JPH09302218A - フィルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

フィルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及びフィルム

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JPH09302218A
JPH09302218A JP14512296A JP14512296A JPH09302218A JP H09302218 A JPH09302218 A JP H09302218A JP 14512296 A JP14512296 A JP 14512296A JP 14512296 A JP14512296 A JP 14512296A JP H09302218 A JPH09302218 A JP H09302218A
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JP
Japan
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film
weight
thermoplastic polyurethane
polyurethane resin
styrene
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Application number
JP14512296A
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English (en)
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Hideaki Toda
英明 戸田
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
Kenji Miyasaka
健司 宮坂
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低応力で伸縮するフィルムを大量巻きしても
長時間ブロッキングせずに製品安定性を保持できるフィ
ルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)熱可塑性ポリウレタン樹脂40〜70重
量%、 (b)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体10〜
25重量%、 (c)低密度ポリエチレン系樹脂10〜25重量
%、 (d)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性さ
れたスチレンの比率が30重量%以下のスチレン系エラス
トマー5〜20重量%、(e) 未変性スチレン系エラストマ
ー0〜20重量%、及び(f) 無機充填材2〜15重量%から
なるフィルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物からなる伸縮フィルムに関し、特に不織布等
とホットメルト貼合することにより、使い捨て紙オムツ
等における各種のギャザー部材等に使用できる熱可塑性
ポリウレタン樹脂組成物からなる伸縮フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オムツ
のウエストギャザー等には低応力での伸縮機能、製造時
の高速でのホットメルト接着性等が要求され、現在機能
面から発泡ウレタンフォーム、ウレタン系フィルム等が
使用されている。実用例の大半は発泡ウレタンフォーム
であるが、価格が高く、またオムツに適用したときの性
能あるいは生産性に問題がある。またウレタン系フィル
ムは、発泡ウレタンフォームに比べて30〜100 %伸張時
のヒステリシス強度及び100 %伸張時の残留歪が大き
く、更にホットメルト接着剤との接着性や耐ブロッキン
グ性が劣る等の問題もある。特に耐ブロッキング性に関
しては、フィルム物性を維持しつつ、高温で長期保管し
てもブロッキングし難いフィルム開発の必要性が高まっ
ている。
【0003】したがって、本発明の目的は、低応力で伸
縮するフィルムを大量巻きしても長時間ブロッキングせ
ずに製品安定性を保持できるフィルム用熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物、及びかかる熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物からなるフィルムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意検討
した結果、本発明者らは、熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物において、無機充填材を所定量添加することによ
り、フィルム表面をミクロ的に粗雑にさせると、重ね合
わせた時のフィルムの密着性が低下し、耐ブロッキング
性が改善されることを発見し、本発明に想到した。
【0005】すなわち、本発明のフィルム用熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物は、(a) 熱可塑性ポリウレタン樹
脂40〜70重量%、 (b)エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体10〜25重量%、 (c)低密度ポリエチレン系樹脂10
〜25重量%、 (d)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体
で変性されたスチレンの比率が30重量%以下のスチレン
系エラストマー5〜20重量%、(e) 未変性スチレン系エ
ラストマー0〜20重量%、及び(f) 無機充填材2〜15重
量%からなることを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] 成分 (a) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 ポリエステル系、アジペート系、ポリエーテル系、ポリ
カプロラクトン系等の長鎖ポリオール、短鎖ポリオー
ル、ジイソシアネートなどを原料として重付加反応によ
り分子内にウレタン結合を介して得られるポリウレタン
エラストマーが挙げられる。例えば長鎖ポリオールとし
てはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどが、短鎖ポリオールとしてはエチレングリコー
ル、1,4-ブタンジオール、1,4-ヘキサンジオールなど
が、ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネー
ト、4,4'- ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの
中では、アジペート系ポリウレタンエラストマーが好ま
しい。
【0007】このような熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
軟化温度が170 〜195 ℃でショアーA硬度(JIS A
硬度)が70〜88であることが好ましい。軟化温度が170
℃未満であると、フィルム製膜時にインフレーションチ
ューブがブロッキングし易く、両耳スリット後に2枚に
剥すことが難しい。一方、軟化温度が195 ℃を超える
と、フィルムの伸縮柔軟性及びホットメルト接着性が劣
るようになる。またショアーA硬度が70未満であると、
フィルム製膜時にインフレーションチューブがブロッキ
ングし易く、両耳スリット後に2枚に剥がすことが難し
い。またショアーA硬度が88を超えると、フィルムの伸
縮柔軟性及びホットメルト接着性が劣るようになる。
【0008】(b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM) エチレン、プロピレン及びジエン化合物からなるエラス
トマー性共重合体である。ジエン化合物としては、例え
ばエチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、ジシク
ロペンタジエンなどが挙げられる。このようなエチレン
−プロピレン−ジエン共重合体では、エチレンの含有率
が60〜70モル%、プロピレンの含有率が25〜40モル%、
及びジエン化合物の含有率が1〜15モル%であるのが好
ましい。より好ましくは、エチレンが62〜66モル%、プ
ロピレンが33〜37モル%、及びジエン化合物が3〜6モ
ル%である。
【0009】また数平均分子量は40万〜60万が好まし
く、密度は0.87g/cm3 以下が好ましい。更にメルトイ
ンデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重)は、0.1 〜12.0
g/10分が好ましく、より好ましくは0.3 〜5.0 g/10
分である。
【0010】(c) 低密度ポリエチレン系樹脂 高圧法によるエチレンの単独重合体、またはエチレンを
主成分とし、20重量%以下のビニル系化合物等を含む共
重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。また線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)であってもよい。
密度は0.935 g/cm3 以下が好ましく、より好ましくは0.
925 g/cm3 以下である。またメルトインデックス(MI、
190 ℃、2.16kg荷重)は0.05〜20 g/10分が好ましく、
より好ましくは0.5 〜5.0 g/10分である。
【0011】(d) 変性スチレン系エラストマー 変性スチレン系エラストマーは、例えばスチレン系エラ
ストマーに不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を付加
反応(例えばグラフト化)させることにより得ることが
できる。そのようなスチレン系エラストマーとしては、
スチレンを主体とする重合体ブロックとブタジエンやイ
ソプレンを主体とする重合体ブロックとからなるスチレ
ン−ブタジエンのブロック共重合体、あるいはスチレン
−イソプレンのブロック共重合体、またはブロック共重
合体に水素添加してなるエラストマーを挙げることがで
きる。具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−
ブテン−スチレンブロック共重合(SEBS)、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)などが挙げられる。これらの
うちでは、着色や物性の安定性から水素添加物が好まし
い。
【0012】スチレン系エラストマーは、スチレンの比
率が30重量%以下のものを使用する。例えばスチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体を水素添加する
ことにより、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブ
ロック共重合体(SEBS)となるが、スチレン(S)
とエチレン−ブテン(EB)との配合比率S/EBが30
/70以下のものを使用する。他のスチレン系エラストマ
ーにおいても同様である。スチレンの比率が30重量%
(S/EBが30/70)を超えると、得られたフィルムが
硬く、歪みが大きくなる。
【0013】上記不飽和カルボン酸もしくはその誘導体
の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ア
クリル酸、クロトン酸、エンド−ビシクロ-[2,2,1]-5-
ヘプテン-2,3- ジカルボン酸、シス-4- シクロヘキセン
-1,2- ジカルボン酸およびそれらの無水物、イミド化物
などが挙げられるが、無水マレイン酸を使用することが
好ましい。不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を付加
して酸価2〜15mgCH3 ONa/gとするのが好まし
く、より好ましくは5〜10mgCH3 ONa/gとする。
【0014】(e) 未変性スチレン系エラストマー 未変性スチレン系エラストマーは、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂との相溶性が悪いので、フィルムの表面にミクロ
的な肌荒れを生じさせ、もってフィルムを重ね合わせた
ときの密着性を減じて、ブロッキング性を改善する作用
を有する。未変性スチレン系エラストマーとしては、上
記(d) に記載したスチレン系エラストマーを使用するこ
とができる。この場合、スチレンの比率が30重量%以下
のものを使用するのが好ましい。
【0015】(f) 無機充填材 無機充填材も(e) 未変性スチレン系エラストマーと同様
に熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶性が悪いので、フ
ィルムの表面にミクロ的な肌荒れを生じさせ、もってフ
ィルムを重ね合わせたときの密着性を減じて、ブロッキ
ング性を改善する作用を有する。無機充填材としては、
例えばタルク、マイカ、ガラス短繊維、繊維結晶性ケイ
酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これら
のうちではタルク及び炭酸カルシウムが好ましい。
【0016】なお、本発明における上記組成物には、上
記各成分の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等
を適宜配合することができる。
【0017】[2] 配合割合 (a) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 組成物全量を100 重量%として、熱可塑性ポリウレタン
樹脂を40〜70重量%とし、好ましくは40〜55重量%とす
る。熱可塑性ポリウレタン樹脂の配合量が40重量%未満
では、ポリウレタンエラストマーの特性が失われ伸縮柔
軟性が悪くなり、またポリウレタンの特性である耐摩耗
性、耐熱性、機械的強度等も低下する。一方、70重量%
を超えると、高速時でのホットメルト接着性が悪くな
る。またインフレーションチューブがブロッキングし易
く、両耳スリット後に2枚に剥がすことが難しくなる。
【0018】(b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体 組成物全量を100 重量%として、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体を10〜25重量%とし、好ましくは15〜
20重量%とする。配合量が10重量%未満では、フィルム
の製膜時の安定性が不十分となり、製品の伸縮柔軟性、
ホットメルト接着性、ゴム弾性(100 %伸縮後のヒステ
リシス歪が大きい)等が劣る。一方25重量%を超えると
インフレーションチューブがブロッキングし易く、両耳
スリット後に2枚に剥がすのが難しくなる。
【0019】(c) 低密度ポリエチレン系樹脂 組成物全量を100 重量%として、低密度ポリエチレン系
樹脂を10〜25重量%とし、好ましくは15〜20重量%とす
る。低密度ポリエチレン系樹脂の配合量が10重量%未満
では、インフレーションチューブがブロッキングし易い
ため、両耳スリット後に2枚に剥すことが難しい。一
方、25重量%を超えると、製品の伸縮柔軟性、ホットメ
ルト接着性、ゴム弾性(100 %伸縮後のヒステリシス歪
が大きい)等が劣るようになる。
【0020】(d) 変性スチレン系エラストマー 組成物全量を100 重量%として、不飽和カルボン酸もし
くはその誘導体で変性されたスチレンの比率が30重量%
以下の変成スチレン系エラストマーを5〜20重量%と
し、好ましくは10〜18重量%とする。変性スチレン系エ
ラストマーの配合量が5重量%未満では、ホットメルト
接着性が劣り、またフィルムの製膜が難しい。一方、20
重量%を超えると、変色したり機械的強度が低下したり
する。
【0021】(e) 未変性スチレン系エラストマー 未変性スチレン系エラストマーは、組成物全量を100 重
量%として0〜20重量%とし、好ましくは0〜5重量%
とする。20重量%を超えると製膜性とフィルムの機械的
強度が劣るようになる。
【0022】(f) 無機充填材 無機充填材は、組成物全量を100 重量%として2〜15重
量%とし、好ましくは3〜12重量%とする。2重量%未
満では高温長期保管時のブロッキング改善効果が得られ
ず、15重量%を超えるとフィルムの引張強度の低下が大
きく、又、フィルム製膜時にピンホールが発生しやすい
等問題がある。
【0023】[3] 製造方法 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、前記の各成分及び
必要に応じて他の成分を添加し、例えばヘンシェルミキ
サーまたは高速ミキサー等を用いて予めドライブレンド
した後、例えば180 〜230 ℃程度の加熱下、押出機等を
用いて溶融混練して押し出し、ペレット化することによ
って得られる。
【0024】熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からフィ
ルムを製造する方法としては、通常のプラスチックフィ
ルム成形方法であるT−ダイ押出機によってもフラット
なフィルムを成形できるが、フィルムの縦と横の強度バ
ランス及び薄膜の高速成形性(生産性の向上)等を考慮
すると、チューブ状のフィルムを成形する空冷インフレ
ーション成形法が好ましい。空冷インフレション成形法
は、樹脂温度180 〜230 ℃、ブロー比2.0 〜5.0 で行う
のが好ましい。フィルムの厚さは、各種用途により適宜
選択されるが通常100 μm以下に成形するのが好まし
い。より好ましいフィルムの厚さは20〜60μmである。
フィルム厚が100 μm を超えると、フィルムが硬くなり
好ましくない。上記の製膜方法では、例えば空冷インフ
レーション製膜装置によりフィルムを作成し、所定幅に
スリットしてシート状あるいはテープ状の巻取り製品と
する。また延伸工程を通してもよい。
【0025】更に上記のスリットした伸縮フィルムにホ
ットメルト接着剤等を塗布したテープとし、このテープ
を伸張した状態で不織布、織布、プラスチックフィルム
又はシート、及びこれらの積層体に接着し、テープの伸
張を緩和すれば、例えばオムツ等のギャザー部材等とす
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】実施例1 (1) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の調製 以下の成分をヘンシェルミキサーを用いてドライブレン
ドした後、押出機を用いて225 ℃で溶融混練した。配合
組成を表1に示す。 (a) アジペート系熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(PU、大日精化工業(株)製のレザミンP327、ショア
ーA硬度:87、軟化温度:192 ℃)=47重量%、 (b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM、エ
クソン化学(株)製のビスタロンV3708 、プロピレン含
有率:31重量%、ヨウ素価:12gI2 /100g、ムーニー
粘度ML1+ 8at120℃:51)=16重量%、 (c) 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、日本ユニカー
(株)製のNUC8506 、密度:0.923 g/cm3 、MI:0.8 g
/10 分(190 ℃、2.16kg荷重))=16重量%、 (d) 無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体
の水素添加物(変性SEBS、旭化成工業(株)製のタフテ
ックM1913 、S/EB比:30/70、MI:3.5 g/10 分
(200 ℃、5kg荷重))=16重量%、 (e) 無機充填材(タルク、林化成(株)製のミクロンホ
ワイト5000S、平均粒子径:2.8 μm)=5重量%。
【0028】(2) フィルムの製造 得られた組成物を用いて、空冷インフレーション製膜装
置により、厚さ30μm×折幅470mm (ブローアップ比:
4.5 )のフィルムを製造し、両耳をスリッティングして
シート状に巻き取り、400mm 幅の原反フィルムを得た。
更に同原反フィルムをスリッターでTD方向に55mm幅に
スリットし、外径3インチ(7.62cm)の紙管に巻き取っ
た。
【0029】(3) 物性の測定 得られたシート状フィルムの物性を以下の試験方法に従
って測定した。物性測定結果を表2に示す。各測定値
は、フィルムのMD(縦)方向について表す。 50%伸張時強度:JISL1096に準拠し、下記の機器及び
条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150 mm チャック間隔:100 mm 引張速度:300 mm/min 測定雰囲気:23℃、50%RH 100 %伸張時強度:JISL1096に準拠し、と同じ条件
で測定した。 破断時強度:JISL1096に準拠し、下記の機器、条件で
測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150 mm チャック間隔:50mm 引張速度:300 mm/min 測定雰囲気:23℃、50%RH 破断時伸度:JISL1096に準拠し、と同じ条件で測定
した。 100 %伸張後の1サイクル歪み:JISL1096に準拠し、
と同じ条件で測定した。
【0030】(4) ブロッキング度の測定 紙管に巻き取ったフィルムのうち比較的外側の部分をカ
ッターでTD方向に60mmの幅に切断し、フラットシート
2枚の堆積体(55mm×60mm×厚さ300 μm )を得て、測
定用試験片とした。測定用試験片を2枚のガラス板の間
に挟み、5kgの荷重を加えた後、50℃のギヤーオーブン
中に40日間保管した。このようにして熱処理した試験片
について、保管日数1日、7日、14日、21日、30日、40
日目における剥離強度を180 °剥離試験法により測定し
た。
【0031】剥離強度は、JIS L1096 に準拠して以下の
条件で5回測定した。得られた剥離強度の平均値をブロ
ッキング度とした。測定結果を表3に示す。 測定装置:ストログラフW(東洋精機(株)製)、 チャック間隔:50mm、 引張速度:300 mm/分、 雰囲気:23℃、50%RH。
【0032】実施例2 無機充填材(タルク、商品名:ミクロンホワイト5000A
(林化成(株)製)、平均粒子径:4.1 μm)を用いた
以外は実施例1と同じ配合組成で、実施例1と同様にし
てフィルムを作成し、得られたフィルムの物性及びブロ
ッキング度を測定した。配合組成を表1に、物性測定結
果を表2に、ブロッキング度測定結果を表3に示す。
【0033】実施例3 無機充填材(炭酸カルシウム、商品名:POフィラー100B
(白石カルシウム(株)製)、平均粒子径:2.2 μm 、
表面処理品)を用いた以外は実施例1と同じ配合組成
で、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、得られた
フィルムの物性及びブロッキング度を測定した。配合組
成を表1に、物性測定結果を表2に、ブロッキング度測
定結果を表3に示す。
【0034】実施例4 無機充填材(炭酸カルシウム、商品名:POフィラー150B
(白石カルシウム(株)製)、平均粒子径:1.5 μm 、
表面処理品)を用いた以外は実施例1と同じ配合組成
で、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、得られた
フィルムの物性及びブロッキング度を測定した。配合組
成を表1に、物性測定結果を表2に、ブロッキング度測
定結果を表3に示す。
【0035】比較例1 以下の成分をヘンシェルミキサーを用いてドライブレン
ドした後、押出機を用いて225 ℃で溶融混練して、実施
例1と同様にしてフィルムを作成し、得られたフィルム
の物性及びブロッキング度を測定した。配合組成を表1
に、物性測定結果を表2に、ブロッキング度測定結果を
表3に示す。 (a) アジペート系熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(PU、大日精化工業(株)製のレザミンP327、ショア
ーA硬度:87、軟化温度:192 ℃)=46重量%、 (b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM、エ
クソン化学(株)製のビスタロンV3708 、プロピレン含
有率:27重量%、ヨウ素価:12gI2 /100g、ムーニー
粘度ML1+ 8at120℃:51)=19重量%、 (c) 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、日本ユニカー
(株)製のNUC8506 、密度:0.923 g/cm3 、MI:0.8 g
/10 分(190 ℃、2.16kg荷重))=19重量%、 (d) 無水マレイン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体
の水素添加物(変性SEBS、旭化成工業(株)製のタフテ
ックM1913 、S/EB比:30/70、MI:3.5 g/10 分
(200 ℃、5kg荷重))=16重量%。
【0036】比較例2 変成SEBSを用いない以外は比較例1と同一の配合成分
で、各々の配合量をPU60重量%、EPDM20重量%及びLD
PE20重量%として、実施例1と同様にしてフィルムを作
成し、得られたフィルムの物性及びブロッキング度を測
定した。配合組成を表1に、物性測定結果を表2に、ブ
ロッキング度測定結果を表3に示す。
【0037】 表1 実施例 比較例 組成(重量%) PU P-327 (1) 47 47 47 47 46 60EPDM V3708(2) 16 16 16 16 19 20LPDE NUC-8506 (3) 16 16 16 16 19 20変性SEBS M-1913 (4) 16 16 16 16 16 −タルク 5000S (5) 5 − − − − − 5000A (6) − 5 − − − −炭酸カルシウム 100B(7) − − 5 − − − 150B(8) − − − 5 − − 注(1) :商品名“レザミンP327 ”(大日精化工業(株)製)。 (2) :商品名“ビスタロンV3708”(エクソン化学(株)製)。 (3) :商品名“NUC ポリエチレンNUC-8506”(日本ユニカー(株)製)。 (4) :商品名“タフテックM-1913”(旭化成工業(株)製)。 (5) :商品名“ミクロンホワイト5000S”(林化成(株)製)、 平均粒子径2.8 μm 。 (6) :商品名“ミクロンホワイト5000A”(林化成(株)製)、 平均粒子径4.1 μm 。 (7) :商品名“POフィラー100B”(白石カルシウム(株)製)、 平均粒子径2.2 μm 、表面処理品。 (8) :商品名“POフィラー150B”(白石カルシウム(株)製)、 平均粒子径1.5 μm 、表面処理品。
【0038】 表2 実施例 物性 フィルム厚さ(μm) 30 30 30 30 50%伸張時強度(gf/25mm) 290 280 270 280 100 %伸張時強度(gf/25mm) 370 350 330 350 100 %伸張後の歪(%) 9.5 9.5 9.0 9.5 破断時強度(kgf/cm2 ) 1300 1520 1540 1360 破断時伸度(%) 460 500 520 480
【0039】 表2(続き) 比較例 物性 フィルム厚さ(μm) 30 30 50%伸張時強度(gf/25mm) 260 370 100 %伸張時強度(gf/25mm) 320 440 100 %伸張後の歪(%) 10.0 16 破断時強度(kgf/cm2 ) 1780 1700 破断時伸度(%) 600 550
【0040】 表3 実施例 ブロッキング度(g/55mm幅) 保管日数1日 8 8 11 9 保管日数7日 16 16 20 18 保管日数14日 22 28 21 15 保管日数21日 30 38 33 30 保管日数30日 34 47 40 38 保管日数40日 36 50 57 45
【0041】 表3(続き) 比較例 ブロッキング度(g/55mm幅) 保管日数1日 16 20 保管日数7日 38 40 保管日数14日 50 60 保管日数21日 65 70 保管日数30日 80 80 保管日数40日 100 100
【0042】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
からなるフィルムは、表2から明らかなように低応力で
の伸縮性に優れ、伸縮残留歪みが小さく、かつ適度の強
度を有しており、また表3から明らかなように耐ブロッ
キング性に優れている。その上、本発明の熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物からなるフィルムは、保管日数が経
過しても耐ブロッキング性がほとんど低下しない。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の熱可塑性
ポリウレタン樹脂組成物は熱可塑性ポリウレタン樹脂
と、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体と、低密度
ポリエチレン系樹脂と、不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体で変性されたスチレンの比率が30重量%以下のス
チレン系エラストマーと、未変性スチレン系エラストマ
ーと、無機充填材とからなるので、低応力での伸縮機能
に優れ、伸縮残留歪みが小さく、耐ブロッキング性に優
れ、かつ適度の強度を有する。
【0044】このような本発明の熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物を用いた伸縮フィルムは、不織布、織布、プ
ラスチックフィルム又はシート、及びこれらの積層体等
とホットメルト接着することができ、生理用品、使い捨
て紙オムツ等における各種ギャザー等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:06)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱可塑性ポリウレタン樹脂40〜70重
    量%、 (b)エチレン−プロピレン−ジエン共重合体10〜
    25重量%、 (c)低密度ポリエチレン系樹脂10〜25重量
    %、 (d)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性さ
    れたスチレンの比率が30重量%以下のスチレン系エラス
    トマー5〜20重量%、(e) 未変性スチレン系エラストマ
    ー0〜20重量%、及び(f) 無機充填材2〜15重量%から
    なるフィルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフィルム用熱可塑性ポ
    リウレタン樹脂組成物において、前記(f) 無機充填材が
    タルク又は炭酸カルシウムの一種であることを特徴とす
    るフィルム用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフィルム用熱可
    塑性ポリウレタン樹脂組成物からなるフィルム。
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