JPH09297378A - ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法

Info

Publication number
JPH09297378A
JPH09297378A JP26509796A JP26509796A JPH09297378A JP H09297378 A JPH09297378 A JP H09297378A JP 26509796 A JP26509796 A JP 26509796A JP 26509796 A JP26509796 A JP 26509796A JP H09297378 A JPH09297378 A JP H09297378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mol
compound
acid
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26509796A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3745046B2 (ja
Inventor
Shinichi Morishima
慎一 森嶌
Kozaburo Yamada
耕三郎 山田
Yasuta Fukui
康太 福井
Toshihide Ezoe
利秀 江副
Minoru Sakai
稔 酒井
Seiji Yamashita
清司 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP26509796A priority Critical patent/JP3745046B2/ja
Publication of JPH09297378A publication Critical patent/JPH09297378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3745046B2 publication Critical patent/JP3745046B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀写真感光材料の処理に用いる新
規な現像剤、これを含有する処理用組成物ならびにこれ
を用いる処理方法を提供する。 【解決手段】特定構造のパラアミノフェノール類である
ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、これを含有する
処理組成物およびそれを用いるハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法および現像液組成物に関するものであ
り、特に、特定構造のp−アミノフェノール化合物を含
む現像液で画像形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は製版分野、
医療診断分野など広範な分野に利用されている。利用分
野が拡大、深化するにつれて、画像形成に必要な現像処
理工程に対する要求が高まり、特に、迅速でかつ安定な
現像処理が強く望まれている。
【0003】ハロゲン化銀写真感光材料は露光後、一般
に現像、定着、水洗という工程で処理される。中でも黒
白現像液は、ジヒドロキシベンゼン系化合物であるハイ
ドロキノンを現像主薬、アミノフェノール類または3−
ピラゾリドン類を補助現像主薬とし、亜硫酸塩を包含す
るアルカリ性溶液が一般的で、ハイドロキノンと、これ
と超加成性を示す補助現像主薬、例えば、1−フェニル
−3−ピラゾリドン、またはN−メチル−p−アミノフ
ェノールとを同時に用いた現像液(PQまたはMQ現像
液)を使用することにより、ハイドロキノン単独では得
られない良好な写真特性を得ることができることがよく
知られている。また、1−フェニル−3−ピラゾリドン
をハロゲン化銀乳剤中に添加すると、ハイドロキノン単
液あるいはMQ現像液による現像を促進できることが米
国特許第2,751,297号に記載されているが必ず
しも十分ではなく、更に現像進行性の向上が望まれてい
る。
【0004】また、下記一般式(C)で表されるN−ア
ルキル−p−アミノフェノール類が優れた現像性を示す
ことが英国特許第1,126,219号に記載されてい
るが、非常にカブリを発生し易く満足な写真性が得られ
難いという欠点を有していた。 一般式(C)
【0005】
【化3】
【0006】式中、R6 は水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基を表す。
【0007】更に、特公昭47−21757号、特公昭
48−43814号、特公昭49−1211号、特公昭
49−2622号、特公昭49−7006号、特公昭4
9−43333号には、ハイドロキノンを現像主薬とし
た系で、ベンゼン環にアルキルまたはアルコキシ置換し
たN,N−ジアルキル−p−アミノフェノール類の現像
促進効果が述べられているが、促進剤としての効果は十
分なものではなく、促進効果を高めるために添加量を増
やしたくても、非常に難溶性であるため十分な添加量を
確保できない欠点を有している。
【0008】一方、現像主薬としてジヒドロキシベンゼ
ン系化合物の他にアスコルビン酸などのエンジオール類
が機能することも公知であり、近年、上記の生態学上あ
るいは毒物学上の問題のない現像主薬として注目されて
いる。例えば米国特許第2,688,549号、同3,
826,654号では、アスコルビン酸を現像主薬と
し、少なくともpH12以上の高いアルカリ性の条件下
で画像形成が可能であるとされている。しかし、これら
の画像形成方法では迅速性の点でも高コントラストな画
像を得る点においても満足できるものではない。
【0009】アスコルビン酸を用いた現像系でコントラ
ストを上昇させる試みがいくらか成されている。たとえ
ば、Zwickyは唯一の現像主薬としてアスコルビン酸を用
いた場合に、一種のリス効果が発現するとしているが
(J. Phot. Sc.27 巻、185 頁(1979 年))、ハイドロキノ
ン現像系の場合に比べるとかなりコントラストの低い系
であった。また、米国特許第3,022,168号では
アスコルビン酸を現像主薬、N−メチル−p−アミノフ
ェノールを補助現像主薬とし、pH8〜9の比較的低い
pHの条件下でコントラストの高い画像形成が可能であ
るとされている。しかし、これらの画像形成方法は迅速
性の点で満足できるものではなく、また現像液中に大量
のホウ酸を含有させる必要があり環境上においても好ま
しくない。さらに、特公昭49−46939号、米国特
許第5,474,879号にはビス四級アンモニウム塩
とアスコルビン酸を併用する系が開示されているが、現
像促進効果はあってもコントラスト上昇効果はほとんど
見られない。また、特開平4−32838号にも、アス
コルビン酸を現像主薬、p−アミノフェノール類あるい
はN−アルキル−p−アミノフェノール類を補助現像主
薬とした系で四級塩の併用効果が述べられているが得ら
れた画像のコントラストは十分でなく、現像進行の向上
については何ら言及されていない。さらに、特開平5−
88306号にアスコルビン酸を唯一の現像主薬とし
て、pHを12.0以上に保つことによって高いコント
ラストが得られるとしているが、このような現像液では
空気酸化劣化が著しく現像液の安定性には大きな問題が
ある。また、アスコルビン酸とヒドラジン誘導体を主成
分とする特殊な現像液を用いて、感度が高く、ステイ
ン、カブリの低い現像系が出来るという例(米国特許第
3,730,727号)もあるが、コントラストの向上
については何ら言及されていない。
【0010】ヒドラジンを含有する感材をアスコルビン
酸現像液で処理する事は公知であり、US523681
6号、WO93/11456などで開示されているが、
いずれもコントラスト、迅速性両方の点で充分でなく、
後者では、現像液中にアミンを含有させる事で硬調化さ
せているが、環境的にも好ましくない。毒物学上、好ま
しいアスコルビン酸を現像主薬として用いて、迅速且つ
高コントラストな画像を得る現像処理方法が望まれてい
るが、充分な硬調性を得られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特定構造のp−アミノフェノール類を補助現像主薬
として用いた現像液で新規な画像形成方法を提供するこ
と、特に、迅速かつ高コントラストなネガ画像を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、下記一般
式(A)あるいは(B)で表される現像剤、該現像剤の
少なくとも一種類を含むことを特徴とする現像液組成
物、及び露光されたハロゲン化銀写真感光材料を一般式
(A)あるいは(B)の現像剤を少なくとも一種含有す
る現像液で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法によって達成された。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(A)中、R1 およびX1 は各々、
水素原子または置換基を表し、R2は水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、ア
リール基、またはヘテロ環基を表す。m1 は0から3の
整数を表し、m2 は0から4の整数を表す。m1 および
2 が2以上の整数を表すとき、それぞれ複数のX1
よびR2 は同じでも異なっていてもよい。Z1 は窒素原
子およびベンゼン環の2重結合と共同で、5員環もしく
は6員環を形成しうる原子団を表す。但しZ1が6員環
を形成する時、X1 はアルキルチオ基、スルホンアミド
基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、もしくはチ
オウレイド基を表す。一般式(B)中、X2 はアルキル
チオ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、
ウレイド基、またはチオウレイド基を表し、X22は水素
原子または置換基を表す。m3 は1から4の整数を表
し、m3 および4−m3 が2以上の整数を表すとき、複
数のX2 およびX22は同じでも異なっていてもよい。R
3 およびR4 は、各々一般式(A)におけるR2 と同義
の基を表す。ただし、R3 およびR4 のうち少なくとも
一つはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラ
ルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R3
とR4 は連結して窒素原子と共同でヘテロ環を形成して
もよいが、その場合、X2 はスルホンアミド基になるこ
とはない。
【0015】
【発明の実施の形態】一般式(A)で表されるp−アミ
ノフェノール類について詳細に説明する。式中、R1
よびX1 は、各々水素原子または置換基を表し、ここで
置換基とは、ハロゲン原子または炭素原子、酸素原子、
窒素原子、硫黄原子で−C−に結合する置換基であり、
具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン
原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、
スルファモイルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド
基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルホニル基、スルフィニル基、スルファモイル基、カ
ルボキシ基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)を挙げ
ることができる。これらは、更に、これら置換基で置換
されていてもよい。
【0016】更に詳しくR1 およびX1 で表される置換
基の例を示す。アルキル基としては炭素数1〜10、好
ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアル
キル基であり、置換されていても良く、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、ヒドロキシメチル、2
−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3
−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3,
4−ジヒドロキシブチル、2−メトキシエチル、3−メ
トキシプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピ
ル、トリメチルアンモニオメチル、2−トリメチルアン
モニオエチル、3−トリメチルアンモニオプロピル、ア
セトアミドメチル、2−アセトアミドエチル、3−アセ
トアミドプロピル、カルボキシメチル、2−カルボキシ
エチル、3−カルボキシプロピル、スルホメチル、2−
スルホエチル、3−スルホプロピル、ウレイドメチル、
2−ウレイドエチル、3−ウレイドプロピル、カルバモ
イルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイ
ルプロピルなどを挙げることができる。アルケニル基と
しては炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6の直
鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、
エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテ
ニル、1−ブテニルなどを挙げることができる。アルキ
ニル基としては炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜
6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキニル基であり、例
えば、エチニル、2−プロピニル、1−プロピニル、2
−ブチニル、1−ブチニルなどを挙げることができる。
【0017】アラルキル基としては炭素数7〜10のア
ラルキル基で、例えば、ベンジルなどである。アリール
基としては炭素数6〜10のアリール基で、例えば、フ
ェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルなどである。
ヘテロ環基としては炭素原子、窒素原子、酸素原子、あ
るいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または
不飽和のヘテロ環基で環を構成するヘテロ原子の数及び
元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、2
−フリル、ベンゾフリル基、2−ピロリル、2−イミダ
ゾリル、1−ピラゾリル、2−ベンゾトリアゾリル、2
−ピリジル、2−ピリミジル、2−チエニルなどであ
る。ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原
子である。アルコキシ基としては炭素数1〜16、好ま
しくは炭素数1〜6のアルコキシ基で例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエト
キシなどを挙げることができる。アリールオキシ基とし
ては炭素数6〜10のアリールオキシ基で例えば、フェ
ノキシ、p−メトキシフェノキシ、p−カルボキシフェ
ノキシ、o−スルホフェノキシなどを挙げることができ
る。アルキルチオ基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜6のアルキルチオ基で例えば、メチルチ
オ、エチルチオ、2−ヒドロキシエチルチオ、2−カル
ボキシエチルチオ、3−ヒドロキシプロピルチオなどで
ある。アリールチオ基としては炭素数6〜10のアリー
ルチオ基で例えば、フェニルチオ、4−メトキシフェニ
ルチオなどを挙げることができる。アシルオキシ基とし
ては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアシル
オキシ基で例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシな
どを挙げることができる。
【0018】アルキルアミノ基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアミノ基で例え
ば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
2−ヒドロキシエチルアミノなどである。カルボンアミ
ド基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6
のカルボンアミド基で例えば、アセトアミド、プロピオ
ンアミドである。スルホンアミド基としては炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜6のスルホンアミド基で例
えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、
プロパンスルホンアミド、2−ヒドロキシエタンスルホ
ンアミド、3−ヒドロキシプロパンスルホンアミド、2
−メトキシエタンスルホンアミド、2−アミノエタンス
ルホンアミド、3−アミノプロパンスルホンアミド、2
−アセトアミドエタンスルホンアミド、2−メチルスル
ファモイルアミノエタンスルホンアミド、2−ウレイド
エタンスルホンアミド、2−メチルウレイドエタンスル
ホンアミド、2−カルバモイルエタンスルホンアミド、
2−カルボキシエタンスルホンアミド、2−スルホエタ
ンスルホンアミドなどである。スルファモイルアミノ基
としては炭素数0〜10、好ましくは炭素数0〜6のス
ルファモイルアミノ基で例えば、メチルスルファモイル
アミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、2−メトキシ
エチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルア
ミノ、プロピルスルファモイルアミノ、2−ヒドロキシ
エチルスルファモイルアミノ、3−ヒドロキシプロピル
スルファモイルアミノ、2−アミノエチルスルファモイ
ルアミノ、3−アミノプロピルスルファモイルアミノ、
2−アセトアミドエチルスルファモイルアミノ、2−メ
チルスルファモイルアミノエチルスルファモイルアミ
ノ、2−ウレイドエチルスルファモイルアミノ、2−メ
チルウレイドエチルスルファモイルアミノ、2−カルバ
モイルエチルスルファモイルアミノ、2−カルボキシエ
チルスルファモイルアミノ、2−スルホエチルスルファ
モイルアミノである。ウレイド基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウ
レイド、メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、
N−ヒドロキシウレイド、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)ウレイド、ジ(2−ヒドロキシエチル)ウレイド、
N−(2−メトシキエチル)ウレイド、N−(2−ジメ
チルアミノエチル)ウレイド、N−(2−アセトアミド
エチル)ウレイド、N−(2−メタンスルホンアミドエ
チル)ウレイドなどである。チオウレイド基としては炭
素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のチオウレイド
基で例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,
N−ジメチルチオウレイド、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)チオウレイド、ジ(2−ヒドロキシエチル)チオウ
レイド、N−(2−メトキシエチル)チオウレイド、N
−(3−アミノプロピル)チオウレイド、N−(2−メ
チルチオエチル)チオウレイド、N−(3−アセトアミ
ドプロピル)チオウレイドなどである。アシル基として
は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアシル基
で例えばアセチル、ベンゾイルなどである。オキシカル
ボニル基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜6のオキシカルボニル基で例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルである。カルバモイル基として
は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のカルバモ
イル基で例えば、カルバモイル、N,N−ジメチルカル
バモイル、N−エチルカルバモイルである。スルホニル
基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の
スルホニル基で例えば、メタンスルホニル、エタンスル
ホニル、2−クロロエタンスルホニルである。スルフィ
ニル基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜
6のスルフィニル基で例えば、メタンスルフィニル、エ
タンスルフィニルである。スルファモイル基としては炭
素数0〜10、好ましくは炭素数0〜6のスルファモイ
ル基で例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイ
ル、エチルスルファモイルである。
【0019】R2 は水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、または
ヘテロ環基を表し、これらの基の詳細は、R1 およびX
1 にて説明したものに同義である。m1 は0から3の整
数を表し、m2 は0から4の整数を表す。m1 およびm
2 が2以上の整数を表すとき、それぞれ複数のR1 およ
びX1 は同じでも異なっていてもよい。Z1 は窒素原子
およびベンゼン環の2重結合と共同で、5員環もしくは
6員環を形成しうる原子団を表す。具体的にはZ1 は炭
素原子、もしくは酸素原子から構成され、少なくとも1
つの−C(R17)(R18)−あるいは−C(R19)=を
有し、−C(R17)(R18)−、−C(R19)=、ある
いは−O−と組み合わせて構成される原子団で、形成さ
れるベンゼン環と縮合した5〜6員環としては、例え
ば、インドール、インドリン、ジヒドロキノリン、テト
ラヒドロキノリン、ベンゾオキサジンを挙げることがで
きる。ここでR17、R18、およびR19は同一でも異なっ
ていても良く、各々水素原子または置換基を表す。ここ
に置換基とは、R1 およびX1 として説明したものと同
義である。但しZ1 が6員環を形成する時、X1 はアル
キルチオ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ
基、ウレイド基、もしくはチオウレイド基を表すが、こ
れらの基の詳細は、R1 およびX1 にて説明したものに
同義である。
【0020】一般式(A)で表される化合物は、任意の
炭素原子上で2種が結合して、ビス型構造を形成しても
よい。
【0021】一般式(A)で表される化合物の中でも、
以下の一般式(AA)で表される化合物が特に好まし
い。 一般式(AA)
【0022】
【化5】
【0023】式中、R11およびX11は、各々水素原子ま
たは置換基を表し、R22は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、
またはヘテロ環基を表す。m22は0から4の整数を表
し、2以上の整数を表すとき、R11は同じでも異なって
いてもよい。R11およびX11が置換基を表すとき、これ
らは一般式(A)のR1 およびX1 について説明したも
のと同じものが挙げられる。
【0024】一般式(AA)中のR11、X11、およびR
22について以下にその好ましい組み合わせについて述べ
る。R11は水素原子、アルキル基またはヒドロキシ基で
あり、X11は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボンア
ミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、
ウレイド基、またはチオウレイド基であり、R22は水素
原子またはアルキル基である組み合わせが好ましい。こ
こで、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基
は、他の置換基によって置換されたものも含む。
【0025】一般式(AA)で表される化合物の中で
も、以下の一般式(AAA)で表される化合物が最も好
ましい。 一般式(AAA)
【0026】
【化6】
【0027】式中、X111 は水素原子、アルキル基、ヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモ
イルアミノ基、ウレイド基、またはチオウレイド基を表
し、R222 は水素原子またはアルキル基を表す。
【0028】一般式(AAA)で表される化合物の好ま
しい組み合わせとしては、X111 が水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、またはウレイド基であり、R222 が水素原子または
アルキル基であり、さらに好ましくは、R222 が水素原
子または無置換あるいは水溶性基で置換されたアルキル
基であり、X111 が水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、またはウレ
イド基である組み合わせである。特に好ましい組み合わ
せは、X111 が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のカルボン
アミド基、炭素数1〜3のスルホンアミド基、または炭
素数1〜3のウレイド基であり、R222 が水素原子また
は無置換もしくは水溶性基で置換された炭素数1〜3の
アルキル基である。ここで水溶性基とは、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アン
モニオ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スル
ファモイルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ
基(塩を含む)等である。
【0029】一般式(AAA)で表される化合物の中
で、最も好ましくは、X111 が水素原子で、R222 が水
素原子、メチル基、エチル基、または水溶性基で置換さ
れた総炭素数1〜4のアルキル基である。
【0030】次に、一般式(B)で表されるp−アミノ
フェノール類について詳細に説明する。 一般式(B)
【0031】
【化7】
【0032】式中、X2 はアルキルチオ基、スルホンア
ミド基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、または
チオウレイド基を表し、X22は水素原子または置換基を
表す。m3 は1から4の整数を表し、m3 および4−m
3 が2以上の整数を表すときX2 およびX22は同じでも
異なっていてもよい。R3 およびR4 は、各々一般式
(A)におけるR2 と同義の基を表す。ただし、R3
よびR4 のうち少なくとも一つはアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、また
はヘテロ環基を表し、R3 とR4 は連結して窒素原子と
共同でヘテロ環を形成してもよいが、その場合、X2
スルホンアミド基になることはない。
【0033】式中、X2 はアルキルチオ基、スルホンア
ミド基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、または
チオウレイド基を表し、X22は水素原子または置換基を
表す。X2 およびX22の表す基についての詳細は、一般
式(A)におけるR1 およびX1 にて説明したものと同
じものが挙げられる。R3 とR4 が連結して窒素原子と
共同で形成するヘテロ環としてはピロリジン環、ピペリ
ジン環、モルホリン環、または1−チア−4−アザシク
ロヘキサン環などを挙げることができる。
【0034】一般式(B)で表される化合物は、任意の
炭素原子上で2種が結合して、ビス型構造を形成しても
よい。
【0035】一般式(B)で表される化合物の中でも、
以下の一般式(BB)で表される化合物が特に好まし
い。 一般式(BB)
【0036】
【化8】
【0037】式中、X22はアルキルチオ基、スルホンア
ミド基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、または
チオウレイド基を表し、X33は水素原子または置換基を
表し、これは一般式(B)のX22と同義の基である。R
33およびR44は、各々一般式(B)におけるR3 および
4 と同義の基を表す。但し、R33とR44とが連結する
ことはない。
【0038】一般式(BB)中のX33、R33およびR44
について以下にその好ましい組み合わせについて述べ
る。X33は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アル
コキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボンアミ
ド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、ウ
レイド基、またはチオウレイド基であり、R33およびR
44は水素原子またはアルキル基である組み合わせが好ま
しい。この組み合わせにおいて、R33およびR44の少な
くとも1つはアルキル基であり、R33およびR44で表さ
れるアルキル基は、無置換のアルキル基または水溶性基
で置換されたアルキル基であることがより好ましい。こ
こに水溶性基とは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アンモニオ基、カルボンアミ
ド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、ウ
レイド基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボ
キシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)等であ
る。R33およびR44は無置換のアルキル基またはヒドロ
キシ基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基で
置換されたアルキル基であることが更に好ましい。一般
式(BB)で表される化合物の中でも、以下の一般式
(BBB)で表される化合物が最も好ましい。 一般式(BBB)
【0039】
【化9】
【0040】式中、X222 は一般式(B)におけるX2
にて説明したものに同義であり、R333 およびR
444 は、それぞれ水素原子またはアルキル基を表す。た
だし、R33およびR44の少なくとも一つはアルキル基で
ある。
【0041】一般式(BBB)で表される化合物の更に
好ましい組み合わせとしては、X222 は炭素数1〜3の
アルキルチオ基、炭素数1〜3のスルホンアミド基、炭
素数1〜3のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜3の
ウレイド基、または炭素数1〜3のチオウレイド基であ
り、R333 およびR444 は水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基であり、最も好ましくは、R333 およびR
444 はメチル基、またはヒドロキシ基もしくはアルコキ
シ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。
【0042】本発明の一般式(A)あるいは(B)で表
される具体的化合物の例として下記化合物が挙げられる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
【表13】
【0056】
【表14】
【0057】
【表15】
【0058】
【表16】
【0059】
【表17】
【0060】
【表18】
【0061】
【表19】
【0062】
【表20】
【0063】
【表21】
【0064】
【表22】
【0065】
【表23】
【0066】
【表24】
【0067】
【表25】
【0068】
【表26】
【0069】
【表27】
【0070】一般式(A)あるいは(B)で表わされる
化合物は、例えば、J. Chem. Soc.,344(1966) 、Photog
raphic Science and Engineering, 10,306(1966)などの
一般的合成法に準じて容易に合成可能である。また、下
記合成例やそれに準じた方法を採ることもできる。 合成例1 スキーム1に従い、本発明の例示化合物(A−35)を
合成した。
【0071】
【化10】
【0072】(A−35a)の合成 濃硫酸90.5mlと酢酸50mlを混合し0〜−5℃に冷
却した。これに3−メチルアニソール61.1gをゆっ
くり滴下し、次いで硝酸61.5gと濃硫酸90.5ml
の混合液を−10〜−15℃に保ちながら滴下した。滴
下終了後、0℃までゆっくり昇温し、次いで反応液を氷
水200mlに注入した後、ヘキサン500mlで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で中性まで洗浄し、塩化カルシ
ウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮することにより
(A−35a)の赤褐色固体84.8gを得た。 (A−35b)の合成 (A−35a)63.6gと75%パラホルムアルデヒ
ド54gにジメチルスルホキシド120mlを加え、50
℃に加温した。これに40%水酸化ベンジルトリメチル
アンモニウムメタノール溶液(TritonB)をゆっくり滴下
した。滴下後、90℃で3時間反応させた後、反応液を
水1リットルに注ぎ、酢酸エチル1リットルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製(展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)し、(A−35
b)の黄色固体14.5gを得た。 (A−35c)の合成 (A−35b)14.5gと四塩化炭素27ml、アセト
ニトリル60mlの溶液に、室温下でトリフェニルホスフ
ィン24gを少量ずつ加え、そのまま攪拌した。一夜放
置後、メタノール2mlを加え、次いで、酢酸エチル30
mlとヘキサン60mlとを加え攪拌した後、不溶分を濾過
し、濾液を減圧濃縮することによって(A−35c)1
4.9gを得た。 (A−35d)の合成 還元鉄14.5g、塩化アンモニウム0.2gに水15
ml、イソプロパノール90ml、酢酸1mlを加え15分間
加熱還流した後、(A−35c)14.9gを少しずつ
添加した。8時間加熱還流した後、セライト濾過によっ
て不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰
色粉末結晶を酢酸エチルに溶かし、飽和食塩水にて洗
浄、硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(A
−35d)9.0gを得た。 (A−35e)の合成 (A−35d)9.0gにジメチルアセトアミド50ml
を加え溶かし、この溶液にクロルギ酸フェニル8.6g
を滴下した。室温下3時間攪拌した後、水200mlに注
ぎ析出した白色結晶を濾取し減圧下乾燥して(A−35
e)13.5gを得た。 (A−35f)の合成 (A−35e)13.5gにアセトニトリル50mlを加
え溶かし、この溶液に40%メチルアミン−メタノール
溶液4.3gを滴下した。室温下2時間攪拌した後、水
500mlに注ぎ析出した白黄色結晶を濾取し減圧下乾燥
して(A−35f)9.6gを得た。 例示化合物(A−35)の合成 (A−35f)5.1gを塩化メチレン50mlに溶解し
−10℃に氷冷した後、塩化メチレン20mlで溶解した
三臭化ホウ素5.6mlを−5℃以下で滴下した。滴下後
室温下で3時間攪拌した後氷冷し水100mlをゆっくり
滴下し、塩化メチレンにて抽出した。水層に炭酸水素ナ
トリウムを少量ずつ加え中性にし、析出した淡黄色結晶
を濾取し、減圧下乾燥することにより目的物とする例示
化合物(A−35)の白色結晶2.6gを得た。(アモ
ルファス)
【0073】合成例2 スキーム2に従い、本発明の例示化合物(B−3)を合
成した。
【0074】
【化11】
【0075】(B−3a)の合成 2−メトキシ−5−ニトロアニリン33.6gをジメチ
ルアセトアミド200mlに溶かし、室温下メタンスルホ
ニルクロリド25.2g、次いでピリジン16.2mlを
滴下した。滴下後さらに4時間攪拌し、室温で一晩放置
した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した乳白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(B−3a)32.4gを得た。 (B−3b)の合成 還元鉄36.7g、塩化アンモニウム0.4gに水36
ml、イソプロパノール220ml、酢酸2mlを加え15分
間加熱還流した後、(B−3a)32.4gを少しずつ
添加した。4時間加熱還流した後、セライト濾過によっ
て不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰
色粉末結晶を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水にて洗浄、
硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(B−3
b)25.5gを得た。 (B−3c)の合成 (B−3b)の10.8g、炭酸水素ナトリウム20.
2gにジメチルアセトアミド120mlを加え80℃に加
熱した。この混合溶液にヨードメタン7.5mlを滴下
し、80℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した
後、酢酸エチルにて抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下溶媒留去し(B−3c)の無色透明結晶
12.1gを得た。 例示化合物(B−3)の合成 (B−3c)の9.2gを塩化メチレン100mlに溶解
し−10℃に氷冷した後、塩化メチレン40mlで溶解し
た三臭化ホウ素10.5mlを−5℃以下で滴下した。滴
下後室温下で3時間攪拌した後氷冷し水50mlをゆっく
り滴下し、析出した白色結晶を濾取した。得られた組成
物を水で再結晶することにより目的とする例示化合物
(B−3)の臭化水素酸塩の白色結晶6.1gを得た。
融点147℃
【0076】合成例3 スキーム3に従い、本発明の例示化合物(B−2)を合
成した。
【0077】
【化12】
【0078】(B−2a)の合成 2−アミノ−4−ニトロフェノール61.7gにジメチ
ルアセトアミド200mlを加え溶かし、この溶液にクロ
ルギ酸フェニル68.9gを滴下した。室温下3時間攪
拌した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(B−2a)103.2gを得
た。 (B−2b)の合成 (B−2a)54.8gにアセトニトリル200mlを加
え溶かし、この溶液に40%メチルアミン−メタノール
溶液34.4gを滴下した。室温下2時間攪拌した後、
析出した橙色結晶を濾取した。この橙色結晶をジメチル
アセトンアミド400mlに溶解した後、1N塩酸1リッ
トルに注ぎ析出した白黄色結晶を濾取し減圧下乾燥して
(B−2b)38.6gを得た。 (B−2c)の合成 (B−2b)38.6gにジメチルアセトアミド160
ml、炭酸カリウム25.2gを加え、この混合溶液にベ
ンジルブロミド34.4gを滴下した。室温下3時間攪
拌した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(B−2c)54.0gを得た。 (B−2d)の合成 還元鉄25.4g、塩化アンモニウム0.2gに水24
ml、イソプロパノール140ml、酢酸1mlを加え15分
間加熱還流した後、(B−2c)54.0gを少しずつ
添加した。1時間加熱還流した後、セライト濾過によっ
て不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰
色粉末結晶酢酸エチルに溶かし飽和食塩水にて洗浄、硫
酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(B−2
d)20.9gを得た。 (B−2e)の合成 (B−2d)11.4g、炭酸水素ナトリウム16.8
gにジメチルアセトアミド100mlを加え80℃に加熱
した。この混合溶液にヨードメタン6.3mlを滴下し、
80℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した後、酢
酸エチルにて抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下溶媒留去し、得られた組成物をアセトニトリ
ルで再結晶することにより(B−2e)の白色結晶5.
1gを得た。 例示化合物(B−2)の合成 (B−2e)2.4gと10%パラジウム炭素0.5g
をメタノール100mlに加え、オートクレーブ中にて4
時間水素と接触させた。次いでセライトを濾過助材に用
いて触媒を濾別後、濾液を1,5−ナフタレンジスルホ
ン酸・4水塩1.4gのメタノール溶液に滴下した。溶
媒を留去した後、エタノールを加え沈澱した灰色結晶濾
別紙することによって、目的の例示化合物(B−2)の
1,5−ナフタレンジスルホン酸塩を白色結晶として
1.4gを得た。融点201℃ 合成例4 例示化合物(B−6)の合成 例示化合物(B−2)の合成において、ヨードメタンを
用いるかわりに3−クロルプロパノールを用いて反応さ
せ、(B−6e)を得た。その後は例示化合物(6)の
合成手順に従って、目的とする例示化合物(B−6)を
得ることが出来た。(アモルファス)
【0079】
【化13】
【0080】合成例5 スキーム4に従い、本発明の例示化合物(B−7)を合
成した。
【0081】
【化14】
【0082】(B−7a)の合成 2−メトキシ−5−ニトロアニリン33.6gをジメチ
ルアセトアミド200mlに溶かし、室温下スルファモイ
ルクロリド25.2g、次いでピリジン16.2mlを滴
下した。滴下後さらに4時間攪拌し、室温で一晩放置し
た後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した乳白色結晶を濾
取し減圧下乾燥して(B−7a)32.4gを得た。 (B−7b)の合成 還元鉄36.7g、塩化アンモニウム0.4gに水36
ml、イソプロパノール220ml、酢酸2mlを加え15分
間加熱還流した後、(B−7a)32.4gを少しずつ
添加した。4時間加熱還流した後、セライト濾過によっ
て不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰
色粉末結晶を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水にて洗浄、
硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(B−7
b)25.5gを得た。 (B−7c)の合成 (B−7b)10.8g、炭酸水素ナトリウム20.2
gにジメチルアセトアミド120mlを加え80℃に加熱
した。この混合溶液にヨードメタン7.5mlを滴下し、
80℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した後、酢
酸エチル抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下溶媒留去し(B−7c)の無色透明結晶12.1g
を得た。 例示化合物(B−7)の合成 (B−7c)9.2gを塩化メチレン100mlに溶解し
−10℃に氷冷した後、塩化メチレン40mlで溶解した
三臭化ホウ素10.5mlを−5℃以下で滴下した。滴下
後室温下で3時間攪拌した後氷冷し水50mlをゆっくり
滴下し、析出した白色結晶を濾取した。得られた組成物
を水で再結晶することにより目的とする例示化合物(B
−7)6.1gを得た。(アモルファス)
【0083】合成例6 スキーム5に従い、本発明の例示化合物(A−92)を
合成した。
【0084】
【化15】
【0085】(A−92a)の合成 濃硫酸90.5mlと酢酸50mlを混合し0〜−5℃に冷
却した。これに3−メチルアニソール61.1gをゆっ
くり滴下し、次いで硝酸61.5g、と濃硫酸90.5
mlの混合液を−10〜−15℃に保ちながら滴下した。
滴下終了後、0℃までゆっくり昇温し、次いで反応液を
氷水200mlに注入した後、ヘキサン500mlで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で中性まで洗浄し、塩化カルシ
ウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮することにより
(A−92a)の赤褐色固体84.8gを得た。 (A−92b)の合成 (A−92a)63.6gと75%パラホルムアルデヒ
ド54gにジメチルスルホキシド120mlを加え、50
℃に加温した。これに40%水酸化ベンジルトリメチル
アンモニウムメタノール溶液(ToritonB) をゆっくり滴
下した。滴下後、90℃で3時間反応させた後、反応液
を水1リットルに注ぎ、酢酸エチル1リットルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製(展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)し、(A−92
b)の黄色固体14.5gを得た。 (A−92c)の合成 (A−92b)14.5gと四塩化炭素27ml、アセト
ニトリル60mlの溶液に、室温下でトリフェニルホスフ
ィン24gを少量ずつ加え、そのまま攪拌した。一夜放
置後、メタノール2mlを加え、次いで、酢酸エチル30
mlとヘキサン60mlとを加え攪拌した後、不溶分を濾過
し、濾液を減圧濃縮することによって(A−92c)1
4.9g得た。 (A−92d)の合成 還元鉄14.5g、塩化アンモニウム0.2gに水15
ml、イソプロパノール90ml、酢酸1mlを加え15分間
加熱還流した後、(A−92c)14.9gを少しずつ
添加した。8時間加熱還流した後、セライト濾過によっ
て不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰
色粉末結晶を酢酸エチルに溶かし、飽和食塩水にて洗
浄、硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(A
−92d)9.0gを得た。 (A−92e)の合成 (A−92d)9.0gにジメチルアセトアミド50ml
を加え溶かし、この溶液にクロルギ酸フェニル8.6g
を滴下した。室温下3時間攪拌した後、水200mlに注
ぎ析出した白色結晶を濾取し減圧下乾燥して(A−92
e)13.5gを得た。 (A−92f)の合成 (A−92e)13.5gにアセトニトリル50mlを加
え溶かし、この溶液に40%メチルアミン−メタノール
溶液4.3gを滴下した。室温下2時間攪拌した後、水
500mlに注ぎ析出した白黄色結晶を濾取し減圧下乾燥
して(A−92f)9.6gを得た。 (A−92g)の合成 (A−92f)9.6g、炭酸水素ナトリウム6.7g
にジメチルアセトアミド100mlを加え80℃に加熱し
た。この混合溶液にヨードメタン2.5mlを滴下し、8
0℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した後、酢酸
エチルにて抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下溶媒留去し、得られた組成物をアセトニトリルで
再結晶することにより(A−92g)の白色結晶10.
1gを得た。 例示化合物(A−92)の合成 (A−92g)10.1gを塩化メチレン100mlに溶
解し−10℃に冷却した後、塩化メチレン40mlで溶解
した三臭化ホウ素11.1mlを−5℃以下で滴下した。
滴下後室温下で3時間攪拌した後氷冷し水200mlをゆ
っくり滴下し、塩化メチレンにて抽出した。水層に炭酸
水素ナトリウムを少量ずつ加え中性にし、析出した淡黄
色結晶を濾取し、減圧下乾燥することにより目的物とす
る例示化合物(A−92)の白色結晶7.6gを得た。
(アモルファス) 合成例7 例示化合物(A−94)の合成 例示化合物(A−92)の合成において、ヨードメタン
を用いるかわりに3−クロロプロパノールを用いて反応
させ、(A−94g)を得た。その後は例示化合物(A
−92)の合成手順に従って、目的物とする例示化合物
(A−94)を得ることができた。(アモルファス)
【0086】
【化16】
【0087】一般式(A)または(B)で示される化合
物は、遊離アミンとして保存する場合には非常に不安定
であるため、一般には無機酸、有機酸の塩として製造、
保存し、処理液に添加するときに初めて遊離アミンとな
るようにする場合が好ましい。一般式(I)または(I
I)の化合物を造塩する無機、有機の酸としては例えば
塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホ
ン酸等が挙げられる。これらの中で硫酸、ナフタレン−
1,5−ジスルホン酸の塩とすることが好ましく、ナフ
タレン−1,5−ジスルホン酸との塩として造塩するこ
とが最も好ましい。
【0088】本発明で補助現像主薬として用いられる一
般式(A)または(B)にて表されるp−アミノフェノ
ール類は単独でまたは他の公知のp−アミノフェノール
類あるいは3−ピラゾリドン類と併用して使用すること
もできる。組み合わせる化合物の代表例を以下に示すが
これらに限定されるものではない。 AP−1 N−メチル−p−アミノフェノール AP−2 p−アミノフェノール AP−3 N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノ
フェノール AP−4 N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン AP−5 2−メチル−p−アミノフェノール AP−6 p−ベンジルアミノフェノール AP−7 2−メトキシ−p−アミノフェノール P−1 1−フェニル−3−ピラゾリドン P─2 1−フェニル−4,4−シメチル−3−ピラゾ
リドン P−3 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメ
チル−3−ピラゾリドン P−4 1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−
3−ピラゾリドン P−5 1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン P−6 1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−
3−ピラゾリドン P−7 1−p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピラ
ゾリドン P−8 1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシ
メチル−3−ピラゾリドン
【0089】組み合わせる化合物として上記p−アミノ
フェノール類のうち特に好ましくはAP−1、AP−3
あるいはAP−7であり、3−ピラゾリドン類のうち特
に好ましくはP−2、P−3あるいはP−8である。ま
た、これらのp−アミノフェノール類は硫酸塩、塩酸
塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硝酸塩、ナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸塩などの塩で使用され
るのが一般的である。これらの化合物は目的に応じて2
種以上併用することもできる。補助現像主薬の使用量
は、通常0.0005〜0.2モル/リットル、好まし
くは0.001〜0.1モル/リットル、特に好ましく
は0.01〜0.1モル/リットルである。本発明にお
いて、処理組成物とは、液体状であっても固体状(例え
ば、粉末状、顆粒状)であってもよい。
【0090】本発明では現像主薬としてジヒドロキシベ
ンゼン類あるいはアスコルビン酸類またはその誘導体が
用いられる。以下に、現像主薬について詳細に説明す
る。
【0091】本発明で現像主薬として用いられるジヒド
ロキシベンゼン類としては、ハイドロキノン、クロロハ
イドロキノン、ブロムハイドロキノン、イソプロピルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロ
ロハイドロキノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、
2,3−ジブロムハイドロキノン、2,5−ジメチルハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩などが
あるが特にハイドロキノン、ハイドロキンモノスルホン
酸塩が好ましい。
【0092】本発明で現像主薬として用いられるアスコ
ルビン酸類またはその誘導体としては、下記一般式
(C)で表される化合物が好ましく用いられる。 一般式(C)
【0093】
【化17】
【0094】式中、R6 は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、またはヘテロ環基を表す。
【0095】一般式(C)で表されるアスコルビン酸類
またはその誘導体について詳細に説明する。式中、R6
で表されるアルキル基は直鎖、分岐鎖または環状のアル
キル基であり、アリール基は例えば、フェニル基、ナフ
チル基などであり、ヘテロ環基は炭素原子、窒素原子、
酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環
のヘテロ環基で、例えば、フリル基、ベンゾフリル基、
ピラニル基、ピロリル基,イミダゾリル基、ピラゾリル
基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリ
ダジル基、チエニル基、イソチアゾリル基などである。
これらの基は置換基を有してもよく、その置換基として
は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン
原子、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド
基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルフィニルオキシ基、カルボキシ(塩を含む)、スル
ホ基(塩を含む)ヒドロキシアミノ基、ヒドラジノ基を
挙げることができる。
【0096】更に詳しく置換基の例を示す。アルキル基
としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の直
鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、これらの基
はR6 の置換基として挙げた基で置換されていてもよ
く、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、ヒドロキシ
メチル等を挙げることができる。アルケニル基としては
炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6の直鎖または
分岐鎖のアルケニル基であり、これらの基はR6 の置換
基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、エ
チニル、プロペニル、3−ブテニル、4−ヒドロキシ−
3−ブテニルなどを挙げることができる。アリール基と
しては炭素数6〜10のアリール基で、これらの基はR
6 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例
えば、フェニル、ナフチル、p−メチルフェニルなどで
ある。アルコキシ基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜8のアルコキシ基で、これらの基はR6
置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、2−メ
トキシエトキシなどを挙げることができる。アリールオ
キシ基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基で、
これらの基はR6 の置換基として挙げた基で置換されて
いてもよく、例えば、フェノキシ、p−ヒドロキシフェ
ノキシ、3,4−ジヒドロキシフェノキシ、o−カルボ
キシフェノキシ、o−スルホフェノキシなどを挙げるこ
とができる。アルキルチオ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基で、これらの
基はR6 の置換基として挙げた基で置換されていてもよ
く、例えば、メチルチオ、オクチルチオなどである。ア
リールチオ基としては炭素数6〜10のアリールチオ基
で、これらの基はR6 の置換基として挙げた基で置換さ
れていてもよく、例えば、フェニルチオ、4−ヒドロキ
シフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ、4−ブト
キシフェニルチオなどを挙げることができる。アシルオ
キシ基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜
8のアシルオキシ基で、これらの基はR6 の置換基とし
て挙げた基で置換されていてもよく、例えば、アセトキ
シ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、オクタノ
イルオキシ、カルボキシアセトキシ、3−スルホプロパ
ノイルオキシなどを挙げることができる。
【0097】アルキルアミノ基としては炭素数1〜6の
アルキルアミノ基で例えば、メチルアミノ、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノなどである。カルボンアミド基と
しては炭素数1〜6のカルボンアミド基で例えば、アセ
トアミド基、プロピオンアミド基である。スルホンアミ
ド基としては炭素数1〜6のスルホンアミド基で例え
ば、メタンスルホンアミド基である。ウレイド基として
は炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウレイド、メチ
ルウレイドである。アシル基としては炭素数1〜6のア
シル基で例えばアセチル、ベンゾイルなどである。オキ
シカルボニル基としては炭素数1〜8のオキシカルボニ
ル基で例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルである。カルバモイル基としては炭素数1〜6のカル
バモイル基で例えば、カルバモイル、N,N−ジメチル
カルバモイルである。スルフィニルオキシ基としては炭
素数1〜6のスルフィニルオキシ基で例えば、メタンス
ルフィニルオキシ基である。これらの置換基は、可能な
場合、更に置換されていてもよい。
【0098】前記一般式(C)のR6 にて表されるアル
キル基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基で、
6 の置換基として挙げた基によって置換されたものも
含み、より好ましくは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、オキシ
カルボニル基、カルボキシ基(塩を含む)、スルホ基
(塩を含む)で置換されたアルキル基であり、例えば、
メチル、エチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエ
チル、1,2−ジヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロ
キシプロピル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、
1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、1,2−ジ
メトキシエチル、1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシ
エチル、1,2−ジエトキシエチル、1,2−ジアセト
キシエチル、ヒドロキシカルボキシメチル、アセトキシ
カルボキシメチル、1−メチルチオ−2−ヒドロキシエ
チル、1−フェニルチオ−2−ヒドロキシエチル、1−
ヒドロキシ−2−オクチルチオエチル、1−ヒドロキシ
−2−フェニルチオエチル、1−ヒドロキシ−2−アミ
ノエチル、1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル、1-
ヒドロキシ−2−スルホエチルなどを挙げることができ
る。これらの置換基は、可能な場合、更に置換されてい
てもよい。
【0099】前記一般式(C)のR6 にて表されるアリ
ール基は、好ましくは、炭素数6〜10のアリール基
で、R6 の置換基として挙げた基によって置換されたも
のも含み、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ア
ニシル、p−カルボキシフェニル、p−スルホニルフェ
ニルなどである。前記一般式(C)のR6 にて表される
ヘテロ環基は、好ましくは、フリル基、ピリジル基、ト
リアゾリル基で、R6 の置換基として挙げた基によって
置換されたものも含み、例えば、フリル、5−メチルフ
リル、ベンゾフリル、ピリジル、5−クロロピリジル、
3−カルボキシピリジル、5−スルホピリジル、1−フ
ェニルトリアゾリルなどである。
【0100】前記一般式(C)のR6 は、特に好ましく
は、水素原子、メチル基、エチル基であり、これらの基
は他の置換基によって置換されたものも含み、その置換
基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキ
シ基、を挙げることができ、より好ましくは、ヒドロキ
シ基、炭素数1〜8のアルコキシ基、である。これらの
置換基は、可能な場合、更に置換されていてもよく、そ
の置換基としては、アルケニル基、アリール基、ヒドロ
キシ基、アルコキシ基、カルボキシ基(塩を含む)、ス
ルホ基(塩を含む)、ヒドロキシアミノ基、ヒドラジノ
基などを挙げることができる。
【0101】前記一般式(C)で表される化合物の中で
も、R6 が一般式(P)または(Q)で表される化合物
が最も好ましい。 一般式(P)
【0102】
【化18】
【0103】式中、n3 は1〜4の整数を表す。n3
好ましくは2または3、最も好ましくは2である。 一般式(Q)
【0104】
【化19】
【0105】式中、R31、R32は同一でも異なっていて
もよく、各々水素原子、アルキル基、アリール基、アル
ケニル基を表し、R31、R32で表されるアルキル基は連
結して環構造を形成してもよい。ここで、アルキル基、
アリール基、アルケニル基は、他の置換基によって置換
されたものも含み、その置換基としては、アルキル基、
アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ基
(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)、ヒドロキシアミ
ノ基を挙げることができる。
【0106】一般式(Q)にて表される化合物中の
31、R32は好ましくは、水素原子、炭素数1〜7のア
ルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜7
のアルケニル基であり、特に好ましくは、水素原子、炭
素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
であり、最も好ましくは、水素原子または炭素数1〜7
のアルキル基であり、R31、R32で表されるアルキル基
は連結して環構造を形成してもよく、少なくとも一方は
水素原子ではないことがより好ましい。これらの基は置
換基を有してもよく、その置換基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル
基、クロロメチル基、メトキシメチル基、2−メトキシ
エチル基、1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシアミノ−エ
チル基、2−カルボキシエチル基が挙げられる。R31
32で表されるアルキル基が連結して形成する環として
は、シクロペンチル環、シクロヘキシル環などを挙げる
ことができ、これらの基は、可能な場合、更に置換され
ていてもよい。一般式(C)の化合物はいわゆるエノー
ル体で記述されているが、これが異性化したケト体も事
実上同じ化合物であり、本出願では水素原子が異性化し
た化合物も請求の範囲である。
【0107】本発明の具体的化合物の例として下記化合
物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0108】
【化20】
【0109】
【化21】
【0110】
【化22】
【0111】
【化23】
【0112】
【化24】
【0113】
【化25】
【0114】一般式(C)で表される化合物は、E.S.H.
EL.Ashry, A.Moussad, and N.Rashed, Advances in Het
erocyclic Chemistry,vol. 53,233-302,特開昭57−1
88586号公報、特開昭64−45383号公報、特
開平2−288872号公報、特開平4−29985号
公報、特開平4−364182号公報、特開平5−11
2594号公報などの一般的合成法に準じて合成可能で
ある。本発明で現像主薬として用いられる一般式(C)
にて表されるアスコルビン酸類またはその誘導体として
は、フリー体、アンモニウム塩、アルカリ金属塩でもよ
い。本発明で現像主薬として用いられるジヒドロキシベ
ンゼン類あるいはアスコルビン酸類またはその誘導体と
しては、フリー体、アニモニウム塩、アルカリ金属塩で
もよく、その現像液への添加量は通常0.01〜0.5
モル/リットル、好ましくは0.05〜0.3モル/リ
ットル、特に好ましくは0.05〜0.2モル/リット
ルである。
【0115】現像主薬と補助現像主薬の組合せを用いる
場合の使用量は、前者が0.05〜0.5モル/リット
ルで後者が0.01〜0.1モル/リットルの量で用い
るのが最も好ましい。
【0116】本発明では、一般式(A)または(B)で
表わされる現像剤(補助現像主薬)を一般式(C)で表
わされるアスコルビン酸系現像主薬を組合せて使用する
ことが好ましい。この場合ジヒドロキシベンゼン類を実
質的に含まないことがより好ましい。ここで実質的にジ
ヒドロキシベンゼン類を含まないとは、ジヒドロキシベ
ンゼン類の現像液中での濃度が一般式(C)で表される
現像主薬や一般式(A)または(B)で表される補助現
像主薬の量に比して取るに足らないこと(例えば5×1
-4モル/リットル以下であること)を意味する。
【0117】本発明で感光材料を現像処理する際の現像
液(以下、現像開始液および現像補充液の双方をまとめ
て現像液という。)に用いられる緩衝剤としては、炭酸
塩、特開昭62−186259に記載のほう酸、特開昭
60−93433に記載の糖類(たとえばサッカロー
ス)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノー
ル類(たとえば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩
(たとえばナトリウム塩、カリウム塩)などが用いら
れ、好ましくは炭酸塩、ほう酸が用いられる。緩衝剤、
特に炭酸塩の使用量は、好ましくは0.3モル/リット
ル以上、特に0.4モル/リットル以上である。上限は
重要ではないが1.5モル/リットル程度である。
【0118】本発明の現像液には、保恒剤として亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫
酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒ
ド重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩あるいはヒドロキシ
ルアミン硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩酸塩、モノメチ
ルヒドロキシルアミン塩酸塩、ジエチルヒドロキシルア
ミン等のヒドロキシルアミン類を添加してもよい。亜硫
酸塩あるいはヒドロキシルアミン類は0.01モル/リ
ットル以上で用いられる。亜硫酸塩は多量に用いるとハ
ロゲン化銀乳剤粒子を溶解して、銀汚れの原因となる。
また、COD(化学的酸素要求量)を高める原因ともな
るため、添加量は必要最小限にすべきであり、好ましく
は0.5モル/リットル以下、特に好ましくは0.2モ
ル/リットル以下、最も好ましくは0.1モル/リット
ル以下である。
【0119】上記の以外に用いられる添加剤としては、
臭化ナトリウム、臭化カリウムの如き現像抑制剤;エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドの如き有機溶剤;ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノ
ールアミン、イミダゾール又はその誘導体等の現像促進
剤;メルカプト系化合物、インダゾール系化合物、ベン
ゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物
をカブリ防止剤又は黒ポツ(black pepper) 防止剤とし
て含んでもよい。具体的には、5−ニトロインダゾー
ル、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1
−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダ
ゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニ
トロベンズイミダゾール、2−イソプロピル−5−ニト
ロベンズイミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾー
ル、4−〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、
5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオー
ル、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリ
アゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなどを挙
げることができる。これらカブリ防止剤の量は、通常、
現像液1リットル当り0.01〜10mmolであり、より
好ましくは0.1〜2mmolである。
【0120】更に本発明の現像液中には各種の有機・無
機のキレート剤を併用することができる。無機キレート
剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタ
リン酸ナトリウム等を用いることができる。一方、有機
キレート剤としては、主に有機カルボン酸、アミノポリ
カルボン酸、有機ホスホン酸、アミノホスホン酸及び有
機ホスホノカルボン酸を用いることができる。有機カル
ボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アシエ
ライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イ
タコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げること
ができが、これらに限定されるものではない。
【0121】アミノポリカルボン酸としては、イミノ二
酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチ
レンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エチレンジ
アミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、1,2−ジ
アミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノ−2
−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四
酢酸、その他特開昭52−25632号、同55−67
747号、同57−102624号、及び特公昭53−
40900号明細書等に記載の化合物を挙げることがで
きる。
【0122】有機ホスホン酸としては、米国特許321
4454号、同3794591号、及び西独特許公開2
227639号等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジ
ホスホン酸やリサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure) 第181巻、Item 18170(1979
年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。アミノホス
ホン酸としては、アミノトリス(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ア
ミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他
上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開
昭57−208554号、同54−61125号、同5
5−29883号及び同56−97347号等に記載の
化合物を挙げることができる。
【0123】有機ホスホノカルボン酸としては、特開昭
52−102726号、同53−42730号、同54
−121127号、同55−4024号、同55−40
25号、同55−126241号、同55−65955
号、同55−65956号、及び前述のリサーチ・ディ
スクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げる
ことができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩や
アンモニウム塩の形で使用してもよい。これらキレート
剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましく
は、1×10-4〜1×10-1モル、より好ましくは1×
10-3〜1×10-2モルである。
【0124】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
下記一般式(D)で表される化合物を用いることが好ま
しい。 一般式(D)
【0125】
【化26】
【0126】式中、Z1 はNおよびCと共同で無置換ま
たは置換の5員もしくは6員の含窒素芳香族ヘテロ環を
形成するに必要な非金属原子団を表し、X2 は水素原子
またはカチオンを表す。また、Z1 より任意の水素原子
1個がとれたラジカル2種が結合して、ビス型構造を形
成してもよい。
【0127】次に一般式(D)を詳細に説明する。Z1
はNおよびCと共同で無置換または置換の5員もしくは
6員の含窒素芳香族ヘテロ環を形成するに必要な非金属
原子団を表す。Z1 、N、Cで形成される5員の含窒素
芳香族ヘテロ環としては窒素に加え、炭素、酸素、硫黄
から選ばれる元素の組み合わせで形成されるもので、さ
らに炭化水素環もくしはヘテロ環で縮合されていてもよ
く、例えばピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、
チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジ
アゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンゾチアゾール、ピラゾロトリアゾー
ル、ピロロトリアゾール等が挙げられる。5員の含窒素
芳香族ヘテロ環として好ましくはトリアゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、ベンズイミダゾール、ベ
ンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピラゾロトリア
ゾール、ピロロトリアゾールであり、さらに好ましくは
トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ベ
ンズイミダゾールであり、最も好ましくはトリアゾール
である。Z1 、N、Cで形成される6員の含窒素芳香族
ヘテロ環としては単環あるいは炭素環もしくはヘテロ環
で縮合された環で、例えばピリジン、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリ
ン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリ
ン、フェナンスリジン、フェナンスロリン、ナフチリジ
ン、プテリジン、プリン、トリアゾロピリミジン、イミ
ダゾロピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾロトリ
アジン、トリアゾロトリアジンである。6員の含窒素芳
香族ヘテロ環として好ましくは、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、トリアジン、フタラジン、キノキサリ
ン、キナゾリン、ナフチリジン、プテリジン、プリン、
トリアゾロピリミジン、イミダゾロピリジン、トリアゾ
ロピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリア
ジンであり、さらに好ましくはピリミジン、ピリダジ
ン、トリアジン、プテリジン、プリン、トリアゾロピリ
ミジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン
であり、最も好ましくはピリミジン、トリアジン、プリ
ンである。
【0128】Z1 の置換基としては水素原子、ハロゲン
原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子
で環に結合する置換基を挙げることができる。炭素原子
で結合するものとしては、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、カルバモイル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、カルボキシル基、シアノ基、ヘテロ環基が、酸素原
子で結合するものとしてはヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が、
窒素原子で結合するものとしてはアシルアミノ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環
アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、スルホンアミド基、イミド基、ヘテロ環基
が、硫黄原子で結合するものとしてはアルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、
アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル
基、スルホニル基、スルホ基、スルフィニル基、メルカ
プト基(塩を含む)が挙げられる。これらはZ1 の置換
基として述べた基でさらに置換されていても良い。これ
らは複数であっても良く、可能な場合2つが結合して環
を形成しても良い。
【0129】更に詳しくZ1 の置換基について説明す
る。ハロゲン原子としては例えば、弗素原子、塩素原
子、臭素原子である。アルキル基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖または環状
のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、イソプロ
ピル、t−ブチル、ベンジル、シクロペンチルである。
アルケニル基としては炭素数2〜10のもので、例えば
ビニル、1−プロペニル、1−ヘキセニル、スチリルが
挙げられる。アルキニル基としては炭素数2〜10のも
ので、例えばエチニル、1−ブチニル、フェニルエチニ
ルが挙げられる。アリール基としては炭素数6〜10の
アリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキ
シフェニルである。
【0130】カルバモイル基としては炭素数1〜8のも
ので、例えばカルバモイル、N−エチルカルバモイル、
N−フェニルカルバモイルである。アルコキシカルボニ
ル基としては炭素数2〜8のもので、例えばメトキシカ
ルボニル、ベンジルオキシカルボニルである。アリール
オキシカルボニル基としては炭素数7〜12のもので、
例えばフェノキシカルボニルである。アシル基としては
炭素数1〜8のもので、例えばアセチル、ベンゾイルで
ある。環上の炭素原子で連結するヘテロ環基としては炭
素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を
1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘ
テロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の
種類は1つでも複数であっても良く、例えば2−フリ
ル、2−チエニル、2−ピリジル、2−イミダゾリルで
ある。
【0131】アルコキシ基としては炭素数1〜10、好
ましくは炭素数1〜6のもので例えば、メトキシ、2−
メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシであ
る。アリールオキシ基としては炭素数6〜12のもので
例えば、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−
(3−ヒドロキシプロピオンアミド)フェノキシであ
る。ヘテロ環オキシ基としては炭素数1〜5の酸素原
子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員ま
たは6員環の飽和または不飽和のヘテロ環オキシ基であ
って環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つ
でも複数であっても良く例えば、1−フェニルテトラゾ
リル−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、
2−ピリジルオキシである。アシルオキシ基としては炭
素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例え
ば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ、4−ヒドロキシブ
タノイルオキシである。カルバモイルオキシ基としては
炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例え
ば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチル
カルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ
である。スルホニルオキシ基としては炭素数1〜8のも
ので、例えばメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシである。
【0132】アシルアミノ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜6のもので、例えばアセチルアミ
ノ、ベンゾイルアミノである。アルキルアミノ基として
は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例
えば、N,N−ジメチルアミノ、N−(2−ヒドロキシ
エチル)アミノ、N−(3−ジメチルアミノプロピル)
アミノである。アリールアミノ基としては炭素数6〜1
0のもので例えば、アニリノ、N−メチルアニリノであ
る。ヘテロ環アミノ基としては炭素数1〜5の酸素原
子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員ま
たは6員環の飽和または不飽和のヘテロ環アミノ基であ
って環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つ
でも複数であっても良く、例えば2−オキサゾリルアミ
ノ、2−テトラヒドロピラニルアミノ、4−ピリジルア
ミノである。ウレイド基としては炭素数1〜10、好ま
しくは炭素数1〜6のもので、例えばウレイド、メチル
ウレイド、N,N−ジエチルウレイド、2−メタンスル
ホンアミドエチルウレイドである。
【0133】スルファモイルアミノ基としては炭素数0
〜10、好ましくは炭素数0〜5のもので、例えばメチ
ルスルファモイルアミノ、2−メトキシエチルスルファ
モイルアミノである。アルコキシカルボニルアミノ基と
しては炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6のもの
で、例えばメトキシカルボニルアミノである。アリール
オキシカルボニルアミノ基としては炭素数7〜12のも
ので、例えばフェノキシカルボニルアミノ、2,6−ジ
メトキシフェノキシカルボニルアミノである。スルホン
アミド基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜6のもので、例えばメタンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミドである。イミド基としては炭素数4
〜10のもので、例えばN−スクシンイミド、N−フタ
ルイミドである。環の窒素原子で連結するヘテロ環基と
しては、炭素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくと
も1種と窒素原子からなる5〜6員のヘテロ環で、例え
ばピロリジノ、モルホリノ、イミダゾリノである。
【0134】アルキルチオ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜5のもので、例えばメチルチオ、
2−カルボキシエチルチオである。アリールチオ基とし
ては炭素数6〜12のもので、例えばフェニルチオ、2
−カルボキシフェニルチオである。ヘテロ環チオ基とし
ては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄
原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽
和のヘテロ環チオ基であって環を構成するヘテロ原子の
数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例え
ば2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオであ
る。
【0135】スルファモイル基としては炭素数0〜1
0、好ましくは炭素数0〜6のもので、例えばスルファ
モイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイ
ルである。アルコキシスルホニル基としては炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜6のもので、例えばメトキ
シスルホニルである。アリールオキシスルホニル基とし
ては炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10のもの
で、例えばフェノキシスルホニルである。スルホニル基
としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のも
ので、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニルで
ある。スルフィニル基としては炭素数1〜10、好まし
くは炭素数1〜6のもので、例えばメタンスルフィニ
ル、ベンゼンスルフィニルである。
【0136】Z1 の置換基として好ましくは、水素原
子、アルキル基、アリール基、カルバモイル基、アシル
基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、スルファモイル基、スルホニル基、メルカプト
基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、メルカプト基であ
り、特に好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基、アルキルチオ基、メルカプト基である。
1 としては1または2個のメルカプト基を有するもの
が最も好ましい。
【0137】X2 は水素原子またはカチオンである。カ
チオンとしては例えばナトリウム、カリウム、リチウ
ム、カルシウム、アンモニウム、テトラブチルアンモニ
ウム、トリエチルアンモニウムである。X2 として好ま
しくは水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
である。
【0138】一般式(D)より任意の水素原子1個がと
れたラジカル2種が結合してビス型構造を形成するもの
として、好ましくは下記一般式(R)で示すものであ
る。 一般式(R)
【0139】
【化27】
【0140】式中、Z21、Z22は式(C)のZ1 から水
素原子1個がとれた基を表し、X21、X22はX2 と同義
である。L2 は二価の連結基(アルキレン基、アルケニ
レン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ
環基およびそれらを−O−、−S−、−NH−、−CO
−、−SO2 −等の単独または組み合わせからなる基で
連結したもの)である。これらの好ましいものも式
(D)と同じである。
【0141】L2 のアルキレン基としては、例えばエチ
レン、トリメチレン、ペンタメチレン、プロピレン、2
−ブテン−1,4−イル、2−ブチン−1,4−イル、
p−キシリレンである。アルケニレン基としては、例え
ばエテン−1,2−イルである。アルキニレン基として
はエチン−1,2−イルである。アリーレン基として
は、例えばフェニレンである。二価のヘテロ環基として
は、例えばフラン−1,4−ジイルである。L2 として
はアルキレン基、−NH(アルキレン)NH−基、−O
(アルキレン)O−基、−S(アルキレン)S−基、−
NH(アルキレン)CONH(アルキレン)NH−基、
−NH(アルキレン)O(アルキレン)NH−基が好ま
しく、−NH(アルキレン)NH−基、−O(アルキレ
ン)O−基がさらに好ましい。
【0142】一般式(D)で示される本発明の化合物の
うち好ましくは下記一般式(3)〜(10)で表されるも
のである。 一般式(3)
【0143】
【化28】
【0144】式中、R34およびX31はそれぞれ一般式
(D)のZ1 の置換基およびX2 と同義である。R34
して好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ
基、メルカプト基、アルキルチオ基であり、さらに好ま
しくは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、置換され
ていてもよいアミノ基、メルカプト基であり、最も好ま
しくは水素原子、アルキル基、メルカプト基である。R
32は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基である。
32として好ましくは水素原子、アルキル基、ヒドロキ
シ基、置換されていてもよいアミノ基であり、さらに好
ましくは水素原子またはアルキル基である。 一般式(4)
【0145】
【化29】
【0146】式中、R41、R42およびX41はそれぞれ一
般式(3)のR34、R32およびX31と同義で好ましい範
囲も同様である。 一般式(5)
【0147】
【化30】
【0148】式中、R51およびX51はそれぞれ一般式
(3)のR34およびX31と同義である。R51として好ま
しくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、メ
ルカプト基、アルキルチオ基であり、さらに好ましくは
アルキル基、置換されていてもよいアミノ基、メルカプ
ト基、アルキルチオ基であり、最も好ましくはメルカプ
ト基、アルキルチオ基である。 一般式(6)
【0149】
【化31】
【0150】式中、R61、R62およびX61はそれぞれ一
般式(3)のR34、R32およびX31と同義である。R61
として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換されて
いてもよいアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基で
あり、さらに好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ基、
置換されていてもよいアミノ基、メルカプト基、アルキ
ルチオ基であり、最も好ましくはヒドロキシ基、置換さ
れていてもよいアミノ基、メルカプト基である。R62
して好ましくはメルカプト基である。 一般式(7)
【0151】
【化32】
【0152】式中、R71、R72およびR73はそれぞれ一
般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい範囲も
同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つはメル
カプト基である。R73がメルカプト基である場合がより
好ましい。 一般式(8)
【0153】
【化33】
【0154】式中、R81、R82、R83およびR84はそれ
ぞれ一般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい
範囲も同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つ
はメルカプト基である。R83として最も好ましくは置換
されていてもよいアミノ基または水素原子である。R84
がメルカプト基である場合がより好ましい。 一般式(9)
【0155】
【化34】
【0156】式中、R91、R92およびR93はそれぞれ一
般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい範囲も
同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つはメル
カプト基である。R92またはR93がメルカプト基である
場合がより好ましい。 一般式(10)
【0157】
【化35】
【0158】式中、R101 ないしR104 およびX101
それぞれ一般式(D)のZ1 の置換基およびX2 と同義
である。R101 ないしR104 として好ましくは水素原
子、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルフ
ァモイル基であり、水素原子およびスルホ基がさらに好
ましく、R103 がスルホ基である場合が最も好ましい。
【0159】一般式(3)〜(10)のうち一般式
(3)、(5)〜(9)がより好ましく、一般式
(3)、(6)および(8)が最も好ましい。次に本発
明に於ける一般式(D)で表される化合物の具体例を示
すがこれらに限定されるものではない。
【0160】
【化36】
【0161】
【化37】
【0162】
【化38】
【0163】
【化39】
【0164】
【化40】
【0165】
【化41】
【0166】
【化42】
【0167】
【化43】
【0168】
【化44】
【0169】
【化45】
【0170】
【化46】
【0171】
【化47】
【0172】
【化48】
【0173】
【化49】
【0174】
【化50】
【0175】本発明の一般式(D)で表される化合物は
以下に示される特許およびそれに引用された特許・文献
に記載されている。すなわち特開平4−301837
号、同5−61159号、同6−230525号、特開
昭58−169147号、同62−56959号、米国
特許3212892号、特開平3−53244号、同3
−282457号、同5−61159号、同5−303
179号、同4−362942号、特公昭46−116
30号、特開平6−175302号、同6−25878
3号、特開平8−6215号等である。
【0176】本発明の一般式(D)で表される化合物を
現像液に添加する場合は、現像液1リットル当たり0.
01ミリモルから10ミリモルの範囲が好ましく、0.
1ミリモルから5ミリモルの範囲が特に好ましい。また
ハロゲン化銀感光材料に添加する場合は、バック層また
は最上の保護層等非感光性層に添加することが好まし
い。本発明の化合物の添加量は感光材料1m2当たり1×
10-6モルから5×10-3モルの範囲が好ましく、1×
10-5モルから1×10-3モルの範囲が特に好ましい。
【0177】また、現像ムラ防止剤として特開昭62−
212651号記載の化合物、溶解助剤として特開昭6
1−267759号記載の化合物を用いることができ
る。さらに必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、
硬膜剤等を含んでもよい。
【0178】現像処理温度及び時間は相互に関係し、全
処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温
度は約20℃〜約50℃、好ましくは25〜45℃で、
現像時間は5秒〜2分、好ましくは7秒〜1分30秒で
ある。
【0179】本発明においては、現像開始液及び現像補
充液の双方が、「該液1リットルに0.1モルの水酸化
ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.25以下」の
性質を有することが好ましい。使用する現像開始液ない
し現像補充液がこの性質を有することを確かめる方法と
しては、試験する現像開始液ないし現像補充液のpHを
10.0に合わせ、ついでこの液1リットルに水酸化ナ
トリウムを0.1モル添加し、この時の液のpH値を測
定し、pH値の上昇が0.25以下であれば上記に規定
した性質を有すると判定する。本発明では特に、上記試
験を行った時のpH値の上昇が0.2以下である現像開
始液及び現像補充液を用いることが好ましい。
【0180】現像開始液及び現像補充液に上記の性質を
与える方法としては、緩衝剤を使用するのが好ましい。
緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186259号
に記載のホウ酸、特開昭60−93433号に記載の糖
類(例えばサッカロース)、オキシム類(例えばアセト
オキシム)、フェノール類(例えば5−スルホサリチル
酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩)などが用いられ、好ましくは炭酸塩、ホウ酸が用い
られる。緩衝剤、特に炭酸塩の使用量は、好ましくは、
0.3モル/リットル以上、特に0.4モル/リットル
以上である。
【0181】pHの設定のために用いるアルカリ剤には
通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム)を用いることができる。
【0182】本発明においては、現像開始液のpHが
8.5〜12.0であり、特に好ましくは8.5〜1
1.0、最も好ましくは9.4〜10.5の範囲であ
る。現像補充液のpHおよび連続処理時の現像タンク内
の現像液のpHもこの範囲である。pHの設定のために
用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩
(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム)を用いることができる。
【0183】ハロゲン化銀写真感光材料1平方メートル
を処理する際に、現像液の補充液量は200ミリリット
ル以下、好ましくは180〜0ミリリットル、特に16
0〜10ミリリットルである。現像補充液は、現像開始
液と同一の組成を有していてもよいし、現像で消費され
る成分について開始液よりも高い濃度を有していてもよ
い。
【0184】処理液の搬送コスト、包装材料コスト、省
スペース等の目的で、処理液を濃縮化し、使用時に希釈
して用いるようにすることは好ましいことである。現像
液の濃縮化のためには、現像液に含まれる塩成分をカリ
ウム塩化することが有効である。
【0185】本発明の定着工程で使用する定着液は、チ
オ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、必要により
酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢
酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロ
ン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩を含む水溶液である。
近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が
好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としては
チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどであ
り、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好まし
いが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが
使われても良い。これら既知の定着剤の使用量は適宜変
えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リット
ルである。特に好ましくは0.2〜1.5モル/リット
ルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶
性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、
重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整
剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活
性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。界面活
性剤としては、例えば硫酸化物、スルフォン化物などの
アニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開
昭57−6740号公報記載の両性界面活性剤などが挙
げられる。また、公知の消泡剤を添加してもよい。湿潤
剤としては、例えばアルカノールアミン、アルキレング
リコールなどが挙げられる。定着促進剤としては、例え
ば特公昭45−35754号、同58−122535
号、同58−122536号各公報記載のチオ尿素誘導
体、分子内に3重結合を持つアルコール、米国特許第4
126459号記載のチオエーテル化合物、特開平4−
229860号記載のメソイオン化合物などが挙げら
れ、また特開平2−44355号記載の化合物を用いて
もよい。また、pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リン
ゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイ
ン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸、ホウ
酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用でき
る。好ましいものとして酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用い
られる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる
定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、0.01〜
1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.
6モル/リットル程度用いる。また、色素溶出促進剤と
して、特開昭64−4739号記載の化合物を用いるこ
ともできる。
【0186】本発明の定着液中の硬膜剤としては、水溶
性アルミニウム塩、クロム塩がある。好ましい化合物は
水溶性アルミニウム塩であり、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどがある。好まし
い添加量は0.01モル〜0.2モル/リットル、さら
に好ましくは0.03〜0.08モル/リットルであ
る。定着温度は、約20℃〜約50℃、好ましくは25
〜45℃で、定着時間は5秒〜1分、好ましくは7秒〜
50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に
対して500ml/m2以下であり、特に200ml/m2以下
が好ましい。
【0187】現像、定着処理が済んだ感光材料は、次い
で水洗または安定化処理される。水洗または安定化処理
は、水洗水量は通常ハロゲン化銀感光材料1m2当り、2
0リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0
も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。す
なわち、節水処理が可能となるのみならず、自現機設置
の配管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少
なくする方法として、古くより多段向流方式(例えば2
段、3段など)が知られている。この多段向流方式を本
発明に適用すれば定着後の感光材料は徐々に正常な方
向、つまり定着液で汚れていない処理液の方に順次接触
して処理されていくので、さらに効率の良い水洗がなさ
れる。水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63−18
350号、同62−28725号などに記載のスクイズ
ローラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けるこ
とがより好ましい。あるいは、また、少量水洗時に問題
となる公害負荷低減のために種々の酸化剤添加やフィル
ター濾過を組み合わせてもよい。更に、本発明の方法で
水洗または安定化浴に防黴手段を施した水を処理に応じ
て補充することによって生ずる水洗又は安定化浴からの
オーバーフロー液の一部又は全部は特開昭60−235
133号に記載されているようにその前の処理工程であ
る定着能を有する処理液に利用することもできる。ま
た、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止および/また
はスクイズローラーに付着する処理剤成分が処理された
フィルムに転写することを防止するために水溶性界面活
性剤や消泡剤を添加してもよい。また、感光材料から溶
出した染料による汚染防止に、特開昭63−16345
6号記載の色素吸着剤を水洗槽に設置してもよい。ま
た、前記水洗処理に続いて安定化処理する場合もあり、
その例として特開平2−201357号、同2−132
435号、同1−102553号、特開昭46−444
46号に記載の化合物を含有した浴を感光材料の最終浴
として使用してもよい。この安定浴にも必要に応じてア
ンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光
増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌
剤、防かび剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加え
ることもできる。水洗工程もしくは安定化工程に用いら
れる水としては水道水のほか脱イオン処理した水やハロ
ゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水
素、塩素酸塩など)等によって殺菌された水を使用する
ことが好ましいし、また、特開平4−39652号、特
開平5−241309号記載の化合物を含む水洗水を使
用してもよい。水洗または安定浴温度及び時間は0〜5
0℃、5秒〜2分が好ましい。
【0188】本発明に用いられる処理液は特開昭61−
73147号に記載された酸素透過性の低い包材で保管
することが好ましい。本発明に用いられる処理液は粉剤
および固形化しても良い。その方法は、公知のものを用
いることができるが、特開昭61−259921号、特
開平4−85533号、特開平4−16841号記載の
方法を使用することが好ましい。特に好ましくは特開昭
61−259921号記載の方法である。補充量を低減
する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくするこ
とによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好まし
い。ローラー搬送型の自動現像機については米国特許第
3025779号明細書、同第3545971号明細書
などに記載されており、本明細書においては単にローラ
ー搬送型プロセッサーとして言及する。ローラー搬送型
プロセッサーは現像、定着、水洗及び乾燥の四工程から
なっており、本発明の方法も、他の工程(例えば、停止
工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが最も
好ましい。水洗工程の代わりに安定工程による四工程で
も構わない。
【0189】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される。水洗または安定化浴に
使用される水は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水で
もよい。これらの補充量は水道水圧により異なり、一般
的には感光材料1m2あたり約17リットル〜約8リット
ルであるが、それ以下の補充量で行うこともできる。特
に3リットル以下の補充量(0も含む。すなわち、ため
水水洗)では、節水処理が可能となるのみならず、自動
現像機設置の配管を不要とすることもできる。水洗を少
量の水で行う場合は、特開昭63−18350号、同6
2−287252号等に記載のスクイズローラー、クロ
スオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好まし
い。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減のため
に、種々の酸化剤(例えばオゾン、過酸化水素、次亜塩
素酸ナトリウム、活性ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナト
リウム過酸化水素塩など)添加やフィルター濾過を組み
合わせても良い。
【0190】水洗水の補充量を少なくする方法として、
古くより多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られ
ており、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜50
ミリリットルが好ましい。この多段向流方式を本発明に
適用すれば、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、つ
まり定着液で汚染されていない処理液の方に順次接触し
て処理されていくので、さらに効率の良い水洗がなされ
る。この効果は、独立多段方式(向流にせず、多段の水
洗槽または安定浴に新液を補充する方法)でも同様に得
られる。
【0191】さらに、本発明の方法で水洗または安定化
浴に水垢防止手段を施しても良い。水垢防止手段として
は公知のものを使用することができ、特に限定はしない
が、水洗水または安定化液に防ばい剤(いわゆる水垢防
止剤)を添加する方法、水洗水または安定化液に通電す
る方法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方
法、磁場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかけ
る方法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。
これらの水垢防止手段は、感光材料の処理に応じてなさ
れても良いし、使用状況に関係なく一定間隔で行われて
も良いし、夜間など処理の行われない期間のみ施しても
良い。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止手段を
行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好ましい。防
ばい剤としては特に限定はなく公知のものが使用でき
る。たとえばグルタルアルデヒド、アミノポリカルボン
酸等のキレート剤、カチオン性界面活性剤、酸化剤(例
えばオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、活性
ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナトリウム過酸化水素塩な
ど)、メルカプトピリジンオキサイド(例えば2−メル
カプトピリジン−N−オキシドなど)などがあり、単独
で使用しても良いし、複数のものを併用しても良い。防
ばい剤は処理に応じて水洗または安定化浴に添加しても
良いし、あらかじめ水洗水または安定化液に添加してお
いてこれを補充しても良い。防ばい剤の補充は感光材料
の処理に応じてなされても良いし、使用状況に関係なく
一定間隔で行われても良いし、夜間など処理の行われな
い期間のみ施しても良い。さらには、一定期間ごとに異
なる防ばい剤を使用することも、耐性菌の発生を抑える
上では好ましい。通電する方法としては、特開平3−2
24685号、同3−224687号、同4−1628
0号、同4−18980号などに記載の方法が使用でき
る。
【0192】少量水洗時に発生しやすい水泡ムラ防止お
よび/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分が
処理されたフィルムに転写することを防止するために、
公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても良い。ま
た、感光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開
昭63−163456号に記載の色素吸着剤を水洗槽に
設置しても良い。
【0193】水洗または安定化浴からのオーバーフロー
液の一部または全部は、特開昭60−235133号に
記載されているように、定着能を有する処理液に混合利
用することもできる。また微生物処理(例えば硫黄酸化
菌、活性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多
孔質担体に担持させたフィルターによる処理等)や、通
電や酸化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求
量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費
量等を低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリ
マーを用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等
の難溶性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降さ
せてフィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下
させることも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0194】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号、同
2−132435号、同1−102553号、特開昭4
6−44446号に記載の化合物を含有した浴を感光材
料の最終浴として使用しても良い。この安定浴にも必要
に応じてアンモニウム化合物、Bi、Al等の金属化合
物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜
剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカノールアミンや界面活性
剤を加えることもできる。
【0195】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0196】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は燃焼処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液は例えば特公平7−83867号、U
S5439560号等に記載されているような濃縮装置
で濃縮液化または固化させてから処分することも可能で
ある。
【0197】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。ローラー搬送
型の自動現像機については米国特許第3025779
号、同3545971号などに記載されており、本明細
書においては単にローラー搬送型プロセッサーとして言
及する。ローラー搬送型プロセッサーは現像、定着、水
洗および乾燥の四工程からなっており、本発明の方法
も、他の工程(例えば停止工程)を除外しないが、この
四工程を踏襲するのが最も好ましい。水洗工程のかわり
に安定化工程による四工程でもかまわない。
【0198】本発明の現像処理では、現像および定着時
間が40秒以下、好ましくは6〜35秒、各液の温度は
25〜50℃が好ましく、30〜40℃が好ましい。水
洗または安定浴の温度および時間は0〜50℃で40秒
以下が好ましい。本発明の方法によれば、現像、定着お
よび水洗(または安定化)された感光材料は水洗水を絞
りきる、すなわちスクイズローラーを経て乾燥しても良
い。乾燥は約40〜約100℃で行われ、乾燥時間は周
囲の状態によって適宜かえられる。乾燥方法は公知のい
ずれの方法を用いることができ特に限定はないが、温風
乾燥や、例えば特開平4−15534号、同5−225
6号、同5−289294号に開示されているようなヒ
ートローラーによる乾燥、遠赤外線による乾燥などがあ
り、複数の方法を併用しても良い。
【0199】感光材料の現像処理方法が適用される写真
感光材料には特別な制限はなく、一般の黒白感光材料に
加えて反転処理されるカラー感光材料(例えばカラー反
転フィルムまたはペーパー)も用いることができる。特
に医療画像のレーザープリンター用写真感光材料や印刷
用感材並びに、医療用直接撮影X−レイ感材医療用間接
撮影X−レイ感材、ヒドラジン造核系硬調フィルム、C
RT画像記録用感材、マイクロ用感材、一般黒白ネガフ
ィルム、黒白印画紙などに用いることが好ましい。
【0200】ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成は特に制
限はなく、塩化銀、沃化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀のようなハロゲン化銀を親水性コロイド
に分散したものである。ハロゲン化銀乳剤は、通常当業
界でよく知られた方法(例えば、シングルジェット法、
ダブルジェット法、コントロールドジェット法など)に
よって水溶性銀塩(例えば、硝酸銀)と水溶性ハロゲン
塩とを水および親水性コロイドの存在下で混合し、物理
熟成および金増感および/または硫黄増感などの化学熟
成を経て製造される。本発明で用いられるハロゲン化銀
の粒子形状には特別な制限はなく、立方体、8面体、球
状の他、Research Disclosure 22534(January 1
983)に記載された高アスペクト比の平板状のハロゲ
ン化銀粒子などのいずれも用いることができる。
【0201】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤のハロゲン組成に特別な制限はないが、本発明の目的
をより効果的に達成するうえで、塩化銀含有率50モル
%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀が好ましい。沃
化銀の含有率は5モル%を下回ること、特に2モル%よ
り少ないことが好ましい。
【0202】本発明において、スキャナー露光の様な高
照度露光に適した感光材料及び線画撮影用感光材料は、
高コントラスト及び低カブリを達成するために、ロジウ
ム化合物を含有する。本発明に用いられるロジウム化合
物として、水溶性ロジウム化合物を用いることができ
る。たとえば、ハロゲン化ロジウム(III) 化合物、また
はロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オ
キザラト等を持つもの、たとえば、ヘキサクロロロジウ
ム(III)錯塩、ヘキサブロモロジウム(III) 錯塩、ヘキ
サアミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(II
I)錯塩等が挙げられる。これらのロジウム化合物は、
水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウ
ム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われ
る方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩
酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ
(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添
加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用
いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウ
ムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶
解させることも可能である。添加量は、ハロゲン化銀乳
剤の銀1モル当たり1×10-8〜5×10-6モル、好ま
しくは5×10-8〜1×10-6モルである。これらの化
合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時及び乳剤
を塗布する前の各段階において適宜行うことができる
が、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組
み込まれることが好ましい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides 著 Chimie et Physique Photograph
ique(Paul Montel社刊、1967年) 、G.F.Dufin 著 Photo
graphic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966
年) 、V.L.Zelikman et al著 Making and Coating Phot
ographic Emulsion(The Focal Press 刊、1964年)など
に記載された方法を用いて調製することができる。
【0203】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組
み合わせなどのいずれを用いても良い。粒子を銀イオン
過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)
を用いることもできる。同時混合法の一つの形式として
ハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ
方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェ
ット法を用いることもできる。またアンモニア、チオエ
ーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤
を使用して粒子形成させることが好ましい。より好まし
くは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−824
08号、同55−77737号に記載されている。好ま
しいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジンチオンである。コントロ
ールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使
用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ
分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本
発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を作るのに有用な手
段である。また、粒子サイズを均一にするためには、英
国特許第1,535,016号、特公昭48−3689
0号、同52−16364号に記載されているように、
硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度
に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,4
45号、特開昭55−158124号に記載されている
ように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽
和度を越えない範囲において早く成長させることが好ま
しい。本発明の乳剤は単分散乳剤が好ましく変動係数が
20%以下、特に好ましくは15%以下である。単分散
ハロゲン化銀乳剤中の粒子の平均粒子サイズは0.5μ
m 以下であり、特に好ましくは0.1μm 〜0.4μm
である。
【0204】X−レイ感材の場合には、写真感光材料の
銀量は、支持体の両側の合計として8.0g/m2以下よ
り好ましくは4.0g/m2以下であることが望ましい。
感材には、必要に応じてハロゲン化銀乳剤層以外に親水
性コロイド層を有することができ、公知の方法に準じて
表面保護層を設けることが好ましい。乳剤層を含む親水
性コロイド層を有する側のゼラチン量は2.0g/m2
上5.0g/m2未満の範囲にあることが好ましく、特に
2.5g/m2以上4.0g/m2未満の範囲に設定されて
いることが好ましい。感材のメルティング・タイムは2
0分以上100分以下に設定されていることが好まし
い。このメルティング・タイムの測定方法は特開昭63
−221341号に記載の方法に従う。
【0205】ハロゲン界面活性剤写真感光材料は支持体
上に少なくとも1層のハロゲン界面活性剤乳剤層を有す
るものであるが、直医X−レイ感材の場合は特開昭58
−127921号、同59−90841号、同58−1
11934号、同61−201235号等に記載されて
いる如く、支持体の両方の側にそれぞれ少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤層を有するものが好ましい。写真材
料は、その他、必要に応じて、中間層、フィルター層、
ハレーション防止層などを有することができる。感光材
料の銀量としては、好ましくは0.5g/m2〜5g/m2
(片面で)、より好ましくは1g/m2〜3g/m2(片面
で)である。迅速処理適性としては5g/m2をこえない
ことが好ましい。また一定の画像濃度、コントラストを
得るためには0.5g/m2以上が好ましい。
【0206】X−レイ感材で用いる乳剤粒子は、乳剤中
のハロゲン化銀粒子は立方体、八面体のような規則的な
結晶形を有するものでよく、球状、板状、じゃがいも状
のような不規則な結晶形を有するものでもよく、種々の
結晶形の粒子の混合からなりたってもよい。ハロゲン化
銀粒子の組成としては、沃臭化銀、臭化銀、沃塩臭化
銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化銀のいずれであってもよ
いが、高感度で迅速処理性に優れるという観点から沃化
銀含量が0.6モル%以下の沃臭化銀、塩化銀含量が2
0モル%以上100モル%未満、特に50モル%以上9
9モル%未満の沃塩臭化銀、塩臭化銀であることが望ま
しい。
【0207】平板状粒子の利用は好ましい態様である。
平板状粒子に関しては RESEARCH DISCLOSURE 225巻
Item 22534、20〜58、1月号(1983)お
よび特開昭58−127921号、特開昭58−113
926号、特開昭58−113927号、特開昭58−
113928号、米国特許第4,439,520号を参
照することができる。
【0208】本発明で用いられるX−レイ感材の場合に
は、少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲ
ン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の50%以上、好ましくは60%〜100%、より好ま
しくは70〜100%が主平面が(100)又は(11
1)面であるアスペクト比2以上の平板状粒子である。
ここに、平板状粒子とはアスペクト比(直径/厚さ)が
1より大きい粒子である。主平面は平板状粒子の最大外
表面を指す。該平板状粒子の厚さは0.35μm 以下で
あり0.05〜0.3μm がより好ましく、0.05〜
0.25μm が更に好ましい。好ましいアスペクト比は
2以上、好ましくは3〜30、より好ましくは5〜20
である。ここで直径とは、該平板状粒子の投影面積と等
しい面積を有する円の直径を指し、厚さは2つの主平面
間の距離を指す。Cl- 含率20モル%以上、好ましく
は30モル%〜100%、より好ましくは40〜100
モル%、更に好ましくは50〜100モル%が好まし
い。
【0209】X−レイ感材に用いられるハロゲン化銀乳
剤として、環境対応システムとして好ましいのは塩臭化
銀および/または塩化銀平板状乳剤である。塩臭化銀お
よび/または塩化銀平板状乳剤には、晶癖として主に
(111)面を有する乳剤と、主に(100)面を有す
る乳剤とが知られている。(111)塩臭化銀平板状乳
剤としては、特公昭64−8325号、同64−832
6号、特開昭62−111936号、特開昭62−16
3046号などが公知である。一方、(100)塩臭化
銀平板状乳剤としては、特開昭51−88017号、特
公昭64−8323号、欧州特許0,534,395A
1などに記載されている。しかし、粒子サイズ分布が狭
く高感度であるという理由で特願平5−287226お
よび特願平5−271057に記載の技術が特に望まし
く、特願平5−316677にあるような(100)塩
化銀平板状粒子とアスコルビン酸現像処理の組合せも好
ましい態様である。平板状ハロゲン化銀乳剤を使用する
ことによって、本発明によるランニング処理の際の写真
性の安定性をさらに上げることができる。また、塗布銀
量を少なくすることができるために、特に定着工程と乾
燥工程の負荷が軽減され、この点からも迅速処理が可能
になる。
【0210】平板状ハロゲン化銀乳剤は、クナック(Cu
gnac)およびシャトー(Chateau)「物理的熟成時の臭化
銀結晶の形態学の進展(イボルーション・オブ・ザ・モ
ルフォルジー・オブ・シルバー・プロマイド・クリスタ
ルズ・デュアリング・フィジカル・ライプニング)」サ
イエンス・エ・インダストリエ・フォトグラフィー、3
3巻、 No.2(1962)、p.121−125、ダフ
ィン(Duffin) 著「フォトグラフィク・エマルジョン・
ケミストリー(Photographic emulsion chemistry )」
フォーカル・プレス(Focal Press)、ニューヨーク、1
966年、p.66〜p.72、A.P.H.トリベリ(Trib
vlli) 、W.F.スミス(Smith)フォトグラフィック・ジャ
ーナル(Photographic Journal) 、80巻、285頁
(1940年)等に記載されているが特開昭58−12
7,921、特開昭58−113,927、特開昭58
−113,928に記載された方法等を参照すれば容易
に調製できる。
【0211】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感され
ることが好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの
知られている方法を用いることができ、単独または組み
合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合には、
例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増
感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法
などが好ましい。本発明に用いられる硫黄増感は、通
常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を
一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤とし
ては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラ
チン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合
物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ロ
ーダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合
物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤
の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒
子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-7〜10-2モルであり、より好ま
しくは10-5〜10-3モルである。
【0212】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号、同43−13489号、
特願平2−13097号、同2−229300号、同3
−121798号等に記載の化合物を用いることができ
る。特に特願平3−121798号中の一般式(VIII)
および(IX) で示される化合物を用いることが好まし
い。
【0213】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特願平4−
146739号に記載の方法で試験することができる。
具体的には米国特許第1,623,499号、同第3,
320,069号、同第3,772,031号、英国特
許第235,211号、同第1,121,496号、同
第1,295,462号、同第1,396,696号、
カナダ特許第800,958号、特願平2−33381
9号、同3−53693号、同3−131598号、同
4−129787号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソ
サイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Che
m.Soc.Chem.Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979), ibi
d 645(1979) 、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイア
ティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Per
kin.Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai) 編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds), Vol 1(19
86) 、同Vol 2(1987) に記載の化合物を用いることがで
きる。特に特願平4−146739号中の一般式(II)
(III)(IV)で示される化合物が好ましい。
【0214】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロレート、カリウムオーリチ
オシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化銀1
モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができ
る。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀
粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム
塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよ
い。本発明においては、還元増感を用いることができ
る。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルム
アミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いること
ができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許
(EP)−293,917号に示される方法により、チ
オスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いら
れる感光材料中のハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよ
いし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるも
の、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化
学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。
【0215】本発明において、返し用感光材料として特
に適したハロゲン化銀乳剤は90モク%以上、より好ま
しくは95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀で
あり、臭化銀を0〜10モル%含む塩臭化銀もしくは塩
沃臭化銀である。臭化銀あるいは沃化銀の比率が増加す
ると明室下でのセーフライト安全性の悪化、あるいはγ
が低下して好ましくない。
【0216】また、本発明の返し用感光材料に用いるハ
ロゲン化銀乳剤は、遷移金属錯体を含むことが望まし
い。遷移金属としては、Rh、Ru、Re、Os、I
r、Cr、などが挙げられる。配位子としては、ニトロ
シル及びチオニトロシル架橋配位子、ハロゲン化物配位
子(フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、シアン
化物配位子、シアネート配位子、チオシアネート配位
子、セレノシアネート配位子、テルロシアネート配位
子、アシド配位子及びアコ配位子が挙げられる。アコ配
位子が存在する場合には、配位子の1つ又は2つを占め
ることが好ましい。
【0217】具体的には、ロジウム原子を含有せしめる
には、単塩、錯塩など任意の形の金属塩にして粒子調製
時に添加することができる。ロジウム塩としては、一塩
化ロジウム、二塩化ロジウム、三塩化ロジウム、ヘキサ
クロロロジウム酸アンモニウム等が挙げられるが、好ま
しく水溶性の三価のロジウムのハロゲン錯化合物、例え
ばヘキサクロロロジウム(III) 酸もくしはその塩(アン
モニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)である。
これらの水溶性ロジウム塩の添加量はハロゲン化銀1モ
ル当り1.0×10-6モル〜1.0×10-3モルの範囲
で用いられる。好ましくは1.0×10-5モル〜1.0
×10-3モル、特に好ましくは5.0×10-5〜5.0
×10-4モルである。
【0218】又、以下の遷移金属錯体も好ましい。 1 〔Ru(NO)Cl5 -2 2 〔Ru(NO)2 Cl4 -1 3 〔Ru(NO)(H2 O)Cl4 -1 4 〔Rh(NO)Cl5 -2 5 〔Re(NO)CN5 -2 6 〔Re(NO)ClCN4 -2 7 〔Rh(NO)2 Cl4 -1 8 〔Rh(NO)(H2 O)Cl4 -1 9 〔Ru(NO)CN5 -2 10 〔Ru(NO)Br5 -2 11 〔Rh(NS)Cl5 -2 12 〔Os(NO)Cl5 -2 13 〔Cr(NO)Cl5 -3 14 〔Re(NO)2 Cl5 -1 15 〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕-2 16 〔Ru(NS)I5 -2 17 〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕-2 18 〔Os(NS)Cl(SCN)4 -2 19 〔Ir(NO)Cl5 -2
【0219】本発明に用いられる分光増感色素として
は、特に制約はない。
【0220】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。増感色素として
は、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックス
シアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロ
ホーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色
素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用い
ることができる。本発明に使用される有用な増感色素は
例えばRESEARCH DISCLOSURE Item 17643IV−A項
(1978年12月p.23) 、同 Item 1831X項
(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された
文献に記載されている。特に各種スキャナー、イメージ
セッターや製版カメラの光源の分光特性に適した分光感
度を有する増感色素を有利に選択することができる。例
えば、A)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭6
0−162247号に記載の(I)−1から(I)−8
の化合物、特開平2−48653号に記載のI−1から
I−28の化合物、特開平4−330434号に記載の
I−1からI−13の化合物、米国特許2,161,3
31号に記載の Example1から Example14の化合物、
西独特許936,071号記載の1から7の化合物、
B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対しては、特開昭
54−18726号に記載のI−1からI−38の化合
物、特開平6−75322号に記載のI−1からI−3
5の化合物および特開平7−287338号に記載のI
−1からI−34の化合物、C)LED光源に対しては
特公昭55−39818号に記載の色素1から20、特
開昭62−284343号に記載のI−1からI−37
の化合物および特開平7−287338号に記載のI−
1からI−34の化合物、D)半導体レーザー光源に対
しては特開昭59−191032号に記載のI−1から
I−12の化合物、特開昭60−80841号に記載の
I−1からI−22の化合物、特開平4−335342
号に記載のI−1からI−29の化合物および特開昭5
9−192242号に記載のI−1からI−18の化合
物、E)製版カメラのタングステンおよびキセノン光源
に対しては特開昭55−45015号に記載の一般式
〔I〕で表される(1)から(19)の化合物、特願平
7−346193号に記載のI−1からI−97の化合
物および特開平6−242547号に記載の4−Aから
4−Sの化合物、5−Aから5−Qの化合物、6−Aか
ら6−Tの化合物などが有利に選択される。
【0221】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物
質はリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosu
re) 176巻17643(1978年12月発行)第2
3頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−2550
0、同43−4933、特開昭59−19032、同5
9−192242等に記載されている。
【0222】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。ま
た、米国特許第3,469,987号明細書等に開示さ
れているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号、
同44−27555号、同57−22091号等に開示
されているように、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中
に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液として
乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135
号、同第4,006,025号明細書等に開示されてい
るように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイ
ド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭5
3−102733号、同58−105141号に開示さ
れているように親水性コロイド中に色素を直接分散さ
せ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−
74624号に開示されているように、レッドシフトさ
せる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添
加する方法を用いることもできる。また、溶液に超音波
を用いることもできる。
【0223】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であるこ
とが認められている乳剤調製のいかなる工程中であって
もよい。例えば米国特許第2,735,766号、同第
3,628,960号、同第4,183,756号、同
第4,225,666号、特開昭58−184142
号、同60−196749号等の明細書に開示されてい
るように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および
脱塩前の時期、脱銀工程中および/または脱塩後から化
学熟成の開始前までの時期、特開昭58−113920
号等の明細書に開示されているように、化学熟成の直前
または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳
剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において添
加されてもよい。また、米国特許第4,225,666
号、特開昭58−7629号等の明細書に開示されてい
るように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合
物と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工
程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前
または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加
してもよく、分割して添加する化合物および化合物の組
み合わせの種類を変えて添加してもよい。
【0224】本発明の増感色素の添加量は、ハロゲン化
銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感の方法
と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、ハロゲ
ン化銀1モルあたり、4×10-6〜8×10-3モルで用
いることができる。例えばハロゲン化銀粒子サイズが
0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀粒子の表
面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10-6モルの添
加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0×10-6モル
の添加量がより好ましい。
【0225】本発明の処理に用いられるグラフィックア
ーツ用の超硬調感光材料は、ヒドラジン造核剤を含有す
ることが好ましく、更にはこれに加えて造核促進剤を含
有していることが好ましい。
【0226】ヒドラジン造核剤としては、下記一般式
(E)で表される化合物が好ましく用いられる。 一般式(E)
【0227】
【化51】
【0228】式中、R20は脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック基を
表し、G10は−CO−、−COCO−、−C=S−、−
SO2 −、−SO−、−PO(R30)−基(R30はR10
に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異なって
いてもよい。)、チオカルボニル基、またはイミノメチ
レン基を表す。A10、A20はともに水素原子、あるいは
一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキル
スルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールス
ルホニル基、または置換もしくは無置換のアシル基を表
す。
【0229】一般式(E)において、R20で表わされる
脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無
置換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基である。一般式(E)において、R
20で表わされる芳香族基は単環もくしは縮合環のアリー
ル基で、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ
る。R20で表わされるヘテロ環基としては、単環または
縮合環の、飽和もしくは不飽和の、芳香族または非芳香
族のヘテロ環基で、例えばピリジン環、ピリミジン環、
イミダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノ
リン環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾ
チアゾール環、ピペリジン環、トリアジン環等が挙げら
れる。R20として好ましいものはアリール基であり、特
に好ましくはフェニル基である。
【0230】R20は置換されていてもよく、代表的な置
換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル
原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(アラ
ルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含
む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素
環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば
ピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
キシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシ
ルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カ
ルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ
基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基
(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を
繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環
オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリ
ールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の含窒素ヘ
テロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしく
はアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイ
ルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド
基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイル
アミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウ
レイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルア
ミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリー
ル、またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリー
ル)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフ
ィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、
アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基
またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構
造を含む基、等が挙げられる。
【0231】これら置換基は、これら置換基でさらに置
換されていてもよい。
【0232】R20が有していてもよい置換基として好ま
しくは、炭素数1〜20のアルキル基(活性メチレン基
を含む)、アラルキル基、ヘテロ環基、置換アミノ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、イミド基、チオウレイド基、リン
酸アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基(その塩を含む)、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含
む)、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基等が挙げられる。
【0233】一般式(E)において、R10は水素原子ま
たはブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基またはヒドラジノ基を表す。R10で表わされるアルキ
ル基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基で
あり、例えばメチル基、トリフルオロメチル基、ジフル
オロメチル基、2−カルボキシテトラフルオロエチル
基、ピリジニオメチル基、ジフルオロメトキシメチル
基、ジフルオロカルボキシメチル基、3−ヒドロキシプ
ロピル基、3−メタンスルホンアミドプロピル基、フェ
ニルスルホニルメチル基、o−ヒドロキシベンジル基な
どが挙げられる。アルケニル基として好ましくは炭素数
1から10のアルケニル基であり、例えばビニル基、2
−エトキシカルボニルビニル基、2−トリフルオロ−2
−メトキシカルボニルビニル基等が挙げられる。アルキ
ニル基として好ましくは単素数1から10のアルキニル
基であり、例えばエチニル基、2−メトキシカルボニル
エチニル基等が挙げられる。アリール基としては単環も
しくは縮合環のアリール基が好ましく、ベンゼン環を含
むものが特に好ましい。例えばフェニル基、3,5−ジ
クロロフェニル基、2−メタンスルホンアミドフェニル
基、2−カルバモイルフェニル基、4−シアノフェニル
基、2−ヒドロキシメチルフェニル基などが挙げられ
る。ヘテロ環基として好ましくは、少なくとも1つの窒
素、酸素、および硫黄原子を含む5〜6員の、飽和もし
くは不飽和の、単環もしくは縮合環のヘテロ環基で、例
えばモルホリノ基、ピペリジノ基(N−置換)、イミダ
ゾリル基、インダゾリル基(4−ニトロインダゾリル基
等)、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾイミダゾ
リル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリジニオ基
(N−メチル−3−ピリジニオ基等)、キノリニオ基、
キノリル基などがある。モルホリノ基、ピペリジノ基、
ピリジル基、ピリジニオ基、インダゾリル基等が特に好
ましい。アルコキシ基としては炭素数1〜8のアルコキ
シ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロキシエ
トキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリール
オキシ基としてはフェノキシ基が好ましく、アミノ基と
しては無置換アミノ基、及び炭素数1〜10のアルキル
アミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしくは不飽
和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を含む含
窒素ヘテロ環基を含む)が好ましい。アミノ基の例とし
ては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−
イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチ
ルアミノ基、アニリノ基、o−ヒドロキシアニリノ基、
5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル−3−
ピリジニオアミノ基等が挙げられる。ヒドラジノ基とし
ては置換もしくは無置換のヒドラジノ基、または置換も
しくは無置換のフェニルヒドラジノ基(4−ベンゼンス
ルホンアミドフェニルヒドラジノ基など)が特に好まし
い。
【0234】R10で表される基は置換されていても良
く、好ましい置換基としてはR20の置換基として例示し
たものがあてはまる。
【0235】一般式(E)に於いてR10はG10−R10
部分を残余分子から分裂させ、−G10−R10部分の原子
を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するような
ものであってもよく、その例としては、例えば特開昭6
3−29751号などに記載のものが挙げられる。
【0236】一般式(E)で表されるヒドラジン誘導体
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メ
ルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号、同4,459,347号、特開
昭59−195233号、同59−200231号、同
59−201045号、同59−201046号、同5
9−201047号、同59−201048号、同59
−201049号、特開昭61−170733号、同6
1−270744号、同62−948号、同63−23
4244号、同63−234245号、同63−234
246号に記載された基があげられる。またこれらハロ
ゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよ
い。その様なプレカーサーとしては、特開平2−285
344号に記載された基が挙げられる。
【0237】一般式(E)のR10またはR20はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性
に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフ
ェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの
中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例え
ば特開平1−100530号に記載のものが挙げられ
る。
【0238】一般式(E)のR10またはR20は、置換基
としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時
一般式(E)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関し
ての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86
134号、特開平4−16938号、特開平5−197
091号、W095−32452号、W095−324
53号、特願平7−351132号、特願平7−351
269号、特願平7−351168号、特願平7−35
1287号、特願平7−351279号等に記載された
化合物が挙げられる。
【0239】一般式(E)に於いてA10、A20は水素原
子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニ
ル基(好ましくはフェニルスルホニル基、又はハメット
の置換基定数の和が−0.5以上となるように置換され
たフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル基
(好ましくはベンゾイル基、又はハメットの置換基定数
の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル
基、あるいは直鎖、分岐、又は環状の置換もしくは無置
換の脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例えばハ
ロゲン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カルボン
アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等が
挙げられる))である。A10、A20としては水素原子が
最も好ましい。
【0240】次に本発明において、特に好ましいヒドラ
ジン誘導体について述べる。R20は置換フェニル基が特
に好ましく、スルホンアミド基、アシルアミノ基、ウレ
イド基、またはカルバモイル基を介してバラスト基、ハ
ロゲン化銀への吸着基、4級のアンモニオ基を含む基、
4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基、エチレ
ンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)チオ基、アルカリ性の現像処理
液中で解離しうる基(カルボキシ基、スルホ基、アシル
スルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基
等)、もしくは多量体を形成しうるヒドラジノ基(−N
HNH−G10−R10で表される基)の少なくとも1つが
置換されていることが好ましい。R20は最も好ましくは
ベンゼンスルホンアミド基で置換されたフェニル基で、
そのベンゼンスルホンアミド基のベンゼン環の置換基と
しては、同じく前述の何れか1つの基を、直接もしくは
連結基を介して有することが好ましい。
【0241】R10で表わされる基のうち好ましいもの
は、G10が−CO−基の場合には、水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または
ヘテロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキ
ル基、置換アリール基(置換基としては電子吸引性基ま
たはo−ヒドロキシメチル基が特に好ましい)であり、
最も好ましくはアルキル基である。G10が−COCO−
基の場合にはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基が好ましく、特に置換アミノ基、詳しくはアルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしくは不飽和
のヘテロ環アミノ基が好ましい。また、G10が−SO2
−基の場合には、R10はアルキル基、アリール基または
置換アミノ基が好ましい。
【0242】一般式(E)に於いてG10は好ましくは−
CO−基または−COCO−基であり、特に好ましくは
−CO−基である。
【0243】次に一般式(E)で示される化合物の具体
例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化合物に限定
されるものではない。
【0244】
【表28】
【0245】
【表29】
【0246】
【表30】
【0247】
【表31】
【0248】
【表32】
【0249】
【表33】
【0250】
【表34】
【0251】
【表35】
【0252】
【表36】
【0253】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好
ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導
体はまた、下記の特許に記載された種々の方法により、
合成することができる。特公平6−77138号に記載
の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3
頁、4頁に記載の化合物。特公平6−93082号に記
載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公
報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−
230497号に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表わされる化合物で、具体的には同
公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−
10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−4
2、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合
物6−7。特開平6−289520号に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7) および2−1)。特開平6−313936号に記載
の(化2)および(化3)で表される化合物で、具体的
には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6−3
13951号に記載の(化1)で表される化合物で、具
体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7−
5610号に記載の一般式(I)で表される化合物で、
具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜
I−38。特開平7−77783号に記載の一般式(I
I)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜2
7頁に記載の化合物II−1〜II−102。特開平7−1
04426号に記載の一般式(H)および一般式(H
a)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15
頁に記載の化合物H−1〜H−44。特願平7−191
007号に記載の、ヒドラジン基の近傍にアニオン性基
またはヒドラジンの水素原子と分子内水素結合を形成す
るメニオン性基を有することを特徴とする化合物で、特
に一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式
(D)、一般式(E)、一般式(F)で表される化合物
で、具体的には同公報に記載の化合物N−1〜N−3
0。特願平7−191007号に記載の一般式(1)で
表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物D
−1〜D−55。
【0254】本発明のヒドラジン系造核剤は、適当な水
混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エ
タノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブな
どに溶解して用いることができる。また、既によく知ら
れている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート
あるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチル
やシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機
械的に乳化分散物を作製して用いることができる。ある
いは固体分散法として知られている方法によって、ヒド
ラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミ
ル、あるいは超音波によって分散し用いることができ
る。
【0255】本発明のヒドラジン造核剤は、支持体に対
してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層ある
いは他の親水性コロイド層のどの層に添加してもよい
が、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水
性コロイド層に添加することが好ましい。本発明の造核
剤添加量はハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜1×
10-2モルが好ましく、1×10-5〜5×10-3モルが
より好ましく、2×10-5〜5×10-3モルが最も好ま
しい。
【0256】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
造核促進剤が含有されることが好ましい。本発明に用い
られる造核促進剤としては、アミン誘導体、オニウム
塩、ジスルフィド誘導体またはヒドロキシメチル誘導体
などが挙げられる。以下にその例を列挙する。特開平7
−77783号公報48頁2行〜37行に記載の化合物
で、具体的には49頁〜58頁に記載の化合物A−1)
〜A−73)。特開平7−84331号に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物。特開
平7−104426号に記載の一般式〔Na〕および一
般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的には同公報1
6頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−22の化合物お
よびNb−1〜Nb−12の化合物。特願平7−378
17号に記載の一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)お
よび一般式(7)で表される化合物で、具体的には同明
細書に記載の1−1〜1−19の化合物、2−1〜2−
22の化合物、3−1〜3−36の化合物、4−1〜4
−5の化合物、5−1〜5−41の化合物、6−1〜6
−58の化合物および7−1〜7−38の化合物。
【0257】ハロゲン化銀写真感光材料には、ハロゲン
化銀乳剤層またはその他の親水性コロイド層中に、下記
一般式(F)、(G)、(H)、(I)で表されるオニ
ウム塩化合物、またはアミノ化合物の少なくとも一種を
造核促進剤として含有することが好ましい。 一般式(F)
【0258】
【化52】
【0259】式中、R10、R20、R30はアルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基
を表し、Qは窒素原子またはリン原子を表す。LはQ+
とその炭素原子で結合するm2 価の有機基を表し、ここ
にm2 は1から4の整数を表す。X4 n-はn価の対アニ
オンを表し、ここにnは1から3の整数を表す。但しR
10、R20、R30またはLが、その置換基にアニオン基を
有し、Q+ と分子内塩を形成する場合、X4 n-は必要な
い。 一般式(G)
【0260】
【化53】
【0261】一般式(H)
【0262】
【化54】
【0263】式中、A3 、A4 、A5 、A6 は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表す。B、Cはそれ
ぞれ、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキ
ニレン、−SO2 −、−SO−、−O−、−S−、−N
(RN)−、−C=O−、−P=O−を単独または組み
合わせて構成される2価の連結基を表す。ただし、RN
は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基を
表わす。R13、R14は各々アルキル基、アラルキル基を
表す。X4 n-はn価の対アニオンを表し、ここにnは1
から3の整数を表す。但し分子内塩を形成しうる場合、
4 n-は必要ない。 一般式(I)
【0264】
【化55】
【0265】式中Z2 は、4級化された窒素原子を含
む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテロ環を完成させる
ための有機残基を表す。R15はアルキル基、アラルキル
基を表す。X4 n-はn価の対アニオンを表し、ここにn
は1から3の整数を表す。但し分子内塩を形成しうる場
合、X4 n-は必要ない。
【0266】本発明に用いられる一般式(F)、
(G)、(H)および(I)で表されるオニウム塩化合
物について、以下詳細に説明する。まず一般式(F)に
ついて、詳細に説明する。
【0267】
【化56】
【0268】式中R10、R20、R30はアルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル
基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基を
表わし、これらはさらに置換基を有していてもよい。Q
はリン原子または窒素原子を表す。LはQ+ とその炭素
原子で結合するm2 価の有機基を表わし、ここにm2
1から4の整数を表す。X4 n-はn価の対アニオンを表
わし、nは1から3の整数を表す。但しR10、R20、R
30またはLが、その置換基にアニオン基を有し、Q+
分子内塩を形成する場合、X4 n-は必要ない。R10、R
20、R30で表わされる基の例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基などの直鎖又は分枝状のアルキル基;置
換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;シ
クロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
などのシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、フ
ェナントリル基などのアリール基;アリル基、ビニル
基、5−ヘキセニル基、などのアルケニル基;シクロペ
ンテニル基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニ
ル基;フェニルエチニル基等のアルキニル基;ピリジル
基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チアゾリ
ル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベン
ゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピロリ
ジル基などのヘテロ環基が挙げられる。これらの基上に
置換した置換基の例としては、R10、R20、R30で表わ
される基の他に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、(アルキルも
しくはアリール)アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、(アルキルまたはアリール)チオ基、カルボン
アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルフ
ァモイル基、ヒドロキシル基、スルホキシ基、スルホニ
ル基、カルボキシル基(カルボキシラートを含む)、ス
ルホン酸基(スルホナトートを含む)、シアノ基、オキ
シカルボニル基、アシル基等が挙げられる。Lで表わさ
れる基の例としては、m2 が1を表す時、R10、R20
30と同義の基が挙げられるが、この他にm2 が2以上
の整数を表す時、トリメチレン基、テトラメチレン基、
ヘキサメチレン基、ペンタメチレン基、オクタメチレン
基、ドデカメチレン基などのポリメチレン基、フェニレ
ン基、ビフェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン
基、トリメチレンメチル基、テトラメチレンメチル基な
どの多価アルキレン基、フェニレン−1,3,5−トル
イル基、フェニレン−1,2,4,5−テトライル基な
どの多価アリーレン基などが挙げられる。X4 n-で表わ
される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテートイ
オン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベンゾ
エートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−トル
エンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンスルホ
ネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネートイオ
ン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イ
オン等が挙げられる。一般式(F)において、R10、R
20、R30は好ましくは炭素数20以下の基であり、Qが
リン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に
好ましく、Qが窒素原子を表す時、炭素数15以下のア
ルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好ましい。
2 は1または2が好ましく、m2 が1を表わす時、L
は好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数15
以下のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基が
特に好ましい。m2 が2を表わす時、Lで表わされる2
価の有機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基、さらにこれらの基と−CO−基、
−O−基、−N(RN′)−基(RN′は水素原子また
はR10、R20、R30と同義の基を表わし、分子内に複数
のRN′が存在する時、これらは同じであっても異なっ
ていても良く、さらには互いに結合していても良い)、
−S−基、−SO−基、−SO2 −基を組み合わせて形
成される2価の基である。m2 が2を表わす時、Lはそ
の炭素原子でQ+ と結合する総炭素数20以下の2価の
基であることが好ましい。m2 が2以上の整数を表わす
時、分子内にR10、R20、R30はそれぞれ複数存在する
が、その複数のR10、R20、R30はそれぞれ同じであっ
ても異なっていても良い。X4 n-で表わされる対アニオ
ンとしては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオ
ン、スルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは
1または2が好ましい。本発明の一般式(F)で表わさ
れる化合物の多くのものは公知であり、試薬として市販
のものである。一般的合成法としては、Qがリン原子の
時、ホスフィン酸類をハロゲン化アルキル類、スルホン
酸エステルなどのアルキル化剤と反応させる方法:ある
いはホスホニウム塩類の対陰イオンを常法により交換す
る方法がある。またQが窒素原子の時、1級、2級、も
しくは3級のアミノ化合物をハロゲン化アルキル類、ス
ルホン酸エステル等のアルキル化剤と反応させる方法が
ある。一般式(F)で表わされる化合物の具体例を以下
に示す。但し、本発明は以下の化合物に限定されるもの
でなはい。
【0269】
【化57】
【0270】
【化58】
【0271】
【化59】
【0272】
【化60】
【0273】
【化61】
【0274】
【化62】
【0275】
【化63】
【0276】次に一般式(G)および一般式(H)につ
いて更に詳細に説明する。
【0277】
【化64】
【0278】式中、A3 、A4 、A5 、A6 は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表わし、炭素原子、
水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよ
く、更にベンゼン環が縮環してもかまわない。A3 、A
4 、A5 、A6 が形成する不飽和ヘテロ環の例として
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダ
ゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾト
リアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環、ピ
ラゾール環などを挙げることができる。特に好ましく
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環である。
B、Cで表わされる2価の基は、アルキレン、アリーレ
ン、アルケニレン、アルキニレン、−SO2 −、−SO
−、−O−、−S−、−N(RN)−、−C=O−、−
P=O−を単独または組合せて構成されるものが好まし
い。ただし、RNはアルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、水素原子を表わす。特に好ましい例として、B、
Cはアルキレン、アリーレン、−C=O−、−O−、−
S−、−N(RN)−を単独または組合せて構成される
ものを挙げることができる。R13、R14は炭素数1〜2
0のアルキル基が好ましく、各々同じでも異なっていて
もよい。アルキル基に置換基が置換してもよく、置換基
としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、置換あるいは無置換のアルキル基(例えば、メチ
ル基、ヒドロキシエチル基など)、置換あるいは無置換
のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、p−ク
ロロフェニル基など)、置換あるいは無置換のアシル基
(例えば、ベンゾイル基、p−ブロモベンゾイル基、ア
セチル基など)、(アルキルもしくはアリール)オキシ
カルボニル基、スルホ基(スルホナートを含む)、カル
ボキシ基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ基、
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基な
ど)、アリールオキシ基、カルボンアミド基、スルホン
アミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイ
ド基、チオウレイド基(アルキルもくしはアリール)ア
ミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基等が挙げられる。特に好ましくは、R13、R14
は各々炭素数1〜10のアルキル基である。好ましい置
換基の例として、カルバモイル基、オキシカルボニル
基、アシル基、アリール基、スルホ基(スルホナートを
含む)、カルボキシ基(カルボキシラートを含む)、ヒ
ドロキシ基を挙げることができる。A3 、A4 、A5
6 は4級化された窒素原子と共に形成する不飽和ヘテ
ロ環は、置換基を有していてもよい。この場合の置換基
の例としては、上記にR13、R14のアルキル基の置換基
として挙げた置換基から選ばれる。置換基として好まし
くは、炭素数0〜10のアリール基、アルキル基、カル
バモイル基、(アルキルもしくはアリール)アミノ基、
オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキシ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルホ基
(スルホナートを含む)、カルボキシ基(カルボキシラ
ートを含む)等が挙げられる。X4 n-で表わされる対ア
ニオンについては、一般式(F)と同じものであり、そ
の好ましい範囲もまた同じである。
【0279】本発明の化合物は、一般によく知られた方
法により容易に合成することができるが、以下の文献が
参考になる。(参照、Quart.Rev., 16, 163(1962).) 一般式(G)及び一般式(H)の具体的化合物を以下に
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0280】
【化65】
【0281】
【化66】
【0282】
【化67】
【0283】
【化68】
【0284】次に一般式(I)について更に詳細に説明
する。
【0285】
【化69】
【0286】Z2 を含む含窒素不飽和ヘテロ環は、窒素
原子の他に炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子を
含んでいてもよく、さらにベンゼン環が縮環していても
よく、また置換基を有していてもよい。形成されるヘテ
ロ環の例としては、一般式(G)および一般式(H)の
3 、A4 、A5 、A6 が形成する含窒素不飽和ヘテロ
環の例と同じものが挙げられる。好ましい範囲もまた同
じであり、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環が
好ましい。Z2 を含む含窒素不飽和ヘテロ環が置換基を
有する時、その置換の例は一般式(G)および一般式
(H)のA3 、A4 、A5 、A6 が形成する含窒素不飽
和ヘテロ環が有していてもよい置換基の例と同じものが
挙げられ、好ましい範囲もまた同じである。R15はアル
キル基またはアラルキル基を表すが、これらは炭素数1
〜20で、置換もしくは無置換で、さらに直鎖もしくは
分枝、或いは環状であってもよい。その置換基として
は、一般式(G)のR13、R14で表されるアルキル基が
有していてもよい置換基の例と同じものが挙げられ、好
ましい範囲もまた同じである。X4 n-で表われる対アニ
オンについては、一般式(F)と同じものであり、その
好ましい範囲もまた同じである。
【0287】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、一般によく知られた方法により容易に合成すること
ができるが、以下の文献が参考になる。(参照、Quart.
Rev.,16, 163(1962).) 次に本発明の一般式(I)で表される化合物の具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0288】
【化70】
【0289】
【化71】
【0290】造核促進剤として、本発明に好ましく用い
られるアミノ化合物としては、以下に示す化合物が用い
られる。
【0291】特開平7−84331号に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物。特開
平7−104426号に記載の一般式〔Na〕で表され
る化合物で、具体的には同公報16頁〜20頁に記載の
Na−1〜Na−22の化合物。特願平7−37817
号に記載の一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)お
よび一般式(7)で表される化合物で、具体的には同明
細書に記載の1−1〜1−19の化合物、2−1〜2−
22の化合物、3−1〜3−36の化合物、4−1〜4
−5の化合物、5−1〜5−41の化合物、6−1〜6
−58の化合物および7−1〜7−38の化合物。
【0292】本発明の造核促進剤は、適当な水混和性有
機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノー
ル、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに
溶解して用いることができる。また、既によく知られて
いる乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリク
レジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートある
いはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシ
クロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的
に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは
固体分散法として知られている方法によって、造核促進
剤の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるい
は超音波によって分散し用いることができる。
【0293】本発明の造核促進剤は、支持体に対してハ
ロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層あるいは他
の親水性コロイド層のどの層に添加してもよいが、該ハ
ロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイ
ド層に添加することが好ましい。本発明の造核促進剤添
加量はハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜2×10
-2モルが好ましく、1×10-5〜2×10-2モルがより
好ましく、2×10-5〜1×10-2モルが最も好まし
い。
【0294】更に超硬調システムにおいては、現像抑制
剤を放出するレドックス化合物を併用することができ
る。このレドックス化合物としては特開平2−293,
736号、同2−308,239号、特開平1−154
060号、同1−205885号等に記載の化合物を用
いることができる。その使用量はハロゲン化銀1モル当
り1×10-6〜5×10-2モル、特に1×10-5モル〜
1×10-2モルの範囲で用いるのが好ましい。
【0295】感光材料の写真乳剤層または他の親水性コ
ロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化
分散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現像促進、
硬調化、増感)等種々の目的で、種々の界面活性剤を含
んでもよい。例えばサポニン(ステロイド系)、アルキ
レンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類
又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル
類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレン
グリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリ
コールアルキルアミン又はアミド類、シリコーンのポリ
エチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体
(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキル
フェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸
エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性
界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナ
フタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、ア
ルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタ
ウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキル
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのよう
な、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル
基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミ
ノアルキル硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイ
ン類、アミノオキシド類などの両性界面活性剤;アルキ
ルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウ
ム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第
4級アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホ
スホニウム又はスルホニウム塩類などのカチオン界面活
性剤を用いることができる。
【0296】写真乳剤の結合剤または保護コロイドとし
ては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の
親水性コロイドも用いることができる。たとえばゼラチ
ン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース
硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸
ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N
−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラ
チンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチン
を用いてもよく、ゼラチン加水分解物、ゼラチン酵素分
解物も用いることができる。
【0297】乳剤層中又はその他へ親水性コロイド層中
に現像処理工程に於て流出するような有機物質を含有せ
しめることが特にX−レイ感材においては好ましい。流
失する物質がゼラチンの場合は硬膜剤によるゼラチンの
架橋反応にかかわらないゼラチン種が好ましく、たとえ
ばアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチンなどがこれに
該当し、分子量は小さいものが好ましい。一方、ゼラチ
ン以外の高分子物質としては米国特許第3,271,1
58号に記載されているようなポリアクリルアミド、あ
るいはまたポリビニールアルコール、ポリビニルピロリ
ドンなどの親水性ポリマーが有効に用いることができ、
デキストランやサッカロース、プルラン、などの糖類も
有効である。中でもポリアクリルアミドやデキストラン
が好ましく、ポリアクリルアミドは特に好ましい物質で
ある。これらの物質の平均分子量は好ましくは2万以
下、より好ましくは1万以下が良い。処理での流出量
は、ハロゲン化銀粒子以外の塗布された有機物質の総重
量の10%以上、50%以下が有効で、好ましくは15
%以上、30%以下消失することが好ましい。処理で流
出する有機物質を含有する層は乳剤層でも表面保護層で
もよいが、該有機物質の塗布総量が同一の場合は乳剤層
だけに含有させたものよりも、表面保護層と乳剤層に含
有させたほうが好ましく、さらに表面保護層のみに含有
させたほうが、より好ましい。乳剤層が多層構成の感材
では、該、有機物質の塗布総量が同一の場合、より表面
保護層に近い乳剤層に多く含有させたほうが好ましい。
【0298】帯電防止剤としては、特に特開昭62−1
09044号、同62−215272号に記載の含フッ
素界面活性剤あるいは重合体、特開昭60−76742
号、同60−80846号、同60−80848号、6
0−80839号、同60−76741号、同58−2
08743号、同62−172343号、同62−17
3459号、同62−215272号などに記載されて
いるノニオン系界面活性剤、あるいは又、特開昭57−
204540号、同62−215272号に記載されて
いる導電性ポリマー又はラテックス(ノニオン性、アニ
オン性、カチオン性、両性)を好ましく用いうる。又無
機系帯電防止剤としては、特開昭57−118242号
などに記載の導電性酸化スズ、酸化亜鉛又はこれらの金
属酸化物にアンチモン等をドープした複合酸化物を好ま
しく用いることができる。
【0299】マット剤として米国特許第2992101
号、同2701245号、同4142894号、同43
96706号に記載の如きポリメチルメタクリレートの
ホモポリマー又はメチルメタクリレートとメタクリル酸
とのコポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、
二酸化チタン、硫酸、ストロンチウムバリウム等の無機
化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとし
ては1.0〜10μm、特に2〜5μmであることが好
ましい。
【0300】ハロゲン化銀写真感光材料は、特定の波長
域の光を吸収させる目的、すなわちハレーションやイラ
ジエーションをしたり、フィルター層を設け写真乳剤層
に入射すべき光の分光組成を制御したりする目的で、写
真乳剤層またはその他の層に染料またはコロイド銀を添
加してもよい。直接医療用レントゲンフィルムのような
両面フィルムにおいては、クロスオーバーカットを目的
とする層を乳剤層の下に設けてもよい。この様な染料に
は、ピラゾロン核やバルビツール酸核を有するオキソノ
ール染料、アゾ染料、アゾメチン染料、アントラキノン
染料、アリーリデン染料、スチリル染料、トリアリール
メタン染料、メロシアニン染料、シアニン染料などが挙
げられる。染料について、さらに詳しく説明する。
【0301】この様な染料には、例えば英国特許第50
6,385号、同1,177,429号、同1,13
1,884号、同1,338,799号、同1,38
5,371号、同1,467,214号、同1,43
8,102号、同1,553,516号、特開昭48−
85130号、同49−114420号、同52−11
7123号、同55−161233号、同59−111
640号、特公昭39−22069号、同43−131
68号、同62−273527号、米国特許第3,24
7,127号、同3,469,985号、同4,07
8,933号等に記載されたピラゾロン核やバルビツー
ル核やバルビツール酸核を有するオキソノール染料、米
国特許第2,533,472号、同3,379,533
号、英国特許第1,278,621号、特開平1−13
4447号、同1−183652号等記載されたその他
のオキソノール染料、英国特許第575,691号、同
680,631号、同599,623号、同786,9
07号、同907,125号、同1,045,609
号、米国特許第4,255,326号、特開昭59−2
11043号等に記載されたアゾ染料、特開昭50−1
00116号、同54−118247号、英国特許第
2,014,598号、同750,031号等に記載さ
れたアゾメチン染料、米国特許第2,865,752号
に記載されたアントラキノン染料、米国特許第2,53
8,009号、同2,688,541号、同2,53
8,008号、英国特許第584,609号、同1,2
10,252号、特開昭50−40625号、同51−
3623号、同51−10927号、同54−1182
47号、特公昭48−3286号、同59−37303
号、欧州特許第280252号等に記載されたアリーリ
デン染料、特公昭28−3082号、同44−1659
4号、同59−28898号等に記載されたスチリル染
料、英国特許第446,538号、同1,335,42
2号、特開昭59−228250号等に記載されたトリ
アリールメタン染料、英国特許第1,075,653
号、同1,153,341号、同1,284,730
号、同1,475,228号、同1,542,807号
等に記載されたメロシアニン色素、米国特許第2,84
3,486号、同3,294,539号、特開昭62−
123454号、特開平1−291247号等に記載さ
れたシアニン染料などが挙げられる。
【0302】これらの染料の拡散を防ぐために、以下の
方法が挙げられる。例えば、染料にバラスト基を入れて
耐拡散性にする。また、例えば解離したアニオン染料と
反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共
存させ、染料分子との相互作用によって染料を特定層中
に局在化させる方法が、米国特許2,548,564
号、同4,124,386号、同3,625,694号
等に開示されている。このような親水性ポリマーとして
はアニオン変換ポリマーが好ましい。アニオン変換ポリ
マーとしては既知の各種の四級アンモニウム塩(又はホ
スホニウム塩)ポリマーが使える。四級アンモニウム塩
(又はホスホニウム塩)ポリマーは、媒染剤ポリマーや
帯電防止剤ポリマーとして広く次にあげる刊行物などで
知られている。特開昭59−166940、米国特許第
3,958,995、特開昭55−142339、特開
昭54−126027、特開昭54−155835、特
開昭53−30328、特開昭54−92274に記載
されている水分散ラテックス;米国特許第2,548,
564、同3,148,061、同3,756,814
に記載のポリビニルピリジニウム塩;米国特許第3,7
09,690に記載の水溶性四級アンモニウム塩ポリマ
ー;米国特許第3,898,088に記載の水不溶性四
級アンモニウム塩ポリマーなどがあげられる。さらに所
望の層から他の層にまたは処理液中に移動し、写真的に
好ましからざる影響を及ぼさないため、エチレン性不飽
和基を少くとも2以上(好ましくは2〜4)有するモノ
マーを共重合させ、架橋された水性ポリマーラテックス
にして用いることが特に好ましい。
【0303】さらに、水に不溶性の染料固体を用いて特
定層を染色する方法が、特開昭56−12639号、同
55−155350号、同55−155351号、同6
3−27838号、同63−197943号、特開平2
−297543号、同3−167546号、同4−12
7143号、欧州特許第15,601号、国際特許WO
88/04794号等に開示されている。また、染料が
吸着した金属塩微粒子を用いて特定層を染色する方法が
米国特許第2,719,088号、同2,496,84
1号、同2,496,843号、特開昭60−4523
7号等に開示されている。
【0304】感光材料には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止しあるいは写真性
能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させるこ
とができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾ
リウム塩、ニトロインダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトテ
トラゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンゾチアゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミ
ノトリアゾール類、ベンゾチアゾール類、ニトロベンゾ
トリアゾール類、など;メルカプトピリミジン類;メル
カプトトリアジン類;たとえばオキサゾリンチオンのよ
うなチオケト化合物;アザインデン類、たとえばトリア
ザインデン類、テトラアザイデン類(特に4−ヒドロキ
シ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、
ペンタアザインデン類など;ベンゼンチオスルフォン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミ
ド等のようなカブリ防止剤または安定剤として知られた
多くの化合物を加えることができる。これらのものの中
で、好ましくはベンゾトリアゾール(例えば、5−メチ
ル−ベンゾトリアゾール)及びニトロインダゾール類
(例えば5−ニトロインダゾール)である。また、これ
らの化合物を処理液に含有させてもよい。さらに特開昭
62−30243に記載の現像中に抑制剤を放出するよ
うな化合物を、安定剤あるいは黒ポツ防止の目的で含有
させることができる。
【0305】写真感光材料には安定剤、促進剤等種々の
目的でハイドロキノン誘導体、フェニドン誘導体などの
現像主薬を含有することができる。写真感光材料には、
写真乳剤層その他の親水性コロイド層に無機または有機
の硬膜剤を含有してよい。例えばクロム塩(クロムミヨ
ウバン、酢酸クロムなど)、アルデヒド類、(ホルムア
ルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロー
ル化合物(ジメチロール尿素など)、ジオキサン誘導
体、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル
−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3−ビニルスル
ホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
など)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、など
を単独または組み合わせて用いることができる。
【0306】写真感光材料には、写真乳剤層その他の親
水性コロイド層に現像時画像の濃度に対応して、現像抑
制剤を放出するハイドロキノン誘導体(いわゆる、DI
R−ハイドロキノン)を含有してもよい。それらの具体
例は米国特許第3,379,529号、米国特許第3,
620,746号、米国特許第4,377,634号、
米国特許第4,332,878号、特開昭49−12
9,536号、特開昭54−67,419号、特開昭5
6−153,336号、特開昭56−153,342
号、特開昭59−278,853号、同59−9043
5号、同59−90436号、同59−138808号
などに記載の化合物を挙げることができる。
【0307】感光材料には寸度安定性の目的で水不溶ま
たは難溶性合成ポリマーの分散物を含むことができる。
たとえばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシア
クリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、などの単独もしくは組合わせ、またはこれら
とアクリル酸、メタアクリル酸、などの組合せを単量体
成分とするポリマーを用いることができる。
【0308】写真感光材料のハロゲン化銀乳剤層及びそ
の他の層には酸基を有する化合物を含有することが好ま
しい。酸基を有する化合物としてはサリチル酸、酢酸、
アスコルビン酸等の有機酸及びアクリル酸、マレイン
酸、フタル酸の如き酸モノマーをくり返し単位として有
するポリマー又はコポリマーを挙げることができる。こ
れらの化合物に関しては特開昭61−223834号、
同61−228437号、同62−25745号、及び
同62−55642号明細書の記録を参考にすることが
できる。これらの化合物の中でも特に好ましいのは、低
分子化合物としてはアスルコルビン酸であり、高分子化
合物としてはアクリル酸の如き酸モノマーとジビニルベ
ンゼンの如き2個以上の不飽和基を有する架橋性モノマ
ーからなるコポリマーの水分散性ラテックスである。
【0309】この様にして製造されたハロゲン化銀乳剤
はセルロースアセテートフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどの支持体にディップ法、エアーナ
イフ法、ビード法、エクストルージョンドクター法、両
面塗布法などによって塗布乾燥される。
【0310】感光材料に用いられる支持体には、α−オ
レフィンポリマ−(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネ−トした
紙、合成紙の可撓性支持体、金属などが含まれる。中で
も、ポリエチレンテレフタレ−トが特に好ましい。本発
明に用いることので切る下引き層としては特開昭9−3
972号記載のポリヒドロキシベンゼン類和含む有機溶
剤系での下引き加工層、特開昭49−11118号、同
52−10491号等に記載の水系ラテックス下引き加
工層が挙げられる。又、該下引き層は通常、表面を科学
的ないし物理的に処理することができる。該処理として
は薬品処理、機械委処理、コロナ放電処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。
【0311】本発明はまたカラー感光材料にも利用でき
る。この場合には種々のカラーカプラーを使用すること
ができる。ここでカラーカプラーとは、芳香族第一級ア
ミン現像薬の酸化体とカップリング反応して色素を生成
しうる化合物をいう。有用なカラーカプラーの典型例に
は、ナフトールもしくはフェノール系化合物、ピラゾロ
ンもしくはピラゾロアゾール系化合物および開鎖もしく
は複素環のケトメチレン化合物がある。本発明で使用し
うるこれらのシアン、マゼンタおよびイエローカプラー
の具体例はリサーチ・ディスクロージャー(RD)17
643(1978年12月)VII −D項および同187
17(1979年11月)に引用された特許に記載され
ている。
【0312】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては、特に制限はなく、例えば下記箇所に記載さ
れたものを好ましく用いることができる。
【0313】特開平3−39948号公報第10頁右下
11行目から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒ
ドロキシベンゼン化合物。具体的には、同公報に記載の
化合物(III) −1〜25の化合物。
【0314】特開平1−118832号公報に記載の一
般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持
たない化合物。具体的には、同公報に記載の化合物I−
1〜I−26の化合物。
【0315】特開平2−103536号公報第17頁右
下19行目から同公報18頁右上4行目に記載のかぶり
防止剤。
【0316】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。
【0317】特開平2−103536号公報第19頁左
上15行目から同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤。
【0318】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤。
【0319】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物。
【0320】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物。
【0321】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料。
【0322】特開平2−294638号公報及び特願平
3−185773号に記載の固体分散染料。
【0323】特開平2−12236号公報第9頁右上7
行目から同頁右下3行目に記載の界面活性剤。特開平2
−103536号公報第18頁左下4行目から同頁左下
7行目に記載のPEG系界面活性剤。特開平3−399
48号公報第12頁左下6行目から同公報第13頁右下
5行目に記載の含弗素界面活性剤。具体的には、同公報
に記載の化合物VI−1〜VI−15の化合物。特開平5−
274816号公報に記載の酸化されることにより現像
抑制剤を放出しうるレドックス化合物。好ましくは同公
報に記載の一般式(R−1)、一般式(R−2)、一般
式(R−3)で表されるレドックス化合物。具体的に
は、同公報に記載の化合物R−1〜R−68の化合物。
【0324】特開平2−18542号公報第3頁右下1
行目から20行目に記載のバインダー。
【0325】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフィルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。
【0326】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0327】グラフィックアーツ用感光材料での実施例
を以下に示す。 性能評価用ハロゲン化銀感光材料の作製 感光材料−1(Arレーザー露光用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤A〕硝酸銀水溶液と、臭化カリウムと塩化ナトリ
ウムと銀1モル当たり3.5×10-7モルに相当する K
3IrCl6と2.0×10-7モルに相当する K2Rh(H2O)Cl5
を含むハロゲン塩水溶液、塩化ナトリウムと1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジンチオンを含有するゼラチン
水溶液に、攪拌しながらダブルジェット法により添加
し、平均粒子サイズ0.25μm、塩化銀含有率70モ
ル%の塩臭化銀粒子を調製した。
【0328】その後、常法に従って、フロキュレーショ
ン法により水洗し、銀1モル当たりゼラチン40gを加
え、更に銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム7mgとベンゼンスルフィン酸2mgを加えた後、pH
6.0、pAg7.5に調整し、銀1モル当たりセレン
増感剤(Se−1)1mg、チオ硫酸ナトリウム1mg、及
び、塩化金酸4mgを加えて60℃で最適感度になるよう
に化学増感した。その後、安定剤として4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
150mgを加え、更に、防腐剤としてプロキセル100
mgを加えた。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.25
μm、塩化銀含有率70モル%の塩臭化銀立方体粒子で
あった。(変動係数10%)
【0329】
【化72】
【0330】<塗布試料の作製>塩化ビニリデン共重合
体からなる下塗層(0.5μm)を有するポリエチレン
テレフタレートフィルム(150μm)支持体上に、支
持体側から、UL、EM、ML、PCの層構成になる様
に、塗布し試料を作成した。以下に各層の調製方法及び
塗布量を示す。各塗布液は、ポリスチレンスルホン酸ナ
トリウムにより、適度な粘度に調整して塗布した。
【0331】(UL)ゼラチンに水を加え40℃で溶解
した後に、化合物(W)を15mg/m2となる様に添加
し、更にゼラチンに対して70wt%のラテックスコポリ
マー(ブチルアクリレート;アクリル酸;2−アセトア
セトキシエチルメタクリレート=80:4:16wt
比)、ゼラチンに対して3.0wt%の化合物(B)を添
加して、ゼラチン0.3g/m2になるように塗布した。
【0332】(EM)前記乳剤−Aを40℃で溶解した
後に、増感色素(S−1) を4.5×10-4モル/モル
Ag、増感色素(S−2)1.5×10-4モル/モルA
g、KBr4.5×10-3モル/モルAg、化合物
(A)9.0×10-4モル/モルAg、化合物(C)
3.2×10-4モル/モルAg、化合物(D)7.0×
10-4モル/モルAg、酢酸7.0×10-3モル/モル
Ag、ハイドロキノン9.7×10-3モル/モルAg、
前記ヒドラジン化合物E−2b 1.4×10-4モル/
モルAg、前記造核促進剤F−12 2.6×10-4
ル/モルAg、更に、ゼラチンに対して15wt%のポリ
エチルアクリレートラテックス、ゼラチンに対して15
wt%のラテックスコポリマー(ブチルアクリレート;ア
クリル酸;2−アセトアセトキシエチルメタクリレート
=80:4:16)、ゼラチンに対して4wt%の化合物
(B)を添加してAg3.2g/m2となる様に塗布し
た。
【0333】(ML)ゼラチン溶液に、化合物(E)7
mg/m2、ゼラチンに対して15wt%のポリエチルアク
リレート、ゼラチンに対して3.5wt%の化合物
(B)を添加して、ゼラチンが0.5g/m2となる様に
して塗布した。
【0334】(PC)ゼラチン溶液に、平均粒子サイズ
3.5μmの不定形なSiO2 マット剤40mg/m2、シ
リコーンオイル20mg/m2および塗布助剤として化合物
(F)5mg/m2、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム25mg/m2及び化合物(G)20mg/m2を添加して塗
布した。ゼラチンは、0.3g/m2であった。
【0335】
【化73】
【0336】
【化74】
【0337】またバック層およびバック保護層は次に示
す処方にて塗布した。 〔バック層処方〕 ゼラチン 3 g/m2 ラテックス ポリエチルアクリレート 2 g/m2 界面活性剤 P-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40mg/m2 化合物〔B〕 110mg/m2 SnO2/Sb(重量比90/10、平均粒径0.20μm) 200mg/m2 染料 染料〔a〕、染料〔b〕、染料〔c〕の混合物 染料〔a〕 70mg/m2 染料〔b〕 100mg/m2 染料〔c〕 50mg/m2
【0338】
【化75】
【0339】 〔バック保護層〕 ゼラチン 0.8mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5 μm) 30mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15mg/m2 酢酸ナトリウム 40mg/m2
【0340】<写真性能評価用露光試料の作成>488
nmピークをもつ干渉フィルター及びステップウェッジを
介して、発光時間10-6 secのキセノンフラッシュ光で
露光を行った。 <写真性能評価> 1.S1.5 (感度) −log(O、D1.5 を与えるに必要な露光量の逆数)
の相対値で示した。数値が大きいほど感度が高いことを
意味する。 2.γ(階調) γ=光学濃度(3.0−0.3)÷△log E 式中△log Eは、O、D3.0を与えるのに必要な露光
量(log E3.0)とO、D0.3を与えるのに必要な
露光量(log E0.3)の差を意味する。 3.D0510(Dm) 濃度0.5を与える露光量からlogEで1.0露光量を増
やしたところの濃度の値で示した。 感光材料−2(He/Ne、LDレーザー露光用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤B〕38℃、pH4.5に保たれた下記の1液に
2液と3液を攪拌しながら、同時に24分間にわたって
加え、0.18μmの粒子を形成した。続いて下記の4
液、5液を8分間にわたって加え、ヨウ化カリウム0.
15gを加えて粒子形成を終了した。その後、常法に従
って、フロキュレーション法により水洗し、銀1モル当
たりゼラチンを加えた後、pH5.2、pAg7.5に
調整し、銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム4mgとN,
N−ジメチルセレノ尿素2mgと塩化金酸10mg、及び、
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム4mgとベンゼンスル
フィン酸1mgを添加し、55℃にて最適感度となる様に
化学増感した。更に、安定剤として4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン50
mg、防腐剤としてフェノキシエタノールを100ppm
になるように添加し、最終的に塩化銀含有率70モル
%、平均粒子サイズ0.20μmの沃塩臭化銀立方体粒
子を得た。(変動係数9%)
【0341】 <1液> 水 1.0 リットル ゼラチン 20 g 塩化ナトリウム 2 g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20 mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 3 mg <2液> 水 600 ml 硝酸銀 150 g <3液> 水 600 ml 塩化ナトリウム 45 g 臭化カリウム 21 g K3 IrCl6 (0.001%水溶液) 15 ml (NH4)3 RhBr6 (0.001%水溶液) 1.5 ml <4液> 水 200 ml 硝酸銀 50 g <5液> 水 200 ml 塩化ナトリウム 15 g 臭化カリウム 7 g K4 Fe(CN)6 30 mg
【0342】<塗布試料の作製>Arレーザー露光用試
料のEM層を下記の様に変更した他は、Arレーザー用
試料と同様にして作製した。 (EM)前記乳剤−Bをゼラチンと共に40℃で溶解し
た後に、KBr3.6×10-3モル/モルAg、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデン7.6×10-4モル/モルAg、増感色素(S
−3)2.5×10-4モル/モルAg、又は増感色素
(S−4)3.3×10-5モル/モルAg、前記ヒドラ
ジン化合物E−2b 2.0×10-4モル/モルAg、
前記造核促進剤F−12 5.7×10-4モル/モルA
g、化合物(H)2.5×10-4モル/モルAg、化合
物(C)5.0×10-4モル/モルAg、化合物(D)
1.6×10-3モル/モルAg、ゼラチンに対して15
wt%のコロイダルシリカ、更にゼラチンに対して15
wt%のポリエチルアクリレートラテックス、ゼラチン
に対して20wt%のラテックスコポリマー(ブチルア
クリレート;アクリル酸;2−アセトアセトキシエチル
メタクリレート=80:4:16)、及びゼラチンに対
して4wt%の化合物(B)を添加して、Ag3.5g
/m2となる様にして塗布した。化合物(B)、(C)、
(D)は、感光材料−1と同じ物である。
【0343】
【化76】
【0344】<写真性能評価用露光試料の作成>633
nm又は670nmにピークをもつ干渉フィルター及びステ
ップウェッジを介して、発光時間10-6 secのキセノン
フラッシュ光で露光を行なった。 <写真性能評価>Arレーザー用感材と同様にγ、D05
10で評価した。
【0345】感光材料−3(カメラ撮影用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤C〕硝酸銀64gを溶解した硝酸銀水溶液250
mlと、完成乳剤の銀1モル当たり2.0×10-7モルに
相当する K3IrCl6と1.0×10-7モルに相当する K2R
h(H2O)Cl5 を含む臭化カリウム20gと塩化ナトリウム
14gを溶解したハロゲン塩水溶液250mlを、塩化ナ
トリウム(0.3%)と1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジンチオン(0.002%)とクエン酸(0.05
%)を含有する2%ゼラチン水溶液に、攪拌しながら3
8℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均粒
子サイズ0.16μm、塩化銀含有率55モル%の塩臭
化銀粒子を得ることにより核形成を行った。続いて、硝
酸銀106gを溶解した硝酸銀水溶液300mlと臭化カ
リウム28gと塩化ナトリウム26gを溶解したハロゲ
ン塩水溶液300mlをダブルジェット法により12分間
かけて添加し粒子形成を行った。
【0346】その後、銀1モル当たり1.0×10-3
ルのKIを加えてコンバージョンを行い、常法に従って
フロキュレーション法により水洗した。そして、銀1モ
ル当たりゼラチン40gを加え、pH6.0、pAg
7.5に調整した後、銀1モル当たりベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム3mg、ベンゼンスルフィン酸1mg、チ
オ硫酸ナトリウム2mg、セレン増感剤(Se−2)2m
g、及び、塩化金酸8mgを加えて60℃で70分間加熱
し化学増感した。その後、安定剤として4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
150mg及び防腐剤としてプロキセル100mgを加えた
後、増感色素(S−5)400mgを添加し、10分後降
温した。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.22μ
m、塩化銀含有率60モル%の沃塩臭化銀立方体粒子で
あった。(変動係数10%)
【0347】
【化77】
【0348】<塗布試料の作製>両面が塩化ビニリデン
を含む防湿下塗りからなるポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、該支持体側から、Em(銀量2.7g/
m2、ゼラチン1.3g/m2)、PCU(ゼラチン0.5
g/m2)、PCO(ゼラチン0.4g/m2)となる様に
塗布した。得られた試料の乳剤面の膜面pHは5.8で
あった。
【0349】(EM)前記乳剤−Cを溶解した後に、銀
1モル当たり、2×10-4モルの下記構造式(a)で表
される短波シアニン色素、5×10-3モルの臭化カリウ
ム、2×10-4モルの1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール、2×10-4モルの下記構造式(b)で表さ
れるメルカプト化合物、3×10-4モルの下記構造式
(c)で表されるトリアジン化合物、3×10-4モルの
前記ヒドラジン化合物例E−1b、4.4×10-4モル
の前記化合物例F−12で表わされる造核促進剤を添加
し、さらに、ハイドロキノン100mg/m2、p−ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10mg/m2、コロイダ
ルシリカ(日産化学製スノーテックスC)150mg/
m2、ポリエチルアクリレートの分散物500mg/m2
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
80mg/m2塗布されるように加え乳剤層塗布液を調製し
た。塗布液のpHは5.6に調整した。
【0350】(PCU)防腐剤としてプロキセルを含む
ゼラチン溶液に(d)で表される化合物を10mg/m2
(e)で表される化合物を100mg/m2、ポリエチルア
クリレートの分散物を300mg/m2塗布されるように添
加し、調製した。
【0351】(PCO)防腐剤としてプロキセルを含む
ゼラチン溶液に(d)で表される化合物を10mg/m2
(e)で表される化合物を100mg/m2、ポリエチルア
クリレートの分散物を300mg/m2塗布されるように添
加し、さらに、防腐剤としてプロキセルを含むゼラチン
溶液に、平均粒子サイズ約3.5μの不定形なSiO2
マット剤50mg/m2、コロイダルシリカ(日産化学製ス
ノーテックスC)100mg/m2、流動パラフィン30mg
/m2、塗布助剤として下記構造式(f)で表されるフッ
素界面活性剤5mg/m2とp−ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム塩30mg/m2塗布されるように添加し調製
した。
【0352】
【化78】
【0353】またバック層は、次に示す処方にて塗布し
た。 (BC層) ゼラチン 1.5 g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 30 mg/m2 ゼラチン硬化剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン 100 mg/m2 染料 下記染料(g)、(h)、(i)、(j)の混合物 染料(g) 50 mg/m2 染料(h) 100 mg/m2 染料(i) 30 mg/m2 染料(j) 50 mg/m2 プロキセル 1 mg/m2
【0354】
【化79】
【0355】 (OC層) ゼラチン 1.5 g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μ) 20 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 15 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15 mg/m2 酢酸ナトリウム 50 mg/m2 プロキセル 1 mg/m2
【0356】<写真性能評価用露光試料の作成>タング
ステン感光計を用い色温度3200°Kのフィルター及
びステップウェッジを介して露光を行なった。 <写真性能評価>Arレーザー用感材と同様にγ、D05
10で評価した。
【0357】感光材料−4(返し用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 乳剤−D 30℃に保った塩化ナトリウム及び銀1モル当たり3×
10-5モルのベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、5×
10-3モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラアザインデンを含むpH2.0の1.5
%ゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液と銀1モル当たり
4.0×10-5モルの K2Ru(NO)Cl5を含む塩化ナトリウ
ム水溶液をダブルジェット法により電位95mvにおい
て3分30秒間で最終粒子の銀量の半分を同時添加し、
芯部の粒子0.10μmを調整した。その後、硝酸銀水
溶液と銀1モル当たり4.0×10-5モルの K2Ru(NO)C
l5を含む塩化ナトリウム水溶液を前述と同様に7分間で
添加し、平均粒子サイズ0.13μmの塩化銀粒子を調
製した。(変動係数13%)
【0358】その後、当業界でよく知られたフロキュレ
ーション法により水洗し、可溶性塩を除去した後ゼラチ
ンを加え、防腐剤としてプロキセルを銀1モル当たり6
0mg加えた後、pH5.7、pAg7.5に調整し、更
に銀1モル当たり2×10-5モルのチオ硫酸ナトリウ
ム、1×10-5モルのセレン増感剤(Se−2)、及
び、4×10-5モルの塩化金酸を加えて65℃で60分
間加熱し化学増感した。その後、安定剤として4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザイ
ンデンを銀1モル当たり1×10-3モル添加した。最終
粒子として、pH5.7、pAg7.5、Ru4×10
-5モル/Agモルとなった。
【0359】<塗布試料の作製> (支持体・下塗層)二軸延伸したポリエチレンテレフタ
レート支持体(厚味100μm)の両面の下記組成の下
塗層第1層及び第2層を塗布した。 <下塗層1層> コアーシェル型塩化ビニリデン共重合体 15 g 2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25 g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μ) 0.05 g 化合物−O 0.20 g コロイダルシリカ(スノーテックスZL:粒径70〜 100μm日産化学(株)製) 0.12 g 水を加えて 100g さらに、10重量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.
9μになる様に塗布した。
【0360】 <下塗層第2層> ゼラチン 1 g メチルセルロース 0.05 g 化合物−P 0.02 g C12H25O(CH2CH2O)10H 0.03 g 化合物−A 3.5×10-3g 酢酸 0.2 g 水を加えて 100 g この塗布液を乾燥温度170℃2分間で、乾燥膜厚が
0.1μになる様に塗布し、下塗層を含む支持体を作製
した。
【0361】
【化80】
【0362】上記支持体上に支持体側からEM、PC、
OCの順になる様に同時重層塗布した。以下に各層の調
製、方法とその塗布量を示す。
【0363】(EM)乳剤−Dに下記化合物を添加し、
下塗層を含む下記支持体上にゼラチン塗布量が0.9g
/m2、塗布銀量が2.7g/m2となるようにハロゲン化
銀乳剤層を塗布した。 1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール 1 mg/m2 N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 10 mg/m2 化合物−B 10 mg/m2 化合物−C 8 mg/m2 化合物−D 15 mg/m2 n−ブチルアクリレート/2−アセトアセトキシエチル メタクリレート/アクリル酸共重合体(89/8 /3) 760 mg/m2 化合物−E(硬膜剤) 105 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 57 mg/m2 前記のヒドラジン化合物例E−10e 3×10-5mol /m2 前記の造核促進剤G−14 3×10-5mol /m2
【0364】(PC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が0.6g/m2となるように塗布
した。 ゼラチン(Ca++含有量 2700ppm) 0.6 g/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 6 mg/m2 化合物−A 1 mg/m2 化合物−F 14 mg/m2 n−ブチルアクリレート/2−アセトアセトキシエチル メタクリレート/アクリル酸共重合体(89/8 /3) 250 mg/m2
【0365】(OC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が0.45g/m2となるように塗
布した。 ゼラチン(Ca++含有量 2700ppm) 0.45 g/m2 不定形シリカマット剤 40 mg/m2 (平均粒径3.5μ、細孔直径25Å、表面積700m2/g) 不定形シリカマット剤 10 mg/m2 (平均粒径2.5μ、細孔直径170Å、表面積300m2/g) N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリ シンポタジウム 5 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 30 mg/m2 化合物−A 1 mg/m2 流動パラフィン 40 mg/m2 固体分散染料−G1 30 mg/m2 固体分散染料−G2 150 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 4 mg/m2
【0366】
【化81】
【0367】ついで、支持体の反対側の面に、下記に示
す導電層及びバック層(BC)を同時塗布した。 (導電層)ゼラチン水溶液に下記化合物を添加し、ゼラ
チン塗布量が0.06g/m2となるように塗布した。 SnO2/Sb(9/1 重量比、平均粒径0.25μ) 186 mg/m2 ゼラチン(Ca++含有量3000ppm) 60 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 13 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 12 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10 mg/m2 化合物−A 1 mg/m2
【0368】(BC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が1.94g/m2となるように塗
布した。 ゼラチン(Ca++含有量30ppm) 1.94 g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μ) 15 mg/m2 化合物−J 140 mg/m2 化合物−K 140 mg/m2 化合物−L 30 mg/m2 化合物−M 40 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 7 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 29 mg/m2 化合物−N 5 mg/m2 N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピル グリシンポタジウム 5 mg/m2 硫酸ナトリウム 150 mg/m2 酢酸ナトリウム 40 mg/m2 化合物−E(硬膜剤) 105 mg/m2
【0369】
【化82】
【0370】<写真性能評価用露光試料の作成>得られ
た試料を大日本スクリーン(株)社製、明室プリンター
P−627FMを用い、ステップウェッジを介して露光
した。 <写真性能評価>Arレーザー用感材の評価と同様に
γ、D0510で評価した。
【0371】本発明に用いた現像液及び定着液処方を下
記に示す。 現像液1 水 700 ml KOH 55.1g Na2 2 5 69.1g ジエチレントリアミン−5酢酸 2.0g K2 CO3 61.5g 5−メチル−ベンゾトリアゾール 0.35g 化合物−1 0.288g 化合物−2 0.10g エリソルビン酸ナトリウム 3.08g ジエチレングリコール 5.0g KBr 6.6g ハイドロキノン 23.3g * モノール 7.5g pH(NaOH又は酢酸で調整) 9.7 up−to(H2 O) 1リットル * モノール;N−メチル−パラ−アミノフェノール・1/2 硫酸塩
【0372】
【化83】
【0373】 <定着液処方> 定着液A チオ硫酸アンモニウム 359.1 g エチレンジアミン4酢酸・2Na,2水塩 0.09 g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 32.8 g 亜硫酸ナトリウム 75.0 g 水酸化ナトリウム 37.2 g 氷酢酸 87.3 g 酒石酸 8.76 g グルコン酸ナトリウム 6.6 g 硫酸アルミニウム 25.3 g pH(硫酸又は水酸化ナトリウムで調整) 5.05 up−to(水) 1 リットル 上記の液1リットルに対して水を2リットル加えて使用
した。
【0374】<定着液B>下記の固形剤と液剤を水を加
えて10リットルとする様にして使用液とした。定着液
は、下記処方を固形剤部分と液剤部分共に高密度ポリエ
チレン製(肉厚平均=500μm 、巾としては200〜
1000μm )の容器に充填したものを用いた。溶解後
の液量が10リットルとし、pH=4.85であった。
【0375】 <固形剤パート> チオ硫酸アンモニウム 1200 g チオ硫酸ナトリウム 150 g 酢酸ナトリウム 400 g メタ重亜硫酸ナトリウム 200 g <液剤パート> 硫酸アルミニウム(27%) 300 g 硫酸(75%) 30 g グルコン酸ナトリウム 20 g EDTA 0.3 g クエン酸 40 g 固形剤パートは混合して充填されている。
【0376】実施例−1 前記現像液−1のモノールを本発明の一般式(A)もし
くは(B)の化合物と等モル入替えた他は、現像液−1
と全く同様にして、現像液を調製した。使用した一般式
(A)もしくは(B)の化合物は、表−37に示す通り
である。前記の感光材料−1をこれらの現像液で現像処
理を行なった。現像処理は、FG−710S自動現像機
(富士写真フイルム(株)社製)を用いて行ない、現像
35℃11秒及び35℃30秒で行ない、次いで定着、
水洗、乾燥を連続して行なった。定着液は、前記の定着
液Aを用いて行なった。結果を表37に示す。
【0377】
【表37】
【0378】表37の結果から、本発明の処理では、い
ずれも初期現像が速く、かつ、十分な超硬調な性能が得
られる。
【0379】実施例−2 前記感光材料−2及び、感光材料−3を実施例−1の処
理液を用いて、同様に現像処理を行なった結果、実施例
−1と同様に、本発明では初期現像が速く、かつ、超硬
調な性能が得られた。
【0380】実施例−3 前記感光材料−4を実施例−1の処理液を用いて、実施
例−1と同じ自動現像機を用いて、38℃11秒及び3
8℃20秒の現像時間で処理し、次いで連続して定着、
水洗、乾燥を行なった。その結果、返し感材の処理にお
いても、本発明の現像液処理では、初期現像が速く、か
つ、超硬調な性能が得られることが確認された。
【0381】実施例−4 実施例−1の定着液Aを定着液Bに替えて処理したとこ
ろ、実施例−1と同様の結果が得られた。
【0382】次にエリソルビン酸ナトリウムを現像主薬
に用いた現像液処方を下記に示す。 現像液2 水 700 ml 水酸化ナトリウム 2.5g ジエチレントリアミン−5酢酸 4.0g 炭酸ナトリウム・一水塩 51.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g エリソルビン酸ナトリウム 40.0g * モノール 7.5g 臭化カリウム 2.0g 化合物(X) 0.075g ジエチレングリコール 25.0g 化合物(Y) 0.72g 酢酸(90%) 10ml pH(NaOH又は酢酸で調整) 9.7 up−to(H2 O) 1リットル * モノール;N−メチル−p−アミノフェノール・1/2 硫酸塩
【0383】
【化84】
【0384】実施例−5 前記現像液−2のモノールを本発明の一般式(A)もし
くは(B)の化合物と等モル入替えた他は、現像液−2
と全く同様にして、現像液を調製した。使用した一般式
(A)もしくは(B)の化合物は、表−38に示す通り
である。前記の感光材料−1をこれらの現像液で現像処
理を行なった。現像処理は、FG−710S自動現像機
(富士写真フイルム(株)社製)を用いて行ない、現像
35℃11秒及び35℃30秒で行ない、次いで定着、
水洗、乾燥を連続して行なった。定着液は、前記の定着
液Aを用いて行なった。結果を表38に示す。
【0385】
【表38】
【0386】表38の結果から、本発明の処理において
も、いずれも初期現像が速く、かつ、十分な超硬調な性
能が得られる。
【0387】実施例−6 処理液−2のエリソルビン酸ナトリウムを本発明の化合
物C−6、C−7:C−19、C−23、C−37及び
C−43に等モルで入れ替え、また、モノールを本発明
の一般式(A)もしくは(B)で表される化合物に入れ
替えた処理液を調製し、感光材料−1〜感光材料−4を
現像処理した結果、前記実施例−5と同様の結果が得ら
れた。
【0388】次にX−レイ用感光材料での実施例を以下
に示す。 {100}AgCl平板乳剤Aの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582μm (ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl10gを含む)を13ml入れ、温度を40
℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO3
20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(酸化処理ゼラチン11.3g、NaCl 1.3
g、pHを5.5に調整するためにNaOH1N液を含
む)を加え、pClを1.8とした後、温度を75℃に
昇温し、pClを1.8とした後10分間熟成した。そ
の後、ジスルフィド化合物Aをハロゲン化銀1モルあた
り1×10-4モル添加し、さらにAgCl微粒子乳剤
(平均粒子直径0.1μm )を2.68×10-2モル/
分のAgClの添加速度で20分添加した。添加後10
分間熟成した後、沈降剤を加え、温度を35℃に下げ、
沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH
6.0に調節した。
【0389】
【化85】
【0390】該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真
像(以下TEMと記す)を観察した。得られた乳剤は、
銀を基準としてAgBrを0.44モル%含む高塩化銀
{100}平板粒子であった。該粒子の形状特性値は下
記のようであった。 (アスペクト比1より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0391】(111)AgCl平板乳剤Bの調製 塩化銀平板粒子を以下のように調製した。
【0392】
【化86】
【0393】
【0394】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて一定添加速度
で同時に加え、溶液の温度を15分間かけて70℃に上
昇させた。この時点で全銀量の約5.7%に相当する粒
子が形成された。次に、溶液(4)と溶液(5)を24
分間かけて一定添加速度同時に加え、さらに溶液(6)
と溶液(7)を40分間かけてpCl=1.0になるよ
うに硝酸銀溶液の添加速度を一定にし、コントロールダ
ブルジェット法にて成長を行ない、塩化銀平板乳剤が得
られた 乳剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラチン30gと
2 Oを加え、さらにフェノキシエタノール2.0g及
び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.
8gを添加し、苛性ソーダでpH6.0になるように再
分散した。こうして得られた乳剤は、a1 =90%、a
3 =1.55μm 、a4 =0.18μm 、a2 =8.
6、円相当投影面積径の変動係数19%の(111)面
を主平面とした塩化銀平板乳剤である。
【0395】{111}AgBr平板状乳剤Cの調製 水1リットル中に臭化カリウム6.0g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0gを添加し55℃に保
った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀
4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38
ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎ
にゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝
酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.80g)を22分間かけ
て添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添
加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100
%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀15
3gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に
保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけ
て添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15
ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したの
ち35℃に温度を下げた。a1 =95%、平均投影面積
直径a3 =1.50μm 、厚みa4 =0.185μm 、
平均アスペクト比a2 =8.1、直径の変動係数は1
8.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、
沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温
してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.
90、pAg8.00に調整した。
【0396】{111}AgBrCl平板乳剤Dの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582μm (ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl10gを含む)を13ml入れ、温度を40
℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO3
20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(ゼラチン−113g、NaCl 1.3g、pH
を5.5に調整するためにNaOH1N液を含む)を加
え、pClを1.8とした後、温度を75℃に昇温し、
pClを1.8とした後10分間熟成した。この後、A
g−3液(100ml中に100%AgNO3 50mlを含
む)とX−3液(100ml中にNaCl 23.5g、
KBr 71.4gを含む)を用意し、硝酸銀の添加速
度を2.68×10-2モル/分に設定して、コントロー
ルダブルジェット法によりpCl=1.8で20分間成
長させた。添加後10分間熟成した後、沈降剤を加え、
温度を35℃に下げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を
加え、60℃でpH6.0に調節した。該粒子のレプリ
カの透過型電子顕微鏡写真像(以下TEMと記す)を観
察した。得られた乳剤は、銀を基準としてAgBrをお
よそ53モル%含む高塩化銀{100}平板粒子であっ
た。該粒子の形状特性値は下記のようであった。 (アスペクト比1より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0397】(111)AgCl平板乳剤E、Fの調製 塩化銀平板粒子を以下のように調製した。
【0398】
【化87】
【0399】
【0400】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて一定添加速度
で同時に加え、溶液の温度を15分間かけて70℃に上
昇させた。この時点で全銀量の約5.7%に相当する粒
子が形成された。ここで、ジスルフィド化合物−Bをハ
ロゲン化銀1モルに対し1×10-4モルを添加し、次に
溶液(4)と溶液(5)を24分間かけて一定添加速度
同時に加え、さらに溶液(6)と溶液(7)を40分間
かけてpCl=1.8になるように硝酸銀溶液の添加速
度を一定にし、コントロールダブルジェット法にて成長
を行ない、塩化銀平板乳剤が得られた 乳剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラチン30gと
2 Oを加え、さらにフェノキシエタノール2.0g及
び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.
8gを添加し、苛性ソーダでpH6.0になるように再
分散した。こうして得られた乳剤は、Brを約50%含
み、a1 =90%、a3 =1.55μm 、a4 =0.1
8μm 、a2 =8.6、円相当投影面積径の変動係数1
9%の(111)面を主平面とした塩化銀平板乳剤であ
る。
【0401】
【化88】
【0402】上記平板状粒子の調整において、アスペク
ト比、粒子サイズ等の粒子形状が元の平板状粒子とほぼ
同じになる様な成長条件を選択し(7)液中のKBr含
量を調整する事で塩化銀含率が17%と24%になる
(111)面を主平面とする塩臭化銀平板乳剤を調製し
た。
【0403】単分散立方体ハロゲン化銀乳剤Gの調製 水1リットルにゼラチン32gを溶解し、53℃に加温
された容器に臭化カリウム0.3g、塩化ナトリウム5
gおよび化合物〔I〕
【0404】
【化89】
【0405】46mgを入れた後、80gの硝酸銀を含む
水溶液444mlと臭化カリウム45g及び塩化ナトリウ
ム5.5gを含む水溶液452mlをダブルジェット法に
より約20分間かけて添加し、その後80gの硝酸銀を
含む水溶液400mlと臭化カリウム46.4g、塩化ナ
トリウム5.7g及びヘキサクロロイリジウム(III) 酸
カリウム(10-7モル/モル銀)を含む水溶液415ml
とをダブルジェット法により約25分間かけて添加し
て、平均粒子サイズ(投影面積直径)0.34μmの立
方体単分散塩臭化銀粒子(投影面積直径の変動係数10
%)を作製した。この乳剤を凝集法により脱塩処理後、
ゼラチン62g、フェノキシエタノール1.75gを加
え、pH6.5、pAg8.5に合わせた。
【0406】化学増感 以上の如く調製した粒子を攪拌しながら60℃に保った
状態で化学増感を施した。まず、チオスルホン酸化合物
−Iをハロゲン化銀1モルあたり10-4モル添加し、つ
ぎに直径0.10μm のAgBr微粒子を全銀量に対し
て1.0モル%添加し、5分後1%のKI溶液をハロゲ
ン化銀1モルあたり10-3モル添加しさらに3分後、二
酸化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加し、22
分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデンを3×10-4モル/モルAgと増感色素−1,
2をそれぞれ添加した。さらに塩化カルシウムを添加し
た。さらに塩化金酸1×10-5モル/モルAgおよびチ
オシアン酸カリウム3.0×10-3モル/モルAgを添
加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム(6×10-6モル/
モルAg)及びセレン化合物−I(4×10-6モル/モ
ルAg)を添加した。さらに3分後に核酸(0.5g/
モルAg)を添加した。40分後に水溶性メルカプト化
合物−1を添加し35℃に冷却した。こうして乳剤の調
製(化学熟成)を終了した。
【0407】
【化90】
【0408】(乳剤塗布層の調製)化学増感を施した乳
剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品を添加
して乳剤塗布液とした。 ・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 111g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 21.5g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2g ・沃化カリウム 78mg ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値となるように添加量を調整 ・化合物−1 42.1mg ・化合物−2 10.3g ・化合物−3 0.11g ・化合物−4 8.5mg ・化合物−5 0.43g (NaOHでpH6.1に調整)
【0409】
【化91】
【0410】上記塗布液に対し、染料−Iが片面当たり
10mg/m2となるように染料乳化物−Iを添加した。
【0411】
【化92】
【0412】(染料乳化物aの調製)上記化合物を60
gおよび2,4−ジアミルフェノールを62.8g、ジ
シクロヘキシルフタレートを62.8g及び酢酸エチル
333gを60℃で溶解した。つぎにドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムの5%水溶液65ccとゼラチン9
4g、水581ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、
30分間乳化分散した。つぎにp−ヒドロキシ安息香酸
メチルを2gおよび水6リットルを加え、40℃に降温
した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモジュールACP1
050を用いて、全量が2kgとなるまで濃縮し、p−ヒ
ドロキシ安息香酸メチルを1g加えて染料乳化物aとし
た。 (表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗布液を、各成
分が下記の塗布量となるように調製した。 ・ゼラチン 0.780g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.025 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)0.0012 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm ) 0.072 ・化合物−6 0.018 ・化合物−7 0.037 ・化合物−8 0.0068 ・化合物−9 0.0032 ・化合物−10 0.0012 ・化合物−11 0.0022 ・化合物−12 0.030 ・プロキセル 0.0010 (NaOHでpH6.8に調整)
【0413】
【化93】
【0414】(支持体の調製) 比較用支持体の調整 (1)下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料化合物−IIを特開昭63−197943号に
記載の方法でボールミル処理した。
【0415】
【化94】
【0416】水434ccおよび Triton X200(登録
商標)界面活性剤(TX−200(登録商標))の6.
7%水溶液791ccとを2リットルのボールミルに入れ
た。染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内
容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン1
60gを添加した。脱泡した後、濾過によりZrO2
ーズを除去した。得られた染料分散物を観察したとこ
ろ、粉砕された染料の粒径は0.05〜1.15μm に
かけての広い分布を有していて、平均粒径は0.37μ
m であった。さらに、遠心分離操作を行うことで0.9
μm 以上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染料
分散物dを得た。
【0417】(2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μm のポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2と成るようにワ
イヤーコンバーターにより塗布し、185℃にて1分間
乾燥した。つぎに反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料化
合物−1、3、4を各々0.04wt%含有されているも
のを用いた。 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 4%溶液 41cc ・蒸留水 801cc * ラテックス溶液中には、乳化分散剤として化合物−13をラテックス固形 分に対し0.4wt%含有
【0418】
【化95】
【0419】(3)下塗層の塗布 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーダー方式により155℃
で塗布、乾燥した。 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料化合物−2(染料固形分として) 8 ・化合物−14 1.8 ・化合物−12 0.27 ・マット剤 平均粒径2.5μm のポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0420】
【化96】
【0421】(写真材料の調製)前述のごとく準備した
支持体上に先の乳剤層と表面保護層とを組み合わせ同時
押し出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量
は1.4g/m2とした。こうして塗布試料1〜7を作成
した。得られた写真材料の膨潤率を、特開昭58−11
1933号記載の方法で測定すると180%であった。
【0422】(写真性能の評価)写真材料を富士写真フ
イルム(株)製の富士グレネックススクリーン HR−
4及びHG−Mスクリーン並びにデュポン社製UVスー
パーラピッドスクリーンを使用して両側から0.05秒
の露光を与えた。露光後、富士写真フイルム(株)製C
EPROS−30にて下記の現像液、定着液を用いてT
P処理し感度の評価を行った。感度は試料1を基準と
し、カブリに加えて1.0の濃度を与える露光量の比の
逆数で示した。
【0423】濃縮現像液の調製 下記処方のエリソルビン酸ナトリウムを現像主薬とする
濃縮現像液Aを調整した。 ジエチレントリアミン五酢酸 8.0g 亜硫酸ナトリウム 20.0g 炭酸ナトリウム・1水塩 52.0g 炭酸カリウム 55.0g エリソルビン酸ナトリウム 60.0g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 13.2g 3,3′−ジフェニル−3,3′−ジチオプロピオン酸 1.44g ジエチレングリコール 50.0g 化合物−15 10g 水を加えて1リットルとする。水酸化ナトリウムでpH
10.1に調整する。
【0424】
【化97】
【0425】現像補充液の調製 上記濃縮現像液を2倍希釈し、現像補充液として使用し
た。
【0426】現像母液の調製 上記濃縮現像液2リットルを水で希釈し4リットルと
し、下記組成のスタータ液を希釈した現像液1リットル
あたり55ml添加、pH9.5の現像液を現像母液とし
た。 スタータ液 臭化カリウム 11.1g 酢酸 10.8g 水を加えて55mlとする。
【0427】濃縮定着液の調製 以下の処方の濃縮定着液を調製した。 水 0.5リットル エチレンジアミンテトラ酢酸・2水塩 0.05g チオ硫酸ナトリウム 200g 重亜硫酸ナトリウム 98.0g 水酸化ナトリウム 2.9g NaOHでpH5.2に調整し、水を加えて1リットル
とする。
【0428】定着補充液の調製 上記濃縮定着液を2倍希釈し、定着補充液として使用し
た。
【0429】定着母液の調製 上記濃縮定着液2リットルを水で希釈し4リットルとし
た。pHは5.4であった。
【0430】写真材料の処理工程 上記現像母液および定着母液を用いて、現像補充液およ
び定着補充液を感光材料1m2当り65ml補充しながら処
理した。 工 程 温 度 処理時間 現 像 35℃ 8秒 定 着 35℃ 8秒 水 洗 25℃ 7秒 乾 燥 55℃ 6秒
【0431】実施例−7 前記現像濃縮液の4−ヒドロキシメチル−4−メチル−
1−フェニル−3−ピラゾリドンを本発明の一般式
(A)もしくは(B)の化合物と等モル入れ替えた他
は、前記現像濃縮液と全く同様にして、現像液2〜23
を調製した。前記の塗布試料−1をこれらの現像液で現
像処理を行なった。現像処理はCEPROS 30自動
現像機(富士写真フイルム(株)製)を用いて行ない、
現像35℃8秒で処理、次いで定着、水洗、乾燥を連続
して行なった。定着液は、前記定着液を用いて行なっ
た。結果を表39に示す。
【0432】
【表39】
【0433】表39の結果から、本発明の処理では、迅
速処理において、優れた写真性能が得られる。
【0434】実施例−8 前記塗布試料2〜7を実施例−7の処理液を用いて、同
様に現像処理を行なった結果、実施例−7と同様に、本
発明では迅速処理において高感でかぶりの低い優れた写
真性能が得られた。
【0435】実施例−9 実施例−7の処理液のエリソルビン酸ナトリウムを本発
明の化合物C−6、C−7、C−19、C−23、C−
37及びC−43に等モルで入れ替え、又、モノールを
本発明の一般式(A)もしくは(B)で表される化合物
に入れ替えた処理液を調製し、塗布試料2〜7を現像処
理した結果、前記実施例−7〜8と同様の結果が得られ
た。
【0436】次にハイドロキノンを現像主薬に用いた現
像液処方及び定着液処方を以下に示した。
【0437】(処理) 自動現像機・・・富士フイルム(株)社製CEPROS
−30 濃縮液の調製 <現像液濃縮液> パーツ剤A 水酸化カリウム 330 g 亜硫酸カリウム 630 g 亜硫酸ナトリウム 255 g 炭酸カリウム 90 g ホウ酸 45 g ジエチレングリコール 180 g ジエチレントリアミン五酢酸 30 g 1−(N,N−ジエチルアミン)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.75g ハイドロキノン 450 g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 60 g 水を加えて 4125 ml
【0438】 パーツ剤B ジエチレングリコール 525 g 3,3′ジチオビスヒドロ桂皮酸 3 g 氷酢酸 102.6g 2−ニトロインダゾール 3.75g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 34.5 g 水を加えて 750 ml
【0439】 パーツ剤C グルタールアルデヒド(50wt/wt%) 150 g 臭化カリウム 15 g メタ重亜硫酸カリウム 105 g 水を加えて 750 ml
【0440】 <定着液濃縮液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol %) 3000 ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45 g 亜硫酸ナトリウム 225 g ホウ酸 60 g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプ トテトラゾール 15 g 酒石酸 48 g 氷酢酸 675 g 水酸化ナトリウム 225 g 硫酸(36N) 58.5 g 硫酸アルミニウム 150 g 水を加えて 6000 ml pH 4.68
【0441】(処理液の調製)上記現像液濃縮液を補充
容器に各パーツ剤毎に充填した。この補充容器はパーツ
剤A、B、Cの各部分容器が容器自身によって一つに連
結されているものである。また、上記定着液濃縮液も同
種の容器に充填した。まず、現像槽内にスターターとし
て、酢酸54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液
300mlを添加した。上記処理剤入容器を逆さにして自
現機の側面に装着されている処理液ストックタンクの穿
孔刃にさしこんで、キャップの封止膜を破り、容器内の
各処理剤をストックタンクに充填した。これらの各処理
剤を下記の割合で自現機の現像槽、定着槽に、それぞれ
自現機に設置されているポンプを作動して満たした。ま
た、感材が4切サイズ換算で8枚処理される毎にも、こ
の割合で、処理剤原液と水とを混合して自現機の処理槽
に補充した。
【0442】現像液 パーツ液A 51 ml パーツ液B 10 ml パーツ液C 10 ml 水 125 ml pH 10.50 定着液 濃縮液 80 ml 水 120 ml pH 4.62 水洗槽には水道水を満たした。
【0443】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm、平均孔径3μmのパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のビン(ビン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のうちの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。 センシトメトリーの評価において本発明の感材は、良好
な結果を示した。
【0444】実施例−10 前記現像濃縮液の4−ヒドロキシメチル−4−メチル−
1−フェニル−3−ピラゾリドンを本発明の一般式
(A)もしくは(B)の化合物と等モル入れ替えた他
は、前記現像濃縮液と全く同様にして、現像液2〜18
を調製した。前記の塗布試料−1をこれらの現像液で現
像処理を行なった。現像処理はCEPROS 30自動
現像機(富士写真フイルム(株)製)を用いて行ない、
現像35℃8.8秒で処理、次いで定着、水洗、乾燥を
連続して行なった。定着液は、前記定着液を用いて行な
った。結果を表40に示す。
【0445】
【表40】
【0446】表40の結果から、本発明の処理では、現
像主薬がハイドロキノンであっても迅速処理において、
優れた写真性能が得られる。
【0447】実施例−11 乳剤Aの調製 1液 水 1リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 0.4リットル 硝酸銀 100g 3液 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸アンモニウム(0.001%水溶液) 20ml ヘキサクロロジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 6ml
【0448】42℃、pH4.5に保たれた1液に2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。 4液 水 0.4リットル 硝酸銀 100g 5液 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(0.1%水溶液) 10ml
【0449】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗し、ゼラチン40gを加えた。pH
5.7、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム
1.0mgと塩化金酸4.0mg、トリフェニルホスフィン
セレニド1.5mg、ベンゼンチオスルフォン酸ソーダ8
mg、ベンゼンチオスルフィン酸ソーダ2mgを加え、55
℃で最適感度になるように化学増感した。さらに安定剤
として、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a−
7−テトラザインデン100mg、防腐剤として、フェノ
キシエタノールを加え、最終的に塩化銀を70モル%含
む、平均粒子径0.25μmの塩沃臭化銀立方体乳剤A
を得た。 塗布試料の作成 乳剤Aに増感色素(1) 3.8×10-4モル/モルAgを
加えて分光増感を施した。さらにKBr3.4×10-4
モル/モルAg、化合物(1) 3.2×10-4モル/モル
Ag、化合物(2) 8.0×10-4モル/モルAg、ハイ
ドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸
3.0×10-3モル/モルAg、化合物(3) を1.0×
10-4モル/モルAg、化合物(4) を6.0×10-4
ル/モルAg、さらにゼラチンに対して35wt%のポリ
エチルアクリレートラテックス、ゼラチンに対して20
wt%の粒径10mμのコロイダルシリカ、ゼラチンに対
して4wt%の化合物(5) を添加して、ポリエステル支持
体上にAg3.7g/m2、ゼラチン1.6g/m2になる
ように塗布した。この上に下記組成の保護層上層および
保護層下層、この下に下記組成のUL層を塗布した。 保護層上層 ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmのシリカマット剤 25mg/m2 化合物(6)(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ 30mg/m2 化合物(7) 5mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(8) 20mg/m2 保護層下層 ゼラチン 0.5g/m2 化合物(9) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 UL層 ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(5) 40mg/m2 化合物(10) 10mg/m2
【0450】なお、本発明で使用したサンプルの支持体
は下記組成のバック層および導電層を有する。 バック層 ゼラチン 3.3g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 化合物(11) 40mg/m2 化合物(12) 20mg/m2 化合物(13) 90mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm) 30mg/m2 化合物(5) 120mg/m2 導電層 ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2
【0451】
【化98】
【0452】
【化99】
【0453】感材中の化合物(3) と(4) の種類と添加量
は表42に示すように適宜変更した。 〈現像液組成〉
【0454】
【表41】
【0455】〈定着液〉以下に定着液濃縮液1リットル
あたりの処方を示す。 チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈する。使用液のpHは4.8である。
【0456】評価は以下の方法で行った。現像液のサー
モでの容器着色は、調整した現像液を100mlサイズの
ポリ瓶(材質はポリエチレン)に密栓で空気が入らない
ようにして60℃で1週間保存後、ポリ瓶への容器着色
を調べ、官能評価で1〜5点で評価した。点数が高いほ
ど着色が少なく、4点以上が実用的に許容レベルであ
る。
【0457】写真性の評価は、作成した試料を光学クサ
ビを用い、633nmにピークをもつ干渉フィルターを介
して、発光時間10-5sec のキセノンフラッシュ光で露
光した。現像時間、温度は35℃20秒で処理した。感
度は、表19の No.1で処理したときに濃度1.5を得
るのに必要な露光量の逆数を100として相対値で示し
た。数値が大きい方が高感度である。階調(ガンマ)は
次式で表した。この値が大きいほど写真特性が硬調であ
る。 *ガンマ=(3.0−0.3)/〔log(濃度3.0 を与える露光
量)−log(濃度0.3 を与える露光量)〕
【0458】評価結果を表42に示した。
【0459】
【表42】
【0460】本発明の化合物を用いた組み合わせでは、
感度も良好で、超硬調な画像が容器の着色無しに得られ
ることがわかる。N−メチル−p−アミノフェノールを
用いた場合には、超硬調な画像と容器着色を両立するこ
とができない。
【0461】実施例−12 実施例11で用いた、感材、現像液と定着液を用い、富
士写真フイルム社製FG−520AGを用いてランニン
グテストを行った。ランニング条件は、1日にハーフ露
光した大全紙サイズ(50.8×61.0cm) の試料を
16枚処理し、6日稼働して1日休むというランニング
を1ラウンドとして、6ラウンド行った。写真性評価の
サンプルは実施例11と同じように露光した。ランニン
グ時の定着液の補充量は、現像液の補充量に対して1.
5倍補充して行った。
【0462】処理条件は、現像時間=20秒、現像温度
=35℃、定着温度=34℃で行い、母液は、実施例1
1の現像液をそのまま用い、補充液のpHは表43に記
載のように調整して行った。ランニング疲労液での感度
としては95〜105に入っていることが実用上必要で
ある。ランニング後の点質は、大日本スクリーン(株)
製のヘリウム光源カラースキャナーSG−608を使用
して100線にて50%の平網を塗布感材に出力し、前
記の処理条件で現像処理を行い、200倍のルーペで網
点のキレを目視評価した。評価結果を、(良)5〜1
(悪)の5点法で表に示した。実用的には3点以上が必
要である。評価結果を表43に示した。
【0463】
【表43】
【0464】本発明の化合物を用いた組み合わせでは、
ランニングでも写真性の変化が少なく、点質も良いこと
がわかる。特に低補充にした場合は、補充液のpHを上
げることによって安定な処理性を得ることができる。
【0465】
【発明の効果】本発明の一般式(A)もしくは(B)で
表される特定構造のp−アミノフェノール類を、補助現
像主薬として現像液に用いることにより、迅速処理にお
いて高感で品質の良い画像の提供、特に、ヒドラジン化
合物を含有する写真感光材料を用いて迅速かつ超硬調な
ネガ画像を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江副 利秀 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 酒井 稔 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 山下 清司 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)あるいは(B)で表さ
    れる現像剤。 一般式(A) 【化1】 式中、R1 およびX1 は各々、水素原子または置換基を
    表し、R2 は水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
    ルキニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ
    環基を表す。m1 は0から3の整数を表し、m2 は0か
    ら4の整数を表す。m1 およびm2 が2以上の整数を表
    すとき、それぞれ複数のX1 およびR2は同じでも異な
    っていてもよい。Z1 は窒素原子およびベンゼン環の2
    重結合と共同で、5員環もしくは6員環を形成しうる原
    子団を表す。但しZ1 が6員環を形成する時、X1 はア
    ルキルチオ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミ
    ノ基、ウレイド基、もしくはチオウレイド基を表す。 一般式(B) 【化2】 式中、X2 はアルキルチオ基、スルホンアミド基、スル
    ファモイルアミノ基、ウレイド基、またはチオウレイド
    基を表し、X22は水素原子または置換基を表す。m3
    1から4の整数を表し、m3 および4−m3 が2以上の
    整数を表すとき、複数のX2 およびX22は同じでも異な
    っていてもよい。R3 およびR4 は、各々一般式(A)
    におけるR2 と同義の基を表す。ただし、R3 およびR
    4 のうち少なくとも一つはアルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテ
    ロ環基を表し、R3 とR4 は連結して窒素原子と共同で
    ヘテロ環を形成してもよいが、その場合、X2 はスルホ
    ンアミド基になることはない。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(A)あるいは
    (B)で表される現像剤の少なくとも一種を含有するこ
    とを特徴とする現像処理組成物。
  3. 【請求項3】 露光されたハロゲン化銀写真感光材料
    を、請求項1に記載の一般式(A)あるいは(B)で表
    される現像剤の少なくとも一種を含有する現像液で処理
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。
JP26509796A 1996-03-04 1996-09-17 ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法 Expired - Fee Related JP3745046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26509796A JP3745046B2 (ja) 1996-03-04 1996-09-17 ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-70935 1996-03-04
JP7093596 1996-03-04
JP26509796A JP3745046B2 (ja) 1996-03-04 1996-09-17 ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09297378A true JPH09297378A (ja) 1997-11-18
JP3745046B2 JP3745046B2 (ja) 2006-02-15

Family

ID=26412052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26509796A Expired - Fee Related JP3745046B2 (ja) 1996-03-04 1996-09-17 ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3745046B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113092620A (zh) * 2021-04-07 2021-07-09 保定冀中药业有限公司 一种兽用益母生化合剂的甘草检测方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113092620A (zh) * 2021-04-07 2021-07-09 保定冀中药业有限公司 一种兽用益母生化合剂的甘草检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3745046B2 (ja) 2006-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3372365B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた画像形成方法
EP0793140B1 (en) Processing composition for silver halide photographic light-sensitive material, developer and processing method using the same
JPH10153841A (ja) 現像処理方法
JP3745046B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用の現像剤、それを含む現像処理組成物及びそれを用いる処理方法
JP3539655B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用の処理組成物、現像液およびそれを用いる処理方法
JP3539656B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用の処理組成物、現像液およびそれを用いる処理方法
US5306598A (en) Silver halide photographic emulsions and elements for use in helium/neon laser and light-emitting diode exposure
JP3539654B2 (ja) 画像形成方法
JP3836910B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP3844819B2 (ja) ヒドラジド化合物及びそれを含有するハロゲン化銀写真感光材料
JP3568081B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JPH11282132A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JP3844821B2 (ja) ヒドラジド化合物及びそれを含有するハロゲン化銀写真感光材料
JPH09274290A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用の現像液および処理方法
JP3844820B2 (ja) ヒドラジド化合物及びそれを含有するハロゲン化銀写真感光材料
JP3464578B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH117093A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2000105438A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JPH10171076A (ja) 画像形成方法
JP2003295377A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0990574A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法
JP2003084384A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH11282113A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2003280128A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH10333290A (ja) 現像処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20050613

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050831

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051116

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees