JPH05156117A - 外観の優れたスチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

外観の優れたスチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物

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JPH05156117A
JPH05156117A JP32191791A JP32191791A JPH05156117A JP H05156117 A JPH05156117 A JP H05156117A JP 32191791 A JP32191791 A JP 32191791A JP 32191791 A JP32191791 A JP 32191791A JP H05156117 A JPH05156117 A JP H05156117A
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phosphorus
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resin composition
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JP32191791A
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Hajime Nishihara
一 西原
Hiroaki Ishikawa
弘昭 石川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観の優れたスチレン系難燃耐衝撃性樹脂組
成物の提供。 【構成】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)ポリ
フェニレンエーテル、(C)特定の粒子直径の赤リン及
び/または有機リン化合物である含リン難燃剤(D)白
色顔料及び必要に応じて(E)トリアジン骨格含有化合
物を配合してなるスチレン系樹脂組成物。 【効果】 難燃性と耐衝撃性を保持しつつ、外観を飛躍
的に向上させることが可能である。この組成物は、高度
な難燃性の要求される、家電部品、OA機器部品等を初
めとする広い用途分野に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性に優れた樹脂組成
物に関する。更に詳しくは、ハロゲン化合物を含まな
い、淡色系成形体用の外観の優れた難燃性、耐衝撃性ス
チレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPSに代表されるゴム変性ビニル芳
香族樹脂は、成形性、寸法安定性に優れることに加え、
耐衝撃性、剛性、電気絶縁性に優れていることから、家
電部品、OA機器部品を始めとする多岐の分野で使用さ
れるに至っている。近年、かかる分野で使用されるプラ
スチック材料に対し、安全上の問題から、難燃性の要求
が高まってきており、種々の難燃性規格が定められてい
る。易燃性のかかる樹脂に難燃性を付与する方法とし
て、種々の方法が考案されているが、ごく一般的には、
難燃効果の高い臭素化合物などのハロゲン化合物、及び
必要に応じ酸化アンチモンを樹脂に添加する方法が採用
されている。臭素化合物としては、テカブロモジフェニ
ルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ブロム化
フタルイミドなどの核臭素置換芳香族化合物が知られて
いるが、これらの難燃剤の添加による方法は優れた難燃
性が得られるものの、衝撃強度や熱変形温度が低下し、
場合によっては難燃剤が樹脂の成形品表面にブリード・
アウトして成形品外観を悪化させたりするなどの問題を
有していた。更にまた樹脂の成形時に、ハロゲン化合物
の熱分解により、人体に有害なガスを発生したり、金型
及びスクリューを腐蝕するなどの問題を有していた。
【0003】このためハロゲン化合物を用いないで難燃
化する方法が検討されている。かかる方法として、樹脂
に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和
金属化合物を添加する方法が知られているが、充分な難
燃性を得るためには、上記水和金属化合物を多量に添加
する必要があり、樹脂本来の特性が失われるという欠点
を有していた。
【0004】一方、このような水和金属化合物を用いな
い方法として、ビニル芳香族樹脂、ポリフェニレンエー
テル、有機リン化合物、トリアジン及び/又はその誘導
体より選ばれる含窒素化合物よりなる難燃性樹脂組成物
(特開昭54−38348号公報、特開昭54−383
49号公報、欧州特許第311,909号明細書)、ポ
リフェニレンエーテル、スチレン系樹脂及び赤リンより
なる難燃性樹脂組成物(米国特許第4,461,874
号明細書)、ABS樹脂に赤リン、メラミン、熱架橋硬
化性樹脂を配合してなる難燃性樹脂組成物(特開昭61
−291643号公報)が提案されている。しかしなが
ら、上記特開昭54−38348号公報、特開昭54−
38349号公報、欧州特許第311,909号明細
書、米国特許第3,663,654号明細書及び特開昭
61−291643号公報に記載の樹脂組成物は、いず
れもハロゲン化合物を用いない有用な難燃性樹脂材料で
はあるが、流動性の低いポリフェニレンエーテルを主体
としているため、樹脂組成物の成形性が劣るという問題
があった。加えて上記米国特許第3,663,654号
明細書及び特開昭61−291643号公報の樹脂組成
物にあっては、赤リンを多量必要とするため、樹脂組成
物が赤く着色してしまい、淡色系の色に調色することが
認めて困難であるという問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは、先に(イ)ゴム変
性スチレン系樹脂、(ロ)ポリフェニレンエーテル、
(ハ)赤リン、(ニ)有機リン化合物、及び(ホ)トリ
アジン骨格含有化合物を組み合わすことにより耐衝撃性
を保持しつつ、難燃性を向上させることを見出し、特許
を出願した(特願平3−182328号)。ところが、
特願平3−182328号の樹脂組成物から得られる成
形体は、難燃性、耐衝撃性は優れているものの,白色顔
料で淡色系の色に調色すると赤リンが斑点状に浮かび上
がり外観を著しく損うという問題が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、淡色系
成形体用の、優れた外観、難燃性及び耐衝撃性を兼備し
たスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスチレン系
樹脂の外観の改良を鋭意検討した結果、従来の(A)ゴ
ム変性スチレン系樹脂と(B)ポリフェニレンエーテル
と(D)白色顔料及び必要に応じて(E)トリアジン骨
格含有化合物を配合してなる樹脂組成物に対して、
(C)特定の粒子直径の赤リンを含有する含リン難燃剤
を組み合わせることにより、驚くべきことに難燃性と耐
衝撃性を保持しつつ、外観の飛躍的に向上した成形体が
得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、(A)ゴム変性スチレン
系樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)赤リ
ン単独または、赤リンと有機リン化合物である含リン
難燃剤及び(D)白色顔料からなり、必要に応じて
(E)トリアジン骨格含有化合物を配合してなる樹脂組
成物であって、該(C)赤リンの25μm以上の粒子直
径の赤リン粒子が10重量%以下であることを特徴とす
る外観の優れたスチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物を提
供するものである。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
樹脂組成物は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)
ポリフェニレンエーテル、(C)特定の粒子直径の赤リ
ンを含有する含リン難燃剤、(D)白色顔料、及び必要
に応じて(E)トリアジン骨格含有化合物を有する組成
物からなり、(A)(B)(C)(D)のいずれを欠い
ても発明の目的を達成することができない。
【0010】ここで(C)成分の赤リンの粒子直径が2
5μmを越えると、白色顔料で淡色系の色に調色すると
赤リン斑点が浮かび上がり外観が劣る。上記(A)成分
のゴム変性スチレン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体
よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散
してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族
ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニ
ル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状
懸濁重合、溶液重合、または乳化重合することにより得
られる。
【0011】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。ここで、前記ゴム状重合
体は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であるこ
とが必要であり、−30℃を越えると耐衝撃性が低下す
る。
【0012】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0013】グラフト重合可能な単量体混合物中の必須
成分の芳香族ビニル単量体とは、例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロス
チレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモ
スチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレ
ンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合しても
よい。
【0014】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させる必要の
ある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアク
リル酸エステルを用いることができる。また更に、重合
体組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合は、アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレ
イミド等の単量体を共重合してもよい。単量体混合物中
に占める上記ビニル芳香族単量体と共重合可能なビニル
単量体の含量は0〜40重量%である。
【0015】本発明のゴム変性スチレン系樹脂における
ゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、更に好ま
しくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混
合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは
90〜50重量%の範囲にある。この範囲外では、目的
とする重合体組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れ
なくなる。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、
0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μ
mが好適である。上記範囲外では、耐衝撃性が低下する
傾向を生ずる。
【0016】本発明の(B)成分のポリフェニレンエー
テル(以下PPEと略称する。)とは、下記式で示され
る結合単位からなるホモ重合体及び/又は共重合体であ
る。
【0017】
【化1】
【0018】但し、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞ
れ水素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群か
ら選択されるものであり、互いに同一でも異なっていて
もよい。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールとの共重合体等が好ましく、中でも、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。かかるPPEの製造方法は特に限定されるものでは
なく、例えば、米国特許第3,306,874号明細書
記載の方法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを
触媒として用い、例えば、2,6キシレノールを酸化重
合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特
許第3,306,875号明細書、米国特許第3,25
7,357号明細書、米国特許第3,257,358号
明細書、及び特公昭52−17880号公報、特開昭5
0−51197号公報に記載された方法で容易に製造で
きる。本発明にて用いる上記PPEの還元粘度(0.5
g/dl、クロロフィルム溶液、30℃測定)は、0.
20〜0.70dl/gの範囲にあることが好ましく、
0.30〜0.60dl/gの範囲にあることがより好
ましい。PPEの還元粘度に関する上記要件を満たすた
めの手段としては、前記PPEの製造の際の触媒量の調
整などを挙げることができる。
【0019】また、本発明の(C)成分の含リン難燃剤
とは、赤リン単独、または赤リンと有機リン化合物
からなる。本発明の(C)成分の赤リンとは、一般の赤
リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよ
り選ばれる金属水酸化物の皮膜で被覆処理されたもの、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及び熱硬化
性樹脂よりなる皮膜で被覆処理されたもの、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チ
タンより選ばれる金属水酸化物の皮膜の上に熱硬化性樹
脂の皮膜で二重に被覆処理されたものなども好適に用い
ることができる。ここで、25μm以上の粒子直径の赤
リン粒子が、10重量%以下であることが必須である。
前記赤リンが10重量%を越えると淡色系に調色した時
に赤リン斑点が著しく強調され商品価値が低下する。
【0020】次いで、本発明の(C)成分の有機リン化
合物とは、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフ
ィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル等を挙げることができる。より具
体的には、メチルネオペンチルフォスファイト、ペンタ
エリスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオ
ペンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォ
スフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォス
フェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、
ジネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカ
テコールフォスファイト、エチルピロカテコールフォス
フェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートな
どを挙げることができる。
【0021】そして、本発明の(D)成分の白色顔料
は、無機顔料、有機顔料から選ばれ、例えば、亜鉛華
(亜鉛白)(ZnO)、リトポン、酸化チタン(TiO
2 )、鉛白2PbCO3 ・Pb(OH)2 、バライト
(硫酸バリウム)(BaSO4 )、白亜(チョーク)
(CaCO3 )、胡粉(CaCO3 )、クレー(カオリ
ン、白土)(Al2 3 ・2SiO2 ・2H2 O)等が
挙げられる。これらの白色顔料は、樹脂成分との分散性
を向上させるために高級脂肪酸アミド等で被覆してもよ
い。
【0022】更には、本発明の組成物の難燃性を一層向
上させるために必要に応じて(E)成分のトリアジン骨
格含有化合物を添加することができる。ここで、(D)
成分のトリアジン骨格含有化合物は、含リン化合物の難
燃助剤として作用し、その具体例としては、メラミン、
サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタ
ログアナミン等を挙げることができるが、メラミンが最
も好ましい。
【0023】本発明の樹脂組成物において、(A)ゴム
変性スチレン系樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル
が樹脂成分を形成するが、上記樹脂成分の100重量部
中に占める(B)成分の割合は、10〜30重量部の範
囲が好ましい。(B)成分が10重量部未満では、炭化
残渣量が少なく難燃性が充分でなく、30重量部を越え
ると流動性が低下し、好ましくない。(B)成分のより
好ましい範囲は10〜25重量部である。
【0024】次に本発明の樹脂組成物は、(A)と
(B)の成分の合計100重量部に対して、(C)含リ
ン難燃剤が1〜30重量部、(D)白色顔料が1〜20
重量部、及び(E)トリアジン骨格含有化合物が0〜3
0重量部の範囲にあることが好ましい。ここで上記範囲
を逸脱すると、難燃性、耐衝撃性及び色調が低下し好ま
しくない。
【0025】本発明の樹脂組成物は、上記各重合体を市
販の単軸押出機あるいは、二軸押出機などで例えば溶融
混練することなどにより得られるが、その際にBHT等
の酸化防止剤、紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、ステアリ
ン酸、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、充填剤、補強材、染
料、顔料等を必要に応じて添加することができる。この
ようにして得られた本発明の組成物を例えば、射出成形
または押出成形することにより、難燃性と耐衝撃性と淡
色系の外観の優れた成形品が得られる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。なお、実施例、比較例における測定は、以下の
方法もしくは測定機器を用いて行った。 (1)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した。(1/8インチ試験片) (2)アイゾット衝撃強度 ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定し
た。(Vノッチ、1/8インチ試験片) (3)外観 組成物を加熱プレスにより1mmシートを作製し、目視
により赤リンの有無を観察した。また一方では、上記シ
ートを、Fuji Xerox社製5370−IIを用
いて電子写真方式で複写し、赤リンの斑点を記録した。 (4)赤リンの数平均粒子直径 組成物の成形シートの光学顕微鏡写真から無作為に選ん
だ100個の粒子の直径を測定し、それを下記〔I〕式
に定義した式により算出した。
【0027】 数平均粒子直径D=Σdi/ΣNi ・・・・・・〔I〕 (ここに、Niは粒子直径diの赤リン粒子の個数であ
る。)
【0028】
【実施例1】 (イ)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)の製造 下記組成の重合原液を調製した。 ポリブタジエンゴム 8.0 重量部 (旭化成工業(株)製NF−35A) スチレン 77.0 重量部 エチルベンゼン 15.0 重量部 α−メチルスチレンダイマー 0.06重量部 ステアリル3−(3,5−ジタ−シャリブチル 0.10重量部 −4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート 次いで上記重合原液を攪拌棒を備えた多段式反応機に連
続的に送液し、重合を行った。ゴム粒子の重量平均粒子
径が2.3ミクロン、最終反応機出の固形分濃度が80
重量%となるように、重合温度及び攪拌数を調節した。
引き続き重合液の脱揮装置に導き、ゴム含量10重量%
のゴム変性ビニル芳香族樹脂(HIPS)を得た。得ら
れたゴム変性ビニル芳香族樹脂を分析した結果、ゲル含
量は32重量%、ゲル成分の膨潤指数は12.5、マト
リックス部分の還元粘度は0.75dl/gであった。 (ロ)ポリフェニレンエーテル(PPE)の製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、攪拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。攪拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間
重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
メタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残存触
媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分洗浄した後
乾燥し、粉末状のPPEを得た。還元粘度は0.55d
l/gであった。 (ハ)含リン難燃剤 市販の赤リン粉末〔(燐化学工業(株)製、商品名ノー
バエクセル150、平均粒子直径38μm)(RP−0
と称する)〕に、純水を加えて10重量%のスラリー状
態にし、ナイロン製の25μmの篩(シーブ)を通して
分級した。次いで、エタノールで水を置換し60℃で乾
燥した。このようにして得られた25μm以下の赤リン
粉末をRP−1、25μm以上の赤リン粉末をRP−2
と称する。RP−0は、RP−1とRP−2からなり、
その重量比はそれぞれ15/85であった。
【0029】また、有機リン化合物として、市販のトリ
フェニルフォスフェート〔(大八化学工業(株)製)
(TPPと称する)〕を用いた。 (ニ)白色顔料 白色顔料として市販の酸化チタン粉末〔(石原産業
(株)製0.2μ)(TiO2 と称する)〕を用いた。 (ホ)トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、市販のメラミン(三
井東圧化学(株)製)を用いた(MLと称する)。 (ヘ)組成物の調製及び評価 上記HIPS/PPE/RP−1/TPP/TiO2
MLを重量比で77/23/0.85/9/2.5/8
の比率で機械的に混合し、東洋精機製作所製ラボプラス
トミルを用いて、溶融温度230℃回転数50rpmで
5分間溶融した。このようにして得られた重合体組成物
から加熱プレスにより1/8インチ厚の試験片を作製
し、難燃性、及びアイゾット衝撃強さの評価を行った。
表1、表2にその結果を示す。
【0030】また、本発明の組成物の加熱プレスにより
作製したシートには、赤リン斑点はほとんど見られなか
った。そして、図1には、このシートの電子写真方式に
よる複写図を示した。一方、このシートを光学顕微鏡写
真により観察したところ、25μm以上の数平均粒子直
径の赤リン粒子は検出されなかった。
【0031】
【比較例1】実施例1において、赤リン粉末としてRP
−0を用いること以外、実施例1と同一の実験を繰り返
した。表1、図2にその結果を示す。図2によると、赤
リン斑点が多数見られる。
【0032】
【比較例2】実施例1において、赤リン粉末としてRP
−2を用いること以外、実施例1と同一の実験を繰り返
した。表1、図3にその結果を示す。図3によると、赤
リン斑点が多数見られる。
【0033】
【実施例2】実施例1の組成物において、HIPS/P
PE/RP−1/TPP/TiO2 を重量比で77/2
3/1.0/12/2.5に変更すること以外、実施例
1と同一の実験を繰り返した。表1、図4にその結果を
示す。図4によると、赤リン斑点がほとんど見られない
ことが分かる。
【0034】
【比較例3】実施例1において、含リン難燃剤(RPと
TPP)を加えないほかは、実施例1と同一の実験を繰
り返した。表2にその結果を示す。
【0035】
【比較例4】実施例1において、HIPS/PPEの7
7/23の重量比になる樹脂成分100を、HIPS1
00に変更すること以外、実施例1と同一の実験を繰り
返した。表2にその結果を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の組成物は、淡色系成形体用の優
れた外観、難燃性及び耐衝撃性を兼備したスチレン系樹
脂組成物である。この組成物は、家電部品、OA機器部
品等に好適であり、産業界に果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の組成物に酸化チタンを配合したシー
トの電子写真方式による複写図である。使用した赤リン
の粒子直径は25μm以下である。
【図2】比較例1の組成物に酸化チタンを配合したシー
トの電子写真方式による複写図である。使用した赤リン
の平均粒子直径は38μmである。
【図3】比較例2の組成物に酸化チタンを配合したシー
トの電子写真方式による複写図である。使用した赤リン
の粒子直径は25μm以上である。
【図4】実施例2の組成物に酸化チタンを配合したシー
トの電子写真方式による複写図である。使用した赤リン
の粒子直径は25μm以下である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQN 9167−4J LQP 9167−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)
    ポリフェニレンエーテル、(C)赤リン単独または、
    赤リンと有機リン化合物である含リン難燃剤及び
    (D)白色顔料からなり、必要に応じて(E)トリアジ
    ン骨格含有化合物を配合してなる樹脂組成物であって、
    該(C)赤リンの25μm以上の粒子直径の赤リン粒子
    が10重量%以下であることを特徴とするスチレン系難
    燃耐衝撃性樹脂組成物。
JP32191791A 1991-12-05 1991-12-05 外観の優れたスチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物 Withdrawn JPH05156117A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0698636A1 (en) * 1994-08-26 1996-02-28 ALBRIGHT & WILSON UK LIMITED Flame-retardant materials

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0698636A1 (en) * 1994-08-26 1996-02-28 ALBRIGHT & WILSON UK LIMITED Flame-retardant materials

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