JP3977693B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能の悪化を抑えつつ操縦安定性を向上した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
空気入りタイヤでは、従来、図4に略示する如く、ビード外面asの輪郭形状をリム内面Rsの輪郭形状に沿わせて形成し、ビード部aをリムRに隙間なく密着させることにより、フォースバリエーション(FV)の悪化を抑えている。
【0003】
しかしこのような構造では、ビード部aとリムフランジR2との接触圧が低く、従って、充分な操縦安定性をうる、或いは操縦安定性を向上させるためには、ビード部の剛性を大幅に増加させる必要があるが、そのために、音振性能が損なわれ、特に低周波側(250Hz付近)のロードノイズ性能を悪化させるという問題がある。
【0004】
そこで本発明は、ビード外側面に、リムフランジとの接触圧を高める突起部を設けることを基本として、フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能の悪化を抑えつつ操縦安定性を向上しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、リムに装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤのビード部がリムフランジに向き合うビード外側面に、該ビード外側面から突出しかつタイヤ周方向に連続してのびるとともに前記リムフランジと圧接することにより前記ビード外側面をリムフランジから離間させる突起部を具え、
かつ前記突起部は、その半径方向内端のビードベースラインからの高さLaを15〜18mm、かつ半径方向の突起巾Wを10〜15mm、しかも前記ビード外側面からの突出高さTを1.0〜2.0mmとするとともに、
前記リムに装着したリム組状態において、前記ビード外側面のビード底面からの立上がり角度θを80〜90°としたことを特徴としている。
【0006】
又請求項2の発明では、前記突起部の外面は前記ビード外側面と平行をなすことを特徴としている。
【0007】
又請求項3の発明では、前記リムは標準リムであることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤがタイヤサイズ175/65R14の乗用車用タイヤである場合の断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図、図3はリム組状態におけるビード部を拡大して示す断面図である。
【0009】
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の外側に配されるベルト層7とを具える。
【0010】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなり、カーカスコードとして、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードが好適に採用される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りで内から外に折り返すプライ折返し部6bを一連に具え、該プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、ビード補強用のビードエーペックスゴム8を配設している。
【0011】
又前記ベルト層7は、高弾性のベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差するように傾斜の向きを違えて重置され、これによってベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。ベルトコードとしては、スチールコード或いは、これに匹敵する例えば芳香族ポリアミド繊維等のハイモジュラスの有機繊維コードが好適に使用される。
【0012】
次に、前記ビード部4は、図2に示すように、リムRのリムシートR1に着座するビード底面S1と、このビード底面S1に円弧状のビードヒール面S2を介して立上がりかつリムフランジR2に向き合うビード外側面S3とを具える。
【0013】
なおリムRは、リムシートR1に、円弧状のヒール部R3を介してリムフランジR2を立ち上げた周知構造をなし、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において定まる標準リム、即ちJATMA規格(日本)であれば標準リム、TRA規格(アメリカ)であれば "Design Rim" 、ETRTO規格(ヨーロッパ)であれば "Measuring Rim"が好適に採用できる。本例では、前記リムシートR1がタイヤ軸方向線に対して約5度の角度αを有して傾斜する所謂5°深底リムの場合を例示している。
【0014】
又前記ビード外側面S3は、非リム組状態において空気入りタイヤ1をそのビード巾Waをリム巾Wrに合わせて保持したとき、前記ビードヒール面S2からタイヤ軸方向線に対して略直角にのびる直線状の基部S3aと、タイヤ外方に中心を有する凹円弧状をなし前記基部S3aとサイドウォール部3とを継ぐ湾曲部S3bとで形成される。又この非リム組状態においては、本例では、前記ビード外側面S3は、前記リムフランジR2の輪郭形状に沿って形成される。
【0015】
そして本実施形態では、フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能の悪化を抑えつつ操縦安定性を向上するために、前記ビード外側面S3に、このビード外側面S3から突出しかつタイヤ周方向に連続してのびるとともに前記リムフランジR2の上部と圧接することにより前記ビード外側面S3をリムフランジR2から離間させる突起部10を設けている。
【0016】
ここで突起部10においては、その半径方向内端10eのビードベースラインBLからの高さLaを15〜18mm、かつ半径方向の突起巾Wを10〜15mm、しかも前記ビード外側面S3からの突出高さTを1.0〜2.0mmとすることが重要である。又前記突起部10は、前記ビード外皮をなすゴム硬度(デュロメータA硬さ)が60〜80度の硬質のクリンチエーペックスゴム4Gによって形成される。
【0017】
なお前記「ビードベースラインBL」とは、タイヤが基づく規格で定められるビード径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
【0018】
このような突起部10を設けたビード部4は、図3に示す如くリム組状態において、前記突起部10が、前記リムフランジR2の上部と強く圧接し、ビード部4の動きが強く拘束される結果、操縦安定性を向上することができる。しかも、前記リムフランジR2との圧接により、ビード底面S1及びビードヒール面S2を、リムシートR1及びヒール部R3に強く押し付ける力が作用するため、操縦安定性をより高めるとともに、ビード部4のリムRへの着座が安定化し、フォースバリエーション(FV)の悪化を防止することができる。
【0019】
なお前記突出高さTが1.0mm未満、及び前記高さLaが18mmを越えると、リムフランジR2の上部と充分に圧接できないなど操縦安定性の向上効果が過小となり、逆に突出高さTが2.0mmより大、及び高さLaが15mm未満の場合には、ビード外側面S3とリムフランジR2との間のエアー残りが過大となって着座が不安定化し、フォースバリエーション(FV)の悪化を招く。
【0020】
又前記突起巾Wが10mm未満では、リムフランジR2との圧接が十分にできないため、操縦安定性の向上効果が過小となる。逆に15mmを越えると、ビード部分の剛性が高くなりロードノイズの悪化を招く。
【0021】
又本願の作用効果(フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能の悪化を抑えつつ操縦安定性を向上する)を有効に発揮させるためには、前記リム組状態において、ビード外側面S3のビード底面S1からの立上がり角度θ、詳しくは前記基部S3aのビード底面S1からの立上がり角度θを80〜90°の範囲とすることも重要である。この角度θが80°未満では、リムフランジR2の上部と充分な圧接が得られず、逆に90°より大では、エアー残りが過大となってフォースバリエーション(FV)に悪影響を招く。
【0022】
なお前記突起部10は、リムフランジR2との接触を円滑化するために、その外面10Sを前記ビード外側面S3と平行に形成することが好ましい。
【0023】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0024】
【実施例】
図1の構造をなすタイヤサイズが175/65R14の乗用車用タイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの操縦安定性能、乗り心地性能、ロードノイズ性能、及びフォースバリエーションを測定し比較した。なお表1の仕様以外は同一仕様とした。
【0025】
(1) 操縦安定性性能、乗り心地性能;
試供タイヤを、リム(5.5J×14)、内圧(220kPa)にて車両(1000cc、FF車)の4輪に装着し、ドライアスファルト路面のタイヤテストコースを走行したときの操縦安定性性能(剛性感およびハンドル応答性)、及び乗り心地性能を、ドライバーの官能評価により従来例を6点とする10点法で評価した。値の大きい方が良好である。
【0026】
(2) ロードノイズ性能;
前記車両を用い、ノイズ評価用の荒れたアスファルト路面を速度50km/hにて走行させ、運転席左耳許にてオーバーオールの騒音レベルを測定し、従来例を100とする指数で評価した。値の大きい方が良好である。
【0027】
(3) フォースバリエーション;
JASOc607に準じてラテラルフォースバリエーションを測定し、その最大値を、従来例を100とする指数で表示している。値の大きい方が良好である。
【表1】
【0028】
テストの結果、実施例のものは、従来例と比べ、フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能を維持しながら操縦安定性を向上しうるのが確認できる。
【0029】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、ビード外側面に、リムフランジ上部との接触圧を高める突起部を所定位置かつ所定寸法で形成しているため、フォースバリエーション(FV)及びロードノイズ性能の悪化を抑えながら操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】リム組状態におけるビード部を拡大して示す断面図である。
【図4】従来タイヤのビード部を説明する断面図である。
【符号の説明】
4 ビード部
10 突起部
10S 突起部の外面
BL ビードベースライン
R リム
R2 リムフランジ
S1 ビード底面
S3 ビード外側面
Claims (3)
- リムに装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤのビード部がリムフランジに向き合うビード外側面に、該ビード外側面から突出しかつタイヤ周方向に連続してのびるとともに前記リムフランジと圧接することにより前記ビード外側面をリムフランジから離間させる突起部を具え、
かつ前記突起部は、その半径方向内端のビードベースラインからの高さLaを15〜18mm、かつ半径方向の突起巾Wを10〜15mm、しかも前記ビード外側面からの突出高さTを1.0〜2.0mmとするとともに、
前記リムに装着したリム組状態において、前記ビード外側面のビード底面からの立上がり角度θを80〜90°としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記突起部の外面は、前記ビード外側面と平行をなすことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記リムは、標準リムであることを特徴とする請求項1、又は2記載の空気入りタイヤ。
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