JPH09293233A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09293233A
JPH09293233A JP13095296A JP13095296A JPH09293233A JP H09293233 A JPH09293233 A JP H09293233A JP 13095296 A JP13095296 A JP 13095296A JP 13095296 A JP13095296 A JP 13095296A JP H09293233 A JPH09293233 A JP H09293233A
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JP
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magnetic
recording medium
powder
magnetic layer
atm
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Takehiro Koyama
武浩 小山
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録波長が短い場合でも高出力かつ低ノイズ
であり、良好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得
ること。 【解決手段】 磁性層の表面粗さ成分の中で、波長20〜
80μmの成分強度の平均が1以下であり、磁性粉が、F
eに対してCoを6〜30atm%、Yを1〜6atm%、Alを
10〜15atm%含有する鉄系合金からなり、かつ0.06μm〜
0.20μmの平均長軸長を有することを特徴とする磁気記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉及び結合剤
を含有する磁性層を有する磁気記録媒体に関し、特に、
強磁性粉末と結合剤を主体とする磁性層が非磁性支持体
上に塗布されている磁気テープ、磁気ディスク等の塗布
型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その
需要は著しく伸びてきている。
【0003】こうした磁気記録媒体は、一般に、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性支持体上に、磁性粉末や結合
剤樹脂、有機溶剤、各種添加剤等を混合、分散して調製
される磁性塗料を塗布することによって磁性層を形成し
た、いわゆる塗布型の磁気記録媒体や、非磁性支持体上
に、強磁性粉末を真空薄膜形成技術によって直接被着製
膜して磁性膜を形成した、いわゆる金属薄膜型の磁気記
録媒体が提案されているが、生産性、汎用性に優れるこ
とから、前者の塗布型の磁気記録媒体が主流を占めてい
るのが現状である。
【0004】このような塗布型の磁気記録媒体の電磁変
換特性を向上させるために、磁気特性の向上、磁性層表
面の鏡面化によるスペーシングロスの低減、磁性層の薄
膜化による厚み損失の低減などの検討が盛んに行われて
きた。
【0005】原材料面からは、より微細で磁気特性に優
れる磁性粉の検討や、これをより均一に分散できる結合
剤や分散剤の検討が行われてきた。また、製造工程面に
おいても、磁性粉をより均一に分散させるために、混練
や混合方法の検討、より高い磁気特性を得るための配向
方向の検討、更には媒体表面をより平滑化するためのカ
レンダー処理方法の検討などがなされてきた。
【0006】しかし、記録波長が短いフォーマットに用
いられる媒体の電磁変換特性としては、更に高出力化、
低ノイズ化が望まれる。
【0007】磁気記録媒体の電磁変換特性を向上するた
めには、高出力化と共にノイズを低減させる必要があ
る。高出力化は、媒体の磁気特性向上や磁性層表面の平
滑化によって可能であるが、記録信号の近傍に生じる変
調ノイズについては、磁性層表面を平滑化しても必ずし
も低減されるわけではなかった。
【0008】変調ノイズは、例えばアナログ記録のビデ
オテープにおいては映像のノイズとなり、ディジタル記
録の媒体においてはエラーレートの低下を招く。また、
出力の高い媒体においては変調ノイズの出力も高くなる
傾向にあり、媒体の電磁変換特性を向上させるために
は、高出力化と共に変調ノイズを低減する必要がある。
しかし、これまでの媒体では、高出力化と低ノイズ化と
を効果的に両立させたものは存在していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
波長が短い場合でも高出力かつ低ノイズであり、良好な
電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は塗布型の磁気
記録媒体について鋭意検討を加えた結果、磁性層の塗布
面の粗さにおいて、20μm以上、80μm以下の波長成分
強度の平均が1以下であり、かつ、磁性層に含まれる強
磁性粉末が、Feに対してCoを6〜30atm%、Yを1〜
6atm%、Alを10〜15atm%含有した、平均長軸長0.06〜
0.20μmであるFe−Co合金粉末からなっていれば、
高出力化及び低ノイズ化を共に実現した電磁変換特性の
良好な磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明に
到達した。ここで、「atm%」とは、原子数の割合を百分
率で表すものである(以下、同様)。
【0011】即ち、本発明は、磁性粉及び結合剤を含有
する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性層
の表面粗さ成分の中で、波長20〜80μmの成分強度の平
均が1以下であり、前記磁性粉が、鉄(Fe)に対して
コバルト(Co)を6〜30atm%、イットリウム(Y)を
1〜6atm%、アルミニウム(Al)を10〜15atm%含有す
る鉄系合金からなり、かつ0.06〜0.20μmの平均長軸長
を有することを特徴とする磁気記録媒体に係るものであ
る。
【0012】記録信号のキャリア(搬送波)近傍に生じ
る変調ノイズは、磁性層の表面粗度に大きく影響される
ことが知られている。従って、磁性層表面を平滑化する
ことによって変調ノイズの低減は可能であるが、一般的
に用いられる中心線平均粗さ(Ra)や十点平均粗さ
(Rz)と変調ノイズとの関係は明確ではなく、Raや
Rzを低減しても、キャリア近傍の変調ノイズが低下す
るとは限らなかった。
【0013】しかし、本発明によれば、磁性層表面の粗
さ成分の中で20〜80μmの波長成分の平均強度を1以下
にすること(これは、後述するカレンダー処理によって
可能)によって、キャリア近傍の変調ノイズを低減する
ことが可能となった。キャリア近傍の変調ノイズは理論
的に、磁性層表面の波長成分の周波数換算分だけキャリ
ア周波数から離れた位置に現れる。従って、磁性層表面
の粗さ成分の中で長波長成分の強度を低減すること(上
記した1以下の平均強度)によって、キャリア近傍の変
調ノイズを低減できるのである。この平均強度は1以下
とすべきであるが、 0.8以下が望ましい。
【0014】ここで、上記した、磁性層表面の粗さ成分
における波長成分の平均強度は、後述する表面粗さ曲線
のFFT(高速フーリエ変換)分析によって求めること
ができる。
【0015】そして、本発明における磁性層に用いる磁
性粉は、Feを主体とし、Feに対してCoを6〜30at
m%、Yを1〜6atm%、Alを10〜15atm%含有し、かつ長
軸長が0.06〜0.20μmであることを特徴とすることが、
上記の変調ノイズの低減に加えて、高出力化を実現する
上で必須不可欠である。
【0016】換言すれば、Coを6〜30atm%含有する合
金にすることにより、Fe単体よりも高い磁気特性を有
する強磁性粉末を得ることが可能となる。Coが6atm%
より少なくても、30atm%より多くても、磁気特性はFe
単体の場合を上回ることはできない。
【0017】また、Yを1〜6atm%、及びAlを10〜15
atm%添加することにより、焼結し難く、かつ分散に適し
た強磁性粉末の表面性が得られ、製造時の還元温度を上
げても粉末同士の焼結が起こり難く、高い飽和磁化と保
磁力を同時に得ることが可能となる。Yが1atm%未満で
あると、焼結を防ぐことができず、また、6atm%を超え
ると、磁気特性の低下を招く。Al添加量が10atm%未満
であると、強磁性粉末の表面状態が変化して塗料化した
ときに分散性が低下し、また、15atm%を超えるとやはり
磁気特性が低下する。
【0018】これらの元素を添加し、かつ強磁性粉末の
平均長軸長を0.06〜0.20μmにすることにより、短波長
信号の記録に対応できる。長軸長が0.06μm未満になる
と、塗料化したときに分散性が悪く、高出力が得られ
ず、また、0.20μmより大きくなると、短波長記録に対
応できず、やはり出力が低下する。
【0019】本発明の磁気記録媒体において、上記磁性
粉末と共に磁性層を構成する結合剤としては、通常この
種の媒体において使用されるものがいずれも使用可能で
ある。
【0020】使用可能な結合剤としては、通常の塗布型
の磁気記録媒体に使用されるものとして公知のものであ
れば特に限定されない。例えば、ポリエーテルやポリカ
ーボネートまたはポリエステル系のポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、塩化ビニル系共重合体、セルロース
誘導体、フェノキシ樹脂、アクリル酸エステル系共重合
体、塩化ビニリデン系共重合体、スチレン−ブタジエン
系共重合体などが挙げられる。
【0021】磁性粉の良好な分散性を得るために、使用
する結合剤の一部又は全部に、以下に示す極性基を有す
ることもできる。この極性基の量は、結合剤1g当たり
0.03〜0.3mmol が望ましい。結合剤1g当たり0.03mmol
より少ないと、分散性に対する効果が小さく、また、結
合剤1g当たり0.3mmol より多い場合には、吸湿性が高
くなり、耐候性が悪くなるばかりでなく、むしろ分散性
が悪化してしまう場合がある。また、この極性基は、1
種類でも2種類以上含まれていても構わない。
【0022】−COOM、−SO3 M、−O−SO
3 M、−P=O(OM)2 、−O−P=O(OM)2
−NR4 X、−NR2 、−SH(ここで、MはH、L
i、Na、K、−NR4 (Rはアルキル基またはH)、
XはF、Cl等のハロゲン原子を示す)。
【0023】結合剤に架橋構造を形成するために、硬化
剤として、ポリイソシアネートを添加してもよい。この
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネー
ト類、及び、これらのイソシアネート類とトリメチロー
ルプロパンなどの多価アルコールとの付加体、またはイ
ソシアネート類の縮合生成物などを使用することができ
る。
【0024】上記強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁
性塗膜は、強磁性粉末と結合剤とを有機溶剤に混合分散
して調製される磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するこ
とによって形成される。
【0025】使用可能な非磁性支持体としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
のポリエステル類、アラミドなどのポリアミドまたはイ
ミド類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セル
ローストリアセテートなどのセルロース類やポリカーボ
ネートなどのプラスチックや、アルミニウムなどの金
属、更にはガラスや、その他セラミックなどが挙げられ
る。
【0026】非磁性支持体の形状も何ら限定されるもの
ではなく、テープ状、シート状、ドラム状等如何なる形
態であってもよい。更に、非磁性支持体には、その表面
性をコントロールするために、微細な凹凸が形成される
ような表面処理が施されてもよい。
【0027】強磁性粉末と結合剤とを混合分散させる有
機溶剤としては、通常、使用されているものが使用で
き、メチルエチルケトンやシクロヘキサンなどのケトン
類、メタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコ
ール類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、ト
ルエンやベンゼンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素
やクロロホルムなどの塩素化炭化水素類、ジオキサンや
ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテ
ル類などが挙げられる。
【0028】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、通常の塗布型の磁気記録媒体と同様に、上
記磁性層には、結合剤、強磁性粉末の他に、添加剤とし
て潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が加えられて
もよい。
【0029】使用可能な潤滑剤としては、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、などの
高級樹脂酸類及びそれらの金属やアミンとの塩類、脂肪
酸と1価アルコール類とのエステル化合物が代表例とし
て挙げられる。
【0030】脂肪酸のエステル化合物としては、炭素数
10〜24の一塩基性脂肪酸(分岐していても、不飽和結合
を含んでいてもよい。)と、炭素数1〜18の1価アルコ
ール(分岐していても、不飽和結合を含んでいてもよ
い。)やアルキレンオキサイドのモノアルキルエーテル
とからなるエステル化合物が用いられる。これらの例と
して、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸
sec−ブチル、ステアリン酸tert−ブチル、ステ
アリン酸イソブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリ
ン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ブ
トキシエチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸ペン
チル、パルミチン酸ヘプチル、パルミチン酸オクチル、
パルミチン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、オ
レイン酸オレイルなどが挙げられる。
【0031】更に、脂肪酸と2〜6価のアルコール類と
のエステル化合物、脂肪酸などで変性したものを含むシ
リコーンオイル、アルキル燐酸エステルなどは、エチレ
ンオキサイドなどの付加によりエーテル結合など他の置
換基が含まれてもよいし、一部フッ素が含まれてもよ
い。更に、パーフロロポリエーテル及びその変性物、2
硫化モリブデンやグラファイトなどの固体潤滑剤などを
用いることもできる。
【0032】これらの潤滑剤は、磁性塗料の混合、分散
の初期、途中、終了時のいずれに添加してもよく、更
に、磁性層が形成された後にトップコートしてもよい。
【0033】研磨剤としては、アルミナ、酸化クロム、
酸化チタン、α−酸化鉄、炭化ケイ素、コランダム(人
造)ダイヤモンドなどが挙げられる。これらは、粉体状
態で磁性塗料に添加してもよいし、強磁性粉末とは別に
分散したスラリー状態で磁性塗料の混合、分散の初期、
途中、終了時のいずれに添加してもよい。
【0034】その他の添加剤として、カーボンブラック
など、帯電防止効果や遮光効果、更に摩擦低減効果など
のあるものや、分散効果、架橋の促進効果、可塑効果な
どを目的として、公知の各種原材料を用いることもでき
る。
【0035】なお、磁性層は単層であってもよいし、2
層以上の多層であってもよい。そして、非磁性支持体上
の磁性層と同じ側に、α−酸化鉄、カーボンブラック、
酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の非磁性又は
磁性の非常に小さい粉末と、結合剤とを主体とする下塗
層を設けてもよい。
【0036】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、磁気記録媒体の構成はこれに限られず、例
えば非磁性支持体の磁性層が形成されている側とは反対
側に、非磁性又は磁性の粉末と結合剤とを主体としたバ
ックコート層が形成されていてよい。
【0037】バックコート層に用いる非磁性粉末として
は、カーボンブラックを主体とするものが一般的である
が、これ以外にも、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チ
タン、α−酸化鉄等が挙げられる。また、磁性粉末とし
ては、磁性層に用いるものとして上述したもの及び他の
公知の磁性材料のいずれも使用可能である。それらを単
独又は組み合わせて用いてもよい。結合剤及びその他の
添加剤としては、磁性層に用いるものとして上述したも
ののいずれも使用可能であり、それらを単独又は組み合
わせて用いてもよい。
【0038】本発明の磁気記録媒体は、例えば図1に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性層2を形成したも
のである。また、この磁性層とは反対側の支持体面には
バックコート層3が設けられてよいが、これは必ずしも
設ける必要はない。磁性層上にはオーバーコート層を設
けてよい。この場合、バックコート層、オーバーコート
層(トップコート層)等の成膜条件は、通常この種の磁
気記録媒体の製造方法に適用される方法であればよく、
特に限定はされない。
【0039】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0040】下記の表1に示す材料をサンドミル分散し
た後、硬化剤(日本ポリウレタン社製のコロネートL)
を20重量部添加し、攪拌後にこの磁性塗料を厚さ 7.5μ
mで内添フィラーの粒径、量、種類を変えて表面性を調
整したポリエチレンテレフタレートベースフィルム上に
塗布した。
【0041】その後、磁場配向処理を行い、適度に乾燥
させて巻取りした。更に、温度、圧力、処理スピードの
調整によって磁性層表面の長波長成分が変化するように
カレンダー処理を施し、硬化処理を行った。このときの
磁性層の厚みが 2.5μmになるように塗布時の厚みを調
整した。
【0042】その後、下記の表2に示す組成のバックコ
ート層用塗料に、硬化剤(日本ポリウレタン社製のコロ
ネートL)20重量部を添加し、磁性層とは反対側のフィ
ルム面に塗布し、 0.5μm厚となるようにバックコート
層を形成した。
【0043】以上の通りにして作製した幅広フィルムを
8ミリ幅に裁断し、サンプルテープとし、Hi8ビデオ
カセットに組み込んだ。
【0044】
【0045】
【0046】こうして作製した各サンプルテープの磁性
層表面の波長強度、及び電磁変換特性については、次に
記述する方法で評価した。
【0047】波長成分FFT強度:小坂研究所製の表面
形状測定器一式(ETB−30HK、ET−30HK、
SPA−11)を使用して非接触により測定した。ま
た、その測定値を同社製のPOWER−FFTプログラ
ム(パワースペクトルを求めるプログラム)によりPA
NAFACOM製のC280EX(データ解析用コンピ
ュータ)上で解析し、表面粗さ曲線のFFT分析による
各波長における強度(振幅×個数)を求めた。
【0048】このとき、カットオフは0.08mm、試料測定
長は 250μm、測定ピッチは 0.5μm、粗さ曲線の測定
本数は50本とした。パワースペクトルを求める方法とし
ては、前記表面形状測定器により測定した表面粗さ曲線
をPOWER−FFTプログラムによりフーリエ解析
し、各波長成分の強度を求める。このようにして得られ
た各波長成分の強度のうち、長波長成分として20μm以
上、80μm以下の範囲の強度測定値の平均値を求め、長
波長成分の平均強度Pと表現した。
【0049】変調ノイズ:ソニー社製の8ミリVTR
(EV−S900)を用いて、7MHz の正弦波をテープ
上に記録し、その再生出力をHEWLETT−PACK
ARD社製のスペクトラムアナライザー(3585A)
にて読みとり、6.5MHzの変調ノイズレベルを測定した。
そのときの比較例1の結果を0dBとした相対値を求め
た。
【0050】ビデオS/N:ソニー社製の8ミリVTR
(EV−S900)を用いて、白50%ビデオ信号をテー
プ上に記録し、その再生ビデオ信号のS/Nをシバソク
社製のノイズメーター(VN31AX)にて測定した。
そのときの比較例1の結果を0dBとして相対値を求め
た。
【0051】以上のようにして測定した各サンプルテー
プの磁性層表面の長波長成分の平均強度P、使用した磁
性粉の特性、変調ノイズレベル、ビデオS/Nの評価結
果を下記の表3に示す。また、これらの結果を図2にも
示す。
【0052】
【0053】
【0054】この結果によれば、実施例1、2、10、11
及び比較例2、3等より、同じ組成でも、磁性層表面の
長波長成分の平均強度Pが大きくなるほど、変調ノイズ
が高くなり、ビデオS/Nが低下することが分かる。P
が1を超えると、変調ノイズの悪化が大きく、良好なビ
デオS/Nが得られない。
【0055】また、実施例1、3、4、12、13及び比較
例1、4、11等より、磁性粉のCo含有量が6atm%以上
であると、磁気特性が向上し、再生出力が高くなるた
め、ビデオS/Nが良好となることが分かる。10atm%程
度までは更に向上が見られ、30atm%までは同様の効果が
見られる。しかし、30atm%を超えると逆に再生出力が低
下するため、Pが1以下であっても、ビデオS/Nが低
下してしまう。
【0056】実施例5、6、14及び比較例5、6、12等
より、Y含有量は1atm%を超えると、強磁性粉末の焼結
防止効果が現れ、6atm%まではその効果による磁気特性
の向上により、良好なビデオS/Nが得られることが分
かる。Yを添加しない場合や1atm%未満では、強磁性粉
末間の焼結により、ビデオS/Nが低下する。6atm%を
超えると、磁気特性の低下を招き、やはり出力が低下す
るため、ビデオS/Nが悪化する。
【0057】実施例7、8、15及び比較例7、8等よ
り、Alは10atm%以上含有することにより、強磁性粉末
の表面状態が良好となり、分散性が向上し、良好なビデ
オS/Nを得ることができる。10atm%より含有量が少な
くなると、分散性が著しく悪化し、ビデオS/Nが低下
する。15atm%を超えると、磁気特性の低下を招き、良好
なビデオS/Nが得られない。
【0058】実施例9、10及び比較例9、10等より、強
磁性粉末の長軸長が0.06〜0.20μmの範囲では、良好な
電磁変換特性を得ることができる。長軸長が0.06μmよ
り短くなると、分散性が低下し、十分な出力が得られな
いため、ビデオS/Nも低下する。また、0.20μmより
大きくなると、短波長信号に対応できなくなり、再生出
力が低下するため、やはりビデオS/Nが悪化する。
【0059】
【発明の作用効果】本発明による磁気記録媒体は、上述
した如く、磁性層表面の20μm以上、80μm以下の範囲
の長波長成分の平均強度Pを1以下としているため、記
録信号近傍の変調ノイズが低く、かつ強磁性粉末がFe
に対してCoを6〜30atm%有するFe−Co合金粉末で
あり、更に強磁性粉末にYを1〜6atm%、Alを10〜15
atm%含有し、平均長軸長0.06〜0.20μmであるために、
媒体の短波長での再生出力が高くなる。これらの効果に
より、電磁変換特性の良好な磁気記録媒体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の概略断面
図である。
【図2】磁気記録媒体の磁性層表面の長波長成分の平均
強度Pによる特性変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…非磁性支持体、2…磁性層、3…バックコート層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉及び結合剤を含有する磁性層を有
    する磁気記録媒体において、 前記磁性層の表面粗さ成分の中で、波長20〜80μmの成
    分強度の平均が1以下であり、 前記磁性粉が、鉄に対してコバルトを6〜30atm%、イッ
    トリウムを1〜6atm%、アルミニウムを10〜15atm%含有
    する鉄系合金からなり、かつ0.06〜0.20μmの平均長軸
    長を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 波長20〜80μmの成分強度の平均が1以
    下となるように磁性層がカレンダー処理されている、請
    求項1に記載した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性
    層が非磁性支持体上に塗布されている、請求項1に記載
    した磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008040483A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Ricoh Co Ltd 現像剤担持体と現像装置とプロセスカートリッジと画像形成装置および中空体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008040483A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Ricoh Co Ltd 現像剤担持体と現像装置とプロセスカートリッジと画像形成装置および中空体の製造方法

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