JPH09291209A - 強化樹脂組成物 - Google Patents

強化樹脂組成物

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JPH09291209A
JPH09291209A JP12769296A JP12769296A JPH09291209A JP H09291209 A JPH09291209 A JP H09291209A JP 12769296 A JP12769296 A JP 12769296A JP 12769296 A JP12769296 A JP 12769296A JP H09291209 A JPH09291209 A JP H09291209A
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JP
Japan
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polyphenylene ether
resin composition
resin
weight
phosphorus
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JP12769296A
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Kazuo Yoshida
和郎 吉田
Eiji Ueda
英二 上田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機補強剤強化ポリフェニレンエーテル系樹
脂において、流動性、耐熱性、機械的特性、耐薬品性に
優れ、さらにハロゲン化合物を用いずに優れた難燃性を
有する強化樹脂組成物、を提供する。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンエーテルの一部ま
たは全部が不飽和カルボン酸および/またはその無水物
で変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂20〜90
重量%、(B)炭化水素樹脂2〜30重量%、(C)無
機補強剤2〜60重量%、(D)リン系難燃剤1〜30
重量%からなる強化樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、耐熱性、
流動性、機械的特性および耐薬品性に優れたポリフェニ
レンエーテル系樹脂組成物に関するものであり、無機補
強剤で強化された強化樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル系樹脂は機械的
特性、電気的特性、耐酸、耐アルカリ性、耐熱性等に優
れ、しかも吸水性が低く寸法安定性が良いなどの性質を
備えており、コンピュータ、複写機、ワープロなどOA
機器のハウジングや内部部品として幅広く利用されてい
る。また、これらの材料には火災の問題から難燃性が要
求されることが多いが、ポリフェニレンエーテル系樹脂
はハロゲン化合物を用いることなくリン化合物を添加す
ることによって高度の難燃性が得られるため、安全上か
らも利用価値が高まっている。しかしながら、最近のO
A機器の目覚ましい進歩に伴って機器の高機能・高性能
小型化が進み、強度と寸法精度への要求が高まり無機補
強剤を充填した強化材料が要求されている。さらには、
軽量化が進んだ結果、これらの材料は薄肉で成形される
ことが多くなり、より一層の流動性向上が望まれてい
る。
【0003】ポリフェニレンエーテルは流動性が十分で
ないため、一般には特公昭43−17812号公報や米
国特許第3383435号明細書に開示されているとお
り、ポリスチレンとの混合物として利用される。また、
特開昭47−3136号公報にはコールタールナフサか
ら誘導される高融点の炭化水素樹脂を加えてポリフェニ
レンエーテルの塑性化温度を低下させることが、特公昭
57−13584号公報には石油ナフサから誘導される
芳香族炭化水素樹脂を加えて流動性を改良することが開
示され、一般に知られている。さらに特公昭61−54
337号公報には、ポリフェニレンエーテル系樹脂に対
して石油ナフサから得られる芳香族炭化水素樹脂、テル
ペンフェノリック樹脂および石炭のコールタールナフサ
から誘導されるクマロンインデン樹脂を加えることによ
り、多量の無機充填剤を配合することが可能となること
が提案されている。
【0004】一方、特公平3−20147号公報には、
これらの上記技術のいずれもが、難燃処方の樹脂組成物
に無機充填剤を加えると生じる難燃性の平均的レベルの
低下およびバラツキの拡大という問題に対しては効果が
なく、この問題を解決する手段としては、α、β−不飽
和カルボン酸またはその無水物で変性された石油樹脂を
配合することが提案されている。すなわち、難燃処方の
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に無機充填剤を加
えた場合の難燃性の低下に対して、未変性の上記炭化水
素樹脂は効果がなく、α、β−不飽和カルボン酸または
その無水物により複雑な方法で変性された石油樹脂だけ
が効果があることを提案している。しかしながら、上記
の手段は複雑な変性方法を必要とするため経済的に不利
であり、また最近の用途の高度化を満たすためには、よ
り一層の難燃性、流動性、耐熱性、機械的性質および耐
薬品性のバランスに優れた材料の開発が強く望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機補強剤
強化ポリフェニレンエーテル系樹脂において、流動性、
耐熱性、機械的特性、耐薬品性に優れ、さらにハロゲン
化合物を用いずに優れた難燃性を有する強化樹脂組成
物、を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意検討した結果、ポリフェニレンエー
テルの一部または全部がカルボン酸化合物及び/又はそ
の無水物で変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂を
用い、さらにリン系難燃剤と炭化水素樹脂を組み合わせ
て配合することにより、流動性、耐熱性、機械的特性に
優れ、さらに難燃性と耐薬品性とが著しく向上すること
を見い出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)ポリフェニレ
ンエーテルの一部または全部がカルボン酸化合物および
/またはその無水物で変性されたポリフェニレンエーテ
ル系樹脂20〜90重量%、(B)炭化水素樹脂2〜3
0重量%、(C)無機補強剤2〜60重量%、(D)リ
ン系難燃剤1〜30重量%からなる難燃性樹脂組成物を
提供する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、ポリフェニ
レンエーテルの単独またはスチレン系樹脂との混合物で
あって、かつポリフェニレンエーテルの一部または全部
がカルボン酸化合物および/またはその無水物で変性さ
れているものである。ポリフェニレンエーテルとは、下
記一般式(III−1)および(III−2)を繰り返
し単位とし、構成単位が下記(III−1)及び(II
I−2)からなる単独重合体、あるいは共重合体であ
る。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は炭素1
〜4のアルキル基、アリール基、水素等の一価の残基で
あり、R5、R6は同時に水素ではない。)
【0011】ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代
表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6
−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプ
ロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、等が挙げられる。
【0012】この中で好ましいのは、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレン)エーテルである。また、
特開昭63−301222号公報等に記載されている2
−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレン
エーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニル
アミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニッ
ト等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテ
ルは特に好ましい。
【0013】ポリフェニレンエーテル共重合体には、ポ
リフェニレンエーテルモノマー単位を主成分とするポリ
フェニレンエーテル共重合体、例えば2,6−ジメチル
フェノールと、2,3,6−トリメチルフェノールとの
共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合体あるいは
2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾール
との共重合体等が包含される。
【0014】本発明においては、ポリフェニレンエーテ
ルの一部または全部がカルボン酸化合物及び/又はその
無水物で変性されていることが必要である。カルボン酸
及び/又はその無水物としては、アクリル酸やメタクリ
ル酸などの不飽和モノカルボン酸化合物、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クエン酸など
のジカルボン酸化合物およびその無水物などが挙げられ
る。この中で、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸
が好適に用いられる。
【0015】これらを用いてポリフェニレンエーテルを
変性する方法としては、例えば、ラジカル開始剤の存在
下または不存在下で、ポリフェニレンエーテルとカルボ
ン酸化合物及び/又はその無水物とを押出機などを用い
て溶融混練りして容易に反応させることができ、本発明
の強化樹脂組成物を得る際に同時に変性しながら押出機
で製造することができる。ポリフェニレンエーテルの変
性量、すなわちポリフェニレンエーテルに対するカルボ
ン酸化合物および/またはその無水物の付加量は、全ポ
リフェニレンエーテルに対して0.01重量%以上、好
ましくは0.03重量%以上であり、予め変性されたポ
リフェニレンエーテルと未変性のポリフェニレンエーテ
ルとを併用することもできる。
【0016】本発明で用いられるスチレン系樹脂とは、
スチレン系化合物の単独重合体または共重合体、および
それらのゴム変性重合体である。スチレン系化合物とし
ては、スチレンのほか、o−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ンなどの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキ
ル置換スチレン等が挙げられる。また、スチレン系化合
物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽
和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物など
が挙げられる。これらの重合体の中で特に好ましい重合
体は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、ゴム変性ポリスチレン、ゴム変性スチレン−アク
リロニトリル共重合体である。
【0017】本発明で用いる(B)炭化水素樹脂として
は、低分子量の熱可塑性ポリマーであり、例えばコール
タールナフサを原料として得られる炭化水素樹脂、分解
石油留分から得られる石油樹脂、テルペン樹脂などが挙
げられる。ここで、コールタールナフサを原料として得
られる炭化水素樹脂とは、コールタールナフサ中に含ま
れる高沸点不飽和化合物の共重合体である。これらは、
石炭の乾留に際し、コークス炉ガス中の軽油中に含まれ
る沸点約140〜200℃のナフサを主原料として、こ
れに含まれるインデン、クマロン、スチレンなどの不飽
和炭化水素を塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素と
その錯体などを開始剤に用いて重合することにより得ら
れるものである。また、重合するに際して、共重合可能
な他の不飽和化合物を添加することもできる。一般に
は、クマロン−インデン樹脂、クマロン樹脂、ポリイン
デンなどと呼ばれて市販されており容易に入手すること
ができる。
【0018】また、分解石油留分から得られる石油樹脂
とは、不飽和のC5留分およびC9留分を原料とする共
重合体である。これらの石油樹脂としては、軟化点約7
0〜180℃のものが市販されており、容易に入手でき
る。好ましい石油樹脂は、ビニルトルエン、インデン、
α−メチルスチレンなどを主成分とする芳香族系石油樹
脂である。
【0019】テルペン樹脂は、α−ピネン、β−ピネ
ン、リモネンなどのテルペン炭化水素を原料とした重合
体であり、それらを水素添加したものも市販されてい
る。これらの炭化水素樹脂には、フェノールやカルボン
酸化合物で変性したものも含まれる。
【0020】本発明で用いる(C)無機補強剤とは、一
般的に樹脂に配合される無機質充填剤である。該無機補
強剤としては、従来より熱可塑性樹脂の補強剤として慣
用されているもの、例えば、無機塩、ガラス、カーボ
ン、金属、セラミックなどの中から任意のものが挙げら
れ、要求性能に応じて適宜選択して1種以上用いること
ができる。また、その形態は粉末状、粒状、板状、繊維
状、ウィスカー状などのいずれであっても良い。例え
ば、低寸法異方性が要求される場合にはガラスフレー
ク、マイカ、ガラスビーズなどを、高強度や高弾性率、
高衝撃性などが要求される場合にはガラス繊維やウィス
カー類を、導電性付与の目的にはカーボン繊維や金属繊
維を、高比重が要求される場合には酸化鉄、酸化亜鉛、
硫酸バリウムなどを選択して用いる。さらに、その他の
充填剤、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリ
カなどを目的に応じて用いることもできる。これらの無
機補強剤は、所望に応じてシラン系カップリング剤など
による表面処理や各種集束剤による集束処理が施された
ものを用いるのが好ましくい。
【0021】本発明においては、特にアミン含有シラン
カップリング剤で表面処理されたガラスファイバーを用
いたときに顕著な効果が発揮される。アミン含有シラン
カップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0022】本発明で用いる(D)リン系難燃剤とは、
当技術分野で知られているリン含有難燃剤であればいず
れも使用できるが、その中でリン酸エステル化合物が好
適に用いられる。例えば、下記一般式(I)および一般
式(IV)で表される化合物であり、その中でも一般式
(I)で表される縮合型リン酸エステル化合物がより好
ましい。、
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
は、それぞれ独立にフェニル基またはそれぞれのフェニ
ル基が炭素数1から6のアルキル基で1〜3個置換され
た芳香環基であり、さらにヒドロキシル基で置換された
芳香環基でもよい。Xはアリーレン基であり、nは自然
数、j、k、l、mはそれぞれ独立して0または1であ
る。)
【0025】特に好ましいリン酸エステル化合物は、下
記一般式(II)で表される化合物である。
【化7】 (式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、炭素数1から6の
アルキル基または水素を表し、R1、R2、R3、R4
はメチル基、または水素を表す。nは1以上の整数を、
n1、n2は0から2の整数を示し、m1、m2、m
3、m4は、1から3の整数を示す。)
【0026】一般式(I)で表される縮合型リン酸エス
テル化合物を用いて難燃化した無機補強剤強化ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂は、一般式(IV)で表されるリ
ン酸エステル化合物を用いて難燃化した無機補強剤強化
ポリフェニレンエーテル系樹脂に比べて燃焼試験したと
きの燃焼時間のバラツキがより大きいが、本発明の強化
樹脂組成物はその問題をも解決する。
【0027】本発明の強化樹脂組成物における各成分の
配合割合は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂20
〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、(B)コ
ールタールナフサを原料として得られる炭化水素樹脂2
〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、(C)無機
補強剤2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、
(D)リン系難燃剤1〜30重量%、好ましくは3〜2
0重量%である。
【0028】(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の配
合量は、耐熱性と難燃性の要求に応じて適量用いるが、
20重量%未満では耐熱性が劣り好ましくなく、スチレ
ン系樹脂との混合物として用いる場合においても、全組
成物中のポリフェニレンエーテルの含有量は20重量%
以上であることが好ましい。 (B)炭化水素樹脂は、2重量%未満では難燃性向上効
果がなく、30重量%を超えると機械的特性や耐熱性が
劣り好ましくない。 (C)無機補強剤は、要求特性に応じて適量用いれば良
い。 (D)リン系難燃剤の配合量は、難燃性の要求レベルと
ポリフェニレンエーテルの配合量により異なるが、1重
量%未満では難燃性が十分に発揮されず、30重量%を
超えた配合量はそれ以上の難燃性の向上が期待できず耐
熱性を低下させるだけでなく経済的にも無駄である。
【0029】本発明の強化樹脂組成物の製造方法は、一
般的に知られている押出機、加熱ロール、ニーダー、バ
ンバリーミキサー等の混練り機を用いて溶融混練するこ
とにより製造することができる。特に好ましいのは二軸
押出機による製造である。押出機を用いて混練り押出し
する場合は、全成分を一緒に押出機の供給口に連続的に
供給してもよいが、ポリフェニレンエーテル、スチレン
系樹脂および炭化水素樹脂は第一供給口から、無機補強
剤はバレルの途中に設けた第二供給口から、さらにダイ
に近い部位に設けたノズルからリン系難燃剤を液状で供
給しながら製造することができる。その際、カルボン酸
化合物および/またはその無水物を第一供給口から供給
することにより、ポリフェニレンエーテルを変性しなが
ら本発明の難燃性樹脂組成物を効率よく製造することが
できる。また、予めいくつかの成分だけを混練りしたペ
レットを作成しておき、次の段階で残りの成分を混練り
することもできる。
【0030】また、本発明の難燃性樹脂組成物には他の
難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、ヘ
キサブロモシクロドデカン、パークロロシクロデカンを
始めとした公知の有機ハロゲン化合物、アンモニウムブ
ロマイドなどの含ハロゲン無機化合物、赤リン、ポリリ
ン酸、リン酸アンモニウムなどの有機、あるいは無機の
リン化合物、トリス(ハロプロピル)ホスフェート、ト
リス(ハロエチル)ホスフェートなどの含ハロゲン−リ
ン化合物、塩化ホスフォニトリル誘導体、ホスフォノア
ミド系などの含窒素リン化合物、メラミン、尿酸、メチ
ロールメラミン、ジシアンジアミド、メラミンフォルム
アルデヒド樹脂、尿酸フォルムアルデヒド樹脂、トリア
ジン化合物などの窒素化合物、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、ドーソナイトなどの無機水和物、酸
化アンチモン、アンチモン酸塩メタホウ酸バリウム、酸
化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化モリブデ
ン、モリブデン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸ア
ンモニウム、メタホウ酸バリウム、酸化スズなどの無機
化合物、ポリテトラフルオロエチレン、シロキサン化合
物などの滴下防止剤等を併用してもかまわない。また、
本発明の強化樹脂組成物に発明の効果を損なわない範囲
で他の添加剤、例えば可塑剤、離型剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定剤などの安定剤、
あるいは着色剤を含有させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明を具体
的に説明する。以下の実施例は、いずれも例示的なもの
であって、本発明の内容を限定するものではない。実施
例および比較例に使用した各原料は以下のものである。 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂 A−1;還元粘度が0.54(30℃、クロロホルム
中)であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル A−2;還元粘度が0.54(30℃、クロロホルム
中)であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル100重量部、無水マレイン酸1.5重量
部および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン0.1重量部をシリンダー温度32
0℃に設定した40mm二軸押出機に供給して250r
pmで溶融混練後、ストランドを冷却裁断して無水マレ
イン酸変性ポリフェニレンエーテルのペレットを得た。
この無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルを赤外
分光々度計により分析した結果、0.55重量%の無水
マレイン酸を付加していた。 A−3;ゴム変性ポリスチレン(旭化成工業(株)製、
商品名、旭化成ポリスチレン494)。 A−4;ポリスチレン(旭化成工業(株)製、商品名、
旭化成ポリスチレン685)。
【0032】(B)炭化水素樹脂 B−1;軟化点約165℃のクマロン・インデン樹脂
(日本石油化学(株)製、商品名、日石ユニレジン 7
60)。 B−2;軟化点約120℃のクマロン・インデン・スチ
レン共重合樹脂(新日鐵化学(株)製、商品名、エスク
ロン V−120)。 B−3;軟化点約145℃の石油樹脂(日本石油化学
(株)製、商品名、日石ネオポリマー 140)。 B−4;軟化点約125℃のテルペン樹脂(ヤスハラケ
ミカル(株)製、商品名、クリアロン P−125) B−5;軟化点約95℃の低分子量ポリスチレン(三洋
化成(株)性、商品名、ハイマー ST−95)
【0033】(C)無機補強剤 C−1;アミノシラン処理された直径13μm、3mm
チョップドストランドのガラス繊維 C−2;ガラスフレーク(日本板硝子(株)製、商品
名、CEF150A)
【0034】(D)リン系難燃剤 D−1;下記一般式(V)で表されるビスフェノールA
−ポリクレジルホスフェート
【化8】 (n=1〜3の混合物)
【0035】(実施例1〜7、比較例1〜3)表1に示
す配合組成にしたがって、シリンダー温度300℃に設
定した30mm二軸押出機に供給して100rpmで溶
融混練後、ストランドを冷却裁断してペレットを得た。
このペレットを、シリンダー温度290℃に設定された
射出成形機により、金型温度80℃で成形して試験片を
得た。この試験片を用いて評価を行い、結果を表1に示
した。
【0036】物性評価は、以下の方法及び条件で行っ
た。 (1)難燃性 UL−94垂直燃焼試験に基ずき、1/8インチ厚みの
射出成形試験片を用いて測定した。 (2)成形流動性 厚み3.2mm、流動方向の長さ217mmの引張試験
用ダンベル片を射出成形した際、この成形片を完全充填
するのに必要な最低成形圧力(以下、SSPと略す。)
を測定し、成形流動性の尺度とした。SSPの値が低い
ほど成形流動性に優れることを意味する。
【0037】(3)熱変形温度 ASTM D648に基づき荷重18.6Kg/cm2
にて測定した。 (4)衝撃強度 ASTM D256に基づき、アイゾッド衝撃強度を測
定した。 (5)耐薬品性 1/8インチ厚みの引張試験用ダンベル片を1%の曲げ
歪を有する冶具にセットし、イソプロピルアルコールと
n−ヘキサンの重量比40/60の混合液に23℃で1
時間浸した。次に、ASTM D638の引張試験法に
基づき引張強度を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の強化樹脂組成物は、従来の難燃
化された無機補強剤強化ポリフェニレンエーテル系樹脂
組成物に比べ優れた難燃性と耐薬品性とを有し、流動
性、耐熱性、機械的特性にも優れた成形材料を提供す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08K 13/06 7:14 9:06)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテルの一部ま
    たは全部がカルボン酸化合物及び/又はその無水物で変
    性されたポリフェニレンエーテル系樹脂20〜90重量
    %、(B)炭化水素樹脂2〜30重量%、(C)無機補
    強剤2〜60重量%、(D)リン系難燃剤1〜30重量
    %からなる強化樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)炭化水素樹脂が、コールタールナ
    フサを原料として得られる炭化水素樹脂である請求項1
    記載の強化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (D)リン系難燃剤が、下記一般式
    (I)で表されるリン酸エステル化合物である請求項1
    または請求項2記載の強化樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立にア
    リール基または炭素数1から6のアルキル基で1〜3個
    置換されたアリール基であり、さらにヒドロキシル基で
    置換された芳香環基でもよい。Xはアリーレン基であ
    り、nは自然数、j、k、l、mはそれぞれ独立して0
    または1である。)
  4. 【請求項4】 (D)リン系難燃剤が、下記一般式(I
    I)で表されるリン酸エステル化合物である請求項1ま
    たは請求項2記載の強化樹脂組成物。 【化2】 (式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、炭素数1から6の
    アルキル基または水素を表し、R1、R2、R3、R4
    はメチル基、または水素を表す。nは1以上の整数を、
    n1、n2は0から2の整数を示し、m1、m2、m
    3、m4は、1から3の整数を示す。)
  5. 【請求項5】 (C)無機補強剤が、アミン含有シラン
    カップリング剤で表面処理されたガラスファイバーであ
    る請求項1〜4記載の強化樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6166115A (en) * 1999-01-22 2000-12-26 General Electric Company Flame resistant polyphenylene ether-polyamide resin blends
US6359043B1 (en) 1998-09-24 2002-03-19 General Electric Company Mica as flame retardant in glass filled noryl

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US6359043B1 (en) 1998-09-24 2002-03-19 General Electric Company Mica as flame retardant in glass filled noryl
US6166115A (en) * 1999-01-22 2000-12-26 General Electric Company Flame resistant polyphenylene ether-polyamide resin blends

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