JPH0929099A - カルボン酸エステル製造用パラジウム、鉛含有担持触媒 - Google Patents
カルボン酸エステル製造用パラジウム、鉛含有担持触媒Info
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Abstract
を反応させてカルボン酸エステルを製造するに際し、ア
ルデヒド濃度および反応温度を高めた反応条件において
も高いカルボン酸エステル選択率を可能にするパラジウ
ムおよび鉛含有触媒を提供する。 【解決手段】 アルデヒドとアルコールおよび分子状酸
素とを反応させてカルボン酸エステルを製造する触媒
で、パラジウムおよび鉛を含み、(1)パラジウム/鉛
の担持組成比が原子比で3/0.7〜3/1.3、
(2)パラジウム/鉛金属間化合物の(111)面のX
線回折角(2θ)が38.55〜38.70を満足する
担持触媒。
Description
ル及び分子状酸素と反応させてカルボン酸エステルを製
造する際に用いる触媒及び該触媒を用いるカルボン酸エ
ステルの製造方法に関する。
アクリル酸メチルを製造する方法としてメタクロレイン
からメタクリル酸を製造し、さらにメタクリル酸メチル
エステルに変換する直酸法と呼ばれる製法が既に工業化
されている。しかしながら、メタクロレインを酸化しメ
タクリル酸とする工程の収率は、長年にわたる触媒改良
により80%台前半まで改善されてきているものの依然
として低く改良の余地が大きい。また使用されるヘテロ
ポリ酸触媒は、熱的安定性にもともと難点があり、反応
温度条件下で分解が徐々に進行するという問題があり、
耐熱性を向上させるための触媒改良が報じられているも
のの、工業触媒としては触媒寿命が未だ不十分といわれ
る。
メタノールと分子状酸素と反応させて一挙にメタクリル
酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する新しいルート
が近時脚光をあびている。メタクロレイン又はアクロレ
インをメタノール中で分子状酸素と反応させることによ
って行われ、パラジウムを含む触媒の存在が必須であ
る。
を併発して炭化水素や炭酸ガスが生成し、目的とするカ
ルボン酸エステルの収率が低く、またカルボン酸エステ
ルの生成反応と並行して、アルコール自身の酸化による
異種のアルデヒド及びそのアルデヒドから異種のカルボ
ン酸エステル(例えば、アルコールとしてメタノールを
用いた場合は蟻酸メチル、エタノールの場合は酢酸エチ
ル)が副生し、アルコール基準の選択性も悪かった。し
かも触媒活性を長期にわたり維持できないという欠点も
あった。特に工業的実用価値の高いメタクロレインやア
クロレインなどのα・β−不飽和アルデヒドを出発原料
とした場合には、これら反応中間体の安定性が一段と低
いため、反応中に多量の炭酸ガスやオレフィン(メタク
ロレインの場合はプロピレン)などの分解生成物が発生
し、実用化レベルにはほど遠かった。
号、特公昭57−035857号、特公昭57−035
859号の各公報でパラジウム、鉛を含む触媒系を提案
し、メタクロレイン又はアクロレインを基準とした当該
メチルエステルへの選択率を大幅に改善し90%を超え
る高い値となること示しているが、反応温度は高々50
℃までであった。引き続き、特公昭62−007902
号公報ではパラジウムと鉛とが簡単な整数比で結合した
金属間化合物を含む触媒を提案し、メタクロレイン又は
アクロレインの分解反応がほぼ完全に抑止され、かつ触
媒活性も長期間失われることがない触媒系であることを
示した。これら新しい触媒系を使用する新製法は、前記
した通り収率改善及び触媒寿命改善に頭打ちの感のある
直酸法に比べ、工程が短いなどの利点もあり、工業的に
有用なポリマー原料の新しい製法として工業化が待ち望
まれている。
済的に有利な反応条件である60℃以上の高温、アルデ
ヒドが20%以上の高濃度で本反応を実施すると、上記
触媒系ではメタクリル酸メチル選択率(以下、MMA選
択率と称す。)が低下する。即ち、特公昭62−007
902号公報は90%を超える高いMMA選択率が得ら
れることを例示しているが、これらはアルデヒド濃度が
10%以下でしかも反応温度も40〜60℃という穏和
な条件で実施されたものである。これらの条件では生成
するMMA濃度が低いため未反応メタノールのリサイク
ル量が多く、その結果蒸気使用量が増大し経済性を悪化
させている。しかも生産性が低く反応器も大きい。経済
性改善のためにはアルデヒド濃度、及び反応温度を可及
的に高めることが望ましく、特公平5−069813号
公報ではメタクロレイン濃度20%、反応温度80℃で
の反応例が示されている。ところがこのような高いメタ
クロレイン濃度、及び高い反応温度条件になると90%
を超える高いMMA選択率は得られない。さらにメタク
ロレイン濃度を30%まで高めたより過酷な条件になる
とMMA選択率がさらに低下する。
度下で90%を超える高いMMA選択率が得られる触媒
系の出現が待たれていた。
とアルコール及び分子状酸素をパラジウム及び鉛を含む
触媒下で反応させてカルボン酸エステルを製造するに際
し、アルデヒドの濃度及び反応温度を高めて経済性を改
善した反応条件においても、カルボン酸エステル選択率
の高いカルボン酸エステルの製造方法を可能にする触媒
及び該触媒を用いるカルボン酸エステルの製造方法を提
供するものある。
な現状に鑑み、MMA選択率を改善した触媒を開発すべ
くパラジウム及び鉛を含む触媒系につき鋭意研究し、本
発明者らが特公昭62−007902号公報で提案し
た、パラジウムと鉛が簡単な整数比で結合した金属間化
合物種のうち、原子比3/1のPd3 Pb1 種に注目
し、より緻密な研究を進め、Pd3 Pb1 金属間化合物
を高純度で含み、かつ結晶格子に欠陥の少ない高品位な
Pd3 Pb1 を含む触媒は、高いアルデヒド濃度及び高
い反応温度の如く過酷な反応条件であってもMMA選択
率が悪化しないことを見いだし、本発明を完成した。
ン酸エステルを製造する触媒で、パラジウム及び鉛を含
み、下記(1)及び(2)を満たす担持触媒。 (1)パラジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/0.
7〜3/1.3、(2)パラジウム/鉛金属間化合物の
(111)面のX線回折角(2θ)が38.55〜3
8.70、 2.アルデヒドをアルコール及び分子状酸素と反応させ
てカルボン酸エステルを製造する方法において、アルデ
ヒドを上記1の触媒の存在下で、アルコール及び分子状
酸素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステル
の製造方法。 3.アルデヒドがメタクロレイン、アクロレイン又はこ
れらの混合物であり、アルコールがメタノールである上
記2のカルボン酸エステルの製造方法。
る。本発明者等が特公昭62−007902号公報で開
示した触媒は、如何なる理由により過酷な反応条件でM
MA選択率が悪化するのか鋭意研究したところ、これら
の触媒は、いずれも鉛由来の不純物を多く含み、Pd3
Pb1 の純度が極めて低いことに起因することが判っ
た。例えばPd/Pb担持組成比(原子比)が3/1.
5で調製された上記特公昭62−007902号公報の
実施例1の触媒は、0.5原子相当の鉛がPd3 Pb1
としてではなく、遊離叉は金属の鉛成分として担持され
ているものと推察され、これらは鉛成分由来の不純物と
なりPd 3 Pb1 の純度を大きく低下させる。また、P
d/Pb担持組成比(原子比)が3/3で調製された同
公報実施例4の触媒は、2原子相当分の鉛を不純物とし
て含みPd3 Pb1 の純度はさらに低い。即ち、同公報
の触媒はPd3 Pb1 の形成に使用されない鉛成分がP
d3 Pb1 を形成している鉛に対し50〜200%含ま
れるきわめて純度の低い触媒であった。これら鉛不純物
の存在が、MMA選択率を悪化させる主因であり、高ア
ルデヒド濃度及び高い反応温度の如く過酷な反応条件で
MMA選択率低下を引き起こすことを本発明者らは見い
だした。
を減らすべく、鉛担持量をPd/Pb担持組成比(原子
比)で可及的3/1として触媒を調製する試みを行っ
た。しかしながら、従来の製造法で、ただ単にPd/P
b担持組成比(原子比)が3/1となるようにして調製
しても、格子欠陥の多い、低品位なPd3 Pb1 担持触
媒しか得られず、特公昭62−007902号公報記載
の触媒に比べ、却ってMMA選択率が一段と低下するこ
とが明らかになった。即ち、格子欠陥の少ないPd3 P
b1 を触媒種として含み、かつ鉛不純物の少ない本発明
にとり理想の担持触媒は実現されていなかった。
して含み、かつ鉛不純物の少ない、本発明にとり理想の
担持触媒は、後述するところの触媒構造完成化工程を経
ることにより得られることを本発明者らは見いだした。
この触媒構造完成化工程を経ると、鉛由来の不純物を増
やすことなくPd3 Pb1 の格子欠陥を容易に低減で
き、高品位なPd3 Pb1 が得られる。即ち、高品位な
Pd3 Pb1 を高純度で含む担持触媒が得られることと
なった。またこの触媒系は過酷な反応条件で高いMMA
選択率を示すことも明らかとなった。
発明の担持触媒はパラジウム及び鉛を含み、第一にパラ
ジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/0.7〜3/
1.3を満たさねばならない。好ましくは3/0.9〜
3/1.1である。可及的に3/1に近づけるのがより
好ましい。第二にパラジウム/鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角(2θ)は38.55〜38.70
の範囲である。これらの第一、第二の要件を満たした担
持触媒は意外にも90%を超える高いMMA選択率を示
す。特に、これらの特徴は高温、高アルデヒド濃度での
工業的な反応条件で明確になる。
元素として、例えば水銀、タリウム、ビスマス、テル
ル、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタ
ル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステ
ン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジ
ウム、ルテニウム、イリジウム、白金、金、チタン、ア
ルミニウム、硼素、珪素などを含んでいてもよい。これ
らの異種元素は通常5重量%、好ましくは1重量%を超
えない範囲で含むことができる。さらにはアルカリ金属
化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれた少なく
とも一員を含むものは反応活性が高くなるなどの利点が
ある。アルカリ金属、アルカリ土類金属は通常0.01
〜30重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲か
ら選ばれる。これらの異種元素、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属などは結晶格子間に少量、侵入したり、また
は結晶格子金属の一部と置換していてもよい。また、ア
ルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物は触媒調
製時にパラジウム化合物あるいは鉛化合物を含む溶液に
加えておき担体に吸着あるいは付着させてもよいし、あ
らかじめこれらを担持した担体を利用して触媒を調製す
ることもできる。また、反応条件下に反応系に添加する
ことも可能である。
合物及び鉛化合物は例えば蟻酸塩、酢酸塩などの有機酸
塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩のごとき無機酸塩、アンミ
ン錯体、ベンゾニトリル錯体などの有機金属錯体、酸化
物、水酸化物などのなかから適宜選ばれるがパラジウム
化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジウムなど
が、鉛化合物としては硝酸鉛、酢酸鉛などが好適であ
る。またアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物
についても有機酸塩、無機酸塩、水酸化物などから選ば
れる。
アルミナ、ゼオライト、マグネシア、水酸化マグネシウ
ム、チタニア、炭酸カルシウム、活性炭などから広く選
ぶことができる。担体へのパラジウム担持量は特に限定
はないが担体重量に対して通常0.1〜20重量%、好
ましくは1〜10重量%である。鉛の担持量も特に限定
はないが担体重量に対して通常0.05〜17重量%の
範囲から選ばれ、好ましくは0.45〜8.5である。
但し前記した通りパラジウム/鉛の担持組成比は原子比
で3/0.7〜3/1.3の範囲でなければならない。
好適には3/0.9〜3/1.1である。
法に従いパラジウム、鉛含有担持触媒を準備する。この
とき、パラジウム/鉛の担持組成比(原子比)としては
通常は3/0.1〜3/10の範囲から選ぶ。実用的に
は3/0.1〜3/3、より好ましくは3/0.7〜3
/1.3としておくのが好ましい。しかしながら、この
範囲を超えて、例えば3/0.1未満もしくは3/10
超えていても、次に説明する触媒構造完成化工程で鉛を
追加担持する、あるいは過剰鉛を除去することが可能で
あり、上記パラジウム/鉛の担持組成比(原子比)に必
ずしも限定されるものではない。
媒を下記の方法で、パラジウム/鉛の担持組成比(原子
比)を3/0.7〜3/1.3及びパラジウム鉛金属間
化合物(111)面のX線回折角(2θ)を38.55
〜38.70を満たすように触媒構造を完成させること
が必要である。例えば、上記通常の調製法で得られた触
媒を鉛化合物の存在下でホルマリン、蟻酸、ヒドラジ
ン、メタノールもしくは分子状水素で構造完成化を図
る。また、他の方法として、実施例7に示すように、通
常の方法でパラジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/
0.98の担持触媒を調製しておき、引き続きパラジウ
ム/鉛の担持組成比が原子比で例えば、3/1.3にな
るように酢酸鉛を溶かしたメタノールにこの担持触媒を
分散させ、反応温度=90℃、反応圧力=5kg/cm
2 (以下圧力は絶対圧力で表示し、kg/cm2 単位で
表す。)、出口酸素濃度=2.0%となるように反応器
に空気を供給し、構造完成化処理工程を行うことでも本
発明の触媒を得ることが可能である。
方法に限定されものではない。例えば触媒構造完成化の
対象となる触媒を分子状酸素による酸化と、引き続きメ
タノールによる還元からなる一連の酸化還元操作を少な
くとも一回以上実施し、構造が完成された触媒を得るこ
とも可能であるし、分子状酸素による酸化と、メタノー
ルによる還元を同時に行うことでも構造完成触媒を得る
ことが可能である。
不明であるが、本発明者らの推察するところによると該
条件で触媒上に存在する活性水素が重要な役割を果たし
ており、この活性水素の働きを高めるため、酸素分圧を
絞る必要があるものと推察される。上記触媒構造完成化
の対象となる担持触媒は、前記したように公知の調製法
で準備することができる。典型的な触媒調製法について
説明すれば可溶性の鉛化合物および塩化パラジウムなど
の可溶性のパラジウム塩を含む水溶液に担体を加えパラ
ジウム、鉛成分を含浸する。ついでホルマリン、蟻酸、
ヒドラジンあるいは水素ガスなどで還元する。得られる
触媒は特公昭62−007902号公報で本発明者らが
開示したPd3 Pb1 金属間化合物を含むものの、同公
報記載の触媒と同様に純度が低い。このため、このよう
な通常の製法で得られる触媒はパラジウム/鉛担持組成
比(原子比)及びパラジウム/鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角が本発明の要件を同時に満たす触媒
とはなり得ない。該触媒を上記の特定の条件下で構造完
成化を図ることで初めて本発明の要件を満たした担持触
媒を得ることができる。
ール及び分子状酸素と反応させてカルボン酸エステルを
製造する反応に好適に使用することができる。担持触媒
の使用量は、反応原料の種類、触媒の組成や調製法、反
応条件、反応形式などによって大幅に変更することがで
き、特に限定はないが、触媒をスラリー状態で反応させ
る場合には反応液1リットル中に0.04〜0.5kg
使用するのが好ましい。
応において使用するアルデヒドとしては、例えば、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、グリオキサールなどの脂肪
族飽和アルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、ク
ロトンアルデヒドなどの脂肪族α・β−不飽和アルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド、ベンジルア
ルデヒド、フタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド並
びにこれらアルデヒドの誘導体などがあげられる。これ
らのアルデヒドは単独もしくは任意の二種以上の混合物
として用いることができる。
応において使用するアルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノール
などの脂肪族飽和アルコール、エチレングリコール、ブ
タンジオールなどのジオール、アリルアルコール、メタ
リルアルコールなどの脂肪族不飽和アルコール、ベンジ
ルアルコールなどの芳香族アルコールなどが挙げられ
る。これらのアルコールは単独もしくは任意の二種以上
の混合物として用いることができる。
応におけるアルデヒドとアルコールとの使用量比には特
に限定はなく例えばアルデヒド/アルコールのモル比で
10〜1/1000のような広い範囲で実施できるが、
一般的には1/2〜1/50の範囲で実施される。本発
明反応は気相反応、液相反応、潅液反応などの任意の従
来公知の方法で実施できる。例えば液相で実施する際に
は気泡塔反応器、ドラフトチューブ型反応器、撹拌槽反
応器などの任意の反応器形式によることができる。
わち酸素ガス自体又は酸素ガスを反応に不活性な希釈
剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形
とすることができ、空気を用いることもできる。反応圧
力は減圧から加圧下の任意の広い圧力範囲で実施するこ
とができるが、通常は0.5〜20kg/cm2 の圧力
で実施される。反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲
(8%)を越えないように全圧を設定するとよい。
くはアルカリ土類金属の化合物(例えば、酸化物、水酸
化物、炭酸塩、カルボン酸塩など)を添加して反応系の
pHを6〜9に保持することが好ましい。特にpHを6
以上にすることで触媒中の鉛成分の溶解を防ぐ効果があ
る。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
化合物は単独もしくは二種以上組み合わせて使用するこ
とができる。
ては、100℃以上の高温でも実施できるが、好ましく
は30〜100℃である。より好ましくは60〜90℃
である。反応時間は特に限定されるものではなく、設定
した条件により異なるので一義的には決められないが通
常1〜20時間である。
に詳細に説明する。 <参考製造例1>シリカゾル水溶液として日産化学社製
スノーテックスN−30(SiO2 分:30重量%)に
硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをそれぞれAl/
Si+Al=10モル%、Mg/Si+Mg=10モル
%となるように加え溶解させた後、130℃の温度に設
定した噴霧乾燥機で噴霧乾燥して平均粒子系60μmの
球状担体を得た。300℃ついで600℃で焼成した
後、これを担体とした。塩化パラジウム、硝酸鉛を担体
100重量部当たりそれぞれパラジウム、鉛分として5
重量部、6.5重量部となるように担持した後、ヒドラ
ジンで還元して触媒(Pd5.0Pb6.5/Mg、A
l−SiO2 と標記する。)を得た。得られた担持触媒
のPd/Pb担持組成比は原子比で3/1.95、パラ
ジウム/鉛金属間化合物の(111)面のX線回折角
(2θ)が38.745度であった。 <Pd(111)面のX線回折角度の測定>測定は理学
製RAD−RAを使用して通常の粉末X線回折の測定手
順に従い、CuKα1線(1.5405981Å)を用
いてパラジウム/鉛化合物の(111)面の回折角2θ
を測定した。測定は特に高精度に行わねばならない。Na
tional Institute of Standards & Technologyが標準参
照物質660 として定めるところのLaB6 化合物の(1
11)面、(200)面を測定しそれぞれの値を37.
441、43.506となるように規準化する。これに
より測定精度が高く再現性のよい結果が得られる。
することで低分子の吸着/吸蔵成分を除去した後、測定
する。
ルの外部循環型ステンレス製気泡塔反応器に参考製造例
1の触媒300gを仕込み触媒構造の完成化処理を行っ
た。36.7重量%のメタクロレイン/メタノール溶液
を0.54リットル/hr、NaOH/メタノール溶液
を0.06リットル/hr連続的に反応器に供給し(ア
ルデヒド濃度約33%に相当)、反応温度80℃、反応
圧力5kg/cm2 で出口酸素濃度が3.0%(酸素分
圧0.15kg/cm2 相当)となるように空気量を調
整しながら反応器に空気を供給した。反応液のpHは
7.1となるように反応器に供給するNaOH濃度をコ
ントロールした。構造完成化処理を50時間で終了し、
触媒を分析したところPd/Pb担持組成比(原子比)
は3/1.24、パラジウム/鉛金属間化合物の(11
1)面のX線回折角(2θ)は38.652度であっ
た。
相部が1.2リットルの外部循環型ステンレス製気泡塔
反応器に仕込み反応を実施した。36.7重量%のメタ
クロレイン/メタノール溶液を0.54リットル/h
r、NaOH/メタノール溶液を0.06リットル/h
r、連続的に反応器に供給し(アルデヒド濃度約33%
に相当)、反応温度80℃、反応圧力5kg/cm2 で
出口酸素濃度が4.0%(酸素分圧0.20kg/cm
2 相当)となるように空気量を調整しながらMMA生成
反応を行い、10時間経過したところで反応生成物を分
析したところ、メタクロレイン転化率は57.3%、M
MA選択率は90.7%であり、副生物としてプロピレ
ンが選択率1.7%、蟻酸メチルが0.085モル/モ
ルMMA生成していた。
の条件でMMA生成反応を行い、反応開始後10時間経
過したところで反応生成物を分析したところ、メタクロ
レイン転化率は55.2%、MMA選択率は84.1%
であり、副生物としてプロピレンが選択率7.9%、蟻
酸メチルが0.242モル/モルMMA生成していた。
の有無、担体素材を替えた各種触媒を用いてMMA生成
反応を行った。各触媒(実施例2〜6、比較例2〜5)
のPd/Pb担持組成比(原子比)、パラジウム/鉛金
属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)、及び
反応成績を表1にまとめた。MMA生成反応は実施例1
と同じ条件で行った。参考例1、2はアルデヒド濃度1
0%、反応温度50℃で反応を行った。
ゲル(キャリアクト10)にパラジウム5.0重量%、
鉛を3.18重量部担持した触媒を得た。得られた触媒
のPd/Pbの担持組成比(原子比)は3/0.98、
パラジウム/鉛金属間化合物の(111)面のX線回折
角(2θ)が38.927度であった。
考製造例2の触媒1kgと、触媒のPd/Pb担持組成
比を3/1.3とするのに不足する鉛分に相当する酢酸
鉛を溶かしたメタノールを仕込み、反応温度90℃、反
応圧力5kg/cm2 で出口酸素濃度が2.0%(酸素
分圧0.10kg/cm2 相当)となるように空気量を
調整しながら反応器に空気を供給して、触媒構造完成化
処理を20時間行った。得られた触媒のPd/Pb担持
組成比は原子比で3/1.27、パラジウム/鉛金属間
化合物の(111)面のX線回折角(2θ)は38.6
91度であった。
に、この触媒構造完成化工程を終えた触媒200gを仕
込み、反応器に36.7重量%のメタクロレイン/メタ
ノール溶液を0.54リットル/hr、NaOH/メタ
ノール溶液を0.06リットル/hr連続的に供給し、
反応温度80℃、反応圧力5kg/cm2 で出口酸素濃
度が4.0%(酸素分圧0.20kg/cm2 相当)と
なるように空気量を調整しながら反応器に空気を供給
し、MMA生成反応を行った。反応液のpHは7.1と
なるように、反応器に供給するNaOH濃度をコントロ
ールした。10時間経過したところで反応生成物を分析
したところ、メタクロレイン転化率は57.8%、MM
A選択率は89.9%であり、副生物としてプロピレン
が選択率2.12%、蟻酸メチルが0.103モル/モ
ルMMA生成していた。
でMMA生成反応を行った。10時間経過したところで
反応生成物を分析したところ、メタクロレイン転化率は
63.2%、MMA選択率は84.1%であり、副生物
としてプロピレンが選択率7.9%、蟻酸メチルが0.
092モル/モルMMA生成していた。
2の触媒1kg、触媒のPd/Pb担持組成比を原子比
で3/1.3にするのに不足する鉛分に相当する酢酸鉛
を溶かした水を仕込み、90℃に加熱した後、37%ホ
ルマリン水溶液をホルマリン/担持パラジウム=10モ
ルになるように加え、さらに1時間かき混ぜながら加熱
して触媒構造を完成化させた。得られた触媒のPd/P
b担持組成比は原子比で3/1.27、パラジウム/鉛
金属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)が3
8.642度であった。実施例1で用いた触媒分離器を
備え、液相部が1.2リットルの外部循環型ステンレス
製気泡塔反応器を直列に2基連結し、各反応器に構造完
成化処理を終えた触媒をそれぞれ240gづつ仕込み、
MMA生成反応を実施した。第一段目の反応器に36.
7重量%のメタクロレイン/メタノール溶液を0.54
リットル/hr、NaOH/メタノール溶液を0.06
リットル/hr連続的に供給し、反応温度80℃、反応
圧力5kg/cm2 で出口酸素濃度が4.0%(酸素分
圧0.20kg/cm2 相当)となるように空気量を調
整しながら反応器に空気を供給して反応を行った。触媒
懸濁液は液固分離して触媒は反応器に戻し反応液のみを
第二反応器にNaOH/メタノール溶液0.06Lリッ
トル/hrと共に送り、第一段反応器の流出ガスは第二
段反応器に通気する一方、第二段反応器の出口酸素濃度
が2.2%(酸素分圧0.11kg/cm2 相当)とな
るように不足分の空気を第二段反応器に追加し反応温度
80℃、反応圧力4.6kg/cm2 で反応を行った。
また、第一段反応器、第二段反応器ともに反応液のpH
が7.1となるように反応器に供給するNaOH濃度を
コントロールした。反応開始して10時間後に反応生成
物を分析したところ、メタクロレイン転化率は80.2
%、MMA選択率は91.1%であり、副生物としてプ
ロピレンが選択率1.2%、蟻酸メチルが0.114モ
ル/モルMMA生成していた。
にかえてアクロレインを反応させた以外は実施例7と同
様の操作及び反応条件でMMA生成反応を行い、10時
間後に反応生成物を分析したところアクロレイン転化率
は58.2%、アクリル酸メチル選択率は91.3%で
あり副生物としてプロピレンが選択率1.2%、蟻酸メ
チルが0.055モル/モルMA生成していた。
にかえてベンズアルデヒドをメタノールにかえてエタノ
ールを反応させた以外は実施例7と同様の操作及び反応
条件でMMA生成反応を行い、10時間後に反応生成物
を分析したところベンズアルデヒド転化率は76.2%
で安息香酸メチルの選択率は93.2%であった。
い純度で含む担持触媒を提供することが可能になった。
よって、アルデヒドとアルコール及び分子状酸素とを反
応させてカルボン酸エステルを製造するに際し、アルデ
ヒドの濃度、及び反応温度を高めて経済性を改善した反
応条件においても、高いカルボン酸エステル選択率が得
られ、工業的実用価値の高いメタクリル酸エチルエステ
ルの経済性に優れた製造法を提供することができること
から、産業上大いに有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルデヒドとアルコール及び分子状酸素
からカルボン酸エステルを製造する触媒で、パラジウム
及び鉛を含み、下記(1)及び(2)を満たす担持触
媒。 (1)パラジウム/鉛の担持組成比が原子比で3/0.
7〜3/1.3、(2)パラジウム/鉛金属間化合物の
(111)面のX線回折角(2θ)が38.55〜3
8.70、 - 【請求項2】 アルデヒドをアルコール及び分子状酸素
と反応させてカルボン酸エステルを製造する方法におい
て、アルデヒドを請求項1記載の触媒の存在下で、アル
コール及び分子状酸素と反応させることを特徴とするカ
ルボン酸エステルの製造方法。 - 【請求項3】 アルデヒドがメタクロレイン、アクロレ
イン又はこれらの混合物であり、アルコールがメタノー
ルである請求項2記載のカルボン酸エステルの製造方
法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998042653A1 (fr) * | 1997-03-24 | 1998-10-01 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Procede servant a preparer des esters d'acide carboxylique et catalyseur |
-
1995
- 1995-07-18 JP JP18154795A patent/JP3503776B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO1998042653A1 (fr) * | 1997-03-24 | 1998-10-01 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Procede servant a preparer des esters d'acide carboxylique et catalyseur |
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