JPH09294045A - 端面反射型表面波共振子 - Google Patents

端面反射型表面波共振子

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JPH09294045A
JPH09294045A JP10686196A JP10686196A JPH09294045A JP H09294045 A JPH09294045 A JP H09294045A JP 10686196 A JP10686196 A JP 10686196A JP 10686196 A JP10686196 A JP 10686196A JP H09294045 A JPH09294045 A JP H09294045A
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JP
Japan
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piezoelectric substrate
type surface
wave resonator
reflection type
surface wave
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JP10686196A
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English (en)
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Hideya Horiuchi
秀哉 堀内
Michio Kadota
道雄 門田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の共振特性を単一の素子で実現すること
ができ、かつ複数の共振特性のインピーダンス比が同程
度であるSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面
波共振子を得る。 【解決手段】 圧電基板12の対向2端面12a,12
b間でSHタイプの表面波を反射させる形式の端面反射
型表面波共振子11であり、圧電基板12上にくし歯電
極13,14を形成することにより、インターデジタル
トランスデューサを構成し、該インターデジタルトラン
スデューサが複数の共振特性を利用し得るように重み付
けされており、圧電基板12に段差12c,12dを形
成し、段差12c,12dの上方の側面部分を対向2端
面12a,12bとした場合、圧電基板12の一方面1
2eから段差12c,12dに至る寸法dが、表面波の
波長をλとしたときに、d/λ≧3.0とされている、
端面反射型表面波共振子11。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BGS波やラブ波
のようなSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面
波共振子に関し、特に、単一の素子で複数の共振特性を
利用し得るように構成されている端面反射型表面波共振
子に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビション受像機やビデオテープレコ
ーダーの映像中間周波段では、隣接するチャンネルとの
障害を防止するために、隣接チャンネル映像信号周周波
数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにお
いて信号を十分に減衰させることが必要である。図1
は、ヨーロッパのPAL方式における映像中間周波段の
減衰量−周波数特性を示す図である。図1から明らかな
ように、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接
チャンネル音声信号周波数fasにおいて、大きな減衰
量が確保されている。
【0003】上記のように、隣接チャンネル映像信号周
波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasに
おいてそれぞれ大きな減衰量を確保するために、従来、
隣接チャンネル映像信号周波数fapにおいて大きな減
衰量を有するトラップと、隣接チャンネル音声信号周波
数fasにおいて大きな減衰量を有するトラップとの2
個のトラップが用いられていた。また、それぞれのトラ
ップは、LC共振回路や圧電共振子などにより構成され
ていた。
【0004】近年、上記のような用途に用いられる圧電
共振子として、BGS波のようなSHタイプの表面波を
利用した圧電共振子が注目されている。図2は、BGS
波を利用した端面反射型の表面波共振子の一例を示す。
【0005】端面反射型表面波共振子1は、平面形状が
四角形の圧電基板2を用いて構成されている。圧電基板
2は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミック
スやLiNbO3 などの圧電単結晶からなる圧電材料に
より構成されている。圧電セラミックスの場合には、圧
電基板2は、図示の矢印P方向に分極処理されている。
【0006】圧電基板2の上面2aには、一組のくし歯
電極3,4が形成されており、それによってインターデ
ジタルトランスデューサ(以下、IDTと略す)が構成
されている。くし歯電極3,4は、それぞれ、複数本の
電極指3a〜3c及び4a〜4cを有する。
【0007】端面反射型表面波共振子1では、くし歯電
極3,4から交流電圧を印加することにより、BGS波
が励起され、該BGS波は図示の矢印X方向に伝搬され
る。また、BGS波が、圧電基板2の対向2端面2b,
2c間で反射され、共振子1内に閉じ込められる。従っ
て、端面反射型表面波共振子1では、IDTで決定され
る周波数と、対向2端面2b,2c間で決定される周波
数とを一致させることにより、有効な共振特性が得られ
る。
【0008】他方、SHタイプの表面波を利用した端面
反射型表面波共振子では、IDTが形成される圧電基板
表面からある深さの領域までに、SHタイプの表面波の
エネルギーの80%程度が集中することがわかってい
る。これは、圧電基板を構成する材料や電極の形状によ
っても異なるが、圧電セラミックスを用いた場合、通
常、表面波の波長をλとしたときに、圧電基板表面から
1.5λ程度までの深さの領域であると言われている。
従って、圧電基板に溝加工を施すことにより、SHタイ
プの表面波が反射される対向2端面を形成する場合に
は、圧電基板の表面から上記深さまでダイサー等により
切削加工すればよいことが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記端
面反射型表面波共振子も、LC共振回路や他の形式の圧
電共振子と同様に、単一の共振特性を利用するものにす
ぎなかった。従って、隣接チャンネル映像信号周波数f
ap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasの2つの
周波数位置において、トラップ特性を実現するには、2
個の端面反射型表面波共振子を用意し、接続しなければ
ならなかった。
【0010】他方、レーリー波を利用した弾性表面波共
振子においては、単一の共振子において2個の共振特性
を有するものが示されている(例えば、国際電気技報N
o.16、第1頁〜第7頁、1992)。すなわち、レ
イリー波を利用した表面波共振子フィルタにおいて、0
次縦モード(基本モード)と2次縦モードとを利用した
二重モード共振子が知られており、ここでは、2個の共
振特性が得られている。
【0011】しかしながら、上記二重モード共振子で
は、2個の共振特性を得るには、2つ以上のIDTと反
射器とを必要としていた。また、その共振特性は反射器
の反射係数−周波数特性で決定されるが、反射係数の大
きい周波数領域が狭いため、良好な共振特性が得られる
範囲では、2個の共振点の差が約1MHzと非常に小さ
かった。従って、図1に示した特性の場合のように、共
振点の差が大きな2つのトラップを、上記二重モード共
振子で構成することはできなかった。
【0012】そこで、上述したBGS波を利用した端面
反射型表面波共振子において、圧電基板上に2個のID
Tを形成し、2個の共振子ユニットを構成すれば、2個
の共振特性を得ることができるとも考えられる。しかし
ながら、端面反射型表面波共振子では、IDTの波長λ
と、圧電基板の対向2端面間の距離Lとの間には、L=
(λ/2)×N(ただし、Nは整数)の関係がある。
【0013】他方、隣接チャンネル映像信号周波数fa
pと隣接チャンネル音声信号周波数fasとの周波数差
は上述したようにかなり大きいため、それぞれのλも大
きく異なる。例えば、圧電基板2の音速を2400m/
秒としたとき、PAL方式の場合、隣接チャンネル映像
信号周波数fapにおける波長λapは75.2μm、
隣接チャンネル音声信号周波数fasにおける波長λa
sは59.4μmであった。
【0014】従って、端面反射型表面波共振子におい
て、隣接チャンネル映像信号周波数fapに共振点を有
する共振ユニット及び隣接チャンネル音声信号周波数f
asに共振点を有する共振ユニットを構成しようとした
場合、対向2端面間の距離Lの値が大きく異なることに
なる。すなわち、SHタイプの表面波を利用した端面反
射型表面波共振子では、同一基板上に共振周波数が異な
る2個の共振ユニットを形成することは非常に困難であ
ると考えられていた。
【0015】本発明の目的は、共振周波数が異なる少な
くとも2個の共振ユニットが1つの素子として構成され
ているSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波
共振子を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、複数の共振特
性を利用し得るように構成されたSHタイプの表面波を
利用した端面反射型表面波共振子において、利用しよう
とする複数の共振特性のインピーダンス比が良好な端面
反射型表面波共振子を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、先に、
SHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子
において、IDTに重み付けを施すことにより、単一の
素子で複数の共振特性を有するものを構成することがで
きることを見いだした。すなわち、特願平7−4815
9号に開示したように、対向2端面を有する圧電基板上
にIDTを形成してなる端面反射型表面波共振子におい
て、メインローブの減衰極を、同じ電極指対数あるいは
同じ基板寸法(対向2端面間の距離)により決定される
電極指対数の正規型のIDTのメインローブの減衰極の
周波数位置よりも外側に位置させるようにIDTに重み
付けを施し、それによってメインローブによる共振特性
と、正規型IDTの減衰極による共振特性とを利用する
ことにより、複数個の共振特性を用いた端面反射型表面
波共振子が得られる。
【0018】また、特願平7−223229号に開示し
ているように、交叉幅重み付けもしくは電極間引き法に
より重み付けが施されたIDTにおいて、重み付けが施
されたIDTの周波数特性が二山のメインローブを有
し、同じ電極指対数あるいは同じ基板端面間寸法により
決定される電極指対数を有する仮想の正規型のIDTの
周波数特性のメインローブの両側の減衰極の周波数位置
に、上記二山のメインローブのピークがそれぞれほぼ一
致するように重み付けを施せば、仮想の正規型IDTの
減衰極において2つの共振特性が得られる。
【0019】すなわち、上述したように端面反射型表面
波共振子のIDTを重み付けすることにより、単一素子
において2個の共振特性を利用することができる。従っ
て、例えば、複数個の共振特性のうち、1つを隣接チャ
ンネル映像信号周波数fap、それより周波数の高い共
振特性を隣接チャンネル音声信号周波数fasとするよ
うに上記各減衰極の位置を設定すれば、隣接チャンネル
映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波
数fasにそれぞれトラップを有するトラップ回路を単
一の素子で構成することができる。
【0020】しかしながら、これら複数の共振特性を有
する端面反射型表面波共振子では、2N次モード(ID
Tのメインローブによる共振特性)に比べて、2N次以
外のモード(端面反射型表面波共振子と同対数の正規型
IDTの減衰極を利用した共振特性)はインピーダンス
比、すなわち共振点と反共振点との間のインピーダンス
比が小さいため、2N次以外のモードの共振特性を利用
したトラップの減衰量が小さかった。
【0021】そこで、本願発明者らは、上述した複数の
共振特性を利用する端面反射型表面波共振子において、
さらに、利用しようとする複数の共振特性の上記インピ
ーダンス比が良好な端面反射型表面波共振子を得ようと
して鋭意検討した結果、対向2端面の圧電基板の厚み方
向寸法を特定の大きさとすれば、2N次以外のモードに
よる共振特性の反射効率を高めることができ、従って2
N次以外のモードによる共振特性のインピーダンス比を
2N次モードによる共振特性のインピーダンス比に近付
け得ることを見出し、本発明を成すに至った。
【0022】すなわち、本発明に係る端面反射型表面波
共振子は、圧電基板の対向2端面間でSHタイプの表面
波を反射させる端面反射型表面波共振子であって、一方
面上に第1,第2の溝が形成されており、第1,第2の
溝の内側の側面が前記対向2端面を構成している圧電基
板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共
振特性を利用し得るように重み付けされたIDTとを備
え、前記第1,第2の溝の深さをh、表面波の波長をλ
としたときに、h/λ≧3.0となるように第1,第2
の溝が形成されていることを特徴とする端面反射型表面
波共振子である。
【0023】また、本発明の別の局面によれば、圧電基
板の対向2端面間でSHタイプの表面波を反射させる端
面反射型表面波共振子であって、向かい合う一対の側面
において所定の高さ位置にそれぞれ段差が形成されてお
り、該段差よりも一方面側の側面部分により前記対向2
端面が構成されている圧電基板と、前記圧電基板上に形
成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように
重み付けされたIDTとを備え、前記圧電基板の一方面
から前記第1,第2の段差までの側面部分の寸法をd、
表面波の波長をλとしたときに、d/λ≧3.0となる
ように第1,第2の段差が形成されていることを特徴と
する端面反射型表面波共振子が提供される。
【0024】なお、本発明の端面反射型表面波共振子で
は、IDTは、複数の共振特性を利用し得るように重み
付けが施されているが、この重み付けについては、交叉
幅重み付け法のほか、電極間引き法等によって行われて
もよく、特に限定されるものではない。
【0025】本発明の特定的な局面によれば、上記端面
反射型表面波共振子は、前記表面波共振子が、テレビジ
ョン受像機の映像信号周波段のトラップ回路を構成する
ための共振子であり、複数個の共振特性の1つが隣接チ
ャンネル映像信号周波数、前記1つの共振特性よりも高
周波数側になる第2の共振特性が隣接チャンネル音声信
号周波数に対応されている表面波共振子である。
【0026】作用 本発明の端面反射型表面波共振子の第1の例では、圧電
基板の対向2端面は、圧電基板の一方面上に形成された
第1,第2の溝の内側の側面、または上記段差と一方面
との間の側面部分により構成されている。そして、第
1,第2の溝の深さをh、並びに上記側面部分の寸法を
d、表面波の波長をλとしたときに、h/λ≧3.0ま
たはd/λ≧3.0とされている。本発明では、h/λ
≧3.0またはd/λ≧3.0とされているため、後述
の実施例から明らかなように、2N次モード以外の共振
特性のインピーダンス比が2N次モードによる共振特性
のインピーダンス比と同等とされる。これは、本願発明
者により実験的に確かめられたものであり、従来、複数
の共振特性を有する端面反射型表面波共振子において、
2N次モード以外の共振特性のインピーダンス比に着目
し、上記溝の深さhや側面部分の寸法dを調整した構成
は知られていなかった。
【0027】すなわち、本発明は、2N次モード以外の
モードにおける共振特性のインピーダンス比が2N次モ
ードによる共振特性のインピーダンス比に比べて小さい
という問題点を初めて認識し、かつ上記のように溝の深
さh、側面部分の寸法dを調整することにより、上記問
題点を解決したことに特徴を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにす
る。
【0029】図3は、本発明にかかる端面反射型表面波
共振子の第1の実施例を示す平面図である。本実施例に
かかる端面反射型表面波共振子11は、ヨーロッパのP
AL方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap
(=31.9MHz)及び隣接チャンネル音声信号周波
数fas(=40.4MHz)におけるトラップを構成
するための共振子である。
【0030】端面反射型表面波共振子11は、平面形状
が矩形の圧電基板12を用いて構成されている。圧電基
板12は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミ
ックスやLiNbO3 、LiTaO3 などの圧電単結晶
により構成されており、圧電セラミックスの場合には、
図示の矢印P方向に分極処理されている。
【0031】圧電基板12は、対向2端面12a,12
bを有する。圧電基板12の上面には、くし歯電極1
3,14が形成されており、それによってIDTが構成
されている。くし歯電極13,14は、それぞれ、複数
本の電極指13a〜13i及び14a〜14iを有す
る。
【0032】上記電極指13a〜13i及び14a〜1
4iは、励起されるSHタイプの表面波の波長をλとし
た場合、λ/4の間隔を隔てて形成されている。また、
圧電基板12の対向端面12a,12bに沿って形成さ
れている電極指13a,14a,13i,14iは、幅
がλ/8とされており、他の電極指13b〜13h,1
4b〜14hは、幅がλ/4とされている。
【0033】また、圧電基板12は、対向2端面12
a,12bを有するが、この対向2端面12a,12b
は、圧電基板12の一対の側面において、後述の段差1
2c,12dを形成することにより構成されている。
【0034】すなわち、図4に略図的断面図で示すよう
に、圧電基板12においては、一方面12eと他方面1
2fとを結ぶ一対の対向し合っている面において、中間
高さ位置に段差12c,12dが形成されている。段差
12c,12dよりも上方の側面部分が、上述した対向
2端面12a,12bを構成している。
【0035】実際の製造に際しては、圧電基板12上に
電極指13a,13i,14a,14iについてもλ/
4の幅となるようにくし歯電極13,14を形成した後
に、ダイサー等により圧電基板12を一方面12e側か
ら切削することにより、上記端面12a,12b及び段
差12c,12dを形成すると共に、幅がλ/8の電極
指13a,13i,14a,14iを形成し得る。
【0036】端面反射型表面波共振子11では、くし歯
電極13,14から交流電圧を印加することにより、B
GS波が励振され、BGS波は圧電基板12の表面と平
行であり、かつ分極方向Pと直交する方向に伝搬され、
対向2端面12a,12b間で反射される。
【0037】さらに、端面反射型表面波共振子11で
は、くし歯電極13,14が、複数個の共振特性を有す
るように交叉幅重み付けを施されている。この重み付け
法は、前述した特願平7−48159号に開示されてい
るが、図5及び図6を参照して説明する。
【0038】図5は、BGS波を利用した端面反射型表
面波共振子における正規型のIDTの周波数スペクトラ
ムを示す。このような周波数スペクトラムは、例えば昭
和51年5月発行日本音響学会講演論文集第351頁〜
第352に記載されており、従来より知られているもの
である。
【0039】なお、図5における横軸は周波数を示し、
横軸上の2N,2N−1などは、2N次モード、2N−
1次モードの共振点の位置を示し、縦軸はメインローブ
のピークを0dBとしたときの減衰量を示す。
【0040】図5から明らかなように、正規型のIDT
の場合、2N次の共振モードは、N対の電極指対数を有
するIDTを構成することにより励振することができ
る。また、他の高次モードのうち、奇数のモード、すな
わち2N−1次、2N−3次、2N+1次及び2N+3
次などのモードは電極の対称性により励振されない。偶
数のモードについては、図5から明らかなように、共振
周波数がN対の対数を有するIDTの周波数特性の減衰
極と一致するための励振されない。
【0041】従って、図2に示したような正規型のID
Tを形成した端面反射型表面波共振子では、2N次のモ
ードのみが励振される。これに対し、図3に示した端面
反射型表面波共振子11では、上記重み付けが施された
IDTを用いることにより複数個の共振特性が得られ
る。これを、図6を参照して説明する。
【0042】図6の実線Aは、複数の共振特性を有する
ように重み付けを施したIDTの周波数スペクトラムを
示す。破線Bは、交叉幅重み付けを施した場合の上記I
DTと同対数の正規型IDTの周波数スペクトラムを示
す。
【0043】図6から明らかなように、交叉幅重み付け
を施されたIDTのメインローブの減衰極は正規型ID
Tのメインローブの減衰極2N+2,2N−2の外側に
構成されている。
【0044】従って、交叉幅重み付けを施された上記I
DTの周波数スペクトラムAでは、2N−2次及び2N
+2次のモードにおいて減衰量は比較的小さく、従って
励振されることがわかる。このように、励振される偶数
モードのうち、もっとも近くの共振特性を利用すること
により、複数個の共振特性を利用することができる。
【0045】本実施例の端面反射型表面波共振子11で
は、上記のようにしてIDTが重み付けされて2個の共
振特性が得られており、それによって、図7に示すよう
に、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャ
ンネル音声信号周波数fasにおけるトラップが単一の
素子で構成されている。
【0046】さらに、本実施例の端面反射型表面波共振
子11では、上記対向端面12a,12bの厚み方向寸
法d、すなわち圧電基板12の一方面12eから段差1
2c,12dまでの距離dが、d/λ≧3.0とされて
おり、それによって2N次以外のモードによる共振特性
のインピーダンス比が、2N次モードの共振特性におけ
るインピーダンス比と同程度とされている。これを、図
8を参照して説明する。
【0047】上記端面反射型表面波共振子11におい
て、上記寸法dを変化させて、2N次モードによる共振
特性のインピーダンス比と、2N次以外のモードによる
共振特性のインピーダンス比を測定した。結果を図8に
示す。
【0048】なお、図8に示す結果は、圧電基板12と
して、(チタン酸ジルコン酸鉛系)圧電セラミックスか
らなり、0.7×1.2×0.5mmの寸法のものを用
い(但し、対向2端面間の距離は0.25mm)、ID
Tを構成するくし歯電極13,14として、電極指の対
数が4.5対、電極指の幅が0.02mm、電極指交叉
幅が13λのものを用いた。
【0049】なお、図8において、○で示す結果Aは、
2N次以外のモードによる共振特性についての結果を、
●で示すBは、2N次モードによる共振特性についての
結果である。
【0050】図8から明らかなように、2N次モードに
よる共振特性では、d/λ=1.5〜2.0の範囲で表
面波のエネルギーの80%程度が反射されるが、2N次
以外のモードによる共振特性では、d/λ=3.0程度
で初めて表面波のエネルギーの80%が反射されること
がわかった。
【0051】従って、d/λ≧3.0とすることによ
り、2N次以外のモードによる共振特性のインピーダン
ス比を、2N次モードによる共振特性のインピーダンス
比と同程度にし得ることがわかる。
【0052】よって、上記d/λ=3.98の場合の共
振特性を示す図7から明らかなように、2N次モードに
よる共振特性のインピーダンス比と、2N次以外のモー
ドの共振特性によるインピーダンス比がほぼ同程度とさ
れていることがわかる。
【0053】また、d/λ≧3.0の場合に、IDTに
より励振される表面波は、対向端面12a,12bでそ
の80%以上が反射されるため、段差12c,12dの
下方に形成されている側面部分12g,12hについて
は、さほど位置精度が要求されず、チッピング等が生じ
ていてもよい。従って、側面部分12g,12hについ
ては、マザー基板から圧電基板12を作製するに際し、
段差12c,12dを形成した後にマザー基板を折るこ
とにより容易に形成することができる。
【0054】逆に、上記側面部分12g,12hについ
ては、上記のようにマザー基板を折ることにより形成
し、粗面とした方がバルク波の反射を抑圧することがで
きるため好ましい。
【0055】上述した第1の実施例では、圧電基板12
に対向端面12a,12bを形成するにあたり、圧電基
板12の一方面12eから段差12c,12dに至る側
面部分を対向2端面12a,12bとし、かつ段差12
c,12dに至るまでの寸法dを上記特定の範囲とする
ことにより、2N次以外のモードによる共振特性のイン
ピーダンス比を、2N次モードの共振特性のインピーダ
ンス比と同程度としていた。
【0056】しかしながら、本発明では、上記対向2端
面を、圧電基板に溝を形成することにより構成してもよ
く、その場合には、溝の内側側面で構成される対向2端
面の厚み方向寸法を上記寸法dと同様に設定すればよ
い。このような実施例を、図9を参照して説明する。
【0057】図9は、本発明の第2の実施例に係る端面
反射型表面波共振子の略図的断面図であり、第1の実施
例について示した図4に相当する図である。なお、図9
に示す端面反射型表面波共振子21は、圧電基板22
と、対向2端面22a,22bの形成方法が異なること
を除いては、第1の実施例の端面反射型表面波共振子1
1と同様に構成されている。従って、IDTを構成する
部分については、同一の参照番号を付することにより、
第1の実施例のIDTの構成についての説明を援用する
ことにより省略する。
【0058】端面反射型表面波共振子21では、圧電基
板22において、一方面22eから他方面22fに向か
って、溝22g,22hが形成されている。溝22g,
22hの内側側面が、対向2端面22a,22bを構成
している。
【0059】また、本実施例においても、IDTは、交
叉幅重み付けにより第1の実施例の端面反射型表面波共
振子11と同様に複数の共振特性を利用し得るように構
成されている。
【0060】さらに、第2の実施例に係る端面反射型表
面波共振子21では、溝22g,22hの深さが、すな
わち対向2端面22a,22bの厚み方向寸法hが、h
/λ≧3.0とされているため、第1の実施例の場合と
同様に、2N次以外のモードによる共振特性のインピー
ダンス比が、2N次モードによる共振特性のインピーダ
ンス比と同程度とされている。
【0061】また、第2の実施例では、圧電基板12を
マザー基板から製作する場合の切断面12i,12jは
反射面である対向2端面22a,22bよりも外側に配
置されるため、バルク波による不要スプリアスを第1の
実施例の端面反射型表面波共振子11に比べてより効果
的に抑圧することができる。
【0062】なお、上記溝22g,22hの形成につい
ては、圧電基板22上にIDTを構成する電極を形成し
た後、ダイサー等により溝加工することにより行い得
る。上述してきた図示の実施例にかかる端面反射型表面
波共振子11,21では、BGS波を利用したが、本発
明におけるSHタイプの表面波は、BGS波に限定され
ず、ラブ波なども用いることができる。
【0063】また、圧電基板22についても、圧電基板
12の場合と同様に、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラ
ミックスのような圧電セラミックス、あるいはLiNb
3、LiTaO3 などの圧電単結晶により構成するこ
とができる。
【0064】さらに、IDTを構成するためのくし歯電
極13,14,23,24についても、Al、Ag、P
dなどの適宜の導電性材料からなるものを用いることが
できる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる端面反射
型表面波共振子では、IDTが複数の共振特性を利用し
得るように重み付けされているため、単一の素子で複数
のトラップを構成することができ、しかも、第1,第2
の溝の深さh、あるいは圧電基板の一方面から段差に至
る側面部分の寸法dが、それぞれ、h/λ≧3.0また
はd/λ≧3.0とされているため、2N次以外のモー
ドの共振特性のインピーダンス比を2N次モードによる
共振特性のインピーダンス比と同等とすることが可能と
されている。
【0066】よって、単一の素子で複数の共振特性を利
用し得るだけでなく、複数の共振特性のインピーダンス
比が同等とされているため、例えば、テレビジョン受像
機の映像信号周波段の隣接チャンネル映像信号周波数及
び隣接チャンネル音声信号周波数に対応したトラップを
有するトラップ回路のように、減衰量の大きなトラップ
を複数要求される用途に最適な端面反射型表面波共振子
を提供することができ、本発明の端面反射型表面波共振
子を利用することにより、例えば、テレビジョン受像機
の映像信号周波段のトラップ回路などの種々のトラップ
回路の構成の簡略化及び部品点数の低減を果たすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビション受像機の映像中間周波段の減衰量
−周波数特性の一例を示す図。
【図2】従来のBGS波を利用した端面反射型表面波共
振子を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施例にかかる端面反射型表面
波共振子の平面図。
【図4】本発明の第1の実施例に係る端面反射型表面波
共振子の断面図。
【図5】正規型IDTの周波数スペクトラムを示す図。
【図6】複数の共振特性を有するように重み付けが施さ
れたIDT及び正規型IDTの周波数スペクトラムを示
す図。
【図7】第1の実施例の端面反射型表面波共振子のイン
ピーダンス−周波数特性を示す図。
【図8】第1の実施例の端面反射型表面波共振子におい
て、圧電基板の一方面から段差まで至る側面部分すなわ
ち対向端面の厚み方向寸法dと、インピーダンス比との
関係を示す図。
【図9】本発明の第2の実施例に係る端面反射型表面波
共振子を説明するための断面図。
【符号の説明】
11,21…端面反射型表面波共振子 12,22…圧電基板 12a,12b…対向2端面を構成する端面 12c,12d…段差 12e,12f…圧電基板の一方面及び他方面 13,14…IDTを構成するくし歯電極 22a,22b…対向2端面を構成する端面 22g,22h…溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の対向2端面間でSHタイプの
    表面波を反射させる端面反射型表面波共振子であって、 一方面上に第1,第2の溝が形成されており、第1,第
    2の溝の内側の側面が前記対向2端面を構成している圧
    電基板と、 前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性
    を利用し得るように重み付けされたインターデジタルト
    ランスデューサとを備え、 前記第1,第2の溝の深さをh、表面波の波長をλとし
    たときに、h/λ≧3.0となるように第1,第2の溝
    が形成されていることを特徴とする、端面反射型表面波
    共振子。
  2. 【請求項2】 圧電基板の対向2端面間でSHタイプの
    表面波を反射させる端面反射型表面波共振子であって、
    向かい合う一対の側面において所定の高さ位置にそれぞ
    れ段差が形成されており、該段差よりも一方面側の側面
    部分により前記対向2端面が構成されている圧電基板
    と、 前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性
    を利用し得るように重み付けされたインターデジタルト
    ランスデューサとを備え、 前記圧電基板の一方面から前記第1,第2の段差までの
    側面部分の寸法をd、表面波の波長をλとしたときに、
    d/λ≧3.0となるように第1,第2の段差が形成さ
    れていることを特徴とする、端面反射型表面波共振子。
  3. 【請求項3】 前記表面波共振子が、テレビジョン受像
    機の映像信号周波段のトラップ回路を構成するための共
    振子であり、複数個の共振特性の1つである第1の共振
    特性が隣接チャンネル映像信号周波数、前記第1の共振
    特性よりも高周波数側にある第2の共振特性が隣接チャ
    ンネル音声信号周波数に対応されている、請求項1また
    は2に記載の表面波共振子。
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