JP4263939B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロードノイズを低減した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤに起因する騒音の一つに、ロードノイズがある。これは転動時、路面から受ける衝撃がトレッド部を加振することに原因し、この振動がカーカスを媒体としてリムからシャーシに伝達され、車内に共鳴音となって発生すると考えられる。
【0003】
従って、従来、ロードノイズを減じるために、振動媒体であるカーカスに剛性の低いコードを採用したり、又コード打込数を少なくしてその振動伝達特性を改善するなどの手段がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記手段は、タイヤ剛性の減少を伴うなど操縦安定性の低下を招くため限界があり、ロードノイズを充分満足しうるレベルまで低減させることはできなかった。
【0005】
このような状況に鑑み、本発明者が研究した結果、図7に誇張して示すように、カーカスaのプライ本体部a1は、荷重付加時には、リムフランジbの円弧状部分b1を支点としてタイヤ軸方向外側に大きく倒れ込むように変形するが、このとき、この倒れ込みが大きいほど、トレッド部からの振動が緩和吸収されやすく、即ち振動がリムに伝達されにくくなり、ロードノイズが低減することを究明し得た。
【0006】
又このプライ本体部a1の倒れ込みを大きくするためには、前記円弧状部分b1に接する領域y内に、タイヤ厚さを減じる部分を形成するのが有効であることも見出し得た。しかも係る場合には、カーカス全体の剛性低下を伴わないため、操縦安定性の過度の低下を抑えうることも判明した。
【0007】
そこで本発明は、カーカスのプライ本体部の、荷重付加における倒れ込みを大きくすることができ、トレッド部からの振動の緩和吸収効果を高めうるなど、操縦安定性の過度の低下を抑制しつつロードノイズを低減しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−131815号公報
【特許文献2】
特開平9−58226号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを有するカーカスと、前記ビードコアからタイヤ半径方向外方にのびるビードエーペックスゴムとを具えた空気入りタイヤであって、
正規リムにリム組しかつ正規内圧の5%を充填した5%内圧状態において、
正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加したときにタイヤ外面が前記正規リムのフランジの円弧部面と接することとなる領域内に、ビード部とサイドウォール部との間においてタイヤ外面と内面間のタイヤ厚さが最小となる最小厚さ部が形成され、
しかも前記ビードエーペックスゴムは、該最小厚さ部よりもタイヤ半径方向内方で終端する又は該最小厚さ部で半径方向内外に途切れるとともに、
該最小厚さ部におけるタイヤ厚さT0を3〜7mmとしたことを特徴としている。
【0010】
又請求項2の発明では、正規リムにリム組しかつ正規内圧の5%を充填した5%内圧状態において、
正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加したときにタイヤ外面が前記正規リムのフランジの円弧部面と接することとなる領域内に、ビード部とサイドウォール部との間においてタイヤ外面と内面間のタイヤ厚さが最小となる最小厚さ部が形成され、
しかも前記ビードエーペックスゴムは、該最小厚さ部を通ってタイヤ半径方向外方にのびるとともに、
該最小厚さ部におけるタイヤ厚さT0を5.3〜9mm、かつこのタイヤ厚さT0と前記最小厚さ部におけるビードエーペックスゴムの厚さTAとの比TA/T0を0.5倍以下、しかも差T0−TAを3mm以上としたことを特徴としている。
【0011】
又請求項3の発明では、前記正規リムは、5゜テーパリムであり、かつ前記最小厚さ部は、前記リムのフランジ上端を通るタイヤ軸方向のフランジ基線がタイヤ外面と交わる位置であることを特徴としている。
【0012】
なお前記5%内圧状態は、そのタイヤ輪郭形状が、金型内におけるタイヤ輪郭形状と近似した状態であり、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、この5%内圧状態で特定される値とする。
【0013】
又本明細書では、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。又前記「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"に0.8を乗じた荷重を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1〜2は、本願第1の発明の空気入りタイヤに係わる図面であって、図1は該空気入りタイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧の5%が充填された5%内圧状態における子午断面図を、又図2はそのビード部の拡大断面図を示す。又図5〜6は、第2の発明の空気入りタイヤに係わる図面であって、図5は該空気入りタイヤの5%内圧状態を示す子午断面図を、又図6はそのビード部の拡大断面図を示す。
【0015】
図1において、空気入りタイヤ1A(以下タイヤ1Aという)は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向に配されるベルト層7とを具える。
【0016】
前記ベルト層7は、高弾性のベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差することによりベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強する。ベルトコードとしては、スチールコード或いは、これに匹敵する例えば芳香族ポリアミド繊維等のハイモジュラスの有機繊維コードが好適に使用できる。
【0017】
なお前記ベルト層7の半径方向外側には、高速耐久性を高める目的で、例えばナイロン等の有機繊維のバンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けることができる。このバンド層9として、前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライが適宜使用でき、本例では、一対のエッジバンドプライと1枚のフルバンドプライとからなるものを例示している。
【0018】
又前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなり、カーカスコードとして、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードが好適に採用される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
【0019】
又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびるビードエーペックスゴム8が配設される。このビードエーペックスゴム8は、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)が70〜100°の硬質のゴムから形成される。また本例では、前記プライ折返し部6bは、そのビードベースラインBLからの半径方向高さh1が、前記ビードエーペックスゴム8の半径方向高さh2より大であり、ビードエーペックスゴム8の半径方向外端を越えた後は、プライ本体部6aに隣接して延在する。なお前記「ビードベースラインBL」とは、タイヤが基づく規格で定められるリム径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
【0020】
そして本発明では、タイヤ1Aに正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加した正規荷重付加状態Y2(図3に示す)において、タイヤ外面が前記正規リムのフランジR1の円弧部面R1aと接することとなる領域Q内に、最小厚さ部Pを形成している。なお正規リムRは、本例では、リムシートR2がタイヤ軸方向に対して5°で傾斜する周知の5゜テーパリムであって、前記円弧部面R1aは、該リムシートR2からヒール部を介して立ち上がるフランジR1の立片部R1bに連なり、タイヤ軸方向外方かつ半径方向外方に向かって凸円弧状に湾曲する。
【0021】
ここで、前記「最小厚さ部P」とは、図2に示すように、前記5%内圧状態Y1において、ビード部4とサイドウォール部3との間の領域範囲におけるタイヤ外面と内面との間のタイヤ厚さTが最小となる部分を意味する。即ち、タイヤ外面と内面とに内接する円弧(内接円)において、その内接点間の距離であるタイヤ厚さTが最小となる部分を意味する。従って、この最小厚さ部Pからタイヤ半径方向内側、及び外側に向かっては、それぞれタイヤ厚さTは漸増することとなる。
【0022】
そして第1の発明では、前記ビードエーペックスゴム8が、該最小厚さ部Pよりもタイヤ半径方向内方で終端する、或いは該最小厚さ部Pで半径方向内外に途切れるとともに、該最小厚さ部Pにおけるタイヤ厚さT0を3〜7mmの範囲に規制している。
【0023】
本例では、前記ビードエーペックスゴム8が、前記ビードコア5から小高さでのびる断面略三角形状の下のエーペックス部8Aと、この下のエーペックス部8Aとは半径方向に離間する略流線型状の上のエーペックス部8Bとに区分される場合を例示している。この下上のエーペックス部8A、8Bの離間域Jは、少なくともその一部が前記領域Q内に形成されるとともに、前記離間域Jではプライ本体部6aとプライ折返し部6bとは互いに隣接している。
【0024】
なお前記プライ本体部6aの内側には、タイヤ内面をなすインナーライナゴム10が添設されるとともに、ビード部4には、ビードトウ4aからビード底面4bを通った後プライ折返し部6bに沿って立ち上がるリムズレ防止用のチェーファゴム11が配される。このチェーファゴム11は、耐摩耗性に優れる厚さ0.3〜1.0mmの薄いシート状をなす。又ビード部4には、例えばビードヒールから半径方向外方にのびることにより、タイヤ外面をなす硬質ゴムのクリンチエーペックスゴム12が配される。このクリンチエーペックスゴム12は、前記チェーファゴム11を覆う薄肉の被覆部12Aと、この被覆部12Aに連なりかつ厚さを漸増しながら前記領域Qを越えて半径方向外方にのびる断面図三角形状のエーペックス部12Bとからなり、その外端はサイドウォールゴム3Gの内端と接合している。なお要求により、エーペックス部12Bのみで形成することもでき、係る場合には、前記チェーファゴム11部が露出してタイヤ外面の一部を形成する。
【0025】
ここで、本例では、前記インナーライナゴム10、プライ本体部6a、プライ折返し部6b、及びチェーファゴム11は、その全長に亘り略一定の厚さを有して延在し、前記ビードエーペックスゴム8が、前記離間域Jで途切れることにより、前記領域Q内に最小厚さ部Pを形成している。特に本例では、前記ビードエーペックスゴム8が途切れることにより、タイヤ内面が、従来的なタイヤ内面Si(図2に一点鎖線で示す)から大きく凹む凹部15が形成されるものを例示している。なおタイヤ外面は、本例では、従来的なタイヤ外面と実質的に同じ輪郭形状を有する。
【0026】
このように前記領域Q内に最小厚さ部Pを形成したタイヤ1Aは、この最小厚さ部Pが弱所となり、ビード部4を、フランジR1上でタイヤ軸方向外側に大きく倒れ込ませることができる。その結果、トレッド部からの振動や上下方向の力が緩和吸収されやすくなり、前記振動等がリムに伝達されるのを抑制し、ロードノイズの低減を図ることが可能となる。又このものは、カーカス全体の剛性低下を伴わないため、操縦安定性の過度の低下を抑えることができる。
【0027】
このとき前記最小厚さ部Pにおけるタイヤ厚さT0は3〜7mmとすることが必要である。これは、最小厚さ部Pにおいては、少なくともインナーライナゴム10、プライ本体部6a、及びプライ折返し部6bが存在するが、これら部材に少なくとも3mm以上の厚さが必要だからである。又7mmを越えると、ビード部4の倒れ込みが不十分となって、ロードノイズ低減効果を充分に確保することができなくなる。
【0028】
なお図4に、本発明者が行った表1の実験の結果に基づく、タイヤ厚さT0とロードノイズ低減効果との関係を示す。図4に示すように、タイヤ厚さT0が9mm以下、特に7mm以下の範囲で優れたロードノイズ低減効果が発揮されているのが確認できる。
【0029】
又第1の発明においては、ビードエーペックスゴム8が、前記最小厚さ部Pの位置で途切れていれば、上のエーペックス部8Bを排除し、ビードエーペックスゴム8を下のエーペックス部8Aのみで構成しても良い。又第1の発明では、さらに、前記インナーライナゴム10、プライ本体部6a、プライ折返し部6b、チェーファゴム11、クリンチエーペックスゴム12のうちの少なくとも一つの部材の厚さを部分的に減じ、これによりビードエーペックスゴム8の途切れと相俟って、最小厚さ部Pの前記タイヤ厚さT0をより小さく設定するのも好ましい。
【0030】
次に、第2の発明のタイヤ1Bを説明する。この第2の発明のタイヤ1Bは、ビード部4以外は第1の発明のタイヤ1Aと実質的に同構成であり、図5〜6に示すように、前記領域Q内に、最小厚さ部Pを具えるとともに、前記ビードエーペックスゴム8は、この最小厚さ部Pを通ってタイヤ半径方向外方に延在している。
【0031】
そして、前記最小厚さ部Pにおけるタイヤ厚さT0を5.3〜9mmの範囲とするとともに、タイヤ厚さT0と、前記最小厚さ部Pにおけるビードエーペックスゴム8の厚さTAとの比TA/T0を0.5倍以下、しかも差T0−TAを3mm以上に設定している。
【0032】
本例では、タイヤ内面が、従来的なタイヤ内面と実質的に同じ輪郭形状を有するのに対して、タイヤ外面が、前記領域Qを含む範囲において、従来的なタイヤ外面Soから円弧状に大きく凹む凹部16を形成したものを例示している。そして、この凹部16によって、前記インナーライナゴム10、プライ本体部6a、ビードエーペックスゴム8、プライ折返し部6b、チェーファゴム11、クリンチエーペックスゴム12のうちの少なくとも一つの部材の厚さが部分的に減じることにより、前記最小厚さ部Pを形成している。
【0033】
なお本例では、前記凹部16において、インナーライナゴム10、プライ本体部6a、プライ折返し部6b、チェーファゴム11、クリンチエーペックスゴム12が略一定の厚さを有する一方、前記ビードエーペックスゴム8がその厚さを減じ、これによって前記最小厚さ部Pが形成される場合を例示している。
【0034】
ここで、最小厚さ部Pにおけるタイヤ厚さT0が9mmを越える、或いは前記最小厚さ部Pにおけるビードエーペックスゴム8の厚さTAが前記タイヤ厚さT0の0.5倍を越えると、最小厚さ部Pでの曲げ剛性が過大となって、ビード部4の倒れ込みが不十分となり、ロードノイズ低減効果が充分に達成されなくなる。又少なくともインナーライナゴム10、プライ本体部6a、及びプライ折返し部6bを形成するためには、前述の如く3mm以上の厚さが必要である。従って、タイヤ形成のために、前記タイヤ厚さT0、及びこのタイヤ厚さT0と厚さTAとの差T0−TAは、3mm以上に設定することが必要である。
【0035】
なおビード部4の倒れ込みをより大きく確保するためには、前記最小厚さ部Pを、前記フランジR1の上端を通るタイヤ軸方向のフランジ基線Rxがタイヤ外面と交わる位置Kに形成するのが好ましい。
【0036】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0037】
【実施例】
表1の仕様に基づきタイヤサイズが195/60R15の乗用車用タイヤを試作するとともに、各試供タイヤの、ロードノイズ性能をテストし比較した。表1の仕様以外は同一仕様である。なお図4に、そのときのタイヤ厚さT0とロードノイズとの関係をグラフに示している。
【0038】
又表中の、厚さTbは、最小厚さ部Pにおけるビードエーペックスゴム8からタイヤ内面までの厚さ、厚さTcはビードエーペックスゴム8からクリンチエーペックスゴム12までの厚さ、厚さTdはクリンチエーペックスゴム12のタイヤ外面までの厚さ、厚さTeはクリンチエーペックスゴム12の最大厚さを意味している(図6に示す)。
【0039】
(1)ロードノイズ性能:
各試供タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(200kPa)にて乗用車(FF、2000cc)の全輪に装着し、ロードノイズ測定用のスムースな路面を速度60km/hにて走行させ、運転席右耳の位置にてオーバーオールの騒音レベルdB(A)を測定し、比較例1からの変化量として示している。マイナス表示は比較例1よりロードノイズが低いことを示す。
【0040】
【表1】
【0041】
第1発明に係わる実施例2、5のタイヤ、及び第2発明に係わる実施例1、3、4、6のタイヤは、従来的な比較例1のタイヤに比して、ロードノイズが低減しているのが確認できる。
【0042】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、正規荷重付加状態においてタイヤ外面がリムフランジの円弧部面と接する領域内に、最小厚さ部を形成しているため、カーカスのプライ本体部の、荷重付加における倒れ込みを大きくすることができる。その結果、トレッド部からの振動の緩和吸収効果を高めることができ、操縦安定性の過度の低下を抑制しつつ、ロードノイズを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】タイヤの正規荷重付加状態を説明する線図である。
【図4】タイヤ厚さとロードノイズ低減効果との関係を示す線図である。
【図5】第2の発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図6】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図7】従来技術を説明する線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
P 最小厚さ部
Q 領域
R 正規リム
R1 フランジ
R1a 円弧部面
Rx フランジ基線
Claims (3)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを有するカーカスと、前記ビードコアからタイヤ半径方向外方にのびるビードエーペックスゴムとを具えた空気入りタイヤであって、
正規リムにリム組しかつ正規内圧の5%を充填した5%内圧状態において、
正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加したときにタイヤ外面が前記正規リムのフランジの円弧部面と接することとなる領域内に、ビード部とサイドウォール部との間においてタイヤ外面と内面間のタイヤ厚さが最小となる最小厚さ部が形成され、
しかも前記ビードエーペックスゴムは、該最小厚さ部よりもタイヤ半径方向内方で終端する又は該最小厚さ部で半径方向内外に途切れるとともに、
該最小厚さ部におけるタイヤ厚さT0を3〜7mmとしたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを有するカーカスと、前記ビードコアからタイヤ半径方向外方にのびるビードエーペックスゴムとを具えた空気入りタイヤであって、
正規リムにリム組しかつ正規内圧の5%を充填した5%内圧状態において、
正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加したときにタイヤ外面が前記正規リムのフランジの円弧部面と接することとなる領域内に、ビード部とサイドウォール部との間においてタイヤ外面と内面間のタイヤ厚さが最小となる最小厚さ部が形成され、
しかも前記ビードエーペックスゴムは、該最小厚さ部を通ってタイヤ半径方向外方にのびるとともに、
該最小厚さ部におけるタイヤ厚さT0を5.3〜9mm、かつこのタイヤ厚さT0と前記最小厚さ部におけるビードエーペックスゴムの厚さTAとの比TA/T0を0.5倍以下、しかも差T0−TAを3mm以上としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記正規リムは、5゜テーパリムであり、かつ前記最小厚さ部は、前記リムのフランジ上端を通るタイヤ軸方向のフランジ基線がタイヤ外面と交わる位置であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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