JP3582225B2 - 端面反射型表面波共振子及び表面波共振子の周波数調整方法 - Google Patents

端面反射型表面波共振子及び表面波共振子の周波数調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、BGS波やラブ波のようなSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子に関し、特に、単一の素子で複数の共振特性を利用し得るように構成されている端面反射型表面波共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビション受像機やビデオテープレコーダーの映像中間周波段では、隣接するチャンネルとの障害を防止するために、隣接チャンネル映像信号周周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおいて信号を十分に減衰させることが必要である。図1は、ヨーロッパのPAL方式における映像中間周波段の減衰量−周波数特性を示す図である。図1から明らかなように、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおいて、大きな減衰量が確保されている。
【0003】
上記のように、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおいてそれぞれ大きな減衰量を確保するために、従来、隣接チャンネル映像信号周波数fapにおいて大きな減衰量を有するトラップと、隣接チャンネル音声信号周波数fasにおいて大きな減衰量を有するトラップとの2個のトラップが用いられていた。また、それぞれのトラップは、LC共振回路や圧電共振子などにより構成されていた。
【0004】
近年、上記のような用途に用いられる圧電共振子として、BGS波のようなSHタイプの表面波を利用した圧電共振子が注目されている。図2は、BGS波を利用した端面反射型の表面波共振子の一例を示す。
【0005】
端面反射型表面波共振子1は、平面形状が四角形の圧電基板2を用いて構成されている。圧電基板2は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスやLiNbOなどの圧電単結晶からなる圧電材料により構成されている。圧電セラミックスの場合には、圧電基板2は、図示の矢印P方向に分極処理されている。
【0006】
圧電基板2の上面2aには、一組のくし歯電極3,4が形成されており、それによってインターデジタルトランスデューサ(以下、IDTと略す)が構成されている。くし歯電極3,4は、それぞれ、複数本の電極指3a〜3c及び4a〜4cを有する。
【0007】
端面反射型表面波共振子1では、くし歯電極3,4から交流電圧を印加することにより、BGS波が励起され、該BGS波は図示の矢印X方向に伝搬される。また、BGS波が、圧電基板2の対向2端面2b,2c間で反射され、共振子1内に閉じ込められる。従って、端面反射型表面波共振子1では、IDTで決定される周波数と、対向2端面2b,2c間で決定される周波数とを一致させることにより、有効な共振特性が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記端面反射型表面波共振子も、LC共振回路や他の形式の圧電共振子と同様に、単一の共振特性を利用するものにすぎなかった。従って、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasの2つの周波数位置において、トラップ特性を実現するには、2個の端面反射型表面波共振子を用意し、接続しなければならなかった。
【0009】
他方、レーリー波を利用した弾性表面波共振子においては、単一の共振子において2個の共振特性を有するものが示されている(例えば、国際電気技報No.16、第1頁〜第7頁、1992)。すなわち、レイリー波を利用した表面波共振子フィルタにおいて、0次縦モード(基本モード)と2次縦モードとを利用した二重モード共振子が知られており、ここでは、2個の共振特性が得られている。
【0010】
しかしながら、上記二重モード共振子では、2個の共振特性を得るには、2つ以上のIDTと反射器とを必要としていた。また、その共振特性は反射器の反射係数−周波数特性で決定されるが、反射係数の大きい周波数領域が狭いため、良好な共振特性が得られる範囲では、2個の共振点の差が約1MHzと非常に小さかった。従って、図1に示した特性の場合のように、共振点の差が大きな2つのトラップを、上記二重モード共振子で構成することがはできなかった。
【0011】
そこで、上述したBGS波を利用した端面反射型表面波共振子において、圧電基板上に2個のIDTを形成し、2個の共振子ユニットを構成すれば、2個の共振特性を得ることができるとも考えられる。しかしながら、端面反射型表面波共振子では、IDTの波長λと、圧電基板の対向2端面間の距離Lとの間には、L=(λ/2)×N(ただし、Nは整数)の関係がある。
【0012】
他方、隣接チャンネル映像信号周波数fapと隣接チャンネル音声信号周波数fasとの周波数差は上述したようにかなり大きいため、それぞれのλも大きく異なる。例えば、圧電基板2の音速を2400m/秒としたとき、PAL方式の場合、隣接チャンネル映像信号周波数fapにおける波長λapは75.2μm、隣接チャンネル音声信号周波数fasにおける波長λasは59.4μmであった。
【0013】
従って、端面反射型表面波共振子において、隣接チャンネル映像信号周波数fapに共振点を有する共振ユニット及び隣接チャンネル音声信号周波数fasに共振点を有する共振ユニットを構成しようとした場合、対向2端面間の距離Lの値が大きく異なることになる。すなわち、SHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子では、同一基板上に共振周波数が異なる2個の共振ユニットを形成することは非常に困難であると考えられていた。
【0014】
本発明の目的は、共振周波数が異なる少なくとも2個の共振ユニットが1つの素子として構成されているSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、複数の共振特性を利用し得るように構成されたSHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子において、隣り合う共振特性の周波数間隔が高精度に設定された端面反射型表面波共振子並びに該端面反射型表面波共振子の周波数調整方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、先に、SHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子において、IDTに重み付けを施すことにより、単一の素子で複数の共振特性を有するものを構成することができることを見いだした。すなわち、特願平7−48159号に開示したように、対向2端面を有する圧電基板上にIDTを形成してなる端面反射型表面波共振子において、メインローブの減衰極を、同じ電極指対数あるいは同じ基板寸法(対向2端面間の距離)により決定される電極指対数の正規型のIDTのメインローブの減衰極の周波数位置よりも外側に位置させるようにIDTに重み付けを施し、それによってメインローブによる共振特性と、正規型IDTの減衰極による共振特性とを利用することにより、複数個の共振特性を用いた端面反射型表面波共振子が得られる。
【0017】
また、特願平7−223229号に開示しているように、交叉幅重み付けもしくは電極間引き法により重み付けが施されたIDTにおいて、重み付けが施されたIDTの周波数特性が二山のメインローブを有し、同じ電極指対数あるいは同じ基板端面間寸法により決定される電極指対数を有する仮想の正規型のIDTの周波数特性のメインローブの両側の減衰極の周波数位置に、上記二山のメインローブのピークがそれぞれほぼ一致するように重み付けを施せば、仮想の正規型IDTの減衰極において2つの共振特性が得られる。
【0018】
すなわち、上述したように端面反射型表面波共振子のIDTを重み付けすることにより、単一素子において2個の共振特性を利用することができる。従って、例えば、複数個の共振特性のうち、1つを隣接チャンネル映像信号周波数fap、それより周波数の高い共振特性を隣接チャンネル音声信号周波数fasとするように上記各減衰極の位置を設定すれば、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにそれぞれトラップを有するトラップ回路を単一の素子で構成することができる。
【0019】
しかしながら、上記のようにIDTに重み付けを施すことにより複数の共振特性を利用し得るように構成された端面反射型表面波共振子では、利用しようとする隣り合う共振周波数の周波数間隔が対数に依存する。従って、実現可能な共振周波数間隔は対数に対応した不連続な値となる。
【0020】
他方、2個の共振特性が要求される場合、通常、該共振特性間の周波数間隔は用途によって定められている。例えば、ヨーロッパのPAL方式では8.5MHz、アメリカのNTSC方式では7.5MHzであり、日本のNTSC方式では7.5MHzである。従って、上述した複数の共振特性を有する端面反射型表面波共振子を用い、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおいてそれぞれトラップを有するように構成した場合、隣り合う共振特性の周波数間隔が対数に対応した不連続な値となるため、目的とする周波数間隔からずれるという問題があった。
【0021】
そこで、本願発明者らは、上述した複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子において、さらに、利用しようとする共振特性間の周波数間隔を高精度に制御し得る方法につき鋭意検討した結果、複数の共振特性を有するように重み付けが施されたIDTにおいて、電極指の幅の電極指間ピッチに対する比、すなわちメタライゼーション比を調整すれば、隣り合う共振特性の周波数間隔を高精度に制御し得ることを見いだし、本発明を成すに至った。
【0025】
第1の発明、ヨーロッパのテレビジョン方式であるPAL方式において、隣接チャンネル映像信号周波数fap=31.9MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=40.4MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように交叉幅重み付けされたIDTとを備え、前記インターデジタルトランスデューサの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、交叉幅重み付けが施された前記IDTのメタライゼーション比0.55以上、0.76以下であることを特徴とする、端面反射型表面波共振子であり、それによって隣接チャンネル映像信号周波数fapと隣接チャンネル音声信号周波数fasとの周波数差が正確に設定されたトラップ回路を単一の素子で構成することができる。
【0026】
本願の第2の発明は、アメリカのテレビジョン方式であるNTSC方式において、隣接チャンネル映像信号周波数fap=39.75MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=47.25MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように電極間引き法により重み付けされたIDTとを備え、前記IDTの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、電極間引き法により重み付けされた前記IDTのメタライゼーション比が0.37以上、0.58以下とされていることを特徴とする、端面反射型表面波共振子であり、それによって上記隣接チャンネル映像信号周波数fapと隣接チャンネル音声信号周波数fasとの周波数差が高精度に制御されたトラップ回路を構成することができる。
【0027】
本願の第3の発明は、日本のテレビジョン放送方式であるNTSC方式において隣接チャンネル映像信号周波数fap=52.75MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=60.25MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように電極間引き法により重み付けされたIDTとを備え、前記IDTの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、電極間引き法により重み付けされた前記IDTのメタライゼーション比0.56以上、0.77以下とされている、端面反射型表面波共振子であり、それによって隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fas間の周波数間隔が高精度に制御されたトラップ回路を構成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
【0029】
図3は、本発明にかかる端面反射型表面波共振子の第1の実施例を示す平面図である。
本実施例にかかる端面反射型表面波共振子11は、ヨーロッパのPAL方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap(=31.9MHz)及び隣接チャンネル音声信号周波数fas(=40.4MHz)におけるトラップを構成するための共振子である。
【0030】
端面反射型表面波共振子11は、平面形状が矩形の圧電基板12を用いて構成されている。圧電基板12は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスやLiNbO、LiTaOなどの圧電単結晶により構成されており、圧電セラミックスの場合には、図示の矢印P方向に分極処理されている。
【0031】
圧電基板12は、対向2端面12a,12bを有する。圧電基板12の上面には、くし歯電極13,14が形成されており、それによってIDTが構成されている。くし歯電極13,14は、それぞれ、複数本の電極指13a〜13i及び14a〜14iを有する。
【0032】
端面反射型表面波共振子11では、くし歯電極13,14から交流電圧を印加することにより、BGS波が励振され、BGS波は圧電基板12の表面と平行であり、かつ分極方向Pと直交する方向に伝搬され、対向2端面12a,12b間で反射される。
【0033】
さらに、端面反射型表面波共振子11では、くし歯電極13,14が、複数個の共振特性を有するように交叉幅重み付けを施されている。この重み付け法は、前述した特願平7−48159号に開示されているが、図4及び図5を参照して説明する。
【0034】
図4は、BGS波を利用した端面反射型表面波共振子における正規型のIDTの周波数スペクトラムを示す。このような周波数スペクトラムは、例えば昭和51年5月発行日本音響学会講演論文集第351頁〜第352に記載されており、従来より知られているものである。
【0035】
なお、図4における横軸は周波数を示し、横軸上の2N,2N−1などは、2N次モード、2N−1次モードの共振点の位置を示し、縦軸はメインローブのピークを0dBとしたときの減衰量を示す。
【0036】
図4から明らかなように、正規型のIDTの場合、2N次の共振モードは、N対の電極指対数を有するIDTを構成することにより励振することができる。また、他の高次モードのうち、奇数のモード、すなわち2N−1次、2N−3次、2N+1次及び2N+3次などのモードは電極の対称性により励振されない。偶数のモードについては、図4から明らかなように、共振周波数がN対の対数を有するIDTの周波数特性の減衰極と一致するための励振されない。
【0037】
従って、図2に示したような正規型のIDTを形成した端面反射型表面波共振子では、2N次のモードのみが励振される。
これに対し、図3に示した端面反射型表面波共振子11では、上記重み付けが施されたIDTを用いることにより複数個の共振特性が得られる。これを、図5を参照して説明する。
【0038】
図5の実線Aは、複数の共振特性を有するように重み付けを施したIDT周波数スペクトラムを示す。破線Bは、交叉幅重み付けを施した場合の上記IDTと同対数の正規型IDTの周波数スペクトラムを示す。
【0039】
図5から明らかなように、交叉幅重み付けを施されたIDTのメインローブの減衰極は正規型IDTのメインローブの減衰極2N+2,2N−2の外側に構成されている。
【0040】
従って、交叉幅重み付けを施された上記IDTの周波数スペクトラムAでは、2N−2次及び2N+2次のモードにおいて減衰量は比較的小さく、従って励振されることがわかる。このように、励振される偶数モードのうち、もっとも近くの共振特性を利用することにより、複数個の共振特性を利用することができる。
【0041】
本実施例の端面反射型表面波共振子11では、上記のようにしてIDTが重み付けされて複数個の共振特性が得られており、そのうちの2個の共振特性を利用することによって隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおけるトラップが単一の素子で構成されている。
【0042】
さらに、本実施例では、IDTの電極指交叉幅とメタライゼーション比とを調整することにより、上記2つのトラップの周波数間隔Δfが、目的とする周波数間隔8.5MHzに正確に設定され得る。これを、図6を参照して説明する。
【0043】
端面反射型表面波共振子11において、IDTのメタライゼーション比及び電極指交叉幅と、2つのトラップの周波数間隔Δfとの関係を調べたところ、図6に示す結果が得られた。なお、図6では、電極指交叉幅が5λ,10λ及び13λである3種類の端面反射型表面波共振子11を作成し、上記メタライゼーション比を変更させることにより、周波数間隔Δfがどのように変化するかを測定した。
【0044】
図6から明らかなように、メタライゼーション比が大きく、かつ電極指交叉幅が小さくなるほど、周波数間隔Δfが広くなることがわかる。従って、電極指交叉幅を変化させたとしても、メタライゼーション比を0.55以上、0.76以下に設定すれば、周波数間隔Δfが所望値である8.5MHzに対し±100kHz以内となることがわかる。
【0045】
よって、端面反射型表面波共振子11により、PAL方式の隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおけるトラップを構成する場合、IDTのメタライゼーション比を0.55以上、0.76以下とすることにより、周波数間隔Δfが正確に設定されたトラップ回路を構成し得ることがわかる。
【0046】
上記のようにして得られた本実施例の端面反射型表面波共振子11の減衰量−周波数特性の一例を図7に示す。なお図7に示す特性は、圧電基板12として(チタン酸ジルコン酸鉛系)圧電セラミックスからなり、0.7×1.2×0.5mmの寸法のものを用い、IDTの電極指の対数を4.5対、電極指交叉幅を13λ、メタライゼーション比を0.72とした場合の特性を示す。
【0047】
図8は、本発明の第2の実施例にかかる端面反射型表面波共振子を示す平面図である。端面反射型表面波共振子21は、第1の実施例にかかる端面反射型表面波共振子11とほぼ同様に構成されているため、相当の部分については、相当の参照番号を付することにより、第1の実施例について行った説明を援用することにより省略する。
【0048】
端面反射型表面波共振子21は、BGS波を利用した表面波共振子であり、アメリカのNTSC方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap(=39.75MHz)及び隣接チャンネル音声信号周波数fas(=47.25MHz)におけるトラップを構成するものである。
【0049】
端面反射型表面波共振子21では、圧電基板22とくし歯電極23,24とにより構成されているIDTが電極間引き法を用いて重み付けされている。この重み付けは、図4及び図5を参照して説明したように、複数個の共振特性を利用し得るように施されており、そのうちの2個の共振特性の共振点がそれぞれ、アメリカのNTSC方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasに一致するように果たされている。
【0050】
他方、本実施例の端面反射型表面波共振子21においても、IDTのメタライゼーション比及び電極指交叉幅を変化させた場合に周波数間隔Δfがどのように変化するかを測定した。結果を図9に示す。図9から明らかなように、メタライゼーション比が大きいほど、かつ電極指交叉幅が小さいほど、周波数間隔Δfが広くなることがわかり、特に、メタライゼーション比が周波数間隔Δfに大きく関係することがわかる。
【0051】
従って、アメリカのNTSC方式の上記周波数間隔Δf=7.5MHzに対して±100kHz以内に周波数間隔を設定するには、電極指交叉幅を変化させた場合であっても、メタライゼーション比を0.37以上、0.58以下に設定すればよいことがわかる。
【0052】
図10は、本発明の第3の実施例にかかる端面反射型表面波共振子を示す平面図である。端面反射型表面波共振子31は、第1の実施例にかかる端面反射型表面波共振子11とほぼ同様に構成されているため、相当の部分については、相当の参照番号を付することにより、第1の実施例について行った説明を援用することにより省略する。
【0053】
端面反射型表面波共振子31は、BGS波を利用した表面波共振子であり、日本のNTSC方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap(=52.75MHz)及び隣接チャンネル音声信号周波数fas(=60.25MHz)におけるトラップを構成するものである。
【0054】
端面反射型表面波共振子31では、圧電基板32とくし歯電極33,34とにより構成されているIDTが電極間引き法を用いて重み付けされている。この重み付けは、図4及び図5を参照して説明したように、複数個の共振特性を利用し得るように施されており、そのうちの2個の共振特性の共振点がそれぞれ、日本のNTSC方式における隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasに一致するように果たされている。
【0055】
他方、本実施例の端面反射型表面波共振子31においても、IDTのメタライゼーション比及び電極指交叉幅を変化させた場合に周波数間隔Δfかどのように変化するかを測定した。結果を図11に示す。図11から明らかなように、メタライゼーション比が大きいほど、かつ電極指交叉幅が小さいほど周波数間隔Δfが広くなることがわかり、特に、メタライゼーション比が周波数間隔Δfに大きく関係することがわかる。
【0056】
従って、日本のNTSC方式の上記周波数間隔Δf=7.5MHzに対して±100kHz以内に周波数間隔を設定するには、電極指交叉幅を変化させた場合であっても、メタライゼーション比を0.56以上、0.77以下に設定すればよいことがわかる。
【0057】
上述してきた図示の実施例にかかる端面反射型表面波共振子11,21,31では、BGS波を利用したが、本発明におけるSHタイプの表面波は、BGS波に限定されず、ラブ波なども用いることができる。
【0058】
また、圧電基板22,32についても、圧電基板12の場合と同様に、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスのような圧電セラミックス、あるいはLiNbO、LiTaOなどの圧電単結晶により構成することができる。
【0059】
さらに、IDTを構成するためのくし歯電極13,14,23,24,33,34についても、Al、Ag、Pdなどの適宜の導電性材料からなるものを用いることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる端面反射型表面波共振子の周波数調整方法では、SHタイプの表面波を用いており、かつ複数の共振特性を利用し得るようにIDTが重み付けされた構成において、電極指交叉幅とメタライゼーション比とを調整することにより、隣り合う共振特性の周波数間隔を高精度に制御し得ることがわかる。
【0061】
また、SHタイプの表面波を利用した本発明の端面反射型表面波共振子では、IDTが複数の共振特性を利用し得るように重み付けされているため、単一の素子で複数のトラップを構成することができ、しかも、IDTの電極指交叉幅とメタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されるているため、隣り合う共振特性の周波数間隔を高精度に制御し得る。
【0062】
また、本発明の特定的な局面によれば、ヨーロッパのPAL方式、アメリカのNTSC方式または日本のNTSC方式における、隣接チャンネル映像信号周波数fap及び隣接チャンネル音声信号周波数fasにおけるトラップを単一の共振子で構成することができ、しかも、重み付けが施されたIDTのメタライゼーション比が上記特定の範囲内とされているため、各方式における隣接チャンネル映像信号周波数fapと隣接チャンネル音声信号周波数fasとの間の周波数間隔が高精度に制御されたトラップ回路を単一の素子で構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビション受像機の映像中間周波段の減衰量−周波数特性の一例を示す図。
【図2】従来のBGS波を利用した端面反射型表面波共振子を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施例にかかる端面反射型表面波共振子の平面図。
【図4】正規型IDTの周波数スペクトラムを示す図。
【図5】複数の共振特性を有するように重み付けが施されたIDT及び正規型IDTの周波数スペクトラムを示す図。
【図6】第1の実施例において、電極指交叉幅及びメタライゼーション比を変化させた場合の隣り合う共振特性間の周波数間隔Δfの変化を示す図。
【図7】第1の実施例の端面反射型表面波共振子の減衰量−周波数特性を示す図。
【図8】第2の実施例にかかる端面反射型表面波共振子の平面図。
【図9】第2の実施例において、電極指交叉幅及びメタライゼーション比を変化させた場合の隣り合う共振特性間の周波数間隔Δfの変化を示す図。
【図10】第3の実施例にかかる端面反射型表面波共振子の平面図。
【図11】第3の実施例において、電極指交叉幅及びメタライゼーション比を変化させた場合の隣り合う共振特性間の周波数間隔Δfの変化を示す図。
【符号の説明】
11,21,31…端面反射型表面波共振子
12,22,32…圧電基板
13,14,23,24,33,34…IDTを構成するくし歯電極
12a,12b,22a,22b,32a,32b…端面

Claims (3)

  1. ヨーロッパのテレビジョン方式であるPAL方式において、隣接チャンネル映像信号周波数fap=31.9MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=40.4MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、
    SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように交叉幅重み付けされたインターデジタルトランスデューサとを備え、前記インターデジタルトランスデューサの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、
    交叉幅重み付けが施された前記インターデジタルトランスデューサのメタライゼーション比が0.55以上、0.76以下であることを特徴とする、端面反射型表面波共振子。
  2. アメリカのテレビジョン方式であるNTSC方式において、隣接チャンネル映像信号周波数fap=39.75MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=47.25MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、
    SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように電極間引き法により重み付けされたインターデジタルトランスデューサとを備え、前記インターデジタルトランスデューサの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、
    電極間引き法により重み付けされた前記インターデジタルトランスデューサのメタライゼーション比が0.37以上、0.58以下とされていることを特徴とする、端面反射型表面波共振子。
  3. 日本のテレビジョン放送方式であるNTSC方式において隣接チャンネル映像信号周波数fap=52.75MHz及び隣接チャンネル音声信号周波数fas=60.25MHzにおけるトラップを構成するための共振子であり、
    SHタイプの表面波を用い、かつ複数の共振特性を利用する端面反射型表面波共振子であって、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ複数の共振特性を利用し得るように電極間引き法により重み付けされたインターデジタルトランスデューサとを備え、前記インターデジタルトランスデューサの電極指交叉幅と、メタライゼーション比とが、隣り合う共振特性の目的とする周波数間隔に応じて決定されており、
    電極間引き法により重み付けされた前記インターデジタルトランスデューサのメタライゼーション比が0.56以上、0.77以下であることを特徴とする、端面反射型表面波共振子。
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