JPH09303437A - 往復回転部材の制動装置及び一眼レフカメラのミラー制動装置 - Google Patents
往復回転部材の制動装置及び一眼レフカメラのミラー制動装置Info
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Abstract
ブレーキ作用を与える際に、往回転の回転終期にはブレ
ーキ作用が得られるが復回転の回転始期にはブレーキ作
用が生じないというように、往復回転部材の往回転と復
回転とで、同一の回転位相でありながら異なるブレーキ
作用が得られる制動装置を得る。 【構成】 往復回転部材に形成したカム面;往復回転部
材と連動して回転するブレーキドラム;及びカム面に係
合する制御腕と、ブレーキドラムに係合するブレーキ腕
とを有し、カム面形状に応じ揺動して上記ブレーキ腕を
ブレーキドラムに対して接離させるブレーキレバー;を
備え、カム面は、形状の異なる2つのカム面を有し、ブ
レーキレバーの制御腕は弾性変形可能で、該往復回転部
材の往回転と復回転との少なくとも一部の同一の回転位
相で、該制御腕を2つのカム面の異なるカム面との係合
可能位置に位置する往復回転部材の制動装置。
Description
この制動装置を適用した一眼レフカメラのミラー制動装
置に関する。
1回転以下の回転角で往復回転する部材に、その回転終
期だけブレーキをかける必要があることがある。ところ
が、往復回転部材に特定の回転位相でブレーキが作用す
るようにすると、往回転の回転終期と復回転の回転始
期、あるいは往回転の回転始期と復回転の回転終期とに
ともにブレーキ作用が働いてしまう。例えば、フォーカ
ルプレンシャッタでは、往回転(シャッタ走行時)の回
転終期にブレーキ作用が働けばよいのに、復回転の回転
始期にもブレーキが作用してしまい、動作スピードの上
からもエネルギーロスの上からも好ましくない。
ターンミラー)は、撮影レンズを透過した光をファイン
ダー系に導く観察位置と、撮影光路から退避する退避位
置との間を移動する。このミラー駆動機構は、基本的
に、ギヤ機構によって、このミラーをミラー軸を中心に
往復回転駆動するものであるが、そのギヤ機構中の1回
転以下の往復回動部材に、ミラーの上昇と下降の終端時
にブレーキを作用させると、ミラーが上昇端から下降を
開始するとき、下降端から上昇を開始するときにもブレ
ーキが作用してしまい、動作スピードの上からもエネル
ギーロスの上からも好ましくない。
往復回転部材にブレーキ作用を与える際の以上の問題点
を解決し、例えば、往回転の回転終期にはブレーキ作用
が得られるが復回転の回転始期にはブレーキ作用が生じ
ないというように、往復回転部材の往回転と復回転と
で、同一の回転位相でありながら異なるブレーキ作用が
得られる制動装置を得ることを目的とする。また本発明
は、より具体的には、一眼レフカメラのミラーが上昇端
と下降端に達する直前にはブレーキが作用するのに対
し、ミラーが上昇端から下降を開始するとき、及び下降
端から上昇を開始するときにはブレーキが作用しないミ
ラーの制動装置を得ることを目的とする。
回転以下の回動角で往復回転する往復回転部材;この往
復回転部材に形成したカム面;往復回転部材と連動して
回転するブレーキドラム;及びカム面に係合する制御腕
と、ブレーキドラムに係合するブレーキ腕とを有し、カ
ム面形状に応じ揺動して上記ブレーキ腕をブレーキドラ
ムに対して接離させるブレーキレバー;を備え、カム面
は、形状の異なる2つのカム面を有し、ブレーキレバー
の制御腕は弾性変形可能で、該往復回転部材の往回転と
復回転との少なくとも一部の同一の回転位相で、該制御
腕を2つのカム面の異なるカム面との係合可能位置に位
置することを特徴としている。
は、ミラー軸を中心に揺動可能で、撮影レンズを透過し
た光をファインダー系に導く観察位置と、撮影光路から
退避する退避位置との間を移動するミラー;このミラー
をミラー軸を中心に往復回転駆動するギヤ機構;このギ
ヤ機構中にあって、ミラーの観察位置と退避位置との間
の往復移動に連動して1回転以下の回動角で往復回転す
る往復回転部材;この往復回転部材に形成したカム面;
往復回転部材と連動して回転するブレーキドラム;及び
カム面に係合する制御腕と、ブレーキドラムに係合する
ブレーキ腕とを有し、カム面形状に応じ揺動してブレー
キ腕をブレーキドラムに対して接離させるブレーキレバ
ー;を備え、カム面は、形状の異なる2つのカム面を有
し、ブレーキレバーの制御腕は弾性変形可能で、該往復
回転部材の往回転と復回転とのそれぞれの回転始期にお
ける同一の回転位相で、該制御腕を一方のカム面の非ブ
レーキ区間に係合させてブレーキ腕をブレーキドラムか
ら離間させ、該往回転と復回転とのそれぞれの回転終期
における同一の回転位相で、該制御腕を他方のカム面の
ブレーキ区間に係合可能としてブレーキ腕をブレーキド
ラムに接触させることを特徴としている。
制動装置に適用した実施形態を説明する。図1に示すよ
うに、撮影レンズ11の後方に位置するクイックリター
ンミラー(以下単にミラー)12は、ミラーシート12
aと、このミラーシート12a上の反射ミラー12bと
を備え、その上端部のミラー軸13を中心に回動可能に
支持されている。ミラー軸13は、図示しないミラーボ
ックスに支持されている。このミラー12は、引張ばね
14によって下降方向に回動付勢され、その下降回動端
はストッパピン15が規制している。この下降回動端が
ミラー12の観察位置であり、撮影レンズ11を透過し
た被写体光は、反射ミラー12bで反射してピント板1
6上に結像する。ピント板16の上方には、ペンタプリ
ズム(又はペンタミラー)17と接眼レンズ18が配置
され、ピント板16上の被写体像が観察される。ミラー
12の上昇回動端は、図示しないストッパにより規制さ
れる。
同軸のセクタギヤ19が形成され、このセクタギヤ19
に駆動ギヤ20が噛み合っている。図2以下は、この駆
動ギヤ20回りのミラー制動装置の構成例である。親板
21に回転自在に支持された駆動ギヤ20は、同軸の小
ギヤ20aを有し、この小ギヤ20aに往復回転ギヤ2
2が噛み合っている。駆動ギヤ20は、中間大ギヤ23
aと噛み合い、中間大ギヤ23aと同軸の中間小ギヤ2
3bにはブレーキドラム24の小ギヤ24aが噛み合っ
ている。
置と退避位置との間を往復移動するとき、1回転以下の
回転角で往復回転するもので、図示例では、図2に示す
角度θが往復回転角である。この往復回転ギヤ22に
は、軸方向の上下2段の第1カム面(上カム面)25と
第2カム面(下カム面)26が形成されている。この第
1、第2のカム面25、26は、往復回転角の中心に対
し対称な形状を有し、カム面25は、中心の大径の非ブ
レーキ区間25aの両側に小径のブレーキ区間25bを
備えている。カム面26は、ブレーキ区間25bにほぼ
対応する大径の非ブレーキ区間26aと、この非ブレー
キ区間26aを非ブレーキ区間25aに接続する傾斜カ
ム面26bと、非ブレーキ区間25aの下に位置する軸
と直交する方向の案内面26cを有している。案内面2
6cの外周の大径部分26dは、カムとしての作用を持
っていない。非ブレーキ区間25aと非ブレーキ区間2
6aは、往復回転ギヤ22を平面的にみたとき同一径の
円弧上に位置している。また、カム面25と26の上記
以外の区間は、非ブレーキ区間と同一径の円弧(円筒
面)である。
31が枢着されており、このブレーキレバー31は、制
御腕32、ブレーキ腕33、及びばね腕34を一体に有
している。このブレーキレバー31は、全体が弾性変形
可能な金属材料から構成されていて、その制御腕32の
先端には、該制御腕32の弾性変形により、第1、第2
のカム面25、26に選択して係合するカムフォロア3
5が設けられている。ばね腕34は、親板21上に立て
たポール36と係合して、ブレーキレバー31をそのカ
ムフォロア35がカム面25、26に係合する方向に回
動付勢している。ブレーキ腕33は、カム面25、26
の形状に応じて、ブレーキレバー31が揺動すると、ブ
レーキドラム24に対して接離する。
る。ミラー12が図1の観察状態にあるとき、各ギヤ
は、図2の位置にあり、ブレーキレバー31のカムフォ
ロア35は、カム面26の非ブレーキ区間26aに係合
している。カムフォロア35が非ブレーキ区間26aと
非ブレーキ区間25aに係合する状態では、ブレーキレ
バー31のブレーキ腕33はブレーキドラム24と非接
触の状態を保ち、カムフォロア35がブレーキ区間25
bに係合する状態では、ブレーキ腕33はブレーキドラ
ム24と接触する。
り駆動ギヤ20がミラー上昇方向(図1では時計方向、
図2では反時計方向)に回動されると、往復回転ギヤ2
2は図2で時計方向に回動する。すると、ブレーキレバ
ー31のカムフォロア35は、往復回転ギヤ22と一体
のカム面26の非ブレーキ区間26aから、傾斜カム面
26bを通って、カム面25のカム面25c上に上が
り、非ブレーキ区間25aに接触する(図4)。制御腕
32の弾性は、このカム面26からカム面25へのカム
フォロア35の接触高さの変更を許す。非ブレーキ区間
26aと非ブレーキ区間25aは、同一の大径の円弧
(円筒面)をなしており、この間、ブレーキ腕33はブ
レーキドラム24との非接触状態を維持する。
ムフォロア35は、カム面25の非ブレーキ区間25a
からブレーキ区間25bへと相対位置を変更する。案内
面26cは、カムフォロア35が非ブレーキ区間25a
から傾斜カム面26bを通って下段の非ブレーキ区間2
6aに移行するのを許さないように、非ブレーキ区間2
5aとブレーキ区間25bのカム面を囲むように径方向
に突出している。カムフォロア35がブレーキ区間25
bに接触可能な位置に来ると、ブレーキレバー31は反
時計方向に揺動してブレーキ腕33がブレーキドラム2
4に接触し、ブレーキドラム24の回転、つまりミラー
12の回動にブレーキをかける(図5)。この図5の状
態では、ブレーキ腕33は、自身の弾性によってブレー
キドラム24と強く接触し、この状態では、カムフォロ
ア35はブレーキ区間25bに係合可能ではあるが、実
際には接触しない。そして、ミラー12が上昇端(退避
位置)に達すると(往復回転ギヤ22が一方の回動端に
達すると)、カムフォロア35はブレーキ区間25bの
終端に達し、制御腕32は自身の弾性により、非ブレー
キ区間26aとの接触位置に復帰する。以上がミラー1
2の上昇時のブレーキ作用である。
は、往復回転ギヤ22が方向を反転して反時計方向に回
動する。すると、ブレーキレバー31のカムフォロア3
5は、往復回転ギヤ22と一体のカム面26の非ブレー
キ区間26aから、傾斜カム面26bを通って、カム面
25のカム面25c上に上がり、非ブレーキ区間25a
に接触する(図6)。つまり、カムフォロア35は、往
復回転ギヤ22の往回転(ミラー上昇回転)時に接触し
たブレーキ区間25bとは異なる非ブレーキ区間26a
に接触した後、非ブレーキ区間25aに接触する。よっ
て、この間、ブレーキ腕33はブレーキドラム24との
非接触状態を維持する。ミラー12が下降端の近傍に達
すると、カムフォロア35は、非ブレーキ区間25aか
らブレーキ区間25bへと相対位置を変更する。案内面
26cは、カムフォロア35が傾斜カム面26bを通っ
て下段の非ブレーキ区間26aに移行するのを許さな
い。カムフォロア35がブレーキ区間25bに接触可能
な位置に来ると、ブレーキレバー31は反時計方向に揺
動してブレーキ腕33がブレーキドラム24に接触し、
ブレーキドラム24の回転にブレーキをかけ、従ってミ
ラー12の回動にブレーキがかかる。つまり、カムフォ
ロア35は、往復回転ギヤ22の往回転(ミラー上昇回
転)時に接触した非ブレーキ区間26aとは異なるブレ
ーキ区間25bに接触可能となる。この状態は、ミラー
12の上昇時の終端における状態と同じであり、ブレー
キ腕33は、自身の弾性によってブレーキドラム24と
強く接触する。この状態では、カムフォロア35はブレ
ーキ区間25bに係合可能ではあるが、実際には接触し
ない。そして、ミラー12が下降端(観察位置)に達す
ると(往復回転ギヤ22が他方の回動端に達すると)、
カムフォロア35はブレーキ区間25bの終端に達し、
制御腕32は自身の弾性により、非ブレーキ区間26a
との接触位置に復帰する。以上がミラー12の下降時時
のブレーキ作用である。
12が上昇端と下降端に達する直前にはブレーキが作用
するのに対し、ミラー12が上昇端から下降を開始する
とき、及び下降端から上昇を開始するときにはブレーキ
が作用しない。よって、ミラー12の動作スピードが遅
くなることがなく、エネルギーロスもない。
の終端においてブレーキ作用が必要な一眼レフカメラの
ミラーの制動装置に適用したものであるが、本発明は往
復動作の一方の終端でのみブレーキ動作を要するシャッ
タにも適用できる。シャッタの場合には、シャッタの走
行終了時にブレーキが作用すればよいから、往復回転ギ
ヤ22の一方の回動端近傍の同一の回転位相にのみブレ
ーキ区間25bと非ブレーキ区間26aを設ければよ
い。さらに、本発明は、往復回転ギヤ22の往回転と復
回転との少なくとも一部の同一の回転位相で、制御腕3
2を第1のカム面と第2のカム面の異なるカム面に係合
可能とすれば、往回転と復回転で異なるブレーキ作用を
与えることができる。
ば、往復回転部材の往回転と復回転とで、同一の回転位
相でありながら異なるブレーキ作用を得ることができ
る。また本発明は、一眼レフカメラのミラーの制動装置
に適用すれば、上昇端と下降端に達する直前にはブレー
キが作用するのに対し、ミラーが上昇端から下降を開始
するとき、及び下降端から上昇を開始するときにはブレ
ーキが作用しない装置が得られる。
フカメラのミラー駆動機構に適用した実施形態を示す、
ミラーの観察位置での側面図である。
る。
る。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 1回転以下の回動角で往復回転する往復
回転部材;この往復回転部材に形成したカム面;上記往
復回転部材と連動して回転するブレーキドラム;及び上
記カム面に係合する制御腕と、ブレーキドラムに係合す
るブレーキ腕とを有し、上記カム面形状に応じ揺動して
上記ブレーキ腕をブレーキドラムに対して接離させるブ
レーキレバー;を備え、 上記カム面は、形状の異なる2つのカム面を有し、 上記ブレーキレバーの制御腕は弾性変形可能で、該往復
回転部材の往回転と復回転との少なくとも一部の同一の
回転位相で、該制御腕を2つのカム面の異なるカム面と
の係合可能位置に位置することを特徴とする往復回転部
材の制動装置。 - 【請求項2】 ミラー軸を中心に揺動可能で、撮影レン
ズを透過した光をファインダー系に導く観察位置と、撮
影光路から退避する退避位置との間を移動するミラー;
このミラーを上記ミラー軸を中心に往復回転駆動するギ
ヤ機構;このギヤ機構中にあって、上記ミラーの観察位
置と退避位置との間の往復移動に連動して1回転以下の
回動角で往復回転する往復回転部材;この往復回転部材
に形成したカム面;上記往復回転部材と連動して回転す
るブレーキドラム;及び上記カム面に係合する制御腕
と、ブレーキドラムに係合するブレーキ腕とを有し、上
記カム面形状に応じ揺動して上記ブレーキ腕をブレーキ
ドラムに対して接離させるブレーキレバー;を備え、 上記カム面は、形状の異なる2つのカム面を有し、 上記ブレーキレバーの制御腕は弾性変形可能で、該往復
回転部材の往回転と復回転とのそれぞれの回転始期にお
ける同一の回転位相で、該制御腕を一方のカム面の非ブ
レーキ区間に係合させてブレーキ腕をブレーキドラムか
ら離間させ、該往回転と復回転とのそれぞれの回転終期
における同一の回転位相で、該制御腕を他方のカム面の
ブレーキ区間に係合可能としてブレーキ腕をブレーキド
ラムに接触させる一眼レフカメラのミラー制動装置。
Priority Applications (2)
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