JPH09294551A - 手打ち風麺類の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

手打ち風麺類の製造方法およびその製造装置

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JPH09294551A
JPH09294551A JP8131194A JP13119496A JPH09294551A JP H09294551 A JPH09294551 A JP H09294551A JP 8131194 A JP8131194 A JP 8131194A JP 13119496 A JP13119496 A JP 13119496A JP H09294551 A JPH09294551 A JP H09294551A
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noodle
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    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21CMACHINES OR EQUIPMENT FOR MAKING OR PROCESSING DOUGHS; HANDLING BAKED ARTICLES MADE FROM DOUGH
    • A21C1/00Mixing or kneading machines for the preparation of dough
    • A21C1/06Mixing or kneading machines for the preparation of dough with horizontally-mounted mixing or kneading tools; Worm or screw mixers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は禁忌されていた製法を一部採り入れる
ことによって、従来の機械製麺による手打ち風麺の食感
をはるかに凌駕し、純粋の手打ち麺と全く変らない製麺
方法とそれに用いる製麺装置を提供する。 【解決手段】 有底状のケーシング11に、一対の混捏羽
根12が互いに対向して回転自在に、かつ互いに逆回転に
取り付けられており、各混捏羽根12には練羽根14と、こ
の練羽根14より短い直羽15とが、混捏羽根12の回転軸を
中心として対称の位置に取り付けられており、混捏羽根
12が回転したとき、短い直羽15が小麦粉と塩水をかき混
ぜて麺塊mを作り、練羽根14が混捏羽根12の軸方向に麺
塊mを押し出しながら、かつ麺塊mを練羽根14の縁部
で、前記ケーシング11の底部11bに押し付けながら加圧
する。この装置を用いて、高速混捏100 して麺塊mの温
度を上げて、この熱によって麺塊mを熟成させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は手打ち風麺類の製造
方法およびその製造装置に関する。麺の製造は、基本的
には小麦粉と水を混捏して生地を作り、その生地を線状
に形成して行うのであるが、この方法には、つぎの3通
りがある。 イ:引き延ばす方法(撚延方式) 柔かい生地から時間をかけて引き延ばして線状にする方
法で、手延素麺や中華麺のうち拉麺(ラーメン)などに
用いられている。 ロ:押圧して平板状にし線切りする方法(線切り方式) 最も一般的な製麺方法であり、麺棒を使って生地を手で
延ばし、包丁で切るのを手打ちといい、一対の回転ロー
ルの間に生地を通して圧延し、切刃ロールで切るのを機
械製麺という。 ハ:孔のあいた金型から押出す方法(押出し方式) 生地を金型に押し込み先端の孔から押し出す方法で、マ
カロニ、スパゲッティ、はるさめなどに用いられてい
る。 本発明は上記の線切り方式であって、手打ち風の美味な
食感を有しながら、機械で製麺できる手打ち風麺類の製
造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機械製麺の従来技術に入る前に、麺と食
感の関係を説明するために、まず手打ち製麺について概
括しておく。手打ちうどんに代表される線切り方式にお
ける手打ち製麺の基本製法はつぎのとおりである。小麦
粉に食塩水を加えて手で混捏して生地を作り、この生地
を桶の中でねかした(放置して熟成させた)後、踏み板
上にあけて、足踏みして厚さ8cm程度の円板状に延ば
す。次に、この餅状の生地を延板上で麺棒を使って3〜
5mm厚の薄板状まで展延する(この際、生地を麺棒に巻
きつけて転がしながら次第に薄く延ばして行く様子は、
よく店頭の実演でみることができる)。延ばし終えた時
点で、一辺が60〜70cmの四角形のシート状生地ができ、
この生地のシートを折りたたんで、3〜5枚重ねして特
製の包丁で線切りする。手打ちうどんの場合、この状態
で製品(生麺)になることもあるが、通常は食堂で茹で
上げたものを客が食べる形で供される。麺生地は、グル
テンの形成展開による立体的網目構造によって成り立っ
ているが、上記のようにして作られる手打ち麺生地では
グルテンの立体的展開の状況は、グルテンの繊維が太く
粗い網目を形成している。そのため、手打ちうどんの食
感は、歯応えが軟らかく、弾力的延びがあり、口当りは
滑らかであるが歯当りは粘るという特性を有し、美味と
して広く知られる理由となっている。
【0003】ところで、手打ち製麺では、足踏み等の工
程に衛生上の問題があるので、(本発明者によって)昭
和40年より機械で製麺することが開始された。機械製
麺では、ロール圧延によって麺帯を作るが、この場合、
麺帯の流れの方向にグルテンが配列する傾向が生じる。
しかるに、生麺は、茹でによってα化すると共に、澱粉
粒が膨潤し容積を増すが、グルテン繊維は熱凝固して容
積の膨化を抑える働きをする結果、茹でられた麺線は抑
止力の弱い方向に膨らむことになる。このため、機械製
麺による麺線は茹で上げ後に形が崩れやすく、歯応えが
無く、弾力性に乏しく、歯当りに粘りがないという性質
をもち、手打ちうどんに比べて食感が劣る原因となって
いる。以上をまとめると、麺の品質に影響する要因は、
原料小麦粉の品質のほかに製麺加工法の違いがあり、製
麺加工法で品質に差がでる最大要因が、グルテンの組織
構造の差に由来すると云えるのである。
【0004】本出願人は機械製麺によって手打ち風麺類
の味の良さを出すべく永年研究してきたが、これまでの
機械製麺の方法を説明すると以下のとおりである。図8
は従来の機械製麺の方法を示すフローチャートであり、
小麦粉と塩水を混合する工程(101 )または小麦粉と塩
水を捏練りする工程(102 )で、小麦粉と塩水の均一な
生地塊にし、さらに平らに生地形成し(103 )、その後
麺帯の圧延を繰り返し行いながら、薄く圧延して厚さ2
〜3mm程度の麺帯に仕上げ(104 )、最後に線状に切出
して(105 )、製品として茹で上げるか包装する(106
)。そして、最初の生地形成工程(103 )の後に麺塊
あるいは麺帯をねかせて水の分散浸透の均一化を図る水
和を目的とした熟成(107 )、圧延工程(104 )の後
で、その麺帯の圧延により硬直したグルテン組織に柔軟
性を戻す麺帯熟成(108 )が行われる。
【0005】前記の混合工程(101 )を詳述すると、こ
れは図9に示すような、ケーシング201 内を貫通した軸
202 に半径方向に延びた棒状羽根203 を取付けただけ
の、混合のみを目的とした攪拌型のミキサ200 を用い小
麦粉と水を混ぜ合わせる。羽根軸の回転数は毎分40〜
90回転位の高速ミキシングが特徴である。また、ミキ
シング時の加水は2〜3分かけてシャワー式にする等、
ゆっくり行うことが最も良い方法と考えられている。混
ぜ合わせた麺塊は、前記圧延工程(103 )以降に供給さ
れる。
【0006】つぎに、前記の低速捏練工程(102 )を詳
述すると、これは、混合と練り合わせを同時に行うよう
にしたもので、用いられるミキサの代表的なものに本出
願人が開発した図10〜12のミキサがある。前記図10〜12
のミキサ210 は、つぎのように構成されている。ケーシ
ング211の内部で、一対の羽根212 が互いに対向するよ
うに設けられており、それぞれ軸213 で軸支されかつ、
互いに反対向きに回転するようになっている。各羽根21
2は湾曲羽214 と短い直羽215 からなり、軸213 からの
半径も異っている。湾曲羽214 は図11〜12に明示するよ
うに、回転方向前側の縁部が鋭く尖り麺塊mに切り込む
ように構成され、麺塊に切り込むように入っていき、生
地に圧力をかけないで、組織を破壊することなく生地を
かき混ぜるようになっている。また、麺塊の全量を効果
的にかき混ぜるように、ケーシング211 の底部211bとの
隙間dも小さく、例えば7〜8mmである。そして、一対
の羽根212 は互いに反対向きに回転して麺塊の羽根に対
するからみ付きを防ぎ、さらに、図10に示すように湾曲
羽214の外周湾曲部で麺塊を矢印aで示すように対向側
の羽根212 の方へ押し当て攪拌効果を高めている。一方
の直羽215 は断面が円形であって、生地に圧力をかけて
押し付け、ネリ上げるようにしている。要するに、この
ミキサでは長い湾曲羽214 で麺塊をかき混ぜ、短い直羽
215 で麺塊を捏ねるようになっている。なお、羽根212
の回転数は毎分7回転前後の超低速である。また、加水
方法も同様にゆっくりと少量ずつ時間をかけて行ってい
る。
【0007】上記ミキサを用いた混捏工程の目的は、グ
ルテンの結合展開による網目構造の形成であるが、これ
には手打ちにおける足踏みと同じように、無理をせずに
時間をかけることが望ましいとされている。この点は加
水量の多い(60%以上)製パンにおけるミキシングと異
なる点である。繰り返しになるが捏練を短時間で行なお
うとすると強い力が生地にかかり、せっかく形成したグ
ルテン構造がミキサの高速回転によって剪断されること
になり、良い食感が得られなくなる。このような理由か
ら、捏練タイプのミキサは低速回転で使用されており、
ミキサの回転数でいうならば、普通の混捏(中間的混
捏)の場合が中速回転(70rpm )であり、捏練が目的の
場合は低速回転(10rpm 以下)である。要するに、従来
の製麺技術では、低速で混捏しゆっくりと加水すること
を特徴としており、高速で混捏したり、一気に加水する
ことはグルテン組織を破壊したり熱を高めるので好まし
くないとされていたのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の機械製麺技術は
本出願人の永年の研究開発により、ほぼ手打ち麺と同じ
食感が得られるようになったのであるが、いま一歩、純
粋の手打ち麺の食感に及ばない点があった。しかるに、
本発明者によって、従来は禁忌されていた製法を一部採
り入れることによって、従来の機械製麺による手打ち風
麺の食感をはるかに凌駕し、純粋の手打ち麺と全く変ら
ない製麺方法とそれに用いる製麺装置を見出すに至っ
た。本発明はかかる手打ち風麺類の製造方法およびそれ
に用いる製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の手打ち風麺類
の製造方法は、小麦粉に塩水を加水混合し、高速で、か
つ加圧しながら捏練して麺塊を作ることを特徴とする。
請求項2の手打ち風麺類の製造方法は、小麦粉に塩水を
一気に加水混合することを特徴とする。請求項3の手打
ち風麺類の製造装置は、有底状の容器と、該容器内にお
いて、互いに対向して回転自在に取り付けられ、かつ互
いに逆回転しうる一対の混捏羽根とからなるミキサであ
って、各混捏羽根は、回転軸を中心として対称に配置さ
れた練羽と、前記練羽より短い直羽とからなり、前記混
捏羽根が回転したとき、前記直羽が小麦粉と塩水をかき
混ぜて麺塊を作り、前記練羽が混捏羽根の軸方向に麺塊
を押し出しながら、かつ麺塊を練羽の縁部で前記容器の
底部に押し付けながら加圧することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明における手打ち風麺
類の製造方法のフローチャートである。同図に示すよう
に、本発明の手打ち風麺類の製造方法は、従来の混合工
程101 や捏練工程102 に替えて、高速混捏100 を行うこ
とが特徴である。本発明の手打ち風麺類の製造方法を全
体的に説明すると、まず、小麦粉と塩水を混合する高速
混捏100 を行い、小麦粉と塩水の均一な生地塊にし、こ
の生地塊を厚麺帯あるいは丸棒状等に生地形成する生地
形成工程103 を行い、その後麺帯の圧延を繰り返しなが
ら、厚さ12mm程度の麺帯に成形する圧延工程104 を行
い、最後にこの麺帯を線状に切出する切出工程105 が行
われ、製品として茹で上げるか包装する包装工程106 が
行われる。そして、最初の生地形成工程103 の後に麺塊
あるいは麺帯をねかせて水の分散浸透の均一化を図る水
和を目的とした熟成107 、圧延工程104 の後で、その麺
帯の圧延により硬直したグルテン組織に柔軟性を戻す麺
帯熟成108 が行われる。
【0011】つぎに、最も重要な高速混捏100 につい
て、さらに詳細に説明する。高速混捏100 は、ミキサ10
の内部に小麦粉と塩水を入れ、従来の回転数の約2.5
〜3倍の18〜25回/分の高速で混捏羽根12を回転さ
せる。なお、小麦粉に一気に塩水を加えると好適である
が、その理由は後述する。
【0012】上記高速混捏100 で用いるミキサ10につい
て説明する。図2は手打ち風麺類の製造装置の概略斜視
図、図3は同縦断面図、図4は図3のIV−IV線矢視図で
ある。図2〜図4に示すように、本実施形態のミキサ10
は、塩と小麦粉とを投入するための有底状のケーシング
11の側面に、一対の混捏羽根12が対向して取り付けら
れ、それぞれ軸13で軸支され、互いに逆向きに回転する
よう構成されている。それぞれの混捏羽根12は湾曲した
練羽14と短い丸棒状の直羽15とからなり、軸13からの半
径距離は練羽14が長く、直羽15が短くなっている。前記
ケーシング11は直方体の4側面からなる四角箱の下方に
半円筒部材を一体化して形成されており、この半円筒部
は底部11bとなっている。このケーシング11の底部11b
との隙間dは、従来のミキサのものよりも大きく、例え
ば17〜18mmが好ましい。
【0013】図5は混捏羽根12の単体図であって、
(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は回転中心に
直交する平面に沿う練羽14の断面図である。本実施形態
は、混捏羽根12の練羽14の形状が特徴であり、この練羽
14は、(c)に示すように断面が涙形で、麺塊mとの接
触面の曲率が高いので麺塊mにかかる力が分散される形
状であって、しかも(b)に示すように回転方向と逆向
きに反った形状であり、麺塊mに舐めるように斜めに入
っていくようになっている。このような形状となってい
るため、混捏羽根12を回転させると、練羽14は麺塊mを
回転方向へ押すとともに、練羽14の湾曲した面で麺塊m
を混捏羽根12の軸方向へも押し出し、さらに麺塊mをケ
ーシング11の底部11bに向かって麺塊mを押しつける。
したがって、麺塊mは、練羽14によって対向する混捏羽
根12へ向かって捻りを加えられながら押し出し移動させ
られるとともに、練羽14と底部11bとの隙間dに挟まれ
て圧力を加えられる。
【0014】つぎに、前記ミキサ10の混捏作用を説明す
る。まず、塩水と小麦粉とを一度にミキサ10のケーシン
グ11の内部に投入する。そして、一対の混捏羽根12を回
転させると、小麦粉に塩水が加水されて湿潤小麦粉とな
り、さらに混捏羽根12の回転を続けると、小麦粉と塩水
とは一体化し麺塊mとなっていく。前記一対の混捏羽根
12は互いに逆向きに回転しており、それぞれの混捏羽根
12において、練羽14と直羽15とが麺塊mを捏ね、練羽14
は湾曲した面で対向する混捏羽根12へ向かって麺塊mを
押し出す(矢印a方向)ので、麺塊mはそれぞれの混捏
羽根12にからみつくことなく、生地全体が混捏されると
いう効果を奏する。
【0015】しかも、既述のごとく、混捏羽根12の練羽
14とケーシング11の底部11bとの間には広い隙間dが設
けられているので、この隙間dに麺塊mが入り込む。そ
して、混捏羽根12が回転中には、練羽14によって前記隙
間dに入り込んだ麺塊mは練羽14と底部11b に挟まれて
圧力を加えられるので、麺塊mが捏ねられるという効果
を奏する。
【0016】ところで、麺塊mは45℃以上になると、
熱による物性変化が起こることが知られており、麺塊m
の温度は45℃未満でなくてはならない。本発明では、
上記のミキサ10を高速回転させる。例えば、混捏羽根12
を18〜25回/分の速度で、かつ練羽14の周速を約23
00〜3000cm/分で回転させる。こうすることにより、
麺塊mは高速でかき混ぜられて摩擦熱が発生し、常温で
15〜20分間かき混ぜると従来の温度より8〜10℃程
度上昇するが、麺塊mの温度は45℃を超えず、しかも
温度が20〜32℃前後である。この温度は上限の45
℃に近ければ近いほど、小麦粉のグルテンを増強させる
ことができ、この増強に伴い麺塊mは熟成されるという
効果を奏する。
【0017】つぎに、本発明における加水方法を説明す
る。本発明では、従来の方法と異なり、小麦粉に塩水を
一気に加えることを特徴とする。従来の加水方法は2〜
3分間程度の長時間にわたって、シャワーなどで徐々に
塩水を小麦粉に加えていたが、本発明では、小麦粉に塩
水をあえて一気に加えることを特徴としている。この加
水時間は60秒以内が好ましく、早ければ早いほど好適
である。この加水方法には、例えば、ミキサ10の上方に
サブタンクを設けておき、このサブタンクに必要な量の
塩水を入れてき、この塩水を自然落下により、ミキサ10
の内部に導き、ミキサ10の小麦粉に加水する。また、バ
ケツに塩水を汲んでおき、ミキサ10の内部に一気にぶち
まけて、ミキサ10の小麦粉に加水する。また、送水ポン
プで塩水をミキサ10の小麦に加水する。このように、小
麦粉に塩水を短時間で一気に加える方法であれば、種々
の方法を採択しうる。
【0018】このように小麦粉に一気に塩水を加水する
と混合が早くなり、小麦粉との水和が短期間に完成す
る。このため、本発明の最も重要なポイントである混捏
羽根12による作用が早く働き、麺塊mをより早い時点か
ら鍛えることとなり、小麦粉のグルテンをより多く引き
出すことができる。また、前記摩擦熱も高めることがで
きるので、より早くより良好な生地に練り上げることが
できるという効果を奏する。
【0019】図6は混捏羽根22の他の実施形態を示して
おり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は回
転中心に直交する平面に沿う練羽24の断面図である。こ
の混捏羽根22の練羽24の断面は円形でなく、(c)に示
すように、回転方向の厚みが短径で中心方向の厚みが長
径の扁平な流線形や楕円形であってもよく、このような
形状であっても、麺塊mにかかる力が分散される。この
ため、混捏羽根22を回転させると、それぞれの混捏羽根
22において、練羽24と直羽25が麺塊mを捏ね、練羽24は
湾曲した面で対向する混捏羽根22へ向かって麺塊mを押
し出すので、麺塊mはそれぞれの混捏羽根22にからみつ
くことなく、生地全体が混捏される。しかも、混捏羽根
22の練羽24とケーシング11の底部11bとの間には広い隙
間dが設けられているので、この隙間dに麺塊mが入り
込む。そして、混捏羽根22が回転中には、練羽24によっ
て前記隙間dに入り込んだ麺塊mは練羽24と底部11bに
挟まれて圧力を加えられるので、麺塊mが捏ねられる。
【0020】図7は混捏羽根32のさらに他の実施形態を
示しており、(a)は正面図、(b)は右側面図、
(c)は練羽34の断面図である。同図に示すように、混
捏羽根32の練羽34が、湾曲しておらず単なる丸棒であっ
てもよく、簡単に混捏羽根32を構成することができる。
この場合、混捏羽根22を回転させると、それぞれの混捏
羽根32において、練羽34と直羽35が麺塊mを捏ねて、生
地全体が混捏される。しかも、混捏羽根32の練羽34とケ
ーシング11の底部11bとの間には広い隙間dが設けられ
ているので、この隙間dに麺塊mが入り込む。この混捏
羽根32の回転中には、練羽34によって前記隙間dに入り
込んだ麺塊mは練羽34と底部11bに挟まれて圧力を加え
られるので、麺塊mが捏ねられる。
【0021】上記のごとく、混捏羽根12の練羽は、麺塊
mを切り込むことなく、麺塊mを押すように入ってい
き、生地に圧力をかけることができる形状であればよ
く、種々の形状をとりうる。
【0022】上記のように、本実施形態の手打ち風麺類
の製造方法およびその製造装置によれば、小麦粉と塩水
の完全な水和および練り上げにより、グルテンやでんぷ
ん質が形成され、腰の強い手打ち風の麺ができる。ま
た、小麦粉と塩水の完全な水和により、熟成時間が短縮
される。したがって、麺塊mがしっかりと生地形成さ
れ、この麺塊mを包丁などで線状に切られた麺は、形状
がシャキッとしており形くずれしない。また、茹で上が
り時間も短縮される。さらに、既存の製麺設備において
ミキサ110 部分のみを本発明のミキサ10に変更すれば、
飛躍的に麺塊mおよび麺の品質を向上させることがで
き、設備費も軽減される。
【0023】最後に、本実施形態の手打ち風麺類の製造
方法およびその製造装置と、従来の手打ち風麺類の製造
方法およびその製造装置との性能比較を、実施例に基づ
き説明する。 <表1> 本実施形態のミキサ10 従来のミキサ110 加水時間 一気に60秒以内 少しずつ120 〜180 秒間 熟成時間 約30分間 約120分間 対小麦粉の出来上がり収量 350食 320食 茹で上がりまでの時間 10分間 12分間 シコシコ感 手打ちに匹敵 良 本実施例は、小麦粉25kgに対して12kgの塩水とを本
実施形態のミキサ10に、一気に60秒以内で入れて高速
で混捏した結果と、小麦粉25kgに対して12kgの塩水
を従来のミキサ110 に少しずつ120 〜180 秒程度で入れ
て、低速で混捏した結果との比較データである。但し、
1食当たり麺塊mは200 gで換算してある。本実施形態
のミキサ10で高速混捏100 を行った場合には、従来のミ
キサ110 で捏練工程102 を行った場合に比較して、熟成
時間は1/4で済み、30食余り多く作れて、茹で上が
りまでの時間は2分短く、しかもシコシコ感が手打ちの
うどんに匹敵している。つまり、本実施形態のミキサ10
は、従来のミキサ110 よりも、シコシコ感に優れた美味
しいうどんを作ることができるとともに、省エネ、省力
化をも実現することができる。
【0024】上記のごとく、本発明の手打ち風麺類の製
造方法は、従来の手打ち風麺類の製造方法とは全く異な
る思想によるものであるが、小麦粉のグルテンを増強さ
せることができ、この増強に伴い麺塊mは熟成され、ま
た麺塊mは高速でかき混ぜられるので摩擦熱が発生し、
この熱によって麺塊の熟成が促進され、短時間で熟成で
き、さらに生地形成がしっかりしており包丁で切った麺
の形状がシャキッとしていて、形くずれしない。そし
て、この麺を茹でるときに溶け出るデンプン質を少なく
することができるので、麺の表面のざらつきや肌荒れが
少なくなり舌ざわりがよい。
【0025】
【発明の効果】請求項1の手打ち風麺類の製造方法によ
れば、小麦粉のグルテンを増強させることができ、この
増強に伴い麺塊は熟成され、また麺塊は高速でかき混ぜ
られるので摩擦熱が発生し、この熱によって麺塊の熟成
が促進され、短時間で熟成でき、さらに生地形成がしっ
かりしており包丁で切った麺の形状がシャキッとしてい
て、形くずれしない。そして、この麺を茹でるときに溶
け出るデンプン質を少なくすることができるので、麺の
表面のざらつきや肌荒れが少なくなり舌ざわりがよく
て、シコシコ感に優れた美味しいうどんを作ることがで
きるとともに、省エネルギー、省力化をも実現すること
ができる。請求項2の手打ち風麺類の製造方法によれ
ば、生地の水和が早くなり、麺塊をより早い時点から鍛
えることとなり、小麦粉のグルテンをより多く引き出す
ことができ、また摩擦熱も高めることができるので、高
品質の麺塊ができ、この麺塊を線切りすれば高品質の麺
が得られる。請求項3の手打ち風麺類の製造装置によれ
ば、小麦粉のグルテンを増強させることができ、この増
強に伴い麺塊は熟成され、また麺塊は高速でかき混ぜら
れるので摩擦熱が発生し、この熱によって麺塊の熟成が
促進され、短時間で熟成でき、さらに生地形成がしっか
りしており包丁で切った麺の形状がシャキッとしてい
て、形くずれしない。そして、この麺を茹でるときに溶
け出るデンプン質を少なくすることができるので、麺の
表面のざらつきや肌荒れが少なくなり舌ざわりがよく
て、シコシコ感に優れた美味しいうどんを作ることがで
きるとともに、省エネ、省力化をも実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手打ち風麺類の製造方法のフローチャ
ートである。
【図2】本実施携帯の手打ち風麺類の製造装置の概略斜
視図である。
【図3】本実施形態の手打ち風麺類の製造装置の縦断面
図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】混捏羽根12の単体図であって、(a)は平面
図、(b)は側面図、(c)は回転中心に直交する平面
に沿う練羽14の断面図である。
【図6】混捏羽根22の他の例の単体図であって、(a)
は平面図、(b)は側面図、(c)は回転中心に直交す
る平面に沿う練羽24の断面図である。
【図7】混捏羽根32のさらに他の例の単体図であって、
(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は練羽34の断
面図である。
【図8】従来の手打ち風麺類の機械製麺のフローチャー
トである。
【図9】従来の手打ち風麺類の製造装置の平面図であ
る。
【図10】従来の手打ち風麺類のミキサの平面図であ
る。
【図11】図10のXI−XI線矢視図である。
【図12】従来の混捏羽根の説明図であって、(a)は
正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
10 ミキサ 11 ケーシング 12 混捏羽根 14 練羽 15 直羽 22 混捏羽根 24 練羽 25 直羽 32 混捏羽根 34 練羽 35 直羽 d 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉に塩水を加水混合し、高速で、かつ
    加圧しながら捏練して麺塊を作ることを特徴とする手打
    ち風麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】小麦粉に塩水を一気に加水混合することを
    特徴とする請求項1記載の手打ち風麺類の製造方法。
  3. 【請求項3】有底状の容器と、 該容器内において、互いに対向して回転自在に取り付け
    られ、かつ互いに逆回転しうる一対の混捏羽根とからな
    るミキサであって、各混捏羽根は、回転軸を中心として
    対称に配置された練羽と、前記練羽より短い直羽とから
    なり、前記混捏羽根が回転したとき、前記直羽が小麦粉
    と塩水をかき混ぜて麺塊を作り、前記練羽が混捏羽根の
    軸方向に麺塊を押し出しながら、かつ麺塊を練羽の縁部
    で前記容器の底部に押し付けながら加圧することを特徴
    とする手打ち風麺類の製造装置。
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