JPH09309130A - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JPH09309130A
JPH09309130A JP2336897A JP2336897A JPH09309130A JP H09309130 A JPH09309130 A JP H09309130A JP 2336897 A JP2336897 A JP 2336897A JP 2336897 A JP2336897 A JP 2336897A JP H09309130 A JPH09309130 A JP H09309130A
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却凝固時の体積収縮により樹脂の内部に発
生する負圧を利用してボイドを成長させ、ヒケ,ソリ等
の欠陥がない樹脂成形品を得る。 【解決手段】 この射出成形用金型は、製造される樹脂
成形品の形状に対応した厚肉部及び薄肉部をもつキャビ
ィティ14を備え、厚肉部又はその近傍に尖鋭先端部2
1をもつボイド挿入ピン20が固定配置されている。ボ
イド挿入ピン20の周面に長手方向に沿って形成された
加圧ガス導入路(空間部22,23)を介し、尖鋭先端
部21の近傍に生じている樹脂スキン層51を突き破る
圧力で加圧ガスが送り込まれ、樹脂50の内部にボイド
核52となる気泡が導入される。 【効果】 樹脂50が冷却凝固するときの体積収縮を吸
収しながらボイド核52がボイドに成長するため、得ら
れる樹脂成形品の表面にヒケ,ソリ等の欠陥が発生しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収縮に起因したヒケ,
ソリ等の欠陥を表面に形成することなく、肉厚が異なる
熱可塑性樹脂成形品を射出成形するのに適した射出成形
用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】厚肉部及び薄肉部を持つ熱可塑性樹脂成
形品を射出成形法で製造するとき、金型に充填された樹
脂が冷却・固化する過程では厚肉部が最終的に凝固す
る。そのため、樹脂の体積収縮が厚肉部に集中し、厚肉
部の表面にヒケ等が発生しがちになる。成形品の商品価
値は、ヒケ,ソリ等(以下、これをヒケで代表させて説
明する)の発生により著しく低下する。従来の射出成形
法では、前記体積収縮を補うため樹脂の射出充填完了直
後に保圧工程を設け、キャビティ内の溶融樹脂にヒケを
防止するための圧力を作用させている。しかし、製品形
状が複雑になるとゲートシールが先行し、十分な保圧が
かけられず、満足な外観を持った製品が得られない。
【0003】ヒケの発生を抑制する手段として、たとえ
ば特公昭61−53208号公報、特開昭63−268
611号公報、特開昭64−63122号公報等で、樹
脂流路を通じて高圧ガスをキャビティに送り込み、中空
化したガス流路を介して保圧をかけ、表面欠陥の発生を
抑制することが紹介されている。しかし、複雑な形状を
持つ成形品を製造する場合、必要な中空化が十分に行わ
れずにヒケを生じたり、ガス流路が溶融樹脂のフローリ
ーダーとなって、エアートラップや激しいフローマーク
等の表面欠陥を生じ易い。極端な場合、高圧ガスが表層
の樹脂層を突き破り、成形が困難になることもある。そ
のため、適用可能な形状に制約が加わり、実用的な対策
ではない。また、高圧ガス自体の取り扱いも容易ではな
い。樹脂を充填した後で成形品の裏面側から厚肉部を加
圧することも知られている。加圧手段としては、金型の
一部を可動にし、油圧又は空圧で加圧したり、或いは特
公昭61−9126号公報のように厚肉部背面をガス体
で加圧したりする方式がある。しかし前者の場合、金型
構造が複雑になったり、成形機が特殊になる等、汎用性
が乏しくなる。後者の場合は、成形品の裏面に不定形の
ヒケが生じてしまい、商品価値を著しく損なう等の別の
欠陥が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セットアッ
プ性が高いポリカーボネイト、PMMA等の樹脂では、
表面層の冷却・固化が速い条件下で射出成形するとき、
表面層に発現した強度が樹脂の体積収縮力を上回る。そ
のため、表面層が変形することなく、厚肉部の内部にボ
イドと呼ばれる空洞が生じる。この場合、厚肉部の表面
にはヒケ等の欠陥が発生しない。このボイド現象は、一
般的に成形品の強度を低下させる欠陥とされている。し
かし、ボイド現象を積極的にヒケ発生防止に活用するこ
とが、特公平2−13886号公報に紹介されている。
すなわち、成形品にヒケが発生し易い個所の裏面側に相
当する型内面からキャビティに達するヒケ制御部材を設
け、ヒケ制御部材の先端部周辺にボイドを発生させるこ
とにより、ヒケの発生を防止している。この方法は、簡
単な手段でヒケを防止できることから有効な方法であ
る。
【0005】しかし、Plastic Year Bo
ok(1974) P.115,「プラスチツクガイド
/成形加工編」等の文献で報告されているように、ボイ
ドを発生させるためには、金型が冷却困難な部分をもっ
ていること、すなわちヒケ制御部材が熱容量の大きい材
質で作られ且つより高温に保持されることが要求され
る。そのため、ヒケ制御部材の小型化が難しく、ヒケ制
御部材の組込み個所に制約が生じ、高温に安定保持出来
ない等の問題が生じる。その結果、成形品全体の厚肉部
を確実にヒケ防止することが困難である。また、ヒケの
発生し易い個所は、成形条件に大きく影響され、同一成
形品でもヒケ発生個所が一定せず、成形サイクル毎に変
動するので位置の特定が困難である。しかも、厚肉部の
形状やサイズによっても変動を受け易い。また、ポリア
セタール等の樹脂では成形収縮分を補填する程に十分ボ
イドが発達せず、成形品表面のヒケを充分に防ぐことが
出来ない。
【0006】また、特公昭48−41264号公報は、
金型キャビティ内にノズルが往復移動機構で突出され、
樹脂が固化する前にガスをノズルの軸心に形成された通
路を通り、ノズルの先端から高圧でキャビティ内の樹脂
の中に注入する射出成形法を開示している。しかしなが
らこの方法は、高圧ガスを使用しているので好ましいボ
イドを形成するように圧力を制御するのは困難である。
更には、ノズルは固化した樹脂の収縮力により把持され
ている。したがって、ノズルは機械的に往復移動機構を
利用しない限り樹脂成形品を金型キャビティから円滑に
抜き出すことができない。そのため、その設置位置や数
量も制限を受けることになる。本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、ボイド挿入ピン
の先端部近傍にある溶融樹脂中にボイドを確実に且つ強
制的に誘発させる機能をもつボイド挿入ピンを金型の適
切な位置に設けることにより、肉厚が著しく異なるもの
にあっても優れた表面性状をもつ熱可塑性樹脂成形品を
得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の射出成形用金型
は、その目的を達成するため、製造される樹脂成形品の
形状に対応した厚肉部及び薄肉部をもつキャビィティを
備えた金型と、厚肉部又はその近傍に先端が突出して固
定配置されたボイド挿入ピンと、該ボイド挿入ピンの長
手方向に沿って周面に形成され、該ピンの先端近傍に生
じている樹脂スキン層を突き破る圧力で加圧ガスを送り
込む加圧ガス導入路とを備え、前記ボイド挿入ピンの先
端が尖っていることを特徴とする。ボイド挿入ピンは、
厚肉部の大きさに応じて単数又は複数を配置する。ボイ
ド挿入ピンの周囲に形成される加圧ガス導入路は加圧ガ
ス供給路を介して加圧ガス供給源に連なっており、加圧
ガス導入路を介してボイドを大気に連通させる切換え弁
が加圧ガス供給路に設けられている。
【0008】
【実施の形態】本発明が適用される射出成形用金型10
は、たとえば図1に示すように、固定型11及び可動型
12を型台13で支持している。固定型11と可動型1
2との間に、製造しようとする射出成形品の形状に対応
したキャビティ14が区画される。可動型12には、単
数又は複数のボイド挿入ピン20,20・・を組み込ん
でいる。ボイド挿入ピン20の設置位置は、ヒケやソリ
等の欠陥が発生し易い厚肉部又はその周辺部に設定され
る。また、ボイド挿入ピン20,20・・が組み込まれ
る位置で、可動型12の内面に隆起部16を形成してお
くことが好ましい。ボイド挿入ピン20は、円錐状の尖
鋭先端部21をもち、尖鋭先端部21が可動型12から
キャビティ14内に突出している。ボイド挿入ピン20
が組み込まれる可動型12には、図2に示すように嵌挿
孔30が形成されている。嵌挿孔30は、大径部31と
キャビティ14側に位置する小径部32とを備えてい
る。大径部31は、ボイド挿入ピン20の断面よりも大
きな径をもっており、ボイド挿入ピン20の側面との間
に環状の空間部22を形成している。小径部32は、ボ
イド挿入ピン20の断面よりも若干大きな径をもってお
り、ボイド挿入ピン20の側面との間に狭間隙の環状空
間部23を形成している。
【0009】空間部22は、加圧ガス導入路として働
き、加圧ガス供給路41を経て加圧ガス供給源40に接
続している(図1参照)。加圧ガス供給路41の途中に
は、加圧ガス供給源40からのガス圧を遮断して加圧ガ
ス供給路41を大気に開放する切換え弁42が設けられ
ている。環状空間部23は、空間部22及び加圧ガス供
給路41を介して加圧ガス供給源40又は大気に連通
し、ボイド挿入ピン20の傾斜周面24を経てキャビテ
ィ14内に連なっている。金型キャビティ14に溶融樹
脂50を射出充填し、保圧工程完了後、又は保圧工程を
省略した場合には射出充填直後に、キャビティ14に突
出するボイド挿入ピン20を介して加圧ガスを作用させ
る。加圧ガスは、ボイド挿入ピン20の先端に形成され
つつある樹脂スキン層51を突き破り、溶融樹脂50中
に微小気泡を挿入してボイド成長の核となるボイド核5
2を形成する。
【0010】ボイド挿入ピン20の尖鋭先端部21は、
可動型12の内面15から突出しており、金型10によ
る抜熱作用を受けにくい箇所に位置する。そのため、キ
ャビティ14に射出された溶融樹脂50が金型内面10
に接する部分から凝固を開始しても、尖鋭先端部21の
近傍にある樹脂50は、流動性が比較的高い状態にあ
る。すなわち、ボイド挿入ピン20の先端に形成されつ
つある樹脂スキン層51は、金型内面15に接触する箇
所で成長する樹脂凝固層55と比べると十分に軟らか
く、比較的低いガス圧で容易に破られる。なかでも、隆
起部16からボイド挿入ピン20をキャビティ14内に
突出させたものでは、金型10による抜熱作用の影響が
一層小さく、しかも尖鋭先端部21を金型内面15から
遠く位置させることができるため、樹脂スキン層51が
薄く、一層容易に突き破られる。また、樹脂の収縮力で
環状空間部23がシールされるため、エア漏れも防止さ
れる。ボイド核52が一旦形成された後では、加圧ガス
の作用を停止しても、ボイド核52に周囲の樹脂50の
冷却・固化に伴う体積収縮力が集中する。そのため、ボ
イド核52を種として、図3に示すようにボイド53が
発生する。他方、金型内面15に接する樹脂55は、固
定型11及び可動型12を介して抜熱され、冷却凝固さ
れる。冷却凝固に伴って樹脂50が収縮し、内部から金
型内面15に向かった収縮力が作用し、樹脂50の内部
が負圧状態になる。
【0011】ボイド53は、スキン層破断部54を介し
て環状空間部23,空間部22,加圧ガス供給路41を
経て加圧ガス供給源40又は大気に連通している。その
ため、樹脂50内部の負圧に応じた量のガス又は大気が
ボイド53に引き込まれる。すなわち、ボイド53は、
樹脂50の体積収縮を次々と吸収しながら、ヒケを防止
するのに充分な大きさにまで成長し続ける。これによ
り、ボイド挿入ピン20の周囲のみならず、厚肉部全体
にまでヒケ抑制作用が及んで行く。このとき、加圧ガス
の作用を継続すると、樹脂の体積収縮力と加圧ガスの圧
力が相乗し、ボイド53の成長が促進され、厚肉部ばか
りでなく周辺の薄肉部や隣接する厚肉部のヒケまでも抑
制することが可能となる。その結果、図4に示すように
リブ61等の厚肉部をもつ樹脂成形品60であっても、
平板部62のリブ61に対応する表面部63にヒケ等の
欠陥がない製品が得られる。ボイド挿入ピン20は尖鋭
先端部21を持っているので、加圧ガスの作用が先端に
集中してボイド核52の形成が促進され、任意の箇所に
ボイド53が発生する再現性も高くなる。
【0012】加圧ガスがボイド挿入ピン20の先端に形
成されつつある樹脂スキン層51を突き破る際に生じる
スキン層破断部54は、直径0.5mm前後のものが多
く、外観上ほとんど判別できない。そのため、製品60
の外観が損なわれることはない。ボイド挿入ピン20の
直径は、特に制限されるものではないが、強度を考慮す
ると1mm以上が必要であり、好ましくは1〜10m
m、より好ましくは1〜5mmが望ましい。ボイド挿入
ピン20の先端位置は、キャビテイ14内の厚肉部に入
り込んでいれば良く、必ずしも中心部にある必要はな
い。更に、ボイド挿入ピン20の設置位置も特に制限さ
れるものではなく、製品設計上、都合の良い箇所に設け
ることができ、厚肉部の端部に設置しても十分な効果が
得られる。この点、特公平2−13886号公報記載の
ヒケ制御部材のように熱容量を大きくしたり、ヒケの発
生し易い箇所を限定して設置する必要もないので、製品
設計上の自由度が比較にならないほど大きくなる。ま
た、ボイド挿入ピン20は、効果的に加圧ガスの作用を
先端部に集中する限り、特に円柱である必要はなく、形
状に関する自由度も比較的大きい。
【0013】使用する加圧ガスの圧力は、特公昭61−
53208号公報等で厚肉部の中空化に用いられている
高圧ガスの押圧力よりも遥かに低圧の5〜15kg/c
2と比較的低圧ですむ。ほとんどの場合、10kg/
cm2 以下の空気圧で充分であり、容易に加圧ガス源を
得ることができる。すなわち、特公昭57−14968
号,特公昭61−53208号公報等に述べられている
厚肉部の中空化に必要な150kg/cm2 にまで及ぶ
高圧窒素ガスを使用する必要が生じないので、特殊な設
備構成や操業条件は要求されず、一般の操業条件下でも
ヒケ発生がなく優れた表面性状を持つ成形品を容易に得
られ、その優位性は計り知れない。しかも、加圧ガス
は、低い圧力であってもボイド53の成長を助長する効
果があり、特に成形収縮力の強い樹脂のヒケ防止に有効
である。また、樹脂の冷却中に加圧ガスの作用を継続さ
せてボイド53の成長を促進させて樹脂50の収縮分を
充分に吸収するとき、ヒケの発生が一層確実に防止され
る。ガスがボイド挿入ピンの外周に沿って樹脂内に送ら
れ、ガスの注入によりボイド挿入ピン20と樹脂50と
の間に僅かな空隙が形成されるため、ボイド挿入ピン2
0から成形品60を抜き取ることも容易になる。
【0014】本発明に従って射出成形される樹脂は、特
段その種類が限定されるものではなく、ポリスチレン,
ポリプロピレン,ABS,ポリカーボネイト樹脂等のほ
とんどの熱可塑性樹脂、或いは充填強化材を混入した樹
脂等がある。なかでも、ポリプロピレン,ABS等の成
形収縮率の大きな樹脂等に本発明を適用するとき、その
作用が顕著に現れる。また、使用する加圧ガスとして
は、たとえば窒素、空気等のガスが常温で用いられる。
加圧ガスは、低圧で作用させるので、ガス温度が常温で
あることと相俟つて、酸化作用等の悪影響を樹脂に与え
ることがない。この点から、コスト,取り扱い等の面で
有利な圧縮空気の使用が可能である。ボイド挿入ピン2
0は、対象となる厚肉部(リブ61)の任意の位置に設
置される。厚肉部のサイズが大きく一箇所のボイド発生
だけでは厚肉部全体の収縮量を吸収しきれない場合、適
切な距離毎に複数のボイド挿入ピン20,20・・を設
置する。ボイド挿入ピン20,20・・間の設置距離
は、一つのボイド挿入ピン20が樹脂の収縮力を補填す
る厚肉部の体積との相関で定められるが、成形条件,特
に樹脂温度によっても影響されるので余裕をもって設置
するほうが好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂50は、射出成形機からゲー
トを介して溶融状態で金型10のキャビティ14に注入
され、キャビティ14を満たす。樹脂50の充填が完了
すると、キャビティ14の厚肉部に設けたボイド挿入ピ
ン20に直ちに加圧ガスを作用させる。加圧ガスは、金
型10外部の供給源から加圧ガス導入路41を介してボ
イド挿入ピン20の尖鋭先端部21に向かい、ボイド挿
入ピン20の周面と溶融樹脂50の表面スキン層51と
を剥離しながら、ボイド挿入ピン20の先端に集中す
る。溶融樹脂50が冷却されて体積収縮が始まると、ボ
イド挿入ピン20の先端にある樹脂スキン層51は、加
圧ガスの圧力で突き破られる。このとき、ボイド挿入ピ
ン20の尖鋭先端部21に近いほど樹脂スキン層51の
形成が遅れて薄くなるので、ピン先端部の薄い樹脂スキ
ン層51が加圧ガスによって容易に突き破られ、スキン
層破断部54が形成される。そして、溶融樹脂50の内
部に加圧ガスが微小気泡として送り込まれ、ボイド成長
の種となるボイド核52が形成される。
【0016】加圧ガスによる加圧は、この時点で直ちに
止めることができる。このとき、残留したガス圧力は、
切換え弁42を切り替えて加圧ガス供給路41を大気に
連通させることにより開放される。しかし、加圧ガスの
開放は、敢えて行なう必要はない。むしろ、ボイド53
の成長を促進させ、且つボイド挿入ピン20の離型性を
向上させる効果がある。更に、加圧ガスの作用を積極的
に継続すると、樹脂50の体積収縮力と加圧ガスの圧力
が相乗してボイド53の成長が促進され、樹脂成形品6
0の厚肉部61ばかりでなく厚肉部61周辺の薄肉部や
隣接する厚肉部のヒケまでも抑制することが可能とな
る。この点で、樹脂の冷却・固化が完了する時点まで加
圧を続けることも有効である。
【0017】ボイド核52は、冷却工程の進行に従っ
て、周囲の溶融樹脂50の冷却・固化に伴う体積収縮力
で吸引され、図3で示すようにボイド53に成長してい
く。このとき、ボイド53は、冷却・固化が遅れている
溶融樹脂50の方向に、形状Iから形状IIのように成長
し続ける。冷却工程が完了したとき、金型10を開いて
成形品を取り出す。得られた成形品60は、表面にヒケ
が全く生じておらず、キャビティ形状を完全に転写した
外観の優れた表面性状をもつものとなる。また、自由に
設計された厚肉部61で成形品自体の骨格を形成するこ
とができるため、従来の一般的な射出成形品では実現で
きなかった強度、剛性をもつ成形品が得られる。
【0018】
【実施例】本実施例においては、図4に示すように平板
部62の背面に厚肉のリブ61を持つ射出成形体60を
製造する。なお、平板部62の側面には、溶融状態の熱
可塑性樹脂を注入するためのゲート64が形成されてい
る。ゲート64は切り落とされ、製品となる。リブ61
は、長さ230mm,高さ17mmで、平板部62の厚
み3mmに比較して10mmの厚みとなっている。この
厚みのため、通常の射出成形法によるとき、リブ61に
対応する平板部62の表面63にヒケが著しく発生す
る。そこで、図3に示すように、射出成形体60の形状
に対応したキャビティ14を形成する射出成形用金型1
0の可動型12に100mmのピッチで、直径2mmの
ボイド挿入ピン20を3本取り付けた。ボイド挿入ピン
20は、尖鋭先端部21がキャビティ14内に突出する
ように可動型12に組み込まれた。
【0019】ボイド挿入ピン20が嵌挿される可動型1
2には、図2に示すように嵌挿孔30が形成されてい
る。嵌挿孔30は、大径部31とキャビティ14側に位
置する小径部32とを備えている。大径部31は、ボイ
ド挿入ピン20の断面よりも大きな径をもっており、ボ
イド挿入ピン20の側面との間に環状の空間部23が形
成される。空間部23は、加圧ガス導入路として働き、
加圧ガス供給路41を経て加圧ガス供給源40に接続し
ている(図1参照)。小径部32は、ボイド挿入ピン2
0の断面よりも若干大きな径をもっており、ボイド挿入
ピン20との間に狭間隙の環状空間部23を形成する。
【0020】キャビティ14に溶融状態のポリスチレン
樹脂(新日鐵化学製エスチレンH−65)を射出し、3
秒間の保圧工程を完了した後、直ちに9.5kg/cm
2 に加圧された常温の圧縮空気を、切換え弁42を操作
して加圧ガス供給源40から加圧ガス供給路41,ボイ
ド挿入ピン20,20,20の環状空間部22,23を
経てボイド挿入ピン20の周面に沿って送り込み、尖鋭
先端部21に作用させた。8秒後に加圧ガスの供給を止
め、切換え弁42を介して加圧ガス供給路41を大気に
連通させた。この状態で、ポリスチレン樹脂を冷却・固
化した。60秒間の冷却工程を経た後、得られた射出成
形体60を金型10から取り出した。このとき、ボイド
挿入ピン20,20,20の先端に直径0.5mm前後
のスキン層破断部54が形成され、スキン層破断部54
の先にボイド53が成長していることが確認された。得
られた射出成形体60の表面状態を調査したところ、ヒ
ケ等の表面欠陥は何ら検出されなかった。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の射出成
形用金型は、肉厚が異なる樹脂成形品,複雑形状をもつ
樹脂成形品等の射出成形に適し、金型キャビティの厚肉
部に対応する任意の位置にボイド挿入ピンを設置し、加
圧源又は大気につながる空間部をボイド挿入ピンの周囲
に形成している。射出した樹脂で金型のキャビティを充
填した後、ボイド挿入ピンの周面に沿ってピン先端に加
圧ガスを作用させると、ピン先端の近傍に生成しつつあ
る樹脂スキン層が加圧ガスで突き破られ、溶融樹脂中に
ボイド核となる気泡が導入される。ボイド核は、スキン
層破断部を介して加圧ガス供給源又は大気に連通してい
るので、冷却凝固に伴った体積収縮で樹脂内部に生じた
負圧により加圧ガス供給源又は大気からガスを吸引し、
体積収縮に見合った大きさのボイドに成長する。
【0022】そのため、この金型を使用して得られた射
出成形体は、極端な厚肉部と薄肉部とを併せ持った複雑
な形状であっても、ヒケ等の表面欠陥がなく、優れた表
面性状をもつ商品価値の高いものとなる。しかも、溶融
樹脂の充填・保圧力を高く保持してヒケの防止を図る従
来の射出成形法に比べて、保圧工程を省略することもで
きるので、型閉め力のより小さい成形機の使用が可能と
なり、成形歪みも低く抑えられる等の利点がある。ま
た、厚肉部を中空化する成形法と比べても、厚肉部中心
の未冷却樹脂を押し出して中空化する等の無理な樹脂の
流動を伴うことがないので、成形が極めて容易であり、
且つ取扱いが困難な特殊高圧ガスを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボイド挿入ピンを組み込んだ金型の内部断面
【図2】 溶融樹脂の内部にボイド核が導入されること
を示す説明図
【図3】 樹脂の体積収縮に応じたボイドにボイド核が
成長する過程を示す図
【図4】 厚肉部をもつ樹脂成形品の斜視図
【符号の説明】
10:射出成形用金型 11:固定型 12:可動
型 13:型台 14:キャビティ 15:金型内面 16:隆起部 20:ボイド挿入ピン 21:尖鋭先端部 22:
空間部(加圧ガス導入路) 23:狭間隙の環状空間
部 24:傾斜周面 130:嵌挿孔 31:大径部 32:小径部 40:加圧ガス供給源 41:加圧ガス供給路 4
2:切換え弁 50:溶融樹脂 51:樹脂スキン層 52:ボイ
ド核 53:ボイド 54:スキン層破断部 55:金型内面に接して成長
する凝固層 60:樹脂成形品 61:リブ(厚肉部) 62:
平板部 63:リブに対応する表面部 64:ゲー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造される樹脂成形品の形状に対応した
    厚肉部及び薄肉部をもつキャビィティを備えた金型と、
    厚肉部又はその近傍に先端が突出して固定配置されたボ
    イド挿入ピンと、該ボイド挿入ピンの長手方向に沿って
    周面に形成され、該ピンの先端近傍に生じている樹脂ス
    キン層を突き破る圧力で加圧ガスを送り込む加圧ガス導
    入路とを備え、前記ボイド挿入ピンの先端が尖っている
    ことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 厚肉部の大きさに応じて単数又は複数の
    ボイド挿入ピンを配置する請求項1記載の射出成形用金
    型。
  3. 【請求項3】 加圧ガス導入路が加圧ガス供給路を介し
    て加圧ガス供給源に連なっており、加圧ガス導入路を介
    してボイドを大気に連通させる切換え弁が加圧ガス供給
    路に設けられている請求項1記載の射出成形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036377A (ja) * 2000-07-27 2002-02-05 Sumitomo Chem Co Ltd 繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法
CN110884065A (zh) * 2019-11-08 2020-03-17 咸阳橡胶工业制品研究所有限公司 一种大型筒状薄壁橡胶制品注射模具

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