JPH09303569A - リップ型シール - Google Patents
リップ型シールInfo
- Publication number
- JPH09303569A JPH09303569A JP8146538A JP14653896A JPH09303569A JP H09303569 A JPH09303569 A JP H09303569A JP 8146538 A JP8146538 A JP 8146538A JP 14653896 A JP14653896 A JP 14653896A JP H09303569 A JPH09303569 A JP H09303569A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lip member
- head
- outer peripheral
- rotary shaft
- main
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 固形異物を含んだ液体を密封対象とした場合
にも良好な密封性を維持することができるリップ型シー
ルを提供し、もって機器の低価格化を図る。 【解決手段】 ハウジング1の内周面に密嵌固定される
装着基部11aから内周側かつポンプ室3側へ向けて延
在された筒状可撓部11bの先端に回転軸2の外周面と
摺接されるヘッド11cを有するエラストマ製主リップ
部材11と、前記装着基部11aに後部が露出した状態
に埋設された補強環12と、主リップ部材11の背面側
に配置されたPTFE製バックアップリップ部材13
と、このバックアップリップ部材13の外周部13aの
背面側に配置され補強環12の後端のカシメ部12aに
支持された内環14と、主リップ部材11のヘッド11
cの外周部から一体に延在されてこのヘッド11cより
ポンプ室3側で回転軸2の外周面と摺接するエラストマ
製補助リップ部材15とからなる。
にも良好な密封性を維持することができるリップ型シー
ルを提供し、もって機器の低価格化を図る。 【解決手段】 ハウジング1の内周面に密嵌固定される
装着基部11aから内周側かつポンプ室3側へ向けて延
在された筒状可撓部11bの先端に回転軸2の外周面と
摺接されるヘッド11cを有するエラストマ製主リップ
部材11と、前記装着基部11aに後部が露出した状態
に埋設された補強環12と、主リップ部材11の背面側
に配置されたPTFE製バックアップリップ部材13
と、このバックアップリップ部材13の外周部13aの
背面側に配置され補強環12の後端のカシメ部12aに
支持された内環14と、主リップ部材11のヘッド11
cの外周部から一体に延在されてこのヘッド11cより
ポンプ室3側で回転軸2の外周面と摺接するエラストマ
製補助リップ部材15とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体、特に固形異
物を含んだ液体を密封対象として回転軸周に設けられる
リップ型シールに関する。
物を含んだ液体を密封対象として回転軸周に設けられる
リップ型シールに関する。
【0002】
【従来の技術】送水ポンプ等の配管系内には多数の鋳物
砂や錆等の固形異物が存在するため、このようなポンプ
の軸封装置として、例えば通常のリップ型シールを用い
た場合は、密封摺動面に前記固形異物が介入して密封性
が著しく損なう恐れがある。したがって、このような軸
封装置としては、固形異物に対する耐性を有するメカニ
カルシールを使用することが好ましい。ところが、メカ
ニカルシールは高価であるため、ポンプの低価格化を図
るには適用が限られている。
砂や錆等の固形異物が存在するため、このようなポンプ
の軸封装置として、例えば通常のリップ型シールを用い
た場合は、密封摺動面に前記固形異物が介入して密封性
が著しく損なう恐れがある。したがって、このような軸
封装置としては、固形異物に対する耐性を有するメカニ
カルシールを使用することが好ましい。ところが、メカ
ニカルシールは高価であるため、ポンプの低価格化を図
るには適用が限られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情のもとになされたもので、その技術的課題とする
ところは、固形異物を含んだ液体を密封対象とした場合
にも良好な密封性を維持することができるリップ型シー
ルを提供し、もって機器の低価格化を図ることにある。
な事情のもとになされたもので、その技術的課題とする
ところは、固形異物を含んだ液体を密封対象とした場合
にも良好な密封性を維持することができるリップ型シー
ルを提供し、もって機器の低価格化を図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るリップ型シールは、ハウジングの内周面に
密嵌される外周の装着基部から内周側かつ密封空間側へ
向けて延在された筒状可撓部の先端に回転軸の外周面と
摺接されるヘッドを有する形状のエラストマ製主リップ
部材と、外周部が前記主リップ部材の外周部に当接され
て内周の筒状支持部が前記主リップ部材の筒状可撓部を
内周側から支承する合成樹脂製バックアップリップ部材
と、前記主リップ部材のヘッドの外周側から延在されて
前記ヘッドより密封空間側で前記回転軸の外周面と摺接
するエラストマ製補助リップ部材とからなるものであ
る。またこの補助リップ部材は、前記主リップ部材の装
着基部内周に密嵌されたものであっても良い。
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るリップ型シールは、ハウジングの内周面に
密嵌される外周の装着基部から内周側かつ密封空間側へ
向けて延在された筒状可撓部の先端に回転軸の外周面と
摺接されるヘッドを有する形状のエラストマ製主リップ
部材と、外周部が前記主リップ部材の外周部に当接され
て内周の筒状支持部が前記主リップ部材の筒状可撓部を
内周側から支承する合成樹脂製バックアップリップ部材
と、前記主リップ部材のヘッドの外周側から延在されて
前記ヘッドより密封空間側で前記回転軸の外周面と摺接
するエラストマ製補助リップ部材とからなるものであ
る。またこの補助リップ部材は、前記主リップ部材の装
着基部内周に密嵌されたものであっても良い。
【0005】なお、文中において、「背面」とは密封空
間と反対側(大気側)を向いた面のことを言い、「先
端」とは密封空間側の端部を言い、「後端」とは密封空
間と反対側の端部を言う。
間と反対側(大気側)を向いた面のことを言い、「先
端」とは密封空間側の端部を言い、「後端」とは密封空
間と反対側の端部を言う。
【0006】本発明によれば、主リップ部材は、ヘッド
が回転軸の外周面と摺接することによって、密封空間内
の密封対象流体が軸周から漏洩するのを阻止する密封の
主体となるものであり、バックアップリップ部材は、主
リップ部材の筒状可撓部を内周側から支承することによ
って、密封対象流体の圧力による主リップ部材のヘッド
の摺動状態の悪化を抑制するものである。補助リップ部
材は、密封対象流体中に含まれる固形異物が前記ヘッド
と回転軸との密封摺動部へ侵入するのを遮断するもので
あり、また、この補助リップ部材は、主リップ部材の装
着基部内周に密嵌されたものである場合は、主リップ部
材の筒状可撓部に作用する密封対象流体の圧力を減圧し
て、前記筒状可撓部の変形による前記ヘッドの摺動状態
の悪化を抑制する作用を有する。
が回転軸の外周面と摺接することによって、密封空間内
の密封対象流体が軸周から漏洩するのを阻止する密封の
主体となるものであり、バックアップリップ部材は、主
リップ部材の筒状可撓部を内周側から支承することによ
って、密封対象流体の圧力による主リップ部材のヘッド
の摺動状態の悪化を抑制するものである。補助リップ部
材は、密封対象流体中に含まれる固形異物が前記ヘッド
と回転軸との密封摺動部へ侵入するのを遮断するもので
あり、また、この補助リップ部材は、主リップ部材の装
着基部内周に密嵌されたものである場合は、主リップ部
材の筒状可撓部に作用する密封対象流体の圧力を減圧し
て、前記筒状可撓部の変形による前記ヘッドの摺動状態
の悪化を抑制する作用を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るリップ型シー
ルの第一の実施形態を示すものである。この図1におい
て、参照符号1はポンプ等の機器の軸封部ハウジング、
2はこのハウジング1の内周に挿通されて密封対象の空
間であるポンプ室3内の図示されていないインペラを回
転させるための回転軸であり、リップ型シールは、ハウ
ジング1と回転軸2との間の軸周空間を通じて前記ポン
プ室3から水等の密封対象液が流出するのを防止するも
のである。
ルの第一の実施形態を示すものである。この図1におい
て、参照符号1はポンプ等の機器の軸封部ハウジング、
2はこのハウジング1の内周に挿通されて密封対象の空
間であるポンプ室3内の図示されていないインペラを回
転させるための回転軸であり、リップ型シールは、ハウ
ジング1と回転軸2との間の軸周空間を通じて前記ポン
プ室3から水等の密封対象液が流出するのを防止するも
のである。
【0008】この実施形態におけるリップ型シールは、
ハウジング1の内周面に密嵌固定される外周の装着基部
11aから内周側かつポンプ室3側へ向けて延在された
筒状可撓部11bの先端に回転軸2の外周面と摺接され
るヘッド11cを有する形状のエラストマ製の主リップ
部材11と、この主リップ部材11の装着基部11aに
後部が露出した状態に埋設された補強環12と、前記主
リップ部材11の背面側に配置されたPTFE等の合成
樹脂からなるバックアップリップ部材13と、このバッ
クアップリップ部材13の外周部13aの背面側に配置
され補強環12の後端のカシメ部12aに支持された内
環14と、主リップ部材11のヘッド11cの外周部か
らポンプ室3側へ突出するテーパ状に一体に形成されて
前記ヘッド11cよりポンプ室3側で回転軸2の外周面
と摺接するエラストマ製の補助リップ部材15とを備え
ている。主リップ部材11のヘッド11cの外周部に
は、ガータスプリング16が巻装されている。
ハウジング1の内周面に密嵌固定される外周の装着基部
11aから内周側かつポンプ室3側へ向けて延在された
筒状可撓部11bの先端に回転軸2の外周面と摺接され
るヘッド11cを有する形状のエラストマ製の主リップ
部材11と、この主リップ部材11の装着基部11aに
後部が露出した状態に埋設された補強環12と、前記主
リップ部材11の背面側に配置されたPTFE等の合成
樹脂からなるバックアップリップ部材13と、このバッ
クアップリップ部材13の外周部13aの背面側に配置
され補強環12の後端のカシメ部12aに支持された内
環14と、主リップ部材11のヘッド11cの外周部か
らポンプ室3側へ突出するテーパ状に一体に形成されて
前記ヘッド11cよりポンプ室3側で回転軸2の外周面
と摺接するエラストマ製の補助リップ部材15とを備え
ている。主リップ部材11のヘッド11cの外周部に
は、ガータスプリング16が巻装されている。
【0009】主リップ部材11は、その装着基部11a
が、補強環12の外周側の部分でハウジング1の内周面
に圧接状態に装着され、ヘッド11cの断面略V字形の
内径部が、ガータスプリング16の締め付け力及びヘッ
ド11cのエラストマ自体の有する締め付け力によって
回転軸2の外周面に摺接され、これによって、ポンプ室
3の密封対象液(水)に対する密封の主体をなすもので
ある。バックアップリップ部材13は、その外周部13
aが、補強環12の埋設部分によって補強された主リッ
プ部材11の装着基部11aと、補強環12の後端のカ
シメ部12aに支持された内環14との間に挟着されて
おり、内周の筒状支持部13bにおいて主リップ部材1
1の筒状可撓部11bを内周側から支承するものであ
る。また補助リップ部材15は、ポンプ室3を通る密封
対象液に含まれる鋳物砂や錆等の固形異物が主リップ部
材11のヘッド11cと回転軸2との摺動部へ侵入する
のを遮断するものである。
が、補強環12の外周側の部分でハウジング1の内周面
に圧接状態に装着され、ヘッド11cの断面略V字形の
内径部が、ガータスプリング16の締め付け力及びヘッ
ド11cのエラストマ自体の有する締め付け力によって
回転軸2の外周面に摺接され、これによって、ポンプ室
3の密封対象液(水)に対する密封の主体をなすもので
ある。バックアップリップ部材13は、その外周部13
aが、補強環12の埋設部分によって補強された主リッ
プ部材11の装着基部11aと、補強環12の後端のカ
シメ部12aに支持された内環14との間に挟着されて
おり、内周の筒状支持部13bにおいて主リップ部材1
1の筒状可撓部11bを内周側から支承するものであ
る。また補助リップ部材15は、ポンプ室3を通る密封
対象液に含まれる鋳物砂や錆等の固形異物が主リップ部
材11のヘッド11cと回転軸2との摺動部へ侵入する
のを遮断するものである。
【0010】この構成によれば、液中の固形異物の介入
によって主リップ部材11のヘッド11cが損耗するよ
うなことがないので、固形異物を多く含む流体を密封対
象とする場合にも優れた耐久性を発揮する。また、ポン
プ室3の液圧による主リップ部材11の筒状可撓部11
bの内径側への変位がバックアップリップ部材13によ
って規制されているので、ヘッド11cが補助リップ部
材15側へ倒れたり、これに伴って補助リップ部材15
が回転軸2の外周面から浮き上がって固形異物に対する
シール機能を失墜するということがない。このため、例
えば前記液圧が0.5〜2.0 kgf/cm2 程度の高圧条
件でも使用することができる。
によって主リップ部材11のヘッド11cが損耗するよ
うなことがないので、固形異物を多く含む流体を密封対
象とする場合にも優れた耐久性を発揮する。また、ポン
プ室3の液圧による主リップ部材11の筒状可撓部11
bの内径側への変位がバックアップリップ部材13によ
って規制されているので、ヘッド11cが補助リップ部
材15側へ倒れたり、これに伴って補助リップ部材15
が回転軸2の外周面から浮き上がって固形異物に対する
シール機能を失墜するということがない。このため、例
えば前記液圧が0.5〜2.0 kgf/cm2 程度の高圧条
件でも使用することができる。
【0011】図2は本発明に係るリップ型シールの第二
の実施形態を示すものであって、主リップ部材11のヘ
ッド11cにガータスプリングが巻装されていない点の
みが上述の第一の実施形態と異なっている。
の実施形態を示すものであって、主リップ部材11のヘ
ッド11cにガータスプリングが巻装されていない点の
みが上述の第一の実施形態と異なっている。
【0012】また、図3は本発明に係るリップ型シール
の第三の実施形態を示すものであって、主リップ部材1
1、補強環12、バックアップリップ部材13、内環1
4及びガータスプリング16は、図1に示す第一の実施
形態と同様であり、補助リップ部材15が主リップ部材
11の装着基部11aの内周面に密嵌固定されている点
において異なっている。エラストマからなる補助リップ
部材15は、主リップ部材11の装着基部11aに密嵌
される筒状の外周部15aが金属からなる補強環17で
補強されており、そこから内周側へ向けて主リップ部材
11の正面側(ポンプ室3側)を囲むように延び、ポン
プ室3側へ突出するテーパ状に形成された内周部15b
がヘッド11cよりポンプ室3側で回転軸2の外周面と
摺接している。
の第三の実施形態を示すものであって、主リップ部材1
1、補強環12、バックアップリップ部材13、内環1
4及びガータスプリング16は、図1に示す第一の実施
形態と同様であり、補助リップ部材15が主リップ部材
11の装着基部11aの内周面に密嵌固定されている点
において異なっている。エラストマからなる補助リップ
部材15は、主リップ部材11の装着基部11aに密嵌
される筒状の外周部15aが金属からなる補強環17で
補強されており、そこから内周側へ向けて主リップ部材
11の正面側(ポンプ室3側)を囲むように延び、ポン
プ室3側へ突出するテーパ状に形成された内周部15b
がヘッド11cよりポンプ室3側で回転軸2の外周面と
摺接している。
【0013】この実施形態においては、補助リップ部材
15は、第一及び第二の実施形態のものと同様、ポンプ
室3を通る密封対象液に含まれる鋳物砂や錆等の固形異
物が主リップ部材11のヘッド11cと回転軸2との密
封摺動部へ侵入するのを遮断するものであるが、同時
に、主リップ部材11の筒状可撓部11bに対するポン
プ室3の密封対象液の圧力を減圧する減圧シールとして
の機能も発揮する。このため、ポンプ室3内の圧力は、
主リップ部材11のヘッド11cに直接作用せず、高圧
条件によるヘッド11cの摺動状態の悪化が抑制され
る。
15は、第一及び第二の実施形態のものと同様、ポンプ
室3を通る密封対象液に含まれる鋳物砂や錆等の固形異
物が主リップ部材11のヘッド11cと回転軸2との密
封摺動部へ侵入するのを遮断するものであるが、同時
に、主リップ部材11の筒状可撓部11bに対するポン
プ室3の密封対象液の圧力を減圧する減圧シールとして
の機能も発揮する。このため、ポンプ室3内の圧力は、
主リップ部材11のヘッド11cに直接作用せず、高圧
条件によるヘッド11cの摺動状態の悪化が抑制され
る。
【0014】また、図4は本発明に係るリップ型シール
の第四の実施形態を示すものであって、ポンプ室3内の
密封対象液に対する密封の主体であるエラストマ製の主
リップ部材11の背面には上述の第一乃至第三の実施形
態のようなバックアップリップ部材13及び内環14が
存在せず、補助リップ部材15は、その筒状の外周部1
5aにおいて主リップ部材11の装着基部11aの内周
面に密嵌固定されており、前記外周部15a及びその先
端から内周側へ延びる径方向部15cを補強している補
強環17の内周面には内環18が固定され、この内環1
8と補助リップ部材15の径方向部15cとの間にバッ
クアップリップ部材19の外周部19aが挟着されてい
る。このバックアップリップ部材19は、内周部19b
において補助リップ部材15を内周側から支承し、ポン
プ室3の液圧による補助リップ部材15の内径側への変
位を規制するものである。
の第四の実施形態を示すものであって、ポンプ室3内の
密封対象液に対する密封の主体であるエラストマ製の主
リップ部材11の背面には上述の第一乃至第三の実施形
態のようなバックアップリップ部材13及び内環14が
存在せず、補助リップ部材15は、その筒状の外周部1
5aにおいて主リップ部材11の装着基部11aの内周
面に密嵌固定されており、前記外周部15a及びその先
端から内周側へ延びる径方向部15cを補強している補
強環17の内周面には内環18が固定され、この内環1
8と補助リップ部材15の径方向部15cとの間にバッ
クアップリップ部材19の外周部19aが挟着されてい
る。このバックアップリップ部材19は、内周部19b
において補助リップ部材15を内周側から支承し、ポン
プ室3の液圧による補助リップ部材15の内径側への変
位を規制するものである。
【0015】バックアップリップ部材19の内周部19
bの先端外周縁は、補助リップ部材15の先端に形成さ
れたテーパ状内周部15bの背面に当接する位置にあ
り、また、バックアップリップ部材19の内周部19b
と補助リップ部材15との間に隙間Sを有する。このた
め、ポンプ室3の液圧によって補助リップ部材15のテ
ーパ状内周部15bが内径側へ変位しようとしても、こ
の変位はバックアップリップ部材19によって規制さ
れ、また、前記液圧によって補助リップ部材15が内径
側へ変位されるのに伴って、バックアップリップ部材1
9の内周部19bの先端外周縁との接触部Aを支点とす
るモーメントを生じ、このモーメントは回転軸2の外周
面に対する前記テーパ状内周部15bの摺動幅の増大を
抑制する方向に作用するようになっている。
bの先端外周縁は、補助リップ部材15の先端に形成さ
れたテーパ状内周部15bの背面に当接する位置にあ
り、また、バックアップリップ部材19の内周部19b
と補助リップ部材15との間に隙間Sを有する。このた
め、ポンプ室3の液圧によって補助リップ部材15のテ
ーパ状内周部15bが内径側へ変位しようとしても、こ
の変位はバックアップリップ部材19によって規制さ
れ、また、前記液圧によって補助リップ部材15が内径
側へ変位されるのに伴って、バックアップリップ部材1
9の内周部19bの先端外周縁との接触部Aを支点とす
るモーメントを生じ、このモーメントは回転軸2の外周
面に対する前記テーパ状内周部15bの摺動幅の増大を
抑制する方向に作用するようになっている。
【0016】したがってこの実施形態によれば、ポンプ
室3内の密封対象液の圧力が、内径側への変形を規制さ
れた補助リップ部材15によって確実に遮断され、主リ
ップ部材11のヘッド11cは、前記密封対象液の圧力
の如何に拘らず、常に適切な荷重で回転軸2の外周面に
摺接する。しかも、密封対象液の圧力による補助リップ
部材15自体の摺動負荷の増大も有効に抑制されるの
で、優れた耐久性を有するものである。
室3内の密封対象液の圧力が、内径側への変形を規制さ
れた補助リップ部材15によって確実に遮断され、主リ
ップ部材11のヘッド11cは、前記密封対象液の圧力
の如何に拘らず、常に適切な荷重で回転軸2の外周面に
摺接する。しかも、密封対象液の圧力による補助リップ
部材15自体の摺動負荷の増大も有効に抑制されるの
で、優れた耐久性を有するものである。
【0017】なお、上記各実施形態においては、主リッ
プ部材11、バックアップリップ部材13,19におけ
る回転軸との摺接部に螺旋溝を形成することによって回
転軸2の回転に伴うネジシール作用を与えることが考え
られる。また、補助リップ部材15における回転軸2の
外周面との摺接部には螺旋溝を形成することによって、
前記摺接部に介入しようとする固形異物をポンプ室3側
へ排除するようになすことも好ましい。
プ部材11、バックアップリップ部材13,19におけ
る回転軸との摺接部に螺旋溝を形成することによって回
転軸2の回転に伴うネジシール作用を与えることが考え
られる。また、補助リップ部材15における回転軸2の
外周面との摺接部には螺旋溝を形成することによって、
前記摺接部に介入しようとする固形異物をポンプ室3側
へ排除するようになすことも好ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るリップ型シールによると、
エラストマからなる主リップ部材の密封摺動面に、密封
対象流体中の固形異物が介入しないので、従来はメカニ
カルシールを使用せざるを得なかったような多量の固形
異物の存在する軸封条件でも使用可能であり、機器の低
価格化を図ることができる。
エラストマからなる主リップ部材の密封摺動面に、密封
対象流体中の固形異物が介入しないので、従来はメカニ
カルシールを使用せざるを得なかったような多量の固形
異物の存在する軸封条件でも使用可能であり、機器の低
価格化を図ることができる。
【図1】本発明に係るリップ型シールの第一の実施形態
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
【図2】本発明に係るリップ型シールの第二の実施形態
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
【図3】本発明に係るリップ型シールの第三の実施形態
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
【図4】本発明に係るリップ型シールの第四の実施形態
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
の使用状態を軸心を通る平面で切断して示す半断面図で
ある。
1 ハウジング 2 回転軸 3 ポンプ室(密封空間) 11 主リップ部材 11a 装着基部 11b 筒状可撓部 11c ヘッド 13,19 バックアップリップ部材 14 内環 15 補助リップ部材
Claims (2)
- 【請求項1】 ハウジングの内周面に密嵌される外周の
装着基部から内周側かつ密封空間側へ向けて延在された
筒状可撓部の先端に回転軸の外周面と摺接されるヘッド
を有する形状のエラストマ製主リップ部材と、 外周部が前記主リップ部材の外周部に当接されて内周の
筒状支持部が前記主リップ部材の筒状可撓部を内周側か
ら支承する合成樹脂製バックアップリップ部材と、 前記主リップ部材のヘッドの外周側から延在されて前記
ヘッドより密封空間側で前記回転軸の外周面と摺接する
エラストマ製補助リップ部材と、からなることを特徴と
するリップ型シール。 - 【請求項2】 ハウジングの内周面に密嵌される外周の
装着基部から内周側かつ密封空間側へ向けて延在された
筒状可撓部の先端に回転軸の外周面と摺接されるヘッド
を有する形状のエラストマ製主リップ部材と、 この主リップ部材の装着基部内周に密嵌されて前記ヘッ
ドより密封空間側で前記回転軸の外周面と摺接するエラ
ストマ製補助リップ部材と、からなることを特徴とする
リップ型シール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8146538A JPH09303569A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | リップ型シール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8146538A JPH09303569A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | リップ型シール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09303569A true JPH09303569A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15409924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8146538A Withdrawn JPH09303569A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | リップ型シール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09303569A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19915467A1 (de) * | 1999-04-06 | 2000-10-26 | Freudenberg Carl Fa | Radialwellendichtring |
KR100575566B1 (ko) * | 1997-10-24 | 2006-11-30 | 이구루코교 가부시기가이샤 | 밀봉장치 |
JP2007100915A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Nok Corp | オイルシール |
WO2008061581A1 (de) * | 2006-11-23 | 2008-05-29 | Elringklinger Ag | Dichtungsanordnung |
JP2020510787A (ja) * | 2017-03-14 | 2020-04-09 | レイボルド ゲーエムベーハー | 潤滑剤封入式真空ポンプ |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP8146538A patent/JPH09303569A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100575566B1 (ko) * | 1997-10-24 | 2006-11-30 | 이구루코교 가부시기가이샤 | 밀봉장치 |
DE19915467A1 (de) * | 1999-04-06 | 2000-10-26 | Freudenberg Carl Fa | Radialwellendichtring |
JP2007100915A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Nok Corp | オイルシール |
WO2008061581A1 (de) * | 2006-11-23 | 2008-05-29 | Elringklinger Ag | Dichtungsanordnung |
US7959159B2 (en) | 2006-11-23 | 2011-06-14 | Elringklinger Ag | Sealing arrangement |
JP2020510787A (ja) * | 2017-03-14 | 2020-04-09 | レイボルド ゲーエムベーハー | 潤滑剤封入式真空ポンプ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6726211B1 (en) | Sealing device | |
JP4855936B2 (ja) | シール装置 | |
JP3875824B2 (ja) | リップ型シール | |
JP4647488B2 (ja) | リップ型シール | |
US5653449A (en) | Seal assembly | |
JPH09303569A (ja) | リップ型シール | |
JPH08135795A (ja) | シール装置 | |
JP3591221B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2006300191A (ja) | シール装置 | |
JP2001074143A (ja) | リップ型シール | |
JPH0658426A (ja) | リップ型シール | |
JPH0733016Y2 (ja) | 偏心動用耐圧オイルシール | |
JPH0137255Y2 (ja) | ||
JPH11125337A (ja) | リップタイプシール | |
JP2011069401A (ja) | 密封装置 | |
JP2010025137A (ja) | 回転用オイルシール | |
JP2019100359A (ja) | 密封装置 | |
JP2814133B2 (ja) | 回転軸の密封装置 | |
JPH03265766A (ja) | リップシール装置 | |
GB2044862A (en) | Mechanical seal for preventing fluid leakage | |
JPH0247311Y2 (ja) | ||
JPH0689851B2 (ja) | 密封装置組立体 | |
JP2883551B2 (ja) | ねじ付オイルシール | |
JP4502471B2 (ja) | 回転軸シール | |
JP4564114B2 (ja) | リップ型シール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030805 |