JPH09302517A - 繰糸機に於ける糸故障時の小枠停止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生糸の操糸中に発生する糸故障時に、小枠の
回転停止を行い、糸の緊張を緩めることで糸の切断を防
止する、優れた糸故障時の小枠停止装置を得ること。 【構成】 中間を軸１３で支へ、上部に設けたブレーキ
１５が、小枠１７に接する様、常に倒れ勝手の態勢にし
た小枠停止レバー１４の下部の端部１６を、軸１８で支
へられた緩糸レバー１２が下降した時の、緩糸レバー１
２と１体に連結され、軸１８を挟んでその反対向きに設
けたカム１０で支へることにより、ブレーキ１５と小枠
１７の間に所定の間隔を保つ様にした小枠停止レバー１
４の端部１６に、先端に爪３Ａを形成した動力感知レバ
ー３を回転自在に設け、爪３Ａを駆動する回転体４に設
けた突起５との間に僅少の間隔を残して臨ませ、爪３Ａ
が突起５に係合しない様に、端部１６にバネ１９を設け
てこれを支へると共に、動力感知レバー３と集緒器１を
取付けた集緒部Ｂをヒモ９で連結したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は生糸の繰糸機に於ける糸
故障時の小枠停止装置に関する。

【０００２】

【從来の技術】

（イ）繰糸が低速の時は、糸故障時に増大する生糸の張
力のみを利用して緩糸レバーを引上げ、これでブレーキ
又はフック等を作動させ、小枠の回転を止める小枠停止
装置が用ひられた。 （ロ）繰糸が高速、自動化されるに從ひ、糸故障時に緩
糸レバーも瞬時に引上げられるため、生糸に大きな張力
が加わり、前記（イ）の方法に依ると生糸切断又は劣化
の原因となつた。これを避けるため、糸故障時の初動を
利用してこれを他の機械力に伝へ、機械力で強制的に緩
糸カバーを上昇させて生糸を緩ませると共に、緩糸レバ
ーの上昇に追從させて小枠停止機構を作動させる小枠停
止装置が用いられる様になつた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】繰糸が高速化された場
合、糸故障時の緩糸レバーの上昇と小枠停止は瞬時に、
然かも同時に行ふことが必要であるが、従来の方法はこ
れに次の欠点があつた。 （イ）緩糸レバーは強制的に機械力で上昇するが、小枠
停止レバーにはこの機械力は作用せず、倒れ勝手の力で
これに追從するのみであつた。從つて瞬間的に作動する
緩糸レバーとの間に時間的な遅れが生じ、小枠の回転停
止が遅延する傾向があつた。 （ロ）糸故障時の初動から、他の動力で駆動する機械力
を受けて小枠停止装置が作動するまでの機構も簡素化
し、作動も瞬時に行われる様改善の必要があつた。本発
明は此等の欠点を解決するためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこの問題を次の
手段で解決した。即ち、糸故障時の初動を小枠停止レバ
ー１４に設けた動力感知レバー３に伝へ、これを介し、
他の動力で駆動する機械力を、小枠停止レバー１４と、
これに接したカム１０と連結されている緩糸レバー１２
の両方に、然かも同時に伝へることが出来るようにし
た。以上の様にしたので、駆動する機械力を利用した簡
素な機構により、緩糸レバー１２の上昇と小枠１７の回
転停止とを、同時に然かも瞬時に行わせることが出来る
ようになつた。

【０００５】

【作用】

（イ）いま繰糸中の集緒器１に節ｂが詰まり、集緒部Ｂ
の鎖線に示す如く糸故障が発生すると、ヒモ９はバネ１
９に抗して動力感知レバー３を引下げ、その先端の爪３
Ａは駆動する回転体４に設けた突起５に係合するため、
動力感知レバー３は軸１３で支へられた小枠停止レバー
１４の下部を伴つて、回転体４の駆動力で回転方向矢印
Ｅからその外側に向つてはじき出され、小枠停止レバー
１４の上部は小枠１７側に旋回して倒され、先端のブレ
ーキ１５が小枠１７に圧接してその回転を停止させる。 （ロ）又、回転体４に動力感知レバー３がはじき出され
る時、これに伴つて作動する小枠停止レバー１４の端部
１６は、接して居るカム１０を同時に押下げるため、軸
１８に支へられ、その反対向きにカム１０と１体に連結
された緩糸レバー１２は、瞬時の作動のための惰性も加
わってカム１０を離れ大きく上昇する。 （ハ）元位置への復帰は、繰工が集緒器１に詰つた節ｂ
を除去することでヒモ９の緊張が解かれるため、動力感
知レバー３はバネ１９で回転体４から離脱して持上げら
れ、續いて緩糸レバー１２の先端を押下げることで、こ
れと連結してその反対向きに設けられたカム１０によ
り、小枠停止レバー１４の端部１６は動力感知レバー３
を伴つて押戻される、従つてこの時ブレーキ１５も小枠
１７から離脱し再び繰糸が續けられる、本発明の動作は
以上の如くである。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 図１、請求項１の実施例 （イ）中間部を軸１３で回動自在に支へ、上端に小枠１
７に接してその回転を止めるブレーキ１５を設け、軸１
３を中心にその上部が隣接する小枠１７側に旋回して倒
れ勝手の態勢に設けた小枠停止レバー１４の下部の端部
１６に、先端に爪３Ａを形成した動力感知レバー３を回
動自在に設ける。 （ロ）動力感知レバー３に設けた先端の爪３Ａを、矢印
Ｅの方向に回転する回転体４に設けた突起５との間に僅
少の間隔を残して臨ませ、端部１６にバネ１９を設けて
これを支へる。 （ハ）小枠停止レバー１４の小枠１７側への倒れ勝手の
態勢は、該レバーの端部１６が、軸１８で回動自在に支
へられた繰糸レバー１２の反対向きに１体に連結された
カム１０で支へる。 （ニ）動力感知レバー３と集緒器１を設ける集緒部Ｂを
ヒモ９で連結する。尚、バネ１９を設けて動力感知レバ
ー３を支へる代りに、端部１６を挟んで動力感知レバー
３の反対側をオモリとしバランスを利用することでもよ
い。 図２、請求項２の実施例 請求項１の実施例と次の（イ）（ロ）の２点が相違す
る。 （イ）動力感知レバー５は直接バネ１９で支へず、バラ
ンスレバー２２を設けて、間接的に支へる様にした。即
ち、図２に示す如く、端部１６の近傍に軸１８を設け、
これでバランスレバーの中間を回動自在に支へ、バラン
スレバー２２の一方端をオモリ２３とし、他の一方端で
動力感知レバー３を支へる様にした。 （ロ）集緒部Ｂと連結するヒモ９を、直接動力感知レバ
ー３に接続しない。即ち、集緒部Ｂと連結するヒモ９
を、動力感知レバー３を支へるバランスレバー２２の動
力感知レバー３側に接続した。尚、バランスレバー２２
は、その一方端のオモリ２３の代りに、これと同じ作用
をするバネを利用することでもよい。

【０００７】

【発明の効果】本発明は以上の様な構成で駆動する機械
力を利用し、小枠停止レバー１４と緩糸レバー１２の両
方を同時に作動させる様にしたので、糸故障時の小枠回
転停止と生糸の緊張を弛ませる事の両方が、同時に確実
急速に行はれる様になり、勝れた糸故障時の小枠停止装
置とすることができた。尚、図２の構成に依ると、ヒモ
９を直接、動力感知レバー３に連結しないため、相方の
作動を滑らかに安定して行わせること出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による請求項１、実施例の側面図

【図２】 本発明による請求項２、実施例の側面図

【符号の説明】

１は集緒器 ２は集緒器レバー ３は動力感知レバ
ー ３Ａは爪 ４は回転体 ５は突起 ９はヒモ １０はカム
１２は緩糸レバー １３は軸 １４は小枠停止レバー １５はブレーキ
１６は端部 １７は小枠 １８は軸 １９はバネ ２０は軸
２１は軸 ２２はバランスレバー ２３はオモリ Ｂは集緒部 Ｅは矢印 ａは繰両 ｂは節 ｃ
は生糸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間を軸１３で支へ、ブレーキ１５を設
   けた上部を、隣接した小枠１７側に常に旋回して倒れ勝
   手の態勢にした小枠停止レバー１４の下部の端部１６
   を、その近傍に設けた軸１８に回動自在に支へられた緩
   糸レバー１２が下降した時の、緩糸レバー１２の反対向
   きに１体で連結して設けられたカム１０で支へることに
   より、ブレーキ１５と小枠１７の間に所定の間隔を保
   ち、緩糸レバー１２の上昇時には、これに伴ふカム１０
   の変位により端部１６がカム１０から離脱し、從つて小
   枠停止レバー１４の上部は小枠１７側に旋回して倒れ、
   ブレーキ１５が小枠１７に接する様にした小枠停止装置
   に於ける小枠停止レバー１４の端部１６に、動力感知レ
   バー３を回動自在に設け、これを支へるバネ１９を端部
   １６に取付け、動力感知レバー３の先端に形成した爪３
   Ａを、回転体４に設けた突起５との間に僅少の間隔を残
   して臨ませると共に、動力感知レバー３と集緒器１を取
   付けた集緒部Ｂとの間をヒモで連結した。以上の様にし
   たことを特徴とした繰糸機に於ける糸故障時の小枠停止
   装置
2. 【請求項２】 一方端で動力感知レバー３を支へ、他の
   一方端をオモリ２３にしたバランスレバー２２の中間
   を、端部１６の近傍に設けた軸２１で回動自在に支へる
   と共に、バランスレバー２２の動力感知レバー３側と集
   緒器１を取付けと集緒部Ｂとの間をヒモ９で連結した。
   以上の様にしたことを特徴とした請求項１の、繰糸機に
   於ける糸故障時の小枠停止装置。