JPH0598118A - スチレン系難燃耐熱耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系難燃耐熱耐衝撃性樹脂組成物

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JPH0598118A
JPH0598118A JP3264620A JP26462091A JPH0598118A JP H0598118 A JPH0598118 A JP H0598118A JP 3264620 A JP3264620 A JP 3264620A JP 26462091 A JP26462091 A JP 26462091A JP H0598118 A JPH0598118 A JP H0598118A
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pts
styrene
resin
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hydroxyl group
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JP3264620A
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Hajime Nishihara
一 西原
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチレン系難燃耐熱耐衝撃性樹脂組成物の
提供。 【構成】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリフェ
ニレンエーテル、(C)赤リン、(D)ヒドロキシル基含有芳
香族系リン酸エステル、(E)ヒドロキシル基非含有有機
リン化合物及び(F)トリアジン骨格含有化合物からなる
樹脂組成物。 【効果】 従来の難燃剤を大幅に削減しても耐熱性と
耐衝撃性を保持しつつ、難燃性を飛躍的に向上させるこ
とが可能である。この組成物は、高度な難燃性の要求さ
れる、家電部品、OA機器部品等を初めとする広い用途
分野に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性に優れた樹脂組成
物に関する。更に詳しくは、ハロゲン化合物を含まない
難燃性、耐熱性、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】HIPSに代表されるゴム変性ビニル芳香族
樹脂は、成形性、寸法安定性に優れることに加え、耐衝
撃性、剛性、電気絶縁性に優れていることから、家電部
品、OA機器部品を始めとする多岐の分野で使用される
に至っている。
【0003】近年、かかる分野で使用されるプラスチッ
ク材料に対し、安全上の問題から、難燃性の要求が高ま
ってきており、種々の難燃性規格が定められている。易
燃性のかかる樹脂に難燃性を付与する方法として、種々
の方法が考案されているが、ごく一般的には、難燃効果
の高い臭素化合物などのハロゲン化合物、及び必要に応
じ酸化アンチモンを樹脂に添加する方法が採用されてい
る。臭素化合物としては、デカブロモジフェニルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールA、ブロム化フタルイ
ミドなどの核臭素置換芳香族化合物が知られているが、
これらの難燃剤の添加による方法は優れた難燃性が得ら
れるものの、衝撃強度や熱変形温度が低下し、場合によ
っては難燃剤が樹脂の成形品表面にブリード・アウトし
て成形品外観を悪化させたりするなどの問題を有してい
た。更にまた樹脂の成形時に、ハロゲン化合物の熱分解
により、人体に有害なガスを発生したり、金型及びスク
リューを腐食するなどの問題を有していた。
【0004】このためハロゲン化合物を用いないで難燃
化する方法が検討されている。かかる方法として、樹脂
に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和
金属化合物を添加する方法が知られているが、充分な難
燃性を得るためには、上記水和金属化合物を多量に添加
する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点
を有していた。
【0005】一方、このような水和金属化合物を用いな
い方法として、ビニル芳香族樹脂、ポリフェニレンエー
テル、有機リン化合物、トリアジン及び/又はその誘導
体より選ばれる含窒素化合物よりなる難燃性樹脂組成物
(特開昭54−38348号公報、特開昭54−38349号公報、欧
州特許第311,909 号明細書)、ポリフェニレンエ−テ
ル、スチレン系樹脂及び赤リンよりなる難燃性樹脂組成
物(米国特許第4,461,874号明細書)、ABS樹脂に赤
リン、メラミン、熱架橋硬化性樹脂を配合してなる難燃
性樹脂組成物(特開昭61−291643号公報)が提案されて
いる。しかしながら、上記特開昭54−38348号公報、特
開昭54−38349号公報、欧州特許第311,909号明細書、米
国特許第4,461,874号明細書及び特開昭61−291643号公
報に記載の樹脂組成物は、いずれもハロゲン化合物を用
いない有用な難燃性樹脂材料ではあるが、流動性の低い
ポリフェニレンエーテルを主体としているため、樹脂組
成物の成形性が劣るという問題があった。加えて上記米
国特許第4,461874号明細書及び特開昭61−291643号公報
の樹脂組成物にあっては、赤リンを多量必要とするた
め、樹脂組成物が赤く着色してしまい、淡色系の色に調
色することが極めて困難であるという問題があった。
【0006】また更には、特開平1-223158号公報には、
ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステルとフェノ−
ル樹脂との組み合わせが開示されている。しかしなが
ら、スチレン系樹脂に単に該リン酸エステルを添加する
のみでは有効な難燃性を付与することはできない。
【0007】そこで、本発明者らは、先に(イ)ゴム変性
スチレン系樹脂、(ロ)ポリフェニレンエーテル、(ハ)赤
リン、(ニ)有機リン化合物、及び(ホ)トリアジン骨格含
有化合物を組み合わすことにより耐衝撃性を保持しつ
つ、難燃性を向上させることを見出し、特許を出願した
(特願平3−182328号)。
【0008】ところが、該公報の樹脂組成物は難燃性は
優れているものの、高度な成形品物性を要求される分野
では必ずしも耐熱性と耐衝撃性は十分ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、従来の
難燃剤を大幅に削減でき、かつ高度な難燃性と耐熱性と
耐衝撃性を有するスチレン系樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスチレン系
樹脂の難燃性の改良を鋭意検討した結果、従来の(A)ゴ
ム変性スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテルと
(C)赤リンと(E)ヒドロキシル基非含有有機リン化合物及
び(F)トリアジン骨格含有化合物に対して、(D)ヒドロキ
シル基含有芳香族系リン酸エステルを組み合わせること
により、驚くべきことに従来の難燃剤を大幅に削減して
も、耐熱性と耐衝撃性を保持しつつ、難燃性を飛躍的に
向上させることが可能になることを見出し、本発明に到
達した。即ち、本発明は、(A)ゴム変性スチレン系樹
脂、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)赤リン、(D)ヒド
ロキシル基含有芳香族系リン酸エステル、(E)ヒドロキ
シル基非含有有機リン化合物、及び(F)トリアジン骨格
含有化合物からなるスチレン系難燃耐熱耐衝撃性樹脂組
成物を提供するものである。
【0011】以下、本発明を詳しく説明する。
【0012】本発明の樹脂組成物は、(A)ゴム変性スチ
レン系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)赤リン、
(D)ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステル、(E)ヒ
ドロキシル基非含有有機リン化合物及び(F)トリアジン
骨格含有化合物よりなり、そのいずれを欠いても発明の
目的を達成することができない。
【0013】上記(A)成分は成形用樹脂組成物の主成分
をなし、成形品の強度保持の役割を担い、(B)成分は燃
焼時の炭化残渣を増大させるための成分であり、(C)成
分は(D)と(E)成分と共に(A)成分に難燃性を付与するた
めの成分であり、更に(F)成分は(C)、(D)、(E)成分の難
燃付与効果をより一層高めるための成分である。
【0014】ここで(D)ヒドロキシル基含有芳香族系リ
ン酸エステルは、耐熱性と耐衝撃性を保持して難燃性を
付与する。
【0015】上記(A)成分のゴム変性スチレン系樹脂と
は、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴ
ム状重合体が粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム
状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応
じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混
合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、また
は乳化重合することにより得られる。
【0016】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。
【0017】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、−
30℃を越えると耐衝撃性が低下する。
【0018】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム,イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0019】グラフト重合可能な単量体混合物中の必須
成分の芳香族ビニル単量体とは、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロス
チレン、p−ブロモスチレン、 2,4,5−トリブロモスチ
レン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを
主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよ
い。
【0020】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。
【0021】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からな
るアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に、重合体組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−
置換マレイミド等の単量体を共重合してもよい。単量体
混合物中に占める上記ビニル芳香族単量体と共重合可能
なビニル単量体の含量は0〜40重量%である。
【0022】本発明のゴム変性スチレン系樹脂における
ゴム状重合体は、好ましくは 5〜80重量%、更に好まし
くは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合物
は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは90〜50重
量%の範囲にある。この範囲外では、目的とする重合体
組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れなくなる。更
には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1〜5.0μm
が好ましく、特に0.2〜3.0μmが好適である。上記範囲
外では、耐衝撃性が低下する傾向を生ずる。
【0023】本発明の(B)成分のポリフェニレンエーテ
ル(以下PPEと略称する。)とは、下記式で示される
結合単位からなるホモ重合体及び/又は共重合体であ
る。
【0024】
【化1】
【0025】(ここに、R1、R2、R3、R4は、それぞ
れ水素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群か
ら選択されるものであり、互いに同一でも異なっていて
もよい。) このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノー
ルと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好
ましく、中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)が好ましい。かかるPPEの製造方法は公
知の方法で得られるものであれば特に限定されるもので
はなく、例えば、米国特許第3,306,874号明細書記載の
方法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒と
して用い、例えば、2,6キシレノールを酸化重合するこ
とにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,30
6,875号明細書、米国特許第3,257,357明細書、米国特許
第3,257,358号明細書、及び特公昭52−17880号公報、特
開昭50−51197号公報に記載された方法で容易に製造で
きる。本発明にて用いる上記PPEの還元粘度(0.5g/d
l、クロロフィルム溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70dl/
gの範囲にあることが好ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲
にあることがより好ましい。PPEの還元粘度に関する
上記要件を満たすための手段としては、前記PPEの製
造の際の触媒量の調整などを挙げることができる。
【0026】また、本発明の(C)成分の赤リンとは、一
般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チ
タンより選ばれる金属水酸化物の皮膜で被覆処理された
もの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及び熱
硬化性樹脂よりなる皮膜で被覆処理されたもの、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸
化チタンより選ばれる金属水酸化物の皮膜の上に熱硬化
性樹脂の皮膜で二重に被覆処理されたものなども好適に
用いることができる。
【0027】そして、本発明の(D)成分のヒドロキシル
基含有芳香族系リン酸エステルとは、トリクレジルホス
フェ−トやトリフェニルホスフェ−ト等に一個または二
個以上のフェノ−ル性水酸基を含有したリン酸エステル
であり、特に、ジフェニルレゾルシニルホスフェ−ト
【0028】
【化2】
【0029】が好ましい。
【0030】本発明のヒドロキシル基含有芳香族系リン
酸エステルの製造方法は、特開平1-223158号公報に開示
されており、フェノ−ル、ヒドロキシフェノ−ル、塩化
アルミニウム及びオキシ塩化リンの反応により得られ
る。
【0031】次いで、本発明の(E)成分のヒドロキシル
基非含有有機リン化合物とは、(D)成分を除く有機リン
化合物であり、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホ
スフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エ
ステル、亜リン酸エステル等を挙げることができる。よ
り具体的には、メチルネオペンチルフォスファイト、ペ
ンタエリスリトールジエチルジフォスファイト、メチル
ネオペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチル
フォスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフ
ォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェー
ト、ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピ
ロカテコールフォスファイト、エチルピロカテコールフ
ォスフェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェー
トなどを挙げることができる。
【0032】更には、本発明の(F)成分のトリアジン骨
格含有化合物は、含リン化合物の難燃助剤として作用
し、その具体例としては、メラミン、サクシノグアナミ
ン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン等を
挙げることができるが、メラミンが最も好ましい。
【0033】本発明の樹脂組成物において、(A)ゴム変
性スチレン系樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテルが樹
脂成分を形成するが、上記樹脂成分の 100重量部中に占
める(B)成分の割合は、10〜30重量部の範囲が好まし
い。(B)成分が10重量部未満では、炭化残渣量が少なく
難燃性が充分でなく、30重量部を越えると流動性が低下
し、好ましくない。(B)成分のより好ましい範囲は10〜2
5重量部である。
【0034】次に本発明の樹脂組成物は、(A)と(B)の成
分の合計 100重量部に対して、(C)赤リンが1〜15重量
部、(D)ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステルが1
〜30重量部、(E)ヒドロキシル基非含有有機リン化合物
が1〜30重量部、及び(F)トリアジン骨格含有化合物が 5
〜30重量部の範囲にあることが好ましい。ここで上記範
囲を逸脱すると、難燃性または耐衝撃性が低下し好まし
くない。
【0035】本発明の樹脂組成物は、上記各重合体を市
販の単軸押出機あるいは、二軸押出機などで例えば溶融
混練することなどにより得られるが、その際にBHT等
の酸化防止剤、紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、ステアリ
ン酸、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、充填剤、補強材、染
料、顔料等を必要に応じて添加することができる。
【0036】このようにして得られた本発明の組成物を
例えば、射出成形または押出成形することにより、難燃
性と耐衝撃性と耐熱性の優れた成形品が得られる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。
【0038】なお、実施例、比較例における測定は、以
下の方法もしくは測定機器を用いて行った。
【0039】(1)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Burning)法により評価し
た。(1/8"試験片) (2)アイゾット衝撃強度 ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定した。(Vノッ
チ、1/8"試験片) (3)ビカット軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定し、耐熱性の尺度と
した。
【0040】実施例1 (イ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)の製造 下記組成の重合原液を調製した。
【0041】 ポリブタジエンゴム 8.0重量部 (旭化成工業(株)製NF−35A) スチレン 77.0重量部 エチルベンゼン 15.0重量部 α−メチルスチレンダイマー 0.06重量部 ステアリル3−(3,5−ジタ−シャリブチル 0.10重量部 −4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート 次いで上記重合原液を撹拌棒を備えた多段式反応機に連
続的に送液し、重合を行った。ゴム粒子の重量平均粒子
径が 2.3ミクロン、最終反応機出の固形分濃度が80重量
%となるように、重合温度及び撹拌数を調節した。引き
続き重合液の脱揮装置に導き、ゴム含量10重量%のゴム
変性ビニル芳香族樹脂(HIPS)を得た。得られたゴム変性
ビニル芳香族樹脂を分析した結果、ゲル含量は32重量
%、ゲル成分の膨潤指数は12.5、マトリックス部分の還
元粘度は0.75dl/gであった。
【0042】(ロ)ポリフェニレンエーテル(PPE)の
製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−ブチ
ルアミン1110g、及びトルエン20リットル、n−ブタノ
ール16リットル、メタノール4リットルの混合溶媒に2,6
−キシレノール8.75Kgを溶解して反応機に仕込んだ。撹
拌しながら反応機内部に酸素を吹き込み続け、内温を30
℃に制御しながら 180分間重合を行った。重合終了後、
析出したポリマーを瀘別しメタノール/塩酸混合液を添
加し、ポリマー中の残存触媒を分解し、さらにメタノー
ルを用いて充分洗浄した後乾燥し、粉末状のPPEを得
た。還元粘度は0.55dl/gであった。
【0043】(ハ)赤リン 赤リンとして、市販の赤リン粉末(燐化学工業(株)
製、商品名ノ−バエクセル150)を用いた。(RPと称
する。) (ニ)ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステル及びヒ
ドロキシル基非含有有機リン化合物の製造:フェノ−ル
122.7重量部(モル比2.0)、塩化アルミニウム0.87重量
部(モル比0.01)をフラスコに取り90℃でオキシ塩化リ
ン100重量部(モル比1.0)を1時間かけて滴下した。生
成した中間体にレゾルシン71.7重量部(モル比1.0)を
加え、更に反応させた。反応を完結させるために、徐々
に昇温し最終的には180℃まで温度を上げてエステル化
を完了させた。次いで反応生成物を冷却し、水洗いして
触媒及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(FR
と称する。)を得た。この混合物をGPC(ゲルパ−ミ
エ−ションクロマトグラフィ−)により分析したとこ
ろ、ジフェニルレゾルシニルホスフェ−ト
【0044】
【化3】
【0045】とトリフェニルホスフェ−ト(TPPと称
する)と芳香族縮合リン酸エステル
【0046】
【化4】
【0047】からなり、重量比がそれぞれ54.2/18.3/2
7.5であった。
【0048】(ホ)トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、市販のメラミン(和
光純薬工業(株)製)を用いた(MLと称する)。
【0049】(ヘ)組成物の調製及び評価 上記HIPS/PPE/RP/FR/MLを重量比で 77/23/0.8/12/12の
比率で機械的に混合し、東洋精機製作所製ラボプラスト
ミルを用いて、溶融温度230℃回転数50rpmで5分間溶融
した。このようにして得られた重合体組成物から加熱プ
レスにより 1/8"厚の試験片を作製し、難燃性、ビカッ
ト軟化温度、及びアイゾット衝撃強さの評価を行った。
表1にその結果を示す。
【0050】比較例1 実施例1において、RPを加えないほかは、実施例1と
同一の実験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0051】比較例2 実施例1において、FRの代わりに市販のトリフェニル
フォスフェ−ト{(大八化学工業所(株)製)(TPP
と称する)}を用いること以外は、実施例1と同一の実
験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0052】比較例3 実施例1において、FRの代わりに市販の芳香族縮合リ
ン酸エステル(大八化学工業所(株)製、商品名CR7
33S)を用いること以外は、実施例1と同一の実験を
繰り返した。表1にその結果を示す。
【0053】また、上記芳香族縮合リン酸エステルは、
GPC分析によると、TPPダイマ−とTPPオリゴマ
−からなり、重量比でそれぞれ65/35であった。
【0054】
【化5】
【0055】比較例4 実施例1において、FRを加えないほかは、実施例1と
同一の実験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0056】比較例5 実施例1において、MLを加えないほかは、実施例1と
同一の実験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0057】比較例6 実施例1において、HIPS/PPEの77/23の重量比になる樹
脂成分100をHIPS100に変更すること以外、実施例1と同
一の実験を繰り返した。表1にその結果を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来の難燃剤を大幅
に削減しても高度な難燃性と耐熱性と耐衝撃性を兼備し
たスチレン系樹脂組成物である。この組成物は、家電部
品、OA機器部品等に好適であり、産業界に果たす役割
は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP 9167−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリフ
    ェニレンエーテル、(C)赤リン、(D)ヒドロキシル基含有
    芳香族系リン酸エステル、(E)ヒドロキシル基非含有有
    機リン化合物及び(F)トリアジン骨格含有化合物からな
    るスチレン系難燃耐熱耐衝撃性樹脂組成物。
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