JPH09306344A - プラズマディスプレイの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイの製造方法

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Publication number
JPH09306344A
JPH09306344A JP11261196A JP11261196A JPH09306344A JP H09306344 A JPH09306344 A JP H09306344A JP 11261196 A JP11261196 A JP 11261196A JP 11261196 A JP11261196 A JP 11261196A JP H09306344 A JPH09306344 A JP H09306344A
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JP
Japan
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photosensitive
glass
paste
acrylate
organic
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Application number
JP11261196A
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English (en)
Inventor
Junji Sanada
淳二 真多
Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プラズマディスプレイパネルやプラズマアド
レス液晶ディスプレイパネルに用いられるガラス基板上
の隔壁の形成において、高アスペクト比かつ高精度のパ
ターンを可能にする簡便な方法を提供する。これによ
り、高精細なプラズマディスプレイやプラズマアドレス
液晶ディスプレイを得ることができる。 【解決手段】 ガラス基板上に光反応性有機成分とガラ
ス粉末を必須成分とする感光性ガラスペーストを塗布
後、塗布面の裏面であるガラス面から露光を行い、現像
してパターンを形成した後、焼成により隔壁層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イやプラズマアドレス液晶ディスプレイをはじめとする
ディスプレイにおいて、隔壁を精度良く形成するプラズ
マディスプレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイにおいて、小型・高
精細化が進んでおり、それに伴って、パターン加工技術
も技術向上が望まれている。特に、プラズマディスプレ
イパネルの隔壁形成には、高精度であることと共に、高
アスペクト比のパターン加工が可能な材料が望まれてい
る。
【0003】従来、無機材料のパターン加工を行う場
合、無機粉末と有機バインダーからなるペーストによる
スクリーン印刷が多く用いられている。しかしながらス
クリーン印刷は精度の高いパターンが形成できないとい
う欠点があった。
【0004】この問題を改良する方法として、特開平1
−296534号公報、特開平2−165538号公
報、特開平5−342992号公報では、感光性ペース
トを用いてフォトリソグラフィ技術に形成する方法が提
案されている。しかしながら、感光性ペーストの感度や
解像度が低いために高アスペクト比、高精細の隔壁が得
られないために、例えば80μmを越えるような厚みの
ものをパターン加工する場合、複数回の加工工程(スク
リーン印刷・露光・現像)を必要とするため、工程が長
くなる欠点があった。
【0005】また、特開平2−165538号公報で
は、感光性ペーストを転写紙上にコーティングした後、
転写フィルムをガラス基板上に転写して隔壁を形成する
方法が、特開平3−57138号公報では、フォトレジ
スト層の溝に誘電体ペーストを充填して隔壁を形成する
方法がそれぞれ提案されている。また特開平4−109
536号公報では、感光性有機フィルムを用いて隔壁を
形成する方法が提案されている。しかしながら、これら
の方法では、転写フィルムやフォトレジストあるいは有
機フィルムを必要とするために工程が増えるという問題
点があった。また、高精細度や高アスペクト比を有する
隔壁を得るには至っていない。
【0006】さらに、感光性ガラスペーストを用いた隔
壁の形成も提案されているものの、厚膜パターン形成で
きないため、必要な厚みのパターンを得るために、3〜
6回の塗布および露光工程が必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記欠点
のない方法として、感光性ペーストを用いた隔壁を形成
する方法が、簡便で精度に優れると考え、鋭意検討を進
めてきた。しかし、感光性ペーストを塗布した面からの
露光による方法では、ペースト組成や条件によっては、
ペーストの剥がれ、電極パターンとの位置ズレが生じる
場合があり、歩留まりが低下する場合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための、新規なプラズマディスプレイの製造方法
に関する。発明者らは、感光性ガラスペーストを用いた
隔壁形成に関して、簡便かつ高精度に形成するための方
法として、露光方法として感光性ペーストを塗布した面
の裏面からの露光方法を見いだした。
【0009】すなわち、本発明は、ガラス基板上に光反
応性有機成分とガラス粉末を必須成分とする感光性ガラ
スペーストを塗布後、塗布面の裏面であるガラス面から
露光を行い、現像してパターンを形成した後、焼成によ
り隔壁層を形成することを特徴とするプラズマディスプ
レイの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明法は、好ましくは・ガラス
基板上にスクリーン印刷法もしくは感光性導電ペースト
を用いたフォトリソグラフィー法によって、電極パター
ンを形成する、・電極を形成したガラス基板上に、スク
リーン印刷やドクターブレードを用いて、感光性ガラス
ペーストを塗布する、・塗布後、塗布面の裏面からの露
光を行う、・現像を行い、不要な部分を除去する、・焼
成を行い、有機物を除去し、隔壁を形成する、ことによ
り、簡便に高精度の隔壁を形成することができる。
【0011】本発明に用いるガラス基板としては、公知
のガラス板であれば特に限定はなく、通常の窓ガラス等
に用いられるソーダライムガラス、ホウ珪酸系の低アル
カリや無アルカリのガラス、ソーダガラスの歪み点を向
上した高歪み点ガラス(商品名“PD−200”、旭硝
子社製)を用いることができる。
【0012】本発明では好ましくは、ガラス基板上で電
極パターンを形成したガラス基板を用いる。電極として
は、銀、アルミ、銅、ニッケル等の金属を用いることが
でき、銀が好ましい。また、これら金属とガラスフリッ
トを併用することによって、電極のガラス基板への接着
力を高めることができる。さらに、電極中には、有機の
紫外線吸収剤を添加することができる。添加する紫外線
吸収剤としては、波長が250nm〜520nmの範囲
に高UV吸光係数を有するものが有効であり、特に、3
50〜450nmに高UV吸光係数を有するものが好ま
しい。紫外線吸収剤は、焼成時に分解・揮発することが
望ましいため、有機系のものが好ましい。具体的には、
アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、
キノリン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン
系、ジフェニルシアノアクレート系、トリアジン系、p
−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。このなかで
も特にアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
さらに、使用する有機系染料の量は0.01〜5重量部
が好ましい。0.01重量%以下では紫外線の吸光効果
が得られず、きれいなパターンが得られない。一方5重
量%以上では紫外線の吸光作用が大きすぎて深部まで光
が届かず、感光性ガラスペーストが充分硬化しない。そ
して、電極焼成後に導体膜特性の低下が見られるため好
ましくない。より好ましくは0.01〜0.3重量%で
ある。
【0013】また、感光性ガラスペーストを電極の上に
塗布し、塗布面の裏側から露光することによって、全く
位置ズレのない隔壁を得ることができ、歩留まりの向上
が期待される。
【0014】感光性ペーストを塗布する工程は、前述の
電極を焼成してから行うことができる。この場合、焼成
された電極は遮光性が充分にありマスクの役割を果た
す。さらに、工程の簡略化の観点から銀電極を焼成せず
に感光性ペーストを塗布、露光したところ高アスペクト
比の隔壁を形成することができることを見出した。これ
は、銀電極パターンの紫外線吸収性が高くこれが充分に
マスクの役目を果たすためである。このように、遮光性
と透過性を適度に両立した電極用ペーストの紫外線吸収
剤は、電極の膜厚が5〜15μmの時には、0.03〜
0.1重量%が好ましい。
【0015】本発明で用いる感光性ガラスペーストを構
成するガラス粉末は、そのガラス転移温度(Tg)とし
て、350〜550°Cのものを用いた場合、ガラス基
板上に容易にパターン加工を行うことができるので好ま
しい。
【0016】好ましくは、酸化ビスマス、酸化鉛の内少
なくとも1種類を10〜80重量部以上含むガラス粉末
を、感光性ガラスペースト中の無機成分の総量に対して
50重量%以上用いることによって、ガラス基板上にパ
ターン加工できる温度特性を有する感光性ガラスペース
トを得ることができる。特に,酸化ビスマスを10〜8
0重量%含有するガラスを用いることは,ペーストのポ
ットライフが長いなどの利点がある。酸化ビスマスを含
むガラス組成として、酸化物換算表記で Bi2 3 10〜80重量% SiO2 3〜60重量% B2 3 5〜40重量% の組成を含むものを50重量%以上含有することが好ま
しい。
【0017】また、ガラス粉末中に、ZnO、Al2
3 、Li2 O、CaO、TiO2 、ZrO2 などを含有
することができるが、その量は20重量%以下であるこ
とが好ましい。また、Na2 O、K2 O、Y2 3 など
の酸化物金属は5重量%以下の含有率であることが好ま
しい。ガラス粉末中の組成としては、SiO2 は3〜6
0重量%の範囲で配合することが好ましく、3重量%未
満の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、
またガラス基板と熱膨張係数のミスマッチが起こり、所
望の値から外れる。また60重量%以下にすることによ
って、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが
可能になるなどの利点がある。B2 3は5〜40重量
%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、
熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱
的特性を向上することができる。40重量%を越えると
ガラスの安定性が低下する。Bi2 3 は10〜80重
量%の範囲で配合することが好ましい。10重量%未満
では感光性ガラスペーストをガラス基板上に焼付けする
時に、焼付け温度を制御するのに効果が小さい。80重
量%を越えるとガラスの耐熱温度が低くなり過ぎてガラ
ス基板上への焼き付けが難しくなり、絶縁抵抗が低くな
るので好ましくない。。
【0018】上記において使用されるガラス粉末の粒子
径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ば
れるが、50重量%粒子径が0.1〜10μmが好まし
い。また、発明者らは、ガラス粉末として、形状が球状
であるガラス粉末を用いることによって、高アスペクト
比のパターンニングが可能であることを見いだした。こ
の場合に用いるガラス粉末としては、50重量%(平
均)粒子径が1.0〜7μm、10重量%粒子径が0.
4〜2μm、90重量%粒子径が4〜10μm、比表面
積0.2〜3.0m2 /g、球形率80個数%以上のサ
イズを有していることが好ましい。より好ましくは平均
粒子径1.5〜4μm、比表面積0.5〜1.5m2
g、球形率90個数%以上である。球形率は、顕微鏡な
どによるガラス粉末の観察において、球形状(楕球形状
も含む)を有している粉末の数の比率である。
【0019】本発明で使用する光反応性有機成分として
は、感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポ
リマーのうち少なくとも1種類から選ばれるものが好ま
しく使用できる。
【0020】光反応性有機成分としては、光不溶化型
(ネガ型)のものと光可溶化型(ポジ型)のものがあ
り、光不溶化型のものとして、(1)分子内に不飽和基
などを1つ以上有する官能性のモノマー、オリゴマー、
ポリマーを含有するもの、(2)芳香族ジアゾ化合物、
芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性
化合物を含有するもの、(3)ジアゾ系アミンとホルム
アルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれ
るもの等がある。また、光可溶型のものとしては、
(4)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類を含有するもの、(5)キノンジア
ゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させた、例えば
フェノール、ノボラック樹脂のナフトキノン1、2−ジ
アジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
【0021】本発明において用いる光反応性有機成分
は、上記のすべてのものを用いることができる。
【0022】光反応性有機成分としての感光性モノマー
としては、例えば炭素−炭素不飽和結合を含有する化合
物が挙げられ、その具体的な例として、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアク
リレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルア
クリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルア
クリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニ
ルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチ
ルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレ
ート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オ
クタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルア
クリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチ
ルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒ
ドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエ
チルアクリレートおよび上記化合物の分子内のアクリレ
ートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたも
の、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
【0023】本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。これら以外に、不飽和カルボン酸
を加えることによって、感光後の現像性を向上すること
ができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、ア
クリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸
無水物などがあげられる。
【0024】一方、光反応性有機成分としての感光性オ
リゴマーや感光性ポリマーとしては、具体的には、フェ
ニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナ
フチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−プロピレン
オキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオフェ
ノール(メタ)アクリレート、ベンジルメルカプタン
(メタ)アクリレート、また、これらの芳香環の水素原
子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモ
ノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレ
ン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−
メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメ
チルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンのうち少なく
とも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを
用いることができる。
【0025】重合する際に、これらのモノマーの含有率
が10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上に
なるように、他の反応性のモノマーを共重合することが
できる。共重合するモノマーとしては、前述の炭素−炭
素不飽和結合を含有する化合物を用いることができる。
【0026】また、不飽和カルボン酸を共重合すること
によって、感光後の現像性を向上することができる。不
飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メ
タアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などが
あげられる。
【0027】こうして得られた側鎖にカルボキシル基を
有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は5
0〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。
酸価が50未満であると、現像許容幅が狭くなる。ま
た、酸価が180を越えると未露光部の現像液に対する
溶解性が低下するようになるため現像液濃度を濃くする
と露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得ら
れにくい。
【0028】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を付与することができる。好ま
しい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するもので
ある。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。この
ような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート
基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
を付加反応させて作る方法がある。
【0029】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。イソシアネート基を有するエ
チレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイル
イソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシア
ネート等がある。また、グリシジル基やイソシアネート
基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させる
ことが好ましい。
【0030】本発明に用いる感光性ガラスペーストは、
光反応性有機成分の含有率が感光性ガラスペースト中の
有機成分の総量に対して10重量%以上であることが光
に対する感度の点で好ましい。さらには、30重量%以
上であることが好ましい。感光性ガラスペースト中の有
機成分としては、光反応性有機成分以外に、バインダ
ー、光重合開始剤、紫外線吸光剤、増感剤、増感助剤、
重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、
分散剤、有機沈殿防止剤などの添加剤成分を含むことが
できる。
【0031】本発明において用いられる感光性ガラスペ
ースト中には、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸光
剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、
有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、有機或いは無機の沈殿
防止剤などの添加剤成分を加えることも行われる。
【0032】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。こ
のバインダー成分の高屈折率化を行うことも、光反応性
有機成分の高屈折率化には効果的である。バインダー成
分の高屈折率化方法は、前述の感光性ポリマーや感光性
オリゴマーにおいて、光反応性基であるエチレン性不飽
和基を側鎖または分子末端に付加していないものを用い
ることができる。つまり、感光性ポリマーや感光性オリ
ゴマーの反応性基を付与する工程を省略したものをバイ
ンダーとして用いることができる。
【0033】光重合開始剤としての具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジル−メト
キシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノ
ン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアント
ラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベ
ンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロ
ン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス
(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6
−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロ
ヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−
(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム、ミヒラ−ケトン、2−メチル−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジス
ルフィド、ベンズチアゾ−ルジスルフィド、トリフェニ
ルホルフィン、カンファ−キノン、四臭素化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン及びエオシ
ン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなど
があげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上
使用することができる。光重合開始剤は、光反応性有機
成分に対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、
より好ましくは、0.1〜5重量%である。重合開始剤
の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重合開始
剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎ
るおそれがある。
【0034】紫外線吸光剤を添加することも有効であ
る。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによっ
て高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外
線吸光剤としては有機系染料からなるものが用いられ、
中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数
を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的に
は、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染
料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキ
ノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレ
ート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料など
が使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合
にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶
縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの
中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
有機染料の添加量は感光性ガラスペースト全体の0.0
5〜5重量部が好ましい。0.05重量%未満では紫外
線吸光剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成
後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ま
しくは0.15〜1重量%である。有機顔料からなる紫
外線吸光剤の添加方法の一例を上げると、有機顔料を予
め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中
にガラス粉末を混合後、乾燥することによってできる。
この方法によってガラス粉末の個々の粉末表面に有機の
膜をコートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製でき
る。
【0035】増感剤は、高感度を向上させるために添加
される。増感剤の具体例としては、2、4−ジエチルチ
オキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−
ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノ
ン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シク
ロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベン
ザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケト
ン、4,4、−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4
−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミ
ノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベン
ジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニ
ルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−^ビス
(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カ
ルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセト
ン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノク
マリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミ
ン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタ
ノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸
イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テト
ラゾ−ラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニ
ルチオ−テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこ
れらを1種または2種以上使用することができる。な
お、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるも
のがある。増感剤を本発明の感光性ガラスペーストに添
加する場合、その添加量は光反応性有機成分に対して通
常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量
%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させ
る効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の
残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0036】重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上さ
せるために添加される。重合禁止剤の具体的な例として
は、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、
N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−
t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロ
ラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤
を添加する場合、その添加量は感光性ガラスペースト中
に通常、0.001〜1重量%である。
【0037】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0038】酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2、6−ジ−t
−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−
メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4−チビス−(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコール
エステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェ
ニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加
する場合、その添加量は通常、感光性ガラスペースト中
に0.001〜1重量%である。
【0039】本発明の感光性ガラスペーストには、溶液
の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。こ
のとき使用される有機溶媒としては、メチルセルソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチ
ルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、
シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォ
キシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロ
ベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロ
モ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種
以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0040】本発明においては、ガラス粉末などの無機
微粒子に含まれるPb,Fe,Cd,Mn,Co,Mg
などの金属および酸化物がペースト中に含有される反応
性成分と反応してペーストが短時間でゲル化し、塗布で
きなくなる場合がある。このような反応を防止するため
に安定化剤を添加してゲル化を防止することが好まし
い。用いる安定化剤としては、トリアゾール化合物が好
ましく用いられる。トリアゾール化合物の中でも特にベ
ンゾトリアゾールが有効に作用する。本発明において使
用されるベンゾトリアゾールによるガラス粉末の表面処
理の一例を上げると、無機微粒子に対して所定の量のベ
ンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルア
ルコール、メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した
後、これら微粒子が十分に浸す事ができるように溶液中
に1〜24時間浸積する。浸積後、好ましくは20〜3
0°C下で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール
処理を行った粉末を作製する。使用される安定化剤の量
は無機微粒子全体の0.05〜5重量%が好ましい。
【0041】かくして、本発明の感光性ガラスペースト
は、通常、感光性ポリマーや感光性モノマー、などの光
反応性有機成分およびガラス粉末などのガラスフリッ
ト、並びにその他の光重合開始剤、無機微粒子、紫外線
吸光剤、および溶媒等の各種成分を所定の組成となるよ
うに調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散
して作製することができる。感光性ガラスペーストの粘
度は無機微粒子、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿
防止剤などの添加割合によって適宜調整されるが、その
範囲は2000〜20万cps(センチ・ポイズ)であ
る。例えばガラス基板への塗布をスクリーン印刷法以外
にスピンコート法で行う場合は、2000〜5000c
psが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜厚
10〜20μmを得るには、5万〜20万cpsが好ま
しい。
【0042】次に、感光性ガラスペーストを用いてパタ
ーン加工を行う一例について説明するが、本発明はこれ
に限定されない。
【0043】ガラス基板上に、感光性ガラスペーストを
全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法として
は、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター等
公知の方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回
数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶこと
によって調整できる。
【0044】ここで感光性ガラスペーストをガラス基板
上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるた
めに基板の表面処理を行うことができる。表面処理液と
してはシランカップリング剤、例えばビニルトリクロロ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、
γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランなど或いは有機金属例えば有機
チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどであ
る。シランカップリング剤或いは有機金属を有機溶媒例
えばエチレングリコールモノメチルエ−テル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどで0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。
次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗
布した後に80〜140°Cで10〜60分間乾燥する
ことによって表面処理ができる感光性ペーストを塗布し
た後に、その表面に酸素遮蔽膜を設けることによって、
パターン形状を向上することができる。酸素遮蔽膜の一
例としては、ポリビニルアルコール(PVA)の膜が挙
げられる。PVA膜の形成方法は濃度が0.5〜5重量
%の水溶液をスピナーなどの方法で基板上に均一に塗布
した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥することに
よって水分を蒸発させて行うことができる。また水溶液
中にアルコールを少量添加すると絶縁膜との塗れ性が良
くなり蒸発が容易になるので好ましい。さらに好ましい
PVAの溶液濃度は、1〜3重量%である。この範囲に
あると感度が一層向上する。PVA塗布によって感度が
向上するのは次の理由が推定される。すなわち反応性成
分が光反応する際に、空気中の酸素があると光硬化の感
度を妨害すると考えられるが、PVAの膜があると余分
な酸素を遮断できるので露光時に感度が向上するので好
ましい。PVA以外に水溶性で、透明なポリマー例えば
セルロース系のメチルセルロースなども使用できる。
【0045】露光の方法として、感光性ペーストの塗布
を行った後、フォトマスクを介して、塗布面から露光を
行うのが一般的な方法であるが、本発明では、簡便に高
精度・高アスペクト比の隔壁を形成するための方法とし
て、塗布面の裏面であるガラス面からの露光による方法
を用いる。
【0046】本発明法では、好ましくは・ガラス基板上
にスクリーン印刷法もしくは感光性導電ペーストを用い
たフォトリソグラフィー法によって、電極パターンを形
成する、・電極を形成したガラス基板上に、スクリーン
印刷やドクターブレードを用いて、感光性ガラスペース
トを塗布する、・塗布後、塗布面の裏面からの露光を行
う、・現像を行い、不要な部分を除去する、・焼成を行
い、有機物を除去し、隔壁を形成する、ことにより簡便
に高精度の隔壁を形成できる。
【0047】この方法で高アスペクト比のパターンが形
成できるのは、ガラス基板面からの露光によって、感光
性ガラスペースト中の光反応性有機成分が反応し、ガラ
ス基板面との接着性が向上するためと考えられる。
【0048】この方法で隔壁を作製するとき、露光量不
足でも位置ズレの全くない隔壁が形成できるが、その
際、隔壁上部が現像により溶出し丸みを帯びるため、目
的形状のものが得られない。そこで、感光性ガラスペー
スト塗布面から1〜20秒程度の短時間の露光を行って
おくとこれを解決することができる。
【0049】上記の隔壁形成操作のうち、ペースト塗布
後に乾燥工程を、露光直後に加熱工程を加えると好まし
い。乾燥工程は、ペースト表面のベタツキ解消のため、
加熱工程はペーストの硬化を促進させるためである。乾
燥および加熱は80〜150℃で10〜30分間が好ま
しい。
【0050】露光の際に使用される活性光源は、たとえ
ば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、赤色や青色のレ
ーザー光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好
ましく、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使
用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適であ
る。露光条件は塗布厚みによって異なるが、5〜100
mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて1〜30分
間露光を行なう。
【0051】露光後、現像液を使用して現像を行なう
が、この場合、浸漬法やスプレー法で行なう。現像液
は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機
溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失わ
れない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中に
カルボキシル基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ
水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナト
リウムや水酸化カルシウム水溶液などのような金属アル
カリ水溶液を使用できるが、有機のアルカリ性水溶液を
用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好
ましい。有機のアルカリ性物質としては、公知のアミン
化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルア
ンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の
濃度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.
1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光
部が除去されずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パター
ン部を剥離させ、また露光部を腐食させるおそれがあり
良くない。
【0052】次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や
温度はペーストや基板の種類によって異なるが、通常は
空気中もしくは窒素雰囲気中で焼成する。焼成温度は4
00〜1000℃で行う。ガラス基板上にパターン加工
する場合や無機微粒子として銀を用いた場合は、520
〜610℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行
う。
【0053】また、以上の工程中に、乾燥、予備反応の
目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
【0054】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
【0055】実施例1 (ガラス粉末Aの製造)SiO2:17.4%、Al2
O3:3.5%、B2O3:13.3%、BaO:8.
4%、Bi2O3:37.4%、ZnO:16%Na2
O:4.0%の組成からなるガラス粉末原料を用いて、
プラズマ気流中での球状化処理を行った。得られた粉末
は、平均粒子径3.4μm、比表面積4.1m/g、
球形率95個数%であった。球形率の測定は、粉末を光
学顕微鏡で300倍に拡大し、計数可能な粒子の内、球
形のものの比率で測定した。このガラス微粒子100g
を、有機染料である“ユビナール”D−50をイソプロ
パノールに溶解させた溶液(染料0.1g/溶媒20
g)に添加して、ホモジナイザで均一に撹拌した。次に
このガラス粉末を添加・分散した溶液を、ロータリーエ
バポレーターで150℃に加熱して、溶媒を留去しガラ
ス粉末Aを得た。
【0056】(光反応性有機成分を含有する有機成分B
の製造)下記の溶媒50gに下記のバインダーポリマー
50gを溶解した後、下記の感光性モノマー50g、下
記の光重合開始剤10g、下記の増感剤10gおよび下
記の光重合促進剤5gを添加して撹拌し、有機成分Bを
得た。 溶媒:γ−ブチロラクトン バインダーポリマー:メタクリル酸メチル30%、メタ
クリル酸40%、スチレン30%からなる共重合体のカ
ルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタク
リレートを付加させたポリマー 光重合開始剤:2−メチル−1−[4ー(メチルチオ)
フェニル]−2−モルホリノプロパノン 感光性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレ
ート 増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン 光重合促進剤:p−ジメチルアミノ安息香酸エチル
【0057】(感光性ガラスペーストCの製造)粉末無
機微粒子A及び有機成分Bを80℃に加熱しながら溶解
し、その後、無機微粒子Cを添加し、3本ローラーで混
練機で混練することによって、感光性ガラスペーストC
を作成した。
【0058】(隔壁の形成)ガラス基板に、電極パター
ンを形成し焼成し、その上から感光性ガラスペーストC
を30cm角のソーダガラス基板上に、ドクターブレー
ドを用いた方法で120μmの厚みになるように塗布を
行った後、80℃で20分乾燥した。次に、マスクを用
いて露光を行った。マスクは、ピッチ220μm、線幅
50μm、ストライプ状のパターン形成が可能になるよ
うに設計したクロムマスクである。露光は、片面50m
W/cm2 の出力の超高圧水銀灯を有する両面露光機
(片面露光も可)で紫外線露光を行った。露光方法はガ
ラス基板面から5分間の露光を行い、現像、乾燥と焼成
を行った。
【0059】その後、炭酸ナトリウムの1%水溶液に浸
漬して、現像を行った。さらに、得られたガラス基板を
100℃で30分乾燥した後、580℃1時間で焼成を
行った。
【0060】評価は、隔壁のパターン形状(線幅50μ
m×高さ120μm、ピッチ220μmがターゲット)
を電子顕微鏡観察によって観察した。得られた隔壁パタ
ーン4に欠落はみられなかった。
【0061】実施例2 ガラス基板に、電極パターンを形成し焼成せずに、その
上から感光性ガラスペーストを塗布し、ガラス基板面か
ら5分間の露光を行い、現像、乾燥と焼成を行う方法
に、変更した以外は実施例1と全く同様にして隔壁を形
成し、評価した。得られた隔壁パターンに欠落はみられ
なかった。
【0062】実施例3 ガラス基板に、電極パターンを形成し焼成し、その上か
ら感光性ガラスペーストを塗布し、塗布面から1秒間、
ガラス基板面から4分間の露光を行い、現像、乾燥と焼
成を行う方法に、変更した以外は実施例1と全く同様に
して隔壁を形成し、評価した。得られた隔壁パターンに
欠落はみられなかった。
【0063】実施例4 ガラス基板に、電極パターンを形成し焼成せずに、その
上から感光性ガラスペーストを塗布し、塗布面から1秒
間、ガラス基板面から4分間の露光を行い、現像、乾燥
とう方法に、変更した以外は実施例1と全く同様にして
隔壁を形成し、評価した。得られた隔壁パターンに欠落
はみられなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、プラズマディスプレイ
やプラズマアドレス液晶ディスプレイなどの等の絶縁隔
壁を必要とするディスプレイの製造において、高アスペ
クト比かつ高精度のパターン加工が可能になる。特に、
簡便に高精度のプラズマディスプレイパネルの隔壁を形
成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に光反応性有機成分とガラス
    粉末を必須成分とする感光性ガラスペーストを塗布後、
    塗布面の裏面であるガラス面から露光を行い、現像して
    パターンを形成した後、焼成により隔壁層を形成するこ
    とを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法。
  2. 【請求項2】ガラス基板上に電極パターンを形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの
    製造方法。
  3. 【請求項3】形成した電極パターンが紫外線を吸収する
    材料を含有することを特徴とする請求項2記載のプラズ
    マディスプレイの製造方法。
  4. 【請求項4】紫外線を吸収する材料が有機紫外線吸収剤
    であることを特徴とする請求項3記載のプラズマディス
    プレイの製造方法。
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