JPH09287634A - カップリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インジェクションポンプ等の回転駆動系に発
生する回転変動を捩り振動とともに有効に低減させる。 【解決手段】 ハブ１に弾性体２を介して質量体３を接
続して回転駆動系に発生する捩り振動を低減するダンパ
部４を設けるとともに、同じハブ１に同じ弾性体２を介
してアダプタ５を接続して回転駆動系に発生する回転変
動を低減するカップリング部６を設け、ハブ１、質量体
３およびアダプタ５を弾性体２を介して一体に成形し、
アダプタ５にプーリ８を接続するねじ穴等のプーリ接続
部７を設けることにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の防振分
野に利用されるカップリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、インジェクションポンプに発
生する捩り振動を低減するために、図２に示すようなダ
イナミックダンパ２１を備えたカップリングが使用され
ているが、このような防振機構だけでは、クランクシャ
フトからの回転変動がベルトまたはラミネートカップリ
ングを介してインジェクションポンプにそのまま伝達さ
れてしまう。したがってこの回転変動によりインジェク
ションポンプの噴射タイミングにずれが生じる等の不都
合が発生し、これに対してこの回転変動を捩り振動とと
もに有効に低減する手立てが求められている。また駆動
力伝達系に発生する歯打ち騒音または欠損等をも防止す
る必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、上記したインジェクションポンプ等の回転駆動系に
おいて、回転変動を捩り振動とともに有効に低減させる
ことが可能なカップリングを提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のカップリングは、ハブにゴム状弾性材製の
弾性体を介して質量体を接続して、回転駆動系に発生す
る捩り振動を低減するダンパ部を設けるとともに、前記
ハブに前記弾性体を介してアダプタを接続して、前記回
転駆動系に発生する回転変動を低減するカップリング部
を設け、前記ハブ、前記質量体および前記アダプタを前
記弾性体を介して一体に成形し、前記アダプタに、プー
リを接続するねじ穴等のプーリ接続部を設けることにし
た。

【０００５】

【作用】上記構成を備えた本発明のカップリングにおい
ては、ダンパ部が捩り振動を低減するとともにカップリ
ング部が回転変動を低減するというように、ダンパ部お
よびカップリング部よりなる二つの防振機構が使い分け
されているために、上記したインジェクションポンプ等
の回転駆動系に発生する回転変動を捩り振動とともに有
効に低減させることが可能である。またハブ、質量体お
よびアダプタがゴム状弾性材製の弾性体を介して一体に
成形されているために、加硫成形が一度で済み、加硫成
形品が一つで済み、当該カップリングの製造および取扱
いが容易である。

【０００６】

【発明の実施の形態】ハブの外周側に質量体およびアダ
プタを軸方向に並べて配置し、ハブと質量体の間、ハブ
とアダプタの間および質量体とアダプタの間の空間を埋
めるべくゴム状弾性材製の弾性体を加硫成形し、この加
硫成形と同時に弾性体を各部品に加硫接着して各部品を
一体化する。またこれに先立ってアダプタの軸方向端部
にねじ穴等のプーリ接続部を設けておき、装着に際して
このプーリ接続部にプーリを接続する。質量体およびア
ダプタは共に環状部品である。

【０００７】

【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。

【０００８】図１に示すように、断面略Ｌ字形を呈する
ハブ１の外周側にゴム状弾性材製の弾性体２を介して断
面略矩形の質量体（振動リングとも称する）３が接続さ
れ、これらによって回転駆動系に発生する捩り振動を低
減するダンパ部（ダイナミックダンパ部とも称する）４
が設けられている。また同じハブ１に同じ弾性体２を介
して断面略矩形のアダプタ５が接続され、これらによっ
て回転駆動系に発生する回転変動を低減するカップリン
グ部６が設けられている。

【０００９】ハブ１、質量体３およびアダプタ５はそれ
ぞれ金属等所定の剛材によって環状に成形されており、
質量体３およびアダプタ５は互いに軸方向に並んで配置
されている。弾性体２は所定のゴム状弾性材によって環
状に加硫成形され、ハブ１と質量体３の間、ハブ１とア
ダプタ５の間および質量体３とアダプタ５の間の空間を
埋めるべく成形され、加硫成形と同時にハブ１の外周
面、質量体３の内周面および軸方向一端面ならびにアダ
プタ５の内周面、軸方向一端面および外周面に加硫接着
されて、これらの部品を一体化している。アダプタ５の
表面露出した軸方向他端面に所要数のねじ穴よりなるプ
ーリ接続部７が設けられ、このプーリ接続部７にプーリ
８がねじ止めされる。またこの軸方向他端面の内周部
に、プーリ８の内周部を位置決めする環状の凸部９が設
けられている。

【００１０】上記構成を備えたカップリングは、ハブ１
をインジェクションポンプ側に接続するとともに、カッ
プリング部６のアダプタ５をプーリ８および無端ベルト
を介してエンジンのクランクシャフト側に接続して回転
トルクを伝達するものであって、上記構成により以下の
作用効果を奏する点に特徴を有している。

【００１１】すなわち、上記構成を備えたカップリング
においては、インジェクションポンプ側に発生する捩り
振動をダンパ部４により低減するとともにクランクシャ
フト側からの回転変動をカップリング部６により低減
（吸収）するために、後者の回転変動を前者の捩り振動
とともに有効に低減させることが可能である。したがっ
てこの回転変動を原因としてインジェクションポンプの
噴射タイミングにずれが発生するのを未然に防止するこ
とができ、また駆動力伝達系に歯打ち騒音または欠損等
が発生するのを防止することができる。

【００１２】またハブ１、質量体３およびアダプタ５が
ゴム状弾性材製の弾性体２を介して一体に成形されてい
るために、加硫成形が一度で済み、加硫成形品が一つで
済み、当該カップリングの製造および取扱いが容易であ
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。

【００１４】すなわち、上記構成を備えた本発明のカッ
プリングにおいては、ダンパ部が捩り振動を低減すると
ともにカップリング部が回転変動を低減するために、後
者の回転変動を前者の捩り振動とともに有効に低減させ
ることができる。したがってこの回転変動を原因として
インジェクションポンプの噴射タイミングにずれが発生
するのを未然に防止することができ、また駆動力伝達系
に歯打ち騒音または欠損等が発生するのを防止すること
ができる。

【００１５】またハブ、質量体およびアダプタがゴム状
弾性材製の弾性体を介して一体に成形されているため
に、加硫成形が一度で済み、加硫成形品が一つで済み、
当該カップリングの製造および取扱いが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るカップリングの半裁断面
図

【図２】従来例に係るカップリングの半裁断面図

【符号の説明】

１ ハブ ２ 弾性体 ３ 質量体 ４ ダンパ部 ５ アダプタ ６ カップリング部 ７ プーリ接続部 ８ プーリ ９ 凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハブ（１）にゴム状弾性材製の弾性体
   （２）を介して質量体（３）を接続して、回転駆動系に
   発生する捩り振動を低減するダンパ部（４）を設けると
   ともに、 前記ハブ（１）に前記弾性体（２）を介してアダプタ
   （５）を接続して、前記回転駆動系に発生する回転変動
   を低減するカップリング部（６）を設け、 前記ハブ（１）、前記質量体（３）および前記アダプタ
   （５）を前記弾性体（２）を介して一体に成形し、 前記アダプタ（５）に、プーリ（８）を接続するねじ穴
   等のプーリ接続部（７）を設けたことを特徴とするカッ
   プリング。