塩酸クロルプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、
塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレン
ブテロール、フマル酸ケトチフェン等が挙げられる。上
記消化性潰瘍治療剤としては、例えば、臭化グリコピロ
ニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチジ
ン、スピゾフロン等が挙げられる。
【0030】上記利胆剤としては、例えば、ウルソデス
オキシコール酸、オサルミド等が挙げられる。上記ホル
モン剤としては、例えば、プロピルチオウラシル、チア
マゾール、酢酸メテノロン、エストラジオール、エスト
リオール、プロゲステロン等が挙げられる。上記泌尿生
殖器及び肛門用剤としては、例えば、ヘキサミン、スパ
ルテイン、ジノプロスト、塩酸リトドリン等が挙げられ
る。
【0031】上記寄生性皮膚疾患用剤としては、例え
ば、サリチル酸、シクロピロクスオラミン、塩酸クロコ
ナゾール等が挙げられる。上記皮膚軟化剤としては、例
えば、尿素等が挙げられる。上記ビタミン剤としては、
例えば、カルシトリオール、塩酸チアミン、リン酸リボ
フラビンナトリウム、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ア
ミド、パンテノール、アスコルビン酸等が挙げられる。
上記無機質製剤としては、例えば、塩化カルシウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられる。
【0032】上記止血剤としては、例えば、エタンシラ
ート等が挙げられる。上記血液凝固阻止剤としては、例
えば、ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン等が挙
げられる。上記肝臓疾患用剤としては、例えば、チオプ
ロニン等が挙げられる。上記習慣性中毒用剤としては、
例えば、シアナミド等が挙げられる。上記通風治療剤と
しては、例えば、コルヒチン、プロベネシド、スルフィ
インピラゾン等が挙げられる。
【0033】上記糖尿病用剤としては、例えば、トルブ
タミド、クロルプロパミド、グリミジンナトリウム、グ
リブゾール、塩酸ブホルミン、インスリン等が挙げられ
る。上記抗悪性腫傷剤としては、例えば、シクロフォス
ファミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイ
シンC、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニ
ムスチン等が挙げられる。
【0034】上記抗生物質としては、例えば、ベンジル
ペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサ
シリンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカ
ンピリシン、カルベニシリンナトリウム、セファロリジ
ン、セフォキシチンナトリウム、エリスロマイシン、ク
ロラムフェニコール、テトラサイクリン、硫酸カナマイ
シン、サイクロセリン等が挙げられる。上記化学療法剤
としては、例えば、イソニアシド、ピラジナミド、エチ
オナミド等が挙げられる。上記麻薬としては、例えば、
塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペ
チジン等が挙げられる。
【0035】上記薬物の配合量は、薬物の種類、貼付剤
の使用目的等により異なるが、粘着剤層の総重量の0.
01〜50重量%の範囲が好ましい。上記薬物の配合量
は、この範囲内で上記粘着剤層の組成により適宜決めら
れる。
【0036】上記薬物の粘着剤層に対する飽和溶解度
は、粘着剤層の組成により変わるが、本発明の貼付剤
は、上記薬物をその飽和溶解度に可能なかぎり近い濃度
で粘着剤層中に相溶させ、結晶析出が起こらないように
することにより、薬物の高い放出性を得ることができ
る。ただし、粘着剤層中に薬物が過飽和量存在したり薬
物の結晶が析出していても、特に支障はない。
【0037】本発明の貼付剤で用いられる支持体は、柔
軟であり、かつ、貼付剤に自己支持性を付与し、粘着剤
層中の薬物の揮散及び移行を防止する役目を果たすもの
である。上記支持体の素材としては、例えば、酢酸セル
ロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EM
A)、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウム等が挙げられ
る。
【0038】上記支持体は、単層のシート又はフィル
ム、2枚以上の積層等として用いられる。アルミニウム
以外の素材は、織布又は不織布として用いてもよい。上
記支持体としては、皮膚面に対して追従性を有する素材
よりなるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート−ポリエステル不織布(PET/ポリエステル
不織布)、ポリエチレンテレフタレートとエチレン−酢
酸ビニル共重合体とのラミネートフィルム(PET/E
VA)、ポリエチレンテレフタレートとエチレン−メチ
ルアクリレート共重合体とのラミネートフィルム(PE
T/EMA)、ポリエチレンテレフタレートとエチレン
−ビニルアクリレート共重合体とのラミネートフィルム
等が挙げられるが、取り扱い性を考慮すると、特に、ポ
リエチレンテレフタレート−ポリエステル不織布(PE
T/ポリエステル不織布)が好ましい。
【0039】上記支持体の厚みは、500μm以下が好
ましい。500μmを超えると、取り扱い性、皮膚への
追従性等が劣る。より好ましくは5〜150μmであ
る。本発明の貼付剤は、使用時までその粘着剤層表面を
保護するために、通常はその貼付面に剥離紙を備えてい
る。上記剥離紙としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートのフィルムをシリコン処理してなるもの等が挙
げられる。上記剥離紙の厚みは、1000μm以下が好
ましい。1000μmを超えると、取り扱い性が劣る。
より好ましくは30〜200μmである。
【0040】本発明の貼付剤の製造方法において、上記
粘着剤層を形成する方法としては、通常の粘着テープの
製造方法を適用することができ、例えば、溶剤塗工法、
ホットメルト塗工法等が用いられる。
【0041】上記粘着剤層を溶剤塗工法で形成する場
合、薬物、吸収促進剤、及び必要に応じて加えられる添
加剤を適当な溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又
は分散液を支持体の片面に直接塗布・乾燥し、所要厚み
の粘着剤層を形成してもよいし、この溶液又は分散液を
保護用の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた粘着剤層
を支持体に密着させてもよい。
【0042】本発明の貼付剤における粘着剤層の厚み
は、使用目的により異なるが、通常、10〜200μm
の範囲である。10μm未満であると、必要量の薬物を
含有することができず、粘着性も不充分であり、200
μmを超えると、粘着剤層中の支持体付近に含有される
薬物が充分に拡散せず、薬物放出性が低下する。
【0043】本発明の貼付製剤は、薬物を経皮的又は経
粘膜的に体内循環器系へ投与するために、皮膚又は粘膜
の表面に直接貼付される。本発明の貼付剤は、皮膚又は
粘膜の疾患部の治療のために、皮膚又は粘膜の疾患部に
直接貼付して用いてもよい。本発明の貼付剤は、使用
後、皮膚から痛みなく簡単に剥離することができる。本
発明の貼付剤は、薬物の皮膚移行性が高いので、貼付剤
のサイズを縮小することができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0045】実施例1 オクチルアクリレート40重量%(80g)、エチルア
クリレート50重量%(100g)、及び、ビニルピロ
リドン10重量%(20g)をセパラブルフラスコに仕
込み、重合初期モノマー濃度が50重量%になるように
酢酸エチル200gを加えた。この溶液を窒素雰囲気
下、80℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロイ
ルの酢酸エチル溶液を逐次、少量ずつ添加し、32時間
重合し、粘着剤を得た。
【0046】上記粘着剤を固形分(酢酸エチルを乾燥さ
せた重合物)として84.5gはかり取り、硝酸イソソ
ルビド15.0g及びフィタニルアルコール0.5gを
加え、更にそれら全体の固形分が20重量%となるよう
に酢酸エチルを加えた。これをボールミルを用いて一晩
攪拌し、均一な塗液を得た。この塗液を厚み38μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン処理面
上に適量展開し、ナイフコーターを用いて、乾燥後の膏
体厚みが40μmになるように塗工した。これを60℃
の加熱雰囲気下で30分静置して溶媒を除去した。この
塗工したシートにポリエチレンテレフタレートとエチレ
ン−ビニルアクリレート共重合体とのラミネートフィル
ムをポリエチレンテレフタレート側が膏体に接するよう
にロ―ラーを用いてラミネートし、テープ状シートを得
た。
【0047】実施例2〜14及び比較例1〜10 表1に示した組成の割合で、実施例1と同様にしてテー
プ状シートを得た。
【0048】
【表1】
【0049】表1中、ISDNは、硝酸イソソルビド
を、AAPは、アセトアミノフェンを、INは、インド
メタシンを、Phy−OHは、3,7,11,15−テ
トラメチルヘキサデカノールを、Phy−OCOCH3
は、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシルア
セテートを、Phy−COOHは、3,7,11,15
−テトラメチルヘキサデカン酸を、Phy−COOCH
(CH3 2 は、3,7,11,15−テトラメチルヘ
キサデカン酸イソプロピルを、Phy−NH2 は、3,
7,11,15−テトラメチルヘキサデシルアミンを、
Phy−SO3 Naは、3,7,11,15−テトラメ
チルヘキサデシルスルホン酸ナトリウムを、Phy−O
PO3 2 は、3,7,11,15−テトラメチルヘキ
サデシルリン酸をそれぞれ表す。
【0050】評価 実施例1〜14及び比較例1〜10で得られたテープ状
シートについて以下の実験を行い、その性能を評価し
た。
【0051】(1)皮膚透過試験 フランツの拡散セルに、透過膜としてヘアレスマウスか
ら摘出した皮膚を用い、得られたテープ状シートを3.
14cm2 に打ち抜いたものをその皮膚に貼付し、透過
側に、NaH2 PO4 が5×10-4mol/L、Na2
HPO4 が2×10-4mol/L、NaClが1.5×
10-1mol/L及びゲンタマイシンが10ppm溶解
された水溶液にNaOHの1N水溶液を添加してpHを
7.2に調整したレセプター液を入れた。試験開始後2
4時間後にレセプター液をサンプリングし、液体クロマ
トグラフィーによりレセプター液中の薬物量を求めた。
薬物透過量を表2に示した。なお、比較例1における薬
物透過量をコントロールとし、対コントロール比をそれ
ぞれ示した。
【0052】
【表2】
【0053】(2)モルモット皮膚刺激試験 ハートレイ系モルモット(5週齢、雄性)腹部を、バリ
カン及びシェーバーで除毛処理し、翌日キズのない皮膚
上に面積3.14cm2 の円形に打ち抜いたテープサン
プルを貼付し、上からガーゼを当てた後に粘着性包帯で
固定した。0.5時間及び24時間後に剥離し、紅斑の
強度をドレイツ法により判定した。n=6で平均値をと
った。結果を表3に示した。なお、比較例1における皮
膚刺激をコントロールとし、対コントロール比をそれぞ
れ示した。 0:紅斑なし 1:かろうじて識別できる軽度の紅斑 2:明らかな紅斑 3:中程度の紅斑 4:深紅色の強い紅斑
【0054】
【表3】
【0055】イソプレノイド骨格を有する化合物を吸収
促進剤として5重量%含有させた貼付剤は、未添加のも
のと比較して2.9〜4.0倍の薬物透過量を示した。
また、対応する鎖長の直鎖化合物に比較しても効果的に
薬物吸収を促進することが明らかとなった。皮膚低刺激
の面でも、イソプレノイド骨格を有する化合物を吸収促
進剤として含有する貼付剤は、未添加のものと同等かそ
れ以下であり、直鎖状のものよりも優れている。
【0056】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、上述のとおりである
ので、粘着剤層中からの薬物の放出性及び皮膚移行性に
優れ、かつ、皮膚刺激を生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/12 A61K 47/12 47/14 47/14 47/16 47/16 E 47/18 47/18 E 47/20 47/20 E 47/24 47/24 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物を含有する粘着剤層と支持体とから
    なる貼付剤であって、前記粘着剤層中に、吸収促進剤と
    して、下記一般式(1)で表されるイソプレノイド骨格
    を有する化合物を含有することを特徴とする貼付剤。 【化1】 式中、Xは、OH、OCOR、COOH、COOR、N
    2 、NHCOR、SO3 H、SO3 R、OPO
    3 2 、OP(OR)(OH)2 、OP(OR)2 OH
    又はOP(OR)3 (Rは、炭素数1〜10のアルキル
    基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。
  2. 【請求項2】 イソプレノイド骨格が、フィチル基又は
    フィタニル基である請求項1記載の貼付剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011074567A1 (ja) * 2009-12-15 2011-06-23 帝國製薬株式会社 塩基性消炎鎮痛剤含有経皮吸収製剤

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JPWO2011074567A1 (ja) * 2009-12-15 2013-04-25 帝國製薬株式会社 塩基性消炎鎮痛剤含有経皮吸収製剤
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