JPH09308158A - 低圧回転機固定子絶縁コイル - Google Patents

低圧回転機固定子絶縁コイル

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Publication number
JPH09308158A
JPH09308158A JP14368496A JP14368496A JPH09308158A JP H09308158 A JPH09308158 A JP H09308158A JP 14368496 A JP14368496 A JP 14368496A JP 14368496 A JP14368496 A JP 14368496A JP H09308158 A JPH09308158 A JP H09308158A
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JP
Japan
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coil
insulation
fusion
low
rotating machine
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Pending
Application number
JP14368496A
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English (en)
Inventor
Seiichi Inoue
誠一 井上
Koji Haga
弘二 芳賀
Masao Maeda
昌男 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の樹脂含浸方式に代わる、製造工数が低減
し得る、しかも絶縁特性の良好な低圧回転機固定子絶縁
コイルの絶縁構成を提供する。 【解決手段】基材81の両面に融着材層82を設けた複
合材層の融着シートからなるスロット絶縁8を配した鉄
心スロット2内に、エナメル線4を巻回したコイル5を
挿着し、前記融着材層82の融点以上の温度で鉄心1と
ともに加熱硬化させて、鉄心スロット2内に前記融着材
層82の硬化した融着材硬化層82aの樹脂絶縁層から
なる保護絶縁を有する低圧回転機固定子絶縁コイルを構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転電機の絶縁
コイル、特に鉄心スロットにエナメル線からなるコイル
を挿着してなる乱巻コイルからなる低圧回転機の固定子
絶縁コイルの絶縁構成に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の低圧回転機固定子絶縁
コイルの断面図である。低圧回転機の固定子絶縁コイル
は、図10に示すように鉄心1と絶縁するための鉄心ス
ロット2内の内壁面に沿って耐熱フイルム等の絶縁シー
トからなるスロット絶縁3を配した鉄心スロット2内
に、エナメル線4を複数ターン巻回して作製した乱巻コ
イル5を挿着して、鉄心スロット開口部6に楔7を配置
してコイル5を絶縁固定して作製される。一般産業の低
圧汎用回転機の固定子絶縁コイルでは、前記した鉄心1
と鉄心スロット2内に挿着されたコイル5とを一体に樹
脂にて含浸処理して、その後加熱硬化することにより前
記コイル5内に硬化樹脂層を形成して、鉄心スロット1
内のコイル5の電気的ストレス,機械的振動による絶縁
損傷の防止、及びコイル5を構成するエナメル線4の線
間及び鉄心2間との絶縁の強化のための保護絶縁が形成
される。
【0003】前記した樹脂含浸によるコイルの保護絶縁
の構成のための処理方法では、室温にて樹脂含浸する浸
漬処理方式と真空含浸する全含浸方式が採用されてい
る。前者の浸漬処理方式は、含浸槽に満たした溶剤形ワ
ニス、又は無溶剤形ワニスの熱硬化性樹脂からなる含浸
樹脂中に浸漬する方法であり、後者の全含浸方式は固定
子絶縁コイルを設置した含浸槽を真空引きにして前記し
た含浸樹脂を注入した後、加圧して含浸する方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した浸
漬処理方式及び全含浸方式による保護絶縁の処理方法
は、これらの処理方法が容易でコイル5を構成するエナ
メル線4間の細部まで樹脂が充填されるので信頼性のあ
る絶縁構成が得られるという特徴を有しているが、以下
に述べる問題点がある。即ち、一般に前記した含浸樹
脂、特に溶剤形ワニスは臭気がきつく、その性状も粘稠
性があり作業環境が必ずしも良くなく、また前記した臭
気対策のために排気装置の設置等の対策を必要とするこ
とと、樹脂含浸後の加熱工程で、含浸樹脂の硬化前の樹
脂粘度の低下により鉄心1の外周に流れ出して硬化した
樹脂、及び硬化炉の底部に滴下した廃樹脂などの清掃の
ための余分な作業工数を要するという欠点がある。
【0005】この発明の課題は、前記の課題を解決した
作業環境が良好で、製造工数を低減し得る、しかも絶縁
特性の良好な低圧回転機固定子絶縁コイルの絶縁構成を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、エナメル線を巻回したコイルを内
壁面にスロット絶縁を施した鉄心スロット内に挿着し
て、前記鉄心スロットの開口部に設けた楔にてスロット
内に絶縁固定して構成した低圧回転機の固定子絶縁コイ
ルにおいて、鉄心スロットの内壁面に配されたスロット
絶縁、及び楔の一方あるいは両者を、加熱により溶融し
硬化する融着材層をフイルム又は織布からなる基材の片
面、又は両面に貼り合わせた複合材層から構成された融
着シートから構成するものとする。これにより、前記し
た融着シートを施したコイルと、このコイルを収納した
鉄心と一体となって構成された固定子絶縁コイルを加熱
することにより、前記の融着シートの融着材層が溶融し
てコイルを構成するエナメル線間、及びコイルと鉄心間
に充填され、その後の加熱により融着材層が加熱硬化し
てなる樹脂絶縁層からなる固定子絶縁コイルの絶縁強化
を図った保護絶縁を形成することができる。したがっ
て、前記した従来の鉄心スロット内に挿着したコイルを
樹脂にて含浸し硬化して形成する保護絶縁の形成時にお
ける含浸樹脂の臭気,及び樹脂漏れの問題を解決した、
製造作業性の良好な、かつ安価で絶縁性能の優れた低圧
回転機固定子絶縁コイルが得られる。
【0007】そして、前記の融着シートを施したコイル
において、このコイルを形成するエナメル線を、加熱時
に前記融着シートと同様に、溶融して硬化する融着被覆
層を有した自己融着電線を用いることにより、加熱時に
この自己融着電線の融着被覆層と、前記した融着シート
の融着材層とが共に溶融して硬化するので、さらに充填
率の高い緻密な絶縁層を有する固定子絶縁コイルが得ら
れる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。実施の形態1 図1及び図2は、この発明の第1の実施の形態からなる
低圧回転機固定子絶縁コイルであり、図1の(a)は加
熱硬化処理前の固定子絶縁コイルの断面図、(b)は
(a)の鉄心スロット底部の固定子絶縁コイルの部分拡
大断面図であり、図2の(a)は加熱硬化後の固定子絶
縁コイルの断面図、(b)は(a)の鉄心スロット底部
の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。図1に示
す鉄心スロット2内に設けたスロット絶縁8は、後記す
る基材81の両面に融着材層82を設けた複合材層から
なる融着シートを、前記鉄心スロット2の内壁面に断面
U字状に配して形成してある。このスロット絶縁8を配
した鉄心スロット2内に、(b)に示すように、コイル
5を前記スロット絶縁8の融着材層82に押圧接触する
ようにインサータ機あるいは手入れにより挿着し、鉄心
スロット開口部6に楔7を設けた後、前記スロット絶縁
8を構成する融着シートの融着材層82の融点以上の温
度で鉄心1とともに加熱硬化させる。
【0009】加熱硬化後の固定子絶縁コイルは図2に示
すように、加熱によりスロット絶縁8を構成する融着層
82が溶融し液状化して、鉄心スロット2内のエナメル
線4間に表面張力により浸透し保持され、その後加熱硬
化することにより、前記したエナメル線4間、及びコイ
ル5とスロット絶縁8の基材81間及び鉄心スロット2
の内壁面間に融着材硬化層82aが充填した樹脂絶縁層
が形成される。
【0010】上記した固定子絶縁コイルの加熱方法は、
硬化炉中での温風加熱方式、誘導加熱炉を用いた方式、
及びコイル5を電流加熱する加熱方式いずれの方式をも
採用することができる。
【0011】さて、この発明の実施の形態からなるスロ
ット絶縁の構成は、図3又は図4に示す構造の融着シー
トを用いることができる。図3の(a)は、前記した実
施の形態で記載した固定子絶縁コイルに用いたものであ
り、基材81と、この両面に施した融着材層82からな
る融着シートである。この融着シートの基材81は、ポ
リエステル,ポリイミド,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンナフタレート,ポリエフェリニンサル
フアイド等の有機材からなるフイルム、又はガラス繊
維,ポリエステル繊維等の無機,有機繊維からなる織
布、又はこれに樹脂塗布処理した織布を用いることがで
きる。
【0012】また、融着材層82としては、ウレタン
系,ポリビニルブチラール系,ポリアミド系等の熱可塑
性樹脂、あるいはポリエステル系,シリコーン系,エポ
キシ系,変成エポキシ系等の樹脂を半硬化状にした熱硬
化性樹脂からなる加熱により溶融して、その後の加熱に
より硬化して融着材硬化層82aを形成するものを用い
る。
【0013】図3の(b)の融着シートの構成は、前記
した基材81の片面のみに融着材層82を設けたもので
あり、この場合には前記した図1の固定子絶縁コイルに
おいて、鉄心スロット2内にスロット絶縁8の融着材層
82がコイル5に面するように設置するようにする。
【0014】図3の(c)は、融着シートを構成する基
材81を、ガラスクロス,マイカシート,ポリイミド不
織布,ポリエステル繊維織布,又はガラス/ポリエステ
ル複合織布等からなる無機系または有機系の繊維の織布
又は不織布からなるシート81aを、前記した図3の
(a)の基材81の材料として記載した有機材からなる
フイルム81bの両面に貼り合わせて、前記両面のシー
ト81aに前記した融着材層82を貼り合わせて構成し
たものである。この融着シートの特徴は、図1のスロッ
ト絶縁8として配置した鉄心スロット2内にコイル5を
押圧して挿着する時に、前記スロット絶縁8の融着シー
トのシート81aと融着材層82とが変形して、コイル
5の面との接触面積が大きくなることと、加熱時に前記
の液状化した融着材層82が基材81のシート81aに
浸透して保持された状態で硬化するので、コイル5と鉄
心1間に融着材硬化層82aからなる樹脂層が密に充填
された絶縁層を形成することができるという特徴を有す
る。
【0015】また、図4に示す融着シートは、固定子絶
縁コイルの加熱時に溶融し液状化する融着材層82を支
持する基材81cを、固定子絶縁コイルの加熱硬化時の
加熱温度でも液化しない前記した融着材層82の融点よ
り高い高融点を有する有機材からなるシートで形成した
ものであり、変成エポキシ系,ポリアミド系等の高融点
の材料で構成したものである。この融点の異なる融着材
からなる融着シートをスロット絶縁8として使用するこ
とにより、加熱時の温度で融着シートの高融点融着材層
の基材81cが熱変形をして、スロット鉄心2内に挿着
したコイル5間に液状化して浸透した低融点の融着材層
82が硬化した融着材硬化層82aとの接触面積が大き
く、かつ前記コイル5と前記スロット絶縁8の基材81
c間に空隙部の少ない絶縁構成を形成させることができ
る。
【0016】前記のように、この実施の形態からなる融
着シートをスロット絶縁8として使用することにより、
従来の樹脂を含浸して硬化して形成する保護絶縁を絶縁
スロット8の融着材層82で構成して、コイル5と鉄心
1間の対地絶縁のためのスロット絶縁3(図10参照)
の機能を基材81又は81cで果たす構成とすることに
より、従来の樹脂含浸による絶縁と同様の絶縁構成とす
ることができ、かつ製造工数の低減を図れる安価な低圧
回転機固定子絶縁コイルを得ることができる。
【0017】実施の形態2 図5は、この発明の第2の実施の形態からなる低圧回転
電機の加熱硬化前の固定子絶縁コイルの断面図である。
この実施の形態と前記実施の形態1との絶縁構成の違い
は、前記した融着シートからなるスロット絶縁8が、鉄
心スロット2内のコイル5全体を包み込むようにして構
成したものである。このように絶縁構成した固定子絶縁
コイルを加熱硬化することによりコイル5の全周が融着
材硬化層で充填し固着されるので、コイル5の機械的強
度が向上し、スロット絶縁8と楔7とが前記融着材硬化
層で一体化した保護絶縁が得られるので絶縁性能が更に
向上した絶縁構成とすることができる。
【0018】実施の形態3 図6は、この発明の第3の実施の形態からなる低圧回転
電機の加熱硬化前の固定子絶縁コイルの断面図である。
この固定子絶縁コイルは、鉄心スロット2内に異相のコ
イル5a及び5bを備えて構成されているものであり、
これらの異相コイル間のコイル5を絶縁する層間絶縁9
にも、前記した実施の形態1及び2の固定子絶縁コイル
の絶縁構成に採用した図3及び図4に示した融着シート
からなる絶縁スロット8と同様の構成からなる融着シー
トを用いたものである。上記した融着シートからなる層
間絶縁9を設けることにより、この層間絶縁9の融着材
層82(図3及び図4参照)と、スロット絶縁8の融着
材層82とが溶融し混合してコイル5のエナメル線4間
を充填するので、異層間のコイル間絶縁耐力を有して、
融着材硬化層からなる硬化樹脂層がスロット鉄心2内に
充分充填された絶縁特性の優れた固定子絶縁コイルを形
成することができる。
【0019】実施の形態4 図7及び図8は、この発明の第4の実施の形態からなる
低圧回転機固定子絶縁コイルであり、図7の(a)は加
熱硬化処理前の固定子絶縁コイルの断面図、(b)は
(a)の鉄心スロット底部の固定子絶縁コイルの部分拡
大断面図であり、図8の(a)は加熱硬化後の固定子絶
縁コイルの断面図、(b)は(a)の鉄心スロット底部
の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。この実施
の形態の固定子絶縁コイルの絶縁構成は、前記実施の形
態1のコイル5を構成するエナメル線4として、エナメ
ル線の外周層に、加熱により溶融して巻回されて接触し
ているエナメル線間を一体に接着し固化することが可能
な自己融着被覆層を設けた自己融着電線を適用したもの
である。
【0020】前記した自己融着電線10は、ポリエステ
ル,エステルイミド,アミドイミドのエナメル層10a
の上に、自己融着被覆層10bとして、ウレタン系,ポ
リビニルブチラール系,ポリアミド系の熱可塑性樹脂、
又はポリエステル系,シリコーン系,エポキシ系,変成
エポキシ系等の樹脂を半硬化状にして塗布して構成した
ものである。上記した自己融着電線10を用いた固定子
絶縁コイルの構成は、まず、図7に示すように前記した
実施の形態1と同様に、融着シートからなるスロット絶
縁8を施した鉄心スロット2内に前記自己融着電線10
を所定ターン巻回したコイル5cを挿着して形成する。
次に、スロット絶縁8の融着シートの融着材層82、及
び前記自己融着電線10の自己融着被覆層10bがとも
に溶融する温度以上の温度で前記コイル5cを鉄心1と
ともに加熱処理する。
【0021】この加熱硬化処理の際に、前記した自己融
着電線10の自己融着被覆層10b、及びスロット絶縁
8の融着材層82がともに溶融し液状化して、図8に示
すように、自己融着電線10間が接着,固化された自己
融着硬化被覆層10cと、自己融着電線10からなるコ
イル5cの内部、及び外周部と鉄心スロット2間とが融
着材硬化層82aで充填された樹脂絶縁層を形成する。
したがって、この実施の形態からなる固定子絶縁コイル
は、前記した通常のエナメル線を用いた構成より鉄心ス
ロット2内が樹脂にて密に充填された空隙部のない保護
絶縁を有する絶縁構成とすることができる。
【0022】なお、上記したこの発明の第1〜第4の実
施の形態では、スロット絶縁及び層間絶縁に融着シート
を用いた固定子絶縁コイルの絶縁構成について記載した
が、鉄心スロット開口部6に挿着されコイル5を固定し
絶縁する楔7をも、この発明の融着シートと同様の構成
からなる絶縁構成とすることにより、コイル5の更に樹
脂充填率が向上したより機械的,電気的耐力の優れた保
護絶縁構成を有する固定子絶縁コイルを得ることができ
る。
【0023】図9に、前記したこの発明の実施の形態か
らなる低圧回転機固定子絶縁コイルの絶縁特性評価を示
す。試験に供した回転機は、定格電圧200Vの一般産
業用の三相誘導電動機であり、評価試験は、IEEE s
td. 117に準拠して行い、劣化試験条件は、加熱20
0℃−2日,振動5G−1時間,吸湿(相対湿度95
%)−2日を1サイクルとして、各サイクル毎に200
V耐圧試験を行った。そして、適宜サイクルでの残像破
壊電圧を測定した。
図9には、従来のエナメル線を用いてワニ
ス含浸処理を行った固定子絶縁コイクCの特性をも併記
したが、この発明の実施の形態1からなる絶縁方式A
と、実施の形態4からなる絶縁方式Bは、前記した従来
法と比して、同等以上の特性を有していることがわか
る。そして、絶縁方式Bは、絶縁方式Aと比してより安
定した絶縁性能を有している。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、鉄
心スロット内に挿着される低圧回転機のコイルを絶縁し
固定するスロット絶縁,楔及び層間絶縁等の絶縁シート
を、加熱により溶融し硬化する融着材層と、フイルム又
は織布からなる基材との複合材層からなる融着シートか
ら構成するようにした。これにより、従来のように鉄心
スロット内に挿着したコイルに保護絶縁を形成するため
に樹脂含浸処理することなく、加熱処理工程のみで、コ
イルを構成するエナメル線間、及びコイルと鉄心間を充
填する樹脂絶縁層を有する保護絶縁層を形成した絶縁構
成とすることができ、かつ従来の絶縁構成と同等以上の
信頼性の高い低圧回転機固定子絶縁コイルが得られる。
【0025】また、この発明からなる固定子絶縁コイル
は、樹脂の含浸工程を必要しないので製造作業工数の低
減が図れるとともに、含浸及び加熱硬化時の加温時に含
浸樹脂の低分子物質の飛散による臭気の発生も少なく、
製造作業環境の改善による生産性の向上が達成され、よ
り安価な低圧回転機固定子絶縁コイルを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態からなる低圧回転
機固定子絶縁コイルであり、(a)は加熱硬化処理前の
固定子絶縁コイルの断面図、(b)は(a)の鉄心スロ
ット底部の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。
【図2】図1の固定子絶縁コイルの加熱後の低圧回転機
固定子絶縁コイルであり、(a)は加熱硬化後の固定子
絶縁コイルの断面図であり、(b)は(a)の鉄心スロ
ット底部の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。
【図3】この発明の融着シートの構成図であり、(a)
は基材の両面に融着材層を設けた複合シートの断面図、
(b)は基材の片面に融着材層を設けた複合シートの断
面図、(c)は複合絶縁基材の両面に融着材層を設けた
複合シートの断面図である。
【図4】この発明の図3とは異なる構成からなる融着シ
ートの構成図であり、高融点材層と低融点材層とからな
る複合シートの断面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態からなる低圧回転
電機の加熱硬化前の固定子絶縁コイルの断面図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態からなる低圧回転
電機の加熱硬化前の固定子絶縁の断面図である。
【図7】この発明の第4の実施の形態からなる低圧回転
機固定子絶縁コイルであり、(a)は加熱硬化処理前の
固定子絶縁コイルの断面図、(b)は(a)の鉄心スロ
ット底部の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。
【図8】図7の固定子絶縁コイルの加熱後の低圧回転機
固定子絶縁コイルであり、(a)は加熱硬化後の固定子
絶縁コイルの断面図であり、(b)は(a)の鉄心スロ
ット底部の固定子絶縁コイルの部分拡大断面図である。
【図9】低圧回転機固定子絶縁コイルの絶縁評価試験に
よる特性図である。
【図10】従来の低圧回転機固定子絶縁コイルの断面図
である。
【符号の説明】
2 鉄心スロット 3 スロット絶縁 4 エナメル線 5 コイル 5a コイル 5b コイル 5c コイル 7 楔 8 スロット絶縁 81 基材 81a シート 81b フイルム 81c 高融点融着材層 82 融着材層 82a 融着材硬化層 9 層間絶縁 10 自己融着電線 10a エナメル層 10b 自己融着着被覆層 10c 自己融着硬化被覆層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エナメル線を巻回したコイルを内壁面にス
    ロット絶縁を配した鉄心スロット内に挿着して、前記鉄
    心スロットの開口部に設けた楔にて鉄心スロット内に絶
    縁固定して構成した低圧回転機の固定子絶縁コイルにお
    いて、鉄心スロットの内壁面に配されたスロット絶縁
    が、加熱により溶融し硬化する融着材層と、フイルム又
    は織布からなる基材との複合材層からなる融着シートか
    ら構成されていることを特徴とする低圧回転機固定子絶
    縁コイル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の低圧回転機固定子絶縁コ
    イルにおいて、鉄心スロットの開口部に設けた楔が、請
    求項1に記載の融着シートから構成されていることを特
    徴とする低圧回転機固定子絶縁コイル。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の低圧回転機
    固定子絶縁コイルにおいて、鉄心スロット内に挿着され
    た複数のコイル間を絶縁する層間絶縁が、請求項1に記
    載の融着シートから構成されていることを特徴とする低
    圧回転機固定子絶縁コイル。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3に記載のいずれかの低
    圧回転機固定子絶縁コイルにおいて、コイルを構成する
    エナメル線が自己融着電線であることを特徴とする低圧
    回転機固定子絶縁コイル。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4に記載のいずれかの低
    圧回転機固定子絶縁コイルにおいて、融着シートが基材
    の片面に融着材層が設けられて構成されていることを特
    徴とする低圧回転機固定子絶縁コイル。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項4に記載のいずれかの低
    圧回転機固定子絶縁コイルにおいて、融着シートが基材
    の両面に融着材層が設けられて構成されていることを特
    徴とする低圧回転機固定子絶縁コイル。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項4に記載のいずれかの低
    圧回転機固定子絶縁コイルにおいて、融着シートが有機
    又は無機系の繊維からなる織布又は不織布をフイルムの
    両面に貼り合わしてなる基材と、この基材の両面に加熱
    により溶融し硬化する融着材層とを設けて構成したこと
    を特徴とする低圧回転機固定子絶縁コイル。
JP14368496A 1996-05-14 1996-05-14 低圧回転機固定子絶縁コイル Pending JPH09308158A (ja)

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JP (1) JPH09308158A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003535562A (ja) * 2000-05-29 2003-11-25 ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール 回転電動機械およびその構成要素を製造する方法
JP2009033889A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Aisin Aw Co Ltd モータ用ステータ及びその製造方法
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JP2010239706A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd 電動機用ステータ又はロータとその製造方法
JP2012223056A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp ステータの製造方法
JP2015119050A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電磁駆動装置および電磁弁
JP2015228781A (ja) * 2014-06-03 2015-12-17 三菱電機株式会社 絶縁シートおよびこれを用いた電気機械

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