JPH09300911A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH09300911A
JPH09300911A JP8123567A JP12356796A JPH09300911A JP H09300911 A JPH09300911 A JP H09300911A JP 8123567 A JP8123567 A JP 8123567A JP 12356796 A JP12356796 A JP 12356796A JP H09300911 A JPH09300911 A JP H09300911A
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damping
damping layer
rubber
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Hideyuki Ide
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの他性能を損なうことなく、高周波ロ
ードノイズを低減させることのできる空気入りラジアル
タイヤを提供する。 【解決手段】 タイヤの振動モード解析により歪みエネ
ルギーの高い領域を求め、当該領域であるベルト層5の
両端部に、タイヤ半径方向外側から覆う高減衰ゴムより
なるベルト上減衰層7を配し、しかも、このベルト上減
衰層7が、トレッド部1を構成するトレッドゴムの一部
として配されたものであり、ベルト上減衰層7により、
歪みエネルギーを減衰させ、走行時におけるタイヤの振
動を抑えて高周波ロードノイズを低減することができ、
また、ベルト上減衰層7が、トレッドゴムの一部として
配されているので、タイヤ重量の増加、ころがり抵抗特
性の悪化等の他性能の悪化を伴なうことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りラジアル
タイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの他性能を損な
うことなく、高周波ロードノイズを低減し得る空気入り
ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気入りラジアルタイヤにおいて
は、車両走行中のタイヤの振動が車室内に伝達されるこ
とによって起こるロードノイズの低減がクローズアップ
されている。
【0003】このロードノイズのレベルは、周波数によ
って異なり、一般には、1次ピークが100〜200H
zの領域に存在し、2次ピークが250〜400Hzの
領域に存在する。前者は低周波ロードノイズと、後者は
高周波ロードノイズと、それぞれ称されている。
【0004】低周波ロードノイズの対策については、ト
レッド部のゴム量を増やしたり、タイヤのバネ定数を減
らしたりして、タイヤの1次固有値を低減させ、車室内
の音響特性等との関係を異なったものにすることによ
り、比較的容易に低減させることができる。
【0005】これに対し、高周波ロードノイズの対策に
ついては、従来、ベルト層の端部に高硬度ゴムシートを
敷設したり(特開平7−1914号公報)、あるいは、
ベルト層端部を繊維部材で補強するなどの対策がなされ
ている(特開平6−115312号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高周波ロードノイズ対策では、高硬度ゴムシートや
繊維部材等の補強部材をタイヤ構造内にさらに追加する
というものであるため、タイヤ重量の増加、ころがり抵
抗特性の悪化、製造コストの増加等、他のタイヤ性能を
悪化させるという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、タイヤの他性能を損な
うことなく、高周波ロードノイズを低減させることので
きる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したように、従来の
ラジアルタイヤにおいては、高周波ロードノイズの低減
のために、トレッド部へ補強材を追加するというのが一
般的であるが、軽量化、低燃費、低コスト等のタイヤに
要求される諸特性の制限内で、高周波ロードノイズを低
減するためには、いかに部材の追加を少なくしたうえで
性能を向上させるかという最適設計が必要である。そこ
で、本発明者は、タイヤの振動モード解析により歪みエ
ネルギーの高い部分を求め、当該部分に減衰要素である
高減衰ゴムを効率的に配することにより、上記課題を解
決することを考えた。
【0009】すなわち、本発明の請求項1の空気入りラ
ジアルタイヤは、カーカス層とトレッド部との間にベル
ト層を備えたラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層の
両端部に、当該両端部をタイヤ半径方向外側から覆う高
減衰ゴムよりなるベルト上減衰層を配し、前記ベルト上
減衰層が、前記トレッド部を構成するトレッドゴムの一
部として配されたことを特徴とする。
【0010】請求項2の空気入りラジアルタイヤは、請
求項1のものにおいて、前記ベルト層が複数枚のベルト
より構成され、前記ベルト層の両端部において、少なく
とも一の前記ベルト間に高減衰ゴムよりなるベルト間減
衰層を配したことを特徴とする。
【0011】請求項3の空気入りラジアルタイヤは、請
求項1又は2のものにおいて、前記ベルト層が複数枚の
ベルトより構成され、前記ベルト層の両端部において、
前記カーカス層とその半径方向外側に隣接して配された
第1ベルトとの間に高減衰ゴムよりなるベルト下減衰層
を配したことを特徴とする。
【0012】請求項4の空気入りラジアルタイヤは、請
求項1のものにおいて、前記ベルト層が、カーカス層の
半径方向外側に隣接して配された第1ベルトと、この第
1ベルトの半径方向外側に配された第2ベルトとよりな
り、前記ベルト上減衰層とともに、ベルト間減衰層及び
ベルト下減衰層のいずれか一方又は双方を備え、前記ベ
ルト間減衰層が、前記ベルト層の両端部において前記第
1ベルトと前記第2ベルトとの間に配された高減衰ゴム
よりなる減衰層であり、前記ベルト下減衰層が、前記ベ
ルト層の両端部において前記第1ベルトの半径方向内側
に配された高減衰ゴムよりなる減衰層であることを特徴
とする。
【0013】請求項5の空気入りラジアルタイヤは、請
求項4のものにおいて、前記第1ベルトの幅が前記第2
ベルトの幅よりも広く、前記ベルト上減衰層及び前記ベ
ルト間減衰層の幅方向外方端が、前記第1ベルトの幅方
向外方端の近傍に位置し、前記ベルト下減衰層の幅方向
中心が、前記第1ベルトの幅方向外方端の近傍に位置す
ることを特徴とする。
【0014】本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて
は、前記高減衰ゴムの損失係数tanδが0.2以上で
あることが好ましい。tanδが0.2未満では、充分
な減衰効果が得にくいからである。
【0015】ここで、損失係数(損失正接)tanδ
は、粘弾性スペクトロメータを使用し、幅5mm、厚さ
5mm、試料長20mmの短冊状試料について、初期歪
み10%、振動数50Hz、動歪み2%、50℃での条
件で測定した値である。
【0016】この損失係数tanδは、少量のゴムの使
用で減衰効果をより高めるために、より好ましくは0.
25以上である。
【0017】
【作用】一般に、構造物の振動を抑える方法には、その
構造物の減衰特性を向上する方法がある。減衰特性を表
す減衰エネルギーは、振動の1周期の間に消散するエネ
ルギーと比例する。かかる消散エネルギーを増加させる
ことを考えると、構造物のエネルギー分布が大きい部分
に減衰要素を配することが効果的であると言える。この
消散エネルギーは、運動エネルギーと歪みエネルギーの
和として表現できるが、ここでは、重量一定という制約
下における減衰特性の向上という点より、歪みエネルギ
ーの高い部分に減衰要素を配置する。
【0018】空気入りラジアルタイヤにおいて、高周波
ロードノイズの周波数帯域には、周知のように、タイヤ
断面2次振動モードが存在する。そのため、この振動モ
ードにおける歪みエネルギー分布を求めて、そのエネル
ギーの高い部分に減衰要素を配置すれば、高周波ロード
ノイズを低減できることが分る。
【0019】そこで、タイヤの振動モード及びこの振動
モードにおける歪みエネルギー分布を求めることを試み
た。解析は、有限要素解析法(鷲津久一郎他 「有限要
素法ハンドブック」基礎I 基礎編 培風館)により、
以下のようにして行なった。
【0020】タイヤを有限の大きさの要素に分割し、剛
性と質量を、分割によって生じた節点の数によって決ま
る有限の自由度で評価する。
【0021】タイヤのような動的な問題の場合、下記式
が成立する。
【0022】
【数1】 この式を解くことにより、外力に対する各節点の変位
や加速度を求めることができる。
【0023】また、タイヤの振動解析を行なう場合、下
記式が成立する。
【0024】
【数2】 上記式、式を用いて固有値解析を行ない、固有値
(固有振動数)ωと固有ベクトル(振動モード){ψ
}を求める。
【0025】タイヤの断面2次モードにおける歪みエネ
ルギーUは、下記式で表されるので、注目する固有振
動数ωにおける振動モード{ψ}から各要素の歪み
エネルギーUを算出することができる。
【0026】
【数3】 その結果、図4(a),(b)に示すように、歪みエネ
ルギーの最も大きい場所は、ベルト層の両端部であるこ
とが分る。ここで、図4(a),(b)は、振動数29
5Hzにおけるタイヤ断面の変形を表わしたものであ
り、かかる振動数においてタイヤは図4(a)の状態と
図4(b)の状態との間で変形を繰返す。図において斜
線部(A)が歪みエネルギーの最も高い領域を示す。
【0027】タイヤ断面高さの最大状態(図4(a)の
状態)と最小状態(図4(b)の状態)とにおける歪み
エネルギーが最も高い領域(A)を重ね合せてみると、
図5に示すように、ベルト層(5)端部とそのやや半径
方向外側寄りに、最も歪みエネルギーの高い領域(最大
歪み領域)(A1)が存在していることが分った。
【0028】上述したように、本発明の空気入りラジア
ルタイヤでは、高減衰ゴムよりなるベルト上減衰層が、
ベルト層の両端部において、その両端部を半径方向外側
から覆うように配されているので、これにより、ベルト
層両端部に位置する最大歪み領域(A1)の歪みエネル
ギーを減衰させて、走行時におけるタイヤの振動を抑え
ることができ、よって、高周波ロードノイズを低減する
ことができる。
【0029】また、本発明のラジアルタイヤでは、かか
るベルト上減衰層が、トレッド部を構成するトレッドゴ
ムの一部として配されている、即ち、トレッドゴムの一
部を高減衰ゴムで置換して、トレッド部のゴム量を実質
的に増加させることなく、ベルト上減衰層が設けられて
いるので、タイヤ重量の増加、ころがり抵抗特性の悪化
等、タイヤの他の性能の悪化を伴なうことなく、軽量
化、低燃費、低コスト等のタイヤに要求される諸特性の
制限内で、高周波ロードノイズを低減させることができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
空気入りラジアルタイヤTについて図面を参照して説明
する。
【0031】図1は、このラジアルタイヤTの右側半分
の断面図である。図において、1はトレッド部、2はサ
イドウォール部、3はビード部、4はカーカス層、5は
ベルト層を示す。
【0032】タイヤTは、1対のビード部3及びサイド
ウォール部2と、両サイドウォール部2間にまたがるト
レッド部1とを備えて構成されている。
【0033】カーカス層4は、トレッド部1のタイヤ半
径方向(以下、半径方向というときはタイヤ半径方向を
意味する。)内側に配されて、そこから両側のサイドウ
ォール部2を経てビード部3にて係止されている。
【0034】ベルト層5は、その端部がタイヤTのショ
ルダー部6の近傍で終端している。このベルト層5は、
カーカス層4の半径方向外側に隣接して配された第1ベ
ルト51と、この第1ベルト51の半径方向外側に隣接
して配された第2ベルト52との2枚のベルトにより構
成されている。第1ベルト51は、第2ベルト52より
も幅方向寸法が長く形成されている。
【0035】トレッド部1は、ベルト層5に接してその
半径方向外側に配されるトレッドベース層11と、その
外側に配され、トレッド表面を形成するトレッドキャッ
プ層12とよりなる。
【0036】7は、ベルト層5の両端部において、その
両端部をタイヤ半径方向外側から覆うベルト上減衰層で
あり、高減衰ゴムにより形成されている。このベルト上
減衰層7は、トレッド部1のトレッドベース層11を構
成するベースゴムの一部として形成されており、図2に
示すように、第1ベルト51と第2ベルト52の両者の
端部を半径方向外側から覆っている。ベルト上減衰層7
の幅方向外方端は、第1ベルト51の幅方向外方端51
aの近傍に位置しており、詳細には、第1ベルト外方端
51aから幅方向外方にややはみ出して配されている。
【0037】このベルト上減衰層7の厚みは1.0〜
3.0mmであることが好ましく、また、その幅は第1
ベルト51の幅wに対して10〜30%であることが好
ましい。
【0038】8は、ベルト層5の両端部において、第1
ベルト51と第2ベルト52との間に配されたベルト間
減衰層であり、高減衰ゴムにより形成されている。この
ベルト間減衰層8は、従来公知のラジアルタイヤにおい
て、高速耐久力を向上させる目的で、ベルト間に発生す
る摩擦熱を低減するために挿入されている、いわゆるベ
ルト端テープの代りに配されている。即ち、かかる公知
のベルト端テープのゴムを高減衰ゴムで置き換えたもの
である。ベルト間減衰層8の幅方向外方端は、図2に示
すように、第1ベルト51の幅方向外方端51aの近傍
に位置しており、詳細には、第1ベルト外方端51aの
幅方向やや内方で終端し、当該端部においてベルト上減
衰層7に当接している。
【0039】このベルト間減衰層8の厚みは0.7〜
1.5mmであることが好ましく、また、その幅は第1
ベルト51の幅wに対して10〜20%であることが好
ましい。
【0040】9は、ベルト層5の両端部において、第1
ベルト51の半径方向内側、即ち第1ベルト51とカー
カス層4との間に配されたベルト下減衰層であり、高減
衰ゴムにより形成されている。このベルト下減衰層9
は、従来公知のラジアルタイヤにおいて、高速耐久力を
向上させる目的で、ベルト間に発生する摩擦熱を低減す
るために挿入されている、いわゆるベルト下テープの代
りに配されており、即ち、かかる公知のベルト下テープ
のゴムを高減衰ゴムで置き換えたものである。ベルト下
減衰層9は、図2に示すように、第1ベルト51の幅方
向外方端51aに、その幅方向中心が位置するように配
されている。
【0041】このベルト下減衰層9の厚みは0.5〜
1.0mmであることが好ましく、また、その幅は第1
ベルト51の幅wに対して20〜35%であることが好
ましい。
【0042】以上の構成でベルト上減衰層7、ベルト間
減衰層8及びベルト下減衰層9を配したのは、上述した
有限要素解析法によるタイヤの振動モード解析の解析結
果に基づくものである。
【0043】すなわち、図5に示すように、タイヤ変形
モードの最大状態と最小状態の双方において歪みエネル
ギーが最も高い領域である最大歪み領域A1は、第1ベ
ルト51の両端部における半径方向やや外側寄りに偏在
している。この領域A1における歪みエネルギーを減衰
するために、当該領域A1にベルト上減衰層7を配して
いる。
【0044】また、この最大歪み領域A1ほどではない
が、その次に歪みエネルギーの高い領域として、第2歪
み領域A2が最大歪み領域A1を取囲むように存在して
おり、この第2歪み領域A2は、最大歪み領域A1から
半径方向内方のカーカス層4に至る領域にまで達してお
り、また、その幅方向中心が第1ベルト外方端51aに
位置している。そのため、歪みエネルギーの減衰効果を
より高めるために、最大歪み領域A1及び第2歪み領域
A2に対応させて、ベルト上減衰層7とともに、ベルト
間減衰層8及びベルト下減衰層9を配している。
【0045】このように各減衰層7,8,9の位置が特
定されるのであるが、より高い次元で減衰効果と他特性
とを両立させるためには、これら各減衰層7,8,9の
ゴム量を適宜に決定する必要がある。それは、高減衰ゴ
ムの量が少すぎると、減衰効果が小さく、高周波ロード
ノイズの低減効果が充分に得られないからであり、逆
に、高減衰ゴムの量が多すぎると、減衰効果が強すぎ
て、高周波ロードノイズのレベルは低減するが、ころが
り抵抗が上ってしまうことがあるからである。そのた
め、高周波ロードノイズところがり抵抗特性とを両立さ
せるために、各減衰層7,8,9の厚み及び幅は、上記
した範囲内であることが好ましい。なお、ベルト上減衰
層7の厚みが3.0mmより大きいと、タイヤの耐摩耗
性が悪化する傾向がある。
【0046】以上においては、ベルト上減衰層7ととも
に、ベルト間減衰層8及びベルト下減衰層9を配した
が、ベルト間減衰層8及びベルト下減衰層9は必須では
なく、ベルト上減衰層7のみで歪みエネルギーを低減さ
せる構成としてもよい。これは、ベルト上減衰層7は、
最大歪み領域A1に位置しており、かつ、通常最も厚く
ゴム量が多いためである。ただし、より高い減衰効果を
得るためには、ベルト上減衰層7とともにベルト間減衰
層8及びベルト下減衰層9のいずれか一方を配した方が
好ましく、より好ましくは、3層7,8,9を全て配す
ることである。なお、ベルト間減衰層8及びベルト下減
衰層9を配しないときには、これらの層の位置には、上
記した公知のベルト端テープ及びベルト下テープが配さ
れる。
【0047】各減衰層7,8,9を構成する高減衰ゴム
としては、損失係数tanδが、0.2以上であること
が好ましく、より好ましくは0.25以上である。損失
係数tanδは、粘弾性スペクトロメータ(岩本製作所
製)を使用し、幅5mm、厚さ5mm、試料長20mm
の短冊状試料について、初期歪み10%、振動数50H
z、動歪み2%、50℃での条件で測定した値である。
なお、トレッドベース層11を形成するベースゴムは、
通常、損失係数tanδが0.1程度である。
【0048】つぎに、これら減衰層7,8,9の配設方
法の一例について説明する。
【0049】まず、ベルト上減衰層7の場合には、トレ
ッド部1のトレッドベース層11を押出し成形する際
に、図3に示すように、ベースゴム11′の下面の所定
の位置に凹部13を形成しておく。そして、押出された
キャップゴム12′に、この凹部13を有して押出され
たベースゴム11′を貼り合せ、さらに、押出し成形さ
れた帯状の高減衰ゴム7′を、凹部13内に配されるよ
うにベースゴム11′と貼り合せる。その後、以上より
なるトレッドゴム1′をベルト層5上に貼り合せて成形
すればよい。
【0050】ベルト間減衰層8及びベルト下減衰層9
は、上述した公知のベルト端テープ及びベルト下テープ
と同様にして配設することができ、すなわち、カーカス
層4上の所定位置に帯状の高減衰ゴム(ベルト下減衰層
9)を貼り合せ、その上に第1ベルト51を貼り合せ、
その両端の所定位置に帯状の高減衰ゴム(ベルト間減衰
層8)を貼り合せて、さらに、その上に第2ベルト52
を貼り合せればよい。
【0051】図6は、本発明の他の実施形態における空
気入りラジアルタイヤの要部を拡大した断面図である。
この実施形態では、ベルト層5の両端部を半径方向外側
から覆うベルト上減衰層の構成が上述したタイヤとは異
なる。すなわち、この実施形態におけるベルト上減衰層
71は、トレッドベース層11よりも厚く、トレッドキ
ャップ層12にまで至る厚みを有している。このよう
に、ベルト上減衰層71は、トレッド部1を構成するト
レッドゴムの一部として配するものであれば、トレッド
キャップ層12に達するものであってもよい。
【0052】なお、以上の実施形態においては、ベルト
層5が2枚のベルトよりなる場合について説明したが、
本発明は、ベルト層5が2枚のベルトよりなるものに限
定されることなく、1枚又は3枚以上よりなるものにも
適用可能である。
【0053】ベルト層5が1枚のベルトより構成される
場合、ベルト間減衰層8はなく、ベルト上減衰層7と、
好ましくはベルト下減衰層9を配する。
【0054】ベルト層5が3枚以上のベルトより構成さ
れる場合、ベルト上減衰層7と、好ましくはベルト間減
衰層8及び/又はベルト下減衰層9とを配する。ベルト
間減衰層8は、全てのベルト間に配することが好ましい
が、いずれか一のベルト間に配してもよく、その場合、
ベルト間減衰層8を配さないベルト間には、上述した公
知のベルト端テープを配すればよい。
【0055】
【実施例】次に、本発明タイヤの性能について比較例と
の対比において説明する。
【0056】実施例1〜7及び比較例1 ベルト上減衰層7、ベルト間減衰層8及びベルト下減衰
層9の構成を以下の表1に示すとおりとして、下記の測
定条件及び測定方法により、実車ロードノイズレベル、
ころがり抵抗、タイヤ重量を測定した。結果を表1に示
す。
【0057】なお、各減衰層7,8,9の配列位置は図
2と同じ位置とした。また、比較例1では、ベルト上減
衰層7を設けておらず、即ち、トレッドベース層11は
通常のベースゴム(tanδ=0.1)のみからなる構
成とし、一部を高減衰ゴムで置換することは行なわなか
った。
【0058】[測定条件] タイヤサイズ;195/65R15 タイヤの空気圧(kPa);200(フロント)/20
0(リア) テスト車両;1800ccのFF車。
【0059】[測定方法] 実車ロードノイズレベル;マイクを運転席の耳元に配
し、60km/hの定速走行で計測し、実施例1を10
0として指数表示した。数値が低いほど良。 ころがり抵抗;アメリカ自動車技術会(SAE)の規格
SAE T1269に準じた方法で測定し、実施例1を
100として指数表示した。数値が低いほど良。 タイヤ重量;実施例1のタイヤ重量を100として指数
表示した。数値が低いほど軽い。
【表1】 表1に示すように、実施例1〜7のタイヤは、いずれも
比較例1に比べて、実車ロードノイズレベルが低い。
【0060】特に、ベルト上減衰層7、ベルト間減衰層
8及びベルト下減衰層9の3層を全て適切なゴム量で配
した実施例1,2のタイヤは、他性能を全く損なうこと
なく、実車ロードノイズの低減効果が非常に高い。
【0061】
【発明の効果】本発明の空気入りラジアルタイヤである
と、タイヤの他性能を損なうことなく、高周波ロードノ
イズを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りラジアルタ
イヤTの右側半分の断面図である。
【図2】ラジアルタイヤTの要部拡大断面図である。
【図3】ラジアルタイヤTの製造時におけるトレッドゴ
ム1′の右側半分の断面図である。
【図4】タイヤの振動モード解析における周波数295
Hzでのタイヤ変形モードの断面図であり、(a)はタ
イヤ断面高さ最大状態を示し、(b)はタイヤ断面高さ
最小状態を示す。
【図5】タイヤの振動モード解析において歪みエネルギ
ーの高い領域を示したタイヤの要部拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る空気入りラジアル
タイヤの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
T……空気入りラジアルタイヤ 1……トレッド部 4……カーカス層 5……ベルト層 51…第1ベルト 51a…第1ベルトの幅方向外方端 52…第2ベルト 7……ベルト上減衰層 8……ベルト間減衰層 9……ベルト下減衰層 w……第1ベルトの幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーカス層とトレッド部との間にベルト
    層を備えたラジアルタイヤにおいて、 前記ベルト層の両端部に、当該両端部をタイヤ半径方向
    外側から覆う高減衰ゴムよりなるベルト上減衰層を配
    し、 前記ベルト上減衰層が、前記トレッド部を構成するトレ
    ッドゴムの一部として配されたことを特徴とする空気入
    りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記ベルト層が複数枚のベルトより構成
    され、 前記ベルト層の両端部において、少なくとも一の前記ベ
    ルト間に高減衰ゴムよりなるベルト間減衰層を配したこ
    とを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記ベルト層が複数枚のベルトより構成
    され、 前記ベルト層の両端部において、前記カーカス層とその
    半径方向外側に隣接して配された第1ベルトとの間に高
    減衰ゴムよりなるベルト下減衰層を配したことを特徴と
    する請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記ベルト層が、カーカス層の半径方向
    外側に隣接して配された第1ベルトと、この第1ベルト
    の半径方向外側に配された第2ベルトとよりなり、 前記ベルト上減衰層とともに、ベルト間減衰層及びベル
    ト下減衰層のいずれか一方又は双方を備え、 前記ベルト間減衰層が、前記ベルト層の両端部において
    前記第1ベルトと前記第2ベルトとの間に配された高減
    衰ゴムよりなる減衰層であり、 前記ベルト下減衰層が、前記ベルト層の両端部において
    前記第1ベルトの半径方向内側に配された高減衰ゴムよ
    りなる減衰層であることを特徴とする請求項1記載の空
    気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記第1ベルトの幅が前記第2ベルトの
    幅よりも広く、 前記ベルト上減衰層及び前記ベルト間減衰層の幅方向外
    方端が、前記第1ベルトの幅方向外方端の近傍に位置
    し、 前記ベルト下減衰層の幅方向中心が、前記第1ベルトの
    幅方向外方端の近傍に位置することを特徴とする請求項
    4記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記高減衰ゴムの損失係数tanδが
    0.2以上であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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